JPH1092024A - スタンパ及びその製造方法 - Google Patents

スタンパ及びその製造方法

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JPH1092024A
JPH1092024A JP26364896A JP26364896A JPH1092024A JP H1092024 A JPH1092024 A JP H1092024A JP 26364896 A JP26364896 A JP 26364896A JP 26364896 A JP26364896 A JP 26364896A JP H1092024 A JPH1092024 A JP H1092024A
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photoresist
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JP26364896A
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Shiyouzou Murata
省蔵 村田
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 中間層を有する2層フォトレジスト構成に微
細パターンを形成する工程を有する光ディスク複製用の
スタンパとその製造法において、スタンパ上に残存して
いる中間層を含むフォトレジスト除去を完全なものと
し、あるいは、フォトレジスト除去プロセスを削除でき
る方法の採用により、高品質のスタンパとその製造方法
を提供する。 【解決手段】 ガラス基板1上に、第1のフォトレジス
ト層2,中間樹脂層3,第2のフォトレジスト層4が順
次積層され、ここに形成された微細パターン形状7,8
の上に導電性皮膜5と電鋳層6を順次形成した積層体か
ら、電鋳層6を剥離して、洗浄工程を経ることなくスタ
ンパを得るようにする。又、剥離面を基板1とフォトレ
ジスト層2の間とし(図示せず)、各フォトレジスト層
にUV処理をすることによりアルカリ溶解性とし、各種
洗浄工程を経ることによりスタンパ上の不要物を完全除
去して、クリーンなスタンパを得るようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光情報記録媒体の
フォトリソグラフィー及び微細パターニングに関し、例
えば、多層膜の積層プロセス及び接着剤の合成に適用で
きるものである。
【0002】
【従来の技術】光ディスク媒体は、プラスチック基板の
表面に、アドレス情報を表示するピットパターンと、再
生,記録時にレーザーヘッドを誘導するための案内溝パ
ターンの2種類のパターンを形成した構造を有する必要
がある。このような光ディスク媒体は、ガラス基板上に
設けたフォトレジストをフォトリソグラフィーによりパ
ターニングしてなる光ディスク原盤上に導電化処理及び
電鋳技術によりスタンパと呼ばれる金型を形成し、これ
をガラス基板から剥離して、プラスチック成形技術を用
いることにより得られる。また前記の2種類のパターン
は、再生時に必要とされる信号変調度によりアドレスピ
ットがλ/4n、案内溝がλ/8n(λはレーザー波
長、nはプラスチック基板の屈折率)の深さに設定され
る。従来は、フォトレジストの膜厚をアドレスピットの
深さに合わせ込むことにより、所望のアドレスピット深
さを得るようにし、また、フォトリソグラフィーの際の
レーザーの露光強度を調整することにより、所望の案内
溝の深さを得るようにしている。しかし、レーザーの露
光強度を常に安定化させるのは困難であり、かつ、フォ
トレジストの増感特性もばらつくため、得られた案内溝
の深さがばらつくことにより、再生溝信号が不安定にな
り、記録,再生信頼性の低い光ディスク媒体の製造を余
儀なくされていた。また、ハイブリットCD−R(以
下、HBと称す)は、プリレコードされたROM領域
(ピット部)と追記可能なRAM領域(案内溝部)を有
するので、特に、RAM領域の案内溝信号特性を十分に
得るために、幅広の案内溝を必要とし、幅についても自
由な、かつ、正確な設定が必要とされる。
【0003】これらを改善するために、特公平6−38
299号公報に開示された方法は、2層フォトレジスト
の界面に、ポリビニルコール,ポリアクリルアミド,メ
チルセルロースなどの水溶性もしくはアルカリ可溶性樹
脂を中間層として設けることにより、フォトレジスト間
の溝遮断効果を持たせることで、不安定化要因となるフ
ォトレジストの混合を引き起こすことなく、深さの異な
る2種類の台形パターンを得るようにしたものである。
【0004】このような方法においては、図4に示すよ
うに、通常、ガラス基板(図示せず)上に中間層33を
含むフォトレジスト層32,34を設け、ここに導電性
皮膜35及び電鋳層36を形成することにより、前記電
鋳層36と導電性皮膜35からなるスタンパを形成し、
ガラス基板からスタンパを剥離してこのスタンパ上に残
存しているフォトレジストを溶剤処理などにより除去す
る。(A)図は、このときのガラス基板を剥離した状態
を示すものである。しかし、水溶性もしくはアルカリ可
溶性樹脂を中間層として用いたHB原盤の場合、スタン
パ上のフォトレジストを除去する際に、(B)図に示す
ように、中間層33が第2のフォトレジスト層(スタン
パ側)34の溶解除去を阻害し、フォトレジストの完全
な除去が不可能になるという問題が生じる。
【0005】また、特開昭61−85649号公報に開
示されている方法は、ガラス基板上に設けられたフォト
レジスト面に金属保護膜を設けて酸化処理後、さらに、
金属導電膜を形成し、ここに、Ni電鋳をしてスタンパ
を形成した後、金属保護膜と金属導電膜の界面で剥離し
て、Ni電鋳層と金属導電膜からなるスタンパを得るよ
うにしたものである。このとき金属導電膜とNi電鋳層
との密着力が弱いと、金属導電膜が金属保護膜と共にガ
ラス基板側へもっていかれてしまい、アドレスピット,
案内溝のパターンが損傷を受けてスタンパとして使用不
可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述のよう
な実情に鑑みてなされたもので、中間層を有する2層フ
ォトレジスト構成に微細パターンを形成する工程を有す
る光ディスク複製用のスタンパとその製造法において、
スタンパ上に残存している中間層を含むフォトレジスト
除去を完全なものとし、あるいは、スタンパ上のフォト
レジスト除去プロセスを削除できる方法の採用により、
高品質の光ディスク複製用スタンパとその製造方法を提
供することをその解決すべき課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、ガラ
ス基板上に、第1のフォトレジスト層と、中間樹脂層
と、第2のフォトレジスト層とを順次積層する積層工程
と、レーザ露光及び現像処理により、前記各フォトレジ
スト層に凹状の微細パターンを形成するパターン形成工
程と、前記微細パターン形状の上に導電性皮膜を形成す
る導電性皮膜形成工程と、ニッケル電鋳を行って前記導
電性皮膜上に電鋳層を形成する電鋳工程と、前記各工程
により形成された積層体から、前記ガラス基板又は前記
ガラス基板を含む積層体を剥離する剥離工程とを含むス
タンパの製造方法において、前記剥離工程における剥離
界面が前記電鋳層と前記導電性皮膜の界面であり、剥離
後得られる前記電鋳層がスタンパの表面をなすようにす
ることを特徴とするもので、スタンパを含む積層体から
ガラス基板を剥離するときに、スタンパ上にフォトレジ
ストが残存しないようにすることで、スタンパの残存フ
ォトレジスト除去プロセスを削除できるようにしたもの
である。
【0008】請求項2の発明は、請求項1記載のスタン
パの製造方法において、前記導電性皮膜形成工程の後
に、前記導電性皮膜に剥離皮膜処理を施すことにより、
前記剥離工程において剥離を容易化するようにしたこと
を特徴とするもので、導電性皮膜とNi電鋳面との界面
での剥離を容易にしたものである。
【0009】請求項3の発明は、請求項2記載のスタン
パの製造方法において、前記剥離皮膜処理をUV/O3
により行うようにすることを特徴とするもので、導電性
皮膜とNi電鋳面との界面での剥離が容易になり、か
つ、クリーンな剥離皮膜の形成が可能となるようにした
ものである。
【0010】請求項4の発明は、請求項3記載のスタン
パの製造方法において、前記剥離皮膜処理により生成さ
れた剥離皮膜の膜厚を30〜50Åとすることを特徴と
するもので、導電性皮膜とNi電鋳面との界面での密着
力を制御することにより、電鋳の工程では、充分な密着
力を有しながら、かつ、電鋳後における導電性皮膜とN
i電鋳面との界面での剥離を容易にしたものである。
【0011】請求項5の発明は、請求項2ないし4のい
ずれか1記載のスタンパの製造方法において、前記剥離
皮膜処理により生成された剥離皮膜がNi(OH)2
NiO及びNi23を含むようにすることを特徴とする
もので、導電性皮膜とNi電鋳面との界面での密着力を
制御することにより、電鋳の工程では、充分な密着力を
有しながら、かつ、電鋳後における導電性皮膜とNi電
鋳面との界面での剥離を容易にしたものである。
【0012】請求項6の発明は、請求項5記載のスタン
パの製造方法において、前記剥離皮膜処理により生成さ
れた剥離皮膜の前記電鋳層側は、Ni(OH)2とNi2
3の割合が高く、前記剥離皮膜の前記ガラス基板側
は、NiOの割合が高くなるようにすることを特徴とす
るもので、導電性皮膜とNi電鋳面との界面での密着力
を制御することにより、電鋳の工程では、充分な密着力
を有しながら、かつ、電鋳後における導電性皮膜とNi
電鋳面との界面での剥離を容易にしたものである。
【0013】請求項7の発明は、ガラス基板上に、第1
のフォトレジスト層と、中間樹脂層と、第2のフォトレ
ジスト層とを順次積層する積層工程と、レーザ露光及び
現像処理により、前記各フォトレジスト層に凹状の微細
パターンを形成するパターン形成工程と、前記微細パタ
ーン形状の上に導電性皮膜を形成する導電性皮膜形成工
程と、ニッケル電鋳を行って前記導電性皮膜上に電鋳層
を形成する電鋳工程と、前記各工程により形成された積
層体から、前記ガラス基板又は前記ガラス基板を含む積
層体を剥離する剥離工程とを含むスタンパの製造方法に
おいて、前記剥離工程で得られる前記電鋳層上に前記各
フォトレジスト層及び前記中間層が残留してなる電鋳層
側積層体に紫外線処理を行う工程を含むようにすること
を特徴とするもので、スタンパを含む積層体からガラス
基板を剥離したときに、スタンパ上に残存しているフォ
トレジスト表面を感光させることにより、中間樹脂層を
含めた残存フォトレジストをスタンパから除去すること
が可能となるようにしたものである。
【0014】請求項8の発明は、請求項7記載のスタン
パの製造方法において、前記紫外線処理を行った後、ア
ルカリ水溶液処理を行うようにすることを特徴とするも
ので、スタンパを含む積層体からガラス基板を剥離後
に、中間樹脂層を含めた残存フォトレジストをスタンパ
から除去することが可能となるようにしたものである。
【0015】請求項9の発明は、請求項8記載のスタン
パの製造方法において、前記アルカリ水溶液処理を行っ
た後、溶剤処理を行うようにすることを特徴とするもの
で、スタンパを含む積層体からガラス基板を剥離後に、
中間樹脂層を含めた残存フォトレジストをスタンパから
除去することが可能となるようにしたものである。
【0016】請求項10の発明は、ガラス基板上に、第
1のフォトレジスト層と、中間樹脂層と、第2のフォト
レジスト層とを順次積層する積層工程と、レーザ露光及
び現像処理により、前記各フォトレジスト層に凹状の微
細パターンを形成するパターン形成工程と、前記微細パ
ターン形状の上に導電性皮膜を形成する導電性皮膜形成
工程と、ニッケル電鋳を行って前記導電性皮膜上に電鋳
層を形成する電鋳工程と、前記各工程により形成された
積層体から、前記ガラス基板又は前記ガラス基板を含む
積層体を剥離する剥離工程とを含むスタンパの製造方法
において、前記パターン形成工程と前記導電性皮膜形成
工程の間に、前記微細パターン表面に紫外線処理を行う
ようにすることを特徴とするもので、パターン形成後の
フォトレジスト表面を予め感光させておくことで、スタ
ンパを含む積層体からガラス基板を剥離後にスタンパ上
に残存している中間樹脂層を含むフォトレジストの除去
が可能となるようにしたものである。
【0017】請求項11の発明は、請求項10記載のス
タンパの製造方法において、前記剥離工程で前記各フォ
トレジスト層及び前記中間層が前記電鋳層に残留してな
る前記電鋳層側積層体が得られ、該電鋳層側積層体の表
面にアルカリ水溶液処理を行うようにすることを特徴と
するもので、スタンパを含む積層体からガラス基板を剥
離後にスタンパ上に残存している中間樹脂層を含むフォ
トレジストの除去が可能となるようにしたものである。
【0018】請求項12の発明は、請求項11記載のス
タンパの製造方法において、前記アルカリ水溶液処理を
行った後、溶剤処理を行うようにすることを特徴とする
もので、スタンパを含む積層体からガラス基板を剥離後
に、スタンパ上に残存している中間樹脂層を含むフォト
レジストの完全除去が可能となるようにしたものであ
る。
【0019】請求項13の発明は、請求項9または12
記載のスタンパの製造方法において、前記溶剤処理を行
った後、UV/O3処理を行うようにすることを特徴と
するもので、スタンパ上に残存し、フォトレジストに導
電膜が拡散してなっている拡散層の完全除去が可能とな
るようにしたものである。
【0020】請求項14の発明は、請求項13記載のス
タンパの製造方法において、前記UV/O3処理を行っ
た後、純水洗浄を行うようにすることを特徴とするもの
で、ガス化せずに残存している水溶性のレジスト分解生
成物をスタンパから完全除去することが可能となるよう
にしたものである。
【0021】請求項15の発明は、スタンパが請求項1
ないし14のいずれか1記載のスタンパの製造方法によ
って製造されたものであることを特徴とし、記録・再生
信頼性の高い光ディスク媒体を製造できる高精度のスタ
ンパを得ることができるようにしたものである。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に、本発明が適用される実施
形態を添付された図面を参照して具体的に説明する。 (実施例1)図1は、本発明によるスタンパの製造方法
の一実施例とその比較例を説明するためのスタンパ及び
基板を含む積層体の断面図で、図中、1はガラス基板、
2は第1のフォトレジスト層、3は中間樹脂層、4は第
2のフォトレジスト層、5は導電性皮膜、6はNi電鋳
層、7,7′はアドレスピット、8,8′は案内溝であ
る。ガラス基板1をシランカップリング剤(HMDS:
日本ゼオン製 密着剤100)により処理した後、第1
のフォトレジスト層2(Shipley Far East Ltd.製MICRO
POSIT S1400-17)を1500Åの膜厚で塗布形成する。
ここにポリビニルアルコールなどの中間樹脂層3を塗布
形成後、第2のフォトレジスト層4(東京応化製 TS
MR−8900)を1500Åの膜厚で塗布形成する。
この積層体をガスレーザーで露光し、現像(メタケイ酸
ナトリウム NaOSiO2 XH2O 33%,45
秒;リンス180秒)して、アドレスピット7及び案内
溝8のパターンを得る。この上に、Ni導電性皮膜5を
付与した後、この導電性皮膜5の表面にUV/O3照射
装置(DUV−500−1:日本電池製)を用いて、3
0ないし50Å膜厚の剥離皮膜処理を施してからNi電
鋳層6を形成する。Ni電鋳後、剥離皮膜処理された導
電性皮膜5とNi電鋳層6との界面で剥離してスタンパ
を得る。このような工程により、スタンパには高さ30
00Åのアドレスピット7′及び高さ1500Åの案内
溝8′が得られた。また、同一条件でNi導電性皮膜5
に50Å膜厚の剥離皮膜処理を施したものをオージェ電
子分光法により分析したところ、最表面はNi(OH)
2やNi23構造の酸化皮膜であり、深さ30Å部分は
NiO構造の酸化皮膜であった。
【0023】(比較例1)実施例1と同様の方法により
スタンパを作製する。但し、導電性皮膜5の表面にUV
/O3処理により15Å膜厚の剥離皮膜処理を施してか
らNi電鋳する。Ni電鋳後、剥離皮膜処理された導電
性皮膜5とNi電鋳層6との界面の密着が強固で、剥離
することができなかった。また、同一条件でNi導電性
皮膜に15Å膜厚の剥離皮膜処理を施したものをオージ
ェ電子分光法により分析したところ、最表面はNi(O
H)2やNi23構造の酸化皮膜であり、内部の酸化皮
膜の構造も変わらず、深さ15Åより深い部分では、N
i金属のみ検出された。
【0024】(比較例2)実施例1と同様の方法でスタ
ンパを作製する。但し、導電性皮膜5の表面にUV/O
3処理により、100Å膜厚の剥離皮膜処理を施してか
らNi電鋳する。Ni電鋳後、剥離皮膜処理された導電
性皮膜5と電鋳層6との界面の密着が弱く、該界面に電
鋳液の染み込みが見られ、スタンパ表面が電鋳液である
酸に冒されてしまっていた。
【0025】(実施例2)図2は、本発明によるスタン
パの製造方法の他の実施例とその比較例を説明するため
のスタンパ及び基板を含む積層体の断面図で、図中、1
1はガラス基板、12は第1のフォトレジスト層、1
2′は紫外光照射により変性した第1のフォトレジスト
層、13は中間樹脂層、14は第2のフォトレジスト
層、14′は紫外光照射により変性した第2のフォトレ
ジスト層、15は導電性皮膜、16は電鋳層、17,1
7′はアドレスピット、18,18′は案内溝、19は
拡散層である。
【0026】ガラス基板11をシランカップリング剤
(HMDS:日本ゼオン製 密着剤100)により処理
した後、第1のフォトレジスト層12(Shipley Far Ea
st Ltd.製 MICROPOSIT S1400-17)を1500Åの膜厚
で塗布形成する。ここに、ポリビニルアルコールなどの
中間樹脂層13を塗布形成後、第2のフォトレジスト層
14(東京応化製 TSMR−8900)を1500Å
の膜厚で塗布形成する。この積層体をガスレーザーで露
光し、現像(メタケイ酸ナトリウム NaOSiO2
XH2O 33%,45秒;リンス180秒)して、ア
ドレスピット17及び案内溝18のパターンを得る。こ
の上に導電性皮膜15を付与した後、Ni電鋳により電
鋳層16を形成させ、ガラス基板11を剥離して、導電
性皮膜15と電鋳層16からなるスタンパを得るが、こ
のとき導電性皮膜上には、中間樹脂層13を含むフォト
レジスト層12,14が残存している。この残存したフ
ォトレジスト層の表面にメタルハライドランプ(UVL
−3000M1、最大ピーク波長360nm:ウシオ電
気製)による紫外光を照射後、アルカリ水溶液処理(メ
タケイ酸ナトリウムNaOSiO2・XH2O 33%,
45秒;リンス180秒)、溶剤処理,UV/O3
理,純水洗浄を順次施すことにより、スタンパ上の残存
フォトレジスト層及び中間樹脂層を完全に除去すること
ができる。これは前記のフォトレジストへの紫外光の照
射によりフォトレジストの感光成分であるオルソジアゾ
ナフトキノンスルホン酸エステルをインデンカルボン酸
に光化学変化させることにより、アルカリ現像液に可溶
性となるためで、さらに上記の各処理を施すことによ
り、残存フォトレジストの完全除去を可能にするもので
ある。このような工程により、実施例1と同様、高さ3
000Åのアドレスピット17′及び高さ1500Åの
案内溝18′が得られた。
【0027】(比較例3)実施例2と同様の方法でスタ
ンパを得る。但し、中間樹脂層13を含むフォトレジス
ト層12,14が残存したスタンパの該フォトレジスト
表面に紫外線を照射後、アルカリ水溶液処理を実施し
た。ここでは、まだ、スタンパの表面にフォトレジスト
層12,14の残滓が見られる。特に、案内溝18′の
先端や案内溝18′とアドレスピット17′との間の谷
間にフォトレジストが残存しており、スタンパとして使
用不可である。
【0028】(比較例4)実施例2と同様の方法でスタ
ンパを得る。但し、中間層樹脂13を含むフォトレジス
ト層12,14が残存したスタンパの該フォトレジスト
面に紫外線を照射し、アルカリ水溶液処理,溶剤処理を
順次実施した。この結果、まだ、スタンパの表面にフォ
トレジスト層12,14の残滓が見られ、スタンパとし
て使用不可能である。これは、元のガラス原盤を導電化
する際に、スパッタにより打ち込まれた金属原子がレジ
スト面に拡散して拡散層19を形成しており、上記の処
理では除去できないためである。
【0029】(実施例3)図3は、本発明によるスタン
パの製造方法の更に他の実施例を説明するための基板を
含む積層体の断面図で、図中、21はガラス基板、22
は第1のフォトレジスト層、22′は紫外光により変性
した第1のフォトレジスト層、23は中間樹脂層、24
は第2のフォトレジスト層、24′は紫外光により変性
した第2のフォトレジスト層、25は導電性皮膜、26
は電鋳層、27,27′はアドレスピット、28,2
8′は案内溝、29は拡散層である。ガラス基板21を
シランカップリング剤(HMDS:日本ゼオン製 密着
剤100)により処理した後、第1のフォトレジスト層
22(Shipley Far East Ltd.製 MICROPOSIT S1400-1
7)を1500Åの膜厚で塗布形成する。ここに、ポリ
ビニルアルコールなどの中間樹脂層23を塗布形成後、
第2のフォトレジスト層24(東京応化製 TSMR−
8900)を1500Åの膜厚で塗布形成する。この積
層体をガスレーザーで露光し、現像(メタケイ酸ナトリ
ウム NaOSiO2・XH2O 33%,45秒;リン
ス180秒)して、アドレスピット27及び案内溝28
のパターンを得る。ここで、パターンの得られたフォト
レジスト表面にメタルハライドランプ(UVL−300
0M1、最大ピーク波長360nm:ウシオ電気製)に
よる紫外光を照射後、導電性皮膜25を付与し、Ni電
鋳により電鋳層26を形成させ、ガラス基板21を剥離
して電鋳層26と中間樹脂層23からなるスタンパを得
るが、このとき導電性皮膜25上には、中間樹脂層23
を含むフォトレジスト膜22,24が残存している。こ
の残存したフォトレジスト層の表面に、アルカリ水溶液
処理(メタケイ酸ナトリウムNaOSiO2・XH2
33%,45秒;リンス180秒)、溶剤処理,UV/
3処理,純水洗浄を順次行うことにより、スタンパに
残存したフォトレジスト層及び中間樹脂を完全に除去す
ることができる。本実施例においても、実施例2と同様
にフォトレジスト層に紫外光を照射したときに、該フォ
トレジストが変性し、アルカリ現像液に可溶性となる現
象を利用している。このような工程により、実施例1と
同様に高さ1500Åの案内溝28′および高さ300
0Åのアドレスピット27′が得られた。
【0030】
【発明の効果】
請求項1の効果:スタンパを含む積層体からガラス基板
を剥離するときに、スタンパ上にフォトレジストが残存
しないようにすることで、従来機のスタンパの残存フォ
トレジスト除去プロセスを削除できることにより、プロ
セスの合理化が図れるとともに、残存フォトレジストに
起因する欠陥を抑制することが可能となる。 請求項2の効果:導電性皮膜に剥離処理を施すことによ
り、導電性皮膜とNi電鋳面との界面での剥離が容易に
可能となる。 請求項3の効果:導電性皮膜にUV/O3による剥離処
理を施すことにより、導電性皮膜とNi電鋳面との界面
での剥離が容易になり、かつ、クリーンな剥離皮膜の形
成が可能となる。 請求項4,5および6の効果:導電性皮膜とNi電鋳面
との界面での密着力を制御することにより、電鋳の工程
では、充分な密着力を有しながら、かつ、電鋳後におけ
る導電性皮膜とNi電鋳面との界面での剥離が容易にな
る。 請求項7,8および9の効果:スタンパを含む積層体か
らガラス基板を剥離したときに、スタンパ上に残存して
いるフォトレジスト表面を感光させることにより、中間
樹脂層を含めた残存フォトレジストのスタンパからの除
去が可能となる。 請求項10,11および12の効果:パターン形成後の
フォトレジスト表面を予め感光させておくことで、スタ
ンパを含む積層体からガラス基板を剥離後にスタンパ上
に残存している中間樹脂層を含むフォトレジストの除去
が可能となる。 請求項13の効果:紫外線処理を施した中間樹脂層を含
むレジスト層にアルカリ水溶液処理,溶剤処理を行った
後、UV/O3処理を行なうようにすることで、フォト
レジストに導電膜が拡散している拡散層をスタンパから
完全除去することが可能となる。 請求項14の効果:紫外線処理を施した中間樹脂層を含
むレジスト層にアルカリ水溶液処理,溶剤処理,UV/
3処理を行った後、純水洗浄処理を行なうようにする
ことで、ガス化せずに残存している水溶性のレジスト分
解生成物をスタンパから完全除去することが可能とな
る。 請求項15の効果:請求項1ないし14のいずれか1記
載のスタンパの製造方法によって製造されたスタンパ
は、原パターンを高精度に写しているので、記録・再生
信頼性の高い光ディスク媒体の製造を可能とするスタン
パを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるスタンパの製造方法の一実施例
とその比較例を説明するための基板を含む積層体の断面
図である。
【図2】 本発明によるスタンパの製造方法の他の実施
例とその比較例を説明するための基板を含む積層体の断
面図である。
【図3】 本発明によるスタンパの製造方法の更に他の
実施例を説明するための基板を含む積層体の断面図であ
る。
【図4】 従来技術によるスタンパの製造方法を説明す
るための基板を含む積層体の断面図である。
【符号の説明】
1,11,21…ガラス基板、2,22…第1のフォト
レジスト層、3,13,23…中間樹脂層、4,24…
第2のフォトレジスト、5,15,25…導電性皮膜、
6,16,26…電鋳層、7,7′,17,17′,2
7,27′…アドレスピット、8,8′,18,1
8′,28,28′…案内溝、12…第1のフォトレジ
スト層、14…第2のフォトレジスト層、19,29…
拡散層。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス基板上に、第1のフォトレジスト
    層と、中間樹脂層と、第2のフォトレジスト層とを順次
    積層する積層工程と、レーザ露光及び現像処理により、
    前記各フォトレジスト層に凹状の微細パターンを形成す
    るパターン形成工程と、前記微細パターン形状の上に導
    電性皮膜を形成する導電性皮膜形成工程と、ニッケル電
    鋳を行って前記導電性皮膜上に電鋳層を形成する電鋳工
    程と、前記各工程により形成された積層体から、前記ガ
    ラス基板又は前記ガラス基板を含む積層体を剥離する剥
    離工程とを含むスタンパの製造方法において、前記剥離
    工程における剥離界面が前記電鋳層と前記導電性皮膜の
    界面であり、剥離後得られる前記電鋳層がスタンパの表
    面をなすようにすることを特徴とするスタンパの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のスタンパの製造方法にお
    いて、前記導電性皮膜形成工程の後に、前記導電性皮膜
    に剥離皮膜処理を施すことにより、前記剥離工程におい
    て剥離を容易化するようにしたことを特徴とするスタン
    パの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のスタンパの製造方法にお
    いて、前記剥離皮膜処理をUV/O3により行うように
    することを特徴とするスタンパの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のスタンパの製造方法にお
    いて、前記剥離皮膜処理により生成された剥離皮膜の膜
    厚を30〜50Åとすることを特徴とするスタンパの製
    造方法。
  5. 【請求項5】 請求項2ないし4のいずれか1記載のス
    タンパの製造方法において、前記剥離皮膜処理により生
    成された剥離皮膜がNi(OH)2,NiO及びNi2
    3を含むようにすることを特徴とするスタンパの製造方
    法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のスタンパの製造方法にお
    いて、前記剥離皮膜処理により生成された剥離皮膜の前
    記電鋳層側は、Ni(OH)2とNi23の割合が高
    く、前記剥離皮膜の前記ガラス基板側は、NiOの割合
    が高くなるようにすることを特徴とするスタンパの製造
    方法。
  7. 【請求項7】 ガラス基板上に、第1のフォトレジスト
    層と、中間樹脂層と、第2のフォトレジスト層とを順次
    積層する積層工程と、レーザ露光及び現像処理により、
    前記各フォトレジスト層に凹状の微細パターンを形成す
    るパターン形成工程と、前記微細パターン形状の上に導
    電性皮膜を形成する導電性皮膜形成工程と、ニッケル電
    鋳を行って前記導電性皮膜上に電鋳層を形成する電鋳工
    程と、前記各工程により形成された積層体から、前記ガ
    ラス基板又は前記ガラス基板を含む積層体を剥離する剥
    離工程とを含むスタンパの製造方法において、前記剥離
    工程で得られる前記電鋳層上に前記各フォトレジスト層
    及び前記中間層が残留してなる電鋳層側積層体に紫外線
    処理を行う工程を含むようにすることを特徴とするスタ
    ンパの製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項7記載のスタンパの製造方法にお
    いて、前記紫外線処理を行った後、アルカリ水溶液処理
    を行うようにすることを特徴とするスタンパの製造方
    法。
  9. 【請求項9】 請求項8記載のスタンパの製造方法にお
    いて、前記アルカリ水溶液処理を行った後、溶剤処理を
    行うようにすることを特徴とするスタンパの製造方法。
  10. 【請求項10】 ガラス基板上に、第1のフォトレジス
    ト層と、中間樹脂層と、第2のフォトレジスト層とを順
    次積層する積層工程と、レーザ露光及び現像処理によ
    り、前記各フォトレジスト層に凹状の微細パターンを形
    成するパターン形成工程と、前記微細パターン形状の上
    に導電性皮膜を形成する導電性皮膜形成工程と、ニッケ
    ル電鋳を行って前記導電性皮膜上に電鋳層を形成する電
    鋳工程と、前記各工程により形成された積層体から、前
    記ガラス基板又は前記ガラス基板を含む積層体を剥離す
    る剥離工程とを含むスタンパの製造方法において、前記
    パターン形成工程と前記導電性皮膜形成工程の間に、前
    記微細パターン表面に紫外線処理を行うようにすること
    を特徴とするスタンパの製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項10記載のスタンパの製造方法
    において、前記剥離工程で前記各フォトレジスト層及び
    前記中間層が前記電鋳層に残留してなる前記電鋳層側積
    層体が得られ、該電鋳層側積層体の表面にアルカリ水溶
    液処理を行うようにすることを特徴とするスタンパの製
    造方法。
  12. 【請求項12】 請求項11記載のスタンパの製造方法
    において、前記アルカリ水溶液処理を行った後、溶剤処
    理を行うようにすることを特徴とするスタンパの製造方
    法。
  13. 【請求項13】 請求項9または12記載のスタンパの
    製造方法において、前記溶剤処理を行った後、UV/O
    3処理を行うようにすることを特徴とするスタンパの製
    造方法。
  14. 【請求項14】 請求項13記載のスタンパの製造方法
    において、前記UV/O3処理を行った後、純水洗浄を
    行うようにすることを特徴とするスタンパの製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項1ないし14のいずれか1記載
    のスタンパの製造方法によって製造されたスタンパ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20020084806A (ko) * 2001-05-01 2002-11-11 티디케이가부시기가이샤 광정보매체의 제조방법 및 제조장치

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