JPH109250A - 動圧流体軸受装置 - Google Patents

動圧流体軸受装置

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JPH109250A
JPH109250A JP18008196A JP18008196A JPH109250A JP H109250 A JPH109250 A JP H109250A JP 18008196 A JP18008196 A JP 18008196A JP 18008196 A JP18008196 A JP 18008196A JP H109250 A JPH109250 A JP H109250A
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JP
Japan
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bearing
bearing surface
area ratio
dynamic pressure
holes
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Application number
JP18008196A
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English (en)
Inventor
Toru Nakanishi
徹 中西
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Nidec Instruments Corp
Original Assignee
Sankyo Seiki Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 差圧による動圧流体の流出を低コストにて防
止する。 【解決手段】 軸受部材12を焼結含油部材から構成す
ることでその内部に空孔を多数存在させると共に表面に
露出させる一方で、軸受面12a,12aにおける空孔
の面積比を、これら軸受面12a,12aの間に位置す
る非軸受面12bにおける空孔の面積比より小さくし、
軸受面12aにおけるグルーブパターンの形成を従来と
同様にラフに行ってグルーブパターンに偏りが生じ差圧
により流出する動圧流体が在ったとしても、該動圧流体
が、ラジアル滑り軸受に貫通孔を設けなくとも、軸受隙
間−空孔の面積比が高い焼結含油部材の非軸受面−焼結
含油部材内−空孔の面積比が高い焼結含油部材の端面−
軸受隙間という循環経路Q若しくはこれとは逆の循環経
路を循環し得るように構成してなるもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は動圧流体軸受装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、動圧流体軸受装置を備えた回転体
の駆動装置として、例えばディスク駆動用のスピンドル
モータが知られている。このスピンドルモータを示した
のが図6である。
【0003】この図6に示されるスピンドルモータは所
謂軸回転型であり、図が煩雑になるのを避けるために、
中心線より右半分のみが示されている。
【0004】同図において、符号1はフレームを示して
おり、このフレーム1の略中央には、筒状の軸受ホルダ
ー部1aが立設するようにして一体成形されている。す
なわち、軸受ホルダー部1aを含むフレーム1は、一端
(図示下端)が閉塞され他方(図示上方)が開放された
凹形状をなしている。該軸受ホルダー部1aの外周面に
はステ−タコア6が固定されており、このステ−タコア
6にはコイル5が巻回されている。
【0005】上記軸受ホルダー部1aの内周には、例え
ばアルミまたはステンレス若しくはセラミックス等から
なるラジアル滑り軸受2が嵌合固定されており、このラ
ジアル滑り軸受2の内周には、例えばアルミまたはステ
ンレス等からなる中心回転軸3が挿入配置されている。
【0006】上記ラジアル滑り軸受2には、軸線方向に
離間した内周面の位置に2個のラジアル軸受面2a,2
aが設けられており、このラジアル軸受面2aには、例
えばへリングボーン状等の動圧発生用の溝(ラジアルグ
ルーブ)2cが形成されている(図7参照)。ラジアル
滑り軸受2にはまた、上記ラジアル軸受面2a,2aの
間の位置に、ラジアル軸受面2aより大径の逃げ部(非
軸受面)2bが設けられている。そして、上記中心回転
軸3の上記ラジアル軸受面2a,2aに対向する外周面
には、所定の軸受隙間を介してラジアル受け面3a,3
aが設けられている。
【0007】上記中心回転軸3のフレーム閉塞側(図に
おける下方)の端面に対向する位置には、フレーム1の
凹所底部を形成するスラスト板1bが設けられている。
このスラスト板1b及び上記中心回転軸3のフレーム閉
塞側端面の少なくとも一方には、例えばスパイラル状等
の動圧発生用の溝(スラストグルーブ)が形成されてい
る。
【0008】上記中心回転軸3のフレーム開放側(図に
おける上方)の端部には、上記コア6、コイル5等を覆
うような形状のハブ4が嵌合固定されている。このハブ
4の外周面には図示されないディスクが装着されてお
り、ハブ4内周の上記コア6に対向する位置には駆動マ
グネット7が固定されている。
【0009】上記軸受ホルダー部1aにおける上記ラジ
アル滑り軸受2より開放側(図示上方)には、磁性流体
シール8が配設されている。この磁性流体シール8は、
磁石8bと、この磁石8bを軸線方向に挟むようにして
設けられ磁路を形成するポールピース8a,8aと、か
ら構成されており、このポールピース8a,8a内周面
と中心回転軸3の外周面との間に磁性流体9,9が保持
される構成になされている。
【0010】この磁性流体シール8より閉塞側(図示下
方)であって、上記ラジアル滑り軸受2及び中心回転軸
3並びにスラスト板1bにより囲まれる領域には、例え
ばオイル等の動圧流体14が満たされている。すなわ
ち、この磁性流体シール8により、満たされている動圧
流体14の外部への漏出の防止が図られていると共に外
部から軸受部内への塵芥等の侵入の防止が図られてい
る。
【0011】そして、図示されないモータ外部の電源供
給手段からコイル5に所定の駆動電圧が印加されると、
ディスクを装着したハブ4が回転し、中心回転軸3の回
転に伴って上記ラジアルグルーブ2cによって発生され
る動圧流体14の動圧力により、当該中心回転軸3がラ
ジアル方向に回転自在に支承される。この時また、上記
スラストグルーブによって発生される動圧流体14の動
圧力により、当該中心回転軸3がスラスト方向に浮上支
持される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記ラジア
ルグルーブ2cでは、図7に示されるように、屈曲部x
より開放側の溝長さと屈曲部xより閉塞側の溝長さとを
等しく、差圧が発生しないようにするのが望ましい。し
かしながら、実際には、加工精度のばらつき等によりグ
ルーブパターンに偏りが生じて差圧が発生し、溝長さの
短い方に向かって動圧流体14が流出するため、動圧特
性が所望とならないといった問題があった。
【0013】そこで、図8に示されるように、ラジアル
グルーブ2ccを軸線方向に短くしてその両端部に軸線
方向に延びる直線溝2cdを連設するようにし、ラジア
ルグルーブ2ccの屈曲部xxの位置が図示上下方向に
ずれたとしても当該直線溝部分2cdの長さを変えるこ
とで、屈曲部xxより開放側の溝長さと屈曲部xxより
閉塞側の溝長さとを等しくする方法や、図9に示される
ように、ラジアル滑り軸受2の略中央に、軸線方向と直
交する方向に貫通する貫通孔2dを設け、図に矢印Pで
示されるように動圧流体14を循環させる方法等が考え
られている。
【0014】しかしながら、前者にあっては、グルーブ
パターンが複雑になり、後者にあっては、ラジアル滑り
軸受2に貫通孔2dを設けなければならず、何れにして
も、高コスト化が避けられないといった問題がある。
【0015】そこで本発明は、差圧による動圧流体の流
出を低コストにて防止できる動圧流体軸受装置を提供す
ることを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の動圧流体軸受装置は、軸受部材に設けた
軸受面が軸に設けた受け面に対して軸受隙間を介して対
向し、前記軸受面及び前記受け面の少なくとも一方に動
圧発生用の溝を形成して、前記軸受面と前記受け面との
間に介在する動圧流体により動圧作用を発生可能とした
動圧流体軸受装置において、前記軸受部材は、焼結含油
部材からなると共に、軸線方向に離間した2個以上の軸
受面と、これら軸受面の間に位置し、軸と軸受部材との
間の隙間が前記軸受隙間よりも大きい非軸受面と、を有
し、前記非軸受面における空孔の面積比が、前記軸受面
における空孔の面積比より高いことを特徴としている。
【0017】上記目的を達成するために、請求項2の動
圧流体軸受装置は、請求項1に加えて、動圧発生用の溝
は、軸受面と受け面との間に介在する動圧流体を非軸受
面側に向かって送り出す形状を有していることを特徴と
している。
【0018】上記目的を達成するために、請求項3の動
圧流体軸受装置は、請求項1または2に加えて、軸受部
材の端面における空孔の面積比が、非軸受面における空
孔の面積比に略一致することを特徴としている。
【0019】上記目的を達成するために、請求項4の動
圧流体軸受装置は、請求項1乃至3の何れか一つに加え
て、軸受部材の端部における軸受面側の周縁に面取り部
を形成し、この面取り部における空孔の面積比が、非軸
受面における空孔の面積比に略一致することを特徴とし
ている。
【0020】このような請求項1乃至4における動圧流
体軸受装置によれば、軸受部材が、焼結含油部材から構
成されるため、その内部には空孔が多数存在し表面に露
出しているが、非軸受面を軸線方向において挟むように
位置する軸受面に対して、例えばサイジング等により目
潰しが行われて、軸受面における空孔の面積比が、非軸
受面における空孔の面積比より小さくされると、グルー
ブパターンに偏りが生じ差圧により流出する動圧流体が
在ったとしても、当該動圧流体は、軸受隙間−空孔の面
積比が高い焼結含油部材の非軸受面−焼結含油部材内−
空孔の面積比が高い焼結含油部材の端面(請求項4にあ
っては、軸受部材の端部における軸受面側の周縁に形成
された面取り部)−軸受隙間という循環経路若しくはこ
れとは逆の循環経路を循環し、差圧による動圧流体の流
出が防止されるようになる。上記グルーブパターンの形
成は、従来のグルーブパターンの形成と同様であってグ
ルーブパターンを複雑化する必要はなく、また動圧流体
の循環のためにラジアル滑り軸受に貫通孔を設ける必要
はない。
【0021】また特に、請求項2における動圧流体軸受
装置によれば、動圧発生用の溝が、軸受面と受け面との
間に介在する動圧流体を非軸受面側に向かって送り出す
形状になされているため、各軸受部における動圧流体
は、軸受隙間−空孔の面積比が高い焼結含油部材の非軸
受面−焼結含油部材内−空孔の面積比が高い焼結含油部
材の端面(請求項4にあっては、軸受部材の端部におけ
る軸受面側の周縁に形成された面取り部)−軸受隙間と
いう循環経路をそれぞれ循環し、各軸受部でのバランス
のとれた循環となると共に、動圧発生用の溝により送り
出される動圧流体が非軸受面側に向かうため、当該動圧
流体の外部開放側への漏出の畏れが低減される。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1は本発明を適用したディスク駆
動用のスピンドルモータを表した半横断面図であり、従
来技術で説明したのと同一なものに対しては同一符号が
付してある。
【0023】この実施形態にあっては、従来技術で説明
したラジアル滑り軸受2に代えて、焼結含油部材よりな
る焼結含油軸受12が用いられている。この焼結含油軸
受12には、前述した中心回転軸3のラジアル受け面3
a,3aに対向する内周面の位置に所定の軸受隙間を介
して、2個のラジアル軸受面12a,12aが設けられ
ており、このラジアル軸受面12aには、例えばへリン
グボーン状等の動圧発生用の溝(ラジアルグルーブ)1
2cが形成されている(図2参照)。この焼結含油軸受
12にはまた、上記ラジアル軸受面12a,12aの間
の位置に、ラジアル軸受面12aより大径の逃げ部(非
軸受面)12bが設けられている。この焼結含油軸受1
2にはさらにまた、その両端部(図示上下端部)におけ
る軸受面側の周縁に面取り部12e,12eが形成され
ている。
【0024】上記ラジアル軸受面12aにおける空孔
(軸受面12a表面での空孔)の面積比は、非軸受面1
2bにおける空孔(非軸受面12b表面での空孔)の面
積比より小さくされており、本実施形態においては、ラ
ジアル軸受面12aにおける空孔の面積比が3%未満に
され、非軸受面12bにおける空孔の面積比が3%以上
にされている。それ以外の部分、すなわち焼結含油軸受
12の両端面(図示上下端面)12g,12g及び上記
面取り部12e,12e並びに外周面における空孔の面
積比は、非軸受面12bにおける空孔の面積比と同様に
3%以上にされている。また、焼結含油軸受12全体の
空孔率は、18体積%〜30体積%となっている。
【0025】そして、他の構成に関しては、従来技術で
説明したのと同様であるので、ここでの説明は省略す
る。
【0026】次に、このように構成された動圧流体軸受
装置の製造手順について、以下簡単に説明する。先ず、
鉄、銅、錫等の金属粉末を用意し、次いでこれら原料を
混合し、次いで、図1に示される焼結含油軸受12と略
同様な空間を有する金型を用いて圧縮成形を行い、次い
で焼結を行い、次いで寸法精度を仕上げるために再度金
型に入れると共に、サイジングバーを軸受面12a,1
2aに対応するように入れて扱き、軸受面12a,12
aにおける空孔の目潰しを行い、当該軸受面12a,1
2aにおける空孔の面積比を上述した3%未満とする。
この時、非軸受面12b、焼結含油軸受12の両端面1
2g,12g、面取り部12e,12e、外周面は、上
記サイジングバーにより扱かれないために、その空孔の
面積比は、上述した3%以上となっている。
【0027】そうしたら、例えば切削工法により従来と
同様な精度(比較的ラフな精度)にて上記軸受面12a
に所定のラジアルグルーブ12cを形成する。この時、
ラジアルグルーブ12cから空孔が新たに露出する可能
性は小さく、露出しても非常に小さいので面積比が大幅
に変動することはない。このようにして、ラジアルグル
ーブ12cを形成したら、洗浄を行い、次いでオイルを
含浸すると、図1に示されるような焼結含油軸受12が
得られることになる。すなわち、簡易な粉末冶金工法及
び比較的精度のラフな切削工法により、上記焼結含油軸
受12が得られるようになっている。
【0028】この時、加工精度のばらつき等によりグル
ーブパターンに偏りが生じ、図2に示されるように、図
示上方のへリングボーン状の溝12cにあっては、屈曲
部yより図示下方側の溝長さが短く、図示下方のへリン
グボーン状の溝12cにあっては、屈曲部yより図示上
方側の溝長さが短くなったとする。
【0029】このようなへリングボーン状の溝12cが
形成された焼結含油軸受12を有するスピンドルモータ
を駆動すると、軸受隙間にある動圧流体14は、軸受面
12aにおける空孔の面積比が3%未満となっているた
め、軸受面12aから軸受内部へ殆ど進入することはな
く、差圧により逃げ部(非軸受面)12bに向かう。こ
の時、非軸受面12bにおける空孔の面積比が3%以上
となっているため、この動圧流体14は、非軸受面12
bにて露出する空孔から焼結含油軸受12内部に良好に
進入する。この時、焼結含油軸受12の端面12g及び
面取り部12eにおける空孔の面積比が3%以上となっ
ているため、この動圧流体14は、焼結含油軸受12の
端面12g及び面取り部12eにて露出する空孔から良
好に導出され、再び軸受隙間に向かうことになる。
【0030】すなわち、動圧流体14は、図3に矢印Q
で示されるように、軸受隙間−逃げ部(非軸受面)12
b−焼結含油軸受12内部−焼結含油軸受12の端面1
2g及び面取り部12e−軸受隙間という循環経路Qを
循環することになり、差圧による動圧流体14の流出が
防止されるようになっている。
【0031】因に、本実施形態においては、非軸受面1
2b及び他の表面12g,12eにおける空孔の面積比
を、3%以上としているが、この非軸受面12b及び他
の表面12g,12eにおける空孔の面積比を、3%未
満とすると、動圧流体14の循環が行われ難くなってし
まうので、好ましくない。
【0032】また、本実施形態においては、軸受面12
aでの空孔の面積率を3%未満としているが、この軸受
面12aでの空孔の面積率を3%以上とすると、ラジア
ルグルーブ12cにより発生した動圧力が、軸受面12
aから軸受内部へ逃げるため、負荷容量が低下し、動圧
特性を満足できなくなると共に軸受寿命が短くなってし
まうので、好ましくない。
【0033】なお、さほど大きな負荷容量を必要としな
い使用条件下においては、ラジアルグルーブ12cによ
り発生した動圧力が、軸受面12aから軸受内部へ多少
逃げても問題ない場合があるため、このような場合に
は、軸受面12aにおける空孔の面積比を3%以上とし
ても良い。
【0034】ところで、ラジアルグルーブの形状として
は、図2に示されるものに限定されるものではなく、例
えば図4(a)に示されるように、へリングボーン状の
溝13cであって、図示上方の溝13cのみが、軸受隙
間にある動圧流体14を逃げ部(非軸受面)12bに向
かわせる形状のもの、また図4(b)に示されるよう
に、へリングボーン状の溝14cであって、図示下方の
溝14cのみが、軸受隙間にある動圧流体14を逃げ部
(非軸受面)12bに向かわせる形状のもの、また図4
(c)に示されるように、傾斜状の溝15cであって、
図示上方の溝15cのみが、軸受隙間にある動圧流体1
4を逃げ部(非軸受面)12bに向かわせる形状のも
の、また図4(d)に示されるように、傾斜状の溝16
cであって、図示下方の溝16cのみが、軸受隙間にあ
る動圧流体14を逃げ部(非軸受面)12bに向かわせ
る形状のもの等であっても良い。
【0035】このように、図4(a)乃至図4(d)に
示されるように、ラジアルグルーブを、軸受隙間にある
動圧流体14が差圧により逃げ部(非軸受面)12bに
向かわせる形状とすると、当該動圧流体14の外部開放
側への漏出の畏れを低減できるので好ましい。また、こ
れらとは逆に、ラジアルグルーブを、軸受隙間にある動
圧流体14が差圧により逃げ部(非軸受面)12bとは
反対側に向かわせる形状とすると、当該動圧流体の外部
開放側への漏出の畏れが高まるため、図1に示したよう
なシール装置8が必要となる。
【0036】また、特に本実施形態においては、図2に
示したように、ラジアルグルーブの両方(図示上下の
溝)12c,12cを、軸受隙間にある動圧流体14が
差圧により逃げ部(非軸受面)12bに向かう形状とし
ているため、上述のように、動圧流体14の外部開放側
への漏出の畏れを低減できると共に、各軸受部における
動圧流体14が、軸受隙間−逃げ部(非軸受面)12b
−焼結含油軸受12内部−焼結含油軸受12の端面12
g及び面取り部12e−軸受隙間という循環経路Qをそ
れぞれ循環することになり、各軸受部でのバランスのと
れた循環となることから、図4(a)乃至図4(d)に
示されたものに比してより好ましくなっている。このバ
ランスのとれた循環を行うには、図示上方の軸受面12
aにおける空孔の面積比と図示下方の軸受面12aにお
ける空孔の面積比とを一致させるというのはいうまでも
ない。
【0037】以上本発明者によってなされた発明を実施
形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形
態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範
囲で種々変形可能であるというのはいうまでもなく、例
えば、上記実施形態においては、目潰しにより軸受面1
2aにおける空孔の面積比を、非軸受面12b及び他の
表面12g,12eにおける空孔の面積比より小さくす
るようにしているが、例えば軸受面12aにおける空孔
を細くし、非軸受面12b及び他の表面12g,12e
における空孔を粗くすることにより、上記面積比とする
ようにしても良い。
【0038】また、上記実施形態においては、焼結含油
軸受12側に逃げ部を設けて非軸受面12bを形成する
ようにしているが、図5に示されるように、この位置に
対応する中心回転軸3側に逃げ部3aを設けるように
し、焼結含油軸受12における当該逃げ部3aに対応す
る面を非軸受面12iとしても良い。
【0039】また、上記実施形態においては、ラジアル
グルーブを焼結含油軸受12に設けるようにしている
が、中心回転軸3に設けるようにしても良く、また両方
に設けるようにしても良い。
【0040】また、上記実施形態の動圧軸受装置を、デ
ィスク以外の例えばポリゴンミラー等の各種回転板を回
転駆動するためのモータ、磁性流体等の流体を用いたモ
ータ、軸を固定として軸受が回転する所謂軸固定型のモ
ータ、さらにはモータ以外の装置に対しても同様に適用
することができる。
【0041】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1乃至4の動
圧流体軸受装置は、軸受部材を、焼結含油部材から構成
すると共に、軸線方向に離間した2個以上の軸受面と、
これら軸受面の間に位置し、軸と軸受部材との間の隙間
が上記軸受隙間よりも大きい非軸受面と、を有するよう
にし、このように軸受部材を焼結含油部材から構成する
ことによって、その内部に空孔を多数存在させると共に
表面に露出させる一方で、上記軸受面に対して、例えば
サイジング等により目潰しを行って、軸受面における空
孔の面積比を、非軸受面における空孔の面積比より小さ
くし、グルーブパターンの形成を従来と同様にラフに行
ってグルーブパターンに偏りが生じ差圧により流出する
動圧流体が在ったとしても、当該動圧流体が、ラジアル
滑り軸受に貫通孔を設けなくとも、軸受隙間−空孔の面
積比が高い焼結含油部材の非軸受面−焼結含油部材内−
空孔の面積比が高い焼結含油部材の端面(請求項4にあ
っては、軸受部材の端部における軸受面側の周縁に形成
された面取り部)−軸受隙間という循環経路若しくはこ
れとは逆の循環経路を循環し得るように構成したもので
あるから、差圧による動圧流体の流出を低コストにて防
止することが可能となる。
【0042】また特に、請求項2の動圧流体軸受装置
は、動圧発生用の溝を、軸受面と受け面との間に介在す
る動圧流体を非軸受面側に向かって送り出す形状とし、
各軸受部における動圧流体が、軸受隙間−空孔の面積比
が高い焼結含油部材の非軸受面−焼結含油部材内−空孔
の面積比が高い焼結含油部材の端面(請求項4にあって
は、軸受部材の端部における軸受面側の周縁に形成され
た面取り部)−軸受隙間という循環経路をそれぞれ循環
し、各軸受部でのバランスのとれた循環とすると共に、
動圧発生用の溝により送り出される動圧流体を非軸受面
側に向かわせて当該動圧流体の外部開放側への漏出の畏
れを低減するように構成したものであるから、本発明効
果を一層高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における動圧流体軸受装置
を適用したディスク駆動用のスピンドルモータを表した
半横断面図である。
【図2】図1中のラジアル滑り軸受を表した横断面図で
ある。
【図3】動圧流体の循環経路を説明するために図1中の
ラジアル滑り軸受及び中心回転軸の要部を抽出して表し
た横断面図である。
【図4】動圧発生用の溝の他の実施形態を有するラジア
ル滑り軸受を表した各半横断説明図である。
【図5】本発明の他の実施形態における動圧流体軸受装
置の要部を表した横断面図である。
【図6】従来技術における動圧流体軸受装置を適用した
ディスク駆動用のスピンドルモータを表した半横断面図
である。
【図7】理想的な動圧発生用の溝を有するラジアル滑り
軸受を表した横断面図である。
【図8】従来技術における問題点を解決する一手段を有
するラジアル滑り軸受の要部を表した横断面図である。
【図9】従来技術における問題点を解決する他の手段を
有するラジアル滑り軸受を表した横断面図である。
【符号の説明】
3 軸 3a 受け面 12 軸受部材 12a 軸受面 12b,12i 非軸受面 12c,13c,14c,15c,16c 動圧発生用
の溝 12e 面取り部 12g 軸受部材の端面 14 動圧流体

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸受部材に設けた軸受面が軸に設けた受
    け面に対して軸受隙間を介して対向し、前記軸受面及び
    前記受け面の少なくとも一方に動圧発生用の溝を形成し
    て、前記軸受面と前記受け面との間に介在する動圧流体
    により動圧作用を発生可能とした動圧流体軸受装置にお
    いて、 前記軸受部材は、焼結含油部材からなると共に、 軸線方向に離間した2個以上の軸受面と、 これら軸受面の間に位置し、軸と軸受部材との間の隙間
    が前記軸受隙間よりも大きい非軸受面と、を有し、 前記非軸受面における空孔の面積比が、前記軸受面にお
    ける空孔の面積比より高いことを特徴とする動圧流体軸
    受装置。
  2. 【請求項2】 動圧発生用の溝は、軸受面と受け面との
    間に介在する動圧流体を非軸受面側に向かって送り出す
    形状を有していることを特徴とする請求項1記載の動圧
    流体軸受装置。
  3. 【請求項3】 軸受部材の端面における空孔の面積比
    が、非軸受面における空孔の面積比に略一致することを
    特徴とする請求項1または2記載の動圧流体軸受装置。
  4. 【請求項4】 軸受部材の端部における軸受面側の周縁
    に面取り部を形成し、 この面取り部における空孔の面積比が、非軸受面におけ
    る空孔の面積比に略一致することを特徴とする請求項1
    乃至3の何れか一つに記載の動圧流体軸受装置。
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