JPH1092672A - 移動体における非接触給電用鉄心、受電装置及び移動体 - Google Patents

移動体における非接触給電用鉄心、受電装置及び移動体

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JPH1092672A
JPH1092672A JP8266813A JP26681396A JPH1092672A JP H1092672 A JPH1092672 A JP H1092672A JP 8266813 A JP8266813 A JP 8266813A JP 26681396 A JP26681396 A JP 26681396A JP H1092672 A JPH1092672 A JP H1092672A
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Sunao Kondo
直 近藤
Masami Takasabu
正己 高三
Taiji Oodate
泰治 大立
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鉄心を使用したときに発生する渦電流による
発熱を小さく抑え、コアを欠け等の不具合の心配のない
金属製とする。 【解決手段】 案内レールを走行する搬送体に取り付け
られる受電装置を構成するE型鉄心10は、単板22を
積層して形成された2個のC型鉄心20を絶縁性の接着
材を介して突き合わせて接合することにより形成されて
いる。そのため、コイル11が巻回される中央脚部10
aはその中心線を通る接着剤からなる遮断層21により
二分割された状態にある。漏れ磁束により中央脚部10
aに発生する渦電流はその経路が遮断層21により遮断
されるために相対的に減少し、渦電流による中央脚部1
0aでの発熱が小さく抑えられるようになっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、案内レールを走行
する移動体に取り付けられ、案内レールに沿って配線さ
れた給電線を流れる交流から電磁誘導作用により電力を
取り込むための受電装置を備えた移動体における非接触
給電用鉄心、受電装置及び移動体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、天井に架設された案内レールに沿
って走行し、工場あるいは倉庫内のステーション間にお
いて荷の搬送作業をするモノレール式の搬送装置(移動
体)が提案されている。また、この種の搬送装置の給電
方法として、案内レールに配線された給電線に対向させ
た状態にピックアップユニットを移動体に取り付け、こ
のピックアップユニットを用い、給電線を流れる交流
(高周波電流)から電磁誘導作用を利用して電力を取り
込む非接触給電システムが知られている(例えば特開平
5−207606号公報等)。
【0003】この種の非接触給電システムでは、図12
に示すようにピックアップユニット81は、案内レール
に沿って相互に平行な往復経路をとって配線された2本
の給電線82を覆うように対向配置されるE型コア83
と、その中央脚部83aに巻回された受電用コイル84
とを備える。給電線82を流れる高周波電流によりE型
コア83には同図に矢印で示すような磁束の向きの磁気
回路が形成され、この磁気回路に基づきコイル84に電
流が誘起される。
【0004】しかし、従来はコア83がフェライトで形
成されていたため、その製造時における加工が困難であ
るうえ、使用時においても欠け等の問題があった。欠け
等が発生するとコア83に磁気回路が形成されない部分
ができて給電効率の低下の原因となる。そこで、コア8
3を鉄(例えばケイ素鋼等)の金属からなる強磁性材料
で製造することが考えられる。例えば図13に示すよう
にE字状のケイ素鋼等の単板85を複数枚積層させて接
合し、コア(鉄心)83を製造することが考えられる。
このような金属製のコア83とすれば、欠け等の問題が
解消される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、コイル84
に電流が誘起されたことによりコア83には、給電線8
2を流れる高周波電流によりコア83に形成された磁気
回路の主磁束と逆向きの磁束が発生するため、両者の干
渉により主磁束が乱れ、図14に示すような漏れ磁束φ
が発生する。しかしながら、コア83をケイ素鋼等の金
属製とすると、コア83の両端部(磁気回路と直交する
方向における両端部)、特にコイル84が巻回された中
央脚部83aの端面表面域に、図15に示すようにこの
漏れ磁束φによる渦電流(矢印部)Iが発生することと
なっていた。そのため、コア83の中央脚部83aの両
端面部分がこの渦電流が原因で発熱するという問題があ
った。
【0006】この中央脚部83aの端面での発熱が、コ
イル84に損傷を与える原因となる。そのため、この発
熱によるコイル84の損傷を回避するために耐熱性の高
い被覆材が使用された電線をコイル84の材料として使
用しなければならず、この場合にはピックアップユニッ
ト81の製造コストの上昇を招くという問題も招く。よ
って、従来、このような理由からコア83をケイ素鋼等
の金属製とすることは行われていなかった。
【0007】本発明は前記の問題点に鑑みてなされたも
のであって、その目的は、鉄心を使用したときに発生す
る渦電流による発熱を小さく抑え、コアを欠け等の不具
合の心配のない金属製とすることができる移動体におけ
る非接触給電用鉄心、受電装置及び移動体を提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め請求項1に記載の発明では、案内レールを走行する移
動体に取り付けられ、前記案内レールに配線された給電
線を流れる交流から電磁誘導作用により電力を得るため
の受電用コイルが巻回される鉄心であって、前記鉄心に
は、該鉄心に漏れ磁束により発生する渦電流の経路を遮
断するための遮断手段が形成されている。
【0009】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の移動体における非接触給電用鉄心において、前記遮
断手段は、前記給電線を流れる交流に基づき前記鉄心に
形成される磁気回路に直交する方向において、少なくと
も前記受電用コイルが巻回されるコイル巻取部の両端部
分に形成されている。
【0010】請求項3に記載の発明では、請求項1又は
請求項2に記載の移動体における非接触給電用鉄心にお
いて、前記遮断手段は空隙部である。請求項4に記載の
発明では、請求項1又は請求項2に記載の移動体におけ
る非接触給電用鉄心において、前記遮断手段は絶縁材も
しくは前記鉄心よりも十分高い電気抵抗を有する材質か
らなる遮断層である。ここで、鉄心よりも十分高い電気
抵抗とは、渦電流を遮断層によりほぼ分割できる程度の
抵抗値をいう。
【0011】請求項5に記載の発明では、請求項1〜請
求項4のいずれか一項に記載の移動体における非接触給
電用鉄心において、前記鉄心は、同一形状の単板が該鉄
心に形成される前記磁気回路と直交する方向に複数枚積
層されて形成されている。
【0012】請求項6に記載の発明では、請求項5に記
載の移動体における非接触給電用鉄心において、前記鉄
心は、前記単板を積層した2個のC型鉄心を前記遮断層
を挟んでE字状に接合したE型鉄心である。
【0013】請求項7に記載の発明では、受電装置に
は、前記コイル巻取部に前記受電用コイルが巻回されて
いる請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の前記鉄
心が備えられている。
【0014】請求項8に記載の発明では、請求項7に記
載の前記受電装置を備えている移動体。 (作用)従って、請求項1に記載の発明によれば、移動
体に取り付けられて使用されるときには、案内レールに
配線された給電線を流れる交流により、鉄心には磁気回
路が形成される。このとき、受電用コイルに誘起される
交流により磁気回路を構成する磁束と逆向きの磁束が形
成されるため、この磁束の乱れにより鉄心に漏れ磁束が
発生する。この漏れ磁束により鉄心には渦電流が発生し
ようとするが、発生しようとする渦電流の経路を遮断す
るように鉄心には遮断手段が形成されているため、その
電流経路が遮断されない場合に比較して相対的に発生す
る渦電流が減少する。そのため、渦電流による鉄心の発
熱が小さく抑えられる。
【0015】請求項2に記載の発明によれば、鉄心に
は、漏れ磁束による渦電流は鉄心に形成される前記磁気
回路に直交する方向における両端部分に発生し易く、特
に受電用コイルが巻回されているコイル巻取部の両端部
分には比較的大きな渦電流が発生する。遮断手段は、少
なくともコイル巻取部の両端部分に形成されているた
め、鉄心の発熱を効果的に小さく抑えることができる。
【0016】請求項3に記載の発明によれば、鉄心に形
成された空隙部により、漏れ磁束のために発生しようと
する渦電流の経路が遮断されるため、渦電流が相対的に
小さく抑えられる。その結果、鉄心の発熱が小さく抑え
られる。
【0017】請求項4に記載の発明によれば、鉄心に形
成された絶縁材もしくは鉄心より高い電気抵抗の材質か
らなる遮断層により、漏れ磁束のために発生しようとす
る渦電流の経路が遮断されるため、渦電流が相対的に小
さく抑えられる。その結果、鉄心の発熱が小さく抑えら
れる。
【0018】請求項5に記載の発明によれば、鉄心は、
同一形状の単板が鉄心に形成される磁気回路と直交する
方向に複数枚積層されて形成される。単板の積層枚数の
選択によりサイズ(長さ)の異なる鉄心を製造すること
が可能となる。つまり、異なるサイズの鉄心に単板を共
用することが可能となる。また、1種類の単板を使用す
るだけなので、材料コストが比較的安価となる。
【0019】請求項6に記載の発明によれば、E型鉄心
は、同一形状の単板を積層した2個のC型鉄心が、遮断
層を挟んでE字状に接合されて形成される。そのため、
コイル巻取部(中央脚部)に遮断層が形成されたE型鉄
心を、1種類の単板を使用するだけで製造することが可
能となる。
【0020】請求項7に記載の発明によれば、受電装置
には、コイル巻取部に受電用コイルが巻回されている請
求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の鉄心が備えら
れているため、請求項1〜請求項6のいずれか一項に記
載の発明と同様の作用が得られる。
【0021】請求項8に記載の発明によれば、移動体に
は、請求項7に記載の受電装置が備えられているため、
請求項7に記載の発明と同様の作用が得られる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施
形態を図1〜図6に基づいて説明する。図6は本実施形
態における移動体としての搬送体1を示す。同図に示す
ように、天井に架設された案内レール2には搬送体1が
懸垂状態で走行可能に配備されている。
【0023】搬送体1は前後一対の駆動輪3及び従動輪
(図示せず)と、複数組の案内輪4とを備えている。各
輪3,4等は本体1aの上部に水平面内を回動可能に設
けられた前後一対のステアリング部5上に支持されてお
り、案内レール2の曲率に応じて操舵可能となってい
る。また、駆動輪3を駆動させるための走行モータ6も
ステアリング部5上に配設されている。
【0024】案内レール2の背面(図6では右側面)に
はその長さ方向に所定間隔毎に固定された支持部材7の
先端に嵌着された状態で給電線8が支持されている。2
本の給電線8は案内レール2の終端側でループ状に繋が
っており、搬送体1の走行域では相互に所定間隔を隔し
て平行に配線されている。給電線8は地上側に設置され
た電源装置(図示せず)に接続されており、給電線8に
は高周波電流が流れるようになっている。
【0025】また、各ステアリング部5上には受電装置
(ピックアップ装置)9が給電線8に対して非接触で対
向する状態に支持されている。受電装置9は、鉄心とし
ての断面略E字状のE型鉄心(E型コア)10と、コイ
ル巻取部としてのその中央脚部10aに巻回された受電
用コイル(以下、単にコイルという)11とから構成さ
れており、コイル11が2本の給電線8間のほぼ中央に
配置されるように搬送体1に取り付けられている。な
お、受電装置9は搬送体1の上部に前後一対設けられて
おり、両者は電気的に直列に接続されている。
【0026】次に、E型鉄心10の構造を図1〜図4に
基づいて説明する。図3に示すように、E型鉄心10
は、図2(b)に示すC型鉄心20を2個突き合わせて
接着剤でE型状に接合して構成されている。2個のC型
鉄心20はその接合面において導通が無いように接着剤
を介して一定の距離を隔てて接合されており、E型鉄心
10の中央脚部10aはその中心線を通るように形成さ
れた接着剤からなる遮断手段としての遮断層21により
2分割された状態にある。
【0027】C型鉄心20は、図2(a)に示すような
略C字状のケイ素鋼からなる単板22を、複数枚所定長
さとなるように接着剤で接着して積層することにより形
成されている。単板22はケイ素鋼の平板をC字状の打
抜型を用いて打ち抜き形成したものである。そして、こ
のC型鉄心20を2個突き合わせて、双方の側面を接着
剤で接着することにより、図3に示したE型2分割タイ
プのE型鉄心10が形成されている。接着剤には絶縁性
のものが使用されている。
【0028】そして、図4に示すようにE型鉄心10の
中央脚部10aにコイル(2次コイル)11が巻回され
ることにより前記受電装置9が構成されている。なお、
2個のC型鉄心21を接着剤で接着するだけでは遮断層
21に必要な厚みが確保し難い場合には、絶縁性の樹脂
シート等を挿入して接着することにより遮断層21を所
望する厚みとすることもできる。また、コイル11には
フェライトコアに通常使用される電線(耐熱性の被覆材
を使用しないもの)を使用してしる。
【0029】次に、このE型鉄心10を用いて製造され
た受電装置9の作用を説明する。給電線8を流れる高周
波電流に基づきE型鉄心10には図5に矢印で示す向き
の主磁束を有する磁気回路が形成され、これによりコイ
ル11には給電線8を流れる高周波電流と同周波数の電
流が誘起される。このとき、コイル11に誘起された電
流により主磁束を打ち消すような逆向きの磁束が形成さ
れることになり、この磁束の乱れによりE型鉄心10の
長手方向両側(磁気回路と直交する方向における両側)
に、給電線8と平行な向き(図5における紙面直交方
向)の漏れ磁束φが発生する(図14を参照)。
【0030】この漏れ磁束φが原因で中央脚部10aの
端面表面域には渦電流が発生する。しかし、中央脚部1
0aにはその中心線を通るようにこれを二分割する遮断
層21が形成されているため、図1に示すようにこの遮
断層21により渦電流の経路が遮断されることとなっ
て、中央脚部10aに発生する渦電流Iが相対的に減少
する。つまり、渦電流が発生し得る中央脚部10aの端
面表面領域が遮断層21により二分割されることで、渦
電流Iが二分割された各小領域を流れることとなるた
め、渦電流Iが発生し難くなってその電流量が相対的に
減少する。
【0031】その結果、中央脚部10aの端面表面域で
の発熱が小さく抑えられる。そのため、コイル11に使
用する電線を耐熱性の被覆材を使用した特別なものでな
く、従来フェライトコアに使用されていた通常の電線を
用いても、漏れ磁束φに起因する発熱による損傷の心配
がない。
【0032】また、E型鉄心10は、同一形状の単板2
2を複数枚積層するだけで構成されているため、その単
板22を形成するための打抜型も1種類用意すればよ
く、単板22のコストを低く抑えることが可能となり、
E型鉄心10の製造コストも比較的安価となる。
【0033】以上詳述したように本実施形態によれば、
以下に示す効果が得られる。 (a)E型鉄心10の中央脚部10aをその中心線を通
る遮断層21により二分割し、漏れ磁束φが原因で中央
脚部10aの端面表面域に発生する渦電流の経路を遮断
して渦電流を発生し難くしたので、中央脚部10aの端
面での発熱を小さく抑えることができる。
【0034】(b)中央脚部10aの発熱が小さく抑え
られることから、耐熱性の被覆材を特に使用していない
通常フェライトコアで使用される電線をE型鉄心10の
コイル11用として使用することができる。よって、コ
アを安価な鉄心で形成してもコイル11用の電線も従来
通りの安価なものとできるので、受電装置9の製造コス
トを安価に抑えることができる。
【0035】(c)E型鉄心10をケイ素鋼板で製造し
たため、従来、フェライトコアで問題であった欠け等を
確実に防止することができる。そのため、フェライトコ
アで問題であった欠け等に起因する給電効率の低下が解
消され、長期に亘って一定の給電効率を確保することが
できる。
【0036】(d)E型鉄心10を一形状(C字状)の
単板22の積層だけにより形成したので、単板22の打
抜型が1種類で済み、単板22の単価を低く抑えること
ができる。その結果、E型鉄心10の製造コストを低く
抑えることができる。
【0037】(e)E型鉄心10を単板22の積層によ
り形成する製造方法を採っているため、例えば搬送体1
の機種等の違いにより、製造するE型鉄心10のサイズ
(長さ)が異なる場合でも、共通の単板22を使用して
その積層枚数の変更だけで機種毎にサイズの異なるE型
鉄心10を製造することができる。そのため、サイズの
異なるE型鉄心10の製造に、単板22を共用した場合
には、E型鉄心10の製造コストを一層安価に抑えるこ
とができる。
【0038】(f)従来、発熱等の問題からフェライト
よりも比較的良好な磁気特性を有するケイ素鋼板が使用
されずにいたが、発熱の問題を解消してE型鉄心10を
ケイ素鋼により形成したので、従来のフェライトコアに
比較して良好な磁気特性を得ることができる。そのた
め、電力変換効率の向上に寄与できる。
【0039】(第2実施形態)次に、本発明を具体化し
た第2実施形態を図7,図8に基づいて説明する。この
実施形態は、E型鉄心を構成する単板がE字状を有し、
単板の一方向への積層だけでE型鉄心が製造されてい
る。
【0040】図7に示すように、鉄心としてのE型鉄心
30のコイル巻取部としての中央脚部30aには、その
中心線に沿って複数(本実施形態では5個)の遮断手段
及び空隙部としてのスリット(孔)31が形成されてい
る。中央脚部30aはその中心線に沿う各スリット31
により断続的ではあるものの、略二分割されている。そ
して、漏れ磁束φにより中央脚部30aに発生する渦電
流の経路が各スリット31により断続的に遮断されるこ
とにより、渦電流が発生し難くなって中央脚部30aの
端面での発熱が小さく抑えられるようになっている。
【0041】このE型鉄心30は、ケイ素鋼の平板を図
7に示す断面形状(略E字状)に打ち抜いて形成したE
型の単板32を複数枚所定長さが得られるように積層す
ることにより形成されている。単板32には、中央脚部
30aとなる部位にスリット31が形成されている。そ
のため、単板32が積層されて形成されたE型鉄心30
には、スリット31がその長手方向に亘って貫通するよ
うに形成されており、少なくとも渦電流が発生し易い中
央脚部30aの端面表面域をスリット31により略二分
割するようにしている。
【0042】また、図9は、単板32に孔からなるスリ
ット31に代えて切り欠きからなる遮断手段及び空隙部
としてのスリット33を形成した例であり、この単板3
2を積層して形成されたE型鉄心30の中央脚部30a
は、その上下両面から延びる各スリット(切り欠き)3
3によりほぼ二分割されている。そのため、漏れ磁束φ
により中央脚部30aに発生する渦電流の経路が各スリ
ット33によって遮断されることにより中央脚部30a
の端面表面域に渦電流が発生し難くなり、中央脚部30
aの端面での発熱が小さく抑えられるようになってい
る。
【0043】この実施形態によれば、スリット31や切
り欠き33が形成された同一形状の単板32の積層だけ
によりE型鉄心30を製造でき、しかも単板の打ち抜き
加工時に一緒にスリット31や切り欠き33を打ち抜き
形成できるため、渦電流の経路を遮断するための加工工
程を増やさずに済ませることができる。もちろん、搬送
体1の機種の違い等によりサイズ(長さ)の異なるE型
鉄心30の製造に単板32を共用して部品の共通化を図
った場合には、E型鉄心30の製造コストをさらに低く
抑えることができる。また、渦電流の経路を遮断する手
段が間隙(空気層)であるため、電流の経路を確実に遮
断することができる。
【0044】尚、本発明は上記実施形態に限定されるも
のではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で例えば次の
ように具体化することもできる。 (1)前記各実施形態では、E型鉄心10,30の長手
方向に亘って遮断層21、スリット31または切り欠き
33を形成したが、図9に示すように渦電流が発生する
中央脚部10aの両端面表層域のみに遮断手段を形成す
ることもできる。図9では、E型単板の積層により形成
したE型鉄心34の両端面に、必要な厚み分の枚数だけ
C型単板22(例えば第1実施形態で使用したもの)を
左右に必要な間隔を隔して突き合わせた二分割タイプの
E型鉄心35を接合し、中央脚部37aの両端部分にこ
れを二分割するスリット(切り欠き)36を形成したE
型鉄心37としている。また、必要長さに形成したE型
鉄心34の中央脚部にその中心線を通るように必要な深
さの切削加工を施することにより、スリット36を備え
たE型鉄心37を製造することもできる。この構成によ
っても、少なくとも渦電流の発生域となる中央脚部37
aの端面表面域は、スリット36により二分割されるの
で、渦電流を小さく抑え、中央脚部35aの端面での発
熱を小さく抑えることができる。また、耐熱性の被覆材
を使用した電線をコイル11に使用する必要があったE
型鉄心の両端面に二分割タイプのE型鉄心を付け加えた
り、切削加工を施せばよいので、従来のE型鉄心を利用
することができる。
【0045】(2)中央脚部の分割方向は適宜変更する
ことができる。例えば図10に示すE型鉄心38のよう
に、中央脚部38aを上下に二分割するスリット39を
形成してもよい。この構成によっても、スリット39に
より渦電流の経路が遮断されるため、中央脚部38aの
端面での発熱を小さく抑えることができる。
【0046】(3)本発明はE型鉄心の適用に限定され
ず、受電用コイルが巻回されるその他の形状の鉄心に広
く適用することができる。例えば図11に示すように鉄
心としてのC型鉄心40に本発明を具体化してもよい。
図11(a)は、切り欠きが形成されたC型単板42を
積層することにより、コイル巻取部40aに遮断手段及
び空隙部としての切り欠き部41を形成した例である。
また、図11(b)は、孔を形成したC型単板44を積
層することによりコイル巻取部40aに遮断手段及び空
隙部としてのスリット45を形成した例である。
【0047】これらの構成によれば、コイル巻取部40
aを分割する切り欠き部41,スリット45によりその
経路が遮断されるために渦電流が発生し難くなり、C型
鉄心40においてもその端面での発熱を小さく抑えるこ
とができる。また、一形状のC型単板44を積層するだ
けでC型鉄心40を製造できるので、その製造コストを
低く抑えることができる。
【0048】(4)遮断層の材質は絶縁性のものに限定
されない。例えば鉄心の発熱を小さく抑えることができ
る程度に渦電流の経路を遮断可能な高抵抗の材料を使用
することもできる。
【0049】(5)中央脚部等のコイル巻取部を三分割
以上に複数分割するように、遮断層や空隙部を形成する
こともできる。 (6)前記第1実施形態では、2個のC型鉄心20の接
合面間に介在させた接着剤や樹脂シート等の材料により
を遮断層21を形成したが、2個のC型鉄心20間に設
けた隙間(空隙部)を遮断手段とすることもできる。こ
の場合、2個のC型鉄心20を渦電流の経路を遮断可能
な程度の隙間を開けた状態に支持板上に配置して組付け
ておき、その中央脚部10aにコイル11を巻回した受
電装置9を支持板と共に搬送体1に取り付けるようにす
ればよい。この構成によっても、中央脚部10aにその
中心線を通るような空隙部を形成することができる。
【0050】(7)前記各実施形態などでは、特に発熱
が問題となる中央脚部等のコイル巻取部に遮断手段(遮
断層や空隙部)を形成したが、コイル巻取部以外の部分
で渦電流による発熱が問題となる鉄心の場合は、その発
熱を小さく抑える必要がある部分に遮断手段を形成して
もよい。
【0051】(8)単板を複数枚積層して鉄心を構成し
たが、鋳込成形や鋼板の溶接等により、そのコイル巻取
部の所定部分(少なくとも渦電流発生域を含む部分)に
空隙部を有するように鉄心を製造したり、遮断層を介在
させるために突き合わせて接合する2個のC型鉄心を鋳
込成形や鋼板の溶接等により製造することもできる。
【0052】(9)無人搬送車や自動倉庫におけるスタ
ッカクレーンのようなその他の移動体に本発明を適用す
ることができる。つまり、非接触給電が採用される全て
の移動体に取り付けられる鉄心に本発明を適用すること
ができる。もちろん、移動体は荷の搬送作業を行う搬送
体に限定されるものではない。
【0053】前記実施形態から把握され、特許請求の範
囲に記載されていない発明を、その効果とともに以下に
記載する。 (イ)請求項3又は請求項4に記載の発明において、前
記空隙部もしくは前記遮断層は、前記渦電流の発生領域
を複数分割している。この構成によれば、渦電流の経路
を完全に(つまり断続的ではなく)遮断でき、渦電流を
より効果的に発生し難くすることができる。
【0054】(ロ)請求項4に記載の発明において、前
記遮断層は絶縁層である。この構成によれば、遮断層が
絶縁層であることから、渦電流の経路を確実に遮断でき
る。 (ハ)請求項4に記載の発明において、前記遮断層は樹
脂シートである。この構成によれば、渦電流の経路の遮
断に必要な遮断層の厚み調整を簡単にできる。
【0055】(ニ)請求項5において、前記単板には前
記空隙部を形成するための孔もしくは切り欠きが形成さ
れている。この構成によれば、単板の加工(例えば打ち
抜き加工)時に必要な孔もしくは切り欠きを一緒に形成
でき、空隙部のための余分な加工を省くことができる。
【0056】(ホ)請求項6に記載の発明において、前
記遮断層は前記C型鉄心を接合するための接着剤からな
る。この構成によれば、C型鉄心を接着剤で接合するだ
けで遮断層を形成することができる。
【0057】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1、請求項7
及び請求項8に記載の発明によれば、鉄心からの漏れ磁
束により発生する渦電流の経路を遮断するように遮断手
段を鉄心に形成したため、鉄心に発生する渦電流が相対
的に減少し、渦電流による鉄心の発熱を小さく抑えるこ
とができる。
【0058】請求項2、請求項7及び請求項8に記載の
発明によれば、給電線を流れる交流に基づき鉄心に形成
される磁気回路に直交する方向において、少なくとも受
電用コイルが巻回されるコイル巻取部の両端部分に遮断
手段を形成したため、鉄心の発熱を効果的に小さく抑え
ることができる。
【0059】請求項3、請求項7及び請求項8に記載の
発明によれば、遮断手段を空隙部としたので、電流の経
路を確実に遮断でき、しかも鉄心に形成し易い。請求項
4、請求項7及び請求項8に記載の発明によれば、遮断
手段を絶縁材もしくは鉄心よりも十分高い電気抵抗を有
する材質からなる遮断層としたので、電流の経路を遮断
できる。
【0060】請求項5、請求項7及び請求項8に記載の
発明によれば、同一形状の単板を鉄心に形成される磁気
回路と直交する方向に複数枚積層することにより鉄心を
形成したので、単板の積層枚数の選択によりサイズ(長
さ)の異なる鉄心を製造できるとともに、1種類の単板
を使用すればよいため、製造コストを比較的安価に抑え
ることができる。
【0061】請求項6、請求項7及び請求項8に記載の
発明によれば、同一形状の単板を積層した2個のC型鉄
心をE字状に接合することで、その接合部に遮断層を形
成してE型鉄心を形成したため、コイル巻取部(中央脚
部)に遮断層が形成されたE型鉄心を、1種類の単板を
使用するだけで製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態におけるE型鉄心の模式正面図。
【図2】(a)は単板の斜視図、(b)はC型鉄心の斜
視図。
【図3】E型鉄心の斜視図。
【図4】受電装置の斜視図。
【図5】E型鉄心に形成される磁気回路の説明図。
【図6】搬送体の正面図。
【図7】第2実施形態におけるE型鉄心の模式正面図。
【図8】E型鉄心の模式正面図。
【図9】別例のE型鉄心の斜視図。
【図10】図8と異なるE型鉄心の模式正面図。
【図11】C型鉄心の模式正面図。
【図12】従来技術におけるE型鉄心の磁気回路の説明
図。
【図13】同じくE型鉄心の斜視図。
【図14】同じくE型鉄心の部分平面図。
【図15】同じくE型鉄心の模式正面図。
【符号の説明】
1…移動体としての搬送体、2…案内レール、8…給電
線、9…受電装置、10,30,37,38…鉄心とし
てのE型鉄心、10a,30a,37a,38a…コイ
ル巻取部としての中央脚部、11…受電用コイルとして
のコイル、20…C型鉄心、21…遮断手段としての遮
断層、22,32…単板、31,33,36,39…遮
断手段及び空隙部としてのスリット、40…鉄心として
のC型鉄心、40a…コイル巻取部、41…遮断手段及
び間隙部としての切り欠き部、44…単板としてのC型
単板、45…遮断手段及び間隙部としてのスリット。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 案内レールを走行する移動体に取り付け
    られ、前記案内レールに配線された給電線を流れる交流
    から電磁誘導作用により電力を得るための受電用コイル
    が巻回される鉄心であって、 前記鉄心には、該鉄心に漏れ磁束により発生する渦電流
    の経路を遮断するための遮断手段が形成されている移動
    体における非接触給電用鉄心。
  2. 【請求項2】 前記遮断手段は、前記給電線を流れる交
    流に基づき前記鉄心に形成される磁気回路に直交する方
    向において、少なくとも前記受電用コイルが巻回される
    コイル巻取部の両端部分に形成されている請求項1に記
    載の移動体における非接触給電用鉄心。
  3. 【請求項3】 前記遮断手段は空隙部である請求項1又
    は請求項2に記載の移動体における非接触給電用鉄心。
  4. 【請求項4】 前記遮断手段は絶縁材もしくは前記鉄心
    よりも十分高い電気抵抗を有する材質からなる遮断層で
    ある請求項1又は請求項2に記載の移動体における非接
    触給電用鉄心。
  5. 【請求項5】 前記鉄心は、同一形状の単板が該鉄心に
    形成される前記磁気回路と直交する方向に複数枚積層さ
    れて形成されている請求項1〜請求項4のいずれか一項
    に記載の移動体における非接触給電用鉄心。
  6. 【請求項6】 前記鉄心は、前記単板を積層した2個の
    C型鉄心を前記遮断層を挟んでE字状に接合したE型鉄
    心である請求項5に記載の移動体における非接触給電用
    鉄心。
  7. 【請求項7】 前記コイル巻取部に前記受電用コイルが
    巻回されている請求項1〜請求項6のいずれか一項に記
    載の前記鉄心を備えている受電装置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の前記受電装置を備えて
    いる移動体。
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