JPH1095876A - 難燃性樹脂組成物 - Google Patents

難燃性樹脂組成物

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JPH1095876A
JPH1095876A JP25490296A JP25490296A JPH1095876A JP H1095876 A JPH1095876 A JP H1095876A JP 25490296 A JP25490296 A JP 25490296A JP 25490296 A JP25490296 A JP 25490296A JP H1095876 A JPH1095876 A JP H1095876A
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秀男 川端
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淳一 横山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 機械的強度、可撓性、加工性、高度の難燃性
を保持し、耐熱性、機械的特性、耐摩耗性の向上した諸
物性バランスの良い難燃性樹脂組成物の提供。 【解決手段】 下記(1) 〜 (6)の条件を満足するエチレ
ン(共)重合体成分100部に対して無機系難燃剤30
〜200部を含有する難燃性樹脂組成物: (1)密度(d)0.86〜0.97g/cm3 ; (2)MFR0.01
〜200g/10分;、(3) Mw/Mn 1.5〜 4.5;
(4) Cb1.08〜 2.0; (5)25℃におけるODCB可溶
分の量X(wt%)とdおよびMFRが、 (i)d− 0.0
08×logMFR≧0.93dの場合、X< 2.0であり、
(ii) d− 0.008×logMFR<0.93の場合、X< 9.
8×103 ×(0.9300−d+0.08×log MFR)2 + 2.
0である; (6)TREFによる溶出温度−溶出量曲線の
ピークが複数である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は無機系難燃剤を含有
する難然性樹脂組成物に関する。さらに詳しくいえば、
狭い分子量分布と適度な広さの組成分布を有するエチレ
ンの単独重合体またはエチレンと炭素数3〜20のα−
オレフィンとの共重合体(本明細書においては、これら
単独重合体または共重合体を、一括してエチレン(共)
重合体という。)および無機無リン系難燃剤あるいは無
機無リン系難燃剤と赤リン、またはこれらに加えてオレ
フィン系重合体あるいは官能基を導入したオレフィン系
重合体を含む組成物であって、可撓性を有し、耐熱性、
機械的特性に優れ、燃焼時にハロゲンガスなどの有害ガ
スの発生が無い難然性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフィン系樹脂は、物理的性質お
よび化学的性質に優れ、押出し成形、射出成形などの種
々の成形方法でフィルム、シート、パイプ、容器、被覆
電線(以下、単に電線という。)、ケーブルなどに成形
され、家庭用、工業用として多くの用途に用いられる最
も需要の多い汎用樹脂である。しかし、ポリオレフィン
系樹脂は易燃性であるため、これを難燃化するための方
法が従来より種々提案されている。その最も一般的な方
法はポリオレフィン系樹脂に、ハロゲンまたはリン系な
どの有機系難燃剤を添加することによって難燃化する方
法である。
【0003】しかしながら、これらの有機系難燃剤によ
れば少量の配合量で効果を有するが、燃焼時に有害なハ
ロゲンガスを発生するという欠点を有している。そこ
で、最近では燃焼時に有害ガスが発生せず、低発煙性
で、無公害型の難燃剤として、水酸化アルミニウム、水
酸化マグネシウムなどの無機金属化合物の水和物を添加
する方法が種々検討されている(特開平2-53845 号公
報、特開平2-145632号公報)。しかるに、無機系難燃剤
を使用した難燃性樹脂組成物においては、その難燃性を
高めるためには無機系難燃剤を多量に充填する必要があ
る。しかし、充填量を増やすと機械的強度や可撓性、加
工性が低下するなど実用上難点があり、これを改良する
ために軟質ポリオレフィン系樹脂を高濃度で配合して無
機系難燃剤の受容量を高める技術も開示されている(米
国特許4722959 号,米国特許 4845146号)。
【0004】しかし、かかる軟質樹脂を多量に含む難燃
性樹脂組成物は、一般的な電線、ケーブル、保護管、ジ
ョイントカバーなどの電気材料、シート、床材などの内
装材などにおいて一応の成功をおさめているものの、自
動車、車両、航空機、船舶、産業用ロボット用などの電
線、ケーブルあるいはキャビネット、ボックスなどの成
形品などを製造する場合、製造作業時、運搬時および使
用時などに受ける過酷な高温、低温、振動などのため
に、外傷を受けやすく、機械的強度、耐摩耗性などの改
善が要望されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の課題
は、フィルム、シート、容器、電線、ケーブル、バッキ
ング、シール剤、ホース類、射出成形品などの成形用途
に利用される樹脂組成物であって、機械的強度、可撓
性、加工性、高度の難燃性を保持し、耐熱性、機械的特
性、耐摩耗性を向上せしめたバランスの良い諸物性を保
有する難燃性樹脂組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願の第1の発明は、 (A)下記の(イ)〜(ヘ)の条件を満足するエチレン
(共)重合体からなる樹脂成分100重量部に対して
(B)無機無リン系難燃剤30〜200重量部を含むこ
とを特徴とする難燃性樹脂組成物である: (イ)密度(d)0.86〜0.97g/cm3 、(ロ)メルト
フローレート(MFR)0.01〜200g/10分、
(ハ)分子量分布(Mw/Mn) 1.5〜 4.5、(ニ)組
成分布パラメーター(Cb)1.08〜 2.0、(ホ)25℃
におけるオルソジクロルベンゼン(ODCB)可溶分の
量(X)(wt%)と密度(d)およびメルトフローレ
ート(MFR)の関係が、(1)d− 0.008×logM
FR≧0.93の場合には、X< 2.0であり、(2)d−
0.008×logMFR<0.93の場合には、X< 9.8×1
3 ×(0.9300−d+0.08×log MFR)2 + 2.0であ
る関係を満足する、(ヘ)連続昇温溶出分別法(TRE
F)による溶出温度−溶出量曲線のピークが複数であ
る。
【0007】また、本願の第2の発明は、樹脂成分とし
て、前記第1発明に記載の(A)の(イ)〜(ヘ)の条
件を満足するエチレン(共)重合体2重量%以上と、
(A’)下記の(A’1)〜(A’3)から選ばれる少
なくとも1種類のオレフィン系重合体98重量%未満を
含む樹脂成分100重量部に対して、(B)無機無リン
系難燃剤30〜200重量部を含むことを特徴とする難
燃性樹脂組成物である: (A’1)前記(イ)〜(ヘ)の条件を満足するエチレ
ン(共)重合体とは異なるエチレン・α−オレフィン共
重合体、(A’2)高圧ラジカル重合法によるエチレン
系共重合体、(A’3)ゴム。
【0008】本願の第3の発明は、前記樹脂成分
(A)、(A’)または(A)+(A’)の少なくとも
一部が、下記(a)〜(f)から選択される少なくとも
一種の官能基を、樹脂成分1g当たり10-7〜5×10
-4モル含有していることを特徴とする前記第1または第
2発明の難燃性樹脂組成物である: (a)カルボン酸基またはカルボン酸無水物基、(b)
エポキシ基、(c)ヒドロキシル基、(d)アミノ基、
(e)アルケニル環状イミノエーテル基、(f)シラン
基。
【0009】さらに、本願の第4の発明は、前記(A)
成分のエチレン(共)重合体が少なくとも共役二重結合
を持つ有機環状化合物および周期律表第IV族の遷移金属
化合物を含む触媒の存在下に、エチレンを単独重合させ
るか、またはエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィ
ンを共重合させることにより得られるエチレン共重合体
であることを特徴とする前記第1乃至第3発明のいずれ
かの難燃性樹脂組成物である。さらに、本願の第5の発
明は、難燃剤として、さらに前記樹脂成分100重量部
に対して赤リン 0.1〜20重量部を含む前記第1乃至第
4発明のいずれかの難燃性樹脂組成物である。
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おけるエチレン(共)重合体(A)とは、エチレン単独
重合体および、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフ
ィンより選ばれた一種以上との共重合体である。炭素数
3〜20のα−オレフィンとしては、好ましくは3〜1
2のものであり、具体的にはプロピレン、1−ブテン、
4ーメチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテ
ン、1−デセン、1−ドデセンなどが挙げられる。ま
た、これらのαーオレフインの含有量は、合計で通常3
0モル%以下、好ましくは3〜20モル%の範囲で選択
されることが望ましい。
【0011】本発明のエチレン(共)重合体(A)の密
度は、0.86〜0.97g/cm3 、好ましくは0.88〜 0.945
g/cm3 、より好ましくは0.90〜0.93g/cm3 の範
囲である。
【0012】本発明のエチレン(共)重合体(A)のメ
ルトフローレート(MFR)は、0.01〜200g/10
分、好ましくは 0.1〜100g/10分、さらに好まし
くは0.2〜50g/10分の範囲にあることが望まし
い。MFRが0.01g/10分未満では成形加工性が劣
り、200g/10分以上では耐衝撃性などの機械的強
度が低下する。
【0013】本発明のエチレン(共)重合体(A)の分
子量分布(Mw/Mn)の算出方法は、ゲルパーミエイ
ションクロマトグラフィー(GPC)により重量平均分
子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を求め、この比M
w/Mnを求めるものである。本発明のエチレン(共)
重合体のMw/Mnは 1.5〜 4.5、好ましくは1.8 〜3.
5 、さらに好ましくは2〜3である。Mw/Mnが 1.5
未満では成形加工性が劣り、 4.5以上では耐衝撃性が劣
る。
【0014】本発明のエチレン(共)重合体の組成分布
パラメーター(Cb)は、1.08〜2.00であり、好ましく
は1.12〜1.70、さらに好ましくは1.15〜1.50の範囲にあ
ることが望ましい。2.00以上では、成形品の強度が低下
する。
【0015】本発明のエチレン(共)重合体の組成分布
パラメーター(Cb)の測定法は下記の通りである。試
料に耐熱安定剤を加え、オルソジクロルベンゼン(以
下、ODCBと略記する。)に試料濃度が 0.2重量%と
なるように135℃で加熱溶解する。この加熱溶液を、
けい藻土(セライト545)を充填したカラムに移送し
充満後 0.1℃/分で25℃まで冷却し、試料をセライト
表面に析出沈着させる。次に、このカラムにODCBを
一定流量で流しながら、カラム温度を5℃きざみに12
0℃まで段階的に昇温しながら、各温度において、試料
を溶解した溶液を採取する。この溶液を冷却後メタノー
ルで試料を再沈後、ろ過、乾燥し、各溶出温度における
試料を得る。この分別された試料の重量分率および分岐
度(炭素数1000個あたりの分岐数)を測定する。分岐度
の測定は13C−NMRにより求める。
【0016】このような方法で30℃から90℃で採取
した各フラクションについては次のような、分岐度の補
正を行う。すなわち、溶出温度に対して測定した分岐度
をプロットし、相関関係を最小自乗法で直線に近似し、
検量線を作成する。この近似の相関係数は十分大きい。
この検量線により求めた値を各フラクションの分岐度と
する。なお、溶出温度95℃以上で採取したフラクショ
ンについては溶出温度と分岐度に必ずしも直線関係が成
立しないのでこの補正は行わない。
【0017】次にそれぞれのフラクションの重量分率w
i を、溶出温度5℃当たりの分岐度bi の変化量(bi
−bi-1 )で割って相対濃度ci を求め、分岐度に対し
て相対濃度をプロットし、組成分布曲線を得る。この組
成分布曲線を一定の幅で分割し、次式より組成分布パラ
メーター(Cb)を算出する。 Cb=(Σcj j 2 /Σcj j )×(Σcj /Σc
j j ) ここで、cj とbj は、それぞれj番目の区分の相対濃
度と分岐度である。組成分布パラメーターCbは試料の
組成が均一である場合に 1.0となり、組成分布が広がる
に従って値が大きくなる。
【0018】なお、エチレン共重合体の組成分布を記述
する方法については多くの提案がなされている。例え
ば、特開昭60-88016号では、試料を溶剤分別して得た各
分別試料の分岐数に対して、累積重量分率が特定の分布
(対数正規分布)をすると仮定して数値処理を行い、重
量平均分岐度(Cw)と数平均分岐度(Cn)の比を求
めている。この近似計算は、試料の分岐数と累積重量分
率が対数正規分布からずれると精度が下がり、市販のL
LDPEについて測定を行うと相関係数はかなり低く、
値の精度は充分でない。このCw/Cnと本発明のCb
とは、定義および測定方法が異なる。
【0019】本発明のエチレン(共)重体において、2
5℃におけるODCB可溶分の量Xは、エチレン(共)
重合体に含まれる高分岐度成分および低分子量成分の割
合を示すものであり、耐熱性の低下や成形品表面のベタ
ツキの原因となるため少ないことが望ましい。ODCB
可溶分の量は、共重合体全体のα−オレフィンの含有量
および平均分子量、すなわち密度(d)とメルトフロー
レート(MFR)に影響される。従って、前記ODCB
可溶分の量X(重量%)はdとMFRの関係が、d−
0.008×logMFR≧0.93を満たす場合は2重量%未
満、好ましくは1重量%未満、さらに好ましくは 0.5重
量%未満である。
【0020】また、dとMFRの関係が、d− 0.008×
logMFR<0.93を満たす場合はX< 9.8×103 ×
(0.9300−d+ 0.008×logMFR)2 + 2.0の関係
を満足し、好ましくはX< 7.4×103 ×(0.9300−d
+ 0.008×logMFR)2+ 1.0、さらに好ましくは
X< 5.6×103 ×(0.9300−d+ 0.008×logMF
R)2 + 0.5の範囲である。密度、MFRとODCB可
溶分の量が上記の関係を満たすことは、共重合体全体に
含まれているα−オレフィンが遍在していないことを示
しており機械的強度が強いという特性を有する。
【0021】なお、前記の25℃におけるODCB可溶
分Xは、下記の方法により測定する。すなわち、試料
0.5gを20mlのODCBに加え135℃で2時間加
熱し、試料を完全に溶解した後、25℃まで冷却する。
この溶液を25℃で一晩放置後、テフロン製フィルター
でろ過してろ液を採取する。試料溶液であるろ液を赤外
分光器によりメチレンの非対称伸縮振動の波数2925cm
-1付近の吸収ピーク強度を測定し、あらかじめ作成した
検量線によりろ液中の試料濃度を算出する。この値よ
り、25℃におけるODCB可溶分を求める。
【0022】本発明のエチレン(共)重合体は、連続昇
温溶出分別法(TREF)により求めた溶出温度ー溶出
量曲線において、ピークが複数個あることが好ましく、
さらにその高温側のピークが85℃から100℃の間に
存在することが特に好ましい。このピークが存在するこ
とにより、融点が高くなり、また結晶化度が上昇し成形
体の耐熱性および剛性が向上する。本発明の共重合体の
溶出温度−溶出量曲線は図1に示す通りであり、図2の
いわゆるメタロセン触媒による共合体の溶出温度ー溶出
量曲線とは明確に相違している。
【0023】本発明に係るTREFの測定方法は下記の
通りである。試料に耐熱安定剤を加え、ODCBに試料
濃度0.05重量%となるように135℃で加熱溶解する。
この加熱溶液5mlを、ガラスビーズを充填したカラム
に注入した後、 0.1℃/分の冷却速度で25℃まで冷却
し、試料をガラスビーズ表面に沈着させる。次に、この
カラムにODCBを一定流量で流しながら、カラム温度
を50℃/時間の一定速度で昇温し、各温度において溶
液に溶解可能な試料を順次溶出させる。この際、溶剤中
の試料濃度はメチレンの非対称伸縮振動の波数2925cm
-1に対する吸収を赤外検出器で連続的に検出して求め
る。この濃度から、溶出温度−溶出量曲線を得ることが
できる。TREF分析は極少量の試料で、温度変化に対
する溶出速度の変化を連続的に分析出来るため、分別法
では検出出来ない比較的細かいピークの検出が可能であ
る。
【0024】本発明に好ましく用いられるエチレン
(共)重合体は前記(イ)〜(へ)の条件を満たすもの
であれば特に制限はないが、その製造法は少なくとも共
役二重結合を持つ有機環状化合物および周期律表第IV族
の遷移金属化合物を含む触媒の存在下に、エチレンを単
独重合するか、あるいはエチレンと炭素数3〜20のα
−オレフィンを共重合する方法が好ましい。上記触媒は
以下の(1)周期律表第IV族の遷移金属化合物と(3)
共役二重結合を持つ有機環状化合物に以下に示す触媒成
分(2)および(4)を相互に接触させることによって
得られる触媒で重合することが望ましい。
【0025】すなわち、(1)一般式(I) Me1 1 p q (OR3 r 1 4-p-q-r (I) (式中、Me1 は周期律表第IV族の遷移金属を示し、R
1 およびR3 は個別に炭素数1〜24の炭化水素基を示
し、R2 は2,4−ペンタンジオナト配位子またはその
誘導体、またはジベンゾイルメタナト配位子、ベンゾイ
ルアセトナト配位子などの誘導体を示し、X1 はハロゲ
ン原子を示し、p、qおよびrはそれぞれ0≦p≦4、
0≦q≦4、0≦r≦4、0≦p+q+r≦4の範囲を
満たす整数である)で表される化合物、
【0026】(2)一般式(II) Me2 4 (OR5 n 2 z-m-n (II) (式中、Me2 は周期律表第I 〜III 族元素を示し、R
4 およびR5 は各々炭素数1〜24の炭化水素基、X2
はハロゲン原子または水素原子(ただし、X2 が水素原
子の場合はMe2 は周期律表第III 族元素の場合に限
る。)を示し、zはMe2 の価数を示し、mおよびnは
各々0≦m≦z、0≦n≦z、かつ0≦m+n≦zの範
囲を満たす整数である。)で表される化合物、(3)共
役二重結合を持つ有機環状化合物、および(4)Al−
O−Al結合を含む変性有機アルミニウムオキシ化合物
および/またはホウ素化合物を相互に接触させて得られ
る触媒である。
【0027】上記触媒成分(1)の一般式(I)で表さ
れる化合物の式中のMe1 はジルコニウム、チタン、ハ
フニウムを示す。これらの遷移金属の種類は限定される
ものではなく、複数を用いることもできるが、得られる
共重合体の耐候性が優れることからジルコニウムが含ま
れることが特に好ましい。
【0028】R1 およびR3 はそれぞれ炭素数1〜24
の炭化水素基で、好ましくは炭素数1〜12、さらに好
ましくは1〜8であり、具体的にはメチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基などのアル
キル基;ビニル基、アリル基などのアルケニル基;フェ
ニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、インデニ
ル基、ナフチル基などのアリール基;ベンジル基、トリ
チル基、フェネチル基、スチリル基、ベンズヒドリル
基、フェニルブチル基、ネオフイル基などのアラルキル
基などが挙げられる。これらは分岐があってもよい。
【0029】R2 は2,4−ペンタンジオナト配位子ま
たはその誘導体、およびジベンゾイルメタナト配位子、
ベンゾイルアセトナト配位子などの誘導体を示す。X1
はフッ素、ヨウ素、塩素および臭素などのハロゲン原子
を示し、p、qおよびrはそれぞれ0≦p≦4、0≦q
≦4、0≦r≦4、0≦p+q+r≦4の範囲である。
【0030】上記触媒成分(1)の一般式(I)で示さ
れる化合物の例としては、テトラメチルジルコニウム、
テトラエチルジルコニウム、テトラベンジルジルコニウ
ム、テトラプロポキシジルコニウム、トリプロポキシモ
ノクロロジルコニウム、ジプロポキシジクロロジルコニ
ウム、テトラブトキシジルコニウム、トリブトキシモノ
クロロジルコニウム、ジブトキシジクロロジルコニウ
ム、テトラブトキシチタン、テトラブトキシハフニウム
などが挙げらる。
【0031】また、前記2,4−ペンタンジオナト配位
子またはその誘導体等の具体例には、テトラ(2,4―
ペンタンジオナト)ジルコニウム、トリ(2,4―ペン
タンジオナト)クロライドジルコニウム、ジ(2,4―
ペンタンジオナト)ジエトキサイドジルコニウム、ジ
(2,4―ペンタンジオナト)ジ−n−プロポキサイド
ジルコニウム、ジ(2,4―ペンタンジオナト)ジーn
―ブトキサイドジルコニウム、ジ(2,4―ペンタンジ
オナト)ジベンジルジルコニウム、ジ(2,4―ペンタ
ンジオナト)ジネオフイルジルコニウム、テトラ(ジベ
ンゾイルメタナト)ジルコニウム、ジ(ジベンゾイルメ
タナト)ジエトキサイドジルコニウム、ジ(ジベンゾイ
ルメタナート)ジ−n―プロポキサイドジルコニウム、
ジ(ベンゾイルアセトナト)ジエトキサイドジルコニウ
ム、ジ(ベンゾイルアセトナト)ジ−n−プロポキサイ
ドジルコニウム、ジ(ベンゾイルアセトナト)ジ−n−
ブトキサイドジルコニウム等が挙げられる。これらは2
種以上混合して用いても差し支えない。
【0032】上記触媒成分(2)の一般式(II)で表さ
れる化合物の式中のMe2 は周期律表第I 〜III 族元素
を示し、その具体例としては、リチウム、ナトリウム、
カリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、ホウ素、
アルミニウムなどである。R4 およびR5 は各々炭素数
1〜24の炭化水素基、好ましくは炭素数1〜12、さ
らに好ましくは1〜8であり、具体的にはメチル基、エ
チル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基などの
アルキル基;ビニル基、アリル基などのアルケニル基;
フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、イン
デニル基、ナフチル基などのアリール基;ベンジル基、
トリチル基、フェネチル基、スチリル基、ベンズヒドリ
ル基、フェニルブチル基、ネオフイル基などのアラルキ
ル基などが挙げられる。これらは分岐があってもよい。
【0033】X2 はフッ素、ヨウ素、塩素および臭素な
どのハロゲン原子または水素原子を示すものである。た
だし、X2 が水素原子の場合はMe2 はホウ素、アルミ
ニウムなどに例示される周期律表第III 族元素の場合に
限るものである。また、zはMe2 の価数を示し、mお
よびnは各々0≦m≦z、0≦n≦zの範囲を満たす整
数であり、かつ、0≦m+n≦zである。
【0034】上記触媒成分(2)の一般式(II)で示さ
れる化合物の例としては、メチルリチウム、エチルリチ
ウムなどの有機リチウム化合物;ジメチルマグネシウ
ム、ジエチルマグネシウム、メチルマグネシウムクロラ
イド、エチルマグネシウムクロライドなどの有機マグネ
シウム化合物;ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛などの有機
亜鉛化合物;トリメチルボロン、トリエチルボロンなど
の有機ボロン化合物;トリメチルアルミニウム、トリエ
チルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリイ
ソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、ト
リデシルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライ
ド、エチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニ
ウムセスキクロライド、ジエチルアルミニウムエトキサ
イド、ジエチルアルミニウムハイドライドなどの有機ア
ルミニウム化合物等の誘導体が挙げられる。
【0035】上記触媒成分(3)の共役二重結合を持つ
有機環状化合物には、環状で共役である二重結合を2個
以上、好ましくは2〜4個、さらに好ましくは2〜3個
有する環を1個または2個以上もち、全炭素数が4〜2
4、好ましくは4〜12である環状炭化水素化合物;前
記環状炭化水素化合物が部分的に1〜6個の炭化水素残
基(典型的には、炭素数1〜12のアルキル基またはア
ラルキル基)で置換された環状炭化水素化合物;共役で
ある二重結合を2個以上、好ましくは2〜4個、さらに
好ましくは2〜3個有する環を1個または2個以上も
ち、全炭素数が4〜24、好ましくは4〜12である環
状炭化水素基を有する有機ケイ素化合物;前記環状炭化
水素基が部分的に1〜6個の炭化水素残基またはアルカ
リ金属塩(ナトリウムまたはリチウム塩)で置換された
有機ケイ素化合物が含まれる。特に好ましくは分子中の
いずれかにシクロペンタジエン構造をもつものが望まし
い。
【0036】上記の好適な化合物としては、シクロペン
タジエン、インデン、アズレンまたはこれらのアルキ
ル、アリール、アラルキル、アルコキシまたはアリール
オキシ誘導体などが挙げられる。また、これらの化合物
がアルキレン基(その炭素数は通常2〜8、好ましくは
2〜3)を介して結合(架橋)した化合物も好適に用い
られる。
【0037】環状炭化水素基を有する有機ケイ素化合物
は、下記一般式(III) で表示することができる。 AL SiR6 4 −L (III) ここで、Aはシクロペンタジエニル基、置換シクロペン
タジエニル基、インデニル基、置換インデニル基で例示
される前記環状水素基を示し、R6 はメチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基などのアル
キル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブト
キシ基などのアルコキシ基;フェニル基などのアリール
基;フェノキシ基などのアリールオキシ基;ベンジル基
などのアラルキル基で示され、炭素数1〜24、好まし
くは1〜12の炭化水素残基または水素を示し、Lは1
≦L≦4、好ましくは1≦L≦3である。
【0038】上記成分(3)の有機環状炭化水素化合物
の具体例としては、シクロペンタジエン、メチルシクロ
ペンタジエン、エチルシクロペンタジエン、1,3−ジ
メチルシクロペンタジエン、インデン、4−メチル−1
−インデン、4,7−ジメチルインデン、シクロヘプタ
トリエン、メチルシクロヘプタトリエン、シクロオクタ
テトラエン、アズレン、フルオレン、メチルフルオレン
のような炭素数5〜24のシクロポリエンまたは置換シ
クロポリエン、モノシクロペンタジエニルシラン、ビス
シクロペンタジエニルシラン、トリスシクロペンタジエ
ニルシラン、モノインデニルシラン、ビスインデニルシ
ラン、トリスインデニルシラン等が挙げられる。
【0039】触媒成分(4)の有機アルミニウム化合物
と水との反応によって得られるAl−O−Al結合を含
む変性有機アルミニウムオキシ化合物は、アルキルアル
ミニウム化合物と水とを反応させることにより得られ
る、通常アルミノキサンと称される変性有機アルミニウ
ムオキシ化合物であり、分子中に通常1〜100個、好
ましくは1〜50個のAl−O−Al結合を含有する。
また、変性有機アルミニウムオキシ化合物は線状でも環
状でもいずれでもよい。
【0040】有機アルミニウムと水との反応は通常不活
性炭化水素中で行われる。不活性炭化水素としては、ペ
ンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の脂肪族、脂環族、芳香族炭
化水素が好ましい。水と有機アルミニウム化合物との反
応比(水/Alモル比)は通常0.25/1〜1.2/1、好
ましくは 0.5/1〜1/1であることが望ましい。
【0041】触媒成分(4)のホウ素化合物としては、
例えば、トリエチルアンモニウムテトラ(ペンタフルオ
ロフェニル)ボレート、ジメチルアニリニウムテトラ
(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ブチルアンモニ
ウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,
N―ジメチルアニリニウムテトラ(ペンタフルオロフェ
ニル)ボレート、N,N―ジメチルアニリニウムテトラ
(3,5―ジフルオロフェニル)ボレート等が挙げられ
る。
【0042】また、本発明では上記触媒成分(1)〜
(4)を相互に接触させることにより得られる触媒を、
無機物担体および/または粒子状ポリマー担体(5)に
担持させて重合反応に用いることもできる。成分(5)
の無機物担体は、本発明の触媒を調製する段階におい
て、本来の形状を保持している限り、粉末状、粒状、フ
レーク状、箔状、繊維状などいずれの形状であっても差
し支えないが、いずれの形状であっても、最大長は通常
5〜200μm、好ましくは10〜100μmの範囲の
ものが適している。また、無機物担体は多孔性であるこ
とが好ましく、通常、その表面積は50〜1000m2
g、細孔容積は0.05〜3cm3 /gの範囲にある。無機
物担体としては、炭素質物、金属、金属酸化物、金属塩
化物、金属炭酸塩またはこれらの混合物が使用可能であ
り、これらは通常200〜900℃で空気中または窒
素、アルゴンなどの不活性ガス中で焼成して用いられ
る。
【0043】無機物担体に用いることができる好適な金
属としては、鉄、アルミニウム、ニッケルなどが挙げら
れる。また、金属酸化物としては周期律表I〜VIII族の
単独酸化物または複合酸化物が挙げられ、具体的にはS
iO2 、Al2 3 、MgO、CaO、B2 3 、Ti
2 、ZrO2 、Fe2 3 、SiO2 −Al2 3
Al2 3 −MgO、Al2 3 −CaO、Al2 3
−MgO−CaO、Al2 3 −MgO−SiO2 、A
2 3 −CuO、Al2 3 −Fe2 3 、Al2
3 −NiO、SiO2 −MgOなどが挙げられる。なお
酸化物で表示した上記の式は分子式ではなく、組成のみ
を示すものである。つまり、本発明において用いられる
複酸化物の構造および成分比率は、特に限定されるもの
ではない。また、本発明において用いる金属酸化物は、
少量の水分を吸着していても差し支えなく、少量の不純
物を含有していても差し支えない。
【0044】金属塩化物としては、例えばアルカリ金
属、アルカリ土類金属の塩化物が好ましく、具体的には
MgCl2 、CaCl2 などが特に好適である。金属炭
酸塩としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属の炭酸
塩が好ましく、具体的には、炭酸マグネシウム、炭酸カ
ルシウム、炭酸バリウムなどが挙げられる。炭素質物質
としては、例えばカーボンブラック、活性炭などが挙げ
られる。以上の無機担体はいずれも本発明において好適
に用いることができるが、特に金属酸化物のシリカ、ア
ルミナなどの使用が好ましい。
【0045】一方、粒子状ポリマー担体としては、触媒
調製時および重合反応時において、溶融などせずに固体
状を保つものである限り、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂
のいずれもが使用できる。その粒径は通常5〜2000μ
m、好ましくは10〜100μmの範囲のものが望まし
い。これらのポリマー担体の分子量は、当該ポリマーが
触媒調製時および重合反応時において固体状物質として
存在できる程度であれば、特に限定されることはなく、
低分子量のものから超高分子量のものまで任意に使用可
能である。
【0046】具体的には、粒子状のエチレン重合体、エ
チレン・αーオレフィン共重合体、プロピレン重合体ま
たは共重合体、ポリ1ーブテンなどで代表される、好ま
しくは炭素数2〜12のオレフィンから得られる各種の
ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化
ビニル、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリスチレ
ン、ポリノルボルネン、各種天然高分子およびこれらの
混合物等が挙げられる。
【0047】上記無機物担体および/または粒子状ポリ
マー担体は、このまま使用することもできるが、好まし
くは予備処理としてこれらの担体を有機アルミニウム化
合物やAl−O−Al結合を含む変性有機アルミニウム
オキシ化合物などに接触処理させた後に第5成分(5)
として用いることもできる。
【0048】本発明の(A)エチレン(共)重合体の製
造方法は、気相法、スラリー法、溶液法等で製造され、
一段重合法、多段重合法など特に限定されるものではな
い。
【0049】本発明における(A’)オレフィン系重合
体成分とは、(A’1)前記(イ)〜(ヘ)の条件を満
足するエチレン(共)重合体(A)とは異なるエチレン
・α−オレフィン共重合体、(A’2)高圧ラジカル法
によるエチレン系共重合体、(A’3)ゴムから選ばれ
た少なくとも一種であるオレフィン系重合体またはゴム
である。
【0050】(A’1)の前記(イ)〜(ヘ)の条件を
満足するエチレン(共)重合体とは異なるエチレン・α
−オレフィン共重合体とは、チーグラー触媒やフィリッ
プス触媒などを用いる中低圧法およびその他の公知の方
法によるエチレンと炭素数3〜12のα−オレフィン共
重合体であり、密度0.86〜0.94g/cm3 のエチレン・
α−オレフィン共重合体(すなわち、超低密度ポリエチ
レン(VLDPE)および直鎖状低密度ポリエチレン
(LLDPE))である。
【0051】具体的なα−オレフィンとしては、炭素数
3〜12のα−オレフィン、例えばプロピレン、1−ブ
テン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−
オクテン、1−ドデセンなどを挙げることができる。こ
れらのうち好ましいのは1−ブテン、4−メチル−1−
ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンであり、特に好
ましいのは1−ブテンである。エチレン・α−オレフィ
ン共重合体中のα−オレフィン含有量は5〜40モル%
であることが好ましい。
【0052】前記(A’2)成分の高圧ラジカル重合法
によるエチレン系共重合体としては、分岐状低密度ポリ
エチレン(LDPE)やエチレンとα,β−不飽和カル
ボン酸アルキルエステルおよびその誘導体、ビニルエス
テルなどのカルボキシル基含有モノマーとの共重合体が
挙げられる。
【0053】上記エチレン・α,β−不飽和カルボン酸
アルキルエステルおよびその誘導体との共重合体として
は、α,β−不飽和カルボン酸エステル共重合体、およ
びその金属塩、アミド、イミドなどが挙げられる。具体
的には、エチレン・アクリル酸(あるいはメタクリル
酸)メチル共重合体、エチレン・アクリル酸(あるいは
メタクリル酸)エチル共重合体などが挙げられる。特に
エチレン・アクリル酸エチル共重合体(以下、EEAと
略すことがある。)が好ましい。すなわち、エチレン5
0〜99.5重量%、アクリル酸エチルエステル 0.5〜50
重量%からなる共重合体が好ましい。共重合体のMFR
は 0.1〜50g/10分、好ましくは 0.5〜20g/1
0分の範囲から選択するのがよい。MFRが 0.1g/1
0分未満では樹脂組成物の流動性が悪くなり、50g/
10分を超えると機械的強度が低下して望ましくない。
【0054】上記エチレン−ビニルエステル共重合体
は、高圧ラジカル重合法で製造されるエチレンを主成分
とするプロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、カプロン酸ビ
ニル、カプリル酸ビニル、ラウリル酸ビニル、ステアリ
ン酸ビニル、トリフルオル酢酸ビニルなどのビニルエス
テル単量体との共重合体である。これらの中でも特に好
ましいものとしては、エチレン−酢酸ビニル共重合体
(以下、EVAと略すことがある。)を挙げることがで
きる。すなわち、エチレン50〜99.5重量%、酢酸ビニ
ル 0.5〜50重量%からなる共重合体が好ましい。
【0055】上記エチレン・α,β−不飽和カルボン酸
アルキルエステルおよびその誘導体との共重合体および
エチレン−ビニルエステル共重合体などの含酸素共重合
体を水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどの無
機系難燃剤と組み合わせると難燃効果がさらに高くな
り、酸素指数(OI)も上昇する。これは、燃焼時に上
記含酸素共重合体と無機系難燃剤との相互作用によりチ
ャー(炭化層)の生成が促され、燃焼物表面に形成され
たチャーが酸素の供給を妨げることによるものと推定さ
れる。上記チャーの生成効果はEEAおよびEVAが特
に高く、難燃効果も大きい。この両者のなかでEEAが
特に好ましい。
【0056】本発明における(A’3)成分のゴムとし
ては、エチレンプロピレン系ゴム、ブタジエン系ゴム、
イソプレン系ゴム、天然ゴム、ニトリルゴム、イソブチ
レンゴムなどが挙げられる。これらは単独でも混合物で
もよい。
【0057】上記エチレンプロピレン系ゴムとしては、
エチレンおよびプロピレンを主成分とするランダム共重
合体(EPM)、および第3成分としてジエンモノマー
(ジシクロペンタジエン、エチリデンノルボルネン等)
を加えたものを主成分とするランダム共重合体(EPD
M)が挙げられる。
【0058】上記ブタジエン系ゴムとしては、ブタジエ
ンを構成要素とする共重合体をいい、スチレン−ブタジ
エンブロック共重合体(SBS)およびその水添または
部分水添誘導体であるスチレン−ブタジエン−エチレン
共重合体(SBES)、1,2−ポリブタジエン(1,
2−PB)、無水マレイン酸−ブタジエン−スチレン共
重合体、コアシェル構造を有する変性ブタジエンゴム等
が例示される。
【0059】上記イソプレンゴムはイソプレンを構成要
素とする共重合体をいい、スチレン−イソプレンブロッ
ク共重合体(SIS)およびその水添または部分水添誘
導体であるスチレン−イソプレン−エチレン共重合体
(SIES)、コアシェル構造を有する変性イソプレン
ゴム等が例示される。
【0060】本発明における(A’)成分のオレフィン
系重合体は、高度の難燃化を保持するために多量の無機
系難燃剤を配合した場合において、機械的強度を低下さ
せることなく、可撓性、耐衝撃性などを高める役割を果
たす。
【0061】本発明の重合体成分における(A)成分お
よび(A’)成分の配合量は、(A)成分100〜2重
量%に対して、(A’)成分0〜98重量%、好ましく
は(A)成分80〜20重量%に対して、(A’)成分
20〜80重量%である。
【0062】さらに、本発明の樹脂成分は、(A)成
分、(A’)成分、または(A)+(A’)成分の少な
くとも一種に(a)カルボン酸基またはカルボン酸酸無
水物基、(b)エポキシ基、(c)ヒドロキシル基、
(d)アミノ基、(e)アルケニル環状イミノエーテル
基、(f)シラン基から選ばれた少なくとも1種の官能
基が、全重合体1g当り10-7〜5×10-4モルの範囲
にあることが好ましい。
【0063】前記官能基(a)(カルボン酸基またはカ
ルボン酸無水物基)を導入する化合物としては、マレイ
ン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸等のα,β
−不飽和ジカルボン酸またはこれらの無水物、アクリル
酸、メタクリル酸、フラン酸、クロトン酸、ビニル酢
酸、ペンテン酸等の不飽和モノカルボン酸等が挙げられ
る。
【0064】官能基(b)(エポキシ基)を導入する化
合物としては、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グ
リシジル、イタコン酸モノグリシジルエステル、ブテン
トリカルボン酸モノグリシジルエステル、ブテントリカ
ルボン酸ジグリシジルエステル、ブテントリカルボン酸
トリグリシジルエステルおよびα−クロロアクリル酸、
マレイン酸、クロトン酸、フマール酸等のグリシジルエ
ステル類またはビニルグリシジルエーテル、アリルグリ
シジルエーテル、グリシジルオキシエチルビニルエーテ
ル、スチレン・p−グリシジルエーテルなどのグリシジ
ルエーテル類、p−グリシジルスチレンなどが挙げられ
るが、特に好ましいものとしてはメタクリル酸グリシジ
ル、アリルグリシジルエーテルを挙げることができる。
【0065】官能基(c)(ヒドロキシル基)を導入す
る化合物としては、1−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ
ート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げ
られる。
【0066】官能基(d)(アミノ基)を導入する化合
物としては、アミノエチル(メタ)アクリレート、プロ
ピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミ
ノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチル(メタ)
アクリレート、アミノプロピル(メタ)アクリレート、
フェニルアミノエチル(メタ)アクリレート、シクロヘ
キシルアミノエチル(メタ)アクリレート等が挙げられ
る。
【0067】官能基(e)(アルケニル環状イミノエー
テル基)を導入する化合物としては、以下の構造式で表
される化合物が挙げられる。
【化1】
【0068】ここで、nは1、2および3であり、好ま
しくは2および3、より好ましくは2である。また
7 、R8 、R9 およびRは、それぞれ独立してC1〜
C12の不活性なアルキル基および/または水素を示
し、アルキル基にはそれぞれ不活性な置換基があっても
よい。ここでいう不活性とはグラフト反応やその生成物
の機能に悪影響を及ぼさないことを意味する。また複数
のRは同一である必要はない。好ましくはR7 =R8
H,R9 =HあるいはMe、R=Hすなわち、2−ビニ
ルおよび/または2−イソプロペニル−2−オキサゾリ
ン、2−ビニルおよび/または2−イソプロペニル−
5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジンである。
これらは単独でも混合物でもよい。この中でも特に2−
ビニルおよび/または2−イソプロペニル−2−オキサ
ゾリンが好ましい。
【0069】官能基(f)シラン基を導入する化合物と
しては、ビニルトリメトキシラン、ビニルトリエトキシ
シラン、ビニルトリアセチルシラン、ビニルトリクロロ
シラン等の不飽和シラン化合物が挙げられる。
【0070】本発明の重合体成分中に官能基を導入する
具体的な方法としては、少なくとも1種の該官能基含
有モノマーを(A)成分、(A’)成分あるいは(A)
+(A’)成分の一部あるいは全部にグラフトした変性
重合体として導入する方法、前記官能基を、エチレン
と官能基含有化合物とのランダム共重合体を樹脂成分に
配合し導入する方法、との両者を混合する方法等
が挙げられる。
【0071】本発明のグラフトした変性重合体の製造方
法としては、ラジカル開始剤の存在下に前記官能基を有
する化合物の少なくとも1種を押し出し機内で樹脂を溶
融して変性する溶融法、または樹脂とともに溶液中で混
合し反応させる溶液法で重合体にグラフト変性させる方
法が挙げられる。ラジカル開始剤としては、有機過酸化
物、ジヒドロ芳香族化合物、ジクミル化合物等が挙げら
れる。
【0072】有機過酸化物としては、例えば、ヒドロパ
ーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルク
ミルパーオキサイド、ジアルキル(アリル)パーオキサ
イド、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、
ジプロピオニルパーオキサイド、ジオクタノイルパーオ
キサイド、ベンゾイルパーオキサイド、パーオキシコハ
ク酸、パーオキシケタール、2,5−ジメチル−2,5
ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルオキ
シアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート等
が好適に用いられる。
【0073】ジヒドロ芳香族化合物としては、ジヒドロ
キノリンまたはその誘導体、ジヒドロフラン、1,2−
ジヒドロベンゼン、1,2−ジヒドロナフタレン、9,
10−ジヒドロフェナントレン等が挙げられる。
【0074】ジクミル化合物としては、2,3−ジメチ
ル−2,3−ジフェニルブタン、2,3−ジエチル−
2,3−ジフェニルブタン、2,3−ジエチル−2,3
−ジ(p−メチルフェニル)ブタン、2,3−ジエチル
−2,3−ジ(p−ブロモフェニル)ブタン等が例示さ
れ、特に2,3−ジエチル−2,3−ジフェニルブタン
が好ましく用いられる。
【0075】本発明の官能基含有ランダム共重合体の製
造方法としては、チューブラーリアクターまたはオート
クレーブリアクターを使用し、ラジカル開始剤および連
鎖移動剤の存在下で、圧力2500〜3000kg/cm2 、温
度250℃前後の条件でエチレンと前記官能基を有する
化合物の少なくとも一種を共重合する方法が挙げられ
る。ラジカル開始剤としては前記有機過酸化物が挙げれ
る。
【0076】本発明の重合体成分中の前記官能基は前述
したように(A)、(A’)あるいは(A)+(A’)
成分に対して、グラフト変性重合体を用いる場合には1
-7〜5×10-4モル/gの範囲になるように、またエ
チレンと官能基含有化合物とのランダム共重合体を用い
る場合には5×10-6モル〜5×10-4モル/gの範囲
になるように調整される。グラフト変性重合体を用いる
場合には官能基が10-7モル/g未満、またエチレンと
官能基含有化合物とのランダム共重合体を用いる場合に
は官能基が5×10-6モル/g未満では、樹脂成分と後
述する(B)成分の無機系難燃剤とのカップリング効果
が不十分となり、機械的強度等が劣る場合がある。ま
た、組成物が燃焼した場合においてのチャー(炭化層)
の形成が損なわれ、耐ドリップ性も低下するおそれがあ
る。また、官能基の含有量が5×10-4モル/g以上で
は、カップリング効果が大きくなりすぎ樹脂組成物の機
械的強度や特に伸びが低下する。
【0077】これら官能基を含有する変性重合体または
エチレンと官能基含有化合物とのランダム共重合体の中
でも、特に(A)、(A’)あるいは(A)+(A’)
成分のうち、密度0.86〜0.94g/cm3 のエチレン・α
−オレフィン共重合体を無水マレイン酸グラフト変性し
たエチレン(共)重合体が好ましく使用される。
【0078】本発明の(B)成分である無機無リン系難
燃剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウ
ム、水酸化ジルコニウム、ドロマイト、ハイドロタルサ
イト、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、酸化スズの
水和物、硼砂等の無機金属化合物の水和物、硼酸亜鉛、
メタ硼酸亜鉛、メタ硼酸バリウム、炭酸亜鉛、炭酸カル
シウム、酸化マグネシウム、酸化モリブデン、酸化ジル
コニウム、酸化スズ等が挙げられる。
【0079】これらは1種または2種以上併用してもよ
い。これらの中でも特に水酸化アルミニウム、水酸化マ
グネシウム、水酸化ジルコニウム、塩基性炭酸マグネシ
ウム、ドロマイト、ハイドロタルサイトからなる群から
選ばれた少なくとも1種の金属化合物の水和物、とりわ
け水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムが難燃効果
がよく、経済的にも有利である。またこれら無機無リン
系難燃剤の粒径は、種類によって異なるが上記水酸化ア
ルミニウム、水酸化マグネシウムなどにおいては、平均
粒径が20μm以下、好ましくは10μm以下が好まし
い。
【0080】本願発明の(B)成分の無機無リン系難燃
剤の配合量は、重合体成分(A)あるいは(A)+
(A’)100重量部に対して30〜200重量部、好
ましくは40〜150重量部である。配合量が30重量
部未満では、無機無リン系難燃剤単独では十分な難燃化
が難しいので有機系難燃剤の併用が必要となる。一方2
00重量部を超える量を配合した場合には、引張り強
度、伸び、耐衝撃強度の低下等の機械的強度が低下し、
可撓性がなくなり、かつ低温特性が劣る。
【0081】本発明においては、前記第1発明乃至第4
発明の組成物に赤リンを配合する第5の発明により更に
高度の難燃性を有する難燃性樹脂組成物を提供すること
ができる。本発明において、赤リンとしては、好ましく
は有機および/または無機化合物で被覆された赤リンを
使用することが望ましい。有機および/または無機化合
物で被覆された赤リンとは、赤リンの粒子表面をエポキ
シ樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、シリコー
ン樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル系樹脂等の熱硬化性
樹脂で被覆したもの、水酸化アルミニウム、亜鉛、マグ
ネシウム等で被覆し、さらにその熱硬化性樹脂を被覆し
たもの、金属リン化物にした後に熱硬化樹脂で被覆した
もの、チタン、コバルト、ジルコニウム等の金属複合水
和酸化物で被覆したもの等の改質赤リンが挙げられる。
【0082】赤リンは平均粒径が5〜30μmで、かつ
粒径が1μm以下および100μm以上のものの含有率
が5重量%以下であるものが好ましく、赤リンの粒子表
面への沈積被覆量が、チタン・コバルト系などの複合水
和酸化物の場合は赤リン粒子に対し、全重量当たりTi
+Coなどの金属成分として 0.5〜15重量%、同様に
有機樹脂については全重量当たり、 0.1〜20重量%が
好ましい。これらの改質赤リンは耐熱安定性、耐加水分
解性に優れており、水分の存在下あるいは高温下での加
水分解反応がほぼ完全に抑えられるので、有臭有毒なホ
スフィンガスが発生しない。上記の赤リンの配合量は樹
脂成分100重量部に対して、 0.1〜20重量部、好ま
しくは 0.2〜15重量部の範囲である。赤リンの配合量
が 0.1重量部未満では添加効果が小さく十分な難燃効果
が得られない場合があり、20重量部を超える量を配合
しても難燃効果がそれ以上は改良されず、物性的にも経
済的にも好ましくない。
【0083】本発明においては、上記組成物と無機充填
剤を併用することにより、難燃剤の配合量を減少させる
こともできるし、他の特性を付与させることもできる。
無機充填剤としては、硫酸カルシウム、珪酸カルシウ
ム、クレー、珪藻土、タルク、アルミナ、珪砂、ガラス
粉、酸化鉄、金属粉、グラファイト、炭化珪素、窒化珪
素、シリカ、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、カーボン
ブラック、雲母、ガラス板、セリサイト、パイロフィラ
イト、アルミフレーク、黒鉛、シラスバルーン、金属バ
ルーン、ガラスバルーン、軽石、ガラス繊維、炭素繊
維、ウイスカー、金属繊維、グラファイト繊維、シリコ
ンカーバイト繊維、アスベスト、ウオラストナイト等が
挙げられる。無機充填剤は本発明の組成物100重量部
に対して100重量部程度まで配合される。配合量が1
00重量部を越えると成形品の衝撃強度等の機械的特性
が低下するので好ましくない。
【0084】本発明においては、前記無機系難燃剤もし
くは無機充填剤などを使用する場合においては、前記難
燃剤、充填剤の表面を、ステアリン酸、オレイン酸、パ
ルミチン酸などの脂肪酸またはその金属塩、パラフィ
ン、ワックス、ポリエチレンワックス、またはそれらの
変性物、有機ボラン、有機チタネートなどで被覆するな
どの表面処理を施すことが好ましい。
【0085】本発明の組成物において果たす各成分の主
な役割は以下のように考えられる。(A)成分(特定な
パラメーターを満たすエチレン(共)重合体)は機械的
特性を著しく向上させる役割を果たす。(A’)成分
(オレフィン系重合体)は、高度の難燃化を保持するた
めに多量の無機系難燃剤を配合した場合において、機械
的強度を低下させることなく、可撓性、耐衝撃性などを
高める役割を果たす。また、特にエチレン・アクリル酸
エチル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体を使用
すると燃焼時に強固な炭化層を形成し、高度の難燃性を
付与することができる。
【0086】(B)成分(無機系難燃剤)は、ハロゲン
フリーの高度の難燃化を達成させる役割を担うものであ
る。重合体成分(A)、(A’)中の官能基は、重合体
成分(A)、(A’)と(B)成分の無機系難燃剤との
カップリング効果と、樹脂相互の相溶性を高め、機械的
強度、耐摩耗性、耐熱性および加工性を改良するととも
に、燃焼時のチャー(炭化層)形成による耐ドリップ性
を向上させる役割を果している。また、赤リンは、高度
の難燃化を達成せしめる役割を果している。
【0087】本発明において、本発明の難燃組成物の物
性を損なわない範囲で、鉱油、ワックス、パラフィン
類、高級脂肪酸およびそのエステル、アミドもしくは
金属塩、シリコーン、多価アルコールの部分的脂肪
酸エステルまたは脂肪酸アルコール、脂肪酸、脂肪酸ア
ミド、アルキルフェノールもしくはアルキルナフトール
アルキレンオキサイド付加物の少なくとも1種の傷付き
白化防止剤、有機フィラー、酸化防止剤、滑剤、有機あ
るいは無機系顔料、紫外線防止剤、分散剤、銅害防止
剤、中和剤、可塑剤、核剤等を添加してもよい。
【0088】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例により具
体的に説明するが、本発明はこれらによって限定される
ものではない。なお、下記の説明中、「部」は特に記載
のない限り「重量部」である。
【0089】[使用樹脂および材料] (A)成分 試料Aの重合 (1)触媒の調製 窒素下で電磁誘導撹拌器付き500mlナス型フラスコ
に精製トルエン150mlを加え、ついでテトラプロポ
キシジルコニウム(Zr(On−Pr)4 )0.60 gとイ
ンデン1.0 gを加え、室温下30分撹拌後、0℃に系を
保持してトリイソブチルアルミニウム(Al(i−B
u)3 )の3.2 gを30分かけて滴下し、滴下終了後系
を室温にして24時間撹拌した。次にこの溶液にメチル
アルモキサンのトルエン溶液(濃度1mmol/ml)
200mlを加え室温で1時間反応させた。別に、窒素
下で撹拌機付1.5 l三つ口フラスコに予め600℃で5
時間焼成したシリカ(富士デビソン社製、グレード#9
52、表面積300m2 /g)50gを加え、前記溶液
の全量を添加し、室温で2時間撹拌した。ついで窒素ブ
ローにて溶媒を除去して流動性のよい粉末を得た。
【0090】(2)重合 連続式の流動床気相法重合装置を用い,重合温度70
℃,全圧20kgf/cm2 ・Gでエチレンとブテン−
1の共重合を行った。前記触媒を連続的に供給し系内の
ガス組成を一定に保つため,各ガスを連続的に供給しな
がら重合を行った。MFRの調整は系内の水素濃度を調
整することにより行った。生成した重合体の物性は以下
のとおりである。比較のために、チーグラー系触媒を使
用して重合した(A’1−1成分)についての値も併記
した。
【0091】
【表1】 表1:(A)成分の物性値 項目 (単位) (A)成分 (A’1−1成分) MFR (g/10分) 1.0 1.0 密度 (g/cm3 ) 0.920 0.922 分子量分布(Mw/Mn) 2.7 4.7 ODCB可溶分(wt%) 1.0 4.8 X(計算値)(wt%) 2.98 2.63 Cb (−) 1.25 1.75 TREFピーク(−) 複 数 複 数
【0092】(A−M−1):前記(A)成分の溶融法
無水マレイン酸グラフト変性体[密度=0.92g/c
3 、MFR= 0.8g/10分、無水マレイン酸反応量
= 1.5×10-5mol/g、日本ポリオレフィン(株)
製]、 (A−M−2):前記(A)成分の溶融法無水マレイン
酸グラフト変性体[密度=0.92g/cm3 、MFR=
0.9g/10分、無水マレイン酸反応量= 5.1×10-6
mol/g、日本ポリオレフィン(株)製]、 (A−A):前記(A)成分の溶融法アルケニル環状イ
ミノエーテルグラフト変性体[密度=0.92g/cm3
MFR= 1.2g/10分、反応量= 1.6×10-5mol
/g、日本ポリオレフィン(株)製]、 (A−S):前記(A)成分の溶融法ビニルトリメトキ
シラングラフト変性体[密度=0.92g/cm3 、MFR
= 1.2g/10分、反応量= 1.1×10-5mol/g、
日本ポリオレフィン(株)製]、
【0093】(A’1)成分 (A’1−1):前記表1に示す直鎖状低密度ポリエチ
レン(LLDPE)[密度= 0.922g/cm3 、MFR
= 1.0g/10分、日本ポリオレフィン(株)製]、 (A’1−1−M):前記(A’1−1)成分の溶融法
無水マレイン酸グラフト変性体[密度=0.92g/c
3 、MFR= 0.8g/10分、無水マレイン酸反応量
= 1.6×10-5mol/g、日本ポリオレフィン(株)
製]、 (A’1−1−A):前記(A’1−1)成分の溶融法
アルケニル環状イミノエーテルグラフト変性体[密度=
0.92g/cm3 、MFR= 0.7g/10分、反応量=
1.6×10-5mol/g、日本ポリオレフィン(株)
製]、 (A’1−1−S):前記(A’1−1)成分の溶融法
ビニルトリメトキシラングラフト変性体[密度=0.92g
/cm3 、MFR= 0.8g/10分、反応量= 1.3×1
-5mol/g、日本ポリオレフィン(株)製]、 (A’1−2):エチレン・ブテン−1共重合体(VL
DPE)[密度= 0.900g/cm3 、MFR= 1.0g/
10分、日本ポリオレフィン(株)製]、
【0094】(A’2−1):エチレン・アクリル酸エ
チル共重合体(EEA)[EA含量=10wt%、MF
R= 0.4g/10分、日本ポリオレフィン(株)製]、 (A’2−2):エチレン・酢酸ビニル共重合体(EV
A)[VA含量=10wt%、MFR= 1.0g/10
分、日本ポリオレフィン(株)製]、 (A’2−G):エチレン・メタクリル酸グリシジル共
重合体(EGMA)[GMA含量= 1.2×10-3mol
/g、MFR= 4.0g/10分、日本ポリオレフィン
(株)製]、
【0095】(A’3):エチレン・プロピレン共重合
体ゴム(EPM)[プロピレン=27wt%、MFR=
0.7g/10分 EP07P、日本合成ゴム(株)製]、
【0096】(B)成分 (B−1):水酸化マグネシウム[商品名:キスマ5A
協和化学工業(株)製]、 (B−2):水酸化アルミニウム[商品名:ハイジライ
トH−42M 昭和電工(株)製]、
【0097】試験法 (1)引張試験(kg/cm2 )および伸び(%) 厚さ1mmのシートから3号ダンベルで打ち抜いた試験
片で、テンシロンを用いて引張速度200mm/分の速
度で測定した。 (2)酸素指数(OI) JIS K7201 に準拠して行った。酸素指数は燃焼を持続さ
せるために必要な最低の酸素濃度と定義されており、こ
の数値は高いほど難燃性が高くなる。
【0098】実施例1〜41:表2〜表7に示す配合の
組成物をドライブレンドした後、50mmφの押出機を
用い樹脂温度200℃で溶融混練し、ペレタイズした。
さらに180℃、圧力100kg/cm2 、時間5分で
プレス成形して試料を作成し、試験に供した。試験結果
を表2〜表7に示す。
【0099】
【表2】
【0100】
【表3】
【0101】
【表4】
【0102】
【表5】
【0103】
【表6】
【0104】
【表7】
【0105】実施例1〜2 (A)成分100部に対して水酸化マグネシウム、また
は水酸化アルミニウムを140部配合して試料を作製
し、試験に供した。引張破断強さおよび引張破断伸びは
十分な値を示し、酸素指数も高い値を示した。
【0106】実施例3〜6 (A)成分に(A’1−1)成分のLLDPEを配合し
た樹脂成分100部に対し水酸化マグネシウムを140
部配合した試料を作製し、試験に供した。引張破断強さ
および引張破断伸びは十分な値を示し、酸素指数も高い
値を示した。
【0107】実施例7〜9 (A)成分に(A’2−1)成分のEEAを配合した樹
脂成分100部に対し水酸化マグネシウムを140部配
合した試料を作製し試験に供した。引張破断強さおよび
引張破断伸びは十分な値を示した。また、酸素指数も含
酸素共重合体によるチャー形成の効果により十分に高い
値を示した。
【0108】実施例10〜11 (A)成分に(A’1−1)成分のLLDPEおよび
(A’2−1)成分のEEAを配合した樹脂成分100
部に対し水酸化マグネシウムを140部配合した試料を
作製し試験に供した。引張破断強さおよび引張破断伸び
は十分な値を示した。また、酸素指数も含酸素共重合体
によるチャー形成の効果により十分に高い値を示した。
【0109】実施例12〜15 (A)成分を無水マレイン酸グラフト変成した(A−M
−1)成分、(A‘2−1)成分のEEAまたは(A’
2−2)成分のEVAを配合した樹脂成分100部に対
し水酸化マグネシウムあるいは水酸化アルミニウムを1
40部配合した試料を作製し試験に供した。酸素指数は
含酸素共重合体であるEEA、EVAのチャー形成効果
とともに、導入した官能基による無機難燃剤とのカップ
リング力によりさらに強固なチャー形成がなされ著しい
向上がみられた。
【0110】実施例16 (A)成分を無水マレイン酸グラフト変成した(A−M
−1)成分に(A’3)成分のEPRからなる樹脂成分
100重量部に対し、水酸化マグネシウム140重量部
を配合した試料を作成し試験に供した。導入した官能基
による無機難燃剤とのカップリング力により十分な引張
破断強さを示した。
【0111】実施例17〜19 (A)成分に(A)成分を無水マレイン酸グラフト変成
した(A−M−1)成分と(A’2−1)成分のEEA
を配合した樹脂成分100部、あるいは(A)成分に
(A’1−1)成分のLLDPE、(A)成分を無水マ
レイン酸グラフト変成した(A−M−1)成分および
(A’2−1)成分のEEAを配合した樹脂成分100
部に対し水酸化マグネシウムを140部配合した試料を
作製し試験に供した。(A)成分の配合により著しい引
張破断強さの改善がみられた。さらに酸素指数は含酸素
共重合体であるEEAのチャー形成効果とともに、導入
した官能基による無機難燃剤とのカップリング力により
さらに強固なチャー形成がなされ著しい酸素指数の向上
がみられた。
【0112】実施例20〜22 (A)成分に(A’1−1)成分のLLDPEを無水マ
レイン酸グラフト変成した(A’1−1−M)成分と
(A’2−1)成分のEEAを配合した樹脂成分100
部、あるいは(A)成分に(A’1−1)成分のLLD
PEおよび(A’1−1)成分のLLDPEを無水マレ
イン酸グラフト変成した(A’1−1−M)成分と
(A’2−1)成分のEEAを配合した樹脂成分100
部に対し水酸化マグネシウムを140部配合した試料を
作製し試験に供した。(A)成分の配合により著しい引
張破断強さの改善がみられた。さらに酸素指数は含酸素
共重合体であるEEAのチャー形成効果とともに、導入
した官能基による無機難燃剤とのカップリング力により
さらに強固なチャー形成がなされ著しい酸素指数の向上
がみられた。
【0113】実施例23〜26 (A)成分に、(A)成分を無水マレイン酸グラフト変
成した(A−M−1)成分またはアルケニル環状イミノ
エーテルグラフト変成した(A−A)成分またはビニル
トリメトキシシラン変成した(A−S)成分を配合した
樹脂成分100部に対し水酸化マグネシウムを140部
配合した試料を作製し試験に供した。(A)成分の配合
および導入した官能基による無機難燃剤とのカップリン
グ効果により著しい引張破断強さの改善がみられた。ま
た、導入した官能基による無機難燃剤とのカップリング
力によりチャー形成がなされ酸素指数の向上がみられ
た。
【0114】実施例27 (A)成分にエチレンとアクリル酸グリジシルランダム
共重合した(A’2−G)成分のEGMAを配合した樹
脂成分100部に対し水酸化マグネシウムを140部配
合した試料を作製し試験に供した。(A)成分の配合お
よび導入した官能基による無機難燃剤とのカップリング
効果により著しい引張破断強さの改善がみられた。ま
た、導入した官能基による無機難燃剤とのカップリング
力によりチャー形成がなされ酸素指数の向上がみられ
た。
【0115】実施例28〜31 (A’1−1)成分のLLDPEまたは(A’1−2)
成分のVLDPEに、(A)成分を無水マレイン酸グラ
フト変成した(A−M−1)成分を配合した樹脂成分1
00部に対し水酸化マグネシウムを140部配合した試
料を作製し試験に供した。(A)成分を無水マレイン酸
グラフト変成した(A−M−1)成分の配合および導入
した官能基による無機難燃剤とのカップリング効果によ
り著しい引張破断強さの改善がみられた。また、導入し
た官能基による無機難燃剤とのカップリング力によりチ
ャー形成がなされ酸素指数の向上がみられた。
【0116】実施例32〜35 (A)成分に、(A’1−1)成分のLLDPEおよび
(A)成分を無水マレイン酸グラフト変成した(A−M
−1)成分を配合した樹脂成分100部、または(A)
成分に(A’1−2)成分のVLDPEおよび(A)成
分を無水マレイン酸グラフト変成した(A−M−1)成
分を配合した樹脂成分100部に対し水酸化マグネシウ
ムを140部配合した試料を作製し試験に供した。
(A)成分を無水マレイン酸グラフト変成した(A−M
−1)成分の配合および導入した官能基による無機難燃
剤とのカップリング効果により著しい引張破断強さの改
善がみられた。また、導入した官能基による無機難燃剤
とのカップリング力によりチャー形成がなされ酸素指数
の向上がみられた。
【0117】実施例36〜38 (A)成分に、(A’1−1)のLLDPE成分を無水
マレイン酸グラフト変成した(A’1−1−M)成分ま
たはアルケニル環状イミノエーテルグラフト変成した
(A’1−1−A)成分またはビニルトリメトキシシラ
ン変成した(A’1−1−S)成分を配合した樹脂成分
100部に対し水酸化マグネシウムを140部配合した
試料を作製し試験に供した。(A)成分の配合および導
入した官能基による無機難燃剤とのカップリング効果に
より著しい引張破断強さの改善がみられた。また、導入
した官能基による無機難燃剤とのカップリング力により
チャー形成がなされ酸素指数の向上がみられた。
【0118】実施例39〜40 (A)成分に、(A’1−1)成分のLLDPEおよび
(A’1−1)成分のLLDPE成分を無水マレイン酸
グラフト変成した(A’1−1−M)成分を配合した樹
脂成分100部に対し水酸化マグネシウムを140部配
合した試料を作製し試験に供した。(A)成分の配合お
よび導入した官能基による無機難燃剤とのカップリング
効果により著しい引張破断強さの改善がみられた。ま
た、導入した官能基による無機難燃剤とのカップリング
力によりチャー形成がなされ酸素指数の向上がみられ
た。
【0119】実施例41 実施例18と同様の樹脂組成100部に対し、水酸化マ
グネシウム80部、赤リン3部を配合した。強度、酸素
指数とも良好であった。
【0120】比較例1 (A)成分を使用せず、(A’2)成分に対して、
(B)成分の無機系難燃剤を配合したものを表8に示し
た。実施例に比べて強度、伸びが著しく低い結果となっ
た。
【0121】比較例2 実施例15と同様に官能基の導入方法として(A)成分
を異なる濃度で無水マレイン酸変性した(A−M−2)
成分を1部添加し、樹脂成分中の(A)成分の量を範囲
外とした。結果を表8に示す。実施例に比べて引張破断
強さ、引張破断伸びが著しく低い結果となった。
【0122】比較例3〜4 (A)成分を使用せず、(A’1)成分に対して、
(B)成分の無機系難燃剤を配合したものを表8に示し
た。実施例に比べて引張破断強さ、引張破断伸びが著し
く低い結果となった。
【0123】比較例5〜6 実施例23と同様の樹脂成分で、無機系難燃剤を250
部(比較例5)、および25部(比較例6)になるよう
に配合した。結果を表8に示した。250部では引張破
断強さ、引張破断伸びが著しく低い結果となり、25部
では難燃性が満足できるものではなかった。
【0124】
【表8】
【0125】
【発明の効果】本発明は特定のパラメータ範囲を満足す
るエチレン(共)重合体、オレフィン重合体および特定
の官能基を特定量含む重合体成分と無機系難燃剤からな
る難燃性樹脂組成物であり、可撓性、高難燃性、燃焼時
にハロゲンガスなどの有害ガスの発生が無いなど低公害
性を保持しつつ、機械的特性が大幅に改善されたもので
ある。特に(A)成分は、分子量分布が狭く、適度な広
さの組成分布を有し、高分岐度低分子量成分が少ないエ
チレン(共)重合体であるため、著しい機械的強度の改
善に寄与している。また、特に特定の官能基は、重合体
成分と無機系難燃剤もしくは無機充填材とをカップリン
グさせる役割を果たし、樹脂相互の相溶性を高め、機械
的強度、加工性、耐摩耗性等を改良する。また燃焼時に
おいてはチャー(炭化層)の形成に寄与して樹脂のドリ
ッピングを防止し、自消化させる役割をも有している。
【0126】このように本発明の樹脂組成物は、高度の
難燃性を有するとともに、燃焼時にハロゲンガスなどの
有毒ガスの発生がなく、耐摩耗性および耐熱性にすぐ
れ、かつ安全性、可撓性、機械的特性、耐薬品性、電気
的特性などにもすぐれているので、フィルム、シート、
パイプ等の押出成形品あるいは射出成形品等の成形用途
向けや、電線、ケーブル向け等として利用され、繊維、
電気、電子、自動車、船舶、航空機、建築、土木等の諸
分野で活用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の共重合体のTREF曲線である。
【図2】 メタロセン触媒による共重合体のTREF曲
線である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 23/18 C08L 23/18 23/26 23/26 51/06 51/06 //(C08L 23/04 23:08) (C08L 23/04 21:00) (C08K 3/00 3:22 3:32) (C08L 21/00 23:04) (C08L 23/08 23:04)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)下記の(イ)〜(ヘ)の条件を満
    足するエチレン(共)重合体からなる樹脂成分100重
    量部に対して(B)無機無リン系難燃剤30〜200重
    量部を含むことを特徴とする難燃性樹脂組成物: (イ)密度(d)0.86〜0.97g/cm3 、(ロ)メルト
    フローレート(MFR)0.01〜200g/10分、
    (ハ)分子量分布(Mw/Mn) 1.5〜 4.5、(ニ)組
    成分布パラメーター(Cb)1.08〜 2.0、(ホ)25℃
    におけるオルソジクロルベンゼン(ODCB)可溶分の
    量(X)(wt%)と密度(d)およびメルトフローレ
    ート(MFR)の関係が、(1)d− 0.008×logM
    FR≧0.93の場合には、X< 2.0であり、(2)d−
    0.008×logMFR<0.93の場合には、X< 9.8×1
    3 ×(0.9300−d+0.08×log MFR)2 + 2.0であ
    る関係を満足する、(ヘ)連続昇温溶出分別法(TRE
    F)による溶出温度−溶出量曲線のピークが複数であ
    る。
  2. 【請求項2】 樹脂成分として、請求項1に記載の
    (A)の(イ)〜(ヘ)の条件を満足するエチレン
    (共)重合体2重量%以上と、(A’)下記の(A’
    1)〜(A’3)から選ばれる少なくとも1種類のオレ
    フィン系重合体98重量%未満を含む樹脂成分100重
    量部に対して、(B)無機無リン系難燃剤30〜200
    重量部を含むことを特徴とする難燃性樹脂組成物: (A’1)前記(イ)〜(ヘ)の条件を満足するエチレ
    ン(共)重合体とは異なるエチレン・α−オレフィン共
    重合体、(A’2)高圧ラジカル重合法によるエチレン
    系共重合体、(A’3)ゴム。
  3. 【請求項3】 前記樹脂成分(A)、(A’)または
    (A)+(A’)の少なくとも一部が、下記(a)〜
    (f)から選択される少なくとも一種の官能基を、樹脂
    成分1g当たり10-7〜5×10-4モル含有しているこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載の難燃性樹脂組
    成物: (a)カルボン酸基またはカルボン酸無水物基、(b)
    エポキシ基、(c)ヒドロキシル基、(d)アミノ基、
    (e)アルケニル環状イミノエーテル基、(f)シラン
    基。
  4. 【請求項4】 前記(A)成分のエチレン(共)重合体
    が少なくとも共役二重結合を持つ有機環状化合物および
    周期律表第IV族の遷移金属化合物を含む触媒の存在下
    に、エチレンを単独重合させるか、またはエチレンと炭
    素数3〜20のα−オレフィンを共重合させることによ
    り得られるエチレン共重合体であることを特徴とする請
    求項1乃至3のいずれかの項に記載の難燃性樹脂組成
    物。
  5. 【請求項5】 さらに難燃剤として、前記樹脂成分10
    0重量部に対して赤リン 0.1〜20重量部を含む請求項
    1乃至4のいずれかの項に記載の難燃性樹脂組成物。
JP25490296A 1996-09-26 1996-09-26 難燃性樹脂組成物 Expired - Fee Related JP3364388B2 (ja)

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