JPH1092976A - 高周波集積回路 - Google Patents

高周波集積回路

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JPH1092976A
JPH1092976A JP24647596A JP24647596A JPH1092976A JP H1092976 A JPH1092976 A JP H1092976A JP 24647596 A JP24647596 A JP 24647596A JP 24647596 A JP24647596 A JP 24647596A JP H1092976 A JPH1092976 A JP H1092976A
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JP
Japan
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slit
integrated circuit
transmission line
ground conductor
dielectric film
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JP24647596A
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English (en)
Inventor
Jiyunko Onomura
純子 小野村
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 逆マイクロストリップライン構造を有する集積回路にお
いて、最上層の接地導体層に伝送線路のインピーダンス
調整用のスリツトを設けたもの。 【課題】 逆マイクロストリップライン構造を有する集
積回路において、容易に回路の検査や調整が出来る構造
を提供する。 【解決手段】 逆マイクロストリップ線路構造を有する
高周波集積回路において、最上層の接地導体層15に伝
送線路のインピーダンス調整用のスリツト16を設け、
そのスリツト16を介し、任意の領域の伝送線路上の誘
電体膜14をエッチングし、膜厚を制御し、インピーダ
ンスを調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術の分野】本発明は高周波集積回路、
特にマイクロ波、ミリ波モノリシック集積回路に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ミリ波通信システムの実用化が急ピッチ
で進められている今日、マイクロ波、ミリ波帯に用いら
れる高周波集積回路(マイクロ波モノリシック集積回
路:MMIC)の小型化、高性能化は欠くことのできな
い技術となっている。小型化技術のーつに、伝送線路で
構成された整合回路部等を小型にする方法として、逆マ
イクロストリップライン構造がある。この構造は図12
(A)に示すように、最上層配線をマイクロストリップ
ライン182の接地導体層184として活用しているた
め、薄い誘電体膜183を介して接地導体層184を有
するものであり、図12(B)のように、厚い半絶縁性
半導体基板181を挟んで線路182の接地導体185
を持つマイクロストリップ線路に比べ、低インピーダン
ス線路を細い線路幅で実現することができる。さらに、
線路のアイソレーシヨンも良いため、線路間隔を狭める
ことができ、これにより回路の小型化を図ることができ
る。
【0003】すなわち、伝送線路において、線路の断面
寸法が波長に対して十分小さい時、伝送線路の特性イン
ピーダンスZ。は式 Z。=1/V。CC。 (1) で表される。ここで、V。は光速、Cは単位長さあたり
の静電容量、C。は誘電体を取り除いた場合の単位長さ
あたりの静電容量である。上述したように、逆マイクロ
ストリップ線路の場合、通常のマイクロストリップライ
ンよりも接地導体が伝送線路に近いところに設けられて
いるため、接地導体との間にエネルギが集中し易く、単
位長さあたりの静電容量が増加し易いため、線路のイン
ピーダンスは低くなる。つまり同じ特性インピーダンス
の伝送線路を得ようとすると、逆マイクロストリップラ
イン構造では、マイクロストリップライン構造より細い
線幅で実現でき、小型化が図れることになる。
【0004】ところで、通常のマイクロストリップライ
ンを用いた高周波集積回路においては、素子性能のバラ
ツキや層厚のバラツキなどの問題から、常に所望の性能
を出すということは困難とされている。そのため従来で
は、マイクロストリップライン構造、コプレーナライン
構造を有する高周波集積回路において、IC工程終了後
に、整合回路等に用いられているシヨートスタブの長さ
をボンディングワイヤーを用いて調整したり、調整用ア
イランドを設ける等の、伝送線路のインピーダンス調整
手段を用いて性能を出していた。
【0005】
【発明の解決しようとする課題】上記のように、逆マイ
クロストリップ線路構造は、小型化に有利な特性を持っ
ているが、ICの最上層に接地導体層が形成され、IC
の上面全面が金層で覆われる結果となるため、伝送線路
が形成され、IC工程が終了した時点では、従来通常の
マイクロストリップラインを用いた高周波集積回路にの
ような、歩留向上、ICの高性能化に必要とされる、I
C回路内の伝送線路インピーダンスの調整ができないと
いう問題があった。
【0006】したがって、本発明の目的は、上記の様な
問題点を解消するためになされたもので、IC工程終了
後も容易にIC回路内の伝送線路インピーダンスの調整
ができ、小型で高性能な高周波集積回路を歩留よく実現
できる手段を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、絶縁基
板上に設けられた伝送線路と、この伝送線路上に、誘電
体膜を介して前記絶縁基板表面を覆うように形成された
接地導体層と、この接地導体層の前記伝送線路の上部に
形成されたスリットと、このスリット上に着脱自在に設
けられた導電性蓋体とを備えたことを特徴とする逆マイ
クロストリップライン構造を有する高周波集積回路が得
られる。
【0008】また、本発明によれば、半導体基板上に形
成された伝送線路、トランジスタ素子あるいは受動素子
を含む集積回路と、集積回路上に、誘電体膜を介して前
記半導体基板表面を覆うように形成された接地導体層
と、この接地導体層の前記集積回路を構成する素子に対
応する位置に形成されたスリットと、このスリット上に
着脱自在に設けられた導電性蓋体とを備えたことを特徴
とする逆マイクロストリップライン構造を有する高周波
集積回路が得られる。
【0009】さらに、本発明によれば、前記導電性蓋体
は金テープであることを特徴とする前記逆マイクロスト
リップライン構造を有する高周波集積回路が得られる。
【0010】さらに、本発明によれば、半導体基板上に
形成された伝送線路、トランジスタ素子あるいは受動素
子を含む集積回路と、集積回路上に、誘電体膜を介して
前記半導体基板表面を覆うように形成された接地導体層
と、この接地導体層の前記集積回路を構成する素子に対
応する位置に形成されたスリットと、このスリット上に
着脱自在に設けられた導電性蓋体とを備え、前記スリッ
ト上に設けられた導電性蓋体を選択的に除去し、前記ス
リットを介して前記誘電体膜の少なくも一部をエッチン
グにより除去することにより、前記集積回路の電気的特
性を調整することを特徴とする高周波集積回路の製造方
法が得られる。
【0011】さらに、本発明によれば、半導体基板上に
形成された伝送線路、トランジスタ素子あるいは受動素
子を含む集積回路と、集積回路上に、誘電体膜を介して
前記半導体基板表面を覆うように形成された接地導体層
と、この接地導体層の前記集積回路を構成する素子に対
応する位置に形成されたスリットと、このスリット上に
着脱自在に設けられた導電性蓋体とを備え、前記スリッ
ト上に設けられた導電性蓋体を選択的に除去し、前記ス
リットを介して前記誘電体膜をエッチング除去して、前
記回路素子を露出させ、前記集積回路の電気的特性を検
査することを特徴とする高周波集積回路の製造方法が得
られる。
【0012】さらに、本発明によれば、前記導電性蓋体
は金テープであることを特徴とする前記逆マイクロスト
リップライン構造を有する高周波集積回路の製造方法が
得られる。
【0013】このような本発明によれば、前記インピー
ダンス調整用スリットは、集積回路製造の最終工程にお
いて、伝送線路のインピーダンス、トランジスタ素子の
特性その他の回路の電気的特性の調整あるいは測定チェ
ックを要する回路素子領域上の接地導体に適宜形成して
おくことにより、その部分に貼付された前記金属テープ
を適宜選択的に剥離し、スリットを介して前記誘電体膜
の少なくも一部を、酸素プラズマ等を用いてエッチング
除去することにより、伝送線路の所望のインピーダンス
を実現しあるいは必要な特性検査を行うことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につき図
面を参照して詳細に説明する。
【0015】図1は本発明の一実施形態である、逆マイ
クロストリップラインを有する高周波集積回路の要部構
造を示す断面図である。図1(A)〜(D)は高周波集
積回路に含まれる逆マイクロストリップラインの構造を
示す横断面図で、GaAsのような半絶縁性基板11上
に伝送線路12が形成され、この伝送線路12を含む半
絶縁性基板11上は窒化ケイ素(SiN)のようなパッ
シベーション膜13で覆われている。このパッシベーシ
ョン膜13の上にはさらに、誘電体膜層14が全面に形
成され、その上にはまた、接地導体層15が全面に形成
されている。そして図1(A)に示される逆マイクロス
トリップライン構造においては、接地導体層15の伝送
線路12の上方部分には、スリット16が形成されてい
る。
【0016】図1(B)は同様な逆マイクロストリップ
ライン構造において、スリット16をマスクとして伝送
線路12と接地導体層15との間にある誘電体膜14が
エッチングにより除去されている。また、図1(C)に
示される逆マイクロストリップライン構造は、図1
(B)の構造においてスリット開口部が金テープ17で
覆われている。そして図1(D)の逆マイクロストリッ
プライン構造は、図1(A)の構造においてスリット開
口部が金テープ17で覆われている。
【0017】このように本発明の逆マイクロストリップ
ライン構造では接地導体層15に形成されたスリット1
6と金テープ17の組み合わせにより、様々なタイプの
伝送線路を作り出すことが可能である。ここで、一例と
して誘電体膜14の膜厚を5μmとし、図1(A)の構
造を基準として図1(B)〜(D)の伝送線路12の特
性インピーダンスを比較すると次のようになる。まず、
図1(B)のタイプでは伝送線路12の上部に誘電体1
4が存在しないため、上式(1)の単位長さあたりの静
電容量Cは、図1(A)の構造に比べ小さいため、特性
インピーダンスは図1(A)の構造に対し、12%高と
なる。また図1(C)のタイプでは伝送線路12の直上
に接地導体層15に接触する金テープ17が設けられる
ため、金テープ17を含む接地導体15との間にエネル
ギが集中し、単位長さあたりの静電容量が増加するた
め、誘電体膜14は存在しないが図1(A)の構造に対
し15%低い特性インピーダンスとなる。さらに図1
(D)のタイプでは図1(C)のタイプに対して、金テ
ープ17の下側には誘電体膜14が存在するため、図1
(A)のタイプに対し、35%低い特性インピーダンス
となる。
【0018】さらに、図示しないが、伝送線路12と接
地導体層15との間の誘電体14の厚さを、連続的に変
化させることにより、低インピーダンス側にも、高イン
ピーダンス側にも、連続的にインピーダンスを変化させ
ることができる。このような手段を用いることにより、
逆マイクロストリップライン構造の高周波集積回路の性
能や電気的な諸特性の調整が可能となる。また、本発明
の逆マイクロストリップライン構造によれば、伝送線路
12上の任意の領域にスリット16を設けているため、
レーザープローブ等を利用して、高周波集積回路各部の
検査も容易に行うことができる。さらに、従来の逆マイ
クロストリップライン構造ではHEMT等の素子周りが
誘電体膜で埋められてしまうため、寄生容量が増加する
など、素子の高周波特性を劣化させる要因となっていた
が、本発明の構造では素子上の接地導体にスリットを設
けておき、このスリットをマスクとしてエッチングを行
うことにより、素子周辺の誘電体膜を容易に取り除くこ
とができ、高周波特性の劣化を押さえることが出来る。
この場合、素子は誘電体をエッチングするための酸素プ
ラズマやェッチング液等にさらされるが、SiN等のパ
ッシベーション膜13で覆われているため、問題は生じ
ない。
【0019】以上の作用により、本発明の構造をとるこ
とにより、逆マイクロストリップライン構造を有する高
周波集積回路において、容易に回路の調整や検査が出来
るようになり、小型で高性能な高周波集積回路が、歩留
よく得られるようになる。
【0020】図2は本発明をソース接地のHEMT素子
を用いた高周波回路に適用した実施例を示すICの断面
図である。同図(A)は本発明による回路のインピーダ
ンス調整前の状態を示し、同図(B)は調整後の状態を
示している。また、図1の構成と同一部分には同一の符
号を付して説明する。同図(A)に示されるように、砒
化ガリウム等の半絶縁性基板11上にHEMT素子21
が形成されている。この素子21はソース電極S、ドレ
イン電極Dおよびゲート電極Gを備えている。さらに素
子21のソース電極Sに、コンタクト22を介して接続
される、逆マイクロストリップ線路の接地導体層15が
形成されている。ここで基板11と接地導体層15との
間には、より低誘電率の樹脂性ポリイミド、例えばBC
B(bisbenzocyclobutenemonomers) で形成された保護膜
14が設けられている。さらに整合回路に用いられてい
る伝送線路12上およびHEMT素子21上の接地導体
層15には、スリット16−1、16−2が形成されて
いる。この状態でICの特性を検査し、伝送線路のイン
ピーダンス調整を行う必要のある領域を残して、その他
の領域のスリット、たとえば、スリット16−3上に
は、金テープ17を貼り付けてスリット16−3の開口
部を塞ぐ。なお、金テープ17を貼り付ける代わりに、
導電性のペーストレジストやはんだを塗布するなどして
スリットの開口部を塞いでもよい。
【0021】次にRIEなどの酸素プラズマによるエッ
チング法を用いて、図1(B)に示すように、スリット
16−1、16−2をマスクとして、伝送線路12ある
いはHEMT素子21のゲート電極G周囲の保護膜15
をエッチング除去する。このように伝送線路12と接地
導体層15の間の誘電率を調整することにより、伝送線
路上の任意の領域の特性インピーダンスを変化させるこ
とができ、ICの特性の調整が可能となる。また、この
際同時に、HEMT素子21のゲート電極G周囲の誘電
体膜14を除去することにより、素子21が誘電体に囲
まれていることによる、寄生容量の増加を抑えることが
できる。なお、伝送線路12や素子21とポリイミドな
どの誘電体膜14との間には窒化ケイ素(SiN)など
のパッシベーシヨン膜13が形成されている。
【0022】図3は図2に示した本発明のHEMTを含
むマイクロ波高周波集積回路の製造プロセスを示すIC
の断面図である。以下同図により本発明のICの製造方
法を説明する。
【0023】図3(A)は図2に示したHEMT素子2
1の製造に用いられる積層構造ウエハを示している。ま
ずGaAs等の半導体基板31の上にバッフア層32、
チャネル層33、スペーサ層34、電子供給層35、シ
ヨットキーコンタクト層36、オーミックコンタクト層
37をMBE法により順次成長していく。チャネル層3
3はアンドープ層であって、電子供給層35から電子が
供給されて、ここに二次元電子ガスが形成されることに
なる。このように結晶成長を行った基板の素子形成領域
以外の部分をエッチングして素子分離を行った後、図3
(B)に示すようにSiO2 膜38を堆積してパタ−ニ
ングし、ソース・ドレイン領域にオーミック電極39、
40を形成する。続いて図3(C)に示すように、ゲー
ト領域に開口を持つフオトレジスト・パターン(図示せ
ず)を形成し、このフオトレジストバ夕一ンを用いてゲ
ート領域のオーミックコンタクト層37をエッチング除
去し、ショットキーコンタクト層36を露出させる。そ
してゲート電極材料を蒸着し、リフトオフ加工をして断
面形状がT型のグート電極41を形成する。
【0024】次に図3(D)に示すように、フオトレジ
ストをコーティングし、伝送線路や各端子の引き出し配
線領域のパターニングをする。そして配線材料を蒸着
し、リフトオフ法により、配線42を形成する。このあ
と、CVD法により、全面にSiNパッシベーション膜
43を堆積させる。
【0025】さらに図3(E)に示すように、ソース電
極39が接続される配線42の領域のSiNパッシベー
ション膜43にコンタクトホール44を開け、BCB等
のポリイミド45をコーティング、硬化させる。つぎに
フオトレジスト46をコーティングし、ソース電極39
が接続される配線42の領域をパタ−ニングし、RIE
によりポリイミド45をエッチングする。
【0026】次にフォトレジスト46を剥離し、図3
(F)に示すように、再度コーティングし直したフオト
レジスト(図示せず)で、任意の位置にスリットが形成
される接地導体層領域をパタ−ニングする。そして接地
導体層材料を蒸着し、リフトオフ工程により、スリット
16−1、16−2、16−3を有する接地導体層15
を形成する。この際ソース電極39が接続される配線4
2と接地導体層15とを接続するコンタクト導体22も
同時に形成される。
【0027】以上で、ICの製造工程は一応終了する。
ここでICを検査し、調整が必要なICに関しては、図
3(G)に示すように、インピーダンスの調整が必要と
される伝送線路領域を除いて金テープ17でスリット1
6−3を覆う。次にRIEなどの酸素プラズマによるエ
ッチング法を用いて、酸素プラズマにさらされた、スリ
ット16−1、16−2下のポリイミド45をエッチン
グする。
【0028】さらに図4には、本発明をソース接地のH
EMTを用いた低雑音増幅器に適用した実施例の上面図
を示す。この増幅器は砒化ガリウム等の半絶縁性基板5
1上に上述したような半導体プロセスを用いて形成され
ている。入力端子52から入力された信号は伝送線路5
3を介してソース接地HEMT54のゲート電極に供給
される。伝送線路53にはインピーダンスマッチング用
のスタブ55が接続されている。HEMT54のゲート
電極にはゲートバイアス端子56からバイアス電圧が供
給されている。HEMT54のゲート電極とゲートバイ
アス端子56を接続する伝送線路58にはインピーダン
スマッチング用のラジアルスタブ59が設けられ、ま
た、伝送路の一端は抵抗とキヤパシタンスおよび図面に
対して垂直方向に延長されるコンタクト60を介して増
幅器最上面に設けられた接地導体61に接続されてい
る。HEMT54のソース電極も同様なコンタクト62
を介して増幅器最上面に設けられた接地導体61に接続
されている。HEMT54のドレイン電極にはドレイン
バイアス端子63から伝送線路64を介してバイアス電
圧が供給されている。この伝送路64にもインピーダン
スマッチング用のラジアルスタブ59が設けられてい
る。HEMT54のドレイン電極には、さらに、伝送線
路65を介して出力端子66が接続されるとともに、出
力インピーダンス調整用のスタブ67が接続されてい
る。
【0029】このような低雑音増幅器において、伝送線
路53、スタブ55、伝送線路64、65、スタブ67
上のに接地導体61にインピーダンス調整用スリット6
8が形成され、さらに伝送線路65およびスタブ67上
のスリット68は金テープ69により閉塞されている。
また、HEMT54上のに接地導体61には寄生容量調
整用のスリット70が設けられている。図示のように線
路の長手方向に対しスリットの長手方向は垂直になって
おり、またスリットはある間隔で幾つか並んでいる。こ
うすることにより、広い範囲で誘電体層を調整すること
が出来、大きなインピーダンス変更が出来る。
【0030】図5は本発明の他の実施形態を示すHEM
Tを含むマイクロ波高周波集積回路の断面図である。こ
の実施形態においては、回路の調整の為のポリイミド4
5のエッチングを、1回だけでなく何回かに分けて段階
的に行うことにより、インピーダンス調整を行った線路
領域12−1と12−2上ではポリイミド45のエッチ
ング量が異なり、インピーダンスの変化分が異なってい
る。
【0031】これは、ポリイミド45のエッチングを2
回に分けて行っており、一回目には、金テープ17−1
のみを張り付けてエッチングを行い、線路領域12−2
上のポリイミド45を所望の厚さにまでエッチングす
る。このとき、ポリイミド45のエッチング量は時間で
制御することが出来る。次に線路領域12−2上のスリ
ットに金テープ17−2を張り付け、再度RIEにより
ポリイミド45をエッチングし、線路領域12−1上の
ポリイミド45をパッシベーシヨン膜13が露出するま
で除去する。
【0032】図6は、図4と同様に、本発明をソース接
地のHEMTを用いた低雑音増幅器に適用した他の実施
例の上面図を示す。この実施例で図4の実施例と異な
り、調整用スリット71を、伝送線路53、58、6
5、67上に、スリットの長手方向が伝送線路と平行に
設けられていることを特徴とするものである。このよう
な構成は長い高インピーダンスラインを得ようとすると
きに有利となる。また、これらのスリット71の一部に
金テープ72をはることで、様々なインピーダンスを作
ることも出来る。なお、その他の部分は図4と同じであ
るため、対応する構成部分には同一符号を付し、説明は
省略する。
【0033】図7は図6の一点鎖線L1−L2に沿った
断面図である。伝送線路53上のスリット71にはその
長手方向の寸法より小さな幅の金テープ72が貼られて
いるため、金テープ72の下部にはポリイミド45が一
部残留している。
【0034】図8は本発明のさらに他の実施形態を示す
HEMTを含むマイクロ波高周波集積回路の断面図であ
る。この実施形態は、上述の実施形態と同様にインピー
ダンス調整をした後、再び薄い金テープ81をIC全面
にはり直し、その上にさらに第2のポリイミド層82を
介して第2のマイクロストリップ伝送線路83を形し、
多層配線構造の回路に発展させたものである。同図にお
ける他の構成部分については図1、図2あるいは図5の
対応する部分と同じ符号を付し、詳細な説明を省略す
る。
【0035】なお、薄い金テープ81をIC全面にはり
直す代わりに、基板の裏面が接地導体として作成された
他のICを第2のポリイミド層82に接着剤などで接着
してもよい。
【0036】図9は本発明を高周波集積回路(IC)実
装基板に適用した実施例の上面図で、図10は図9の一
点鎖線A−A´に沿う断面図である。実装基板91の伝
送線路92はポリイミドなどの樹脂層93を用いて多層
化されており、最上層が接地導体94となっている。I
C95、96は基板91に図10に示すように、バンプ
97を介してフリップチップ実装されている。
【0037】IC95、96間のインピーダンス整合を
取るための伝送線路92上の接地導体94には、インピ
ーダンス調整用の複数のスリット98が形成されてい
る。これらのスリット98はIC95、96の特性のバ
ラツキにより、調整が必要とされる伝送路92上の位置
に形成されている。このようにすることにより、複数個
のICを基板上に実装し、構成したモジュール全体の調
整が可能となる。
【0038】この実施例では、ICの実装をフリップチ
ップ実装法によったが、ワイヤーボンディングにより基
板とICを接続してもよいことはいうまでもない。ま
た、基板はセラミック基板、樹脂基板、Siウェハな
ど、どのような基板に対しても適用可能である。
【0039】また、量産化に向けては、ウエハ面内の素
子の特性の分布が解析できたところで、ウエハの面内分
布に沿って、調整箇所を指定することにより、一度にウ
エハ全面の調整が可能となる。
【0040】図11は本発明を逆マイクロストリッブ線
路を用いた高周波フィルターに適用した実施形態を示す
上面図である。この高周波フィルターは互いに平行に離
間配置された3本の逆マイクロストリップ線路141、
142、143で構成されている。これらの線路のう
ち、隣接する線路141、142はそれぞれ線路幅が使
用波長λの1/4の長さの間で拡大された結合領域14
4を備えている。また、線路142、143も同様な結
合領域145を備えている。この結合領域145長さは
前記使用波長λとはわずかに異なる波長λ´の1/4に
選定し、所定の帯域幅をもたせている。このようなスト
リップ線路フィルターにおいて、図示のように各逆マイ
クロストリップ線路の結合領域内の任意の位置の上方に
位置する接地導体層146に円形のインピーダンス調整
用スリット147を設けることにより、フィルターの性
能を調整することができる。
【0041】以上説明した本発明の実施形態において
は、HEMTを用いた高周波集積回路について述べてき
たが、本発明はこの他の素子、たとえば縦形構造のバイ
ポーラトランジスタ全般に応用可能である。またこれら
の素子や発光、受光素子をも組み込んだ集積回路に関し
ても利用できる。
【0042】以上の説明においては、インピーダンス調
整用のスリットを、主として回路内のインピーダンスマ
ッチング用の伝送線路やスタブ上の接地導体に形成する
場合について説明したが、回路内の抵抗やキャパシタン
ス上の接地導体にも同様なスリットを形成し、このスリ
ットを介して抵抗を構成する金属層や、キャパシタンス
を構成する電極金属層をレーザー等により剥離すること
により、整合インピーダンスを変化させ、回路の特性の
調整を行うこともできる。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の構造をと
ることにより、逆マイクロストリッブライン構造を有す
る高周波集積回路において、容易に回路の調整や検査が
出来るようになり、小型で高性能な高周波集積回路が得
られるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である、逆マイクロストリ
ップラインを有する高周波集積回路の要部構造を示す断
面図である。
【図2】本発明をソース接地のHEMT素子を用いた高
周波回路に適用した実施例を示すICの断面図である。
同図(A)は本発明による回路のインピーダンス調整前
の状態を示し、同図(B)は調整後の状態を示してい
る。
【図3】図2に示した本発明のHEMTを含むマイクロ
波高周波集積回路の製造プロセスを示すICの断面図で
ある。
【図4】本発明をソース接地のHEMTを用いた低雑音
増幅器に適用した実施例の上面図を示す。
【図5】本発明の他の実施形態を示すHEMTを含むマ
イクロ波高周波集積回路の断面図である。
【図6】図4と同様に、本発明をソース接地のHEMT
を用いた低雑音増幅器に適用した他の実施例の上面図を
示す。
【図7】図6の一点鎖線L1−L2に沿った断面図であ
る。
【図8】本発明のさらに他の実施形態を示すHEMTを
含むマイクロ波高周波集積回路の断面図である。
【図9】本発明を高周波集積回路(IC)実装基板に適
用した実施例を示す上面図である。
【図10】図9の一点鎖線A−A´に沿う断面図であ
る。
【図11】本発明を逆マイクロストリッブ線路を用いた
高周波フィルターに適用した実施形態を示す上面図であ
る。
【図12】従来のマイクロストリップラインの構造を示
す断面図で、(A)は逆マイクロストリップラインの構
造を、また、(B)は通常のマイクロストリップライン
の構造を示す図である。
【符号の説明】
11 半絶縁性基板 12 伝送線路 13 パッシベーション膜 14 誘電体膜層 15 接地導体層 16 スリット 17 金テープ 21 HEMT素子 22 コンタクト

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁基板上に設けられた伝送線路と、こ
    の伝送線路上に、誘電体膜を介して前記絶縁基板表面を
    覆うように形成された接地導体層と、この接地導体層の
    前記伝送線路の上部に形成されたスリットと、このスリ
    ット上に着脱自在に設けられた導電性蓋体とを備えたこ
    とを特徴とする逆マイクロストリップライン構造を有す
    る高周波集積回路。
  2. 【請求項2】 半導体基板上に形成された伝送線路、ト
    ランジスタ素子あるいは受動素子を含む集積回路と、集
    積回路上に、誘電体膜を介して前記半導体基板表面を覆
    うように形成された接地導体層と、この接地導体層の前
    記集積回路を構成する素子に対応する位置に形成された
    スリットと、このスリット上に着脱自在に設けられた導
    電性蓋体とを備えたことを特徴とする逆マイクロストリ
    ップライン構造を有する高周波集積回路。
  3. 【請求項3】 半導体基板上に形成された伝送線路、ト
    ランジスタ素子あるいは受動素子を含む集積回路と、集
    積回路上に、誘電体膜を介して前記半導体基板表面を覆
    うように形成された接地導体層と、この接地導体層の前
    記集積回路を構成する素子に対応する位置に形成された
    スリットと、このスリット上に着脱自在に設けられた導
    電性蓋体とを備え、前記スリット上に設けられた導電性
    蓋体を選択的に除去し、前記スリットを介して前記誘電
    体膜の少なくも一部をエッチングにより除去することに
    より、前記集積回路の電気的特性を調整することを特徴
    とする高周波集積回路の製造方法。
JP24647596A 1996-09-18 1996-09-18 高周波集積回路 Pending JPH1092976A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015018938A (ja) * 2013-07-11 2015-01-29 セイコーエプソン株式会社 半導体装置、半導体装置の製造方法、電子機器、および移動体

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JP2015018938A (ja) * 2013-07-11 2015-01-29 セイコーエプソン株式会社 半導体装置、半導体装置の製造方法、電子機器、および移動体

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