JPH09132787A - 潤滑性物質とこれを用いた磁気記録媒体 - Google Patents

潤滑性物質とこれを用いた磁気記録媒体

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JPH09132787A
JPH09132787A JP23161696A JP23161696A JPH09132787A JP H09132787 A JPH09132787 A JP H09132787A JP 23161696 A JP23161696 A JP 23161696A JP 23161696 A JP23161696 A JP 23161696A JP H09132787 A JPH09132787 A JP H09132787A
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alkylene oxide
magnetic
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lubricating substance
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Takahiro Furuya
隆博 古谷
Sayaka Sasamoto
さやか 篠本
Ichiji Miyata
一司 宮田
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Hitachi Maxell Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速、低速、高負荷、低負荷にかかわらず、
接触する2固体間を低摩擦、低摩耗で摺動させることが
でき、しかも環境にやさしい潤滑性物質を得ること、ま
たこの潤滑性物質を潤滑剤として用いて耐久性や走行性
が改善された磁気記録媒体を得ることを目的とする。 【解決手段】 潤滑性物質として、分子内にアルキレン
オキシド基とともにエステル基またはアンモニウム塩基
を有するアルキレンオキシド誘導体を、これ単独である
いはこれと脂肪族アミンとの混合系で使用する。また、
非磁性支持体の少なくとも片面に磁性層を有し、この磁
性層の内部または表面に、潤滑剤として上記構成の潤滑
性物質を存在させて、磁気記録媒体を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高速、低速、高負
荷、低負荷にかかわらず、接触する2固体間を低摩擦、
低摩耗で摺動させる潤滑性物質と、この潤滑性物質を潤
滑剤として用いた磁気記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】接触する2固体間を低摩擦、低摩耗で摺
動させ、機器、装置の使用期間を延ばす目的のため、固
体表面の硬質化と潤滑剤の開発が行われている。とく
に、OA機器の分野では、サイズダウンの要求が強く、
摺動部位には年々精密な機構が採用されている。精密部
品が幅広い環境下で継続的または断続的に摺動する将来
の機器では、これまで以上に摺動開始時、摺動時または
終了時の摩擦、摩耗を低下させ、モ―タなどの負荷を低
下させる必要がある。
【0003】これまで、保護潤滑剤系では、摺動部位に
硬く摩耗しにくい表面層を設けて、潤滑剤としてグリ―
スやオイル状の半固体または液体潤滑剤が用いられてき
た。しかしながら、接触部位の平滑化が進んだ精密機器
においては、未だ、高速、低速、高負荷、低負荷にかか
わらず、接触する2固体間を低摩擦、低摩耗で摺動させ
る潤滑性物質は得られておらず、このため、起動不良や
摺動時に偶発的に摩擦力が急増する問題を回避できなか
つた。
【0004】たとえば、強磁性金属またはそれらの合金
などを真空蒸着などによつて非磁性支持体上に被着して
つくられる強磁性金属薄膜型の磁気記録媒体では、塗布
型の磁気記録媒体に比べて、磁性層の高抗磁力化や薄膜
化を図りやすく、高密度記録特性にすぐれる反面、靱性
のある結合剤樹脂を用いず、また強磁性金属薄膜や保護
膜の表面活性がよいため、磁気ヘツドとの摩擦係数が大
きくなつて摩耗や損傷を受けやすく、耐久性や走行性に
劣るという難点がある。
【0005】このため、たとえば、特開昭62−236
118号、特開平1−308242号、特開平2−21
0615号、特開平7−65352号などの公報におい
て、パ―フルオロポリエ―テル系潤滑剤、フツ化カルボ
ン酸系潤滑剤、部分フツ化カルボン酸系潤滑剤などの各
種の潤滑剤を、強磁性金属薄膜上に存在させて、耐久性
および走行性を改善することが提案されている。
【0006】また、磁性粉を樹脂で結合させた塗布型の
磁気記録媒体においても、記録の高密度化が進み、従来
の炭化水素系潤滑剤やシリコン系潤滑剤に代わるすぐれ
た潤滑剤として、上記のようなフツ素系潤滑剤の使用が
望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、上記のフツ
素系潤滑剤によつても、磁気記録媒体の耐久性や走行性
を高度に改善できるものとは必ずしもいえず、しかも、
この種の潤滑剤を磁性層中に含有させ、また磁性層表面
に付着させるには、この潤滑剤をフツ素系有機溶剤に溶
解させて、塗布、浸漬、噴霧などの操作を行わなければ
ならない。フツ素系有機溶剤は、オゾン層の破壊などの
環境破壊につながり、また溶剤が高価なために回収の費
用が必要となるなどの問題点が多い。
【0008】本発明は、上述の事情に鑑み、接触部位の
平滑化が進む将来の精密機器においても、高速、低速、
高負荷、低負荷にかかわらず、接触する2固体間を低摩
擦、低摩耗で摺動させることができ、しかも環境にやさ
しい潤滑性物質を得ること、また、この潤滑性物質を潤
滑剤として用いることにより、耐久性や走行性を高度に
改善した磁気記録媒体を得ることを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために、鋭意検討した結果、潤滑性物質と
して、分子内にアルキレンオキシド基とともにエステル
基またはアンモニウム塩基を有する特定のアルキレンオ
キシド誘導体を、これ単独であるいはこれとさらに特定
の脂肪族アミンとの混合系で用いることにより、汎用の
有機溶剤にて塗布、浸漬、噴霧などの操作が可能となつ
て、フツ素系有機溶剤の使用による環境破壊などの弊害
を招くことなく、接触する2固体間を低摩擦、低摩耗で
摺動させることができ、また、これをとくに磁気記録媒
体用の潤滑剤として用いたときには、耐久性および走行
性が高度に改善された磁気記録媒体が得られることを見
い出し、本発明を完成するに至つたものである。
【0010】すなわち、本発明の第1は、つぎの一般式
(1)〜(4); R1 −O−(R2 O)m−R3 −COO−R4 …(1) R1 −O−(R2 O)m−R3 −COONH3−R4 …(2) R4 −OCO−R3 −O−(R2 O)m−R3 −COO−R4 …(3) R4 −NH3OCO−R3 −O−(R2 O)m−R3 −COONH3−R4 …(4) (式中、R1 は水素原子または炭素数1〜26の一価の
炭化水素基、R2は炭素数1〜6の二価の炭化水素基、
3 は炭素数1〜26の二価の炭化水素基、R4 は炭素
数1〜26の一価の炭化水素基またはフツ化炭素基、m
は1〜12の整数である)で表される分子内にアルキレ
ンオキシド基とエステル基またはアンモニウム塩基とを
有するアルキレンオキシド誘導体を含むことを特徴とす
る潤滑性物質に係るものである。また、本発明の第2
は、上記第1の発明に係るアルキレンオキシド誘導体と
ともに、つぎの一般式(5); R5 N(R6 )R7 …(5) (式中、R5 は炭素数1〜26の一価の炭化水素基、R
6 ,R7 は水素原子または炭素数1〜26の一価の炭化
水素基である)で表される脂肪族アミンを含むことを特
徴とする潤滑性物質に係るものである。さらに、本発明
の第3は、非磁性支持体とその少なくとも片面に磁性層
とを有する磁気記録媒体において、磁性層の内部または
表面に、潤滑剤として、上記第1および第2の発明に係
る潤滑性物質を有することを特徴とする磁気テ―プ、磁
気デイスクなどの磁気記録媒体に係るものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明に用いられるアルキレンオ
キシド誘導体は、前記一般式(1)〜(4)のいずれか
で表される、分子内にアルキレンオキシド基とエステル
基またはアンモニウム塩基とを有するものであり、アル
キレンオキシド基の繰り返し数〔m〕は1〜12、好ま
しくは1〜6であるのがよい。mが0となると、アルキ
レンオキシド基に基づく磁性層などに対する吸着性が発
揮されず、12より大きくなると、上記効果が飽和して
あまり意味を持たず、また粘度が高くなつて物体間に貼
り付きを生じやすくなり、いずれも好ましくない。な
お、このようなアルキレンオキシド誘導体において、分
子片末端または両末端に−OH、−COOH、−N
2 、Cl、−SH、エポキシ基などの官能基を有して
いてもよいし、分子中にN、S、Pなどの元素を含んで
いてもかまわない。
【0012】一般式(1)〜(4)中、R1 は、水素原
子または炭素数1〜26、好ましくは1〜18の一価の
炭化水素基で、後者の炭化水素基の構造としては直鎖
状、分岐状および環状のいずれでもよいが、脂肪族の直
鎖状、分岐状の炭化水素基が好ましく、とくに直鎖状脂
肪族炭化水素基が好ましい。R2 は、炭素数1〜6、好
ましくは1〜4の二価の炭化水素基で、この炭化水素基
の構造としては直鎖状、分岐状および環状のいずれでも
よいが、脂肪族の直鎖状、分岐状の炭化水素基が好まし
く、とくに直鎖状脂肪族炭化水素基が好ましい。R
3 は、炭素数1〜26、好ましくは1〜18の二価の炭
化水素基で、この炭化水素基の構造としては直鎖状、分
岐状および環状のいずれでもよいが、脂肪族の直鎖状、
分岐状の炭化水素基が好ましく、とくに直鎖状脂肪族炭
化水素基が好ましい。
【0013】R4 は、炭素数1〜26、好ましくは1〜
18の一価の炭化水素基またはフツ化炭素基で、両基の
中でも、フツ化炭素基がより好ましい。フツ化炭素基の
構造としては直鎖状、分岐状および環状のいずれでもよ
いが、直鎖状、分岐状が好ましく、とくに直鎖状が好ま
しい。また、フツ化炭素基は構成炭素の一部がフツ素化
されたものであつてもよいし、構成炭素のすべてがフツ
素化されたもの、たとえばパ―フロロアルキル鎖、パ―
フロロポリエ―テル鎖などであつてもよい。なお、フツ
化炭素基は汎用の有機溶剤中では鎖が収縮するため、溶
解性に及ぼす鎖長の効果は小さいと考えられるが、フツ
素特有の潤滑性を得るためには、構成するフツ素の結合
した炭素の数が4以上、とくに6以上であるのが望まし
い。
【0014】フツ化炭素基がエステル基により連結され
る場合〔一般式(1),(3)〕、耐加水分解性を向上
させるために、フツ化炭素基として構成炭素の一部がフ
ツ素化されたものを選択して、かつフツ素の結合した炭
素をエステル基に直接連結するのではなく、−(C
2 )n−基を介して連結させるのがより好ましい。こ
こで、−(CH2 )n−基のnの数としては、2以上で
あるのが望ましい。このように、フツ化炭素基を−(C
2 )n−基を介してエステル基に連結させると、フツ
素の持つ電気陰性度が−(CH2 )n−基により抑制さ
れ、結果として、エステル基の耐加水分解性などが大き
く改善されることになる。
【0015】このようなアルキレンオキシド誘導体は、
いかなる方法で合成されたものであつてもよい。工業的
に有効な合成法の一例を示すと、たとえば、水酸基、カ
ルボキシル基、アミノ基などを有するアルキレンオキシ
ド化物と、水酸基、カルボキシル基、アミノ基などを有
する炭化水素化物ないしフツ化炭素化物とを、両官能基
間で反応させて、両者をエステル結合またはアンモニウ
ム塩結合を介して化学結合させることにより、容易に合
成することができる。
【0016】本発明に用いられる脂肪族アミンは、前記
の一般式(5)で表されるもので、一般式中、R5 は炭
素数1〜26の一価の飽和または不飽和炭化水素基、R
6 ,R7 は水素原子または炭素数1〜26の一価の飽和
または不飽和炭化水素基であつて、R5 、R6 およびR
7 の合計の炭素数は12以上であるのがより好ましい。
このような脂肪族アミンは、前記のアルキレンオキシド
誘導体と併用することにより、摺動特性をより向上させ
る働きがあるが、その含有量としては、アルキレンオキ
シド誘導体1モルに対して、0.01〜100モルの範
囲、好ましくは0.1〜10モルの範囲とするのがよ
い。
【0017】本発明の潤滑性物質は、有効成分として、
上記のアルキレンオキシド誘導体をこれ単独であるいは
上記の脂肪族アミンとの混合系で用いることを特徴とし
たものであるが、この潤滑性物質は、使用に際して、必
要により、脂肪酸またはその金属塩、脂肪酸エステル、
脂肪族アミド、脂肪族アルコ―ル、モノサルフアイド、
パラフイン類、シリコ―ン化合物、脂肪族とフツ化物の
エステル、パ―フルオロポリエ―テル、ポリテトラフル
オロエチレンなどの他の一般の潤滑性物質との混合系
で、用いるようにしてもよい。この場合、上記他の一般
の潤滑性物質は、前記のアルキレンオキシド誘導体1モ
ルに対して、0.01〜100モル、好ましくは0.1
〜10モルとするのがよい。
【0018】また、本発明の潤滑性物質を用いるにあた
り、必要に応じて、トリオレイルホスフエ―トなどのリ
ン系極圧剤、二硫化ベンジルなどのイオウ系極圧剤、臭
化アリルなどのハロゲン系極圧剤、ジイソブチルジチオ
リン酸亜鉛などの有機金属系極圧剤などを併用すること
もできる。
【0019】本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体と
その少なくとも片面に磁性層とを有して、この磁性層の
内部または表面に、潤滑剤として、上記構成からなる本
発明の潤滑性物質を有することを特徴としている。ここ
で、上記の潤滑性物質を磁性層の内部または表面に設け
るには、潤滑性物質をアルコ―ル、炭化水素、ケトン、
エ―テルなどの汎用の有機溶剤に溶解させ、この溶液を
非磁性支持体上にあらかじめ形成された磁性層上に、塗
布または噴霧して乾燥するか、あるいは逆に上記の溶液
中に磁性層を浸漬して乾燥すればよい。
【0020】汎用の溶剤としては、ヘキサン、ヘプタ
ン、オクタン、デカン、ドデカン、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、シクロヘキサン、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトン、メタノ―ル、エタノ―ル、イ
ソプロパノ―ル、ジエチルエ―テル、テトラヒドロフラ
ン、シクロヘキサノンなどが挙げられる。
【0021】磁性層が強磁性金属薄膜からなる場合、こ
の薄膜上に真空蒸着、スパツタリング、プラズマなどで
炭素(ダイヤモンド状やアモルフアス状)、酸化珪素、
酸化ジルコニウム、酸化クロムや、その他有機化合物な
どからなる保護膜を設けたものでもよく、それらにフツ
素や珪素などを含ませた保護膜を設けてもよい。さら
に、この強磁性金属薄膜は表面に微量の水分が付着した
ものであつても、ベンゾトリアゾ―ル系などの防錆剤を
塗布したものであつてもよい。
【0022】また、DLC(ダイヤモンドライクカ―ボ
ン)保護膜などの表面に酸素やアンモニアプラズマ処理
などを施してもよい。プラズマ処理を施すことにより、
保護膜表面を清浄化しつつ、プラズマ中の化学活性種を
堆積させることができ、保護膜の硬度を低下させること
なく、潤滑剤をより安定に存在させることができる。ま
た、紫外線照射処理、熱処理などを行うことによつて
も、潤滑剤を安定に存在させることができる。これらの
処理は潤滑剤を付着させる前に行つてもよいし、潤滑剤
を付着させたのちに行つてもよく、また潤滑剤の付着
後、余分な潤滑剤を溶剤などで洗浄したのちに行つても
よい。
【0023】塗布型の磁気記録媒体では、塗布,噴霧,
浸漬などによる付着形成以外に、汎用の有機溶剤を用い
た磁性塗料中に潤滑剤を混合し、これを非磁性支持体上
に塗着して、潤滑剤含有の磁性塗膜を形成するようにし
てもよい。また、この磁性塗膜上にさらに塗布,噴霧,
浸漬などにて再度付着形成してもよく、付着後、余分な
潤滑剤などを溶剤により洗浄してもよい。さらに、磁性
塗膜の反対側に潤滑剤を含有させておき、これを磁性塗
膜側に転写させるようにしてもよい。
【0024】強磁性金属薄膜上への潤滑剤の付着量は、
薄膜表面に対し0.5〜20mg/m2の範囲とするのがよ
い。また、磁性塗膜中の潤滑剤の含有量は、10〜10
0mg/m2であるのがよい。過少では、磁性層表面に均一
に存在させにくく、スチル耐久性を十分に向上させるこ
とができず、また過多となると、磁気ヘツドと磁性層と
が貼り付いたりなどするため、好ましくない。
【0025】なお、潤滑剤の付着量や含有量は、たとえ
ば、潤滑剤を塗布したテ―プを溶剤に一晩浸漬し、潤滑
剤を溶剤抽出したのち、ガスクロマトグラフイ―や液体
カラムクロマトグラフイ―などにより求めることができ
る。塗布型の磁気記録媒体の場合、磁性層表面および内
部の空孔中に潤滑剤が保持されるが、潤滑特性を示すの
は上記溶剤の浸漬によつて抽出されてくる潤滑剤が主と
して働くため、この量を塗布型の磁気記録媒体の含有量
ということができる。
【0026】本発明の磁気記録媒体において、非磁性支
持体には、ポリエチレンテレフタレ―ト、ポリエチレン
ナフタレ―ト、ポリカ―ボネ―ト、ポリアミド、ポリイ
ミド、ポリ塩化ビニルなどのプラスチツク、ガラス、ア
ルミニウム合金、チタン合金などが好適に使用される。
この非磁性支持体は、テ―プ、シ―ト、デイスク、カ―
ドなどのいずれの形態でもよく、表面に突起を設けたも
のでもよい。
【0027】強磁性金属薄膜型の磁気記録媒体では、上
記の非磁性支持体の片面または両面に、Co、Ni、F
e、Co−Ni、Co−Cr、Co−P、Co−Ni−
P、Fe−Co−B、Fe−Co−Ni、Co−Ni−
Fe−B、Fe−Ni、Fe−Co、Co−Pt、Co
−Ni−Ptまたはこれらに酸素を加えたものなどから
なる種々の強磁性材が、真空蒸着、イオンプレ―テイン
グ、スパツタリング、メツキなどの方法で、薄膜形成さ
れる。このように形成される強磁性金属薄膜の膜厚は、
通常0.03〜1μmの範囲にあるのがよい。
【0028】塗布型の磁気記録媒体では、上記の非磁性
支持体の片面または両面に、磁性粉と結合剤樹脂を含む
磁性塗料が塗着されて、厚さが通常0.05〜10μm
程度の磁性塗膜が形成される。磁性塗料には、充てん
剤、帯電防止剤、分散剤、着色剤などの従来公知の各種
の配合剤を、任意に含ませることができる。
【0029】磁性粉としては、γ−Fe23 、Fe3
4 、γ−Fe23 とFe34との中間酸化状態の
酸化鉄、Co含有γ−Fe23 、Co含有γ−Fe3
4、CrO2 、バリウムフエライトなどの酸化物系磁
性粉や、Fe、Co、Fe−Ni−Cr合金などの金属
磁性粉、窒化鉄のような窒化物系磁性粉など、従来公知
の各種の磁性粉が広く使用される。針状の磁性粉では、
平均粒子径(長軸)が通常0.05〜1μm程度で、平
均軸比(平均長軸径/平均短軸径)が通常5〜10程度
であるのがよい。板状の磁性粉では、平均長軸径が通常
0.07〜0.3μm程度であるのが好ましい。
【0030】結合剤樹脂としては、たとえば、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル系共重合体、繊維素系樹脂、ポリウレタ
ン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルブチラ―ル
系樹脂、ポリアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、フエノ
―ル系樹脂、ポリイソシアネ―ト化合物など、磁気記録
媒体の結合剤樹脂として通常用いられるものが、いずれ
も好適に使用される。
【0031】本発明の磁気記録媒体において、非磁性支
持体の一面側にのみ磁性層を形成したものでは、その反
対面側にバツクコ―ト層を設けてもよい。このバツクコ
―ト層は、カ―ボンブラツク、炭酸カルシウムなどの非
磁性粉を、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、ポリウ
レタン系樹脂、繊維素系樹脂などの結合剤樹脂および有
機溶剤などとともに混合分散して、バツクコ―ト層用塗
料を調製し、これを非磁性支持体の反対面側に塗布,乾
燥して、形成される。
【0032】本発明の潤滑性物質は、上記の磁気記録媒
体用の潤滑剤のほか、各種分野の潤滑剤として使用で
き、また、塗料用樹脂(防食ライニング、非接着コ―テ
イング、耐候性塗料)、繊維処理剤(撥水、撥油加
工)、離型剤、耐油紙、リベリング剤、接着剤、消火
剤、消泡剤、光フアイバ―(鞘成分として)、光学レン
ズ、医用高分子材料などにも使用することができる。
【0033】
【実施例】つぎに、本発明の実施例を記載して、より具
体的に説明する。なお、以下、部とあるのは重量部を意
味する。また、以下の実施例では、本発明の潤滑性物質
を磁気記録媒体に応用した例について述べるが、物質、
製造方法および用途などがこれらの例に限定されないこ
とは言うまでもない。
【0034】実施例1 分子片末端にカルボキシル基を有する2−〔2−(2−
メトキシエトキシ)エトキシ〕アセチツクアシツド1モ
ルと、2−パ―フロロヘキシルエタノ―ル1モルとの混
合物に、p−トルエンスルフオン酸ナトリウム5ミリモ
ルを加え、Dean−Stark水分離器で生成した水
を分離しながら、200℃で6時間反応させた。放冷し
たのち、反応生成物を炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄
した。再結晶または蒸留により精製して、下記の構造
式; CH3O(CH2CH2O)2CH2COOCH2CH2(CF2)6F で表されるアルキレンオキシド誘導体Aを得、これを潤
滑性物質とした。
【0035】実施例2 2−〔2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ〕アセチ
ツクアシツドに代え、2−(2−メトキシエトキシ)ア
セチツクアシツド1モルを用いた以外は、実施例1と同
様に反応させて、下記の構造式: CH3OCH2CH2OCH2COOCH2CH2(CF2)6F で表されるアルキレンオキシド誘導体Bを得、これを潤
滑性物質とした。
【0036】実施例3 2−〔2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ〕アセチ
ツクアシツドに代え、2−(ラウロキシ−テトラエトキ
シ)アセチツクアシツド1モルを用いた以外は、実施例
1と同様に反応させて、下記の構造式; H(CH2)12O(CH2CH2O)4CH2COOCH2CH2(CF2)6F で表されるアルキレンオキシド誘導体Cを得、これを潤
滑性物質とした。
【0037】実施例4 2−〔2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ〕アセチ
ツクアシツドに代え、ポリエチレングリコ―ルビスカル
ボキシメチルエ―テル0.5モルを用いた以外は、実施
例1と同様に反応させて、下記の構造式; F(CF2)6CH2CH2OCOCH2(OCH2CH2)3OCH2COOCH2CH2(CF2)6F で表されるアルキレンオキシド誘導体Dを得、これを潤
滑性物質とした。
【0038】実施例5 2−〔2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ〕アセチ
ツクアシツドに代え、3,3´−オキシビス(2,2´
−ジメチルプロパン酸)0.5モルを用いた以外は、実
施例1と同様に反応させて、下記の構造式; F(CF2)6CH2CH2OCOC(CH3)2CH2OCH2C(CH3)2COOCH2CH2(C
F2)6F で表されるアルキレンオキシド誘導体Eを得、これを潤
滑性物質とした。
【0039】実施例6 2−パ―フロロヘキシルエタノ―ルに代え、ステアリル
アルコ―ル1モルを用いた以外は、実施例1と同様に反
応させて、下記の構造式: CH3O(CH2CH2O)2CH2COO(CH2)18H で表されるアルキレンオキシド誘導体Fを得、これを潤
滑性物質とした。
【0040】実施例7 分子片末端にカルボキシル基を有する2−〔2−(2−
メトキシエトキシ)エトキシ〕アセチツクアシツド1モ
ルと、1H,1H−ペンタデカフロロオクチルアミン1
モルとを、120℃で6時間反応させた。再結晶または
蒸留により精製して、下記の構造式: CH3O(CH2CH2O)2CH2COONH3CH2(CF2)7F で表されるアルキレンオキシド誘導体Gを得、これを潤
滑性物質とした。
【0041】実施例8 2−〔2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ〕アセチ
ツクアシツドに代え、2−(2−メトキシエトキシ)ア
セチツクアシツド1モルを用いた以外は、実施例7と同
様に反応させて、下記の構造式: CH3OCH2CH2OCH2COONH3CH2(CF2)7F で表されるアルキレンオキシド誘導体Hを得、これを潤
滑性物質とした。
【0042】実施例9 2−〔2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ〕アセチ
ツクアシツドに代え、2−(ラウロキシ−テトラエトキ
シ)アセチツクアシツド1モルを用いた以外は、実施例
7と同様に反応させて、下記の構造式; H(CH2)12O(CH2CH2O)4CH2COONH3CH2(CF2)7F で表されるアルキレンオキシド誘導体Iを得、これを潤
滑性物質とした。
【0043】実施例10 2−〔2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ〕アセチ
ツクアシツドに代え、ポリエチレングリコ―ルビスカル
ボキシメチルエ―テル0.5モルを用いた以外は、実施
例7と同様に反応させて、下記の構造式; F(CF2)7CH2NH3OCOCH2(OCH2CH2)3OCH2COONH3CH2(CF2)7F で表されるアルキレンオキシド誘導体Jを得、これを潤
滑性物質とした。
【0044】実施例11 1H,1H−ペンタデカフロロオクチルアミンに代え、
ステアリルアミン1モルを用いた以外は、実施例7と同
様に反応させて、下記の構造式; CH3O(CH2CH2O)2CH2COONH3(CH2)18H で表されるアルキレンオキシド誘導体Kを得、これを潤
滑性物質とした。
【0045】実施例12 1H,1H−ペンタデカフロロオクチルアミンに代え、
ステアリルアミン1モルを用いた以外は、実施例10と
同様に反応させて、下記の構造式; H(CH2)18NH3OCOCH2(OCH2CH2)3OCH2COONH3(CH2)18H で表されるアルキレンオキシド誘導体Lを得、これを潤
滑性物質とした。
【0046】なお、以上の実施例1〜12で得たアルキ
レンオキシド誘導体A〜Lは、いずれも、フ―リエ変換
赤外分光装置(Mattson社製のPI−1000)
を用いて、同定した。参考のため、代表的なIRスペク
トルとして、実施例1で得たアルキレンオキシド誘導体
Aを図1に、実施例3で得たアルキレンオキシド誘導体
Cを図2に、実施例4で得たアルキレンオキシド誘導体
Dを図3に、実施例11で得たアルキレンオキシド誘導
体Kを図4に、それぞれ示した。
【0047】実施例13 実施例1で得たアルキレンオキシド誘導体Aと、H(C
2 18NH2 からなる脂肪族アミンAとを、前者1モ
ルに対して後者が1モルとなる割合で、混合使用して、
潤滑性物質とした。
【0048】実施例14 実施例1で得たアルキレンオキシド誘導体Aと、H(C
2 8 CH=CH(CH2 8 NH2 からなる脂肪族
アミンBとを、前者1モルに対して後者が1モルとなる
割合で、混合使用して、潤滑性物質とした。
【0049】実施例15 実施例3で得たアルキレンオキシド誘導体Cと、H(C
2 18NH2 からなる脂肪族アミンAとを、前者1モ
ルに対して後者が1モルとなる割合で、混合使用して、
潤滑性物質とした。
【0050】実施例16 実施例4で得たアルキレンオキシド誘導体Dと、H(C
2 18NH2 からなる脂肪族アミンAとを、前者1モ
ルに対して後者が1モルとなる割合で、混合使用して、
潤滑性物質とした。
【0051】実施例17 実施例7で得たアルキレンオキシド誘導体Gと、H(C
2 18NH2 からなる脂肪族アミンAとを、前者1モ
ルに対して後者が1モルとなる割合で、混合使用して、
潤滑性物質とした。
【0052】実施例18 実施例11で得たアルキレンオキシド誘導体Kと、H
(CH2 18NH2 からなる脂肪族アミンAとを、前者
1モルに対して後者が1モルとなる割合で、混合使用し
て、潤滑性物質とした。
【0053】比較例1 従来公知のフツ素系潤滑剤Aとして、平均分子量が約
2,000のフツ化エ―テル化合物(Monteflu
os製の「FOMBLIN Z DOL」を使用し、こ
れを潤滑性物質とした。
【0054】比較例2 従来公知のフツ素系潤滑剤Bとして、平均分子量が約
2,000のフツ化エ―テル化合物(Monteflu
os製の「FOMBLIN Z DIAC」を使用し、
これを潤滑性物質とした。
【0055】比較例3 従来公知のフツ素系潤滑剤Cとして、下記の構造式; F(CF2 6 CH2 CH2 OCO(CH2 17H で表されるフツ化エステル化合物を使用し、これを潤滑
性物質とした。
【0056】以上の実施例1〜18および比較例1〜3
の各潤滑性物質について、汎用溶剤に対する溶解性を調
べた。汎用溶剤には、n−ヘキサン:メチルエチルケト
ン:イソプロピルアルコ―ル=7:2:1(重量比)を
用い、潤滑性物質をこの溶剤に少量ずつ加えてよく撹拌
した。0.05重量%以上溶解するものを○、それ以下
のものを×、と評価した。結果は、表1に示されるとお
りであつた。
【0057】
【0058】実施例19〜36 厚さが6μmのポリエチレンテレフタレ―トフイルム上
に、Coを、酸素ガス雰囲気下で斜め蒸着して、上記フ
イルム上に厚さが0.15μmのCo−Oからなる強磁
性金属薄膜を形成した。つぎに、13.56MHzのR
F(ラジオ波)を用い、モノマ―ガスとしてエチレン、
キヤリアガスとして水素を用いて、プラズマ重合法によ
り、上記の強磁性金属薄膜上にDLC(ダイアモンドラ
イクカ―ボン)保護膜20nmを形成し、その後、8mm
のテ―プ幅に裁断した。
【0059】つぎに、潤滑剤として、実施例1〜18の
各潤滑性物質を使用し、これらをn−ヘキサン:メチル
エチルケトン:イソプロピルアルコ―ル=7:2:1
(重量比)にそれぞれ0.2重量%濃度となるように溶
解させて、18種の潤滑剤溶液を調製した。これらの各
潤滑剤溶液中に、上記の強磁性金属薄膜上にDLC保護
膜を形成したテ―プを浸漬して、乾燥し、DLC保護膜
上に各潤滑剤被膜を有する18種のビデオテ―プを作製
した。
【0060】比較例4〜6 潤滑剤として、比較例1〜3の潤滑性物質を使用し、こ
のうち、比較例1,2の潤滑性物質ではこれらを1,
1,2−トリフロロ−1,2,2−トリクロロエタンに
0.2重量%濃度に溶解させ、比較例3の潤滑性物質で
は実施例19〜36と同じ汎用溶剤に0.2重量%濃度
に溶解させて、3種の潤滑剤溶液を調製した。この各潤
滑剤溶液中に、上記の強磁性金属薄膜上にDLC保護膜
を形成したテ―プを浸漬して、乾燥した以外は、実施例
19〜36と同様にして、DLC保護膜上に各潤滑剤被
膜を有する3種のビデオテ―プを作製した。
【0061】以上の実施例19〜36および比較例4〜
6の各ビデオテ―プについて、スチル耐久性および摩擦
係数を、つぎの方法により測定した。これらの結果は、
下記の表2に示されるとおりであつた。
【0062】<スチル耐久性>20℃,50%RHの条
件下で、各ビデオテ―プを直径4cmの8mm用シリンダに
220度の巻き付け角でセツトし、テ―プ/磁気ヘツド
間相対速度11.3m/秒、テ―プ張力12.5gf/
cmの条件で波長1.6μmの正弦波を記録し、スチルモ
―ドで再生出力およびスチル時のシリンダ負荷を測定し
た。スチル寿命は、再生出力が初期値から6db低下する
までの時間とした。
【0063】<摩擦係数>20℃,50%RHの条件下
で、また摺動速度1m/分、摺動距離5cm、テ―プ張力
20gの条件下で、対ステンレスピンに往復摺動試験を
20往復行い、20往復目の摩擦係数を測定した。
【0064】
【0065】実施例37〜54 厚さが10μmのポリエチレンテレフタレ―トフイルム
上に、Co−Niを酸素ガス雰囲気下で斜め蒸着して、
上記フイルム上に厚さが0.15μmのCo−Ni−O
〔Co:Ni(重量比)=80:20〕からなる強磁性
金属薄膜を形成した。その後、8mmのテ―プ幅に裁断し
た。
【0066】つぎに、潤滑剤として、実施例1〜18の
各潤滑性物質を使用し、これらをn−ヘキサン:メチル
エチルケトン:イソプロピルアルコ―ル=7:2:1
(重量比)にそれぞれ0.2重量%濃度となるように溶
解させて、18種の潤滑剤溶液を調製した。これらの各
潤滑剤溶液中に、上記の強磁性金属薄膜を形成したテ―
プを浸漬して、乾燥し、強磁性金属薄膜上に各潤滑剤被
膜を有する18種のビデオテ―プを作製した。
【0067】比較例7〜9 潤滑剤として、比較例1〜3の潤滑性物質を使用し、こ
のうち、比較例1,2の潤滑性物質ではこれらを1,
1,2−トリフロロ−1,2,2−トリクロロエタンに
0.2重量%濃度に溶解させ、比較例3の潤滑性物質で
は実施例37〜54と同じ汎用溶剤に0.2重量%濃度
に溶解させて、3種の潤滑剤溶液を調製した。この各潤
滑剤溶液中に、上記の強磁性金属薄膜を形成したテ―プ
を浸漬して、乾燥した以外は、実施例37〜54と同様
にして、強磁性金属薄膜上に各潤滑剤被膜を有する3種
のビデオテ―プを作製した。
【0068】以上の実施例37〜54および比較例7〜
9の各ビデオテ―プについて、前記の場合と同様にし
て、スチル耐久性および摩擦係数を測定した。結果は、
下記の表3に示されるとおりであつた。
【0069】
【0070】実施例55〜72 α−Fe磁性粉(保磁力1,500エルステツド、飽和
磁化120emu /g)100部、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル−ビニルアルコ―ル共重合体(UCC社製のVAG
H)20部、多官能イソシアネ―ト化合物5部、カ―ボ
ンブラツク3部、α−Al23 粉3部、ミリスチン酸
2部、シクロヘキサノン150部およびトルエン130
部からなる配合組成物を、ボ―ルミル中で72時間混合
分散して、磁性塗料を調製した。この磁性塗料を、厚さ
が15μmのポリエチレンテレフタレ―トフイルム上に
乾燥後の厚さが5μmとなるように塗布し、乾燥して、
磁性塗膜を形成し、カレンダ―処理後、8mmのテ―プ幅
に裁断した。
【0071】つぎに、潤滑剤として、実施例1〜18の
各潤滑性物質を使用し、これらをn−ヘキサン:メチル
エチルケトン:イソプロピルアルコ―ル=7:2:1
(重量比)にそれぞれ0.2重量%濃度となるように溶
解させて、18種の潤滑剤溶液を調製した。これらの各
潤滑剤溶液中に、上記の磁性塗膜を形成したテ―プを浸
漬して、乾燥し、18種のビデオテ―プを作製した。
【0072】比較例10〜12 潤滑剤として、比較例1〜3の潤滑性物質を使用し、こ
のうち、比較例1,2の潤滑性物質ではこれらを1,
1,2−トリフロロ−1,2,2−トリクロロエタンに
0.2重量%濃度に溶解させ、比較例3の潤滑性物質で
は実施例55〜72と同じ汎用溶剤に0.2重量%濃度
に溶解させて、3種の潤滑剤溶液を調製した。つぎに、
この各潤滑剤溶液中に、上記の磁性塗膜を形成したテ―
プを浸漬して、乾燥した以外は、実施例55〜72と同
様にして、3種のビデオテ―プを作製した。
【0073】以上の実施例55〜72および比較例10
〜12の各ビデオテ―プについて、前記の場合と同様に
して、スチル耐久性および摩擦係数を測定した。結果
は、下記の表4に示されるとおりであつた。
【0074】
【0075】上記の表1〜表4から明らかなように、本
発明の実施例1〜18の潤滑性物質は、汎用溶剤に対す
る溶解性にすぐれており、またこれらを潤滑剤として用
いた本発明の実施例19〜72のビデオテ―プは、従来
のフツ素系潤滑剤A〜Cを用いた比較例4〜12のビデ
オテ―プに比べて、いずれもスチル時間が長くなつてお
り、スチル耐久性が大幅に改善されていることがわか
る。
【0076】
【発明の効果】以上のように、本発明では、特定のアル
キレンオキシド誘導体またはこれと脂肪族アミンとから
なる潤滑性物質を用いたことにより、汎用の有機溶剤に
て塗布、浸漬、噴霧などの操作が可能で、フツ素系有機
溶剤の使用による環境破壊などの弊害を招くおそれがな
く、接触する2固体間を低摩擦、低摩耗で摺動できる環
境にやさしい潤滑性物質を提供できる。また、これをと
くに磁気記録媒体用の潤滑剤として用いることにより、
耐久性や走行性が大きく改善された磁気テ―プ、磁気デ
イスクなどの磁気記録媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得たアルキレンオキシド誘導体Aの
IRスペクトルである。
【図2】実施例3で得たアルキレンオキシド誘導体Cの
IRスペクトルである。
【図3】実施例4で得たアルキレンオキシド誘導体Dの
IRスペクトルである。
【図4】実施例11で得たアルキレンオキシド誘導体K
のIRスペクトルである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C10N 20:04 30:06 40:18

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 つぎの一般式(1)〜(4); R1 −O−(R2 O)m−R3 −COO−R4 …(1) R1 −O−(R2 O)m−R3 −COONH3−R4 …(2) R4 −OCO−R3 −O−(R2 O)m−R3 −COO−R4 …(3) R4 −NH3OCO−R3 −O−(R2 O)m−R3 −COONH3−R4 …(4) (式中、R1 は水素原子または炭素数1〜26の一価の
    炭化水素基、R2は炭素数1〜6の二価の炭化水素基、
    3 は炭素数1〜26の二価の炭化水素基、R4 は炭素
    数1〜26の一価の炭化水素基またはフツ化炭素基、m
    は1〜12の整数である)で表される分子内にアルキレ
    ンオキシド基とエステル基またはアンモニウム塩基とを
    有するアルキレンオキシド誘導体を含むことを特徴とす
    る潤滑性物質。
  2. 【請求項2】 アルキレンオキシド誘導体におけるR4
    が炭素数1〜26の一価のフツ化炭素基である請求項1
    に記載の潤滑性物質。
  3. 【請求項3】 アルキレンオキシド誘導体におけるmが
    1〜6の整数である請求項1または2に記載の潤滑性物
    質。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のアルキ
    レンオキシド誘導体とともに、つぎの一般式(5); R5 N(R6 )R7 …(5) (式中、R5 は炭素数1〜26の一価の炭化水素基、R
    6 ,R7 は水素原子または炭素数1〜26の一価の炭化
    水素基である)で表される脂肪族アミンを含むことを特
    徴とする潤滑性物質。
  5. 【請求項5】 脂肪族アミンにおけるR5 、R6 および
    7 の合計の炭素数が12以上である請求項4に記載の
    潤滑性物質。
  6. 【請求項6】 脂肪族アミンの含有量がアルキレンオキ
    シド誘導体1モルに対し0.01〜100モルである請
    求項4または5に記載の潤滑性物質。
  7. 【請求項7】 非磁性支持体とその少なくとも片面に磁
    性層とを有する磁気記録媒体において、磁性層の内部ま
    たは表面に、潤滑剤として、請求項1〜6のいずれかに
    記載の潤滑性物質を有することを特徴とする磁気記録媒
    体。
  8. 【請求項8】 磁性層が強磁性金属薄膜からなり、この
    薄膜表面への潤滑性物質の塗布量が0.5〜20mg/m2
    である請求項7に記載の磁気記録媒体。
  9. 【請求項9】 強磁性金属薄膜の表面に炭素、酸化珪
    素、酸化ジルコニウムまたは酸化クロムの保護膜を有す
    る請求項8に記載の磁気記録媒体。
  10. 【請求項10】 磁性層が磁性塗膜からなり、この塗膜
    中の潤滑性物質の含有量が10〜100mg/m2である請
    求項7に記載の磁気記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2015040937A1 (ja) * 2013-09-20 2015-03-26 株式会社Moresco 含エーテルモノエステル化合物およびその利用

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JP5994133B2 (ja) * 2013-09-20 2016-09-21 株式会社Moresco 含エーテルモノエステル化合物およびその利用
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