JPH109380A - 自動変速機の故障判定装置 - Google Patents

自動変速機の故障判定装置

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JPH109380A
JPH109380A JP8181230A JP18123096A JPH109380A JP H109380 A JPH109380 A JP H109380A JP 8181230 A JP8181230 A JP 8181230A JP 18123096 A JP18123096 A JP 18123096A JP H109380 A JPH109380 A JP H109380A
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failure
speed
failure determination
gear
automatic transmission
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JP8181230A
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Inventor
Kenji Sawa
研司 沢
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Mazda Motor Corp
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Mazda Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コースト走行用摩擦締結要素の締結が許可さ
れない変速段においてその擦締結要素が締結されると、
種々の問題が生じる。 【解決手段】 この自動変速機では、4速段ではオーバ
ーラン・クラッチの締結が許可されず、誤って締結され
ると3速段に強的に切換えるインターロック機能があ
る。4速段のときコースト走行状態でエンジン回転数N
eがアイドル回転数Nidより大きいときには、車速Vが
所定車速V0以上であることを条件として、オーバーラ
ン・クラッチが誤って締結されたものとしオーバーラン
・クラッチの駆動制御系の故障であると判定し、ディス
プレイに表示する。尚、コースト走行状態でないときに
は、変速ギヤ機構のギヤ比から故障を判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動変速機の故障
判定装置に関し、特にコースト走行用摩擦締結要素の締
結状態を変更する締結状態制御手段の故障を判定するも
のに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車両の自動変速機には、エンジン
の出力軸に連結されるトルクコンバータと、このトルク
コンバータの出力軸に連結される変速ギヤ機構と、この
変速ギヤ機構の複数の回転部材を回転拘束する複数の摩
擦締結要素と、複数の摩擦締結要素へ夫々供給される油
圧を調整する油圧調整手段と、所定の変速マップに基づ
いて車両の走行状態に応じた変速段となるように油圧調
整手段を制御する制御手段等が設けられている。
【0003】ところで、通常の1速段〜4速段に亙って
変速する自動変速機の場合、3速段ではコースト走行状
態においてエンジンブレーキが作動するが、通常エンジ
ンブレーキを作動させる為にはコースト走行用摩擦締結
要素(コーストクラッチまたはオーバーランクラッチ)
が締結される。ここで、4速段においてコースト走行用
摩擦締結要素を締結すると、変速ギヤ機構に機構的な矛
盾が生じ4速段が成立しなくなることから、4速段にお
いてはコースト走行用摩擦締結要素の締結が禁止され、
エンジンブレーキが作動しないようになっている。そし
て、4速段において何らかの原因でコースト走行用摩擦
締結要素が締結された場合には、強制的に3速段に切換
えるようなインターロック機能が設けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記油圧調整装置に
は、コースト走行用摩擦締結要素へ供給する油圧を制御
する駆動制御手段(締結状態制御手段)として、ソレノ
イドやコントロール・バルブが設けられているが、ソレ
ノイドが故障したりコントロール・バルブが故障したり
すると、4速段においてコースト走行用摩擦締結要素が
締結されて変速ギヤ機構が損傷する虞があり、また、コ
ースト走行用摩擦締結要素が締結不能になると、エンジ
ンブレーキが作動しなくなるため好ましくない。そこ
で、コースト走行用摩擦締結要素の為の駆動制御手段が
故障か否か常時判定し、故障発生の際には直ちに対策を
講ずる必要がある。本発明の目的は、締結状態制御手段
の故障を簡単に判定可能にすること、故障発生時には直
ちにドライバーに報知可能にすること、等である。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の自動変速機の
故障判定装置は、締結によりエンジンブレーキの作動を
可能にするコースト走行用摩擦締結要素と、このコース
ト走行用摩擦締結要素の締結状態を変更する締結状態制
御手段と、そのコースト走行用摩擦締結要素の締結が許
可されない特定変速段のときコースト走行用摩擦締結要
素が締結されたときには他の変速段に切換える切換え手
段とを有する自動変速機において、前記締結状態制御手
段の故障を判定する故障判定手段と、故障判定手段で判
定された故障をドライバーへ報知する報知手段とを備え
たものである。
【0006】前記コースト走行用摩擦締結要素は、通常
コーストクラッチまたはオーバーランクラッチと称され
るものであり、前記特定変速段は例えば4速段であり、
前記他の変速段は例えば3速段である。前記コースト走
行用摩擦締結要素を締結した状態では、コースト走行状
態において、エンジンブレーキの作動が可能となり、特
定変速段においてコースト走行用摩擦締結要素が誤って
締結されると切換え手段により他の変速段に切換えられ
る。前記コースト走行用摩擦締結要素は、締結状態制御
手段により制御駆動され、故障判定手段は締結状態制御
手段の故障を判定し、報知手段は障判定手段で判定され
た故障をドライバーへ報知する。
【0007】請求項2の自動変速機の故障判定装置は、
請求項1の発明において、前記故障判定手段は、特定変
速段におけるコースト走行状態のときのエンジン回転数
に基づいて故障を判定することを特徴とするものであ
る。前記締結状態制御手段が正常の場合には、特定変速
段においてコースト走行用摩擦締結要素が締結されない
ので、コースト走行状態のときのエンジン回転数はアイ
ドル回転数になる。しかし、前記締結状態制御手段が故
障していて、特定変速段においてコースト走行用摩擦締
結要素が締結されエンジンブレーキが作動すると、コー
スト走行状態のときのエンジン回転数がアイドル回転数
よりも高くなる。それ故、故障判定手段により、特定変
速段におけるコースト走行状態のときのエンジン回転数
に基づいて締結状態制御手段の故障を判定することがで
きる。
【0008】請求項3の自動変速機の故障判定装置は、
請求項2の発明において、前記故障判定手段に所定車速
以上のときだけ判定を許可する判定規制手段を設けたこ
とを特徴とするものである。締結状態制御手段が故障し
ていて、特定変速段においてコースト走行用摩擦締結要
素が締結されエンジンブレーキが作動し、コースト走行
状態のときのエンジン回転数がアイドル回転数よりも高
くなる為には、車速が所定車速以上であることが必要で
ある。つまり、故障判定手段に所定車速以上のときだけ
判定を許可する判定規制手段を設けたことで、故障判定
の信頼性を確保することができる。
【0009】請求項4の自動変速機の故障判定装置は、
請求項1の発明において、前記故障判定手段は、特定変
速段における変速ギヤ機構のギヤ比に基づいて故障を判
定することを特徴とするものである。前記特定変速段と
は、変速マップに基づく変速制御上の変速段を意味す
る。ここで、特定変速段においてコースト走行用摩擦締
結要素が誤って締結されると他の変速段に切換えられる
ことから、前記特定変速段における変速ギヤ機構のギヤ
比が特定変速段のときのギヤ比と異なっている場合に
は、締結状態制御手段の故障によりコースト走行用摩擦
締結要素が締結されている可能性が高い。それ故、特定
変速段における変速ギヤ機構のギヤ比に基づいて故障を
判定することができる。
【0010】請求項5の自動変速機の故障判定装置は、
締結によりエンジンブレーキの作動を可能にするコース
ト走行用摩擦締結要素と、このコースト走行用摩擦締結
要素の締結状態を変更する締結状態制御手段とを備えた
自動変速機において、前記コースト走行用摩擦締結要素
の締結が許可されない変速段のとき、コースト走行状態
においてエンジン回転数が所定値以上か否か判定し、所
定値以上のときに前記締結状態制御手段が故障であると
判定する故障判定手段と、前記故障判定手段で判定され
た故障をドライバーへ報知する報知手段とを備えたもの
である。
【0011】前記コースト走行用摩擦締結要素は、通常
コーストクラッチ又はオーバーランクラッチと称される
ものであり、コースト走行用摩擦締結要素の締結が許可
されない変速段とは、例えば4速段である。前記締結状
態制御手段が正常の場合、コースト走行用摩擦締結要素
の締結が許可されない変速段のときには、エンジンブレ
ーキが作動しないので、コースト走行状態においてエン
ジン回転数はアイドル回転数となる。しかし、前記締結
状態制御手段が故障していてコースト走行用摩擦締結要
素が締結状態になっている場合、コースト走行状態にお
いてエンジン回転数はアイドル回転数と等しいか又はよ
り大きな所定値以上となる。それ故、故障判定手段によ
りエンジン回転数が所定値以上か否か判定することで、
締結状態制御手段の故障を判定することができる。そし
て、故障判定手段で故障が判定されたときには、報知手
段はその故障をドライバーへ報知する。
【0012】請求項6の自動変速機の故障判定装置は、
請求項5の発明において、前記エンジン回転数の所定値
がアイドル回転数であることを特徴とするものである。
前記所定値がアイドル回転数であるので、故障判定の信
頼性を確保でき、故障判定の制御が簡単化する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。図1に示すように、自動車
に搭載される自動変速機2は、トルクコンバータ3と変
速ギヤ機構4とからなる。但し、図1にはトルクコンバ
ータ3と変速ギヤ機構4の上半分のみを図示してある。
エンジン1の出力軸1aがポンプ31に連結され、ター
ビン32は変速ギヤ機構4の入力軸4aに連結され、変
速ギヤ機構4の出力軸4bは自動車のドライブシャフト
5に連結されている。
【0014】トルクコンバータ3は、ポンプ31とター
ビン32とステータ33とロックアップクラッチ35と
を有し、ステータ33はワンウェイクラッチ34を介し
て回転可能であり、トルクコンバータ3のフロント室3
aのフロント圧がリヤ室3bのリヤ圧よりも高いときに
はロックアップクラッチ35は非締結状態となり、フロ
ント圧がリヤ圧よりも低いときには締結状態となる。変
速ギヤ機構4には、フロント遊星歯車機構41、リヤ遊
星歯車機構42、バンドブレーキ43、リバースクラッ
チ44、ハイクラッチ45、フォワードクラッチ46、
オーバーランクラッチ47、ローアンドリバースクラッ
チ48、フォワードOWC49a(尚、OWCはワンウ
ェイクラッチである)、ローOWC49b等が設けら
れ、図示のように連結されている。
【0015】変速ギヤ機構4のクラッチやブレーキ等の
摩擦締結要素に供給する油圧を調整する油圧調整装置5
0が設けられ、この油圧調整装置50を制御する制御ユ
ニット51が設けられ、制御ユニット51で駆動制御さ
れるディスプレイ52もインストルメントパネルに設け
られている。制御ユニット51には、車速センサ53で
検出した車速信号SV、エンジン1のスロットル開度をス
ロットル開度センサ54で検出したスロットル開度信号
STVO、エンジン回転数をエンジン回転数センサ55で検
出したエンジン回転数信号SNe 、タービン回転数をター
ビン回転数センサ56で検出したタービン回転数信号SN
t 、シフトレバーの操作位置を検出するインヒビタ57
からのレンジ信号SR、エンジン1のスロットル弁が全閉
のときにオンとなるアイドルスイッチ58からのアイド
ル信号SID 等が供給されている。
【0016】制御ユニット51は、入出力インターフェ
イス、CPUとRAMとROMとを含むマイクロコンピ
ュータ、油圧調整装置50の複数のソレノイドを駆動す
る複数の駆動回路、ディスプレイ52の為の駆動回路等
が設けられている。前記ROMには、車速とスロットル
開度とをパラメータとして設定した変速マップ及びこの
変速マップに基づいて自動変速機2を制御する変速制御
の制御プログラムと、後述の故障判定制御の制御プログ
ラム等が予め格納されている。前記RAMには、前記の
制御を実行する為に必要な種々のメモリ類および自動変
速機2の故障についての故障情報を格納する為の故障情
報メモリ等が設けられる。
【0017】次に、前記油圧調整装置50について簡単
に説明する。図2に示すように、油圧調整装置50に
は、エンジン1で駆動されるオイルポンプ61、フィー
ドバックACC 62( 尚、ACC はアキュムレータであ
る)、プレッシャ・レギュレータ・バルブ63、プレッ
シャ・モディファイヤ・バルブ64、モディファイヤAC
C ・バルブ65、ライン圧ソレノイド66、シレトレバ
ーで操作されるマニュアル・バルブ67が設けられ、バ
ルブ63,64とライン圧ソレノイド66とでライン圧
が調整される。
【0018】更に、油圧調整装置50には、変速段切換
えの為に、パイロットバルブ70、シフトソレノイド7
1a,71b、オーバーラン・クラッチ・ソレノイド7
2、シャトル・シフト・バルブ73、ファースト・レジ
ューシング・バルブ74、オーバーラン・クラッチ・レ
ジューシング・バルブ75、オーバーラン・クラッチ・
コントロール・バルブ76、シフト・バルブ77a及び
4−2リレーバルブ78、シフト・バルブ77b及び4
−2シーケンスバルブ79、2−3タイミング・バルブ
80、N−DACC 81、2−3ACC 82、1−2ACC 8
3、3−4/N−RACC 84、シャトル・シフト・バル
ブ85、ACC コントロール・バルブ86、サーボ・チャ
ージャ・バルブ87等が設けられている。
【0019】更に、油圧調整装置50には、ロックアッ
プクラッチ35の切換えの為に、ロックアップ・ソレノ
イド90、ロックアップ・コントロール・ソレノイド9
1、ロックアップ・モディファイヤ・バルブ92、コン
バータ・リリーフ・バルブ93、ロックアップ・コント
ロール・バルブ94等が設けられている。尚、図2の実
線は油路を示し、符号95aは自動変速機2の前部の潤
滑部、符号96はオイルクーラ、符号95bは自動変速
機2の後部の潤滑部を示す。
【0020】前進走行レンジ(Dレンジ)における1速
段〜4速段のときの、前記クラッチやブレーキ等の摩擦
締結要素の締結状態と作動状態は、図3に示す通りであ
る。次に、1速段〜4速段のときの油圧供給態様につい
て説明する。1速段のとき、オイルポンプ61で発生し
た吐出圧は、ライン圧ソレノイド66とバルブ63,6
4とでライン圧P0に調整され、マニュアル・バルブ6
7、2−3ACC 82、パイロットバルブ70、コンバー
タ・リリーフバルブ93に供給される。そのライン圧P0
はマニュアル・バルブ76から油路aを介してN−DAC
C 81に作用し、フォワード・クラッチ46を締結す
る。
【0021】ここで、シフト・ソレノイド71a,71
bがONであるためパイロット圧P10,P19 が立ち、油路
bから油路cに供給されたライン圧P0と、油路dから油
路eに供給されたライン圧P0は、シフトバルブ77a,
77bで夫々遮断される。また、オーバーラン・クラッ
チ・ソレノイド72がOFFであるためパイロット圧P2
4 はドレーンされ、オーバーラン・クラッチ・コントロ
ール・バルブ76を介して、ライン圧P0がオーバーラン
・クラッチ・レジューシング・バルブ75に供給され、
そのライン圧P0による油圧P37 がオーバーランクラッチ
圧としてオーバーラン・クラッチ47を締結する。一
方、コンバータ・リリーフ・バルブ93に供給されたラ
イン圧P0による油圧P30 はコンバータ圧に変換され、ロ
ックアップ・コントロール・バルブ94を介してトルク
コンバータ3に圧送され、後部潤滑に使用され、一部は
分岐して前部潤滑に使用される。
【0022】2速段のとき、1速段のときと同様に、ラ
イン圧P0はマニュアル・バルブ67から油路aを介して
N−DACC 81に作用し、フォワード・クラッチ46を
締結する。ここで、シフトソレノイド71aがOFFで
あるためパイロット圧P10 はドレーンされ、シフト・バ
ルブ77aは、油路dのライン圧P0を油路fを介して1
−2ACC 83に供給し、1−2ACC 83を介してバンド
・ブレーキ43に締結圧が作用しバンド・ブレーキ43
が締結される。そして、シフト・ソレノイド71b及び
オーバーラン・クラッチ・ソレノイド72がONである
ためパイロット圧P19,P24 が立ち、シフト・バルブ77
bとオーバーラン・クラッチ・コントロール・バルブ7
6は、油路e,dのライン圧P0を遮断する位置を保持す
る。
【0023】3速段のとき、1速段のときと同様に、ラ
イン圧P0はマニュアル・バルブ67から油路aを介して
N−DACC 81に作用し、フォワード・クラッチ46を
締結する。シフト・ソレノイド71aがOFFであるた
めパイロット圧P10 はドレーンされ、シフト・バルブ7
7aは油路dのライン圧P0を油路fを介して1−2ACC
83に供給し、1−2ACC 83を介してバンド・ブレー
キ43が締結される。シフト・ソレノイド71bがOF
Fであるためパイロット圧P19 はドレーンされ、シフト
・バルブ77bは油路eのライン圧P0を油路gに供給
し、その油圧がハイクラッチ45に作用しハイクラッチ
45が締結され、ライン圧P0が2−3ACC 82に作用し
て圧力調整された油圧が油路h,i,jを介してバンド
ブレーキ43の開放側にも作用する。
【0024】一方、オーバーラン・クラッチ・ソレノイ
ド72がOFFであるためパイロット圧P24 はドレーン
され、オーバーラン・クラッチ・コントロール・バルブ
76は、油路dのライン圧P0を油路kに供給し、オーバ
ーラン・クラッチ・レジューシング・バルブ75を介し
てオーバーランクラッチ圧が供給されてオーバーランク
ラッチ47が締結される。尚、ロックアップソレノイド
90のデュティ比が5%のときは、コンバータ圧がコン
バータフロント室に作用し、ロックアップクラッチ35
は非締結状態になる。
【0025】4速段のとき、1速段のときと同様に、ラ
イン圧P0は、マニュアル・バルブ67から油路aを介し
てN−DACC 81に作用し、フォワード・クラッチ46
を締結する。シフト・ソレノイド71aがONであるた
めパイロット圧P10 が作用し、油路dのライン圧P0はシ
フト・バルブ77a、油路e、シフト・バルブ77b、
シフトバルブ77a、油路fを介して1−2ACC 83に
供給され、1−2ACC83を介してバンド・ブレーキ4
3の締結側に作用し、バンド・ブレーキ43が締結され
る。シフト・ソレノイド71bがOFFであるためパイ
ロット圧P19 はドレーンされ、シフト・バルブ77bは
油路eのライン圧P0を油路gに供給し、その油圧がハイ
クラッチ45に作用しハイクラッチ45が締結され、ラ
イン圧P0が2−3ACC 82に作用して圧力調整された油
圧がバンドブレーキ43の開放側にも作用する。
【0026】一方、オーバーラン・クラッチ・ソレノイ
ド72がONであるためオーバーラン・クラッチ・コン
トロール・バルブ76にパイロット圧P24 が作用し、油
路dのライン圧P0が、シフトバルブ77a,油路e,シ
フトバルブ77b,シフトバルブ77a,油路m,油路
nを介して3−4/N−RACC 84に供給され、その3
−4/N−RACC 84を介してバンドブレーキ43の締
結側に供給される。尚、ロックアップソレノイド90の
デュティ比が5%のときは、コンバータ圧がコンバータ
フロント室に作用し、ロックアップクラッチ35は非締
結状態になる。
【0027】図4〜図7は、変速ギヤ機構4の作動説明
の為に概念的に示したもので、入力軸4aからの駆動力
の伝達経路を太い実線で図示してあり、図4は1速段の
状態、図5は2速段の状態、図6は3速段の状態、図7
は4速段の状態を示す。1速段のときには、図4に示す
ように、入力軸4aへの駆動力は、リヤ遊星歯車機構4
2のサンギヤ42aに伝達されてサンギヤ42aを右回
り(矢印の方向)に回転させ、ピニオンギヤ42bを左
回転させる。そのため、ピニオンギヤ42bの左回転に
よりリングギヤ42dも左回転しようとするが、フォワ
ードOWC49a、フォワードクラッチ46を介してロ
ーOWC49bが作用するため、リングギヤ42dは左
回転しない。その結果、ピニオンギヤ42bは左回転で
自転し、プラネタリキャリア42cを右公転させる。そ
れ故、プラネタリキャリア42cにより出力軸4bが右
回りに駆動される。
【0028】2速段のときには、図5に示すように、1
速段のときと同様に、入力軸4aへの駆動力は、リヤ遊
星歯車機構42のサンギヤ42aに伝達されてサンギヤ
42aを右回り(矢印の方向)に回転させ、ピニオンギ
ヤ42bを左回転させ、プラネタリキャリア42cを右
公転させる。このプラネタリキャリア42cは、フロン
ト遊星歯車機構41のリングギヤ41dと一体であるた
め、フロントのリングギヤ41dも右回転する。ここ
で、フロント遊星歯車機構41のサンギヤ41aはバン
ド・ブレーキ43でロックされて回転しないので、ピニ
オンギヤ41bは右回りに自転しながら公転し、プラネ
タリキャリア41cは右回転する。このプラネタリキャ
リア41cの右回転は、フォワード・クラッチ46とフ
ォワードOWC49aを介してリヤのリングギヤ42d
に伝達され、そのリングギヤ42dを右回転させ、この
リングギヤ42dの右回転の分だけ、1速段のときより
も出力軸4bの回転数が増して2速段となる。
【0029】3速段のときには、図6に示すように、入
力軸4aへの駆動力は、ハイクラッチ45のドラムに伝
達され、ハイクラッチ45を介してフロントのプラネタ
リキャリア41cに伝達され、そのプラネタリキャリア
41cが右回転する。そのプラネタリキャリア41cの
右回転は、フォワード・クラッチ46とフォワードOW
C49aとオーバーランクラッチ49bとを介してリヤ
のリングギヤ42dに伝達され、リングギヤ42dを右
回転させる。一方、入力軸4aの駆動力はリヤのサンギ
ヤ42aに伝達され、そのサンギヤ42aが右回転する
が、そのサンギヤ42aとリングギヤ42dとが同速度
で右回転するため、リヤのピニオンギヤ42cは自転す
ることなく、サンギヤ42a及びリングギヤ42dと一
体で右回転する。こうして、2速段よりも高速の3速段
となる。
【0030】4速段のときには、図7に示すように、入
力軸4aへの駆動力は、ハイクラッチ45のドラムに伝
達され、ハイクラッチ45を介してフロントのプラネタ
リキャリア41cに伝達され、そのプラネタリキャリア
41cが右回転する。ここで、バンド・ブレーキ43が
締結されるため、フロントのサンギヤ41aは回転せ
ず、フロントのピニオンギヤ41bは右回りに自転しな
がら公転し、フロントのリングギヤ41dの回転を増速
させ、その回転駆動力はリヤのプラネタリキャリア42
cに伝達され、そのプラネタリキャリア42cの駆動力
が出力軸4bに伝達される。こうして、3速段よりも高
速の4速段となる。
【0031】前記オーバーラン・クラッチ47は、エン
ジンブレーキを効かせる為のコースト走行用摩擦締結要
素であり、コーストクラッチと称される場合もある。こ
の自動変速機2においては、Dレンジの1速段〜3速段
ではオーバーラン・クラッチ47を締結してエンジンブ
レーキを作動可能にし、4速段でオーバーラン・クラッ
チ47を締結すると機構的に矛盾が生じて4速段を達成
できなくなるため、4速段においてはオーバーラン・ク
ラッチ47の締結が許可されず、油圧調整装置50の故
障により4速段においてオーバーラン・クラッチ47が
締結された場合には、強制的に3速段に切換えるインタ
ーロック機能を奏する切換え手段が設けられている。
【0032】次に、自動変速機2の故障を判定する故障
判定制御に関連する油圧調整装置50の要部の油圧回路
について説明する。図8は、Dレンジの4速段のときの
要部の油圧回路を示し、この図8に示すように4速段の
ときオーバーラン・クラッチ・ソレノイド72がON
で、パイロット圧P24 が立つためオーバーラン・クラッ
チ・コントロール・バルブ76が図示位置を保持し、パ
イロット圧P0が油路kに供給されないため、オーバーラ
ンクラッチ圧である油圧P37 が低く、オーバーラン・ク
ラッチ47が締結されない。
【0033】しかし、オーバーラン・クラッチ・ソレノ
イド72が故障してOFF状態になると、パイロット圧
P24 がドレーンされるため、オーバーラン・クラッチ・
コントロール・バルブ76が切換えられて油圧P37 が立
ち、オーバーラン・クラッチ47が締結されてしまう。
但し、オーバーラン・クラッチ・ソレノイド72が故障
しなくとも、オーバーラン・クラッチ・コントロール・
バルブ76のスプールが油路dを油路kに接続する位置
にスチックしてまった場合にも、前記同様にオーバーラ
ン・クラッチ47が締結されてしまう。この自動変速機
の故障判定装置においては、オーバーラン・クラッチ・
ソレノイド72の故障やオーバーラン・クラッチ・コン
トロール・バルブ76の故障により、4速段のときにオ
ーバーラン・クラッチ47が締結され、インターロック
機能が働いて3速段に強制的に切換えられるものとして
故障判定を行う。
【0034】次に、自動変速機2の故障を判定する故障
判定制御のルーチンについて、図9のフローチャートを
参照して説明する。但し、フローチャート中の符号Si
(i=1,2,・・・)は各ステップを示し、この故障
判定制御は、制御開始後には所定微小時間おきの割り込
み処理にて実行される。自動車のイグニションスイッチ
の投入とともに、この制御が開始されると、S1におい
てフェイルフラグFFを0にリセットする等の必要な初
期設定が実行され、次にセンサやスイッチ類からの各種
信号(車速センサ信号SV、スロットル開度信号STVO、エ
ンジン回転数信号SNe 、アイドルスイッチ信号Sid 、タ
ービン回転数信号SNt 、インヒビタ信号SR)が読み込ま
れ(S2)、次に読み込んだ検出信号に基づいて車速
V、スロットル開度TVO 、エンジン回転数Ne、タービ
ン回転数Nt、変速ギヤ機構4のギヤ比Grが演算され
る(S3)。尚、ギヤ比Grは、タービン回転数Nt/
出力軸4bの回転数であり、出力軸4bの回転数は車速
Vに所定の定数を掛けることで求められる。
【0035】次に、S4において、車速Vとスロットル
開度TVO とを変速マップに適用して、現在の変速段がD
レンジの4速段か否か判定し、その判定が No のときは
S8へ移行し、S4の判定がYes のときにはアイドルス
イッチ58がONか否か判定し(S5)、その判定が N
o のときはS12へ移行する。コースト走行状態で、ア
イドルスイッチ58がONの場合には、S5からS6に
移行してエンジン回転数Neが所定のアイドル回転数N
id(例えば、600rpm)よりも大きいか否か判定す
る(S6)。4速段で、コースト走行状態であるとき、
オーバーラン・クラッチ47が締結されていない場合に
は、エンジンブレーキが作動しないので、エンジン回転
数Neがアイドル回転数Nidになり、S6の判定が No
になる筈である。それ故、S6の判定が No の場合は正
常であるからS8へ移行する。
【0036】しかし、4速段のコースト走行状態におい
てエンジン回転数Neがアイドル回転数Nidよりも大き
い場合は異常である。即ち、オーバーラン・クラッチ・
ソレノイド72の故障やオーバーラン・クラッチ・コン
トロール・バルブ76の故障により、オーバーラン・ク
ラッチ47が締結され且つ強制的に3速段に切換えられ
て、エンジンブレーキが作動しているものと考えること
ができる。そこで、S7においては、車速Vが所定の車
速V0(例えば、30Km/h)以上か否か判定し、そ
の判定が No のときは、車速Vが低くすぎるためにS6
の判定が No となった可能性があるのでS8へ移行す
る。しかし、S7の判定がYes のときには、車速Vが十
分高くエンジンブレーキが作動してS6の判定がYes と
なった可能性が高いことから、自動変速機2が故障であ
るとして、S9においてフェイルフラグFFを1にセッ
トする。
【0037】次に、RAMの故障情報メモリにオーバー
ラン・クラッチ・コントロール・バルブ47を制御し駆
動する駆動制御系(締結状態制御手段に相当する)の故
障を示す故障コードが格納され(S10)、次にディス
プレイ52に「自動変速機故障」が表示され且つ故障コ
ードが表示され、その後S2へリターンする。尚、S8
では、フェイルフラグFFが0にリセットされ、その後
S2へリターンし、S2以降が繰り返し実行される。一
方、S5の判定が No の場合にはS12において変速ギ
ヤ機構4のギヤ比Grが4速段のギヤ比か否か判定さ
れ、その判定がYes のときは正常であるので、S13に
おいてフェイルフラグFFを0にリセット後S2へリタ
ーンする。
【0038】しかし、4速段であり、コースト走行状態
でないにもかかわらずギヤGrが4速段のギヤ比でない
ときは異常である。即ち、変速マップ上では4速段であ
っても、前記駆動制御系の故障でオーバーラン・クラッ
チ47が締結され、その結果インターロック機能が作動
して強制的に3速段に切換えられている可能性が高い。
それ故、S12の判定が No のときにはS9へ移行し、
S9以降が前記同様に実行される。そして、S12の判
定がYes のときは正常であるので、S13においてフェ
イルフラグFFを0にリセットしてからS2へリターン
する。尚、S11の実行後にはS2へリターンすること
なく、S11を繰り返し実行するように構成してもよ
い。
【0039】以上の自動変速機の故障判定装置において
は、S4〜S9に示すように、4速段でコースト走行状
態のときのエンジン回転数Neに基づいて、非常に簡単
な制御により、オーバーラン・クラッチ・コントロール
・バルブ47を制御し駆動する駆動制御系の故障を判定
することができる。しかも、車速Vが所定車速V0以上
であることを条件として、故障であるとの判定を許可す
るので、故障判定の信頼性を確保することができる。
【0040】また、S4、S5、S12に示すように、
4速段でありコースト走行状態でない場合には、変速ギ
ヤ機構4のギヤ比Grに基づいて、非常に簡単な制御に
より、前記駆動制御系の故障を判定することができる。
尚、オーバーラン・クラッチ47自体が故障して締結解
除不能となる故障についても前記故障判定制御で検知す
ることができることは勿論である。また、ディスプレイ
52をインストルメントパネルに装備し、自動変速機2
の故障を検知したときには、自動変速機2が故障である
旨をディスプレイ52に表示してドライバーに報知する
ので、自動変速機2の故障が一層悪化しないうちに修理
する等の対策を講ずることができる。
【0041】更に、2次電池でバックアップされたRA
Mに故障情報メモリを設けておき、自動変速機2の故障
を検知したときには、その故障コードを故障情報メモリ
に格納するようにしたので、走行停止後にも、その故障
コードから自動変速機の故障を知ることができるし、ま
た、その故障コードに基づいて、自動変速機2が故障で
あることをディスプレイ52に表示させたりすることが
できる。
【0042】尚、ディスプレイ52の代わりに、故障表
示ランプをインストルメントパネルに設けておき、自動
変速機2の故障を検知したときには、その故障表示ラン
プを点灯させてもよい。尚、前記実施形態においては、
タービン回転数センサ56を設けたが、このタービン回
転数センサ56を省略し、エンジン回転センサ55の検
出信号SNe から求められるエンジン回転数Neに1.0 未満
の所定の定数(変速段毎に異なる値に設定してある)を
掛けてタービン回転数を求めるように構成してもよい。
【0043】次に、前記自動変速機2の別実施形態につ
いて簡単に説明する。図10に示すように、この自動変
速機100は、前進4段と後進とに切換え可能なもので
あり、トルクコンバータ101と、ラビニヨ型遊星歯車
機構からなる変速ギヤ機構102とを有する。この自動
変速機100のクラッチやブレーキ等の摩擦締結要素に
供給する油圧を調整する油圧調整装置及び自動車の走行
状態に応じた変速段となるように所定の変速マップに基
づいて油圧調整装置を介して自動変速機100を制御す
る制御ユニットも設けられているが、それらについては
公知の技術であるので説明を省略する。変速ギヤ機構1
02も公知のものであるので簡単に説明する。
【0044】トルクコンバータ101は、前記実施形態
の自動変速機と同様に、ポンプ104とタービン105
とステータ106とOWC107(ワンウェイクラッ
チ)とロックアップクラッチ108とを有する。トルク
コンバータ101のタービン軸109が変速ギヤ機構1
02を挿通して延び、タービン軸109の内部にはエン
ジンの出力軸に連結されたシャフト100aが設けら
れ、このシャフト100aによりオイルポンプ103が
駆動される。
【0045】変速ギヤ機構102には、図示のように、
小径サンギヤ111、大径サンギヤ112、ショートピ
ニオン113、ロングピニオン114、キャリア11
5、リングギヤ116、3−4クラッチ117、出力ギ
ヤ110、フォワード・クラッチ123及び第1WC1
24、コーストクラッチ122、リバース・クラッチ1
21、バンドブレーキからなる2−4クラッチ120、
第2OWC119、ローリバース・クラッチ118等が
設けられ、図示のように連結されている。
【0046】自動変速機100のレンジ及び変速段と、
クラッチやブレーキ等の摩擦締結要素の締結状態の関係
は、図11に示す通りであり、図中の丸印は締結を示
す。1速段おいては、フォワード・クラッチ123が締
結され、第1,第2OWC124,119がロック状態
となり、トルクコンバータ101からの駆動力はタービ
ン軸109からフォワード・クラッチ123と第1OW
C124とを介して小径サンギヤ111に伝達される。
第2OWC119の作用でキャリア115が固定された
状態で小径サンギヤ111からショートピニオン113
とロングピニオン114を介してリングギヤ115に駆
動力が伝達される。それ故、小径サンギヤ111とリン
グギヤ116との径の比に対応する大きなギヤ比の1速
段となる。
【0047】2速段においては、前記の1速段の状態に
加えて、2−4ブレーキ120が締結され、大径サンギ
ヤ112が固定されるとともに第2OWC119が空転
状態となる。そのため、タービン軸109からの駆動力
が小径サンギヤ111、ショートピニオン113を介し
てロングピニオン114に伝達されるとともに、ロング
ピニオン114が大径サンギヤ112上を公転し、キャ
リア115が回転する。それ故、1速段と比べてキャリ
ア115の回転分だけリングギヤ116の回転が増速さ
れて1速段よりも小さなギヤ比の2速段となる。
【0048】3速段においては、2速段の状態から2−
4ブレーキ120が開放され、3−4クラッチ117が
締結される。そのため、タービン軸109からの駆動力
はフォワード・クラッチ123と第1OWC124を介
して小径サンギヤ111に伝達され、3−4クラッチ1
17を介してキャリア115にも伝達される。それ故、
変速ギヤ機構102の全体が一体回転し、リングギヤ1
16がタービン軸109と等速で回転する3速段とな
る。
【0049】4速段においては、2−4ブレーキ120
が再度締結されるため、タービン軸109からの駆動力
は3−4クラッチ117からキャリア115に伝達さ
れ、ロングピニオン114が公転するが、このロングピ
ニオン114に噛み合った大径サンギヤ112が2−4
ブレーキ120で固定されているため、ロングピニオン
114はキャリア115とともに公転しながら自転す
る。それ故、ロングピニオン114に噛み合うリングギ
ヤ116はキャリア115の回転にロングピニオン11
4の自転分だけ増速されて回転するから、オーバードラ
イブ状態の4速段となる。
【0050】前記コーストクラッチ122は、エンジン
ブレーキを作動可能にするコースト走行用摩擦締結要素
であり、Dレンジにおいては3速段のときだけ締結さ
れ、4速段では締結が許可されておらず、コーストクラ
ッチ122を制御し駆動する為のバルブやソレノイドの
故障により、4速段において誤ってコーストクラッチ1
22が締結されると、強制的に3速段に切換えられるよ
うに構成してある。
【0051】即ち、油圧回路の図は添付してないが、前
記実施形態と略同様に、コーストクラッチ122へ油圧
を供給する油路と、2−4ブレーキ120の開放側油室
へ油圧を供給する油路とが連通しており、それらへの油
圧の供給/排出はシフトバルブを切換えするシフトソレ
ノイドにより制御される。それ故、コーストクラッチ1
22が締結されるときには必ず2−4ブレーキ120が
開放される。そして、シフトソレノイドやシフトバルブ
の故障により、4速段においてコーストクラッチ122
が締結されるときには、2−4ブレーキ120の開放側
油室へも油圧が供給されて強制的に3速段に切換えられ
る。そして、以上説明した自動変速機にも本発明を同様
に適用可能であることは勿論である。
【0052】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、コースト走行
用摩擦締結要素の締結状態を変更する締結状態制御手段
の故障を判定する故障判定手段と、故障判定手段で判定
された故障をドライバーへ報知する報知手段とを設けた
ので、締結状態制御手段の故障を早期に検知し、その故
障をドライバーへ報知できるので、締結状態制御手段の
故障に起因する問題(特定変速段においてコースト走行
用摩擦締結要素を締結して自動変速機を著しく損傷して
しまうとか、エンジンブレーキを作動させたい変速段に
おいてエンジンブレーキが作動しないとかの問題)が生
じるのを防止できる。
【0053】請求項2の発明によれば、請求項1と同様
の効果を奏するが、故障判定手段は、特定変速段におけ
るコースト走行状態のときのエンジン回転数に基づいて
故障を判定するように構成してあるので、簡単な構成の
故障判定手段により、締結状態制御手段の故障を判定す
ることができる。
【0054】請求項3の発明によれば、請求項2と同様
の効果を奏するが、前記故障判定手段に所定車速以上の
ときだけ判定を許可する判定規制手段を設けたので、故
障判定の信頼性を確保することができる。
【0055】請求項4の発明によれば、請求項1と同様
の効果を奏するが、前記故障判定手段は、特定変速段に
おける変速ギヤ機構のギヤ比に基づいて故障を判定する
ので、簡単な構成の故障判定手段により締結状態制御手
段の故障を判定できる。
【0056】請求項5の発明によれば、コースト走行用
摩擦締結要素の締結が許可されない変速段のとき、コー
スト走行状態においてエンジン回転数が所定値以上か否
か判定し、所定値以上のときに締結状態制御手段が故障
であると判定する故障判定手段と、前記故障判定手段で
判定された故障をドライバーへ報知する報知手段とを設
けたので、簡単な構成の故障判定手段により締結状態制
御手段の故障を判定することができる。そして、故障判
定手段で故障が判定されたときには、報知手段によりそ
の故障をドライバーへ報知できるので、締結状態制御手
段の故障に起因する問題(特定変速段においてコースト
走行用摩擦締結要素を締結して自動変速機を著しく損傷
してしまうとか、エンジンブレーキを作動させたい変速
段においてエンジンブレーキが作動しないとかの問題)
が生じるのを防止できる。
【0057】請求項6の発明によれば、請求項5と同様
の効果を奏するが、前記エンジン回転数の所定値がアイ
ドル回転数であるので、故障判定の信頼性を確保でき、
故障判定の制御が簡単化する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る自動変速機とその制御
系の構成図である。
【図2】油圧調整装置の油圧回路図である。
【図3】変速段毎の摩擦締結要素の締結や作動の状態を
示す図表である。
【図4】変速ギヤ機構(1速段のときの駆動力伝達系を
含む)の斜視図である。
【図5】変速ギヤ機構(2速段のときの駆動力伝達系を
含む)の斜視図である。
【図6】変速ギヤ機構(3速段のときの駆動力伝達系を
含む)の斜視図である。
【図7】変速ギヤ機構(3速段のときの駆動力伝達系を
含む)の斜視図である。
【図8】油圧調整装置の要部の油圧回路図である。
【図9】故障判定制御のルーチンのフローチャートであ
る。
【図10】別実施形態に係る自動変速機の構成図であ
る。
【図11】図10の自動変速機における変速段毎の摩擦
締結要素の締結や作動の状態を示す図表である。
【符号の説明】
1 エンジン 2 自動変速機 3 トルクコンバータ 4 変速ギヤ機構 47 オーバーラン・クラッチ 50 油圧調整装置 51 制御ユニット 52 ディスプレイ 53 車速センサ 72 オーバーラン・クラッチ・ソレノイド 76 オーバーラン・クラッチ・コントロール・
バルブ 100 自動変速機 122 コーストクラッチ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 締結によりエンジンブレーキの作動を可
    能にするコースト走行用摩擦締結要素と、このコースト
    走行用摩擦締結要素の締結状態を変更する締結状態制御
    手段と、そのコースト走行用摩擦締結要素の締結が許可
    されない特定変速段のときコースト走行用摩擦締結要素
    が締結されたときには他の変速段に切換える切換え手段
    とを有する自動変速機において、 前記締結状態制御手段の故障を判定する故障判定手段
    と、 前記故障判定手段で判定された故障をドライバーへ報知
    する報知手段と、 を備えたことを特徴とする自動変速機の故障判定装置。
  2. 【請求項2】 前記故障判定手段は、特定変速段におけ
    るコースト走行状態のときのエンジン回転数に基づいて
    故障を判定することを特徴とする請求項1に記載の自動
    変速機の故障判定装置。
  3. 【請求項3】 前記故障判定手段に所定車速以上のとき
    だけ判定を許可する判定規制手段を設けたことを特徴と
    する請求項2に記載の自動変速機の故障判定装置。
  4. 【請求項4】 前記故障判定手段は、特定変速段におけ
    る変速ギヤ機構のギヤ比に基づいて故障を判定すること
    を特徴とする請求項1に記載の自動変速機の故障判定装
    置。
  5. 【請求項5】 締結によりエンジンブレーキの作動を可
    能にするコースト走行用摩擦締結要素と、このコースト
    走行用摩擦締結要素の締結状態を変更する締結状態制御
    手段とを備えた自動変速機において、 前記コースト走行用摩擦締結要素の締結が許可されない
    変速段のとき、コースト走行状態においてエンジン回転
    数が所定値以上か否か判定し、所定値以上のときに前記
    締結状態制御手段が故障であると判定する故障判定手段
    と、 前記故障判定手段で判定された故障をドライバーへ報知
    する報知手段と、 を備えたことを特徴とする自動変速機の故障判定装置。
  6. 【請求項6】 前記エンジン回転数の所定値がアイドル
    回転数であることを特徴とする請求項5に記載の自動変
    速機の故障判定装置。
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