JPH1095360A - 走行ミッション装置の操舵機構 - Google Patents

走行ミッション装置の操舵機構

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JPH1095360A
JPH1095360A JP8250538A JP25053896A JPH1095360A JP H1095360 A JPH1095360 A JP H1095360A JP 8250538 A JP8250538 A JP 8250538A JP 25053896 A JP25053896 A JP 25053896A JP H1095360 A JPH1095360 A JP H1095360A
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traveling
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hst
continuously variable
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JP8250538A
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Shigemi Hidaka
茂實 日高
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Yanmar Agricultural Equipment Co Ltd
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    • B62DMOTOR VEHICLES; TRAILERS
    • B62D11/00Steering non-deflectable wheels; Steering endless tracks or the like
    • B62D11/02Steering non-deflectable wheels; Steering endless tracks or the like by differentially driving ground-engaging elements on opposite vehicle sides
    • B62D11/06Steering non-deflectable wheels; Steering endless tracks or the like by differentially driving ground-engaging elements on opposite vehicle sides by means of a single main power source
    • B62D11/08Steering non-deflectable wheels; Steering endless tracks or the like by differentially driving ground-engaging elements on opposite vehicle sides by means of a single main power source using brakes or clutches as main steering-effecting means
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
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    • B62D11/06Steering non-deflectable wheels; Steering endless tracks or the like by differentially driving ground-engaging elements on opposite vehicle sides by means of a single main power source
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    • B62D11/14Steering non-deflectable wheels; Steering endless tracks or the like by differentially driving ground-engaging elements on opposite vehicle sides by means of a single main power source using gearings with differential power outputs on opposite sides, e.g. twin-differential or epicyclic gears differential power outputs being effected by additional power supply to one side, e.g. power originating from secondary power source
    • B62D11/18Steering non-deflectable wheels; Steering endless tracks or the like by differentially driving ground-engaging elements on opposite vehicle sides by means of a single main power source using gearings with differential power outputs on opposite sides, e.g. twin-differential or epicyclic gears differential power outputs being effected by additional power supply to one side, e.g. power originating from secondary power source the additional power supply being supplied hydraulically
    • B62D11/183Control systems therefor

Abstract

(57)【要約】 【課題】 走行用のHST式無段変速機構と旋回用HS
T式無段変速機構とを併置し、変速レバーにより走行用
のHST式無段変速機構を操作し、丸形操向ハンドルに
より旋回用HST式無段変速機構を操作する構成とした
HST式ミッション装置の操作機構において、低速時も
高速時にも旋回において、オペレーターの所望する旋回
フィーリングにマッチした旋回操作が出来る操舵機構を
提供する。 【解決手段】 変速レバー(68)により走行用のHS
T式無段変速機構(25)を操作し、丸形操向ハンドル
(19)により旋回用HST式無段変速機構(28)を
操作する構成としたHST式ミッション装置の操作機構
において、丸形操向ハンドル(19)の回動操作角度に
よって左右走行装置の速度比を変更すべく構成した。ま
た、変速レバー(68)の操作角の相違により、丸形操
向ハンドル(19)の回動操作角度が同じでも、旋回半
径が相違すべく構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クローラ式作業機
において車速を変速する走行用のHST式無段変速機構
と、操向を行う為の旋回用のHST式無段変速機構を具
備したHST式ミッション装置の操作機構に関する。
【0002】
【従来の技術】従来からクローラ式作業機において、走
行駆動をHST式無段変速機構(例えば実開昭60−8
9454号公報参照)により行う技術は公知とされてい
るのである。しかし、走行用のHST式無段変速機構と
旋回用HST式無段変速機構を具備したHST式ミッシ
ョン装置は無かったのである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、走行用のH
ST式無段変速機構と旋回用のHST式無段変速機構を
具備し、走行用のHST式無段変速機構(25)と旋回
用HST式無段変速機構(28)とを併置し、変速レバ
ー(68)により走行用のHST式無段変速機構(2
5)を操作し、丸形操向ハンドル(19)により旋回用
HST式無段変速機構(28)を操作するミッション装
置(M)を構成したものであって、変速レバー(68)
の操作傾動角の割合が、丸形操向ハンドル(19)をス
トロークエンドまで切った時の、旋回用HST式無段変
速機構(28)の回転数の割合に一致すべく構成するこ
とにより、微速での丸形操向ハンドル(19)の操作フ
ィーリングを向上させたものである。
【0004】このような構成において、変速レバー(6
8)の操作により、変速用サーボロッド(111)を操
作し、該変速用サーボロッド(111)を、走行用HS
T式無段変速機構(25)の走行変速操作アーム(15
1)と連結する構成において、該変速用サーボロッド
(111)と走行変速操作アーム(151)の連結部に
クリアランスを設けて、変速レバー(68)を或る程度
操作しないと、走行変速操作アーム(151)が回動を
開始しないように構成することにより、変速レバー(6
8)をある程度回動しないと、クリアランスを越えない
ので前進をしないように構成し、微速の時の変速レバー
(68)の回動角を大きく構成し、これにより、丸形操
向ハンドル(19)をストロークエンドまで切った時の
旋回操作アーム(162)の回動角を大きく構成したも
のである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明が解決しようとす
る課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するため
の手段を説明する。請求項1においては、走行用のHS
T式無段変速機構(25)と旋回用HST式無段変速機
構(28)とを併置し、変速レバー(68)により走行
用のHST式無段変速機構(25)を操作し、丸形操向
ハンドル(19)により旋回用HST式無段変速機構
(28)を操作する構成としたHST式ミッション装置
の操作機構において、丸形操向ハンドル(19)の回動
操作角度によって左右走行装置の速度比を変更すべく構
成したものである。
【0006】請求項2においては、走行用のHST式無
段変速機構(25)と旋回用HST式無段変速機構(2
8)とを併置し、変速レバー(68)により走行用のH
ST式無段変速機構(25)を操作し、丸形操向ハンド
ル(19)により旋回用HST式無段変速機構(28)
を操作する構成としたHST式ミッション装置の操作機
構において、変速レバー(68)の操作角の相違によ
り、丸形操向ハンドル(19)の回動操作角度が同じで
も、旋回半径が相違すべく構成したものである。
【0007】請求項3においては、請求項1又は2記載
の走行ミッション装置の操舵機構において、左右の走行
装置をクローラ式走行装置としたものである。
【0008】請求項4においては、請求項1又は請求項
2記載の走行ミッション装置の操舵機構において、変速
レバー(68)による変速する速度が低速の場合には、
丸形操向ハンドル(19)による旋回する方向側の走行
装置の速度は徐々に低くし、旋回方向と逆の側の走行速
度は徐々に高くし、変速レバー(68)による変速する
速度が高速の場合には、旋回側の速度も、旋回方向と逆
の側の速度も徐々に低くするが、旋回側の速度の減速率
の方を大きくしたものである。
【0009】請求項5においては、請求項4記載の走行
ミッション装置の操舵機構において、減速側の減速比率
は、丸形操向ハンドル(19)の回動角度が小の場合に
は、緩く、回動角度が大となると減速比率が大とし、増
速比率は、回動角度が小の場合には増速比率を大に、回
動角度が大となると増速比率が小となるように構成した
ものである。
【0010】請求項6においては、請求項4記載の走行
ミッション装置の操舵機構において、変速レバー(6
8)による変速する速度が高速の場合には、旋回側の速
度も、旋回方向と逆の側の速度も徐々に低くするが、旋
回方向と逆の側の速度は、一旦増速した後に、徐々に減
速すべく構成したものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて詳述する。図1はクローラ式作業機の中で、コン
バインに本発明のHST式ミッション装置を搭載した状
態の全体側面図、図2は同じく図1のコンバインの平面
図、図3は本コンバインのHST式ミッション装置を一
体化したミッション装置(M)のスケルトン図である。
【0012】図中、トラックフレーム(1)は走行クロ
ーラ(2)を装設している。(3)は前記トラックフレ
ーム(1)に架設する機台、(4)はフイードチェン
(5)を左側に張架し扱胴(6)及び処理胴(7)を内
蔵している脱穀機である脱穀部、(8)は刈刃(9)及
び穀稈搬送機構(10)などを備える刈取部、(11)
は刈取フレーム(12)を介して刈取部(8)を昇降さ
せる油圧シリンダである。
【0013】(13)は排藁チェン(14)の終端を臨
ませる排藁処理部、(15)は脱穀部(4)からの穀粒
を揚穀筒(16)を介して搬入する穀物タンク、(1
7)は前記穀物タンク(15)の穀粒を機外に搬出する
排出オーガ、(18)は丸形操向ハンドル(19)及び
運転席(20)などを備える運転キャビン、(21)は
運転キャビン(18)下方に設けるエンジンであり、連
続的に穀稈を刈取って脱穀するように構成している。
【0014】図3に示す、ミッションケース(22)の
スケルトン構造を説明する。前記走行クローラ(2)を
駆動する運転駆動部であるミッション装置(M)はHS
T式ミッション装置(H)をミッションケース(22)
の上に搭載して構成している。HST式ミッション装置
(H)は、1対の走行油圧ポンプ(23)及び走行油圧
モータ(24)からなる主変速機構である走行用のHS
T式無段変速機構(25)と、1対の旋回油圧ポンプ
(26)及び旋回油圧モータ(27)からなる旋回機構
である旋回用のHST式無段変速機構(28)とを備え
ている。
【0015】前記エンジン(21)の出力軸(21a)
に走行油圧ポンプ(23)の入力軸(23a)をカウン
ターケース(K)、伝達ベルト(29)等を介し連動連
結させると共に、旋回油圧ポンプ(26)の入力軸(2
6a)を伝達ベルト(30)を介し、前記走行油圧ポン
プ(23)の入力軸(23a)に連動連結させている。
伝達ベルト(30)は、後述の実施例図9に示すカップ
リング(143)に代わる動力伝達部材である。
【0016】そして前記走行油圧モータ(24)の出力
軸(31)に、ミッションケース(22)内の副変速機
構(32)及び差動機構(33)を介し、走行クロ−ラ
(2)の駆動輪(34)を連動連結させている。前記、
ミッションケース(22)内の差動機構(33)は左右
対称の1対の遊星ギヤ機構(35)(35)を有し、各
遊星ギヤ機構(35)は1つのサンギヤ(36)と、該
サンギヤ(36)の外周で噛合う3つのプラネタリギヤ
(37)と、これらプラネタリギヤ(37)に噛合うリ
ングギヤ(38)などで形成している。
【0017】前記プラネタリギヤ(37)はサンギヤ軸
(39)と同軸線上とのキヤリヤ軸(40)のキヤリヤ
(41)にそれぞれ回転自在に軸支させ、左右のサンギ
ヤ(36)(36)を挟んで左右のキヤリヤ(41)を
対向配置させると共に、前記リングギヤ(38)は各プ
ラネタリギヤ(37)に噛み合う内歯を有してサンギヤ
軸(39)とは同一軸芯状に配置させ、キャリヤ軸(4
0)に回転自在に軸支させている。
【0018】また、HST式ミッション装置(H)内の
走行用のHST式無段変速機構(25)は走行油圧ポン
プ(23)の回転斜板の角度変更調節により走行油圧モ
ータ(24)の正逆回転と回転数の制御を行うもので、
走行油圧モータ(24)の回転出力を出力軸(31)の
回転を、ミッションケース(22)内の伝達ギヤ(4
2)より各ギヤ(43)(44)(45)及び副変速機
構(32)を介して、サンギヤ軸(39)に固定したセ
ンタギヤ(46)に伝達してサンギヤ(36)を回転す
るように構成している。
【0019】前記副変速機構(32)は、前記ギヤ(4
5)を有する副変速軸(47)と、前記センタギヤ(4
6)に噛合うギヤ(48)を有する車速センサ軸(4
9)とを備え、副変速軸(47)とセンサ軸(49)間
に各1対の低速用ギヤ(50)(48)・中速用ギヤ
(51)(52)・高速用ギヤ(53)(54)を設け
て、中央位置のギヤ(51)のスライド操作によってこ
れら低速・中速・高速の切換えを可能とさせるように構
成している。
【0020】また、前記センサ軸(49)には車速検出
ギヤ(55)を設けると共に、該ギヤ(55)の回転数
より車速を検出する車速センサ(56)を設けている。
なお、作業機などに回転力を伝達するPTO軸(57)
のPTO入カギヤ(58)に、PTO伝達ギヤ機構(5
9)を介し前記出力軸(31)を連動連結させている。
そして、前記センタギヤ(46)を介しサンギヤ軸
(39)に伝達された走行油圧モータ(24)からの駆
動力を、左右の遊星ギヤ機構(35)を介しキャリヤ軸
(40)に伝達させると共に、該キャリヤ軸(40)に
伝達された回転を左右各一対の減速ギヤ(60)(6
1)を介し左右の駆動輪(34)の左右輪軸(34a)
にそれぞれ伝えるように構成している。
【0021】さらに、HST式ミッション装置(H)内
の旋回用のHST式無段変速機構(28)は旋回油圧ポ
ンプ(26)の回転斜板の角度変更調節により旋回油圧
モータ(27)の正逆回転と回転数の制御を行うもの
で、旋回油圧モータ(27)の出力軸(62)の出力ギ
ヤから、ミッションケース(22)内のギヤ伝達機構
(63)を介し旋回入力軸(64)の入カギヤ(65
a)(65b)に回転出力を伝達し、左側のリングギヤ
(38)の外歯に対しては直接的に、また右側のリング
ギヤ(38)の外歯に対しては、逆転軸(66)の逆転
ギヤ(67)を介して伝えて、旋回油圧モータ(27)
の正転時に左右のリングギヤ(38)を左右同一回転数
で左リングギヤ(38)を逆転、右リングギヤ(38)
を正転とさせるように構成している。
【0022】そして旋回用の旋回油圧ポンプ(26)の
駆動を停止させ左右リングギヤ(38)を静止固定させ
た状態で、走行用の走行油圧ポンプ(23)の駆動を行
うと、走行油圧モータ(24)からの回転出力はセンタ
ギヤ(46)から左右のサンギヤ(36)に同一回転数
で伝達され、左右遊星ギヤ機構(35)のプラネタリギ
ヤ(37)・キャリヤ(41)及び減速ギヤ(60)
(61)を介し、左右の輪軸(34a)に左右同回転方
向の同一回転数で伝達されて、機体の前後直進走行が行
われる。
【0023】一方、走行用の走行油圧ポンプ(23)の
駆動を停止させ左右のサンギヤ(36)を静止固定させ
た状態で、旋回用の旋回油圧ポンプ(26)を正逆回転
駆動すると、左側の遊星ギヤ機構(35)が逆或いは正
回転、また右側の遊星ギヤ機構(35)が正或いは逆回
転して、左右走行クローラ(2)の駆動方向を前後逆方
向とさせて、機体を左或いは右にその場でスピンターン
させるものである。また走行用の走行油圧ポンプ(2
3)を駆動させながら、旋回用の旋回油圧ポンプ(2
6)を駆動して、機体を左右に旋回させる場合には旋回
半径の大きい旋回を可能にできるもので、その旋回半径
は左右走行クローラ(2)の速度に応じ決定される。
【0024】そして、図3において図示する如く、旋回
油圧モータ(27)の出力軸(62)の他端に中立時制
動装置(135)を設け、該中立時制動装置(135)
は湿式多板ディスク機構(135a)により構成してい
る。また、走行油圧モータ(24)の出力軸(31)の
他端にも、中立時制動装置(134)を配置し、該中立
時制動装置(134)は湿式多板ディスク機構(134
a)により構成されている。
【0025】図4は本発明のHST式ミッション装置H
の油圧回路図、図5はミッションケース(22)の上部
にHST式ミッション装置(H)を搭載して、全体とし
てミッション装置(M)とした構成を示す後面図、図6
はミッション装置(M)の左側面図、図7はミッション
装置(M)の右側面図、図8はHST式ミッション装置
(H)の平面一部断面図、図9は同じくHST式ミッシ
ョン装置(H)の前面一部断面図、図10はHST式ミ
ッション装置(H)の左側面一部断面図、図11はHS
T式ミッション装置(H)の旋回サーボ機構(T2)を
示す前面一部断面図である。
【0026】図4において、本発明のHST式ミッショ
ン装置の油圧回路を説明する。該HST式ミッション装
置(H)は走行用のHST式無段変速機構(25)と旋
回用のHST式無段変速機構(28)とチャージポンプ
CPと中立時制動装置(135)(134)等により構
成されており、センタセクション(C)の前後の面に付
設されている。チャージポンプ(CP)は、図6に示す
ように走行油圧ポンプ(23)の入力軸(23a)と、
旋回油圧ポンプ(26)を駆動する入力軸(26a)を
カップリング(143)で連結し、該入力軸(26a)
の上にチャージポンプ(CP)が配置駆動されている。
この実施例のカップリング(143)は図3に示す伝達
ベルト(30)に代わる動力伝達部材である。
【0027】そして、該チャージポンプ(CP)から吐
出されたチャージ作動油が、走行用のHST式無段変速
機構(25)の閉回路と、旋回用のHST式無段変速機
構(28)の閉回路に供給されている。該チャージポン
プ(CP)からのチャージ作動油が、旋回用のHST式
無段変速機構(28)の閉回路に供給される部分には、
両側にチェックバルブ及び絞り機構(137)(13
8)が配置されている。また、チャージポンプCPから
走行用のHST式無段変速機構(25)の閉回路への供
給部にも、一方にチェックバルブ及び絞り機構(14
1)が配置されている。
【0028】また、走行用のHST式無段変速機構(2
5)の閉回路のバイパス回路に、油圧調整弁(142)
が配置されており、旋回用のHST式無段変速機構(2
8)の閉回路のバイパス回路にも油圧調整弁(144)
が介装されている。また、走行用のHST式無段変速機
構(25)を構成する走行油圧ポンプ(23)の斜板
(145)を傾動する走行サーボ機構(T1)は走行変
速手動制御弁(V3)により、ピストン(P1)とスプ
ール(S1)を操作して行うのみである。しかし、旋回
用のHST式無段変速機構(28)を構成する旋回油圧
ポンプ(26)の斜板(146)を傾動する旋回サーボ
機構(T2)は、自動旋回制御バルブ(V1)と手動旋
回制御バルブ(V2)の両方によりピストン(P)とス
プール(S)を操作すべく構成している。
【0029】また図4に示す如く、チャージポンプCP
からのチャージ作動油の一部を、走行中立制動電磁弁
(140)と旋回中立制動電磁弁(139)に導入し
て、走行油圧モータ(24)の中立時制動装置(13
4)と、旋回油圧モータ(27)の中立時制動装置(1
35)を制動すべく構成している。走行中立制動電磁弁
(140)と旋回中立制動電磁弁(139)の間は、パ
イピングにより連結して、チャージポンプ(CP)から
の圧油を両者に流用している。
【0030】本発明のHST式ミッション装置(H)
は、図5と図6と図7において図示する如く、副変速機
構(32)や遊星ギヤ機構(35)(35)を構成する
ミッションケース(22)の上部に搭載しており、セン
タセクション(C)を中心に、走行用のHST式無段変
速機構(25)と旋回用のHST式無段変速機構(2
8)を付設して、2ポンプ2モータのHST式ミッショ
ン装置(H)に構成している。
【0031】そして、前記センタセクション(C)にお
いて、走行油圧ポンプ(23)を付設した側の面を、ミ
ッションケース(22)の側面への固着付設面としてい
る。また、センタセクション(C)の他側の面には、旋
回用油圧ポンプ(26)と旋回油圧モータ(27)によ
り構成するHST式無段変速機構(28)と、走行油圧
モータ(24)が付設されている。
【0032】そして、走行油圧ポンプ(23)の出力軸
(31)と、旋回油圧モータ(27)の出力軸(62)
は、どちらも、センタセクション(C)を貫通して、走
行油圧ポンプ(23)を取りつけた側の同じ方向に突出
している。該走行油圧ポンプ(23)の出力軸(31)
は、そのままミッションケース(22)の内部に嵌入し
て走行変速装置を駆動している。また旋回油圧モータ
(27)の出力軸(62)も、そのままミッションケー
ス(22)の内部に挿入されて、左右対称の1対の遊星
ギヤ機構(35)(35)を駆動して、クローラ式の走
行装置を丸形操向ハンドル(19)により旋回操向可能
に構成している。
【0033】図8と図9と図10と図11において図示
する如く、センタセクション(C)の右側には、走行用
のHST式無段変速機構(25)の半分を構成する走行
油圧ポンプ(23)が付設されている。そして走行用の
HST式無段変速機構(25)を構成する他の半分であ
る走行油圧モータ(24)は、図5に示す平面図の如
く、入力軸(23a)の側方の位置に走行油圧モータ
(24)と出力軸(31)が配置されている。
【0034】該出力軸(31)の出力側は、センタセク
ション(C)の側に突出しており、ミッションケース
(22)の内部に挿入されて、副変速機構(32)と差
動機構(33)を駆動している。該出力軸(31)のセ
ンタセクション(C)とは逆の他端には、中立時制動装
置(134)と湿式多板ディスク機構(134a)と走
行中立制動電磁弁(140)が配置されている。
【0035】またセンタセクション(C)の左側で、走
行油圧ポンプ(23)と向かい合う位置には、旋回用H
ST式無段変速機構(28)を構成する旋回油圧ポンプ
(26)が配置されている。前記走行油圧ポンプ(2
3)の入力軸(23a)と、旋回油圧ポンプ(26)の
入力軸(26a)とは、カップリング(143)でスプ
ライン連結されて、一体的にエンジン(21)の回転を
伝達している。この実施例では、図3に示す伝達ベルト
(30)に代えてカップリング(143)が使用されて
いる。
【0036】該入力軸(23a)にエンジン(21)の
出力軸(21a)からの動力が伝達ベルト(29)を介
して伝達されている。また、カップリング(143)を
介して、駆動される入力軸(26a)の他端には、チャ
ージポンプCPが介装されており、更にチャージポンプ
CPの部分に、他のPTOプーリーが固着される。
【0037】また、旋回油圧ポンプ(26)の上面には
自動旋回制御バルブ(V1)が付設されており、該自動
旋回制御バルブ(V1)とピストン(P2)の内部に配
置された手動旋回制御バルブ(V2)とピストン(P
1)との間で全体的に旋回サーボ機構(T2)が構成さ
れている。また、走行油圧ポンプ(23)の近傍には、
手動走行制御バルブ(V3)とスプール(S3)とピス
トン(P2)により走行サーボ機構(T1)が構成され
ている。また、旋回油圧モータ(27)の出力軸(6
2)の他端には、中立時制動装置(135)と旋回中立
制動電磁弁(139)と湿式多板ディスク機構(135
a)が付設されている。
【0038】次に、該走行サーボ機構(T1)と、旋回
サーボ機構(T2)の構成について説明する。図8と図
9と図10において、走行サーボ機構(T1)の平面図
が図示されている。該走行サーボ機構(T1)は、電磁
開閉弁により構成した手動走行変速バルブ(V3)を構
成するスプール(S1)を操作することにより、ピスト
ン(P1)を上下動して、斜板(145)を回動し、走
行用の旋回用のHST式無段変速機構(25)を変速す
るものである。
【0039】該走行用のHST式無段変速装置(25)
を中立位置で保持する必要があり、走行中立保持アーム
(148)が設けられ、該走行中立保持アーム(14
8)の先端に走行中立保持ローラ(148a)が枢支さ
れている。該走行中立保持ローラ(148a)は、走行
変速操作アーム(151)と一体的に、走行中立カム
(149)が回動し、該走行中立カム(149)の中央
の凹部に前記走行中立保持ローラ(148a)が嵌入し
て中立を保持する。
【0040】走行中立保持アーム(148)に長穴(1
48b)を貫設し、この長穴(148b)に走行変速操
作アーム(151)のピン部(151b)を嵌入して、
作業機の振動によるリンク系統のガタを吸収する。ま
た、該走行変速操作アーム(151)は衝撃吸収バネ
(151a)を介して、共に回動する走行ストッパー杆
(150)が設けられており、該ストッパー板(15
7)と係合して、走行変速操作アーム(151)のそれ
以上の回動を阻止する。
【0041】また、前記走行変速操作アーム(151)
には、衝撃吸収バネ(151a)を介してスプール(S
1)を操作するクランクアーム(159)が設けられて
おり、該クランクアーム(159)が、スプール(S
1)の凹部と係合している。該スプール(S1)がピス
トン(P1)の内部で摺動することにより、手動走行変
速バルブ(V3)を構成している。同様の旋回サーボ機
構(T2)が図11の如く、旋回油圧ポンプ(26)の
斜板(146)を回動すべく構成されている。該旋回油
圧ポンプ(26)の旋回サーボ機構(T2)の構成は、
略走行サーボ機構(T1)と同じ構成が左右対称に構成
されている。
【0042】即ち、旋回操作アーム(162)と共に回
動する旋回中立保持アーム(152)と、該旋回中立保
持アーム(152)に軸受支持された旋回中立保持ロー
ラ(152a)が構成されている。また旋回中立保持ロ
ーラ(152a)が接頭する旋回中立カム(153)が
設けられ、旋回ストッパー杆(154)と、該旋回スト
ッパー杆(154)が係合する旋回ストッパー板(15
6)が構成されている。前記旋回操作アーム(162)
に衝撃吸収バネ(162a)が付設されている。
【0043】走行サーボ機構(T1)と旋回サーボ機構
(T2)とは略左右対称型に構成されており、走行中立
保持アーム(148)と旋回中立保持アーム(152)
の間を、走行中立保持ローラ(148a)と旋回中立保
持ローラ(152a)が、走行中立カム(149)と旋
回中立カム(153)の方向に常時付勢される方向の付
勢バネ(160)が介装されている。これらローラ(1
48a),(152a)が中立カム(14a),(15
3)のカム面上に形成された中立位置に係合するとき
は、走行クローラ(2)は中立時に作動停止状態に保持
される。
【0044】次に図11において、旋回用のHST式無
段変速機構(28)の旋回油圧ポンプ(26)と旋回油
圧モータ(27)と旋回サーボ機構(T2)の配置を説
明する。センタセクション(C)に旋回用のHST式無
段変速機構(28)が付設されているが、該旋回用のH
ST式無段変速機構(28)のケースの内部に旋回サー
ボ機構(T2)が埋め込まれている。該構成は走行用の
HST式無段変速機構(25)の場合の同じであり、セ
ンタセクション(C)の他の面に走行用のHST式無段
変速機構(25)のケースがそのまま付設されており、
該走行油圧ポンプ(23)のケースの内部に走行サーボ
機構(T1)が埋め込まれて一体的に構成されているの
である。
【0045】そして、該走行サーボ機構(T1)と旋回
サーボ機構(T2)の方向は、走行油圧ポンプ(23)
と旋回油圧ポンプ(26)に設けた、クレイドル型の斜
板の上下回動方向とピストン(P1)(P2)、スプー
ル(S1)(S2)の摺動方向を同じとしている。該ピ
ストン(P1)(P2)と、クレイドル型の斜板(14
6)とを連結ピン(190)より連結している。
【0046】図8において図示する如く、チャージポン
プ(CP)には、吸引口(196)と吐出口(195)
が開口されており、吸引口(196)に作動油タンクか
らの作動油を吸引して、圧油として吸引口(196)か
ら吐出し、作動油フィルタを経た後に、センタセクショ
ン(C)の上部の供給口(194)に供給し、一部はと
走行用のHST式無段変速機構(25)と旋回用HST
式無段変速機構(28)の閉回路にチェックバルブ及び
絞り機構(137)(138)とチェックバルブ及び絞
り機構(141)を介して供給し、過剰の作動油をリリ
ーフ噴出弁(199)から、旋回用HST式無段変速機
構(28)の内部に吐出して冷却油として使用してい
る。
【0047】以下、本発明の変速レバー(68)と丸形
操向ハンドル(19)から、旋回中立保持アーム(15
2)と旋回操作アーム(162)に到る連動リンク機構
を説明する。図12は走行変速及び操向操作部の説明
図、図13は操作部の正面説明図、図14は操作部の平
面説明図、図15は操作部の側面説明図、図16は操作
部材の側面説明図、図17は操作部材の正面説明図、図
18は操作部材の平面説明図、図19は操向ハンドル部
の平面説明図、図20はリンク機構部の平面説明図、図
21は運転キャビン部の側面説明図、図22は変速用サ
ーボロッド(111)と旋回用サーボロッド(112)
と、走行変速操作アーム(151)と旋回操作アーム
(162)の連結部の後面図、図23は変速用サーボロ
ッド(111)と旋回用サーボロッド(112)と、走
行変速操作アーム(151)と旋回操作アーム(16
2)の連結部の正面図、図24はHST式ミッション装
置(H)の図23の連結部の拡大図である。
【0048】図25は変速レバー(68)の傾動角が0
で、丸形操向ハンドル(19)の回動角も0の状態の連
動リンク機構の俯瞰図、図26は変速レバー(68)が
前進側に30度傾動され、丸形操向ハンドル(19)が
左旋回側に135度回動した状態の連動リンク機構の俯
瞰図、図27は変速レバー(68)が前進側に30度傾
動され、丸形操向ハンドル(19)が右旋回側に135
度回動された状態の連動リンク機構の俯瞰図、図28は
変速レバー(68)が後進側に25度傾動され、丸形操
向ハンドル(19)が左旋回側に135度回動された状
態の連動リンク機構の俯瞰図、図29は変速レバー(6
8)が後進側に25度傾動され、丸形操向ハンドル(1
9)が右旋回側に135度回動された状態の連動リンク
機構の俯瞰図、図30は変速レバー(68)の傾動と、
丸形操向ハンドル(19)の回動の伴う、左旋回時の速
度の変化を示す図面であり、右旋回時には、この図が反
転される。
【0049】図12から図29に示す如く、前記走行用
のHST式無段変速機構(25)に連結する運転操作部
である変速レバー(68)と、旋回用のHST式無段変
速機構(28)に連結する丸形操向ハンドル(19)と
を、連動手段である変速及び旋回連動機構(69)に連
動連結させると共に、該連動機構(69)を走行変速及
び操向リンク機構(70)(71)介し、走行及び操向
用のHST式変速機構(25)(28)の走行変速操作
アーム(151)と旋回中立保持アーム(152)に連
動連結させている。
【0050】前記連動機構(69)は、次の如く構成さ
れている。変速レバー(68)の基端折曲部(68a)
を筒軸(74)に左右揺動自在に枢支している。該筒軸
(74)は前後に回動自在とする回動板(75)に固設
されている。該回動板(75)は、機体側の本機フレー
ム(76)と一体化した固定取付板(78)に軸受支持
した第1枢軸(77)により枢支されている。また変速
レバー(68)の回動により筒軸(74)が回動し、該
筒軸(74)と一体的に構成した回動板(75)が回動
する。
【0051】該回動板(75)には前記枢軸(77)と
は直交する前後方向の第2枢軸(79)が付設されてい
る。該回動板(75)が、変速レバー(68)の回動操
作により第1枢軸(77)を中心に回動すると、該第2
枢軸(79)も前後に回動する。該第2枢軸(79)に
変速操作部材(80)と、操向操作部材(81)とを、
別々に回動自在に枢支している。第2枢軸(79)に回
動自在に設ける変速操作部材(80)と、前記第2枢軸
(79)の軸回りに回動自在に連結させる操向操作部材
(81)とは、偏心位置の各操作出力部(80a)(8
1a)を変速及び揉向リンク機構(70)(71)に連
動連結させている。
【0052】前記、HST式ミッション装置(H)の走
行変速操作アーム(151)と旋回操作アーム(16
2)に連結する、変速及び操向リンク機構(70)(7
1)は、連動機構(69)の後方位置で、本機フレーム
(76)側に支持した揺動軸(82)の位置で前記変速
及び旋回連動機構(69)と連動されている。更に、該
揺動軸(82)の位置から、操向用自在継手形第1ロッ
ド(97)(98)を介して、運転キャビン(18)の
回動支点軸(92)の位置の、第1揺動アーム(95)
(96)に連結されている。
【0053】該第1揺動アーム(95)(96)に対し
て、走行変速及び操向リンク機構(70)(71)を構
成する、操向用自在縦手形第2ロッド(107)(10
8)と第2揺動アーム(109)(110)が連結され
ている。揺動軸(82)の、外側に揺動筒軸(83)を
遊嵌し、該揺動筒軸(83)に変速アーム(84)を固
定している。
【0054】また記揺動軸(82)に操向アーム(8
5)の基端を固設している。前記第2枢軸(79)に枢
支した変速操作部材(80)の出力部(80a)と、同
じく第2枢軸(79)に枢支した操向操作部材(81)
の出力部(81a)に、各操作出力軸(86)(87)
が図17の如く設けられ、該操作出力軸(86)(8
7)と各アーム(84)(85)間を自在縦手軸(8
8)(89)により連結している。
【0055】前記揺動軸(82)と揺動筒軸(83)
の、右端に固設する変速及び操向出力アーム(90)
(91)と、前記運転キャビン(18)の回動支点軸
(92)の支点軸受(93)に取付ける中間軸(94)
に回転自在に設ける変速及び操向用第1揺動アーム(9
5)(96)とが、変速及び操向用自在継手形第1ロッ
ド(97)(98)により連結されている。前記出力ア
ーム(90)(91)と第1揺動アーム(95)(9
6)の各先端間をそれぞれ連結する変速及び操向用自在
継手形第1ロッド(97)(98)と、前記中間軸(9
4)に設けて第1揺動アーム(95)(96)に一体連
結する変速及び操向用第2揺動アーム(99)(10
0)とが設けられている。
【0056】前記ミッションケース(22)上部の軸受
板(101)に取付ける支軸(102)に、回動自在に
支持させる変速及び揉向用筒軸(103)(104)
と、該筒軸(103)(104)に基端を固設する第1
揺動アーム(105)(106)と前記第2揺動アーム
(99)(100)の各先端間を連結する変速及び操向
用自在縦手形第2ロッド(107)(108)とが設け
られている。前記筒軸(103)(104)に基端を固
設する第2揺動アーム(109)(110)と前記コン
トロールレバ−(72)(73)の各先端間を連結させ
る変速用サーボロッド(111)と旋回用サーボロッド
(112)とを具備している。
【0057】前記第1枢軸(77)を中心とした走行操
作部材(80)の回動によって走行変速操作アーム(1
51)を、また走行中の第2枢軸(79)を中心とした
操向操作部材(81)の回動によって操向用の旋回操作
アーム(162)を操作して変速及び操向制御を行うよ
うに構成している。一方前記操向ハンドル(19)の下
端のハンドル操作軸(113)にギヤ(114)を設け
て、この後方の回転軸(115)に取付けるセクタギヤ
(116)に前記ギヤ(114)を噛合せている。前記
変速レバー(68)の位置下方に配設する操向軸(11
7)の第1揺動アーム(118)が設けられている。
【0058】前記回転軸(115)に基端を固設する出
力アーム(119)との各先端間を、操向リンク機構で
ある自在継手形操向第1ロッド(120)を介して連結
している。操向軸(117)の第1揺動アーム(11
8)と一体の第2揺動アーム(121)を、前記自在継
手軸(89)の前端に自在継手形操向第2ロッド(12
2)を介して連結させている。前記ハンドル(19)の
回動操作によって前記第2枢軸(79)を中心として操
向操作部材(81)を回動するように構成している。
【0059】また、前記ハンドル操作軸(113)のギ
ヤ(114)下方に中立位置決め板(123)を設けて
いて、該位置決め板(123)下面の突出軸(124)
に操向検出リンク(125)の一端を連結させている。
前記回転軸(115)の右側に配設する減速アーム軸
(126)の、第1揺動アーム(127)と前記検出リ
ンク(125)の他端長孔(125a)とを、軸(12
8)を介し連結させている。前記操向軸(117)の減
速アーム(129)と減速アーム軸(126)の第2揺
動アーム(130)との各先端間を、減速リンク機構で
ある自在継手形第1減速ロッド(131)で連結させて
いる。
【0060】前記変速操作部材(80)の最右端の減速
伝達軸(132)と、第2揺動アーム(130)の他端
間を、自在縦手形第2減速ロッド(133)で連結させ
て、走行状態で前記丸形操向ハンドル(19)の操向量
を大とする程、第2減速ロッド(133)を下方に引張
って走行速度を減速させるように構成している。ところ
で、図20に示す如く、前記変速及び操向操作部材(8
0)(81)を、軸回りに回動可能とさせる第2枢軸
(79)と、操向アーム(85)と継手軸(89)との
自在継手部(89a)とを、前後方向の水平ライン(L
l)上に位置させている。
【0061】また、前記操作出力軸(86)(87)と
自在継手軸(88)(89)との自在継手部(88b)
(89b)と、第1枢軸(77)とを前記ライン(L
l)に直交させる左右水平ライン(L2)上に位置させ
ている。さらに前記変速アーム(84)と縦手軸(8
8)との自在継手部(88a)と前記触手部(89a)
とを、前記ライン(L2)と平行な左右水平ライン(L
3)上に位置させて、変速レバー(68)及び操向ハン
ドル(19)の中立保持時に、これら何れか一方が操作
されても、各操作部材(80)と(81)を、第1及び
第2枢軸(77)(79)の軸回りに回動させるのみと
して、継手軸(88)(89)には操作力を作用させな
いものである。
【0062】そして図16にも示す如く、変速レバー
(68)の前後進操作で、第1枢軸(77)を中心とし
て操作部材(80)を前後に角度(α1)(α2)傾け
るとき、前記継手軸(88)を引張って或いは押して、
変速アーム(84)を動作させて走行速度の前後進の切
換えを行う。
【0063】また、図17に示す如くこの状態中、即
ち、変速レバー(68)が中立以外のときに、操向ハン
ドル(19)の回動操作で、第2枢軸(79)を中心と
して操作部材(81)を上下に角度(β1)(β2)傾
けるとき、継手軸(89)を引張って或いは押して操向
アーム(85)を回動させ、機体の左及び右旋回を行う
ものである。即ち、主変速の中立時に旋回操作を行って
も、継手軸(89)はライン(Ll)を中心とした円錐
面上にも移動する状態となって継手部(89a)(89
b)間の距離は変化しない。よって、HST式無段変速
機構(28)の旋回油圧モータ(27)は回転しないこ
ととなるのである。
【0064】また図19にも示す如く、前記操向ハンド
ル(19)に設ける検出リンク(125)は、中立位置
より右或いは左旋回操作の何れにおいても、第1揺動ア
ーム(127)を同一方向に角度(θ)の範囲で回動さ
せて、第2減速ロッド(133)を常に引張る状態とさ
せて、前進操作時の操作部材(80)が、図16の角度
(α1)側に傾いているときには、継手部(88a)
(88b)問の距離を縮め、また後進操作時の接作部材
(80)が、角度(α2)側に傾いているときには、継
手部(88a)(88b)問の距離を大きくして、HS
T式無段変速機構(25)の変速に関与する、図12の
変速アーム(84)をそれぞれ中立方向の低速側に変位
させて、その旋回量に応じた減速を行うものである。
【0065】さらに図21にも示す如く、変速及び揉向
の操作力を伝達する前記第1ロッド(97)(98)と
揺動アーム(95)(96)の自在触手部(97a)
(98a)の中心を、変速及び操向の中立保持において
は、運転キャビン(18)の回動支点である回動支点軸
(92)位置に一致させて、変速及び操向の中立保持に
おいてはこれらの操作系を取外すことなく運転キャビン
(18)の前方向への回動を可能とさせるように構成し
ている。
【0066】つまり機台(3)上の前支点受台(13
4)に固設する支点軸受(93)に、前記中間軸(9
4)を一体的に支持させていて、変速及び操向の中立状
態時には第1ロッド(97)(98)と揺動アーム(9
5)(96)の自在触手部(97)(98)中心を、支
点軸(92)の軸芯線上に一致させて、支点軸(92)
を中心とした運転キャビン(18)の前方への回動時に
も、中間軸(94)を中心として第1ロッド(97)
(98)を一体に回動させて、揺動アーム(95)(9
6)との関係を損なうことのない運転キャビン(18)
の開放を可能とさせる。
【0067】したがってキャビン(18)内の操作部と
ミッションケース(22)の各変速機構(25)(2
8)とかロッド(97)(98)(107)(108)
など用いたリンク機構(70)(71)でありながら、
これらをその都度取外す必要のない運転キャビン(1
8)の開放を可能とさせることかできると共に、リンク
機構(70)(71)を介し伝わる運転キャビン(1
8)の振動も最小限に抑制できるものである。
【0068】以上実施例から明らかなように、運転操作
部(19)(68)を内装する運転キャビン(18)を
回動支点(134)を中心として回動可能に設けるコン
バインの操作装置において、キャビン外側の運転駆動部
(22)と前記操作部(19)(68)とを連動連結す
る操作ロッド(97)(98)・(107)(108)
を、前記回動支点(92)を介して連結形成するもので
あるか、運転操作部(19)(68)と駆動部(22)
とを操作ロッド(97)(98)・(107)(10
8)で確実に連結する構造でありなから、操作ロッド
(97)(98)・(107)(108)をその都度取
外すことのない容易な運転キャビン(18)の開放を可
能とさせることかできると共に、運転キャビン(18)
の振動かミッションなど駆動部(22)に伝わるのを最
小限に抑制することかできるものである。
【0069】また、変速操作を行う変速レバー(68)
と、車速を制御する油圧変速機構(25)とを連動連結
する変速操作ロッド(97)(107)の連結点を、回
動支点(92)に設けたものであるから、運転キャビン
(18)の回動開放時には変速レバー(68)の操作ロ
ッド(97)(107)をその都度取外す必要のない、
運転キャビン(18)の良好な開放作業を可能とさせる
ことかできるものである。
【0070】さらに、旋回操作を行う操向ハンドル(1
9)と、機体を旋回する油圧操向機構(28)とを連動
連結する旋回操作ロッド(98)(108)の連結点
を、回動支点(92)に設けたものであるから、運転キ
ャビン(18)の回動開放時には操向ハンドル(19)
の操作ロッド(98)(108)をその都度取外す必要
のない、運転キ十ビン(18)の良好な開放作業を可能
とさせるものである。
【0071】以上のような構成において、図22と図2
3と図24に示す如く構成している。即ち、変速レバー
(68)の操作に連動して、上下操作される変速用サー
ボロッド(111)と、走行油圧ポンプ(23)の斜板
(145)を操作する走行変速操作アーム(151)と
の間に、クリアランスとしての長孔(200)を設けて
いる。
【0072】該長孔(200)と、走行変速操作アーム
(151)と連結ピン(151b)とを連結して、変速
レバー(68)から走行変速操作アーム(151)まで
の長いリンク機構において発生するガタをこの部分で吸
収させているのである。このように、長孔(200)の
ようなクリアランスを設けても、走行油圧ポンプ(2
3)の斜板(145)は中立位置を保持すべく、走行中
立保持アーム(148)と走行中立保持ローラ(148
a)を配置して、強力に中立側に付勢保持すべく構成し
ている。
【0073】しかし、HST式無段変速機構(25)の
変速操作は、やや鈍い動きでも良いが、HST式無段変
速機構(28)の操向旋回操作は、十分に鋭敏な感度を
具備させる為に、旋回用サーボロッド(112)と旋回
操作アーム(162)との間は、丸孔と連結ピン(16
2b)により連結している。これの関連として、丸形操
向ハンドル(19)の操作系統には、丸形操向ハンドル
(19)の下方の中立位置決め板(123)と、該中立
位置決め板(123)に連結された検出リンク(12
5)の他端長孔(125a)等の部分に、必要なクリア
ランスが設けられている。
【0074】以上のような構成としたことにより、本発
明は、図25から図29に図示する如く、変速レバー
(68)の操作により、前進・後進と走行クローラ
(2)の速度が変速されることは当然であるが、丸形操
向ハンドル(19)の回転によって、左右の走行クロー
ラ(2)が別々に変速されるのである。図25の場合に
は、変速レバー(68)は中立位置であり、丸形操向ハ
ンドル(19)は直進方向に向いている。
【0075】この状態では、主変速の中立時であり、丸
形操向ハンドル(19)を回動する旋回操作を行って
も、継手軸(89)は前後方向の水平ライン(Ll)を
中心とした円錐面上に移動する状態となって継手部(8
9a)(89b)間の距離は変化しない。よって、HS
T式無段変速機構(28)の旋回油圧モータ(27)は
回転しないこととなるのである。これにより、変速レバ
ー(68)が中立で停止している状態で、丸形操向ハン
ドル(19)を誤操作しても、走行クローラ(2)がH
ST式無段変速機構(28)により回転を開始して、芯
地旋回をするという不具合を解消できるのである。
【0076】図26は、図25の状態から、変速レバー
(68)を前進側に最大角度である30度回動し、かつ
丸形操向ハンドル(19)を、左旋回に最大角度である
135度回動した状態を示している。この場合には、丸
形操向ハンドル(19)を大きく回動操作して、急旋回
をしようとする状態であるので、走行速度が早すぎると
機体が横転したり、オペレーターが振り落とされる等の
不具合が発生するので、変速レバー(68)により操作
した変速速度を、丸形操向ハンドル(19)の回動量に
より徐々に減速し、135度の最大回動量の位置で、最
低の速度とするのである。
【0077】図27においては、変速レバー(68)は
前進高速に回動しており、丸形操向ハンドル(19)を
右に一杯に135度回動して、右方向への最大急旋回の
状態を示している。この場合には、丸形操向ハンドル
(19)の回動を、セクタギヤ(116)により検出
し、自在継手形操向第1ロッド(120)と自在継手形
操向第2ロッド(122)により、自在縦手軸(89)
と揉向アーム(85)を操作し、旋回用HST式無段変
速機構(28)が最大増速されている。図26と図27
とでは、操向操作部材(81)の回動方向が上下に逆と
なっているが、最大位置に操向操作部材(81)が回動
操作された点は同じである。
【0078】図28と図29は、変速レバー(68)が
高速側に25度回動されており、この状態で、丸形操向
ハンドル(19)が最大135度回動された状態が図示
されている。この場合にも、同じく、操向操作部材(8
1)の回動方向が上下に逆方向に最大限度まで回動され
ている。図26・27・28・29のどの場合にも、変
速レバー(68)の回動により、自在縦手軸(88)を
介して、走行用HST式無段変速機構(25)が前進側
と後進側の最大速度まで操作されている。
【0079】この自在縦手軸(88)が操作された状態
で、更に丸形操向ハンドル(19)の回動角が、操向検
出リンク(125)と第1揺動アーム(127)と第2
揺動アーム(130)と自在継手形第1減速ロッド(1
31)と第2減速ロッド(133)を介して、自在縦手
軸(88)が操作される。これにより、該変速レバー
(68)により変速した位置から、丸形操向ハンドル
(19)の回動角に応じて、減速や一部増速の操作が行
われるのである。
【0080】この操作は、丸形操向ハンドル(19)の
下部に配置された、ハンドル操作軸(113)のギヤ
(114)と、セクタギヤ(116)が係合しており、
該セクタギヤ(116)の回動量が、自在継手形操向第
1ロッド(120)と、自在継手形操向第2ロッド(1
22)を介して、操向操作部材(81)に伝達され、該
操向操作部材(81)が第2枢軸(79)を中心に回動
することにより、自在縦手軸(89)を引っ張り短くな
って、揉向アーム(85)を操作することにより、旋回
用HST式無段変速機構(28)の回転速度が上昇す
る。これにより、左右の走行クローラ(2)の速度比率
が大となるのである。
【0081】該丸形操向ハンドル(19)の操作が右旋
回の場合には、セクタギヤ(116)の回転方向が逆で
あるが、自在継手形操向第1ロッド(120)と自在継
手形操向第2ロッド(122)が押し操作となり、操向
操作部材(81)が上方へ押し回動されて、自在縦手軸
(89)の長さが短くなって、同じく旋回用HST式無
段変速機構(28)の回転数が増加し、左右の走行クロ
ーラ(2)の回転変速比率が大きくなる。
【0082】更に、丸形操向ハンドル(19)の回転量
を検出して、走行用HST式無段変速機構(25)の速
度を減速する機構が、設けられている。この機構は、図
14は図19において図示されている。即ち、丸形操向
ハンドル(19)のハンドル操作軸(113)に固設し
た中立位置決め板(123)に、突出軸(124)を介
して、操向検出リンク(125)が枢支されている。該
操向検出リンク(125)は、図14の如く、丸形操向
ハンドル(19)が直進方向を向いている場合に、中立
位置決め板(123)の右側の真横の位置に、突出軸
(124)が位置する状態で枢支されている。
【0083】故に、該位置から、右旋回する場合にも、
左旋回する場合にも、丸形操向ハンドル(19)を回転
すると、先ず、突出軸(124)が円周方向に、接線方
向に前後する動きとなり、丸形操向ハンドル(19)の
回動の初期は、丸形操向ハンドル(19)の回動角度に
比較して、操向検出リンク(125)の移動幅が大きく
なく、徐々に旋回用HST式無段変速機構(28)の回
転が開始されることとなるのである。
【0084】この丸形操向ハンドル(19)の回転初期
の操向検出リンク(125)の移動幅は、丸形操向ハン
ドル(19)が或る程度大きく回動されると、ギヤ(1
14)の前後の位置に突出軸(124)が位置すること
となり、回動角度に比例して、操向検出リンク(12
5)の意図を幅が大きくなるのである。丸形操向ハンド
ル(19)が最大の135度回動した状態が図19であ
り、この位置では、操向検出リンク(125)は大きく
左側に移動するのである。
【0085】故に、丸形操向ハンドル(19)の回動角
度が大きくなると、操向検出リンク(125)から第1
揺動アーム(127)と第2揺動アーム(130)と自
在継手形第1減速ロッド(131)を介して、第2減速
ロッド(133)が押し引きされ、図20の変速操作部
材(80)を回動して、自在縦手軸(88)を押し引き
することにより、旋回用HST式無段変速機構(28)
を無段変速させるのである。
【0086】このように、丸形操向ハンドル(19)の
操作により、旋回用HST式無段変速機構(28)が変
速されるが、最初は回転数の上昇比率が低く、丸形操向
ハンドル(19)の回動角度が大きくなると、旋回用H
ST式無段変速機構(28)の回転数の上昇比率が大き
くなるのである。図30のグラフにおいては、この丸形
操向ハンドル(19)の操作による、左右速度差の変化
と、丸形操向ハンドル(19)の操作による走行速度の
減少が図示されている。
【0087】即ち、図30の機体中心速度線cが、丸形
操向ハンドル(19)の回動角度が大きくなることによ
り、操向検出リンク(125)が操作されて、走行用H
ST式無段変速機構(25)の速度が、減速される経過
を図示している。また、図30においては、左クローラ
速度変速線aと右クローラ速度変速線bの間の角度が開
放状態にあり、丸形操向ハンドル(19)の回動角が大
きくなる程、に左右のクローラ速度の差が大きくなって
いく過程が、丸形操向ハンドル(19)にりセクタギヤ
(116)が回転し、自在縦手軸(89)から旋回用H
ST式無段変速機構(28)を徐々に増速していく過程
を図示している。
【0088】図30において、左クローラ速度変速線a
と右クローラ速度変速線bの角度が途中で折れ曲がって
いるが、丸形操向ハンドル(19)の回動角度の小の位
置と、大の位置では、左クローラ速度変速線aと右クロ
ーラ速度変速線bの直線の成す角度は変化していない。
機体中心速度線cが途中で、中立位置決め板(123)
と突出軸(124)と操向検出リンク(125)の位置
の関係で、曲折点d折れ曲がって、丸形操向ハンドル
(19)の回転角度に対する減速比率が変化するので、
これにつれて、左クローラ速度変速線aと右クローラ速
度変速線bの開き角度が途中で折れているだけである。
【0089】本発明は、このように走行用のHST式無
段変速機構(25)と旋回用HST式無段変速機構(2
8)とを併置し、変速レバー(68)により走行用のH
ST式無段変速機構(25)を操作し、丸形操向ハンド
ル(19)により旋回用HST式無段変速機構(28)
を操作する構成としたHST式ミッション装置の操作機
構において、丸形操向ハンドル(19)の回動操作角度
によって左右走行装置の速度比を変更すべく構成してい
る。この状態は、左クローラ速度変速線aと右クローラ
速度変速線bの成す角度が徐々に開いていることによ
り、作用的には開示されている。
【0090】また、走行用のHST式無段変速機構(2
5)と旋回用HST式無段変速機構(28)とを併置
し、変速レバー(68)により走行用のHST式無段変
速機構(25)を操作し、丸形操向ハンドル(19)に
より旋回用HST式無段変速機構(28)を操作する構
成としたHST式ミッション装置の操作機構において、
変速レバー(68)の操作角により速度が低速・標準・
高速と変化することにより、左クローラ速度変速線aと
右クローラ速度変速線bの成す角度が、角度α・角度β
・角度γと相違していくことにより、丸形操向ハンドル
(19)の回動操作角度が同じでも、旋回半径が相違す
べく構成している。
【0091】この状態は、左クローラ速度変速線aと、
右クローラ速度変速線bの成す角度、角度α・角度β・
角度γが、低速の場合と、標準速度の場合と、高速の場
合とで、徐々に狭くなっていることにより開示されてい
る。即ち、高速の場合には、丸形操向ハンドル(19)
の回動幅は同じでも、旋回の為の速度差を小さくして旋
回し、低速の場合には、同じ丸形操向ハンドル(19)
の回動角度に対して、左右の速度差を大きくして急旋回
をすべく構成しているのである。
【0092】また、変速レバー(68)による変速する
速度が低速の場合には、丸形操向ハンドル(19)によ
る旋回する方向側の走行装置の速度は徐々に低くし、旋
回方向と逆の側の走行速度は徐々に高くし、変速レバー
(68)による変速する速度が高速の場合には、旋回側
の速度も、旋回方向と逆の側の速度も徐々に低くする
が、旋回側の速度の減速率の方を大きくしている。
【0093】この作用は、図30において、左クローラ
速度変速線aと右クローラ速度変速線bのそれぞれの直
線の傾斜角がそのまま開示されている。低速も高速の場
合にも、丸形操向ハンドル(19)の回動角が大きくな
ると、旋回側の速度は、徐々に0になり、更に回動する
と、逆点回転を介しするのである。低速の場合の方が速
度差が大きくとれるが、高速の場合にはそれ程、極端に
速度差を大きくとることが出来ないのである。
【0094】また、減速側の減速比率は、丸形操向ハン
ドル(19)の回動角度が小の場合には、緩く、回動角
度が大となると減速比率が大とし、増速比率は、回動角
度が小の場合には増速比率を大に、回動角度が大となる
と増速比率が小となるように構成している。この状態
は、図30においては、機体中心速度線cが、途中の丸
形操向ハンドル(19)の回動角度の小の位置で折れ曲
がっていることを指摘している。これにより、丸形操向
ハンドル(19)の操作量が小さい場合には、走行用H
ST式無段変速機構(25)の速度を減速する操作を余
り極端に行わないように構成しているのである。
【0095】また、変速レバー(68)による変速する
速度が高速の場合には、旋回側の速度も、旋回方向と逆
の側の速度も徐々に低くするが、旋回方向と逆の側の速
度は、一旦増速した後に、徐々に減速すべく構成してい
る。この状態は、左クローラ速度変速線aと右クローラ
速度変速線bが、曲折点dの手前において、低速でも高
速でも、先ず丸形操向ハンドル(19)の回動角が小さ
い場合には、旋回方向とは逆の側が増速し、丸形操向ハ
ンドル(19)の回動と共に、減速状態となっていくこ
とを指摘している。
【0096】
【発明の効果】本発明は以上の如く構成したので、次の
ような効果を奏するのである。請求項1の如く、走行用
のHST式無段変速機構(25)と旋回用HST式無段
変速機構(28)とを併置し、変速レバー(68)によ
り走行用のHST式無段変速機構(25)を操作し、丸
形操向ハンドル(19)により旋回用HST式無段変速
機構(28)を操作する構成としたHST式ミッション
装置の操作機構において、丸形操向ハンドル(19)の
回動操作角度によって左右走行装置の速度比を変更すべ
く構成したので、丸形操向ハンドル(19)の旋回の為
の回動角が大きくなると、左右の走行クローラ(2)の
速度差が徐々に大きくなり、丸形操向ハンドル(19)
の操作角度に応じて旋回半径を小にすることができ、オ
ペレーターのフィーリングに合致した旋回角度を得るこ
とが出来るのである。
【0097】請求項2の如く、走行用のHST式無段変
速機構(25)と旋回用HST式無段変速機構(28)
とを併置し、変速レバー(68)により走行用のHST
式無段変速機構(25)を操作し、丸形操向ハンドル
(19)により旋回用HST式無段変速機構(28)を
操作する構成としたHST式ミッション装置の操作機構
において、変速レバー(68)の操作角の相違により、
丸形操向ハンドル(19)の回動操作角度が同じでも、
旋回半径が相違すべく構成したので、低速走行時と高速
走行時とで、丸形操向ハンドル(19)の操作角度に対
し同じような、旋回半径となるように設定しておくと、
高速走行時の旋回において、機体が横転してしまうので
ある。本発明の如く構成することにより、丸形操向ハン
ドル(19)の同じ回動角度に対して、低速の場合に急
旋回と、高速では緩旋回として、このような危険を回避
することが出来るのである。
【0098】請求項3の如く、請求項1又は2記載の走
行ミッション装置の操舵機構において、左右の走行装置
をクローラ式走行装置としたので、クローラ式走行装置
でありながら、芯地旋回や急旋回が容易にできる走行ミ
ッション装置の操舵機構とすることが出来たのである。
【0099】請求項4の如く、請求項1又は請求項2記
載の走行ミッション装置の操舵機構において、変速レバ
ー(68)による変速する速度が低速の場合には、丸形
操向ハンドル(19)による旋回する方向側の走行装置
の速度は徐々に低くし、旋回方向と逆の側の走行速度は
徐々に高くし、変速レバー(68)による変速する速度
が高速の場合には、旋回側の速度も、旋回方向と逆の側
の速度も徐々に低くするが、旋回側の速度の減速率の方
を大きくしたので、非旋回側の速度を増速することな
く、旋回側の速度を減速することを主体として旋回する
ので、無理無く旋回することができ、オペレーターにと
って最適なフィーリングで旋回することが出来るのであ
る。
【0100】請求項5の如く、請求項4記載の走行ミッ
ション装置の操舵機構において、減速側の減速比率は、
丸形操向ハンドル(19)の回動角度が小の場合には、
緩く、回動角度が大となると減速比率が大とし、増速比
率は、回動角度が小の場合には増速比率を大に、回動角
度が大となると増速比率が小となるように構成したの
で、丸形操向ハンドル(19)の回動角度に対して、旋
回操作が無理無く行われ、丸形操向ハンドル(19)の
回動角度が小の場合で、緩旋回の場合にも、大きな違和
感の無い旋回操作とすることが出来たのである。
【0101】請求項6の如く、請求項4記載の走行ミッ
ション装置の操舵機構において、変速レバー(68)に
より変速する速度が高速の場合には、旋回側の速度も、
旋回方向と逆の側の速度も徐々に低くするが、旋回方向
と逆の側の速度は、一旦増速した後に、徐々に減速すべ
く構成したので、特に高速における旋回操作で、急旋回
をすることがなく、また緩旋回の場合も、急旋回の場合
にも、無理の無い旋回操作を行うこととなるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】クローラ式作業機の中でコンバインに本発明の
HST式ミッション装置を搭載した状態の全体側面図。
【図2】同じく図1のコンバインの平面図。
【図3】本コンバインのHST式ミッション装置(H)
とミッションケース(22)を一体化したミッション装
置(M)のスケルトン図。
【図4】本発明のHST式ミッション装置(H)の油圧
回路図。
【図5】ミッションケース(22)の上部にHST式ミ
ッション装置(H)を搭載して、全体としてミッション
装置(M)とした構成を示す後面図。
【図6】ミッション装置(M)の左側面図。
【図7】ミッション装置(M)の右側面図、
【図8】HST式ミッション装置(H)の平面一部断面
図。
【図9】同じくHST式ミッション装置(H)の正面一
部断面図。
【図10】HST式ミッション装置(H)の側面一部断
面図。
【図11】HST式ミッション装置(H)の旋回用油圧
ポンプ(26)と旋回サーボ機構(T2)の部分を示す
拡大一部断面図。
【図12】走行変速及び操向操作部の説明図。
【図13】操作部の正面説明図。
【図14】操作部の平面説明図。
【図15】操作部の側面説明図。
【図16】操作部材の側面説明図。
【図17】操作部材の正面説明図。
【図18】操作部材の平面説明図。
【図19】操向ハンドル部の平面説明図。
【図20】リンク機構部の平面説明図。
【図21】運転キャビン部の側面説明図。
【図22】変速用サーボロッド(111)と旋回用サー
ボロッド(112)と、走行変速操作アーム(151)
と旋回操作アーム(162)の連結部の後面図。
【図23】変速用サーボロッド(111)と旋回用サー
ボロッド(112)と、走行変速操作アーム(151)
と旋回操作アーム(162)の連結部の正面図。
【図24】HST式ミッション装置(H)の図23の連
結部の拡大図。
【図25】変速レバー(68)の傾動角が0で、丸形操
向ハンドル(19)の回動角も0の状態の連動リンク機
構の俯瞰図。
【図26】変速レバー(68)が前進側に30度傾動さ
れ、丸形操向ハンドル(19)が左旋回側に135度回
動した状態の連動リンク機構の俯瞰図。
【図27】変速レバー(68)が前進側に30度傾動さ
れ、丸形操向ハンドル(19)が右旋回側に135度回
動された状態の連動リンク機構の俯瞰図。
【図28】変速レバー(68)が後進側に25度傾動さ
れ、丸形操向ハンドル(19)が左旋回側に135度回
動された状態の連動リンク機構の俯瞰図。
【図29】変速レバー(68)が後進側に25度傾動さ
れ、丸形操向ハンドル(19)が右旋回側に135度回
動された状態の連動リンク機構の俯瞰図。
【図30】変速レバー(68)の傾動と、丸形操向ハン
ドル(19)の回動の伴う、左旋回時の速度の変化を示
す図面であり、右旋回時には、この図が反転される。
【符号の説明】
M ミッション装置 H HST式ミッション装置 C センタセクション CP チャージポンプ T1 走行サーボ機構 T2 旋回サーボ機構 P1 走行制御ピストン P2 操向制御ピストン S1 走行制御スプール S2 操向制御スプール 18 運転キャビン 19 丸形操向ハンドル 22 ミッションケース 23 走行油圧ポンプ 24 走行油圧モータ 25 走行用のHST式無段変速機構 26 旋回油圧ポンプ 27 旋回油圧モータ 28 旋回用のHST式無段変速機構
【手続補正書】
【提出日】平成9年5月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 走行ミッション装置の操舵機構
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クローラ式作業機
において車速を変速する走行用のHST式無段変速機構
と、操向を行う為の旋回用のHST式無段変速機構を具
備したHST式ミッション装置の操作機構に関する。
【0002】
【従来の技術】従来からクローラ式作業機において、走
行駆動をHST式無段変速機構(例えば実開昭60−8
9454号公報参照)により行う技術は公知とされてい
るのである。しかし、走行用のHST式無段変速機構と
旋回用HST式無段変速機構を具備したHST式ミッシ
ョン装置は無かったのである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、走行用のH
ST式無段変速機構と旋回用のHST式無段変速機構を
具備し、走行用のHST式無段変速機構(25)と旋回
用HST式無段変速機構(28)とを併置し、変速レバ
ー(68)により走行用のHST式無段変速機構(2
5)を操作し、丸形操向ハンドル(19)により旋回用
HST式無段変速機構(28)を操作するミッション装
置(M)を構成したものであって、変速レバー(68)
の操作傾動角の割合が、丸形操向ハンドル(19)をス
トロークエンドまで切った時の、旋回用HST式無段変
速機構(28)の回転数の割合に一致すべく構成するこ
とにより、微速での丸形操向ハンドル(19)の操作フ
ィーリングを向上させたものである。
【0004】このような構成において、変速レバー(6
8)の操作により、変速用サーボロッド(111)を操
作し、該変速用サーボロッド(111)を、走行用HS
T式無段変速機構(25)の走行変速操作アーム(15
1)と連結する構成において、該変速用サーボロッド
(111)と走行変速操作アーム(151)の連結部に
クリアランスを設けて、変速レバー(68)を或る程度
操作しないと、走行変速操作アーム(151)が回動を
開始しないように構成することにより、変速レバー(6
8)をある程度回動しないと、クリアランスを越えない
ので前進をしないように構成し、微速の時の変速レバー
(68)の回動角を大きく構成し、これにより、丸形操
向ハンドル(19)をストロークエンドまで切った時の
旋回操作アーム(162)の回動角を大きく構成したも
のである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明が解決しようとす
る課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するため
の手段を説明する。請求項1においては、走行用のHS
T式無段変速機構(25)と旋回用HST式無段変速機
構(28)とを併置し、変速レバー(68)により走行
用のHST式無段変速機構(25)を操作し、丸形操向
ハンドル(19)により旋回用HST式無段変速機構
(28)を操作する構成としたHST式ミッション装置
の操作機構において、丸形操向ハンドル(19)の回動
操作角度によって左右走行装置の速度比を変更すべく構
成したものである。
【0006】請求項2においては、走行用のHST式無
段変速機構(25)と旋回用HST式無段変速機構(2
8)とを併置し、変速レバー(68)により走行用のH
ST式無段変速機構(25)を操作し、丸形操向ハンド
ル(19)により旋回用HST式無段変速機構(28)
を操作する構成としたHST式ミッション装置の操作機
構において、変速レバー(68)の操作角の相違によ
り、丸形操向ハンドル(19)の回動操作角度が同じで
も、旋回半径が相違すべく構成したものである。
【0007】請求項3においては、請求項1又は2記載
の走行ミッション装置の操舵機構において、左右の走行
装置をクローラ式走行装置としたものである。
【0008】請求項4においては、請求項1又は請求項
2記載の走行ミッション装置の操舵機構において、変速
レバー(68)による変速する速度が低速の場合には、
丸形操向ハンドル(19)による旋回する方向側の走行
装置の速度は徐々に低くし、旋回方向と逆の側の走行速
度は徐々に高くし、変速レバー(68)による変速する
速度が高速の場合には、旋回側の速度も、旋回方向と逆
の側の速度も徐々に低くするが、旋回側の速度の減速率
の方を大きくしたものである。
【0009】請求項5においては、請求項4記載の走行
ミッション装置の操舵機構において、減速側の減速比率
は、丸形操向ハンドル(19)の回動角度が小の場合に
は、緩く、回動角度が大となると減速比率が大とし、増
速比率は、回動角度が小の場合には増速比率を大に、回
動角度が大となると増速比率が小となるように構成した
ものである。
【0010】請求項6においては、請求項4記載の走行
ミッション装置の操舵機構において、変速レバー(6
8)による変速する速度が高速の場合には、旋回側の速
度も、旋回方向と逆の側の速度も徐々に低くするが、旋
回方向と逆の側の速度は、一旦増速した後に、徐々に減
速すべく構成したものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて詳述する。図1はクローラ式作業機の中で、コン
バインに本発明のHST式ミッション装置を搭載した状
態の全体側面図、図2は同じく図1のコンバインの平面
図、図3は本コンバインのHST式ミッション装置
(H)とミッションケース(22)を一体化したミッシ
ョン装置(M)のスケルトン図である。
【0012】図中、トラックフレーム(1)は走行クロ
ーラ(2)を装設している。(3)は前記トラックフレ
ーム(1)に架設する機台、(4)はフイードチェン
(5)を左側に張架し扱胴(6)及び処理胴(7)を内
蔵している脱穀機である脱穀部、(8)は刈刃(9)及
び穀稈搬送機構(10)などを備える刈取部、(11)
は刈取フレーム(12)を介して刈取部(8)を昇降さ
せる油圧シリンダである。
【0013】(13)は排藁チェン(14)の終端を臨
ませる排藁処理部、(15)は脱穀部(4)からの穀粒
を揚穀筒(16)を介して搬入する穀物タンク、(1
7)は前記穀物タンク(15)の穀粒を機外に搬出する
排出オーガ、(18)は丸形操向ハンドル(19)及び
運転席(20)などを備える運転キャビン、(21)は
運転キャビン(18)下方に設けるエンジンであり、連
続的に穀稈を刈取って脱穀するように構成している。
【0014】図3に示す、ミッションケース(22)の
スケルトン構造を説明する。前記走行クローラ(2)を
駆動する運転駆動部であるミッション装置(M)はHS
T式ミッション装置(H)をミッションケース(22)
の上に搭載して構成している。HST式ミッション装置
(H)は、1対の走行油圧ポンプ(23)及び走行油圧
モータ(24)からなる主変速機構である走行用のHS
T式無段変速機構(25)と、1対の旋回油圧ポンプ
(26)及び旋回油圧モータ(27)からなる旋回機構
である旋回用のHST式無段変速機構(28)とを備え
ている。
【0015】前記エンジン(21)の出力軸(21a)
に走行油圧ポンプ(23)の入力軸(23a)をカウン
ターケース(K)、伝達ベルト(29)等を介し連動連
結させると共に、旋回油圧ポンプ(26)の入力軸(2
6a)を伝達ベルト(30)を介し、前記走行油圧ポン
プ(23)の入力軸(23a)に連動連結させている。
伝達ベルト(30)は、後述の実施例図9に示すカップ
リング(143)に代わる動力伝達部材である。
【0016】そして前記走行油圧モータ(24)の出力
軸(31)に、ミッションケース(22)内の副変速機
構(32)及び差動機構(33)を介し、走行クロ−ラ
(2)の駆動輪(34)を連動連結させている。前記、
ミッションケース(22)内の差動機構(33)は左右
対称の1対の遊星ギヤ機構(35)(35)を有し、各
遊星ギヤ機構(35)は1つのサンギヤ(36)と、該
サンギヤ(36)の外周で噛合う3つのプラネタリギヤ
(37)と、これらプラネタリギヤ(37)に噛合うリ
ングギヤ(38)などで形成している。
【0017】前記プラネタリギヤ(37)はサンギヤ軸
(39)と同軸線上のキャリヤ軸(40)のキャリヤ
(41)にそれぞれ回転自在に軸支させ、左右のサンギ
ヤ(36)(36)を挟んで左右のキャリヤ(41)を
対向配置させると共に、前記リングギヤ(38)は各プ
ラネタリギヤ(37)に噛み合う内歯を有してサンギヤ
軸(39)とは同一軸芯状に配置させ、キャリヤ軸(4
0)に回転自在に軸支させている。
【0018】また、HST式ミッション装置(H)内の
走行用のHST式無段変速機構(25)は走行油圧ポン
プ(23)の回転斜板の角度変更調節により走行油圧モ
ータ(24)の正逆回転と回転数の制御を行うもので、
走行油圧モータ(24)の回転出力による出力軸(3
1)の回転を、ミッションケース(22)内の伝達ギヤ
(42)より各ギヤ(43)(44)(45)及び副変
速機構(32)を介して、サンギヤ軸(39)に固定し
たセンタギヤ(46)に伝達してサンギヤ(36)を回
転するように構成している。
【0019】前記副変速機構(32)は、前記ギヤ(4
5)を有する副変速軸(47)と、前記センタギヤ(4
6)に噛合うギヤ(48)を有する車速センサ軸(4
9)とを備え、副変速軸(47)と車速センサ軸(4
9)間に各1対の低速用ギヤ(50)(48)・中速用
ギヤ(51)(52)・高速用ギヤ(53)(54)を
設けて、中央位置のギヤ(51)のスライド操作によっ
てこれら低速・中速・高速の切換えを可能とさせるよう
に構成している。
【0020】また、前記車速センサ軸(49)には車速
検出ギヤ(55)を設けると共に、該ギヤ(55)の回
転数より車速を検出する車速センサ(56)を設けてい
る。なお、作業機などに回転力を伝達するPTO軸(5
7)のPTO入ギヤ(58)に、PTO伝達ギヤ機構
(59)を介し前記出力軸(31)を連動連結させてい
る。そして、前記センタギヤ(46)を介しサンギヤ軸
(39)に伝達された走行油圧モータ(24)からの駆
動力を、左右の遊星ギヤ機構(35)を介しキャリヤ軸
(40)に伝達させると共に、該キャリヤ軸(40)に
伝達された回転を左右各一対の減速ギヤ(60)(6
1)を介し左右の駆動輪(34)の左右輪軸(34a)
にそれぞれ伝えるように構成している。
【0021】さらに、HST式ミッション装置(H)内
の旋回用のHST式無段変速機構(28)は旋回油圧ポ
ンプ(26)の回転斜板の角度変更調節により旋回油圧
モータ(27)の正逆回転と回転数の制御を行うもの
で、旋回油圧モータ(27)の出力軸(62)の出力ギ
ヤから、ミッションケース(22)内のギヤ伝達機構
(63)を介し旋回入力軸(64)の入ギヤ(65
a)(65b)に回転出力を伝達し、左側のリングギヤ
(38)の外歯に対しては直接的に、また右側のリング
ギヤ(38)の外歯に対しては、逆転軸(66)の逆転
ギヤ(67)を介して伝えて、旋回油圧モータ(27)
の正転時に左右のリングギヤ(38)を左右同一回転数
で左リングギヤ(38)を逆転、右リングギヤ(38)
を正転とさせるように構成している。
【0022】そして旋回用の旋回油圧ポンプ(26)の
駆動を停止させ左右リングギヤ(38)を静止固定させ
た状態で、走行用の走行油圧ポンプ(23)の駆動を行
うと、走行油圧モータ(24)からの回転出力はセンタ
ギヤ(46)から左右のサンギヤ(36)に同一回転数
で伝達され、左右遊星ギヤ機構(35)のプラネタリギ
ヤ(37)・キャリヤ(41)及び減速ギヤ(60)
(61)を介し、左右の輪軸(34a)に左右同回転方
向の同一回転数で伝達されて、機体の前後直進走行が行
われる。
【0023】一方、走行用の走行油圧ポンプ(23)の
駆動を停止させ左右のサンギヤ(36)を静止固定させ
た状態で、旋回用の旋回油圧ポンプ(26)を正逆回転
駆動すると、左側の遊星ギヤ機構(35)が逆或いは正
回転、また右側の遊星ギヤ機構(35)が正或いは逆回
転して、左右走行クローラ(2)の駆動方向を前後逆方
向とさせて、機体を左或いは右にその場でスピンターン
させるものである。また走行用の走行油圧ポンプ(2
3)を駆動させながら、旋回用の旋回油圧ポンプ(2
6)を駆動して、機体を左右に旋回させる場合には旋回
半径の大きい旋回を可能にできるもので、その旋回半径
は左右走行クローラ(2)の速度に応じ決定される。
【0024】そして、図3において図示する如く、旋回
油圧モータ(27)の出力軸(62)の他端に中立時制
動装置(135)を設け、該中立時制動装置(135)
は湿式多板ディスク機構(135a)により構成してい
る。また、走行油圧モータ(24)の出力軸(31)の
他端にも、中立時制動装置(134)を配置し、該中立
時制動装置(134)は湿式多板ディスク機構(134
a)により構成されている。
【0025】図4は本発明のHST式ミッション装置
(H)の油圧回路図、図5はミッションケース(22)
の上部にHST式ミッション装置(H)を搭載して、全
体としてミッション装置(M)とした構成を示す後面
図、図6はミッション装置(M)の側面図、図7はミ
ッション装置(M)の側面図、図8はHST式ミッシ
ョン装置(H)の平面一部断面図、図9は同じくHST
式ミッション装置(H)の面一部断面図、図10はH
ST式ミッション装置(H)の左側面一部断面図、図1
1はHST式ミッション装置(H)の旋回油圧ポンプ
(26)と旋回サーボ機構(T2)を示す右側面一部断
面図である。
【0026】図4において、本発明のHST式ミッショ
ン装置の油圧回路を説明する。該HST式ミッション装
置(H)は走行用のHST式無段変速機構(25)と旋
回用のHST式無段変速機構(28)とチャージポンプ
CPと中立時制動装置(135)(134)等により構
成されており、センタセクション(C)の左右の面に付
設されている。チャージポンプ(CP)は、図6に示す
ように走行油圧ポンプ(23)の入力軸(23a)と、
旋回油圧ポンプ(26)を駆動する入力軸(26a)を
カップリング(143)で連結し、該入力軸(26a)
の上にチャージポンプ(CP)が配置駆動されている。
この実施例のカップリング(143)は図3に示す伝達
ベルト(30)に代わる動力伝達部材である。
【0027】そして、該チャージポンプ(CP)から吐
出されたチャージ作動油が、走行用のHST式無段変速
機構(25)の閉回路と、旋回用のHST式無段変速機
構(28)の閉回路に供給されている。該チャージポン
プ(CP)からのチャージ作動油が、旋回用のHST式
無段変速機構(28)の閉回路に供給される部分には、
両側にチェックバルブ及び絞り機構(137)(13
8)が配置されている。また、チャージポンプCPから
走行用のHST式無段変速機構(25)の閉回路への供
給部にも、一方にチェックバルブ及び絞り機構(14
1)が配置されている。
【0028】また、走行用のHST式無段変速機構(2
5)の閉回路のバイパス回路に、油圧調整弁(142)
が配置されており、旋回用のHST式無段変速機構(2
8)の閉回路のバイパス回路にも油圧調整弁(144)
が介装されている。また、走行用のHST式無段変速機
構(25)を構成する走行油圧ポンプ(23)の斜板
(145)を傾動する走行サーボ機構(T1)は走行変
速手動制御弁(V3)により、ピストン(P1)とスプ
ール(S1)を操作して行うのみである。しかし、旋回
用のHST式無段変速機構(28)を構成する旋回油圧
ポンプ(26)の斜板(146)を傾動する旋回サーボ
機構(T2)は、自動旋回制御バルブ(V1)と手動旋
回制御バルブ(V2)の両方によりピストン(P)とス
プール(S)を操作すべく構成している。
【0029】また図4に示す如く、チャージポンプCP
からのチャージ作動油の一部を、走行中立制動電磁弁
(140)と旋回中立制動電磁弁(139)に導入し
て、走行油圧モータ(24)の中立時制動装置(13
4)と、旋回油圧モータ(27)の中立時制動装置(1
35)を制動すべく構成している。走行中立制動電磁弁
(140)と旋回中立制動電磁弁(139)の間は、パ
イピングにより連結して、チャージポンプ(CP)から
の圧油を両者に流用している。
【0030】本発明のHST式ミッション装置(H)
は、図5と図6と図7において図示する如く、副変速機
構(32)や遊星ギヤ機構(35)(35)を構成する
ミッションケース(22)の上部に搭載しており、セン
タセクション(C)を中心に、走行用のHST式無段変
速機構(25)と旋回用のHST式無段変速機構(2
8)を付設して、2ポンプ2モータのHST式ミッショ
ン装置(H)に構成している。
【0031】そして、前記センタセクション(C)にお
いて、走行油圧ポンプ(23)を付設した側の面を、ミ
ッションケース(22)の側面への固着付設面としてい
る。また、センタセクション(C)の他側の面には、旋
回油圧ポンプ(26)と旋回油圧モータ(27)により
構成するHST式無段変速機構(28)と、走行油圧モ
ータ(24)が付設されている。
【0032】そして、走行油圧ポンプ(23)の出力軸
(31)と、旋回油圧モータ(27)の出力軸(62)
は、どちらも、センタセクション(C)を貫通して、走
行油圧ポンプ(23)を取りつけた側の同じ方向に突出
している。該走行油圧ポンプ(23)の出力軸(31)
は、そのままミッションケース(22)の内部に嵌入し
て走行変速装置を駆動している。また旋回油圧モータ
(27)の出力軸(62)も、そのままミッションケー
ス(22)の内部に挿入されて、左右対称の1対の遊星
ギヤ機構(35)(35)を駆動して、クローラ式の走
行装置を丸形操向ハンドル(19)により旋回操向可能
に構成している。
【0033】図8と図9と図10と図11において図示
する如く、センタセクション(C)の右側には、走行用
のHST式無段変速機構(25)の半分を構成する走行
油圧ポンプ(23)が付設されている。そして走行用の
HST式無段変速機構(25)を構成する他の半分であ
る走行油圧モータ(24)は、図に示す平面図の如
く、入力軸(23a)の側方の位置に走行油圧モータ
(24)と出力軸(31)が配置されている。
【0034】該出力軸(31)の出力側は、センタセク
ション(C)の側に突出しており、ミッションケース
(22)の内部に挿入されて、副変速機構(32)と差
動機構(33)を駆動している。該出力軸(31)のセ
ンタセクション(C)とは逆の他端には、中立時制動装
置(134)と湿式多板ディスク機構(134a)と走
行中立制動電磁弁(140)が配置されている。
【0035】またセンタセクション(C)の左側で、走
行油圧ポンプ(23)と向かい合う位置には、旋回用H
ST式無段変速機構(28)を構成する旋回油圧ポンプ
(26)が配置されている。前記走行油圧ポンプ(2
3)の入力軸(23a)と、旋回油圧ポンプ(26)の
入力軸(26a)とは、カップリング(143)でスプ
ライン連結されて、一体的にエンジン(21)の回転を
伝達している。この実施例では、図3に示す伝達ベルト
(30)に代えてカップリング(143)が使用されて
いる。
【0036】該入力軸(23a)にエンジン(21)の
出力軸(21a)からの動力が伝達ベルト(29)を介
して伝達されている。また、カップリング(143)を
介して、駆動される入力軸(26a)の他端には、チャ
ージポンプ(CP)が介装されており、更にチャージポ
ンプ(CP)の部分に、他のPTOプーリーが固着され
る。
【0037】また、旋回油圧ポンプ(26)の上面には
自動旋回制御バルブ(V1)が付設されており、該自動
旋回制御バルブ(V1)とピストン(P2)の内部に配
置された手動旋回制御バルブ(V2)とピストン(P
1)との間で全体的に旋回サーボ機構(T2)が構成さ
れている。また、走行油圧ポンプ(23)の近傍には、
手動走行制御バルブ(V3)とスプール(S3)とピス
トン(P2)により走行サーボ機構(T1)が構成され
ている。また、旋回油圧モータ(27)の出力軸(6
2)の他端には、中立時制動装置(135)と旋回中立
制動電磁弁(139)と湿式多板ディスク機構(135
a)が付設されている。
【0038】次に、該走行サーボ機構(T1)と、旋回
サーボ機構(T2)の構成について説明する。図8と図
9と図10において、走行サーボ機構(T1)が図示さ
れている。該走行サーボ機構(T1)は、電磁開閉弁に
より構成した手動走行変速バルブ(V3)を構成するス
プール(S1)を操作することにより、ピストン(P
1)を上下動して、斜板(145)を回動し、走行用の
HST式無段変速機構(25)を変速するものである。
【0039】該走行用のHST式無段変速装置(25)
を中立位置で保持する必要があり、走行中立保持アーム
(148)が設けられ、該走行中立保持アーム(14
8)の先端に走行中立保持ローラ(148a)が枢支さ
れている。該走行中立保持ローラ(148a)は、走行
変速操作アーム(151)と一体的に、走行中立カム
(149)が回動し、該走行中立カム(149)の中央
の凹部に前記走行中立保持ローラ(148a)が嵌入し
て中立を保持する。
【0040】また、該走行変速操作アーム(151)に
は、衝撃吸収バネ(151a)を介して、共に回動する
走行ストッパー杆(150)が設けられており、該スト
ッパー板(157)と係合して、走行変速操作アーム
(151)のそれ以上の回動を阻止する。
【0041】また、前記走行変速操作アーム(151)
には、衝撃吸収バネ(151a)を介してスプール(S
1)を操作するクランクアーム(159)が設けられて
おり、該クランクアーム(159)が、スプール(S
1)の凹部と係合している。該スプール(S1)がピス
トン(P1)の内部で摺動することにより、手動走行変
速バルブ(V3)を構成している。同様の旋回サーボ機
構(T2)が図11の如く、旋回油圧ポンプ(26)の
斜板(146)を回動すべく構成されている。該旋回油
圧ポンプ(26)の旋回サーボ機構(T2)の構成は、
略走行サーボ機構(T1)と同じ構成が左右対称に構成
されている。
【0042】即ち、旋回操作アーム(162)と共に回
動する旋回中立保持アーム(152)と、該旋回中立保
持アーム(152)に軸受支持された旋回中立保持ロー
ラ(152a)が構成されている。また旋回中立保持ロ
ーラ(152a)が接当する旋回中立カム(153)が
設けられ、旋回ストッパー杆(154)と、該旋回スト
ッパー杆(154)が係合する旋回ストッパー板(15
6)が構成されている。前記旋回操作アーム(162)
に衝撃吸収バネ(162a)が付設されている。
【0043】走行サーボ機構(T1)と旋回サーボ機構
(T2)とは略左右対称型に構成されており、走行中立
保持アーム(148)と旋回中立保持アーム(152)
の間を、走行中立保持ローラ(148a)と旋回中立保
持ローラ(152a)が、走行中立カム(149)と旋
回中立カム(153)の方向に常時付勢される方向の付
勢バネ(160)が介装されている。これらローラ(1
48a)(152a)が中立カム(14)(153)
のカム面上に形成された中立位置に係合するときは、走
行クローラ(2)は中立時に作動停止状態に保持され
る。
【0044】次に図11において、旋回用のHST式無
段変速機構(28)の旋回油圧ポンプ(26)と旋回油
圧モータ(27)と旋回サーボ機構(T2)の配置を説
明する。センタセクション(C)に旋回用のHST式無
段変速機構(28)が付設されているが、該旋回用のH
ST式無段変速機構(28)のケースの内部に旋回サー
ボ機構(T2)が埋め込まれている。該構成は走行用の
HST式無段変速機構(25)の場合同じであり、セ
ンタセクション(C)の他の面に走行用のHST式無段
変速機構(25)のケースがそのまま付設されており、
該走行油圧ポンプ(23)のケースの内部に走行サーボ
機構(T1)が埋め込まれて一体的に構成されているの
である。
【0045】そして、該走行サーボ機構(T1)と旋回
サーボ機構(T2)の方向は、走行油圧ポンプ(23)
と旋回油圧ポンプ(26)に設けた、クレイドル型の斜
板の上下回動方向とピストン(P1)(P2)、スプー
ル(S1)(S2)の摺動方向を同じとしている。該ピ
ストン(P1)(P2)と、クレイドル型の斜板(14
6)とを連結ピン(190)より連結している。
【0046】図8において図示する如く、チャージポン
プ(CP)には、吸引口(196)と吐出口(195)
が開口されており、吸引口(196)に作動油タンクか
らの作動油を吸引して、圧油として吐出口(195)
ら吐出し、作動油フィルタを経た後に、センタセクショ
ン(C)の上部の供給口(194)に供給し、一部は
行用のHST式無段変速機構(25)と旋回用HST式
無段変速機構(28)の閉回路にチェックバルブ及び絞
り機構(137)(138)とチェックバルブ及び絞り
機構(141)を介して供給し、過剰の作動油をリリー
フ噴出弁(199)から、旋回用HST式無段変速機構
(28)の内部に吐出して冷却油として使用している。
【0047】以下、本発明の変速レバー(68)と丸形
操向ハンドル(19)から、走行変速操作アーム(15
1)と旋回操作アーム(162)に到る連動リンク機構
を説明する。図12は走行変速及び操向操作部の側面
明図、図13は操作部の正面説明図、図14は操作部の
平面説明図、図15は操作部の部分拡大側面説明図、図
16は操作部材の側面説明図、図17は操作部材の正面
説明図、図18は操作部材の平面説明図、図19は操向
ハンドル部の平面説明図、図20はリンク機構部の平面
説明図、図21は運転キャビン部の側面説明図、図22
は変速用サーボロッド(111)と旋回用サーボロッド
(112)と、走行変速操作アーム(151)と旋回操
作アーム(162)の連結部の後面図、図23は変速用
サーボロッド(111)と旋回用サーボロッド(11
2)と、走行変速操作アーム(151)と旋回操作アー
ム(162)の連結部の正面図、図24はHST式ミッ
ション装置(H)の図23の連結部の拡大図である。
【0048】図25は変速レバー(68)の傾動角が0
で、丸形操向ハンドル(19)の回動角も0の状態の連
動リンク機構の俯瞰図、図26は変速レバー(68)が
前進側に30度傾動され、丸形操向ハンドル(19)が
左旋回側に135度回動した状態の連動リンク機構の俯
瞰図、図27は変速レバー(68)が前進側に30度傾
動され、丸形操向ハンドル(19)が右旋回側に135
度回動された状態の連動リンク機構の俯瞰図、図28は
変速レバー(68)が後進側に25度傾動され、丸形操
向ハンドル(19)が左旋回側に135度回動された状
態の連動リンク機構の俯瞰図、図29は変速レバー(6
8)が後進側に25度傾動され、丸形操向ハンドル(1
9)が右旋回側に135度回動された状態の連動リンク
機構の俯瞰図、図30は変速レバー(68)の傾動と、
丸形操向ハンドル(19)の回動の伴う、左旋回時の速
度の変化を示す図面であり、右旋回時には、この図が反
転される。
【0049】図12から図29に示す如く、前記走行用
のHST式無段変速機構(25)に連結する運転操作部
である変速レバー(68)と、旋回用のHST式無段変
速機構(28)に連結する丸形操向ハンドル(19)と
を、連動手段である変速及び旋回連動機構(69)に連
動連結させると共に、該連動機構(69)を走行変速及
び操向リンク機構(70)(71)介し、走行及び操
向用のHST式変速機構(25)(28)の走行変速操
作アーム(151)と旋回操作アーム(162)に連動
連結させている。
【0050】前記連動機構(69)は、次の如く構成さ
れている。変速レバー(68)の基端折曲部(68a)
を筒軸(74)に左右揺動自在に枢支している。該筒軸
(74)は前後に回動自在とする回動板(75)に固設
されている。該回動板(75)は、機体側の本機フレー
ム(76)と一体化した固定取付板(78)に軸受支持
した第1枢軸(77)により枢支されている。また変速
レバー(68)の回動により筒軸(74)が回動し、該
筒軸(74)と一体的に構成した回動板(75)が回動
する。
【0051】該回動板(75)には前記第1枢軸(7
7)とは直交する前後方向の第2枢軸(79)が付設さ
れている。該回動板(75)が、変速レバー(68)の
回動操作により第1枢軸(77)を中心に回動すると、
該第2枢軸(79)も前後に回動する。該第2枢軸(7
9)に変速操作部材(80)と、操向操作部材(81)
とを、別々に回動自在に枢支している。第2枢軸(7
9)に回動自在に設ける変速操作部材(80)と、前記
第2枢軸(79)の軸回りに回動自在に連結させる操向
操作部材(81)とは、偏心位置の各操作出力部(80
a)(81a)を走行変速及び向リンク機構(70)
(71)に連動連結させている。
【0052】前記、HST式ミッション装置(H)の走
行変速操作アーム(151)と旋回操作アーム(16
2)に連結する、走行変速及び操向リンク機構(70)
(71)は、変速及び旋回連動機構(69)の後方位置
で、本機フレーム(76)側に支持した揺動軸(82)
の位置で前記変速及び旋回連動機構(69)と連動され
ている。更に、該揺動軸(82)の位置から、変速及び
操向用自在継手形第1ロッド(97)(98)を介し
て、運転キャビン(18)の回動支点軸(92)の位置
の、第1揺動アーム(95)(96)に連結されてい
る。
【0053】該第1揺動アーム(95)(96)に対し
て、走行変速及び操向リンク機構(70)(71)を構
成する、変速及び操向用自在手形第2ロッド(10
7)(108)と第2揺動アーム(109)(110)
が連結されている。揺動軸(82)の、外側に揺動筒軸
(83)を遊嵌し、該揺動筒軸(83)に変速アーム
(84)を固定している。
【0054】また前記揺動軸(82)に操向アーム(8
5)の基端を固設している。前記第2枢軸(79)に枢
支した変速操作部材(80)の出力部(80a)と、同
じく第2枢軸(79)に枢支した操向操作部材(81)
の出力部(81a)に、各操作出力軸(86)(87)
が図17の如く設けられ、該操作出力軸(86)(8
7)と各アーム(84)(85)間を自在手軸(8
8)(89)により連結している。
【0055】前記揺動軸(82)と揺動筒軸(83)
の、右端に固設する変速及び操向出力アーム(90)
(91)と、前記運転キャビン(18)の回動支点軸
(92)の支点軸受(93)に取付ける中間軸(94)
に回転自在に設ける変速及び操向用第1揺動アーム(9
5)(96)とが、変速及び操向用自在継手形第1ロッ
ド(97)(98)により連結されている。前記出力ア
ーム(90)(91)と第1揺動アーム(95)(9
6)の各先端間をそれぞれ連結する変速及び操向用自在
継手形第1ロッド(97)(98)と、前記中間軸(9
4)に設けて第1揺動アーム(95)(96)に一体連
結する変速及び操向用第2揺動アーム(99)(10
0)とが設けられている。
【0056】前記ミッションケース(22)上部の軸受
板(101)に取付ける支軸(102)に、回動自在に
支持させる変速及び向用筒軸(103)(104)が
設けられ、該筒軸(103)(104)に基端を固設す
る第1揺動アーム(105)(106)と前記第2揺動
アーム(99)(100)の各先端間を連結する変速及
び操向用自在手形第2ロッド(107)(108)
設けられている。前記筒軸(103)(104)に基端
を固設する第2揺動アーム(109)(110)と前記
コントロールレバ−(72)(73)の各先端間を連結
させる変速用サーボロッド(111)と旋回用サーボロ
ッド(112)とを具備している。
【0057】前記第1枢軸(77)を中心とした変速
作部材(80)の回動によって走行変速操作アーム(1
51)を、また走行中の第2枢軸(79)を中心とした
操向操作部材(81)の回動によって操向用の旋回操作
アーム(162)を操作して変速及び操向制御を行うよ
うに構成している。一方前記丸形操向ハンドル(19)
の下端のハンドル操作軸(113)にギヤ(114)を
設けて、この後方の回転軸(115)に取付けるセクタ
ギヤ(116)に前記ギヤ(114)を噛合せている。
前記変速レバー(68)の位置下方に配設する操向軸
(117)の第1揺動アーム(118)が設けられてい
る。
【0058】前記第一揺動アーム(118)と、前記回
転軸(115)に基端を固設する出力アーム(119)
との各先端間を、操向リンク機構である自在継手形操向
第1ロッド(120)を介して連結している。操向軸
(117)の第1揺動アーム(118)と一体の第2揺
動アーム(121)を、前記自在継手軸(89)の前端
に自在継手形操向第2ロッド(122)を介して連結さ
せている。前記丸形操向ハンドル(19)の回動操作に
よって前記第2枢軸(79)を中心として操向操作部材
(81)を回動するように構成している。
【0059】また、前記ハンドル操作軸(113)のギ
ヤ(114)下方に中立位置決め板(123)を設けて
いて、該位置決め板(123)下面の突出軸(124)
に操向検出リンク(125)の一端を連結させている。
前記回転軸(115)の右側に配設する減速アーム軸
(126)の、第1揺動アーム(127)と前記操向
ンク(125)の他端長孔(125a)とを、軸(12
8)を介し連結させている。前記操向軸(117)の減
速アーム(129)と減速アーム軸(126)の第2揺
動アーム(130)との各先端間を、減速リンク機構で
ある自在継手形第1減速ロッド(131)で連結させて
いる。
【0060】前記変速操作部材(80)の最右端の減速
伝達軸(132)と、自在継手形第1減速ロッド(13
1)の他端間を、自在手形第2減速ロッド(133)
で連結させて、走行状態で前記丸形操向ハンドル(1
9)の操向量を大とする程、第2減速ロッド(133)
を下方に引張って走行速度を減速させるように構成して
いる。ところで、図20に示す如く、前記変速及び操向
操作部材(80)(81)を、軸回りに回動可能とさせ
る第2枢軸(79)と、操向アーム(85)と継手軸
(89)との自在継手部(89a)とを、前後方向の水
平ライン(Ll)上に位置させている。
【0061】また、前記操作出力軸(86)(87)と
自在継手軸(88)(89)との自在継手部(88b)
(89b)と、第1枢軸(77)とを前記ライン(L
l)に直交させる左右水平ライン(L2)上に位置させ
ている。さらに前記変速アーム(84)と自在継手軸
(88)との自在継手部(88a)と前記自在継手部
(89a)とを、前記ライン(L2)と平行な左右水平
ライン(L3)上に位置させて、変速レバー(68)及
丸形操向ハンドル(19)の中立保持時に、これら何
れか一方が操作されても、各操作部材(80)と(8
1)を、第1及び第2枢軸(77)(79)の軸回りに
回動させるのみとして、自在継手軸(88)(89)に
は操作力を作用させないものである。
【0062】そして図16にも示す如く、変速レバー
(68)の前後進操作で、第1枢軸(77)を中心とし
変速操作部材(80)を前後に角度(α1)(α2)
傾けるとき、前記自在継手軸(88)を引張って或いは
押して、変速アーム(84)を動作させて走行速度の前
後進の切換えを行う。
【0063】また、図17に示す如くこの状態中
ち、変速レバー(68)が中立以外のときに、丸形操向
ハンドル(19)の回動操作で、第2枢軸(79)を中
心として操向操作部材(81)を上下に角度(β1)
(β2)傾けるとき、自在継手軸(89)を引張って或
いは押して操向アーム(85)を回動させ、機体の左及
び右旋回を行うものである。即ち、主変速の中立時に旋
回操作を行っても、自在継手軸(89)はライン(L
l)を中心とした円錐面上にも移動する状態となって
継手部(89a)(89b)間の距離は変化しない。
よって、HST式無段変速機構(28)の旋回油圧モー
タ(27)は回転しないこととなるのである。
【0064】また図19にも示す如く、前記丸形操向ハ
ンドル(19)に設ける検出リンク(125)は、中立
位置より右或いは左旋回操作の何れにおいても、第1揺
動アーム(127)を同一方向に角度(θ)の範囲で回
動させて、第2減速ロッド(133)を常に引張る状態
とさせて、前進操作時の変速操作部材(80)が、図1
6の角度(α1)側に傾いているときには、自在継手部
(88a)(88b)問の距離を縮め、また後進操作時
変速操作部材(80)が、角度(α2)側に傾いてい
るときには、自在継手部(88a)(88b)問の距離
を大きくして、HST式無段変速機構(25)の変速に
関与する、図12の変速アーム(84)をそれぞれ中立
方向の低速側に変位させて、その旋回量に応じた減速を
行うものである。
【0065】さらに図21にも示す如く、変速及び
の操作力を伝達する前記第1ロッド(97)(98)と
第1揺動アーム(95)(96)の自在手部(97
a)(98a)の中心を、変速及び操向の中立保持にお
いては、運転キャビン(18)の回動支点である回動支
点軸(92)位置に一致させて、変速及び操向の中立
保持においてはこれらの操作系を取外すことなく運転キ
ャビン(18)の前方向への回動を可能とさせるように
構成している。
【0066】つまり機台(3)上の前支点受台(13
4)に固設する支点軸受(93)に、前記中間軸(9
4)を一体的に支持させていて、変速及び操向の中立状
態時には第1ロッド(97)(98)と第1揺動アーム
(95)(96)の自在手部(97)(98)中心
を、回動支点軸(92)の軸芯線上に一致させて、回動
支点軸(92)を中心とした運転キャビン(18)の前
方への回動時にも、中間軸(94)を中心として第1ロ
ッド(97)(98)を一体に回動させて、第1揺動ア
ーム(95)(96)との関係を損なうことのない運転
キャビン(18)の開放を可能とさせる。
【0067】したがって運転キャビン(18)内の操作
部とミッションケース(22)の各変速機構(25)
(28)とロッド(97)(98)(107)(10
8)など用いたリンク機構(70)(71)で連結され
ながら、これらをその都度取外す必要のない運転キャビ
ン(18)の開放を可能とさせることできると共に、
リンク機構(70)(71)を介し伝わる運転キャビン
(18)の振動も最小限に抑制できるものである。
【0068】以上実施例から明らかなように、運転操作
部(19)(68)を内装する運転キャビン(18)を
回動支点軸(92)を中心として回動可能に設けるコン
バインの操作装置において、キャビン外側の運転駆動部
(22)と前記操作部(19)(68)とを連動連結す
る操作ロッド(97)(98)・(107)(108)
を、前記回動支点(92)を介して連結形成するもの
である、運転操作部(19)(68)と駆動部(2
2)とを操作ロッド(97)(98)・(107)(1
08)で確実に連結する構造でありなら、操作ロッド
(97)(98)・(107)(108)をその都度取
外すことのない容易な運転キャビン(18)の開放を可
能とさせることできると共に、運転キャビン(18)
の振動ミッションなど駆動部(22)に伝わるのを最
小限に抑制することできるものである。
【0069】また、変速操作を行う変速レバー(68)
と、車速を制御する油圧変速機構(25)とを連動連結
する変速操作ロッド(97)(107)の連結点を、回
動支点(92)に設けたものであるから、運転キャビ
ン(18)の回動開放時には変速レバー(68)の操作
ロッド(97)(107)をその都度取外す必要のな
い、運転キャビン(18)の良好な開放作業を可能とさ
せることできるものである。
【0070】さらに、旋回操作を行う丸形操向ハンドル
(19)と、機体を旋回する油圧操向機構(28)とを
連動連結する旋回操作ロッド(98)(108)の連結
点を、回動支点(92)に設けたものであるから、運
転キャビン(18)の回動開放時には丸形操向ハンドル
(19)の操作ロッド(98)(108)をその都度取
外す必要のない、運転キャビン(18)の良好な開放作
業を可能とさせるものである。
【0071】以上のような構成において、図22と図2
3と図24に示す如く構成している。即ち、変速レバー
(68)の操作に連動して、上下操作される変速用サー
ボロッド(111)と、走行油圧ポンプ(23)の斜板
(145)を操作する走行変速操作アーム(151)と
の間に、クリアランスとしての長孔(200)を設けて
いる。
【0072】該長孔(200)と、走行変速操作アーム
(151)連結ピン(151b)とを連結して、変速
レバー(68)から走行変速操作アーム(151)まで
の長いリンク機構において発生するガタをこの部分で吸
収させているのである。このように、長孔(200)の
ようなクリアランスを設けても、走行油圧ポンプ(2
3)の斜板(145)は中立位置を保持すべく、走行中
立保持アーム(148)と走行中立保持ローラ(148
a)を配置して、強力に中立側に付勢保持すべく構成し
ている。
【0073】しかし、HST式無段変速機構(25)の
変速操作は、やや鈍い動きでも良いが、HST式無段変
速機構(28)の操向旋回操作は、十分に鋭敏な感度を
具備させる為に、旋回用サーボロッド(112)と旋回
操作アーム(162)との間は、丸孔と連結ピン(16
2b)により連結している。これの関連として、丸形操
向ハンドル(19)の操作系統には、丸形操向ハンドル
(19)の下方の中立位置決め板(123)と、該中立
位置決め板(123)に連結された操向検出リンク(1
25)の他端長孔(125a)等の部分に、必要なクリ
アランスが設けられている。
【0074】以上のような構成としたことにより、本発
明は、図25から図29に図示する如く、変速レバー
(68)の操作により、前進・後進と走行クローラ
(2)の速度が変速されることは当然であるが、丸形操
向ハンドル(19)の回転によって、左右の走行クロー
ラ(2)が別々に変速されるのである。図25の場合に
は、変速レバー(68)は中立位置(N)であり、丸形
操向ハンドル(19)は直進方向に向いている。
【0075】この状態では、主変速の中立時であり、丸
形操向ハンドル(19)を回動する旋回操作を行って
も、継手軸(89)は前後方向の水平ライン(Ll)を
中心とした円錐面上に移動する状態となって継手部(8
9a)(89b)間の距離は変化しない。よって、HS
T式無段変速機構(28)の旋回油圧モータ(27)は
回転しないこととなるのである。これにより、変速レバ
ー(68)が中立で停止している状態で、丸形操向ハン
ドル(19)を誤操作しても、走行クローラ(2)がH
ST式無段変速機構(28)により回転を開始して、芯
地旋回をするという不具合を解消できるのである。
【0076】図26は、図25の状態から、変速レバー
(68)を前進側に最大角度である30度回動し(F位
置)、かつ丸形操向ハンドル(19)を、左旋回に最大
角度である135度回動した状態を示している。この場
合には、丸形操向ハンドル(19)を大きく回動操作し
て、急旋回をしようとする状態であるので、走行速度が
早すぎると機体が横転したり、オペレーターが振り落と
される等の不具合が発生するので、変速レバー(68)
により操作した変速速度を、丸形操向ハンドル(19)
の回動量により徐々に減速し、135度の最大回動量の
位置で、最低の速度とするのである。
【0077】図27においては、変速レバー(68)は
前進高速(F位置)に回動しており、丸形操向ハンドル
(19)を右に一杯に135度回動して、右方向への最
大急旋回の状態を示している。この場合には、丸形操向
ハンドル(19)の回動を、セクタギヤ(116)によ
り検出し、自在継手形操向第1ロッド(120)と自在
継手形操向第2ロッド(122)により、自在手軸
(89)と操向アーム(85)を操作し、旋回用HST
式無段変速機構(28)が最大増速されている。図26
と図27とでは、操向操作部材(81)の回動方向が上
下に逆となっているが、最大位置に操向操作部材(8
1)が回動操作された点は同じである。
【0078】図28と図29は、変速レバー(68)が
後進高速側に最大角度25度回動されており(F位
置)、この状態で、丸形操向ハンドル(19)が最大1
35度回動された状態が図示されている。この場合に
も、同じく、操向操作部材(81)の回動方向が上下に
逆方向に最大限度まで回動されている。図26・27・
28・29のどの場合にも、変速レバー(68)の回動
により、自在手軸(88)を介して、走行用HST式
無段変速機構(25)が前進側と後進側の最大速度まで
操作されている。
【0079】この自在手軸(88)が操作された状態
で、更に丸形操向ハンドル(19)の回動角が、操向検
出リンク(125)と第1揺動アーム(127)と第2
揺動アーム(130)と自在手形第1減速ロッド(1
31)と第2減速ロッド(133)を介して、自在継手
軸(88)が操作される。これにより、該変速レバー
(68)により変速した位置から、丸形操向ハンドル
(19)の回動角に応じて、減速や一部増速の操作が行
われるのである。
【0080】この操作は、丸形操向ハンドル(19)の
下部に配置された、ハンドル操作軸(113)のギヤ
(114)と、セクタギヤ(116)が係合しており、
該セクタギヤ(116)の回動量が、自在継手形操向第
1ロッド(120)と、自在継手形操向第2ロッド(1
22)を介して、操向操作部材(81)に伝達され、該
操向操作部材(81)が第2枢軸(79)を中心に回動
することにより、自在手軸(89)を引っ張り短くな
って、向アーム(85)を操作することにより、旋回
用HST式無段変速機構(28)の回転速度が上昇す
る。これにより、左右の走行クローラ(2)の速度比率
が大となるのである。
【0081】該丸形操向ハンドル(19)の操作が右旋
回の場合には、セクタギヤ(116)の回転方向が逆で
あるが、自在継手形操向第1ロッド(120)と自在継
手形操向第2ロッド(122)が押し操作となり、操向
操作部材(81)が上方へ押し回動されて、自在手軸
(89)の長さが短くなって、同じく旋回用HST式無
段変速機構(28)の回転数が増加し、左右の走行クロ
ーラ(2)の回転変速比率が大きくなる。
【0082】更に、丸形操向ハンドル(19)の回転量
を検出して、走行用HST式無段変速機構(25)の速
度を減速する機構が、設けられている。この機構は、図
14は図19において図示されている。即ち、丸形操向
ハンドル(19)のハンドル操作軸(113)に固設し
た中立位置決め板(123)に、突出軸(124)を介
して、操向検出リンク(125)が枢支されている。該
操向検出リンク(125)は、図14の如く、丸形操向
ハンドル(19)が直進方向を向いている場合に、中立
位置決め板(123)の右側の真横の位置に、突出軸
(124)が位置する状態で枢支されている。
【0083】故に、該位置から、右旋回する場合にも、
左旋回する場合にも、丸形操向ハンドル(19)を回転
すると、先ず、突出軸(124)が円周方向に、接線方
向に前後する動きとなり、丸形操向ハンドル(19)の
回動の初期は、丸形操向ハンドル(19)の回動角度に
比較して、操向検出リンク(125)の移動幅が大きく
なく、徐々に旋回用HST式無段変速機構(28)の回
転が開始されることとなるのである。
【0084】この丸形操向ハンドル(19)の回転初期
の操向検出リンク(125)の移動幅は、丸形操向ハン
ドル(19)が或る程度大きく回動されると、ギヤ(1
14)の前後の位置に突出軸(124)が位置すること
となり、回動角度に比例して、操向検出リンク(12
5)の移動を幅が大きくなるのである。丸形操向ハンド
ル(19)が最大の135度回動した状態が図19であ
り、この位置では、操向検出リンク(125)は大きく
左側に移動するのである。
【0085】故に、丸形操向ハンドル(19)の回動角
度が大きくなると、操向検出リンク(125)から第1
揺動アーム(127)と第2揺動アーム(130)と自
在継手形第1減速ロッド(131)を介して、第2減速
ロッド(133)が押し引きされ、図20の変速操作部
材(80)を回動して、自在手軸(88)を押し引き
することにより、旋回用HST式無段変速機構(28)
を無段変速させるのである。
【0086】このように、丸形操向ハンドル(19)の
操作により、旋回用HST式無段変速機構(28)が変
速されるが、最初は回転数の上昇比率が低く、丸形操向
ハンドル(19)の回動角度が大きくなると、旋回用H
ST式無段変速機構(28)の回転数の上昇比率が大き
くなるのである。図30のグラフにおいては、この丸形
操向ハンドル(19)の操作による、左右速度差の変化
と、丸形操向ハンドル(19)の操作による走行速度の
減少が図示されている。
【0087】即ち、図30の機体中心速度線cが、丸形
操向ハンドル(19)の回動角度が大きくなることによ
り、操向検出リンク(125)が操作されて、走行用H
ST式無段変速機構(25)の速度が、減速される経過
を図示している。また、図30においては、左クローラ
速度変速線aと右クローラ速度変速線bの間の角度が開
放状態にあり、丸形操向ハンドル(19)の回動角が
きくなる程、左右のクローラ速度の差が大きくなってい
く過程が、丸形操向ハンドル(19)にりセクタギヤ
(116)が回転し、自在手軸(89)から旋回用H
ST式無段変速機構(28)を徐々に増速していく過程
を図示している。
【0088】図30において、左クローラ速度変速線a
と右クローラ速度変速線bの角度が途中で折れ曲がって
いるが、丸形操向ハンドル(19)の回動角度の小の位
置と、大の位置では、左クローラ速度変速線aと右クロ
ーラ速度変速線bの直線の成す角度は変化していない。
機体中心速度線cが途中で、中立位置決め板(123)
と突出軸(124)と操向検出リンク(125)の位置
の関係で、曲折点d折れ曲がって、丸形操向ハンドル
(19)の回転角度に対する減速比率が変化するので、
これにつれて、左クローラ速度変速線aと右クローラ速
度変速線bの開き角度が途中で折れているだけである。
【0089】本発明は、このように走行用のHST式無
段変速機構(25)と旋回用HST式無段変速機構(2
8)とを併置し、変速レバー(68)により走行用のH
ST式無段変速機構(25)を操作し、丸形操向ハンド
ル(19)により旋回用HST式無段変速機構(28)
を操作する構成としたHST式ミッション装置の操作機
構において、丸形操向ハンドル(19)の回動操作角度
によって左右走行装置の速度比を変更すべく構成してい
る。この状態は、左クローラ速度変速線aと右クローラ
速度変速線bの成す角度が徐々に開いていることによ
り、作用的には開示されている。
【0090】また、走行用のHST式無段変速機構(2
5)と旋回用HST式無段変速機構(28)とを併置
し、変速レバー(68)により走行用のHST式無段変
速機構(25)を操作し、丸形操向ハンドル(19)に
より旋回用HST式無段変速機構(28)を操作する構
成としたHST式ミッション装置の操作機構において、
変速レバー(68)の操作角により速度が低速・標準・
高速と変化することにより、左クローラ速度変速線aと
右クローラ速度変速線bの成す角度が、角度α・角度β
・角度γと相違していくことにより、丸形操向ハンドル
(19)の回動操作角度が同じでも、旋回半径が相違す
べく構成している。
【0091】この状態は、左クローラ速度変速線aと、
右クローラ速度変速線bの成す角度、角度α・角度β・
角度γが、低速の場合から標準速度の場合、高速の場合
へと、徐々に狭くなっていることにより開示されてい
る。即ち、高速の場合には、丸形操向ハンドル(19)
の回動幅は同じでも、旋回の為の速度差を小さくして旋
回し、低速の場合には、同じ丸形操向ハンドル(19)
の回動角度に対して、左右の速度差を大きくして急旋回
をすべく構成しているのである。
【0092】また、変速レバー(68)による変速する
速度が低速の場合には、丸形操向ハンドル(19)によ
る旋回する方向側の走行装置の速度は徐々に低くし、旋
回方向と逆の側の走行速度は徐々に高くし、変速レバー
(68)による変速する速度が高速の場合には、旋回側
の速度も、旋回方向と逆の側の速度も徐々に低くする
が、旋回側の速度の減速率の方を大きくしている。
【0093】この作用は、図30において、左クローラ
速度変速線aと右クローラ速度変速線bのそれぞれの直
線の傾斜角によりそのまま開示されている。低速も高速
の場合にも、丸形操向ハンドル(19)の回動角が大き
くなると、旋回側の速度は、徐々に小さくなって0にな
り、更に回動すると、逆回転を開始するのである。低速
の場合の方が速度差が大きくとれるが、高速の場合には
それ程、極端に速度差を大きくとることが出来ないので
ある。
【0094】また、減速側の減速比率は、丸形操向ハン
ドル(19)の回動角度が小の場合には、緩く、回動角
度が大となると減速比率が大とし、増速比率は、回動角
度が小の場合には増速比率を大に、回動角度が大となる
と増速比率が小となるように構成している。この状態
は、図30においては、機体中心速度線cが、途中の丸
形操向ハンドル(19)の回動角度の小の位置で折れ曲
がっていることを指摘している。これにより、丸形操向
ハンドル(19)の操作量が小さい場合には、走行用H
ST式無段変速機構(25)の速度を減速する操作を余
り極端に行わないように構成しているのである。
【0095】また、変速レバー(68)による変速する
速度が高速の場合には、旋回側の速度も、旋回方向と逆
の側の速度も徐々に低くするが、旋回方向と逆の側の速
度は、一旦増速した後に、徐々に減速すべく構成してい
る。この状態は、左クローラ速度変速線aと右クローラ
速度変速線bが、曲折点dの手前(左側)において、低
速でも高速でも、先ず丸形操向ハンドル(19)の回動
角が小さい場合には、旋回方向とは逆の側が増速し、丸
形操向ハンドル(19)の回動と共に、減速状態となっ
ていくことを指摘している。
【0096】
【発明の効果】本発明は以上の如く構成したので、次の
ような効果を奏するのである。請求項1の如く、走行用
のHST式無段変速機構(25)と旋回用HST式無段
変速機構(28)とを併置し、変速レバー(68)によ
り走行用のHST式無段変速機構(25)を操作し、丸
形操向ハンドル(19)により旋回用HST式無段変速
機構(28)を操作する構成としたHST式ミッション
装置の操作機構において、丸形操向ハンドル(19)の
回動操作角度によって左右走行装置の速度比を変更すべ
く構成したので、丸形操向ハンドル(19)の旋回の為
の回動角が大きくなると、左右の走行クローラ(2)の
速度差が徐々に大きくなり、丸形操向ハンドル(19)
の操作角度に応じて旋回半径を小にすることができ、オ
ペレーターのフィーリングに合致した旋回角度を得るこ
とが出来るのである。
【0097】請求項2の如く、走行用のHST式無段変
速機構(25)と旋回用HST式無段変速機構(28)
とを併置し、変速レバー(68)により走行用のHST
式無段変速機構(25)を操作し、丸形操向ハンドル
(19)により旋回用HST式無段変速機構(28)を
操作する構成としたHST式ミッション装置の操作機構
において、変速レバー(68)の操作角の相違により、
丸形操向ハンドル(19)の回動操作角度が同じでも、
旋回半径が相違すべく構成したので、丸形操向ハンドル
(19)の同じ回動角度に対して、低速の場合に急旋回
と、高速では緩旋回とすることができ、低速走行時と高
速走行時とで、丸形操向ハンドル(19)の操作角度に
対し同じような旋回半径となるように設定しておくと、
高速走行時の旋回において、機体が横転してしまう危険
を回避することが出来るのである。
【0098】請求項3の如く、請求項1又は2記載の走
行ミッション装置の操舵機構において、左右の走行装置
をクローラ式走行装置としたので、クローラ式走行装置
でありながら、芯地旋回や急旋回が容易にできる走行ミ
ッション装置の操舵機構とすることが出来たのである。
【0099】請求項4の如く、請求項1又は請求項2記
載の走行ミッション装置の操舵機構において、変速レバ
ー(68)による変速する速度が低速の場合には、丸形
操向ハンドル(19)による旋回する方向側の走行装置
の速度は徐々に低くし、旋回方向と逆の側の走行速度は
徐々に高くし、変速レバー(68)による変速する速度
が高速の場合には、旋回側の速度も、旋回方向と逆の側
の速度も徐々に低くするが、旋回側の速度の減速率の方
を大きくしたので、非旋回側の速度を増速することな
く、旋回側の速度を減速することを主体として旋回する
ので、無理無く旋回することができ、オペレーターにと
って最適なフィーリングで旋回することが出来るのであ
る。
【0100】請求項5の如く、請求項4記載の走行ミッ
ション装置の操舵機構において、減速側の減速比率は、
丸形操向ハンドル(19)の回動角度が小の場合には、
緩く、回動角度が大となると減速比率が大とし、増速比
率は、回動角度が小の場合には増速比率を大に、回動角
度が大となると増速比率が小となるように構成したの
で、丸形操向ハンドル(19)の回動角度に対して、旋
回操作が無理無く行われ、丸形操向ハンドル(19)の
回動角度が小の場合で、緩旋回の場合にも、大きな違和
感の無い旋回操作とすることが出来たのである。
【0101】請求項6の如く、請求項4記載の走行ミッ
ション装置の操舵機構において、変速レバー(68)に
より変速する速度が高速の場合には、旋回側の速度も、
旋回方向と逆の側の速度も徐々に低くするが、旋回方向
と逆の側の速度は、一旦増速した後に、徐々に減速すべ
く構成したので、特に高速における旋回操作で、急旋回
をすることがなく、また緩旋回の場合も、急旋回の場合
にも、無理の無い旋回操作を行うこととなるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】クローラ式作業機の中で、コンバインに本発明
のHST式ミッション装置を搭載した状態の全体側面
図。
【図2】同じく図1のコンバインの平面図。
【図3】本コンバインのHST式ミッション装置(H)
とミッションケース(22)を一体化したミッション装
置(M)のスケルトン図。
【図4】本発明のHST式ミッション装置(H)の油圧
回路図。
【図5】ミッションケース(22)の上部にHST式ミ
ッション装置(H)を搭載して、全体としてミッション
装置(M)とした構成を示す後面図。
【図6】ミッション装置(M)の側面図。
【図7】ミッション装置(M)の側面図。
【図8】HST式ミッション装置(H)の平面一部断面
図。
【図9】同じくHST式ミッション装置(H)の正面一
部断面図。
【図10】HST式ミッション装置(H)の側面一部
断面図。
【図11】HST式ミッション装置(H)の旋回油圧ポ
ンプ(26)と旋回サーボ機構(T2)を示す右側面
部断面図。
【図12】走行変速及び操向操作部の側面説明図。
【図13】操作部の正面説明図。
【図14】操作部の平面説明図。
【図15】操作部の部分拡大側面説明図。
【図16】操作部材の側面説明図。
【図17】操作部材の正面説明図。
【図18】操作部材の平面説明図。
【図19】操向ハンドル部の平面説明図。
【図20】リンク機構部の平面説明図。
【図21】運転キャビン部の側面説明図。
【図22】変速用サーボロッド(111)と旋回用サー
ボロッド(112)と、走行変速操作アーム(151)
と旋回操作アーム(162)の連結部の後面図。
【図23】変速用サーボロッド(111)と旋回用サー
ボロッド(112)と、走行変速操作アーム(151)
と旋回操作アーム(162)の連結部の正面図。
【図24】HST式ミッション装置(H)の図23の連
結部の拡大図。
【図25】変速レバー(68)の傾動角が0で、丸形操
向ハンドル(19)の回動角も0の状態の連動リンク機
構の俯瞰図。
【図26】変速レバー(68)が前進側に30度傾動さ
れ、丸形操向ハンドル(19)が左旋回側に135度回
動した状態の連動リンク機構の俯瞰図。
【図27】変速レバー(68)が前進側に30度傾動さ
れ、丸形操向ハンドル(19)が右旋回側に135度回
動された状態の連動リンク機構の俯瞰図。
【図28】変速レバー(68)が後進側に25度傾動さ
れ、丸形操向ハンドル(19)が左旋回側に135度回
動された状態の連動リンク機構の俯瞰図。
【図29】変速レバー(68)が後進側に25度傾動さ
れ、丸形操向ハンドル(19)が右旋回側に135度回
動された状態の連動リンク機構の俯瞰図。
【図30】変速レバー(68)の傾動と、丸形操向ハン
ドル(19)の回動の伴う、左旋回時の速度の変化を示
す図。
【符号の説明】 M ミッション装置 H HST式ミッション装置 C センタセクション CP チャージポンプ T1 走行サーボ機構 T2 旋回サーボ機構 P1 走行制御ピストン P2 操向制御ピストンS1 スプール S2 スプール 18 運転キャビン 19 丸形操向ハンドル 22 ミッションケース 23 走行油圧ポンプ 24 走行油圧モータ 25 走行用のHST式無段変速機構 26 旋回油圧ポンプ 27 旋回油圧モータ 28 旋回用のHST式無段変速機構 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年5月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図12
【補正方法】変更
【補正内容】
【図12】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図13
【補正方法】変更
【補正内容】
【図13】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図14
【補正方法】変更
【補正内容】
【図14】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図15
【補正方法】変更
【補正内容】
【図15】
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図17
【補正方法】変更
【補正内容】
【図17】
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図23
【補正方法】変更
【補正内容】
【図23】
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図24
【補正方法】変更
【補正内容】
【図24】
【手続補正8】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図28
【補正方法】変更
【補正内容】
【図28】

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行用のHST式無段変速機構(25)
    と旋回用HST式無段変速機構(28)とを併置し、変
    速レバー(68)により走行用のHST式無段変速機構
    (25)を操作し、丸形操向ハンドル(19)により旋
    回用HST式無段変速機構(28)を操作する構成とし
    たHST式ミッション装置の操作機構において、丸形操
    向ハンドル(19)の回動操作角度によって左右走行装
    置の速度比を変更すべく構成したことを特徴とする走行
    ミッション装置の操舵機構。
  2. 【請求項2】 走行用のHST式無段変速機構(25)
    と旋回用HST式無段変速機構(28)とを併置し、変
    速レバー(68)により走行用のHST式無段変速機構
    (25)を操作し、丸形操向ハンドル(19)により旋
    回用HST式無段変速機構(28)を操作する構成とし
    たHST式ミッション装置の操作機構において、変速レ
    バー(68)の操作角の相違により、丸形操向ハンドル
    (19)の回動操作角度が同じでも、旋回半径が相違す
    べく構成したことを特徴とする走行ミッション装置の操
    舵機構。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の走行ミッション装
    置の操舵機構において、左右の走行装置をクローラ式走
    行装置としたことを特徴とする走行ミッション装置の操
    舵機構。
  4. 【請求項4】 請求項1又は請求項2記載の走行ミッシ
    ョン装置の操舵機構において、変速レバー(68)によ
    る変速する速度が低速の場合には、丸形操向ハンドル
    (19)による旋回する方向側の走行装置の速度は徐々
    に低くし、旋回方向と逆の側の走行速度は徐々に高く
    し、変速レバー(68)による変速する速度が高速の場
    合には、旋回側の速度も、旋回方向と逆の側の速度も徐
    々に低くするが、旋回側の速度の減速率の方を大きくし
    たことを特徴とする走行ミッション装置の操舵機構。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の走行ミッション装置の操
    舵機構において、減速側の減速比率は、丸形操向ハンド
    ル(19)の回動角度が小の場合には、緩く、回動角度
    が大となると減速比率が大とし、増速比率は、回動角度
    が小の場合には増速比率を大に、回動角度が大となると
    増速比率が小となるように構成したことを特徴とする走
    行ミッション装置の操舵機構。
  6. 【請求項6】 請求項4記載の走行ミッション装置の操
    舵機構において、変速レバー(68)による変速する速
    度が高速の場合には、旋回側の速度も、旋回方向と逆の
    側の速度も徐々に低くするが、旋回方向と逆の側の速度
    は、一旦増速した後に、徐々に減速すべく構成したこと
    を特徴とする走行ミッション装置の操舵機構。
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