JPH1095958A - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置

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JPH1095958A
JPH1095958A JP25138996A JP25138996A JPH1095958A JP H1095958 A JPH1095958 A JP H1095958A JP 25138996 A JP25138996 A JP 25138996A JP 25138996 A JP25138996 A JP 25138996A JP H1095958 A JPH1095958 A JP H1095958A
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JP
Japan
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component
resin
semiconductor device
bis
weight
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JP25138996A
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English (en)
Inventor
Masahiro Tada
昌弘 多田
Tatsuhiro Yoshida
達弘 吉田
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Publication date
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダイボンディング材または封止材に含まれる
水分の気化、および接着剤樹脂の揮発ガスにより、半導
体装置にクラックが発生し、半導体装置の信頼性が低下
するというダイボンディング材の欠点をなくした新規な
接着テープを用いたリフロークラックのない高信頼性の
半導体装置を提供する。 【解決手段】 1分子中にマレイミド基を2個以上有す
るマレイミド化合物と1分子中にアミノ基を2個以上有
するアミノ化合物とを有機溶剤中にて反応せしめて得ら
れる、溶剤可溶性で重量平均分子量が20,000から
200,000までの範囲であるプレポリマー(成分
A)に、成分Aのマレイミド化合物中あるいはプレポリ
マー中のマレイミド基と反応する架橋剤(成分B)、そ
してアクリルゴム、エチレンーアクリルゴム、アクリロ
ニトリル−ブタジエンゴムからなる群の中から選ばれた
少なくとも1種の樹脂(成分C)を配合してなる樹脂組
成物を主たる成分とする熱硬化性接着テープを用いて半
導体素子を支持部材に接合してなる半導体装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた作業性を有
し、かつ速硬化性、耐熱性、低吸水性を併も持つ熱硬化
性接着テープを用いた半田リフロー時にリフロークラッ
クのない高信頼性の半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子部品用の接着テープは、例えば積層
板、フレキシブル回路基板、リードフレーム固定用、半
導体素子実装用などに使用され、金属と積層板材料、金
属と耐熱性プラスチックフィルム、金属と金属、金属と
半導体素子の間を接合するものである。従来、半導体装
置を製造する際、半導体素子とリードフレーム等の支持
部材とを接合する方法としては、Au−Si共晶接合
法、半田接合法、樹脂接合法がある。共晶法は、共晶合
金をつくることを利用して接合するので、非常に強固な
結合が得られるが、その反面チップサイズが大きい場
合、チップにかかる応力が大きくなりチップクラックを
引き起こすことがある。また材料にAuを使用するため
コストが高くなる欠点がある。半田接合法はPb−Sn
系のプリフォームを用い不活性ガス雰囲気下で加熱溶融
し接合する。熱伝導性が良好であり、柔らかいため応力
を吸収しやすく、発熱量の大きいチップとCu系のパッ
ケージとの接合に有効である。しかし熱疲労劣化が顕著
であり、材料やプロセスの面でコストが問題である。最
近ではエポキシやポリイミド等の樹脂に硬化剤やフィラ
ーを含んだ樹脂接合法が主流となっている。ディスペン
サーやスタンピングマシンを用いて塗布し、常温でチッ
プをダイボンディングした後、加熱硬化させるものであ
る。常温で作業ができ、材料的にも比較的安価であり、
プロセス上装置の構成が簡易なことから、量産性に優れ
る。加熱硬化方法として、オーブン中で硬化させるバッ
チ法とヒータープレート上で硬化させるインライン法と
がある。
【0003】これまでにこの様な用途の接着剤樹脂は種
々研究されており、例えば、エポキシ樹脂、ポリアクリ
ロニトニル樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、フェノ
ール樹脂/ニトリルゴム系、フェノール樹脂/ポリビニ
ルアセタール系、フェノール樹脂/エポキシ樹脂/ポリ
ビニルアセタール系、フェノール樹脂/エポキシ樹脂/
ニトリルゴム系などを単独あるいは混合して接着剤とし
て研究開発され、実用化されている。しかしながらエポ
キシ樹脂は接着性や電気絶縁性、機械的特性に優れてい
るものの、耐熱性の点では充分に満足いくものではな
い。フェノール樹脂は耐熱性はある程度はあるものの、
残存するフリーフェノールが加工時にガスとして発生す
る、低分子量体が樹脂の硬化物性を著しく低下させると
いった問題を完璧に克服できていない。またこのような
熱硬化性接着剤樹脂はその加熱硬化に高温長時間を必要
とする場合が多く、生産性の問題もあり、高信頼性接着
剤としての要求を満たすことが難しくなりつつある。ビ
スマレイミド樹脂は成形材料、積層材料の分野で良く知
られており、耐熱性の要求が厳しい用途で実用化されて
いる。しかしながらビスマレイミド樹脂を熱重合して得
られる硬化物はきわめて脆弱でクラックが生じやすく実
用上まだまだ問題があり、良好な硬化物を得るのに高温
高圧下で長時間プレスしなければならないといった加工
性以外に生産性の問題も生じている。またビスマレイミ
ド樹脂はフェノール樹脂やエポキシ樹脂と比べて有機溶
剤への溶解性は低く、有機溶剤へ溶解させて樹脂ワニス
として用いる場合、高沸点のアミド系溶剤にビスマレイ
ミド樹脂を溶解させても、溶剤を揮散せしめるには非常
に高温でかつ長時間の工程が必要となり、加工面でのデ
メリットが問題となっている。
【0004】チップをリードフレームに上記のような方
法にて接合した後、チップ上のAl電極とリードをAu
などの金属細線で接続するワイヤーボンディングの工程
を経て、封止樹脂により封止後、基板上に半田実装され
る。近年特に高密度実装のため、半田による実装方法も
半導体装置のリードを基板に直接半田付けし、基板全体
を赤外線などで加熱するリフローソルダリングが用いら
れ、その際半導体装置は200℃以上の高温に加熱され
る。このため半導体装置内部、特に顕著であるのは、ダ
イボンディング材または封止材に含まれる水分の気化、
および接着剤樹脂の揮発ガスにより、半導体装置にクラ
ックが発生し、半導体装置の信頼性が低下するという問
題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的とすると
ころは、前記のダイボンディング材の欠点をなくした新
規な接着テープを用いたリフロークラックのない高信頼
性の半導体装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記事情
を鑑み、課題を解決するために鋭意検討した結果、マレ
イミド化合物とアミノ化合物を反応せしめ、有機溶剤に
可溶であり重量平均分子量20,000〜200,00
0までのプレポリマーを合成し、これを硬化成分とする
樹脂組成物を主たる成分とする熱硬化性接着テープを用
いて半導体素子を支持部材に接合してなる半導体装置が
上記目的に適うことを見出し本発明を完成するに至っ
た。
【0007】即ち本発明の主旨は以下の通りである。1
分子中にマレイミド基を2個以上有するマレイミド化合
物と1分子中にアミノ基を2個以上有するアミノ化合物
とを有機溶剤中にて反応せしめて得られる、溶剤可溶性
で重量平均分子量が20,000から200,000ま
での範囲であるプレポリマー(成分A)に、成分Aのマ
レイミド化合物中あるいはプレポリマー中のマレイミド
基と反応する架橋剤(成分B)、そしてアクリルゴム、
エチレンーアクリルゴム、アクリロニトリル−ブタジエ
ンゴムからなる群の中から選ばれた少なくとも1種の樹
脂(成分C)を配合してなる樹脂組成物を主たる成分と
する熱硬化性接着テープを用いて半導体素子を支持部材
に接合してなる半導体装置に関する。
【0008】本発明に用いられる接着剤樹脂は、1分子
中にマレイミド基を2個以上有するマレイミド化合物と
1分子中にアミノ基を2個以上有するアミノ化合物とを
有機溶剤中にて反応せしめて得られる、溶剤可溶性で重
量平均分子量が20,000から200,000までの
範囲であるプレポリマー(成分A)に、成分Aのマレイ
ミド化合物中あるいはプレポリマー中のマレイミド基と
反応する架橋剤(成分B)、そしてアクリルゴム、エチ
レンーアクリルゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴ
ムからなる群の中から選ばれた少なくとも1種の樹脂
(成分C)を配合してなる樹脂組成物を主たる成分と
し、それぞれの重量比は、成分A100重量部に対し
て、成分Bを0.5〜8重量部、成分Cを20〜200
重量部を配合してなることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明中の樹脂組成物成分Aを得
るのに用いられるマレイミド化合物は下記一般式(1)
で表されるマレイミド基を1分子中に2個以上有するも
のである。
【0010】
【化1】 (式中、Xは2価以上の有機基であり、nは2以上の整
数である。)
【0011】例えば、1分子中に2個のマレイミド基を
有するものとして様々なビスマレイミドを用いることが
可能であり、具体的には、1−メチル−2,4−ビスマ
レイミドベンゼン、N,N’−m−フェニレンビスマレ
イミド、N,N’−p−フェニレンビスマレイミド、
N,N’−m−トルイレンビスマレイミド、N,N’−
4,4’−ビフェニレンビスマレイミド、N,N’−
4,4’−〔3,3’−ジメチル−ビフェニレン〕ビス
マレイミド、N,N’−4,4’−〔3,3’−ジメチ
ルジフェニルメタン〕ビスマレイミド、N,N’−4,
4’−〔3,3’−ジエチルジフェニルメタン〕ビスマ
レイミド、N,N’−4,4’−ジフェニルメタンビス
マレイミド、N,N’−4,4’−ジフェニルプロパン
ビスマレイミド、N,N’−4,4’−ジフェニルエー
テルビスマレイミド、N,N’−3,3’−ジフェニル
スルホンビスマレイミド、N,N’−4,4’−ジフェ
ニルスルホンビスマレイミド、2,2−ビス〔4−(4
−マレイミドフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2
−ビス〔3−t−ブチル−4−(4−マレイミドフェノ
キシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−s−ブ
チル−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕プ
ロパン、1,1−ビス〔4−(4−マレイミドフェノキ
シ)フェニル〕デカン、1,1−ビス〔2−メチル−4
−(4−マレイミドフェノキシ)−5−t−ブチルフェ
ニル〕−2−メチルプロパン、4,4’−シクロヘキシ
リデン−ビス〔1−(4−マレイミドフェノキシ)−2
−(1,1−ジメチルエチル)ベンゼン〕、4,4’−
メチレン−ビス〔1−(4−マレイミドフェノキシ)−
2,6−ビス(1,1−ジメチルエチル)ベンゼン〕、
4,4’−メチレン−ビス〔1−(4−マレイミドフェ
ノキシ)−2,6−ジ−s−ブチルベンゼン〕、4,
4’−シクロヘキシリデン−ビス〔1−(4−マレイミ
ドフェノキシ)−2−シクロヘキシルベンゼン、4,
4’−メチレンビス〔1−(マレイミドフェノキシ)−
2−ノニルベンゼン〕、4,4’−(1−メチルエチリ
デン)−ビス〔1−(マレイミドフェノキシ)−2,6
−ビス(1,1−ジメチルエチル)ベンゼン〕、4,
4’−(2−エチルヘキシリデン)−ビス〔1−(マレ
イミドフェノキシ)−ベンゼン〕、4,4’−(1−メ
チルヘプチリデン)−ビス〔1−(マレイミドフェノキ
シ)−ベンゼン〕、4,4’−シクロヘキシリデン−ビ
ス〔1−(マレイミドフェノキシ)−3−メチルベンゼ
ン〕、2,2−ビス〔4−(4−マレイミドフェノキ
シ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−マ
レイミドフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロプロパ
ン、2,2−ビス〔3−メチル−4−(4−マレイミド
フェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−
メチル−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕
ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔3,5−ジメ
チル−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕プ
ロパン、2,2−ビス〔3,5−ジメチル−4−(4−
マレイミドフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロプロ
パン、2,2−ビス〔3−エチル−4−4−マレイミド
フェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−
エチル−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕
ヘキサフルオロプロパン、ビス〔3−メチル−(4−マ
レイミドフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔3,5
−ジメチル−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕
メタン、ビス〔3−エチル−(4−マレイミドフェノキ
シ)フェニル〕メタン、3,8−ビス〔4−(4−マレ
イミドフェノキシ)フェニル〕−トリシクロ−〔5,
2,1,02.6〕デカン、4,8−ビス〔4−(4−マ
レイミドフェノキシ)フェニル〕−トリシクロ−〔5,
2,1,02.6〕デカン、3,9−ビス〔4−(4−マ
レイミドフェノキシ)フェニル〕−トリシクロ−〔5,
2,1,02.6〕デカン、4,9−ビス〔4−(4−マ
レイミドフェノキシ)フェニル〕−トリシクロ−〔5,
2,1,02.6〕デカン、1,8ビス〔4−(4−マレ
イミドフェノキシ)フェニル〕メンタン、1,8ビス
〔3−メチル−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェ
ニル〕メンタン、1,8−ビス〔3,5−ジメチル−4
−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕メンタンな
どを挙げることができ、これらを単独、あるいは併用し
て使用することができる。
【0012】1分子中に3個以上のマレイミド基を有す
るものとして、トリス(4ーマレイミドフェニ)ルメタ
ン、ビス(3,4−ジマレイミドフェニル)メタン、ポ
リ(4−マレイミドスチレン)、および下記一般式
(2)で表されるアニリンとホルムアルデヒドの反応に
より得られるアニリン樹脂等の芳香族ポリアミンをマレ
イミド化したポリマレイミド等があり、具体的には下記
一般式(3)で表されるポリマレイミドを挙げることが
できる。これらのポリマレイミド化合物を単独、あるい
は併用して用いることができ、また上記ビスマレイミド
化合物を併用して使用することもできる。
【0013】
【化2】 (式中、kは2以上の整数)
【0014】
【化3】 (式中、mは1から5までの整数、Rは水素原子または
1価の有機基)
【0015】本発明で用いられるアミノ化合物として
は、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテト
ラミン、テトラエチレンペンタミン、ヘキサメチレンジ
アミン、N−アミノエチルピペラジン、1,4−ビス
(アミノプロピル)ピペラジン、トリメチルヘキサメチ
レンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、
4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジ
アミノジフェニルスルフォン、m−フェニレンジアミ
ン、2,4−トルイレンジアミン、2,6−トルイレン
ジアミン、o−トルイレンジアミン、キシリレンジアミ
ン、ジメチルフェニレンジアミン、2,2−ビス(4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、1,3
−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2-ビス(4
-(4-アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパ
ン、2,2-ビス(4-アミノフェノキシ)ヘキサフルオロプロ
パン、ビス-4-(4-アミノフェノキシ)フェニルスルフォ
ン、ビス-4-(3-アミノフェノキシ)フェニルスルフォ
ン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、3,
3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシル
メタン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ビ
ス(アミノメチル)シクロヘキサン、ポリアミン、アニ
リン樹脂などを挙げることができ、これらを単独、ある
いは併用して使用することができる。
【0016】マレイミド化合物とアミノ化合物との反応
は有機溶剤中で行われる。溶剤としては、例えばベンゼ
ン、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、ジオキ
サン、酢酸エチル、アセトニトリル、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、N,N−ジメチルホルム
アミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−
2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド等が挙げられ
る。マレイミド化合物とアミノ化合物とを反応せしめて
得られるプレポリマーは有機溶剤に可溶であることが必
要である。溶剤可溶性でない場合、本発明が目的とする
成形加工性が優れた樹脂組成物を得ることができない。
マレイミド化合物とアミノ化合物とを反応せしめて得ら
れるプレポリマーの重量平均分子量は20,000〜2
00,000、さらには40,000〜150,000
であることがより好ましい。重量平均分子量が20,0
00より小さい場合、溶融粘度が低くなり樹脂のフロー
を制御することができない、また架橋密度が高く、硬い
が脆いというマレイミド樹脂の欠点が克服されない。一
方、重量平均分子量が200,000より大きい場合有
機溶剤への溶解性が低下し、プレポリマーが反応中に析
出し好ましくない、また溶融粘度が高くなりすぎて加工
性の改良が果たせない場合がある。
【0017】本発明で用いられる接着テープつまりは接
着剤樹脂の熱硬化の方法について、硬化成分である成分
Aのプレポリマーは無触媒でも硬化可能であるが、架橋
剤を用いることにより更に容易に硬化せしめることが可
能となり、本発明の目的とする生産性の向上を期待し得
る。プレポリマー中のマレイミド基と反応する架橋剤と
して有機過酸化物が好ましい。硬化時間の短縮による生
産性の向上を目的とする場合特に好ましい。具体的に
は、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオ
キサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m
−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5
−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメ
チル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−
3などが好適に挙げられる。AIBN、ジ−t−ブチル
パーオキサイド、アセチルパーオキサイドなどは分解温
度が低く、保存安定性、硬化物性に劣り好ましくない。
架橋剤の添加量は、成分Aのプレポリマー100重量部
に対して0.5〜8重量部用いることが好ましい。より
好ましくは0.8〜5重量部である。0.5重量部より
少ないと短時間で硬化が完了せず硬化物が不均一となり
好ましくない。8重量部を越えて用いると硬化時に発泡
したり、分解せずに残留した架橋剤により硬化物性が低
下する。
【0018】本発明で用いられる樹脂成分Cとしては、
アクリルゴム、エチレンーアクリルゴム、アクリロニト
リル−ブタジエンゴムからなる群の中から選ばれた少な
くとも1種の樹脂を配合することが好ましい。特に成分
Aとの相溶性を重視する場合アクリロニトリルーブタジ
エンゴムがより好ましい。その量比については、成分A
のプレポリマー100重量部に対して、20〜200重
量部であることが好ましい。20重量部より少ないと硬
化物の靭性が低下し好ましくない。200重量部を越え
ると樹脂組成物のフローを制御し得なくなり作業性が低
下してしまう、またマレイミドの硬化物性が十分に発現
せず、特に耐熱性の低下は著しく好ましくない。本発明
の接着剤樹脂には、その樹脂組成物の特性を損なわない
範囲でフェノール樹脂、エポキシ樹脂、シアネート樹脂
などを併用することが可能である。また本発明の接着剤
樹脂に無機質充填材を加えることは妨げない。
【0019】前記接着剤樹脂を溶解させる有機溶剤とし
ては特に限定されないが、沸点が120℃以下であるこ
とが好ましい。たとえばケトン系溶剤としてアセトン、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロ
ペンタノン、シクロヘキサノンを挙げることができる。
これらの溶剤は単独で使用しても良いし、2種以上を混
合して用いることもできる。アミド系溶剤、例えばN,
N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトア
ミド、N−メチル−2−ピロリドンなどはその沸点が高
いため塗工乾燥時に高温を必要とし、有機化酸化物の分
解を引き起こす点で好ましくない。樹脂ワニスには表面
平滑性を出すための平滑剤、レベリング剤、脱泡剤など
の各種添加剤を必要に応じて添加することができる。
【0020】本発明において樹脂ワニスを接着テープと
するには、樹脂ワニスを流延あるいは塗布して得られ、
例えば耐熱性フィルム基材を支持体として用い、その片
面または両面に同様に接着剤樹脂層を形成させ、支持体
と共に接着テープとしたり、ロール、金属シート、ポリ
エステルシートなどの離型シートの上にフローコータ
ー、ロールコーターなどによりフィルムを形成させ、加
熱・乾燥後剥離して接着テープとするなどの方法で得る
ことができる。
【0021】本発明において使用する耐熱性フィルム基
材は、ポリイミド樹脂フィルムが熱膨張係数が小さく温
度変化に対する寸法安定性に優れていること、可撓性に
富み取り扱い易いこと、本発明の樹脂との密着力が優れ
ている点で好ましい。特にガラス転移温度 350℃以上の
ポリイミド樹脂は、塗布ワニスを乾燥する工程での作業
性、安定性の点で優れている。樹脂ワニスの塗布・乾燥
は、フローコーター、ロールコーターなどの塗布設備と
熱風乾燥炉を組み合わせた装置などを用いることができ
る。樹脂ワニスを支持体に塗工後、熱風乾燥炉に導きワ
ニスの溶剤を揮散させるに十分な温度と風量でもって乾
燥する。
【0022】本発明の接着テープの使用方法は特に限定
されるものではないが、所定の形状に切断して加熱した
ヒートブロックで熱圧着して接着する方法などが挙げら
れる。特に半導体素子をリードフレームに接着させる際
に用いられることが好ましい。
【0023】本発明の接着テープを用いた半導体装置
は、テープを所定の形状に切断して、加熱したヒートブ
ロックでリードフレームに熱圧着して接着した後、半導
体素子を熱圧着し、その後ヒートブロック、循環式熱風
乾燥機などの加熱装置を用いて加熱硬化する。その後ワ
イヤーボンディング、樹脂封止の工程を経て得られる。
本発明に用いられる熱硬化性接着テープは、優れた作業
性を有し、かつ速硬化性、耐熱性、耐湿性、接着性を併
せもつので、耐熱性、接着性および機械的強度が要求さ
れる様々な分野、特に電子部品接着用途、具体的には回
路基板材料や半導体実装材料として金属、積層板、シリ
コン基板を接着する材料として工業的に極めて利用価値
が高い。特にこの接着テープを用いた半導体装置は、リ
フロー半田時にリフロークラックのない点で優れてい
る。以下実施例により本発明を詳細に説明するが、これ
らの実施例に限定されるものではない。
【0024】
【実施例】
(合成例1)表1の配合に従って、トルエン848.4
gに2,2−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)
フェニル)プロパン(BMI−80、ケイ・アイ化成
(株)製)150g、1,3−ビス(3−アミノプロピ
ル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン(H
−PAM、信越シリコーン(株)製)62.1gを添加
し60℃まで加熱しそのまま2時間反応させた。反応終
了後、反応溶液を室温まで放冷し、大量のメタノールに
投入して成分Aである樹脂成分を析出させ、濾別により
プレポリマーを洗浄、分離し、十分に乾燥させた。得ら
れたプレポリマーの分子量を高速液体クロマトグラフィ
ーを用いて分析した(GPC−209Gウォターズ、カ
ラム:G4000HXL、G3000HXL、G200
0HXL、G1000HXL、溶媒:テトラヒドロフラ
ン、流量:1.0ml/分、検出器:RI)。重量平均
分子量89000、数平均分子量18000であった。
【0025】
【表1】
【0026】(合成例2〜4)表1の配合に従って、合
成例1と同様にしてプレポリマーを得た。
【0027】(実施例1)表2の配合に従って、メチル
エチルケトン(MEK)400gに上記プレポリマー1
00gを添加し均一に溶解した後、アクリロニトリル−
ブタジエンゴム(N220SH、日本合成ゴム(株)
製)100gをMEK400gに溶解させたものを添加
し室温にて1時間攪拌した。さらにその後α,α’−ビ
ス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼ
ン(PBP、日本油脂(株)製)2gを加え1時間撹拌
し、樹脂組成物溶液を得た。このワニスをリバースロー
ルコーターでポリイミドフィルム(商品名ユーピレック
スSGA、厚み50μm、宇部興産株式会社製)の片面
に塗布し、接着剤層の厚みが20μmの接着テープを得
た。乾燥温度は最高110℃で乾燥時間6分であった。
次いでもう一方の片面に塗布し、両面に接着剤層をもつ
接着テープを得た。
【0028】この接着テープを、テーピング機にてリー
ドフレーム(42アロイ、80pinQFP)に120
℃/2秒/4kg/cm2で圧着し、次いで半導体素子
(9×9×0.35mm)を150℃/2秒/2kg/
cm2の条件でテープを介してリードフレームに接合し
た後ホットプレート上にて加熱硬化(200℃/90
秒)した。次に市販のエポキシ樹脂封止材料により封止
し、半田クラック評価用のパッケージ(パッケージサイ
ズ:14×20×2.0mm)を得た。このパッケージ
を85℃/85%の恒温恒湿槽で所定時間吸湿させ、そ
の後IRリフロー装置で半田リフロー(240℃/10
秒)を行い、パッケージの外部クラック発生数を観察し
た。その結果を第1表に示した。
【0029】表2のテープ物性値は以下のようにして求
めた。接着性は、接着テープを35μm電解銅箔の黒処
理をしていない金属光沢面にヒートブロックを有する熱
プレスで圧着して試験片を作成することにより求めた。
接着条件は120℃/1秒、圧力は4kg/cm2であ
った。この試験片を200℃/90秒間熱板上で硬化さ
せ、引張り試験機により180度ピール強度を測定した
(引張り速度50mm/min)。強度は1.26kg
f/cmであり、銅に対して優れた接着力を示した。破
断面は接着剤層が凝集破壊し、圧着時あるいは硬化時の
ボイドは全く見られなかった。
【0030】接着剤樹脂の硬化後の物性値は、フィルム
状試験片を用いて測定した。接着剤樹脂溶液を離型剤を
塗ったステンレス鋼板に塗布、銅箔試験片と同様にして
乾燥し、200℃/90秒間熱板上でステンレス鋼板と
ともに硬化させ、剥離後フィルム状試験片を得た。熱分
解開始温度はTG/DTA測定(昇温速度10℃/mi
n、空気下)、吸水率はJIS K7209(D−24
hr/23℃)により求めた。結果を表2に示した。
【0031】
【表2】
【0032】(実施例2〜4)実施例1と同様にして表
2に示す配合にて樹脂ワニスを調整し、接着テープ、パ
ッケージを作成し、評価した。
【0033】(比較例1〜3)表3の配合に従って、実
施例1と同様にして、評価した。
【0034】
【表3】
【0035】(比較例4)市販のダイボンディング用エ
ポキシ樹脂ペーストを用いた。ディスペンサーにてリー
ドフレーム上に塗布し、素子を装着後加熱硬化(180
℃/60秒)して接合した。その後は実施例1と同様に
して評価した。表3の結果から、成分Aの分子量が低い
場合樹脂フローを制御することができず、硬化時にボイ
ドが発生してしており、また成分A100重量部に対す
る成分Cの量比が20〜200重量部の範囲外であると
期待する物性は発現されず、またこれらの比較例ではパ
ッケージに外部クラックが発生しており、半導体の信頼
性に大きく影響することがわかる。また従来の樹脂接合
法によるパッケージにおいても吸湿時間が長くなるとク
ラックが発生することがわかる。一方実施例から本発明
の接着テープを用いた半導体装置ではパッケージの外部
クラック発生が抑制されることが示される。
【0036】
【発明の効果】本発明に用いられる熱硬化性接着テープ
は、優れた作業性を有し、かつ速硬化性、耐熱性、耐湿
性、接着性を併せもつので、耐熱性、接着性および機械
的強度が要求される様々な分野、特に電子部品接着用
途、具体的には回路基板材料や半導体実装材料として金
属、積層板、シリコン基板を接着する材料として工業的
に極めて利用価値が高い。特にこの接着テープを用いた
半導体装置は、リフロー半田時のリフロークラックの発
生を低減し、半導体装置の信頼性の向上を期待すること
ができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1分子中にマレイミド基を2個以上有す
    るマレイミド化合物と1分子中にアミノ基を2個以上有
    するアミノ化合物とを有機溶剤中にて反応せしめて得ら
    れる、溶剤可溶性で重量平均分子量が20,000から
    200,000までの範囲であるプレポリマー(成分
    A)100重量部に、成分Aのマレイミド化合物中ある
    いはプレポリマー中のマレイミド基と反応する架橋剤
    (成分B)0.5〜8重量部、そしてアクリルゴム、エ
    チレンーアクリルゴム、アクリロニトリル−ブタジエン
    ゴムからなる群の中から選ばれた少なくとも1種の樹脂
    (成分C)20〜200重量部を配合してなる樹脂組成
    物を主たる成分とする熱硬化性接着テープを用いて半導
    体素子を支持部材に接合してなる半導体装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000044888A (ja) * 1998-07-02 2000-02-15 Natl Starch & Chem Investment Holding Corp ダイ結合接着剤
JP2009038389A (ja) * 2008-09-22 2009-02-19 Sumitomo Bakelite Co Ltd 半導体チップ接着剤

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JP2000044888A (ja) * 1998-07-02 2000-02-15 Natl Starch & Chem Investment Holding Corp ダイ結合接着剤
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