JPH1095054A - 摺動用受け部材の製造法 - Google Patents

摺動用受け部材の製造法

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JPH1095054A
JPH1095054A JP25170396A JP25170396A JPH1095054A JP H1095054 A JPH1095054 A JP H1095054A JP 25170396 A JP25170396 A JP 25170396A JP 25170396 A JP25170396 A JP 25170396A JP H1095054 A JPH1095054 A JP H1095054A
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JP
Japan
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molding material
phenolic resin
sliding
oil
fiber
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JP25170396A
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English (en)
Inventor
Akiyoshi Kawasaki
秋由 河崎
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Resonac Corp
Original Assignee
Shin Kobe Electric Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】摺動用受け部材の吸油性を高めて十分な摺動性
を確保するとともに、摺動用受け部材の強度も十分に確
保する。 【解決手段】フェノール樹脂粉末と補強繊維を必須成分
としてこれらを液中に分散させ抄造した成形材料を重ね
合せ所定形状に加熱加圧成形する。前記成形材料とし
て、フェノール樹脂含有量が10〜20重量%の第一の
成形材料とフェノール樹脂含有量が25〜40重量%の
第二の成形材料を重ね合せて使用する。第一の成形材料
で構成したフェノール樹脂含有量の少ない層に補強繊維
同士の絡まりによる微細な空隙を多く有しているので、
この空隙に十分な量の油を浸み込ませて、浸み込ませた
油を長期にわたって保持し潤滑作用を発揮する。第一の
成形材料の補強繊維はアラミド繊維とフィブリル化した
アラミド繊維の組合せが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂製の摺動用受
け部材(例えば、スラストワッシャ、軸受)の製造法に
関する。
【0002】
【従来の技術】樹脂製のスラストワッシャは、トランス
ミッションのリテーナとミッションケースとの間に摺動
用受け部材として用いられるために、摺動特性と寸法精
度、強度が要求される。従来、スラストワッシャの製造
法としては、次のような技術がある。フェノール樹脂と
補強繊維を混合混練して、粒状の成形材料を調製し、こ
れを射出成形してスラストワッシャの形状とする。そし
て、摺動性をもたせるために、アニール処理を実施して
いる。アニール処理とは、成形したスラストワッシャを
加熱した油中に浸漬して、スラストワッシャに油を浸み
込ませる処理である。浸み込ませた油を潤滑油として作
用させ、摺動性をよくしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の製造法では、成
形品の強度を確保するために、成形品中のフェノール樹
脂の含有量を30〜45重量%にしている。アニール処
理で成形品に油を十分浸み込ませて摺動性をよくするた
めには、フェノール樹脂の含有量を少なくしたほうがよ
いが、強度との兼ね合いで思うに任せられないところが
ある。本発明が解決しようとする課題は、摺動用受け部
材の吸油性を高めて十分な摺動性を確保するとともに、
摺動用受け部材の強度も十分に確保することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係る方法では、フェノール樹脂粉末と補強
繊維を必須成分としてこれらを液中に分散させ抄造した
成形材料を重ね合せ所定形状に加熱加圧成形して摺動用
受け部材を製造する。本発明に係る方法は、前記成形材
料として、フェノール樹脂含有量が10〜20重量%の
第一の成形材料とフェノール樹脂含有量が25〜40重
量%の第二の成形材料を重ね合せて加熱加圧成形する点
に特徴がある。
【0005】上記のように製造した摺動用受け部材は、
第一の成形材料で構成したフェノール樹脂含有量の少な
い層に補強繊維同士の絡まりによる微細な空隙を多く有
しているので、この空隙に十分な量の油を浸み込ませる
ことができ、浸み込ませた油を長期にわたって保持する
ことができる。前記補強繊維同士の絡まりによる微細な
空隙は、補強繊維を抄造して得た成形材料に特有のもの
である。従来の射出成形による方法では、成形品中の補
強繊維同士の絡まりが少ないので、本発明における空隙
と同様の空隙の形成を多くは期待できない。第一の成形
材料で構成した層はフェノール樹脂の含有量が少ないた
めに若干強度が低下するが、この層と一体になっている
第二の成形材料で構成した層はフェノール樹脂の含有量
が多いので、この層で全体の強度を確保することができ
る。このようなことから、本発明に係る方法によれば、
摺動面に十分な量の油を浸み込ませ摺動時の油切れが少
なく、高荷重、高速度の摺動に十分に耐えられる摺動用
受け部材を製造することが可能となる。
【0006】尚、本発明に係る方法では、液中に分散さ
せたフェノール樹脂と補強繊維からウェブ状の成形材料
が抄造により作られるので、長尺のシート状基材を移送
しながらこれに樹脂ワニスを含浸乾燥する場合のように
張力が働いておらず、得られた成形材料に歪みが残らな
い。また、前記抄造による方法では、成形材料を樹脂と
補強繊維の混合混練により調製する場合のように、補強
繊維が外力で折れることがなく、初期の繊維長を殆どそ
のまま保つことができる。さらに、液中に分散している
補強繊維を抄造するので、補強繊維は特別な方向に配向
することはない。このような結果、この成形材料を加熱
加圧成形した摺動用受け部材は、強度の方向性や変形が
なくなる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明に係る方法を実施するに当
たり、フェノール樹脂粉末の粒子径は、1〜100μm
が適当であるが、抄造するときに分散させることができ
れば特に限定するものではない。補強繊維は、ガラス繊
維、アラミド繊維等である。抄造に際しては、他の充填
材や添加剤を適宜配合してもよい。
【0008】第一ならびに第二の成形材料の抄造は、フ
ェノール樹脂粉末と補強繊維を必須成分としてこれらを
水中に分散させて行なう。これらを金網上に漉くことに
より、ウェブ状の成形材料を抄造する。第一の成形材料
と第二の成形材料のフェノール樹脂含有量の調整は、水
中に分散させるフェノール樹脂粉末の量で行なう。抄造
後に水分を切り、成形金型にそのまま仕込むことができ
る所定形状に打ち抜き乾燥する。このように用意した第
一の成形材料と第二の成形材料を重ね合せ、前記金型に
仕込んで加熱加圧成形すると、片面に第一の成形材料に
よる補強繊維同士の絡まりによる微細な空隙を多く有す
る摺動用受け部材を製造することができる。アニール処
理をして油を浸み込ませ、フェノール樹脂含有量の少な
い第一の成形材料で構成された面を摺動部材の受け面と
して配置する。上記第一の成形材料を第二の成形材料の
両側に重ね合せて加熱加圧成形により一体化し製造した
摺動用受け部材は、両面に、第一の成形材料による補強
繊維同士の絡まりによる微細な空隙を多く有する。従っ
て、両面を摺動部材の受け面とすることができる。フェ
ノール樹脂含有量が多い第二の成形材料で構成した中央
層が強度の確保に有効に作用する。
【0009】補強繊維の主成分としてアラミド繊維とフ
ィブリル化したアラミド繊維を使用して第一の成形材料
を抄造すると、フィブリル化したアラミド繊維が繊維同
士の絡まりを促進する。これは、フィブリル化したアラ
ミド繊維が、細かく枝分かれした嵩高い形状を有するか
らである。このような繊維同士の絡まりの促進により、
微細な空隙が一層多くなり、吸油量を多くできるので有
利である。
【0010】
【実施例】
実施例1〜6、比較例1〜4 フェノール樹脂粉末(粒径1〜20μm,鐘紡製「ベル
パールS890」)とガラス繊維(繊維径9μm,繊維
長6mm)とまっすぐな(チョップ状)アラミド繊維(繊
維径5〜20μm,繊維長2mm)を水に分散させ、これ
を抄造して、表1に示すようにフェノール樹脂含有量が
異なるa〜iのウェブ状の成形材料を準備した。尚、抄
造後に乾燥して水分を除去した成形材料は、単位重量1
450g/m2である。前記乾燥は、フェノール樹脂の
硬化反応が進まない温度範囲(常温)で行なった。ま
た、ガラス繊維とアラミド繊維は重量比で2/1の割合
で使用した。
【0011】
【表1】
【0012】上記a〜iの成形材料から第一の成形材料
ならび第二の成形材料とするものを選択し、外径68m
m,穴径58mmのドーナツ形状に打抜き加工した第一の
成形材料と第二の成形材料を重ね合せ、成形金型に仕込
んで加熱加圧成形して、外径70mm,穴径56mm,厚さ
1.8mmのスラストワッシャとした。そして、前記スラ
ストワッシャを180℃のマシン油に10時間浸漬し
て、スラストワッシャにマシン油を浸み込ませるアニー
ル処理をした。各実施例と比較例において、表1のa〜
iの成形材料から選んだ第一の成形材料と第二の成形材
料との組合せは表2のとおりであり、各スラストワッシ
ャの特性を表2に併せて示す。
【0013】従来例 フェノール樹脂とガラス繊維(繊維径9μm,繊維長6
mm)とチョップ状アラミド繊維(繊維径5〜20μm,
繊維長2mm)を重量比で35/43/22の配合割合で
混合混練し、粒状の成形材料とした。これを射出成形し
て上記実施例と同寸法のスラストワッシャの形状とし
た。そして、上記実施例と同じ条件でアニール処理をし
た。そのスラストワッシャの特性を表2に示す。
【0014】表2において、吸油量は、各スラストワッ
シャのアニール処理前後の重量を測って、次の(数1)
により計算したものである。
【0015】
【数1】
【0016】表2から、第一の成形材料のフェノール樹
脂含有量を10〜20重量%とし、第二の成形材料のフ
ェノール樹脂含有量を25〜40重量%にすることによ
り、吸油量を多くし、強度も十分に保持できることが分
かる。第二の成形材料のフェノール樹脂含有量が40重
量%を越えると、第一の成形材料のフェノール樹脂含有
量が20重量%以下であっても吸油量は少なくなる。
【0017】
【表2】
【0018】実施例7 フェノール樹脂粉末(粒径1〜20μm,鐘紡製「ベル
パールS890」)とガラス繊維(繊維径9μm,繊維
長6mm)とチョップ状アラミド繊維(繊維径5〜20μ
m,繊維長2mm)とフィブリル化したアラミド繊維(繊
維長3mm)を重量比で20/50/20/10の割合で
水に分散させ、これを抄造してウェブ状の成形材料とし
た。抄造後に乾燥して水分を除去した成形材料は、厚さ
6mm、単位重量1550g/m2、フェノール樹脂含有
量20重量%である。この成形材料を第一の成形材料と
して使用し、そのほかは実施例3と同様にしてスラスト
ワッシャとした。その特性を表3に示す。
【0019】実施例8 フェノール樹脂粉末(粒径1〜20μm,鐘紡製「ベル
パールS890」)とガラス繊維(繊維径9μm,繊維
長6mm)を重量比で40/60の割合で水に分散させ、
これを抄造してウェブ状の成形材料とした。抄造後に乾
燥して水分を除去した成形材料は、厚さ6mm、単位重量
1650g/m2、フェノール樹脂含有量40重量%で
ある。この成形材料を第二の成形材料として使用し、実
施例7の第一の成形材料と組合せて加熱加圧成形し、ス
ラストワッシャとした。その特性を表3に示す。
【0020】表3から、第一の成形材料を構成する補強
繊維としてフィブリル化したアラミド繊維を含有させる
ことにより、吸油量がさらに多くなることが分かる。
【0021】
【表3】
【0022】
【発明の効果】上述のように、本発明に係る方法では、
第一の成形材料で構成したフェノール樹脂含有量の少な
い層に補強繊維同士の絡まりによる微細な空隙を多く有
しているので、この空隙に十分な量の油を浸み込ませる
ことができ、浸み込ませた油を長期にわたって保持する
ことができる。すなわち、油の潤滑作用で摺動性を長期
間維持できる。そして、第一の成形材料で構成した層と
一体になっている第二の成形材料で構成した層はフェノ
ール樹脂の含有量が多いので、この層で全体の強度を確
保することができる。
【0023】補強繊維の主成分としてアラミド繊維とフ
ィブリル化したアラミド繊維を使用して第一の成形材料
を抄造すると、繊維同士の絡まりの促進により、微細な
空隙が一層多くなり、吸油量を多くできるので有利であ
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フェノール樹脂粉末と補強繊維を必須成分
    としてこれらを液中に分散させ抄造した成形材料を重ね
    合せ所定形状に加熱加圧成形する摺動用受け部材の製造
    において、 フェノール樹脂含有量が10〜20重量%の第一の成形
    材料とフェノール樹脂含有量が25〜40重量%の第二
    の成形材料を重ね合せて加熱加圧成形することを特徴と
    する摺動用受け部材の製造法。
  2. 【請求項2】第一の成形材料を第二の成形材料の両側に
    重ね合せて加熱加圧成形することを特徴とする請求項1
    記載の摺動用受け部材の製造法。
  3. 【請求項3】第一の成形材料を構成する補強繊維がアラ
    ミド繊維とフィブリル化したアラミド繊維を含有するこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載の摺動用受け部材の
    製造法。
JP25170396A 1996-09-24 1996-09-24 摺動用受け部材の製造法 Pending JPH1095054A (ja)

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