JPH109353A - ベルト式無段変速機の制御装置 - Google Patents

ベルト式無段変速機の制御装置

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JPH109353A
JPH109353A JP15963096A JP15963096A JPH109353A JP H109353 A JPH109353 A JP H109353A JP 15963096 A JP15963096 A JP 15963096A JP 15963096 A JP15963096 A JP 15963096A JP H109353 A JPH109353 A JP H109353A
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transmission belt
belt
pressure
transmission
oil passage
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JP15963096A
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Takashi Hajima
孝志 羽島
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベルト式無段変速機においてプーリの偏摩耗
を抑制しプーリ表面の面粗度を維持する。 【解決手段】 伝動ベルトの挟圧力を制御する挟圧力制
御手段を備え、予め定められた時期において、変速に際
して前記伝動ベルトに意図的に滑りを与えるように前記
挟圧力を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ベルト式無段変速
機の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、入力軸及び出力軸にそれぞれ設け
られた可変プーリと、それら可変プーリに巻き掛けられ
た伝動ベルトとを有するベルト式無段変速機が知られて
いる。一般にこの種のベルト式無段変速機において、伝
動ベルトに滑りが発生すると動力の伝達ロスが発生する
ばかりでなく可変プーリや伝動ベルトの摩耗が大きくな
り寿命が短くなる。
【0003】この点に鑑み、特開平4−254223号
公報には、伝動ベルトの挟圧力を入力トルク(エンジン
出力トルク)や変速比に応じて制御し、これにより伝動
ベルトの滑りがなく且つ動力損失ができるだけ小さくな
るように構成したものが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一般に、伝動ベルトに
滑りがない場合でも、長年の使用に際しては可変プーリ
にその表面から少しずつ剥れていくフレッティング等の
摩耗が発生することは避けることができない。この場
合、使用頻度の高い変速比での伝動ベルトの掛り部にお
いてより多く摩耗する。このため、正常時は図7(a)
に示すようなプーリ200の形状が、偏摩耗により図7
(b)に示すようにその円錐断面形状が崩れてしまう。
その結果、伝動ベルト210の接触幅220が狭くな
り、伝動ベルト210の幅230全体での接触が得られ
なくなるという問題がある。
【0005】又、プーリの表面についても、図8(a)
に拡大して示すような表面300の面粗度であったもの
が、図8(b)に示すように表面300の凸部310が
無くなった状態となってしまう。そのため、新品時より
も高い挟圧力を加えなくては滑りが発生してしまうとい
う問題がある。
【0006】そこで、このような経時変化に対処する必
要があるが、上記文献に開示されたもののように、挟圧
力の設定の余裕値を大きくすると動力損失が大きくなっ
てしまうという問題がある。
【0007】本発明は、前記従来の問題に鑑みてなされ
たものであり、偏摩耗によるプーリの形状の変化を抑制
すると共に表面の面粗度を維持し、動力損失を小さくす
ることのできるベルト式無段変速機の制御装置を提供す
ることを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、その要旨を図
1に示すように、入力軸及び出力軸にそれぞれ設けられ
た可変プーリと、それら可変プーリに巻き掛けられた伝
動ベルトとを有するベルト式無段変速機の、該伝動ベル
トの挟圧力を制御するベルト式無段変速機の制御装置に
おいて、予め定められた時期において、変速に際して前
記伝動ベルトに滑りを与えるように前記挟圧力を制御す
る挟圧力制御手段を備えたことにより前記課題を解決し
たものである。
【0009】一般に、伝動ベルトが滑ると動力伝達ロス
が発生するため、本来伝動ベルトの滑りは防止しなけれ
ばならない。
【0010】しかしながら、本発明は、所定の期間毎
に、変速に際して伝動ベルトを故意に滑らせるようにし
た。これにより、伝動ベルトとプーリとの接触面全体を
一様に摩耗させることができ、偏摩耗を防ぐことができ
る。その結果ベルトの接触幅を常に所定幅に確保するこ
とが可能となる。
【0011】又伝動ベルトの滑りによりプーリの表面を
削り粗くすることができ、プーリ表面の面粗度を確保す
ることができる。
【0012】これらより、経時変化に対処するために挟
圧力に過度に余裕値を与える必要がなくなり、動力損失
を結果として小さくすることが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】好ましい実施の形態は、前記挟圧
力制御手段は、減速時の変速に際して、前記伝動ベルト
に滑りを与えるように前記挟圧力を制御することであ
る。
【0014】このように、減速時の変速に際して伝動ベ
ルトを滑らせる制御を行うことにより、動力伝達ロスの
影響を少なくしながら、プーリの偏摩耗の防止及びプー
リ表面の面粗度の維持を達成することができる。
【0015】以下、図面を参照して本発明のより具体的
な実施の形態の例を詳細に説明する。
【0016】図2は、本発明の適用されたベルト式無段
変速機の制御装置の概略を表わす構成図である。
【0017】図2において、エンジン10の動力はトル
クコンバータ12、前後進切換装置14、ベルト式無段
変速機(CVT)16、減速ギヤ装置18、差動歯車装
置20及び車軸22を経て駆動輪24へ伝達される。
【0018】トルクコンバータ12は、ポンプインペラ
26、タービンランナ28、ステータ30を備えてい
る。ポンプインペラ26は、エンジン10のクランク軸
32と接続されている。タービンランナ28は、トルク
コンバータ出力軸34と接続されている。エンジン10
の回転は、クランク軸32からポンプインペラ26、タ
ービンランナ28を経てトルクコンバータ出力軸34へ
伝達される。
【0019】前記前後進切換装置14は、前進ギヤ段及
び後進ギヤ段を択一的に切換える。前後進切換装置14
は、トルクコンバータ出力軸34とCVT16の入力軸
36との間において同心的に設けられている。
【0020】CVT16は、その入力軸36及び出力軸
38にそれぞれ設けられた可変プーリ40及び42と、
それら可変プーリ40及び42に巻き掛けられた伝動ベ
ルト44とを備えている。可変プーリ40及び42は、
固定回転体46及び48と、可動回転体50及び52と
からなる。固定回転体46及び48は、入力軸36及び
出力軸38にそれぞれ固定されている。可動回転体50
及び52は、入力軸36及び出力軸38にそれぞれ軸方
向の移動可能且つ軸回りの相対回転不能に設けられてい
る。
【0021】可動回転体50及び52は油圧アクチュエ
ータとして機能する一次側油圧シリンダ54及び二次側
油圧シリンダ56によって移動させられる。その結果、
可変プーリ40及び42のV溝幅即ち伝動ベルト44の
掛り径(有効径)が変更されて、CVT16の変速比γ
が変更される。一次側及び二次側油圧シリンダ54及び
56ヘは、油圧ポンプ58より油圧が供給される。この
油圧ポンプ58は、エンジン10と共に回転するポンプ
インペラ26により常時回転駆動されるようになってい
る。一次側及び二次側油圧シリンダ54及び56の油圧
は油圧制御回路60(挟圧力制御手段)によって制御さ
れる。これにより、伝動ベルト44の挟圧力が制御され
る。前記油圧制御回路60は電子制御装置(ECU)6
2によって制御される。
【0022】図3に上記油圧制御回路60の要部を示
す。
【0023】前記油圧ポンプ58はこの油圧制御回路6
0の油圧源である。油圧ポンプ58は図示しないオイル
タンク内へ環流した作動油をストレイナ70を介して吸
入する。又、油圧ポンプ58は戻し油路71を通して戻
された作動油を吸入して第1ライン油路72へ圧送す
る。この第1ライン油路72内の第1ライン油圧PL1は
第1調圧弁74によって調圧される。又、第2調圧弁7
6によって第1ライン油圧PL1が減圧されることにより
第2ライン油路77内の第2ライン油圧PL2が調圧され
る。なお、上記第1ライン油路72には、所定圧以上の
異常昇圧を防止するためのリリーフ弁78が設けられて
いる。上記第2調圧弁76は、第1ライン油路72と第
2ライン油路77の間を開閉する。
【0024】スロットル開度検知弁79はエンジン10
における要求出力即ちエンジン10のスロットル開度に
対応したスロットル圧を発生する。スロットル開度検知
弁79は、プランジャ79aを備えている。このプラン
ジャ79aは、エンジン10のスロットル弁と共に回転
させられるカムのカム面に係合してスロットル弁の変位
量に対応して軸線方向へ移動させられる。このプランジ
ャ79aの変位に対応して、スロットル開度検知弁79
は第1ライン油路72から供給される第1ライン油圧PL
1よりスロットル圧を発生させる。
【0025】変速比検知弁80はCVT16の実際の変
速比を表わす変速比圧を発生する。変速比検知弁80
は、検知棒80aを備えている。この検知棒80aは、
CVT16の入力側可動回転体50に摺接してその軸線
方向の変位量に等しい変位量だけ軸線方向へ移動させら
れる。この検知棒80aの変位に対応して、変速比検知
弁80は絞り81を通して第2ライン油路77から供給
される第2ライン油圧PL2より変速比圧を発生させる。
【0026】第3調圧弁82は、前後進切換装置14を
作動させる作動油圧及び第1電磁弁83、第2電磁弁8
4、リニアソレノイド弁85の元圧として機能する第3
ライン油圧PL3を発生させる。
【0027】リニアソレノイド弁85は、第3ライン油
路PL3を減圧することにより信号圧を発生させるもので
あって、ECU62からの駆動信号の電流値又は電圧値
の増加に関連して信号圧を連続的に増加させる。
【0028】そして、第1調圧弁74は、一次側油圧シ
リンダ54内油圧と第2ライン油圧PL2のうち高い方の
油圧によりこの油圧の増加に伴い第1ライン油圧PL1を
増大させると共に、スロットル圧の増加に伴い第1ライ
ン油圧PL1を増大させ、第2調圧弁76は、スロットル
圧の増加に伴い第2ライン油圧PL2を増大させ且つ変速
比圧の増加に伴い第2ライン油圧PL2を増減させると共
に、リニアソレノイド弁85からの信号圧に応じて信号
圧の増加に伴い第2ライン油圧PL2を減少させる。
【0029】一方、変速制御弁ユニット86は、CVT
16の変速比γを調節するために、第1ライン油圧PL1
及び第2ライン油圧PL2を元圧として一次側油圧シリン
ダ54及び二次側油圧シリンダ56を制御する。この変
速制御弁ユニット86は、変速方向切換弁87及び流量
制御弁88から構成されている。なお、前記第3ライン
油圧PL3は変速方向切換弁87及び流量制御弁88を駆
動するためのパイロット圧として用いられる。変速方向
切換弁87は、第1電磁弁83によって位置制御される
スプール弁子87aを備え、流量制御弁88は第2電磁
弁84によって位置制御されるスプール弁子88aを備
えている。
【0030】変速方向切換弁87及び流量制御弁88は
2つの油路、第1接続油路90及び第2接続油路91に
よって接続されている。変速方向切換弁87は、第1ラ
イン油路72及び第2ライン油路77に接続されてい
る。流量制御弁88は、一次側油路92によって一次側
油圧シリンダ54と接続されており、又、二次側油路9
3によって二次側油圧シリンダ56と接続されている。
【0031】又、流量制御弁88をバイパスして変速方
向切換弁87と一次側油路92とを接続する第1バイパ
ス油路94と、変速方向切換弁87及び流量制御弁88
をバイパスして第2ライン油路77と二次側油路93と
を接続する第2バイパス油路95とを備えている。
【0032】ここで変速制御は例えば次のように行われ
る。
【0033】第1電磁弁83がオン状態であり且つ第2
電磁弁84がオン状態である場合には、スプール弁子8
7a及び88aが共に図の上側に位置させられる。従っ
て第1ライン油路72内の作動油は変速方向切換弁8
7、第1接続油路90、流量制御弁88、及び二次側油
路93を順次通して二次側油圧シリンダ56へ流入させ
られる。一方、一次側油圧シリンダ54内の作動油は、
一次側油路92、流量制御弁88、第2接続油路91、
及び変速方向切換弁87を順次通してドレンへ排出され
る。
【0034】このとき二次側油圧シリンダ56は増圧さ
れるため可動回転体52は固定回転体48側へ接近す
る。従って出力側の可変プーリ42においては伝動ベル
ト44の掛り径は大きくなる。一方、一次側油圧シリン
ダ54の油圧は減圧されるため可動回転体50は固定回
転体46より離れる。従って入力側の可変プーリ40に
おいては伝動ベルト44の掛り径は小さくなる。このよ
うにしてCVT16の変速比γは減速方向へ速やかに変
化させられる。
【0035】又、この状態で第2電磁弁84がオフ状態
とされると、スプール弁子88aが下側に位置させら
れ、第2ライン油路77内の作動油が第2バイパス油路
を通して二次側油圧シリンダ56へ流入させられる。一
方、一次側油圧シリンダ54内の作動油は、その摺動部
分の隙間を通してドレンへ排出される。このときCVT
16の変速比γは減速方向へ緩やかに変化させられる。
【0036】反対に、第1電磁弁83がオフ状態であり
且つ第2電磁弁84がオン状態である場合には、スプー
ル弁子87aが図の下側に位置させられスプール弁子8
8aが図の上側に位置させられる。従って第1ライン油
路72内の作動油は変速方向切換弁87、第2接続油路
91、流量制御弁88、及び一次側油路92を順次通し
て一次側油圧シリンダ54へ流入させられる。一方、二
次側シリンダ56内の作動油は、二次側油路93、流量
制御弁88、第1接続油路90、及び変速方向切換弁8
7を順次通して第2ライン油路77へ排出される。
【0037】このとき一次側油圧シリンダ54は増圧さ
れるため可動回転体52は固定回転体46側へ接近す
る。従って入力側の可変プーリ40においては伝動ベル
ト44の掛り径は大きくなる。このようにしてCVT1
6の変速比γは増速方向へ速かに変化させられる。
【0038】又、この状態で第2電磁弁84がオフ状態
とされると、スプール弁子88aが下側に位置させら
れ、第1ライン油路72内の作動油が第1バイパス油路
74を通して一次側油圧シリンダ54へ流入させられ
る。一方、二次側油圧シリンダ56内の作動油は、第2
バイパス油路95を通して第2ライン油路77へ排出さ
れる。このときCVT16の変速比γは増速方向へ緩や
かに変化させられる。
【0039】次に本実施形態における伝動ベルト44の
挟圧力を制御するためのECU62内で実行される処理
を図4のフローチャートに沿って説明する。
【0040】図4のステップ100において、車両運転
時間が一定期間を経過した否か判定する。この一定期間
の判定のためには、車両がこれまでに実際に走行してい
る時間(車速が0より大となる時間)を積算することが
望ましいが、簡易的にイグニッションスイッチがオンと
なった回数をカウントすることで代用してもよい。
【0041】判定の結果一定期間を経過していない場合
には直ちにリターンする。一定期間経過した場合には次
のステップ110へ進み、車両が変速しているか否か判
定する。
【0042】伝動ベルト44に滑りを与える際、可変プ
ーリ40、42全面を一様に摩耗させる必要がある。従
って滑りを与えるのは、例えば定常走行から信号停止に
至る場合のように、最増速側から最減速側まで一気に減
速するような場合が望ましい。又、減速時ならば滑りに
よる動力伝達のロスが問題となることもない。車両が変
速(減速)していない場合には直ちにリターンする。
【0043】車両が変速(減速)している場合には次の
ステップ120へ進み伝動ベルト44の滑り制御を実施
する。
【0044】この滑り制御は、可変プーリ40、42全
面を均一に摩耗させるため、変速が行われている間のス
リップ率を一定にする必要がある。このため、入力側可
変プーリ40の回転数NPiと出力側可変プーリ42の回
転数NPo及び現在の理論的な変速比γ(γ=(出力側ベ
ルト接触部径)/(入側ベルト接触部径))よりスリッ
プ率を計算し、一定のスリップ率になるように制御す
る。スリップ率は次の(1)式によって計算される。
【0045】 スリップ率=1−(NPi/NPo)/γ …(1)
【0046】なおスリップ率は10〜20%程度に制御
するのがよい。
【0047】このようなスリップ率を維持するために、
伝動ベルト44のベルト挟圧力として作用する上述した
第2ライン油圧PL2を制御する。このベルト挟圧力の制
御のため、先ず、伝動ベルト44に滑りが生じないため
の第2ライン油圧PL2の最適圧であるPL2OPT を次の
(2)式によって計算する。
【0048】 PL2OPT =K1(1+γ)Te−K2・NPo2 +ΔP …(2)
【0049】ここで、K1、K2は所定の係数であり、
Teはエンジン10の出力トルク(CVT16の入力ト
ルク)である。(2)式の右辺第2項は遠心油圧の補正
項であり、第3項は余裕値(安全率)である。
【0050】次いで、ベルト挟圧力はこの計算される最
適圧PL2OPT にライン油圧補正係数KPL をかけることに
より、即ち最終的な第2ライン油圧PL2を次の(3)式
によって計算する。
【0051】PL2=KPL ・PL2OPT …(3)
【0052】そして、(3)式によって計算される第2
ライン油圧PL2となるように上述したリニアソレノイド
弁85に駆動信号を与え、即ち第2調圧弁76に作用す
る信号圧を制御する。
【0053】このライン圧補正係数KPL は、図5に示す
ようにスリップ率の変化を見ながらフィードバック制御
される。図5のグラフにおいて、比例係数(傾き)R
d、Ru及びスキップ幅Sd、Suは、車速とエンジン
回転数によるマップによって与えられる。
【0054】図5に示すように、スリップ率が小さいと
きはライン圧補正係数KPL を小さくして第2ライン油圧
PL2を下げ、より滑るようにする。又、スリップ率が大
きくなり、20%を超えるようになったら、ライン圧補
正係数KPL を大きくして第2ライン油圧PL2を上げ、滑
りを小さくする。
【0055】このように、ライン圧補正係数KPL を制御
することによりスリッブ率を一定に(例えば10〜20
%の範囲に収まるように)制御する。
【0056】そして、図6(a)に示すような最増速側
から、図6(b)に示すような最減速側まで、伝動ベル
ト44を滑らせ、プーリ表面全体を均一に摩耗させる。
【0057】伝動ベルト44は、板を重ねたものである
ため、滑りを与えた場合ベルト側が摩耗し易い。このた
め、可変プーリ40、42と伝動ベルト44の硬度に差
をつけ、ベルト側の硬度をプーリ側に対し例えばHv
(ビッカース硬度)で200程度高くするとよい。な
お、硬度差をつける方法は、材質を変えたり、同じ材質
でも熱処理を変える方法等があるが、熱処理で行う場合
には、表面からの処理深さを摩耗を与える量に対して十
分深くする必要がある。
【0058】次のステップ130において、変速動作が
終了したか否かを判定する。伝動ベルト44が最増速側
から最減速側まで滑り変速動作が終了した場合には滑り
制御を終了する。まだ変速動作が終了していない場合に
はステップ120へ戻り滑り制御を続ける。
【0059】このように本実施形態によれば、ベルトと
プーリを一定期間毎に意図的に滑らせている。その結
果、プーリの表面を削り偏摩耗を防ぐと共に、プーリ表
面の面粗度を回復させることができる。
【0060】
【発明の効果】以上説明したとおり本発明によれば、予
め定められた時期において、変速に際して伝動ベルトを
滑らせることにより、寿命の悪化を抑えながら、伝動ベ
ルトとプーリとの接触面全体を一様に摩耗させ、プーリ
の偏摩耗を防ぐことができる。その結果、伝動ベルトの
接触幅を常に所定の幅に確保することができ、伝動ベル
トの滑りによりプーリの表面を削ることでプーリ表面の
面粗度を確保することもできる。これにより経時変化に
対処するために挟圧力に過度に余裕値を持たせる必要が
なくなり、動力損失を小さくすることが可能となる。
【0061】特に減速時の変速に際して伝動ベルトを滑
らせることにより、伝動ベルトの滑りによる動力の伝達
ロスの影響を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の要旨を示すブロック図
【図2】本発明の実施形態にかかるベルト式無段変速機
の制御装置の概略を示す構成図
【図3】本実施形態の油圧制御回路の概略を示す構成図
【図4】本実施形態の伝動ベルトの滑り制御を示すフロ
ーチャート
【図5】伝動ベルトのスリップ率の制御の様子を示す線
【図6】本実施形態による伝動ベルトの滑り制御を表わ
す説明図
【図7】プーリの偏摩耗の様子を示す説明図
【図8】プーリ表面の面粗度の変化を示す説明図
【符号の説明】
10…エンジン 12…トルクコンバータ 14…前後進切換装置 16…ベルト式無段変速装置(CVT) 18…減速ギヤ装置 36…入力軸 38…出力軸 40、42…可変プーリ 44…伝動ベルト 46、48…固定回転体 50、52…可動回転体 54…一次側油圧リシンダ 56…二次側油圧シリンダ 58…油圧ポンプ 60…油圧制御回路(挟圧力制御手段) 62…電子制御装置(ECU)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力軸及び出力軸にそれぞれ設けられた可
    変プーリと、それら可変プーリに巻き掛けられた伝動ベ
    ルトとを有するベルト式無段変速機の、該伝動ベルトの
    挟圧力を制御するベルト式無段変速機の制御装置におい
    て、 予め定められた時期において、変速に際して前記伝動ベ
    ルトに滑りを与えるように前記挟圧力を制御する挟圧力
    制御手段を備えたことを特徴とするベルト式無段変速機
    の制御装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記挟圧力制御手段
    は、減速時の変速に際して、前記伝動ベルトに滑りを与
    えるように前記挟圧力を制御することを特徴とするベル
    ト式無段変速機の制御装置。
JP15963096A 1996-06-20 1996-06-20 ベルト式無段変速機の制御装置 Pending JPH109353A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US4840790A (en) * 1985-05-22 1989-06-20 L'oreal Cosmetic composition for the treatment of the hair and scalp containing in combination a poly-beta-alanine and nicotinic acid or an ester thereof
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