JP2002170289A - 光情報記録媒体用スタンパの製造方法 - Google Patents

光情報記録媒体用スタンパの製造方法

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JP2002170289A
JP2002170289A JP2000366667A JP2000366667A JP2002170289A JP 2002170289 A JP2002170289 A JP 2002170289A JP 2000366667 A JP2000366667 A JP 2000366667A JP 2000366667 A JP2000366667 A JP 2000366667A JP 2002170289 A JP2002170289 A JP 2002170289A
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master
stamper
water
soluble resin
layer
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JP2000366667A
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Yuzuru Kudo
譲 工藤
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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  • Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 下層に形成された露光ビームスポット径以下
の微細溝パターンを損なうことなく、かつ低欠陥・低コ
ストでスタンパ化することができる光情報記録媒体用ス
タンパの製造方法を提供する。 【解決手段】 原盤11上に水溶性樹脂層12を形成す
る工程と、水溶性樹脂層の上にフォトレジスト膜13を
形成する工程と、フォトレジスト膜を熱処理する工程
と、原盤をガラス板18に接合して裏打ちする工程と、
光ビーム20により所定の溝パタンをフォトレジスト膜
へ露光する工程と、露光済みのフォトレジスト膜を、現
像、洗浄後、水溶性樹脂層のエッチングを行って水溶性
樹脂層に微細パターンを形成する工程と、原盤表面に導
電皮膜を形成し、ニッケル電鋳してニッケル層を積層さ
せる工程と、ガラス板を原盤から剥離する工程と、原盤
及び水溶性樹脂層を溶解除去・水洗浄する工程と、ニッ
ケル層を裏面研磨・内外径加工してマスタスタンパ盤を
製作する工程とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光情報記録媒体用ス
タンパの製造方法に関し、詳細には微細な凹凸パターン
を有するスタンパを安価に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光ディスク用原盤には、スパイラル状又
は同心円上に、トラッキング用の案内溝やアドレス・デ
ータを表す凹凸のピットが予め形成されている。このよ
うな案内溝やピットのパターンは、原盤となるガラス基
板状にフォトレジスト層を形成し、原盤露光装置の対物
レンズで形成すべきパターンに応じて強度変調された光
ビームを収束してフォトレジスト層を露光し、その後現
像することによって、得られる。
【0003】一般に、フォトレジストは、露光による光
架橋反応と熱架橋反応により潜像が形成されるため、ビ
ームスポット径よりも1割〜2割程度、開口部の溝幅
(台形形状の長い辺:Wtop)は広くなる。また、集
光ビームの光強度分布がガウス分布であるため、フォト
レジストに形成された溝は台形形状となる。(図1の
(e)参照)台形溝の問題点は、トラックピッチが狭くな
ると、溝の開口部が隣接トラック間で干渉し合い、溝と
溝の間の平坦部分(ランド)の高さが減少し、溝の深さ
をフォトレジストの膜厚で制御できなくなる点である。
また、ランドが平坦でないスタンパから作製された光情
報記録媒体の記録特性が低下する問題(隣接トラックか
らのクロストーク信号が増加し、特にジッタ特性が低下
する)がある。このために、トラックピッチが狭い大容
量の光情報記録媒体用スタンパでは、溝幅が狭く、溝断
面が矩形である必要がある。フォトレジストに形成する
溝を狭くするには、露光ビームの波長を短く、対物レン
ズの開口数NAを大きくすればよいが、露光時の焦点深
度が小さくなるため、溝形状の変動が懸念される。
【0004】そこで、短波長と高NAにせずとも、露光
ビームスポット以下の細い溝断面が得られるフォトリソ
グラフィ技術が必要となる。露光ビームスポット径以下
の溝形成を可能にする技術として、異種金属層を用い
て微細溝を形成する方法、上層のフォトレジストマス
クパタンを利用して下層をエッチングする方法がある。
の代表例として、特開平5−131457号公報(以
下従来例1と称す)がある。この技術は、SiO2基盤
上にAu層、Ti層を成膜し、Ti層の上にレジストパ
ターンを形成する。レジストパターンをマスクとしてT
i層のみをAu表面までエッチングした後レジストを除
去して、Ti表面にNiを電鋳してTiのパターンを反
転したNi電鋳層を形成し、Au層Ti層を溶解除去し
てNiからなるスタンパを得るというもの。これによっ
て溝深さにばらつきのない微細な凹凸パターンが得られ
る。の代表例としては、特開平9−106584号公
報(以下従来例2と称す)がある。この技術は、フォト
レジストに形成されるパタンは断面が台形になることを
利用し、このレジストパタンをマスクとしてレジストの
下に形成された中間層をエッチングし、さらにこの中間
層をマスクとして下層をエッチングすることで、ビーム
スポット径(レジストの溝パタン)よりも細く、断面の
垂直性が高い溝形成が可能になるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例1は、金属層の一つにAuを使い最終的に溶解除去
してしまうため、材料費が高価になると言う欠点があ
る。また、Au層やTi層を溶解除去するために何種類
もの薬品が必要で、また工程数も増加して欠陥も出やす
くなり製造コストがアップする。更に、上記従来例2で
は、原盤がエッチング材(下層)/SiO2(中間層)
/フォトレジスト(上層)の3層で構成されている。中
間層をマスク層として、下層をエッチングし、この下層
(エッチング層)の溝パタンをスタンパとして使用す
る。この結果、単層のフォトレジスト膜を用いて溝形成
する方法より、中間層と下層を成膜する工程と、中間層
と下層をエッチングする工程が増えるため、工程内で付
着する欠陥の増加で歩留まり低下や、工数増加によるコ
ストアップの問題が生じる。また、スタンパ化する前に
フォトレジスト層及び中間層は剥離除去しなければなら
ないが、剥離用薬品によって下層に形成された精細な微
細溝パターンが、崩れてしまうという致命的な不具合が
発生する。
【0006】本発明はこれら問題点を解決するためのも
のであり、下層に形成された露光ビームスポット径以下
の微細溝パターンを損なうことなく、かつ低欠陥・低コ
ストでスタンパ化することができる光情報記録媒体用ス
タンパの製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記問題点を解決するた
めに、本発明の光情報記録媒体用スタンパの製造方法
は、原盤上に水溶性樹脂を塗布して水溶性樹脂層を形成
する工程と、水溶性樹脂層の上にフォトレジストを塗布
してフォトレジスト膜を形成する工程と、フォトレジス
ト膜を熱処理する工程と、原盤をガラス板に接合して裏
打ちする工程と、光ビームにより所定の溝パタンをフォ
トレジスト膜へ露光する工程と、露光済みのフォトレジ
スト膜を、アルカリ性現像液による現像、現像後の純水
洗浄すると同時に、水溶性樹脂層のエッチングを行って
水溶性樹脂層に微細パターンを形成する工程と、原盤表
面に導電皮膜を形成し、導電皮膜をニッケル電鋳してフ
ォトレジストの溝パタンと凹凸が逆転した溝パタンを有
するニッケル層を積層させる工程と、ガラス板を原盤か
ら剥離する工程と、原盤及び水溶性樹脂層を溶解除去・
水洗浄する工程と、ニッケル層を裏面研磨・内外径加工
してマスタスタンパ盤を製作する工程とを有することに
特徴がある。よって、回折限界以下の微細溝パターンを
崩すことなく、しかも低欠陥でかつ低コストで光情報記
録媒体用スタンパを形成することができる。
【0008】また、水溶性樹脂は、ポリビニルアルコー
ル、メチルセルロース、又はポリビニルピロリドンであ
ることが望ましい。
【0009】更に、原盤は、板厚が100μm以下のア
ルミ又はアルミ合金製の薄板であることにより、スタン
パの微細溝パターンを損なうことなく、容易に溶解除去
することができる。
【0010】また、原盤へ水溶性樹脂及びフォトレジス
トをスピン塗布する場合に、多孔質焼結体を研磨、研削
又は切削して平滑面を持った吸着チャック治具を用いて
原盤を吸着保持することにより、吸着時にアルミ薄板を
反ったり曲がったりすることがなく、原盤に水溶性樹脂
又はフォトレジストを均一な厚さに塗布できる。
【0011】更に、原盤をガラス板に接合して裏打ちす
る工程において、接合剤として紫外線を透過するテープ
基剤のタイプの両面粘着テープを用いたことにより、容
易に裏打ちでき、後工程のニッケル電鋳において内部応
力による原盤の反りを防ぐことができる。また、両面粘
着テープは、少なくとも原盤を接合する面の粘着剤が紫
外線を照射すると粘着力の消滅するものであることによ
り、電鋳後原盤から裏打ちのガラス板を剥離する場合に
もガラス板側から紫外線を照射するだけで簡単に剥離除
去できるため、剥離時に余計な力が加わることがなく、
スタンパを損傷することを防止できる。
【0012】また、ガラス板の厚さを1mm〜5mmの
範囲としたことにより、ニッケル電鋳において内部応力
によって原盤の反りを防ぐことができ、また紫外線照射
工程において石英ガラスのように高価な材質のガラス板
を用いずとも紫外線が両面粘着テープの粘着剤に十分に
照射でき、ガラス板及び両面粘着テープを簡単に剥離除
去できるため、剥離時に余計な力が加わることがなく、
スタンパを損傷することを防止できる。
【0013】更に、原盤及び水溶性樹脂層を溶解除去・
水洗浄する工程における原盤を溶解する水溶液は、塩
酸、リン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのいず
れかの水溶液であるにより、原盤溶解後水洗浄によって
この水溶液を洗い流すことができ、ニッケルスタンパ及
びフォトレジスト層を損なうことなく完全に原盤及び水
溶性樹脂層を溶解除去することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の光情報記録媒体用スタン
パの製造方法は、原盤上に水溶性樹脂を塗布して水溶性
樹脂層を形成する工程と、水溶性樹脂層の上にフォトレ
ジストを塗布してフォトレジスト膜を形成する工程と、
フォトレジスト膜を熱処理する工程と、原盤をガラス板
に接合して裏打ちする工程と、光ビームにより所定の溝
パタンをフォトレジスト膜へ露光する工程と、露光済み
のフォトレジスト膜を、アルカリ性現像液による現像、
現像後の純水洗浄すると同時に、水溶性樹脂層のエッチ
ングを行って水溶性樹脂層に微細パターンを形成する工
程と、原盤表面に導電皮膜を形成し、導電皮膜をニッケ
ル電鋳してフォトレジストの溝パタンと凹凸が逆転した
溝パタンを有するニッケル層を積層させる工程と、ガラ
ス板を原盤から剥離する工程と、原盤及び水溶性樹脂層
を溶解除去・水洗浄する工程と、ニッケル層を裏面研磨
・内外径加工してマスタスタンパ盤を製作する工程とを
有する。
【0015】
【実施例】図1は本発明の一実施例に係る光情報記録媒
体用スタンパの製造方法における原盤〜スタンパ製作ま
での工程を示す図である。はじめに、図示していない
が、原盤洗浄工程を行う。つまり、超純水により、アル
ミ原盤に付着したゴミを除去する目的で、原盤を洗浄・
乾燥する。なお、原盤の材質としては、後の溶解除去を
前提としているので、それの容易な板厚100μm以下
の純アルミ又はアルミ合金の薄板を選定する。また、原
盤表面は鏡面仕上げしておく。次に、図示していない
が、表面処理工程を行う。つまり、原盤に対する水溶性
樹脂層の塗布性を向上させるために、オゾン処理により
原盤表面の有機物の除去と表面に酸化皮膜を形成する。
この効果で、原盤に対する水溶性樹脂の塗れ性が向上
し、水溶性樹脂の膜厚を均一化できると共に、水溶性樹
脂と原盤の密着性が強まる。そして、図1の(a)に示
すように、下層塗布工程を行う。つまり、表面処理され
た原盤11に、水溶性樹脂をスピンコートし、加熱乾燥
・冷却することにより水溶性樹脂層12を形成する。こ
の時、塗布された下層の膜厚は、スタンパ表面に形成す
る溝深さと同じ大きさに塗布する必要がある。なお、ス
ピナー28の吸着チャック治具であるが、吸着面に溝や
Oリングがあるタイプのものは、原盤11がアルミの薄
板であるためそれに沿って凹凸ができてしまい、均一な
塗布ができない。そこで、図2に示すように、金属やセ
ラミックスの多孔質焼結体29を研磨・研削又は切削す
ることによって平坦化したもので吸着部を構成すること
によって吸着保持することにより、凹凸のない平坦面が
得られ、均一な厚さの下層が形成できる。
【0016】次に、図1の(b)に示すように、フォト
レジストマスク層塗布工程を行う。つまり、上述の下層
塗布工程で下層形成された表面に、フォトレジストをス
ピンコートし、加熱乾燥・冷却することにより、フォト
レジストマスク層13を形成する。この場合にも、下層
塗布工程と同じ吸着チャック治具によってフォトレジス
ト塗布を行う。そして、図1の(c)に示すように、ガ
ラス板接合裏打ち工程を行う。上述のフォトレジストマ
スク層塗布工程でフォトレジストマスク層13まで形成
された原盤11を、ある程度の厚さのある平坦なガラス
板18に接合し裏打ちする。接合には両面粘着テープ1
7を使用するが、少なくとも原盤11を接合する側の両
面粘着テープ17の粘着剤14には、紫外線を照射する
と粘着力を失うタイプのものを用いる。このタイプの両
面粘着テープ17は、古河電気工業、日東電工等で市販
されている。なお、当然であるが、テープ基剤15に
は、紫外線を透過するタイプのものが用いられる。ま
た、ガラス板18の厚みの範囲は、1mm〜5mmとす
る。これは、原盤11がアルミ薄板なので、後のニッケ
ル電鋳工程でニッケルの内部応力によって原盤が反って
しまうのを防止するためと、後述する紫外線照射工程に
おいて、石英ガラスのように高価な材質をガラス板18
に用いずとも、紫外線が粘着剤14に十分に照射できる
ようにするためである。更に、図1の(d)に示すよう
に、原盤露光工程を行う。つまり、ガラス板接合裏打ち
工程で製作した原盤11を対物レンズ19を介したKr
ガスレーザの露光ビーム20により原盤露光する。原盤
11を回転横送りしながら露光することにより、フォト
レジストマスク層13にはスパイラル状の潜像21が形
成される。
【0017】次に、図1の(e)に示すように、現像工
程を行う。つまり、露光された原盤11を現像し、露光
された部分(潜像が形成された部分)を除去し、純水に
よりリンス、回転乾燥する。また、この時、現像時にフ
ォトレジストマスク層13がマスク層の働きをして、図
1の(f)に示すように、下層の水溶性樹脂層12が現
像液とリンスでエッチングされる。下層に形成される溝
幅は、マスク層の台形形状の底の幅(Wbot)の大き
さで決定される。そして、図1の(g)に示すように、
導電皮膜処理工程を行う。上述の現像工程の溝パタンを
有する原盤11の表面に、スパッタでニッケルスパッタ
膜22を形成する。また、図1の(h)に示すように、
ニッケル電鋳工程を行う。上述の導電皮膜処理工程によ
る導電皮膜付きの原盤11をニッケル電鋳し、ニッケル
電鋳層を積層する。次に、図1の(i)に示すように、
ガラス板除去工程を行う。つまり、ニッケルでのニッケ
ル電鋳された盤のガラス板18の面から紫外線を照射
し、粘着剤14の粘着力を失わせた後に、図1の(j)
に示すように、ガラス板18と両面粘着テープ17を剥
がし除去する。そして、図1の(k)に示すように、原
盤・下層除去工程を行う。つまり、ガラス板除去工程の
処理まで済んだ板を、塩酸、リン酸、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、のいずれかの水溶液24に浸漬
し、原盤11及び水溶性樹脂層12を溶解除去する。こ
のような薬品を用いることにより、ニッケル電鋳面及び
フォトレジスト層を侵すことなく、容易にアルミの原盤
11及び下層の水溶性樹脂層12を溶解除去することが
できる。その後、水洗によって溶解用薬品を洗い流すと
同時に、下層も完全に除去することができる。最後に、
図1の(l)に示すように、マスタスタンパ化工程を行
う。つまり、原盤・下層除去工程の板の、裏面(溝パタ
ンが形成されていない面)を研磨、内外径を所望の寸法
にプレス加工することで、マスタスタンパが完成する。
【0018】以上説明したように、本実施例による製作
プロセスでは、原盤とフォトレジストマスク層の間に水
溶性樹脂層を設けており、フォトレジストマスク膜に形
成された溝パタンをマスク層として利用し、エッチング
で形成された下層の溝パタンをスタンパにする。この結
果、溝の底幅が下層の溝幅となるため、フォトレジスト
マスク膜に形成された溝断面よりも細い溝、すなわち露
光ビームスポット径以下の微細溝を下層に形成すること
ができ、また台形ではなく、断面形状が矩形の溝パタン
を得ることができる。また、露光用光源として波長40
0nm近傍のKrガスレーザを用いることが可能なの
で、光学系も高価な紫外域用ではなく通常の可視領域の
ものを使用でき、コスト的に非常に有利となる。更に、
最終的にフォトレジストマスク層を残して、下層の水溶
性樹脂層を除去しマスタスタンパ化することが大きな特
徴である。従来レジストマスク法では、下層の水溶性樹
脂層に形成された微細溝パターン形状を損なうことな
く、マスク層であるフォトレジストを除去することが非
常に困難であった。どうしても下層の微細溝パターン
に、だれや崩れが発生した。原因は、水溶性樹脂がフォ
トレジストに比べて耐溶媒性及び耐水性で劣るためであ
る。そこで、本実施例では、下層及びマスク層であるフ
ォトレジストを同時に残したままニッケル電鋳でニッケ
ルを積層させ、その後下層のみを溶解除去しフォトレジ
ストを残すことにより、露光ビームスポット径以下の微
細溝パターンを有するマスタスタンパ盤を得られるよう
になった。但し、本実施例によって製作されたマスタス
タンパ盤は、フォトレジスト層が表面に形成されている
ので、そのままではメディアの射出成型用のスタンパと
して用いることはできない。そこで以下の方法で実際の
射出形成用スタンパを製作する。
【0019】先ず、図3の(a)に示すように、マスタ
スタンパのニッケルの微細溝パターンである表面酸化部
分25に、湿式法又は乾式法によって表面酸化処理を施
す。図3の(b)に示すように、この微細溝パターン形
成面側に、ニッケルスパッタで導電性皮膜26を形成さ
せる。そして、図3の(c)に示すように、この処理が
済んだ盤の微細溝パターン形成面側にニッケル電鋳によ
ってニッケル電鋳層27を積層させる。最後に、図3の
(d)に示すように、盤から積層させたニッケル盤を剥
離する。上述の表面酸化処理によって、微細溝パターン
部分を忠実に転写したスタンパを、微細溝形状パターン
を壊すことなく容易に剥離することができる。この後残
留付着しているフォトレジストを溶剤で溶解除去、純水
で洗浄、高速回転乾燥、内外径を所望の寸法にプレス加
工することで、マザスタンパが完成する。これで、マス
タスタンパから溝凹凸パターンが逆になったマザスタン
パを作成できたが、このスタンパでは溝凹凸形状が逆の
メディアが成形されてしまう。そこで更に、マザスタン
パの表面を酸化処理してから再度ニッケル電鋳によって
ニッケルを積層させて、剥離・内外径を所望の寸法にプ
レス加工することで、実際に射出形成のスタンパとして
使用できるサンスタンパが完成する。
【0020】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、特許請求の範囲内の記載であれば多種の変
形や置換可能であることは言うまでもない。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光情報記
録媒体用スタンパの製造方法は、原盤上に水溶性樹脂を
塗布して水溶性樹脂層を形成する工程と、水溶性樹脂層
の上にフォトレジストを塗布してフォトレジスト膜を形
成する工程と、フォトレジスト膜を熱処理する工程と、
原盤をガラス板に接合して裏打ちする工程と、光ビーム
により所定の溝パタンをフォトレジスト膜へ露光する工
程と、露光済みのフォトレジスト膜を、アルカリ性現像
液による現像、現像後の純水洗浄すると同時に、水溶性
樹脂層のエッチングを行って水溶性樹脂層に微細パター
ンを形成する工程と、原盤表面に導電皮膜を形成し、導
電皮膜をニッケル電鋳してフォトレジストの溝パタンと
凹凸が逆転した溝パタンを有するニッケル層を積層させ
る工程と、ガラス板を原盤から剥離する工程と、原盤及
び水溶性樹脂層を溶解除去・水洗浄する工程と、ニッケ
ル層を裏面研磨・内外径加工してマスタスタンパ盤を製
作する工程とを有することに特徴がある。よって、回折
限界以下の微細溝パターンを崩すことなく、しかも低欠
陥でかつ低コストで光情報記録媒体用スタンパを形成す
ることができる。
【0022】また、水溶性樹脂は、ポリビニルアルコー
ル、メチルセルロース、又はポリビニルピロリドンであ
ることが望ましい。
【0023】更に、原盤は、板厚が100μm以下のア
ルミ又はアルミ合金製の薄板であることにより、スタン
パの微細溝パターンを損なうことなく、容易に溶解除去
することができる。
【0024】また、原盤へ水溶性樹脂及びフォトレジス
トをスピン塗布する場合に、多孔質焼結体を研磨、研削
又は切削して平滑面を持った吸着チャック治具を用いて
原盤を吸着保持することにより、吸着時にアルミ薄板を
反ったり曲がったりすることがなく、原盤に水溶性樹脂
又はフォトレジストを均一な厚さに塗布できる。
【0025】更に、原盤をガラス板に接合して裏打ちす
る工程において、接合剤として紫外線を透過するテープ
基剤のタイプの両面粘着テープを用いたことにより、容
易に裏打ちでき、後工程のニッケル電鋳において内部応
力による原盤の反りを防ぐことができる。また、両面粘
着テープは、少なくとも原盤を接合する面の粘着剤が紫
外線を照射すると粘着力の消滅するものであることによ
り、電鋳後原盤から裏打ちのガラス板を剥離する場合に
もガラス板側から紫外線を照射するだけで簡単に剥離除
去できるため、剥離時に余計な力が加わることがなく、
スタンパを損傷することを防止できる。
【0026】また、ガラス板の厚さを1mm〜5mmの
範囲としたことにより、ニッケル電鋳において内部応力
によって原盤の反りを防ぐことができ、また紫外線照射
工程において石英ガラスのように高価な材質のガラス板
を用いずとも紫外線が両面粘着テープの粘着剤に十分に
照射でき、ガラス板及び両面粘着テープを簡単に剥離除
去できるため、剥離時に余計な力が加わることがなく、
スタンパを損傷することを防止できる。
【0027】更に、原盤及び水溶性樹脂層を溶解除去・
水洗浄する工程における原盤を溶解する水溶液は、塩
酸、リン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのいず
れかの水溶液であるにより、原盤溶解後水洗浄によって
この水溶液を洗い流すことができ、ニッケルスタンパ及
びフォトレジスト層を損なうことなく完全に原盤及び水
溶性樹脂層を溶解除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る光情報記録媒体用スタ
ンパの製造方法における原盤〜スタンパ製作までの工程
を示す図である。
【図2】本実施例で用いた吸着チャック治具の構成を示
す概略断面図である。
【図3】射出形成用スタンパの作成工程を示す図であ
る。
【符号の説明】
11;原盤、12;水溶性樹脂層、13;フォトレジス
トマスク層、14,16;接着剤、15;テープ基剤、
17;両面粘着テープ、18;ガラス板、19;対物レ
ンズ、20;露光ビーム、21;潜像、22;ニッケル
スパッタ膜、23,27;ニッケル電鋳層、24;水溶
液、25;表面酸化部分、26;導電性皮膜、28;ス
ピナー、29;多孔質焼結体、30;ノズル。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原盤上に水溶性樹脂を塗布して水溶性樹
    脂層を形成する工程と、水溶性樹脂層の上にフォトレジ
    ストを塗布してフォトレジスト膜を形成する工程と、フ
    ォトレジスト膜を熱処理する工程と、原盤をガラス板に
    接合して裏打ちする工程と、光ビームにより所定の溝パ
    タンをフォトレジスト膜へ露光する工程と、露光済みの
    フォトレジスト膜を、アルカリ性現像液による現像、現
    像後の純水洗浄すると同時に、水溶性樹脂層のエッチン
    グを行って水溶性樹脂層に微細パターンを形成する工程
    と、原盤表面に導電皮膜を形成し、導電皮膜をニッケル
    電鋳してフォトレジストの溝パタンと凹凸が逆転した溝
    パタンを有するニッケル層を積層させる工程と、ガラス
    板を原盤から剥離する工程と、原盤及び水溶性樹脂層を
    溶解除去・水洗浄する工程と、前記ニッケル層を裏面研
    磨・内外径加工してマスタスタンパ盤を製作する工程と
    を有することを特徴とする光情報記録媒体用スタンパの
    製造方法。
  2. 【請求項2】 前記水溶性樹脂は、ポリビニルアルコー
    ル、メチルセルロース、又はポリビニルピロリドンであ
    る請求項1記載の光情報記録媒体用スタンパの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 前記原盤は、板厚が100μm以下のア
    ルミ又はアルミ合金製の薄板である請求項1記載の光情
    報記録媒体用スタンパの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記原盤へ前記水溶性樹脂及び前記フォ
    トレジストをスピン塗布する場合に、多孔質焼結体を研
    磨、研削又は切削して平滑面を持った吸着チャック治具
    を用いて前記原盤を吸着保持する請求項1記載の光情報
    記録媒体用スタンパの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記原盤を前記ガラス板に接合して裏打
    ちする工程において、接合剤として紫外線を透過するテ
    ープ基剤のタイプの両面粘着テープを用いた請求項1記
    載の光情報記録媒体用スタンパの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記両面粘着テープは、少なくとも前記
    原盤を接合する面の粘着剤が紫外線を照射すると粘着力
    の消滅するものである請求項1記載の光情報記録媒体用
    スタンパの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記ガラス板の厚さを1mm〜5mmの
    範囲とした請求項1記載の光情報記録媒体用スタンパの
    製造方法。
  8. 【請求項8】 前記原盤及び前記水溶性樹脂層を溶解除
    去・水洗浄する工程における前記原盤を溶解する水溶液
    は、塩酸、リン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム
    のいずれかの水溶液である請求項1記載の光情報記録媒
    体用スタンパの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100601970B1 (ko) 2004-11-02 2006-07-18 삼성전자주식회사 전도성 폴리머를 이용한 정보저장매체용 몰드의 제조 방법
US11467487B2 (en) * 2019-01-03 2022-10-11 Boe Technology Group Co., Ltd. Method for manufacturing template

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