JPH1092688A - 保安機構付き金属化フィルムコンデンサ - Google Patents

保安機構付き金属化フィルムコンデンサ

Info

Publication number
JPH1092688A
JPH1092688A JP24175196A JP24175196A JPH1092688A JP H1092688 A JPH1092688 A JP H1092688A JP 24175196 A JP24175196 A JP 24175196A JP 24175196 A JP24175196 A JP 24175196A JP H1092688 A JPH1092688 A JP H1092688A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
metallized
capacitor
security mechanism
electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP24175196A
Other languages
English (en)
Inventor
Mitsumasa Oku
光正 奥
Toshiyuki Nishimori
敏幸 西森
Hidekazu Wada
英一 和田
Yutaka Tanaka
豊 田中
Shigeo Okuno
茂男 奥野
Masatoshi Shibuya
正俊 渋谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP24175196A priority Critical patent/JPH1092688A/ja
Publication of JPH1092688A publication Critical patent/JPH1092688A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 乾式の保安機構付き金属化フィルムコンデン
サにおいて、高温領域での保安機構の動作性を向上する
ことを目的とする。 【解決手段】 対向する二極の金属蒸着電極5、5′
と、誘電体とを備えたコンデンサであって、少なくとも
一極の該金属蒸着電極が分割電極8で、かつ、誘電体に
少なくとも一葉のSPSフィルムを備えた保安機構付き
金属化フィルムコンデンサとすることにより、特に高温
での保安機構の動作性が著しく改善される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、交流用途で用いる
保安機構付き金属化フィルムコンデンサに関する。即
ち、交流用途で特に必要とされるコンデンサの保安性
を、所謂、保安機構で達成した金属化フィルムコンデン
サに関する。さらに詳しくは、分割電極を備えた保安機
構付きコンデンサの改良に関し、特に高温での保安機構
の動作性を著しく改良するものである。このコンデンサ
の定格は、主に100V以上の商用周波の交流用途で用
いられ、単体のコンデンサとしては、概略0.1〜10
0μFに設計されて用いられる場合が多い。また具体的
用途としては、特に高温度に曝される水銀灯の放電灯安
定器に適する。この他、蛍光灯などの放電灯安定器、エ
アコン、コンプレッサ、洗濯機、扇風機などのファンや
その他のモータ応用製品をはじめ、電子レンジ、各種電
源装置、低圧進相コンデンサなどに適用されることがで
きる。
【0002】
【従来の技術】従来より、これらの用途に用いられる、
分割電極を用いた、保安機構付き金属化フィルムコンデ
ンサの1例としては、概略、図1のような巻回型と図2
のような積層型があり、巻回型では、分割電極とするた
めの電極の分割を、蒸着膜空白部で成る分割線で構成す
るものであった。この分割電極については図3のような
単純型と、図4のような電流パス部を付加した型などが
あり、さらに、この電流パス部に関しては、一つの分割
電極当たりの電流パス部の数が、一カ所に集中したもの
図1と複数カ所に分散したもの図4などがあった。一
方、積層型では、金属化フィルムを例えば、ほぼ方形に
切断したものを積み重ねた構造を取るため、これで実質
的に分割電極構造は構成できるが、保安機構の動作性を
改善するために、前述の分割線や電流パス部を併用し、
個々の分割電極のヒューズ電流値を適切に設定すること
もなされてきた。これらのコンデンサの誘電体フィルム
としては、主にポリプロピレン(以下、PPと略記す
る)やポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略
記する)が単独で、あるいは、組み合わせて用いられる
場合が多かった。
【0003】これらの保安機構の動作メカニズムは次の
通りである。一般に、蒸着電極を用いたフィルムコンデ
ンサではよく知られている通り自己回復性があり微小な
局部小破壊はこの自己回復性でコンデンサ特性を維持す
ることが可能であった。しかし、大きめで連続的な局部
小破壊が起こると、この自己回復性にも限度があり、コ
ンデンサが破壊して発煙や発火に至ることがあった。保
安機構は、このような破壊に対応するもので、局部小破
壊の発生した部分の分割電極だけ、大多数の正常なコン
デンサ部分から分離できる構造に特徴がある。この構造
では、局部小破壊が連続的に発生することが抑制され、
コンデンサの全破壊が防止されることとなる。
【0004】また、一方、従来よりシンジオタクチック
ポリスチレンフィルムの耐熱性を利用して、特に耐ハン
ダ耐熱性に優れた金属化フィルムコンデンサが特開平3
−124750号公報に開示され、またシンジオタクチ
ックポリスチレンフィルムに薄膜をコーティングしてフ
ィルム耐電圧を向上したフィルムが特開平7−1615
72号公報に開示されている。しかしこれらはいずれも
一般的なコンデンサで、保安機構付きコンデンサについ
てのものでない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の保安機構付きコ
ンデンサは、比較的低い温度領域(例えばJIS C−
4908で使用温度が規定された85゜C以下のもの)
で、優れたコンデンサ特性と保安機構が発揮されたが、
例えば、90゜C以上の高温度領域では、保安機構の動
作率が低下するのが課題であった。すなわち、高温で
は、コンデンサ素子が収縮し、締まりが大きくなるた
め、局部小破壊時に発生する分解ガスの逃げ場がなくな
り、保安機構が順次動作する前に、瞬時に、コンデンサ
の全破壊(発煙や発火を伴う)に至るものである。この
場合、従来の誘電体構成では、高温で誘電体が軟化し、
誘電体そのものの絶縁耐力が低下する。そして、誘電体
全体で漏れ電流が増大し、このジュール発熱で誘電体が
溶融して遂には、発煙や発火に到る時もあり、この場
合、保安機構の動作性は極めて低くなる。
【0006】この原因は未だ十分には解明されていない
が、低温での局部破壊時には、ヒューズ部を電気的に断
路するに足り得るパルス電流(局部破壊時の、誘電体と
電極の特異な状態と配置に起因する特異な電流)が発生
するのに対して、上記のような高温での破壊において
は、十分なパルス電流が発生せず、またヒューズ部を断
路するに十分な電流も発生しないことが大きな問題であ
った。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決すべく鋭意研究の末、図らずも以下の手段によ
り、上記課題を解決することを見出し発明に至った。
【0008】すなわち、本発明は、対向する二極の金属
蒸着電極と、誘電体とを備えたコンデンサであって、少
なくとも一極の該金属蒸着電極が分割電極で、かつ、誘
電体に少なくとも一葉のシンジオタクチックポリスチレ
ンフィルムを備えた保安機構付き金属化フィルムコンデ
ンサである。
【0009】さらに本発明は、シンジオタクチックポリ
スチレンフィルムの両面が金属化され分割電極が形成さ
れたフィルムと、合わせフィルムとして非金属化シンジ
オタクチックポリスチレンフィルムを重ねて巻回した保
安機構付き金属化フィルムコンデンサである。
【0010】さらに本発明は、ポリプロピレンフィルム
の片面が、金属化され分割電極が形成されたフィルム
と、片面が金属化されたシンジオタクチックポリスチレ
ンフィルムを重ねて巻回した保安機構付き金属化フィル
ムコンデンサである。
【0011】さらに、本発明は、電流パス率が0.2〜
20%の電流パス部を設けた分割電極を備えた保安機構
付き金属化フィルムコンデンサである。
【0012】また、本発明は、各分割電極とメタリコン
(金属溶射電極)間のヒューズ電流値が10ミリアンペ
ア〜1000ミリアンペアの保安機構付き金属化フィル
ムコンデンサである。
【0013】金属蒸着電極は、2〜6Ω/□のアルミニ
ウム蒸着電極か、あるいは、主電極部において8〜50
Ω/□で、メタリコン接触近傍部において2〜7Ω/□
の亜鉛の段付き蒸着電極であることが望ましい。
【0014】さらに、巻回型コンデンサの場合、巻芯
(ボビン)部材の熱変形温度が120〜200゜Cであ
ることが望ましい。
【0015】また、巻回型コンデンサ素子の外巻フィル
ムに、誘電体として用いるシンジオタクチックポリスチ
レンフィルムより、熱収縮率が大きなフィルムを備える
ことが望ましい。さらに、本発明は、少なくとも一部の
分割電極が、金属化フィルムの機械的切断により形成さ
れた積層型の保安機構付き金属化フィルムコンデンサで
ある。
【0016】さらに、シンジオタクチックポリスチレン
フィルム化率が33%以上である保安機構付き金属化フ
ィルムコンデンサである。
【0017】
【発明の実施の形態】この作用メカニズムはまだ充分に
は解明されていないが、次のことが考えられる。
【0018】まず、第一は、シンジオタクチックポリス
チレンフィルム(以下、SPSフィルムと略称する)
が、少なくともコンデンサ素子の一層置きに配置され、
その高温(例えば100〜150゜C)での高弾性率と
高い熱変形温度のため、破壊時に従来のコンデンサ素子
構成でみられた多層に渡る連続的な誘電体の軟化、ある
いは溶融が避けられることとなり、結果的に保安機構の
動作性が著しく改善されるメカニズムが考えられる。第
二は、コンデンサ素子の高温状態での締まりが緩和でき
ることにより、局部小破壊による発生ガスを容易に拡散
できる逃げ場を提供でき、従って、局部破壊のエネルギ
ーを緩和して、突発的な異常破壊(保安機構が動作する
前に瞬時に爆発したり、保安機構が動作できない状態に
至ること)に至るのを未然に防止することができる。こ
れには、シンジオタクチックポリスチレンフィルムの高
温での低収縮性と高温での高弾性率が寄与するものと考
えられる。
【0019】次に各実施の形態において具体的に説明す
るが、本発明は基本的な技術思想が同一である限り以下
の実施の形態に限定されるものでない。
【0020】(実施の形態1)シンジオタクチックポリ
スチレンフィルム(厚さ6μm)の両面蒸着フィルムを
用いてその両面に、レーザのトリミング技術を用いて分
割電極(分割幅:20mm)を形成した。ヒューズ部は
分割電極につき1カ所で、幅が0.6mm、長さが1m
mであった。したがって、電流パス率は3%である。
【0021】ここで、電流パス率は次式で定義される。
【0022】
【数1】P=(Σdi/D)×100 ここに P:電流パス率(%) di:ヒューズ幅(mm) D:分割電極幅(mm) 蒸着金属は、アルミニウムで蒸着抵抗値は、平均3.5
Ω/□であった。このとき、各分割電極のヒューズ部の
ヒューズ電流値は、平均47mA(30〜55mAに分
布)であった。つぎに合わせフィルムとしてシンジオタ
クチックポリスチレンフィルム(厚さ6μm)を用い重
ね合わせて(SPSフィルム化率が100%)、プラス
チック製ボビンに巻回した。SPCフィルム化率とは、
全誘電体薄葉体の中に占めるSPSフィルムの体積%で
定義する。次に、シンジオタクチックポリスチレンフィ
ルムより100゜Cに於ける熱収縮率が大きなフィルム
として、厚さ25μmのPPフィルムを採用し、外巻に
10ターン巻回し、25μFのコンデンサ素子を得た。
次に、金属溶射を施し、さらに、120゜C/真空中で
15時間予備エージングした。このとき、ボビンの材料
は、ポリプロピレンで熱変形温度が138゜C(18.
6kg/cm2荷重)のものを用いた。つぎに、電極を
取り出し、PET製のケースに格納して、エポキシ樹脂
を注型し、95゜Cで熱硬化して外装し、評価用コンデ
ンサを得た。試料数は、10個である。これらのコンデ
ンサを用いて、120゜C/AC320Vの条件の課電
試験をしたところ、全数保安機構が動作し、静電容量が
半分以下になったものの、発煙や発火は全くなく、保安
機構の動作性が充分なことが分かった。
【0023】(実施の形態2)PPフィルム(厚さ6μ
m)の片面蒸着フィルムを用いてその蒸着面に、レーザ
のトリミング技術を用いて分割電極(分割電極幅:80
mm)を形成した。ヒューズ部のパターンは図4のタイ
プで、幅が0.4mm、長さが1.5mmであった。従
って、電流パス率は、1.5%である。蒸着金属は、亜
鉛であり、段付き蒸着構造で、蒸着抵抗値は、金属溶射
接触部分が平均3.0Ω/□で、主電極部分が、15〜
30Ω/□であった。このとき、ヒューズ電流は平均9
0mA(70〜140mAに分布)であった。次に、同
じ金属を同様に蒸着したシンジオタクチックポリスチレ
ンフィルム(厚さ6μm)を重ねて(SPSフィルム率
が50%)プラスチック製ボビンに巻回した。次に、シ
ンジオタクチックポリスチレンフィルムより100゜C
に於ける熱収縮率が大きなフィルムとして、厚さ25μ
mのPPフィルムを採用し、外巻に10ターン巻回し、
50μFのコンデンサ素子を得た。次に、金属溶射を施
し、さらに、120゜C/真空中で15時間予備エージ
ングした。このとき、ボビンの材料は、ポリプロピレン
で熱変形温度が130゜C(18.6kg/cm2荷重)
のものを用いた。つぎに、電極を取り出し、PBT製の
ケースに格納して、エポキシ樹脂を注型し、95゜Cで
熱硬化して外装し、評価用コンデンサを得た。試料数
は、10個である。これらのコンデンサを用いて、11
0゜C/AC320Vの条件の課電試験をしたところ、
全数保安機構が動作し、静電容量が半分以下になったも
のの、発煙や発火は無く、保安機構の動作性が充分なこ
とが分かった。
【0024】
【比較例1】PPフィルム(厚さ6μm)の片面蒸着フ
ィルムを用いてその蒸着面に、レーザのトリミング技術
を用いて分割電極を形成した。ヒューズ部のパターンは
図4のタイプで、幅が0.4mm、長さが1.5mmで
あった。蒸着金属は、亜鉛で、段付き蒸着構造で、蒸着
膜抵抗値は、金属用射接触部分が平均3.0Ω/□で、
主電極部分が、15〜30Ω/□であった。この片面蒸
着PPフィルムを2枚重ねて(SPSフィルム化率が0
%)プラスチック製ボビンに巻回した。次に、厚さ25
μmのPPフィルムを外巻として10ターン巻回し、5
0μFのコンデンサ素子を得た。次に、金属溶射を施
し、さらに、120゜C/真空中で15時間予備エージ
ングした。このとき、ボビン材料は、ポリプロピレンで
熱変形温度が130゜C(18.6kg/cm 2荷重)
のものを用いた。つぎに、電極を取り出し、PBT製の
ケースに格納して、エポキシ樹脂を注型し、95゜Cで
熱硬化して外装し、評価用コンデンサを得た。試料数
は、10個である。これらのコンデンサを用いて、11
0゜C/AC320Vの条件の課電試験をしたところ、
保安機構が動作したものは、2個だけで、他の8個は発
煙し発火に至り、保安機構の動作性が充分でないことが
分かった。
【0025】(比較例2)比較例1で用いた分割電極を
形成した片面蒸着PPフィルムと、分割電極の無い一般
電極図5のPETフィルム(厚さ6μm)2枚重ねて
(SPSフィルム化率が0%)プラスチック性ボビンに
巻回した。蒸着電極は、いずれも亜鉛の段付きであっ
た。あとは、比較例1と全く同様にして、25μFのコ
ンデンサを10個作成し、試験に供したところ、保安機
構が動作したのは1個だけで、他の9個は、発煙し発火
に至り、保安機構の動作性が十分でないことが分かっ
た。
【0026】これらの実施の形態では、SPSフィルム
と組み合わす誘電体フィルムとして、PPの例を挙げて
説明したが、本発明はこれらに限定されるものではな
く、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、
ポリエチレン、ポリスチレン、ポリフッ化ビニリデン、
ポリエーテルエーテルケトンなどのフィルムを用いるこ
ともできる。また、誘電体フィルムの厚さは、特に限定
するものではないが1から30μmの範囲で用いられ、
特に4〜10μmが本発明の硬化が著しく現れる。とり
わけ、SPSフィルム化率が33%以上で硬化が発現
し、50〜100%で本発明の効果が著しく現れる。
【0027】また、蒸着電極に用いる金属材料として
は、アルミニウム、亜鉛、錫、金、銀、インジウム、銅
などの中から選ばれ、単独で、あるいは、多層にして、
また、複数種類の合金や混合物として蒸着され用いられ
ることができる。アルミニウム電極では、抵抗値が2〜
6Ω/□の範囲で用いられるが特に2.5〜4Ω/□が
好ましい。また、亜鉛や合金の段付き電極では、金属溶
射接触部が2〜7Ω/□で、主電極部が8〜50Ω/□
の範囲で使われることが特に、15〜30Ω/□が好ま
しい。
【0028】亜鉛蒸着の場合、下地に薄く他の金属を蒸
着することが行われる(いわゆる核蒸着)が、この核材
料には銅、銀、アルミニウム、錫、インジウムなどが用
いられ、とりわけ銅、銀それにアルミニウムが有効であ
り、なかでも銅が格別にすぐれていた。
【0029】一方、分割電極に関しては、二極のうち、
最低一極で効果が発揮されるため、一極だけ分割電極に
しても、二極とも分割電極にしてもどちらでもよい。S
PSとPPが組み合わされる場合は、PPに分割電極が
施されてもSPSに分割電極が施されてもよいが、PP
に分割電極が施されるのが望ましい。理由は、金属溶射
による電極導出が優れるためである。
【0030】電流パス率は、0.2〜20%の間で用い
られ、特に0.5〜5%が好ましく、段付き電極を採用
するときには、0.5〜1.9%が最も望ましいことが
わかった。
【0031】次に、ここの分割電極のヒューズ電流値
は、10mA〜1000mAの範囲で用いられ、特に、
30〜200mAが、SPSフィルムと組み合わされる
本発明では好ましいことがわかった。亜鉛の段付き蒸着
電極を使用するときは、特に、10mA〜300mAで
用いられ、30〜120mAが特に好ましいことがわか
った。10mA以下になると、コンデンサの実稼働中に
容量減少する現象が現れるため好ましくない。
【0032】分割線とマド部の蒸着膜除去部の形成に
は、レーザや放電による蒸着膜のトリミング技術や、油
成分や型を用いたマスキング蒸着技術が応用されること
ができる。
【0033】本発明の実施の形態では、図4のように分
割線6が蒸着膜を完全に分断する分割電極の例を示した
が、これに限らず、分割線6がマド部7で終わる(所謂
Tマージン)構造の分割電極であっても同様の効果が得
られる。
【0034】本発明の実施の形態では、外巻フィルムと
して、PPフィルムの例を示したが、これ以外に、ポリ
スチレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリ塩化ビニリデンなどのフィルムが用いられ、好
適である。
【0035】本発明では、巻芯にはプラスチックなどの
フィルム(あるいはシート)や成型ボビンが用いられ、
とりわけ巻芯部に位置する部材(必ずしもボビンとは限
らない)の熱変形温度が120〜200゜Cの範囲の材
料が好適であり、特に、120〜140゜Cのものが保
安機構の動作性から特に好ましいことがわかった。
【0036】本発明は、限定するものではないが、望ま
しくは最高許容温度(JIS C−4908に準じる)
が1000゜C以上のコンデンサに好適であり、110
〜150゜Cのコンデンサに適用するのが最適である。
本発明の実施の形態では、主に巻回型コンデンサの例を
示したが、これは図2で示した積層型に適用しても同様
の効果を発揮することがわかった。
【0037】
【発明の効果】近年、乾式の金属化フィルムコンデンサ
に対する要望が増大する中で、保安機構の信頼性をさら
に向上することが大きな課題となっている。特に、従来
の課題であった高温領域での保安機構の信頼性を確保す
る本発明は、安全性の社会的影響の大きさを考慮する
に、極めて重要な発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における保安機構付き金属
化フィルムコンデンサを分解した部分を示した斜視図
【図2】本発明の別の実施の形態における保安機構付き
金属化フィルムコンデンサの斜視図
【図3】本発明で用いられる金属化フィルムの平面図
【図4】本発明で用いられる金属化フィルムの平面図
【図5】一般の金属化フィルムの平面図
【符号の説明】
1 巻芯ボビン 2 金属化フィルム 3 マージン部 4 ヒューズ部 5、5′蒸着電極 6 分割線(蒸着膜除去部) 7 マド部(蒸着膜除去部) 8 分割電極 9 金属溶射 10 誘電体フィルム(合わせフィルム)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 豊 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 奥野 茂男 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 渋谷 正俊 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】対向する二極の金属蒸着電極と、誘電体と
    を備えたコンデンサであって、少なくとも一極の該金属
    蒸着電極が分割電極で、かつ、誘電体に少なくとも一葉
    のシンジオタクチックポリスチレンフィルムを備えた保
    安機構付き金属化フィルムコンデンサ。
  2. 【請求項2】シンジオタクチックポリスチレンフィルム
    の両面が金属化され少なくとも片面に分割電極が形成さ
    れたフィルムと、合わせフィルムとして非金属化シンジ
    オタクチックポリスチレンフィルムを重ねて巻回した保
    安機構付き金属化フィルムコンデンサ。
  3. 【請求項3】ポリプロピレンフィルムの片面が、金属化
    され分割電極が形成されたフィルムと、片面が金属化さ
    れたシンジオタクチックポリスチレンフィルムを重ねて
    巻回した保安機構付き金属化フィルムコンデンサ。
  4. 【請求項4】金属化フィルムコンデンサが巻回型である
    請求項1記載の保安機構付き金属化フィルムコンデン
    サ。
  5. 【請求項5】電流パス率が0.2〜20%の電流パス部
    を設けた分割電極を備えた請求項1から3のいずれか1
    項に記載の保安機構付き金属化フィルムコンデンサ。
  6. 【請求項6】各分割電極と金属溶射電極間のヒューズ電
    流値が10ミリアンペア〜1000ミリアンペアである
    請求項1から3のいずれか1項に記載の保安機構付き金
    属化フィルムコンデンサ。
  7. 【請求項7】金属蒸着電極が2〜6Ω/□アルミニウム
    蒸着電極である請求項1から3のいづれか1項に記載の
    保安機構付き金属化フィルムコンデンサ。
  8. 【請求項8】金属蒸着電極が、主電極部において8〜5
    0Ω/□、メタリコン接触近傍部において2〜7Ω/□
    の亜鉛段付き蒸着電極である請求項1から3のいづれか
    1項に記載の保安機構付き金属化フィルムコンデンサ。
  9. 【請求項9】巻回型コンデンサの巻芯部材の熱変形温度
    が120〜200゜Cである請求項4記載の保安機構付
    き金属化フィルムコンデンサ。
  10. 【請求項10】巻回型コンデンサ素子の外巻フィルム
    に、誘電体として用いるシンジオタクチックポリスチレ
    ンフィルムより、熱収縮率が大きなフィルムを備えた請
    求項4記載の保安機構付き金属化フィルムコンデンサ。
  11. 【請求項11】シンジオタクチックポリスチレンフィル
    ム化率が33%以上である請求項1から3のいずれか1
    項に記載の保安機構付き金属化フィルムコンデンサ。
JP24175196A 1996-09-12 1996-09-12 保安機構付き金属化フィルムコンデンサ Pending JPH1092688A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24175196A JPH1092688A (ja) 1996-09-12 1996-09-12 保安機構付き金属化フィルムコンデンサ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24175196A JPH1092688A (ja) 1996-09-12 1996-09-12 保安機構付き金属化フィルムコンデンサ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1092688A true JPH1092688A (ja) 1998-04-10

Family

ID=17078999

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24175196A Pending JPH1092688A (ja) 1996-09-12 1996-09-12 保安機構付き金属化フィルムコンデンサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1092688A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013179605A1 (ja) * 2012-05-29 2013-12-05 パナソニック株式会社 フィルムコンデンサ

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013179605A1 (ja) * 2012-05-29 2013-12-05 パナソニック株式会社 フィルムコンデンサ
CN104364860A (zh) * 2012-05-29 2015-02-18 松下知识产权经营株式会社 薄膜电容器
JPWO2013179605A1 (ja) * 2012-05-29 2016-01-18 パナソニックIpマネジメント株式会社 フィルムコンデンサ
US9595389B2 (en) 2012-05-29 2017-03-14 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Film capacitor

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4459637A (en) Dielectric fluid for a capacitor
JP2006286988A (ja) 金属化フィルムコンデンサ
JPH0982562A (ja) 金属化フィルムコンデンサ
CN211907255U (zh) 一种高压薄膜电容器
CN112366082A (zh) 一种直流支撑电容器用元件
JPH1092688A (ja) 保安機構付き金属化フィルムコンデンサ
CN210110541U (zh) 一种高电压直流支撑薄膜电容器
JPH10149939A (ja) 積層型金属化フィルムコンデンサ
JP3148596B2 (ja) 巻回型金属化フィルムコンデンサ
JP2004039910A (ja) 積層型金属化フィルムコンデンサ
JPS59115510A (ja) 油浸金属化フイルムコンデンサ
JP3270597B2 (ja) コンデンサ素子及びコンデンサユニット
JP4296532B2 (ja) コンデンサ用蒸着フィルム及びそれを用いたコンデンサ
JPH09283366A (ja) コンデンサ
JPH0758658B2 (ja) 自己保安機能付コンデンサ
JPH03211809A (ja) 金属化フィルムコンデンサ
JP3764075B2 (ja) 金属化フィルムコンデンサ
JP2006286987A (ja) 金属化フィルムコンデンサ
JP2001035742A (ja) 金属化フィルムコンデンサ
JPS6022599Y2 (ja) Cr複合部品
JP2003022928A (ja) 積層金属化フィルムコンデンサ
JP2000012368A (ja) 金属化フィルムコンデンサ
JPH0745466A (ja) 金属化フィルムコンデンサ
JP2002289459A (ja) 金属化フィルムコンデンサ
JPS6127166Y2 (ja)