JP2003115138A - 情報記録媒体の原盤製造方法および情報記録媒体の原盤 - Google Patents

情報記録媒体の原盤製造方法および情報記録媒体の原盤

Info

Publication number
JP2003115138A
JP2003115138A JP2001307064A JP2001307064A JP2003115138A JP 2003115138 A JP2003115138 A JP 2003115138A JP 2001307064 A JP2001307064 A JP 2001307064A JP 2001307064 A JP2001307064 A JP 2001307064A JP 2003115138 A JP2003115138 A JP 2003115138A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thin film
photoresist layer
intermediate thin
information recording
recording medium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001307064A
Other languages
English (en)
Inventor
Shin Masuhara
慎 増原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP2001307064A priority Critical patent/JP2003115138A/ja
Publication of JP2003115138A publication Critical patent/JP2003115138A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
  • Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 深さの異なる凹部を正確な深さで、かつ混在
した状態で形成する。 【解決手段】 ガラス基板2の表面にフォトレジスト層
4を形成し、フォトレジスト層4の上にアルミニウム、
窒化シリコンなどによる中間薄膜6をたとえばスパッタ
ー法により形成する。さらに中間薄膜6の上にフォトレ
ジスト層4より厚くフォトレジスト層8形成する。次に
ピット形成箇所10には強い強度で、グルーブ形成箇所
16には弱い強度でレーザー光12を照射してフォトレ
ジスト層8を露光する。その後、フォトレジスト層8に
対してアルカリ現像液を用いて現像処理を行い、露光箇
所のフォトレジストおよび中間薄膜6を除去する。次
に、酸素ガスを用いた全面RIEを行う。このときグル
ーブ形成箇所16では中間薄膜6が、ピット形成箇所1
0ではガラス基板2がエッチングストッパーとなり、グ
ルーブ24およびピット22が正確な深さで形成され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、情報記録媒体の原
盤製造方法および情報記録媒体の原盤に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】図3の(A)は光ディスクの概略斜視
図、(B)はライタブル光ディスクの一部を示す部分拡
大斜視図、(C)は再生専用光ディスクの一部を示す拡
大斜視図である。情報記録媒体である光ディスクには、
情報の記録が可能な相変化型あるいは光磁気型などのラ
イタブル光ディスクと、再生専用の光ディスクとがあ
り、これらはいずれも、図3の(A)に示したように、
円盤状の透明なプラスチック製の基板102の一方の面
を情報記録面104としている。
【0003】そして、ライタブル光ディスクでは、情報
記録面104上に、図3の(B)に示したような連続的
な溝としてのグルーブ106が、トラックごとに所定の
トラックピッチPでスパイラル状に形成され、また、情
報記録面104上に、相変化膜あるいは磁性膜、光反射
層、ならびに保護膜(いずれも図示せず)が形成されて
いる。情報を記録/再生する際には、上記グルーブ10
6を案内溝として用いて相変化膜あるいは磁性膜に情報
が記録される。
【0004】一方、再生専用の光ディスクでは、図3の
(C)に示したようなピット108の列が、トラックご
とに所定のトラックピッチPでスパイラル状に形成さ
れ、また、情報記録面104上に光反射層および保護膜
(いずれも図示せず)が形成されている。
【0005】ところで、ライタブル光ディスクでは通
常、アドレス情報を記録したり、あるいは、あらかじめ
固有情報を記録しておくために、グルーブとともにピッ
ト列も形成され、したがって情報記録面104にはグル
ーブ106とピット108とが混在している。また、1
枚の光ディスクにピット108を形成した再生専用領域
と、おもにグルーブ106が形成された記録可能領域
(ライタブル領域)とが共存するパーシャルROMディ
スクと称される光ディスクも提案されている。図4は、
この種のパーシャルROMディスクを模式的に示す概略
斜視図である。この例では、光ディスク110の中央部
側がライタブル領域112であってグルーブ(図示せ
ず)が形成されており、一方、光ディスク110の外周
側がROM領域114(再生専用領域)であってピット
(図示せず)が形成されている。なお、ライタブル領域
112と、ROM領域114との間には境界ミラー面1
16が形成されている。このようなパーシャルROMデ
ィスクを用いると、たとえばゲームソフトを使用中に一
時ゲームを中断するような場合に、データーをディスク
自体に保存することができるため好都合である。
【0006】しかし、このようにグルーブ106および
ピット108をともに備えた光ディスクを製造する場合
には、グルーブ106とピット108とで最適な深さが
相互に異なることから、製造上の困難がともなう。以
下、この点について詳しく説明する。光ディスクはスタ
ンパーを金型として作製され、スタンパーは原盤にもと
づいて作製される。図5の(A)から(F)はこの光デ
ィスクの原盤を作製するための各工程を示す原盤などの
斜視図である。まず、図5の(A)に示したように、円
盤状のガラス基板118を用意し、その上に、図5の
(B)に示したように、感光してアルカリ可溶性となる
フォトレジストをスピンコート法により約100nmの
厚さに塗布し、フォトレジスト層120を形成する。
【0007】次に、図5の(C)に示したように、ガラ
ス基板118を回転させつつ(矢印A)、所定強度、あ
るいは記録情報に対応する強度の光122を対物レンズ
124によりフォトレジスト層120上に集光して、フ
ォトレジスト層120を露光する。このとき、対物レン
ズ124を移動させ(矢印B)、光122の照射位置を
ガラス基板118の半径方向に移動させることで、露光
により形成される潜像126はスパイラル状となる。
【0008】その後、図5の(D)に示したように、フ
ォトレジスト層120を現像することにより、フォトレ
ジスト層120の感光箇所が溶解して除去され、グルー
ブ128や不図示のピットがフォトレジスト層120に
形成される。つづいて、図5の(E)に示したように、
ガラス基板118にニッケルメッキを施し、ガラス基板
118上に形成されたニッケルメッキ層130を剥がし
取ることで、上記グルーブ128やピットが転写された
スタンパー132を得る。そして、図5の(F)に示し
たように、スタンパー132を金型としてプラスチック
射出成形、またはPhotoPolymerizati
on法(2P法)によって、グルーブ106やピットが
形成されたディスク基板134を作製する。
【0009】次に、上述したフォトレジスト層120に
光122を照射する工程について詳しく説明する。図6
は露光装置の一例を示す構成図である。この露光装置1
36は、図6に示したように、フォトレジスト層120
に照射すべきレーザー光は、たとえば気体レーザー13
8により生成され、このレーザー光140はEO結晶1
42(電気光学結晶)および検光子144を通じビーム
スプリッター146に入射して2つの光に分割され、一
方は変調部148に、もう一方はフォトディテクター1
50に入射する。
【0010】変調部148はレンズ152、AOM15
4(Acousto−OpticModulator:
音響光学変調素子)、レンズ156を含み、ビームスプ
リッター146からのレーザー光158はレンズ152
によってAOM154に集光され、AOM154内部に
形成された回折格子により回折する。回折光のうち、1
次回折光のみがスリットにより選択して使用され、1次
回折光の強度は、AOM154に供給する超音波148
Aの強度を変えることにより制御される。
【0011】そして、AOM154を出たレーザー光1
58はレンズ156を通じてビームスプリッター162
に入射し、さらに1/4波長板164、レンズ系16
6、ならびに対物レンズ124を通じてガラス基板11
8上のフォトレジスト層120に入射し、フォトレジス
トが露光される。
【0012】なお、ビームスプリッター146からフォ
トディテクター150に入射したレーザー光168は、
フォトディテクター150で電気信号に変換され、この
電気信号は記録光パワー制御回路170に入力される。
記録光パワー制御回路170は、フォトディテクター1
50からの信号にもとづいてEO結晶142を制御し、
その結果、検光子144を出射するレーザー光の強度
が、基準電圧172に応じた強度に安定化される。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記図5に
示した工程でグルーブやピットを形成した場合、フォト
レジスト層120を除去しガラス基板118の表面を露
出させた箇所がグルーブやピットとなるので、それらの
深さは、フォトレジスト層120の厚さに一致し、した
がってグルーブおよびピットの深さは同一となる。
【0014】しかしながら、グルーブとピットの深さは
最適値が相互に異なっており、特に高記録密度化を図る
場合に、深さを最適化することが重要となる。すなわ
ち、ピットの深さdpは、λを再生光の波長、nを光デ
ィスク基板の屈折率とすると、dp=λ/4nとするこ
とで変調度が最大となり、再生信号特性においてもっと
も有利となる。よって、たとえばλ=405nm、n=
1.58(光ディスクにポリカーボネイトを用いた場
合)のとき、ピットの深さdpの最適値は約65nmと
なる。これに対して、相変化型または光磁気型光ディス
クで情報記録/再生時に案内溝として機能するグルーブ
では、その深さdgは、トラッキング信号(プッシュプ
ル信号)が最大となるように設定すべきであり、したが
ってdg=λ/8nが理想的である。そして、近年の高
記録密度化に関する研究によって、グルーブの深さが情
報の記録/再生特性に与える影響が分かってきており、
最大の記録密度を得るためには、場合によっては最適値
に対して±2nm以下の精度で深さを設定する必要があ
る。
【0015】そのため、従来の方法で原盤を作製し、グ
ルーブおよびピットの深さを同一にした場合には、記録
密度を下げざるを得ず、高記録密度化の実現は困難であ
る。そこで、グルーブとピットとを異なる深さに形成す
る必要があり、それにはグルーブの形成箇所ではフォト
レジスト層に対する露光を弱くして、グルーブの深さを
浅くするという方法を採ることができる。初期のISO
規格にもとづく光磁気ディスクでは、隣接するグルーブ
の間に、アドレス情報を記録するためのピット列を挿入
しており、その際、ピットの深さは約λ/4nに、グル
ーブの深さは約λ/8nとしていた。そして、このよう
なピットおよびグルーブは、2ビーム露光法により形成
していた。
【0016】図7の(A)は2ビーム露光法を行うため
の露光装置の一例を示す構成図、(B)はガラス基板表
面部Aの部分拡大模式図である。図7の(A)におい
て、図6と同一の要素には同一の符号が付されている。
図7の露光装置174では、変調部148とともに変調
部176が設けられ、同時に2つの光ビームを異なる強
度で照射できる構成になっている。まず、ビームスプリ
ッター146から変調部148に入射したレーザー光1
58は、図6の露光装置136の場合と同様に、超音波
の強度にもとづいて強度が設定され、その後、ミラー1
78および偏光素子180を通じて偏光ビームスプリッ
ター182に入射し、そして、1/4波長板164、レ
ンズ系166、ならびに対物レンズ124を介しメイン
ビームとしてガラス基板118の表面に形成されたフォ
トレジスト層120に入射する。
【0017】一方、ビームスプリッター146から、フ
ォトディテクター150側に出射した光は一部が、フォ
トディテクター150の前に配置されたビームスプリッ
ター184で方向を変え、変調部176に入射する。変
調部176に入射したレーザー光186は、AOM15
4において、AOM154に供給される超音波の強さに
もとづき強度が変調され、その後、1/2波長板188
およびビームスプリッター190を通じて偏光ビームス
プリッター182に入射し、サブビームとして、上述の
場合と同様の経路でフォトレジスト層120に入射す
る。
【0018】そして、この露光装置174では、レーザ
ー光186(サブビーム)は変調部176において、レ
ーザー光158(メインビーム)より弱い強度に設定さ
れ、また、若干偏向されている。そのため、ガラス基板
表面のフォトレジスト層120はこのサブビームによっ
て弱く露光され、また、露光位置は、図7の(B)に示
したように、レーザー光158による露光位置192か
ら若干、ガラス基板118の半径方向に若干ずれた露光
位置194に照射される。
【0019】図8の(A)は露光装置174による2ビ
ーム露光法により形成したグルーブおよびピットを示す
部分拡大平面図、(B)はグルーブ106を横断する方
向の部分拡大側断面図である。図8の(A)に示したよ
うに、ガラス基板118の半径方向(矢印R)で隣接す
るグルーブ106の間にアドレスピット196が形成さ
れ、そして、図8の(B)に示したように、アドレスピ
ット196は強い露光により形成され、一方、グルーブ
106は弱い露光により形成されるので、グルーブ10
6はフォトレジスト層120の途中までの深さdgとな
り、アドレスピット196はガラス基板118の表面に
至る深さdpとなる。なお、このような深さのグルーブ
106はハーフトーングルーブと呼ばれ、またハーフト
ーングルーブを形成する技術はハーフトーンカッティン
グと呼ばれる。
【0020】しかし、初期のISO規格にもとづく光磁
気ディスクが製造されていた当時に比べ、現在では光デ
ィスクの記録密度は3〜4倍に高まっており、したがっ
てハーフトーンカッティングにより、高記録密度化に対
応できるグルーブを形成することは困難である。すなわ
ち、グルーブ106は上述のように深さを±2nmの精
度で形成する必要があるが、ハーフトーンカッティング
では、露光強度が数%、現像時間が数秒ずれただけでも
グルーブ106の深さは大きく変化してしまう。また、
ハーフトーンカッティングではグルーブ106の深さと
幅とを相互に独立に設定することが難しく、たとえば深
さの精度を優先すると幅の精度は犠牲になる。そして、
ライタブル光ディスクではグルーブ106の幅は記録/
再生特性を大きく左右するため、グルーブ106の深さ
とともに幅も正確に形成できなければならない。さら
に、ハーフトーンカッティングでは、グルーブ106の
側壁の荒れが大きく、基板ノイズが増大する。
【0021】このような問題を解決すべく、特開200
0−256889号公報には、ガラス基板に直接グルー
ブを形成する技術が開示されている。図9はガラス基板
に直接グルーブを形成してグルーブ寸法の高精度化を図
った従来のグルーブおよびピットの形成方法の各工程を
示す光ディスク原盤の部分側断面図である。この技術で
は、図9の(A)に示したように、ガラス基板198の
表面にフォトレジスト層200を形成し、グルーブ形成
箇所に対物レンズ201を介してレーザー光202を照
射する。そして、図9の(B)に示したように、フォト
レジスト層200を現像してパターン化した後、同フォ
トレジスト層をマスクとして、たとえばCH4ガスを用
いたRIE(Reactive Ion Etchin
g)などのエッチング手法によりガラス基板198の表
面部をエッチングして、図9の(C)に示したように、
所望の深さdp1のグルーブ128を形成する。
【0022】次に、図9の(D)に示したように、ガラ
ス基板198の表面に、厚さがdp2のフォトレジスト
層204を形成し、図9の(E)に示したように、ピッ
ト形成箇所にレーザー光202を照射するとともに、図
9の(F)に示したように、グルーブ128が形成され
た領域206では全体にレーザー光202を照射する。
【0023】そして、フォトレジスト層204に対し現
像処理を行って露光箇所のフォトレジストを除去するこ
とで、図9の(G)に示したような光ディスクの原盤を
得る。この手法では、グルーブ128の幅は、パターン
化したマスクとしてのフォトレジスト層200により決
まるので、グルーブ128の深さは、幅とは独立に、ガ
ラス基板198に対するエッチングを制御することで、
ある程度正確に設定することができる。
【0024】しかし、この手法では、グルーブ128と
ピット129がともに、ガラス基板198上のドーナツ
状の領域に形成され、ガラス基板118の半径方向Rに
おいてグルーブ128とピット129の形成領域が分離
されている必要がある。したがって、グルーブの延在方
向(図9の紙面に直交)で途中にピットを挿入するよう
な場合には適用できないという弱点がある。
【0025】図10は、グルーブの途中にアドレスピッ
トが形成された例を示す光ディスクの部分拡大平面図で
ある。図中、矢印Rは光ディスクの半径方向、矢印Cは
周方向をそれぞれ示している。この光ディスクのよう
に、グルーブ210の途中にピット212を形成する場
合には、グルーブ210の領域とピット212の領域と
が半径方向で分離されていないので、図9の手法を用い
ることはできない。
【0026】図10に示したような形式でも、グルーブ
およびピットを異なる深さで正確に形成できることは、
光ディスクのフォーマット形式の選択肢を広げる上で非
常に重要であり、その実現が望まれている。そこで、本
発明の目的は、深さの異なる凹部を原盤上に正確な深さ
で、かつ混在した状態で形成することが可能な情報記録
媒体の原盤製造方法を提供し、また、深さの異なる凹部
が正確な深さで、かつ混在した状態で形成された情報記
録媒体の原盤を提供することにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、情報記録媒体における情報の記録または再生
に係わる凹部に対応して、情報記録媒体の原盤に凹部を
形成する方法であって、原盤の基体上に、前記基体に対
して選択的にエッチング可能な材料による下層を形成
し、前記下層の上に、前記下層に対して選択的に除去可
能な材料による中間薄膜を形成し、前記中間薄膜の上
に、フォトレジスト層を形成し、前記フォトレジスト層
に対して、相対的に深い第1の凹部を形成する箇所にお
いて相対的に強く露光する一方、相対的に浅い第2の凹
部を形成する箇所において相対的に弱く露光し、露光後
の前記フォトレジスト層に現像処理を施して、前記第1
の凹部形成箇所では前記中間薄膜を露出させるととも
に、前記第2の凹部形成箇所では前記フォトレジスト層
の厚さより浅い凹部を形成し、前記第1の凹部形成箇所
で露出した前記中間薄膜を溶解させて除去し、前記フォ
トレジスト層、および第1の凹部形成箇所で露出してい
る前記下層に対し、前記中間薄膜および前記基体をエッ
チングストッパーとしてドライエッチングを行って、前
記第1の凹部形成箇所に基体表面を底部とする第1の凹
部を形成するとともに、第2の凹部形成箇所に中間薄膜
表面を底部とする第2の凹部を形成することを特徴とす
る。
【0028】また、本発明は、情報記録媒体における情
報の記録または再生に係わる凹部に対応して凹部が形成
された情報記録媒体の原盤であって、基体上に、前記基
体に対して選択的にエッチング可能な材料により形成さ
れた下層と、前記下層の上に、前記下層に対して選択的
に除去可能な材料により形成された中間薄膜と、前記中
間薄膜の上に形成されたフォトレジスト層と、前記フォ
トレジスト層、前記中間薄膜、ならびに下層を貫通して
形成され前記基体の表面を底部とする第1の凹部と、前
記フォトレジスト層を貫通して形成され前記中間薄膜の
表面を底部とする第2の凹部とを備えたことを特徴とす
る。
【0029】本発明の情報記録媒体の原盤製造方法で
は、中間薄膜をエッチングストッパーとしてドライエッ
チングを行って第2の凹部を形成するので、第1の凹部
より浅い第2の凹部を、第1の凹部とともに正確な深さ
で形成することが可能である。そして、このような第2
の凹部を形成するための工程は簡素であり、さらに、従
来のように基体上で第1および第2の凹部の形成領域が
分離されている必要はなく、第1および第2の凹部を混
在して形成することができる。
【0030】また、本発明の情報記録媒体の原盤は上述
のような構造を備えているので、上記本発明の原盤製造
方法にもとづいて作製することができる。したがって、
中間薄膜をエッチングストッパーとしてドライエッチン
グを行って第2の凹部を形成でき、第1の凹部より浅い
第2の凹部を、第1の凹部とともに正確な深さで形成す
ることが可能である。そして、このような第2の凹部を
形成するための工程は簡素であり、さらに、従来のよう
に基体上で第1および第2の凹部の形成領域が分離され
ている必要はなく、第1および第2の凹部を混在して形
成することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態例につい
て図面を参照して説明する。図1の(A)から(D)
は、本発明による情報記録媒体の原盤製造方法の一例に
おける各工程を示す原盤半径方向に沿った部分側断面
図、図2はグルーブおよびピット形成箇所に対する露光
強度を示す波形図である。以下では、これらの図面を参
照して本発明の情報記録媒体の原盤製造方法の一例につ
いて説明し、同時に本発明による情報記録媒体の原盤の
実施の形態例について説明する。
【0032】本実施の形態例の情報記録媒体の原盤製造
方法では、まず図1の(A)に示したように、円盤状の
ガラス基板2(本発明に係わる基体)の表面に、たとえ
ばスピンコート法によりフォトレジストを塗布し、フォ
トレジスト層4(本発明に係わる下層)を形成する。次
に、フォトレジスト層4の上に、一例としてアルカリ可
溶性の材料、たとえばアルミニウム、窒化シリコンなど
による中間薄膜6をたとえばスパッター法により形成す
る。さらに、中間薄膜6の上に、フォトレジスト層4よ
り厚くフォトレジスト層8を形成する。
【0033】つづいて、図1の(A)に示したように、
また図2に示したように、ピット形成箇所10には強い
強度でレーザー光12を対物レンズ14を通じ照射して
フォトレジスト層8を露光し、一方、グルーブ形成箇所
16には弱い強度でレーザー光12を照射してフォトレ
ジスト2を露光する。なお、本実施の形態例ではグルー
ブの途中にピットを形成するものとし、したがって、図
2では、グルーブ形成のための弱い露光強度Pgの期間
T1に、ピット形成のための強い露光強度Ppの期間T
2がつづき、期間T3でグルーブ形成のための弱い露光
強度Pgに戻っている。
【0034】その後、フォトレジスト層8に対してアル
カリ現像液を用いて現像処理を行い、露光箇所のフォト
レジストを除去する。その結果、図1の(B)に示した
ように、ピット形成箇所10ではフォトレジスト層4の
表面に至る深い凹部18が形成され、一方、グルーブ形
成箇所16では露光強度に応じた深さの浅い凹部20が
形成される。
【0035】なお、このフォトレジスト層8の現像処理
において、ピット形成箇所10ではまずフォトレジスト
層8を成すフォトレジストが溶解して除去されるが、本
実施の形態例では中間薄膜6は上述のようにアルカリ可
溶性の材料により形成しているので、中間薄膜6もこの
現像工程で同時に溶解除去される。
【0036】本実施の形態例では下層としてフォトレジ
スト層4を形成しているが、このフォトレジスト層4は
中間薄膜6を形成する際のスパッター時に発生するプラ
ズマにより変質しており、レジストとしての機能は失っ
ている。したがって、ピット形成箇所10でフォトレジ
スト層4が中間薄膜6を通じて露光されていたとして
も、現像時に溶解することはない。
【0037】次に、図1の(C)に示したように、酸素
ガス9を用いた全面RIEを行う。これによりフォトレ
ジスト層8は全体にエッチングされ、またピット形成箇
所10では露出しているフォトレジスト層4がエッチン
グされる。そして、グルーブ形成箇所16では中間薄膜
6がエッチングストッパーとなり、ピット形成箇所10
ではガラス基板2がエッチングストッパーとなる。そし
て、このエッチング工程は、グルーブ形成箇所16で中
間薄膜6が露出し、平坦な底部が形成されたところで停
止する。
【0038】ここで、フォトレジスト層4の厚さd1
を、エッチング厚d4より薄く形成しておくことで、こ
の厚さd4のエッチングが進みグルーブ形成箇所16で
中間薄膜6が露出したとき、ピット形成箇所10ではエ
ッチングはガラス基板2の表面にすでに到達し、ガラス
基板2の表面が露出する。
【0039】なお、グルーブ形成箇所16では、凹部2
0の底部の形状は凹面状となっているため、エッチング
時にはもっとも深い中央部の箇所から中間薄膜6に到達
してエッチングが停止し、その後、周辺部でもしだいに
エッチングが中間薄膜6に到達する。これにより、図1
の(C)に示したように、底部が平坦な凹部が形成され
る。以上の結果、ピット形成箇所10では、中間薄膜6
の厚さをdm、フォトレジスト層8の厚さをd2とした
場合、深さdpが、
【0040】
【数1】dp=(d2+dm+d1)−d4 であるピット22(第1の凹部)がフォトレジスト層
4、8および中間薄膜6を貫通して形成され、一方、グ
ルーブ形成箇所16では、深さdgが、
【0041】
【数2】dg=d2−d4 であるグルーブ24(第2の凹部)がフォトレジスト層
8を貫通して形成され、原盤26が完成する。その後、
原盤26を用いて従来と同様の手法によりスタンパー2
8を作製し、このスタンパー28を用いてグルーブおよ
びピットが形成された光ディスクを作製することができ
る。
【0042】このように、本実施の形態例では、グルー
ブ24を形成するためのドライエッチングは、中間薄膜
6の表面で停止するので、ピット22より浅いグルーブ
24を正確な深さで形成することができる。そして、以
上の説明から分かるように簡単な工程でこのようなグル
ーブ24を形成でき、さらに、従来のように基体上で、
グルーブ24およびピット22の形成領域がガラス基板
2の半径方向で分離されている必要はなく、グルーブ2
4およびピット22を混在させ、例えば図10に示した
ような形態で同一円周上に形成することも可能である。
【0043】また、本実施の形態例では、アルカリ可溶
性の材料により中間薄膜6を形成したため、フォトレジ
スト層8に対しアルカリ現像液による現像処理を行う際
に、ピット形成箇所10のフォトレジスト層8とともに
中間薄膜6をも一括して除去でき、したがって、この点
でも工程が簡素であり、効率よく原盤26を作製するこ
とができる。
【0044】なお、本実施の形態例ではガラス基板2上
にフォトレジスト層4を形成するとしたが、フォトレジ
スト層4の代わりに、上記ドライエッチングによりガラ
ス基板2に対して選択的にエッチング可能な何らかの材
料、特にフォトレジスト層8と同一工程でエッチング可
能な材料による層を形成してもよい。
【0045】また、本実施の形態例では中間薄膜6をア
ルカリ可溶性の材料により形成するとしたが、中間薄膜
6の材料としては、ドライエッチングの際にエッチング
ストッパーとして機能し、またフォトレジスト層4に対
して選択的に除去可能なものであればよく、したがっ
て、アルカリ可溶性ではなく、たとえば酸などにより除
去できる材料を用いることも可能である。そして、本実
施の形態例では深さの異なるグルーブ24とピット22
を形成する場合を例に説明したが、本発明は、深さの異
なるピットをROMディスクに形成して多値記録を行う
ような場合にも応用可能である。
【0046】次に、上記中間薄膜6、フォトレジスト層
4、8、ならびにエッチング技術についてより具体的に
詳しく説明する。 [中間薄膜6について]中間薄膜6が備えるべき特性は
次の通りである。 (1)フォトレジストの2層構造を実現できる。 (2)アルカリ現像液に対し可溶である。 (3)ドライエッチング時にエッチングストッパーとし
て機能する。 これらの要件より膜材料および膜厚が決定される。すな
わち、上記(2)の条件から、中間薄膜6の材料として
はアルミニウム、窒化シリコンなどが適している。一
方、膜厚に関しては、厚すぎると(おおよそ10nm以
上)、通常の現像条件(現像液のpH=約12〜13、
現像時間=10秒〜60秒)で充分に溶解しない。また
中間薄膜6はフォトレジスト層4の上に形成するため、
中間薄膜6とフォトレジストとの界面での反射率が、通
常のガラス基板上に中間薄膜6を形成したような場合に
比べ高くなる。そのため、反射率の度合いによっては入
射光と反射光との干渉作用が強くなりフォトレジスト層
8のカッティング時に正常なパターニングが不可能とな
る。この点でも中間薄膜6の膜厚は薄く設定してできる
限り反射率を下げることが望ましい。
【0047】たとえばは波長が400nm付近の場合、
アルミニウム薄膜では膜厚40nmの時、反射率は約1
00%であり、膜厚が15nmのときは約50%、膜厚
が7nmのときは15%と、膜厚が薄いほど反射の悪影
響を減少させることができる。なお、下地がガラス基板
の場合には通常の工程における反射率は、フォトレジス
ト層120の厚さにもよるが、おおよそ5%であり、し
たがって中間薄膜6とフォトレジスト層4との界面にお
ける反射率が10%以下であれば特に支障はない。よっ
て、中間薄膜6の膜厚としては10nm以下で、可能な
限り薄くすることが望ましい。たとえば1、2nmとし
ても上記(3)の条件を満たすには充分である。ただ
し、中間薄膜6をあまり薄くしすぎると(おおよそ2〜
3nm以下)、フォトレジスト層8を塗布する際に、下
層のフォトレジスト層4の保護膜としての機能が失わ
れ、(1)の条件が満たされなくなるので、ある程度の
膜厚は必要である。すなわち、中間薄膜6の膜厚は、中
間薄膜6の材料に応じて、現像液に対する溶解性、反射
率、フォトレジスト層4に対する保護膜としての強度を
考慮して最適な厚さに決定される。
【0048】なお、中間薄膜6の材料によっては現像液
への溶解速度および反射率の観点から膜厚を1、2nm
程度に設定しなければならい。その場合には、フォトレ
ジスト層4を200°C以上の高温でベークし、あらか
じめ焼き固めることによって、中間薄膜が薄くても、フ
ォトレジスト層8の塗布が可能となる。
【0049】[フォトレジスト層4、8について]フォ
トレジスト層4、8の材料は特に種類を変える必要はな
く、露光に用いるレーザー光波長に適したものを選べば
よい。ただし、フォトレジスト層4は、上述のように中
間薄膜6をスパッター法により形成した時点でフォトレ
ジストとしての性質を失うため、フォトレジスト以外の
材料により形成することも可能である。
【0050】フォトレジスト層4、8の厚さは次のよう
に決定される。すなわち、[数1]、[数2]より、グ
ルーブ24とピット22との最終的な深さの違い(dp
−dg)は、d1+dmとなる。よってフォトレジスト
層4の塗布厚d1は、グルーブ24とピット22との深
さの差から、中間薄膜6の膜厚dmを減じた値として決
定される。
【0051】一方、フォトレジスト層8の膜厚d2は、
最終的なグルーブ24およびピット22の深さdg、d
pが[数2]よりd2だけでなくエッチング厚d4によ
っても調整可能であるため、厚みが増す方向においては
特に限定されない。よって、d2>d1を満たすことが
条件となる。また、本発明では、凹部が中間薄膜6に到
達しているか否かにより、グルーブ24およびピット2
2が区別して形成されるので、フォトレジスト層8はあ
る程度の厚めに形成されている方が、浅い凹部を安定し
て形成でき、プロセスマージンも大きくとれるため有利
である。経験的にはフォトレジスト層8の厚さはおおよ
そ150nm以上が望ましい。
【0052】[エッチング技術について]本発明で用い
るドライエッチング法としては上述したRIEが適して
いる。RIE装置では、高周波電源に接続された2枚の
平面電極間に高電圧をかけることで容器内の反応性ガス
にプラズマを発生させる。発生したガスイオンは一方の
電極に設置された試料表面に電界に沿って垂直に入射
し、試料表面で化学的な反応が発生してエッチングが垂
直方向に進行する。このようなRIEは、垂直に近いエ
ッチング特性、化学反応ゆえのエッチング物質の選択
性、ならびにドライエッチングの特徴である高い生産性
などの利点を有している。
【0053】図1に示した工程では、フォトレジスト層
4、8のみがエッチングされ、ガラス基板2および中間
薄膜6はエッチングされないことが必要条件である。エ
ッチングガスとしては上述のように酸素などを用いるこ
とができる。
【0054】
【実施例】次に、上記実施の形態例にもとづく、より具
体的なプロセス例について説明する。グルーブの途中に
アドレスピットを挿入した形態(図10)を想定して、
ピット22の深さはdp=70nm、グルーブ24の深
さはdg=20nmと設定する。
【0055】[各層の形成]各層に関する上述した留意
点を考慮して、次の条件で各層を形成する。 ・フォトレジスト層4:I線用(*)ノボラック型フォトレジスト、 膜厚d1=45nm ・中間薄膜6: アルミニウム、膜厚dm=5nm ・フォトレジスト層8:I線用(*)ノボラック型フォトレジスト、 膜厚d2=200nm *露光用レーザー光波長がI線(365nm)近辺の場合 ここで、フォトレジスト層8のエッチング厚をd4=1
80nmとすれば、[数1]、[数2]より、ピット2
2およびグルーブ24の深さをそれぞれdp=70n
m、dg=20nmに設定できることになる。
【0056】フォトレジスト層4は、周知のスピンコー
ト法によりガラス基板2上に上記フォトレジストを45
nmの厚さに塗布して形成する。次に、中間薄膜6を形
成することになるが、中間薄膜6上にフォトレジスト層
8を形成する際に、中間薄膜6が存在するもののフォト
レジストの溶剤によってフォトレジスト層4が溶解する
可能性がないとは言えないため、万全を期してフォトレ
ジスト層4を形成した後、フォトレジスト層4の高温ベ
ークによる焼き固めを行う。ベークは、たとえばホット
プレートにより約200°Cで約5分間行えばよい。
【0057】その後、フォトレジスト層4の上に、中間
薄膜6を形成すべくアルミニウムを5nmの厚さにスパ
ッター法により成膜する。この膜厚であれば、露光時の
レーザー光12の反射率は10%以下となり上述した干
渉効果の悪影響はほとんど問題とならない。最後に、中
間薄膜6の上にスピンコート法によりフォトレジスト層
8を200nmの厚さに形成し、通常の条件でプリベー
ク(たとえばホットプレート上で80°C、7分間)を
行う。以上により図1の(A)に示したようなレジスト
2層構造のガラス原盤が得られる。
【0058】[パターン露光]レーザー光12の波長は
λ=351nm、対物レンズ14の開口数はNA=0.
90とする。そして、グルーブをピットより浅く形成す
べくグルーブ露光強度Pgをピット露光強度Ppより低
く設定する。また、現像後にグルーブ24が中間薄膜6
に至らない深さに形成される必要があるため、現像条件
も考慮してグルーブ露光強度はたとえばPg=250μ
W、ピット露光強度はたとえばPp=500μWとす
る。
【0059】なお、露光強度をグルーブおよびピットの
形成箇所で個別に設定する具体的な方法としては、
(1)たとえば図6に示した露光装置で、AOM154
に供給する超音波の強度を、レーザー光12の照射位置
に応じて変更すればよい。あるいは、(2)図7に示し
た露光装置で、メインビームおよびサブビームをそれぞ
れピット形成用およびグルーブ形成用として用いればよ
い。この場合、変調部148、変調部176の各AOM
154に供給する超音波の強度は同一でよく、各ビーム
の露光強度はビームスプリッターの透過/反射率を制御
することにより決定することができる。
【0060】[現像]アルカリ現像液としては、たとえ
ばpH約12の有機アルカリ現像液を用いることができ
る。現像時間は30秒程度とすることで、ピット形成箇
所10ではフォトレジスト層8が底部まで溶解し、さら
に中間薄膜6も溶解させることができる。一方、グルー
ブ形成箇所16では、中間薄膜6に至らない、途中まで
の凹部が形成される。
【0061】[エッチング]フォトレジスト層4、8の
みをエッチングするため酸素ガスを使用して、次の条件
でエッチングを行う。
【0062】・真空到達度:0.3mPa ・ガス圧:0.5Pa ・ガス流量:25scc/分(スタンダードcc/分) ・高周波電源出力: アンテナ 130W バイアス 30W (周波数13.56MHz) このような条件で、約50nm/minのエッチング速
度が得られる。必要なエッチング厚d4は180nmで
あるから、エッチングの完了に要する時間は3分強とな
る。
【0063】このようなエッチングにより、深さdp=
70nmのピット22、および深さdg=20nmのグ
ルーブ24を同一円周上に形成することができる。な
お、エッチングによりフォトレジスト層8の表面粗度が
上昇する場合があるが、そのときは赤外線照射により平
滑化することができる。たとえば波長1〜3μmの近赤
外線、あるいは波長が10μm以下の遠赤外線を5W/
cm程度の強度で数分間照射すればよい。
【0064】[転写工程]つづくNiメッキによるスタ
ンパー28の作製、およびスタンパー28からプラスチ
ック基板へのグルーブ24およびピット22の転写、さ
らには記録膜や反射膜などの形成は従来と同様に行うこ
とができる。
【0065】ただし、エッチング時に発生するプラズ
マ、および赤外線照射によってフォトレジストが変質し
てしまい、スタンパー28を原盤26から剥離した後
に、通常のアセトン洗浄を行ってもスタンパー28上の
フォトレジストを除去することが困難となる場合があ
る。そのような場合には紫外線アッシング装置を用いて
スタンパー28の洗浄を行うことが効果的である。紫外
線照射の条件としては、たとえば波長は172nm、出
力は10mW/cm、光源−スタンパー間の距離は5
mm、スタンパー加熱温度は100°C(ホットプレー
ト上)、照射時間は15分程度とすることができる。
【0066】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、情報記録
媒体における情報の記録または再生に係わる凹部に対応
して、情報記録媒体の原盤に凹部を形成する方法であっ
て、原盤の基体上に、前記基体に対して選択的にエッチ
ング可能な材料による下層を形成し、前記下層の上に、
前記下層に対して選択的に除去可能な材料による中間薄
膜を形成し、前記中間薄膜の上に、フォトレジスト層を
形成し、前記フォトレジスト層に対して、相対的に深い
第1の凹部を形成する箇所において相対的に強く露光す
る一方、相対的に浅い第2の凹部を形成する箇所におい
て相対的に弱く露光し、露光後の前記フォトレジスト層
に現像処理を施して、前記第1の凹部形成箇所では前記
中間薄膜を露出させるとともに、前記第2の凹部形成箇
所では前記フォトレジスト層の厚さより浅い凹部を形成
し、前記第1の凹部形成箇所で露出した前記中間薄膜を
溶解させて除去し、前記フォトレジスト層、および第1
の凹部形成箇所で露出している前記下層に対し、前記中
間薄膜およ前記基体をエッチングストッパーとしてドラ
イエッチングを行って、前記第1の凹部形成箇所に基体
表面を底部とする第1の凹部を形成するとともに、第2
の凹部形成箇所に中間薄膜表面を底部とする第2の凹部
を形成することを特徴とする。
【0067】また、本発明は、情報記録媒体における情
報の記録または再生に係わる凹部に対応して凹部が形成
された情報記録媒体の原盤であって、基体上に、前記基
体に対して選択的にエッチング可能な材料により形成さ
れた下層と、前記下層の上に、前記下層に対して選択的
に除去可能な材料により形成された中間薄膜と、前記中
間薄膜の上に形成されたフォトレジスト層と、前記フォ
トレジスト層、前記中間薄膜、ならびに下層を貫通して
形成され前記基体の表面を底部とする第1の凹部と、前
記フォトレジスト層を貫通して形成され前記中間薄膜の
表面を底部とする第2の凹部とを備えたことを特徴とす
る。
【0068】本発明の情報記録媒体の原盤製造方法で
は、中間薄膜をエッチングストッパーとしてドライエッ
チングを行って第2の凹部を形成するので、第1の凹部
より浅い第2の凹部を、第1の凹部とともに正確な深さ
で形成することが可能である。そして、このような第2
の凹部を形成するための工程は簡素であり、さらに、従
来のように基体上で第1および第2の凹部の形成領域が
分離されている必要はなく、第1および第2の凹部を混
在して形成することができる。
【0069】また、本発明の情報記録媒体の原盤は上述
のような構造を備えているので、上記本発明の原盤製造
方法にもとづいて作製することができる。したがって、
中間薄膜をエッチングストッパーとしてドライエッチン
グを行って第2の凹部を形成でき、第1の凹部より浅い
第2の凹部を、第1の凹部とともに正確な深さで形成す
ることが可能である。そして、このような第2の凹部を
形成するための工程は簡素であり、さらに、従来のよう
に基体上で第1および第2の凹部の形成領域が分離され
ている必要はなく、第1および第2の凹部を混在して形
成することができる。これによって、たとえば光ディス
クの同一円周上に最適な深さが互いに異なるグルーブと
ピットとを形成して良好な情報の記録/再生を行うこと
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)から(D)は、本発明による情報記録媒
体の原盤製造方法の一例における各工程を示す原盤半径
方向の部分側断面図である。
【図2】グルーブおよびピット形成箇所に対するレーザ
光の露光強度を示す波形図である。
【図3】(A)は光ディスクの概略斜視図、(B)はラ
イタブル光ディスクの一部を示す部分拡大斜視図、
(C)は再生専用光ディスクの一部を示す拡大斜視図で
ある。
【図4】パーシャルROMディスクを模式的に示す概略
斜視図である。
【図5】(A)から(F)は光ディスクの原盤を作製す
るための各工程を示す原盤などの斜視図である。
【図6】露光装置の一例を示す構成図である。
【図7】(A)は2ビーム露光法を行うための露光装置
の一例を示す構成図、(B)はガラス基板表面部の拡大
模式図である。
【図8】(A)は露光装置による2ビーム露光法により
形成したグルーブおよびピットを示す部分拡大平面図、
(B)はグルーブを横断する方向の部分拡大側断面図で
ある。
【図9】(A)から(G)は、ガラス基板に直接グルー
ブを形成してグルーブ寸法の高精度化を図った従来のグ
ルーブおよびピットの形成方法の各工程を示す光ディス
ク原盤の部分側断面図である。
【図10】グルーブの途中にアドレスピットが形成され
た例を示す光ディスクの部分拡大平面図である。
【符号の説明】
2……ガラス基板、4……フォトレジスト層、6……中
間薄膜、8……フォトレジスト層、10……ピット形成
箇所、12……レーザー光、14……対物レンズ、16
……グルーブ形成箇所、18……凹部、20……凹部、
22……ピット、24……グルーブ、26……原盤、2
8……スタンパー、102……基板、104……情報記
録面、106……グルーブ、108……ピット、110
……光ディスク、112……ライタブル領域、114…
…ROM領域、116……境界ミラー面、118……ガ
ラス基板、120……フォトレジスト層、122……
光、124……対物レンズ、126……潜像、128…
…グルーブ、130……ニッケルメッキ層、132……
スタンパー、134……ディスク基板、136……露光
装置、138……気体レーザー、140……レーザー
光、142……EO結晶、144……検光子、146…
…ビームスプリッター、148……変調部、150……
フォトディテクター、152……レンズ、154……A
OM、156……レンズ、158……レーザー光、16
2……ビームスプリッター、164……1/4波長板、
166……レンズ系、168……レーザー光、170…
…記録光パワー制御回路。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 情報記録媒体における情報の記録または
    再生に係わる凹部に対応して、情報記録媒体の原盤に凹
    部を形成する方法であって、 原盤の基体上に、前記基体に対して選択的にエッチング
    可能な材料による下層を形成し、 前記下層の上に、前記下層に対して選択的に除去可能な
    材料による中間薄膜を形成し、 前記中間薄膜の上に、フォトレジスト層を形成し、 前記フォトレジスト層に対して、相対的に深い第1の凹
    部を形成する箇所において相対的に強く露光する一方、
    相対的に浅い第2の凹部を形成する箇所において相対的
    に弱く露光し、 露光後の前記フォトレジスト層に現像処理を施して、前
    記第1の凹部形成箇所では前記中間薄膜を露出させると
    ともに、前記第2の凹部形成箇所では前記フォトレジス
    ト層の厚さより浅い凹部を形成し、 前記第1の凹部形成箇所で露出した前記中間薄膜を溶解
    させて除去し、 前記フォトレジスト層、および第1の凹部形成箇所で露
    出している前記下層に対し、前記中間薄膜および前記基
    体をエッチングストッパーとしてドライエッチングを行
    って、前記第1の凹部形成箇所に基体表面を底部とする
    第1の凹部を形成するとともに、第2の凹部形成箇所に
    中間薄膜表面を底部とする第2の凹部を形成することを
    特徴とする情報記録媒体の原盤製造方法。
  2. 【請求項2】 前記フォトレジスト層は前記下層より厚
    く、前記ドライエッチングにより減少する前記フォトレ
    ジスト層の厚さは前記下層より厚いことを特徴とする請
    求項1記載の情報記録媒体の原盤製造方法。
  3. 【請求項3】 前記ドライエッチングは、前記第2の凹
    部形成箇所で前記中間薄膜が露出した時点で停止するこ
    とを特徴とする請求項2記載の情報記録媒体の原盤製造
    方法。
  4. 【請求項4】 前記中間薄膜はスパッター法により形成
    することを特徴とする請求項1記載の情報記録媒体の原
    盤製造方法。
  5. 【請求項5】 前記中間薄膜はアルカリ可溶性の材料を
    用いて形成し、前記フォトレジスト層に施す現像処理に
    はアルカリ現像液を用い、同現像処理により前記フォト
    レジスト層とともに、前記第1の凹部形成箇所の前記中
    間薄膜を除去することを特徴とする請求項1記載の情報
    記録媒体の原盤製造方法。
  6. 【請求項6】 前記基体はガラスにより形成されている
    ことを特徴とする請求項1記載の情報記録媒体の原盤製
    造方法。
  7. 【請求項7】 前記下層はフォトレジストにより形成す
    ることを特徴とする請求項1記載の情報記録媒体の原盤
    製造方法。
  8. 【請求項8】 前記基体として円盤状の基体を用い、前
    記第1および第2の凹部は、前記基体の中心を中心とす
    る同一円周上に形成することを特徴とする請求項1記載
    の情報記録媒体の原盤製造方法。
  9. 【請求項9】 前記第1の凹部は前記情報記録媒体にピ
    ットを形成するためのものであり、前記第2の凹部は前
    記情報記録媒体にグルーブを形成するためのものである
    ことを特徴とする請求項1記載の情報記録媒体の原盤製
    造方法。
  10. 【請求項10】 情報記録媒体における情報の記録また
    は再生に係わる凹部に対応して凹部が形成された情報記
    録媒体の原盤であって、 基体上に、前記基体に対して選択的にエッチング可能な
    材料により形成された下層と、 前記下層の上に、前記下層に対して選択的に除去可能な
    材料により形成された中間薄膜と、 前記中間薄膜の上に形成されたフォトレジスト層と、 前記フォトレジスト層、前記中間薄膜、ならびに下層を
    貫通して形成され前記基体の表面を底部とする第1の凹
    部と、 前記フォトレジスト層を貫通して形成され前記中間薄膜
    の表面を底部とする第2の凹部とを備えたことを特徴と
    する情報記録媒体の原盤。
JP2001307064A 2001-10-03 2001-10-03 情報記録媒体の原盤製造方法および情報記録媒体の原盤 Pending JP2003115138A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001307064A JP2003115138A (ja) 2001-10-03 2001-10-03 情報記録媒体の原盤製造方法および情報記録媒体の原盤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001307064A JP2003115138A (ja) 2001-10-03 2001-10-03 情報記録媒体の原盤製造方法および情報記録媒体の原盤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003115138A true JP2003115138A (ja) 2003-04-18

Family

ID=19126593

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001307064A Pending JP2003115138A (ja) 2001-10-03 2001-10-03 情報記録媒体の原盤製造方法および情報記録媒体の原盤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003115138A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006338828A (ja) * 2005-06-03 2006-12-14 Sony Corp 光記録媒体、光ディスク原盤およびその製造方法
US7618768B2 (en) * 2003-08-04 2009-11-17 Sharp Kabushiki Kaisha Method of forming micropattern, method of manufacturing optical recording medium master copy, optical recording medium master copy, optical recording medium stamper, and optical recording medium
JP2010097691A (ja) * 2005-10-12 2010-04-30 Internatl Business Mach Corp <Ibm> 共通光学データ記憶媒体へこみ深さに関する媒体、システム、および方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7618768B2 (en) * 2003-08-04 2009-11-17 Sharp Kabushiki Kaisha Method of forming micropattern, method of manufacturing optical recording medium master copy, optical recording medium master copy, optical recording medium stamper, and optical recording medium
JP2006338828A (ja) * 2005-06-03 2006-12-14 Sony Corp 光記録媒体、光ディスク原盤およびその製造方法
JP4604854B2 (ja) * 2005-06-03 2011-01-05 ソニー株式会社 光記録媒体、光ディスク原盤およびその製造方法
JP2010097691A (ja) * 2005-10-12 2010-04-30 Internatl Business Mach Corp <Ibm> 共通光学データ記憶媒体へこみ深さに関する媒体、システム、および方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0418897B1 (en) Manufacturing method of high density optical recording medium
JP4329208B2 (ja) 記録媒体の製造方法、記録媒体製造用原盤の製造方法、記録媒体の製造装置、および記録媒体製造用原盤の製造装置
JP2001101716A (ja) 光記録媒体,光記録媒体用原盤の製造方法およびカッティング装置
JPH0638299B2 (ja) 案内溝付光デイスクの製造方法
JPH0453015B2 (ja)
TWI251233B (en) Optical information recording medium and method of manufacturing the same
JP2001250280A (ja) 記録媒体、記録媒体の製造方法、記録媒体製造用原盤の製造方法、記録媒体の製造装置、および記録媒体製造用原盤の製造装置
JP4380004B2 (ja) 記録媒体の製造方法、および記録媒体製造用原盤の製造方法
JPH11259910A (ja) 光ディスクおよびその原盤製造方法
JP2003115138A (ja) 情報記録媒体の原盤製造方法および情報記録媒体の原盤
JP2000256889A (ja) スタンパー複製用盤の製造方法および光学記録媒体の製造方法
JP3014065B2 (ja) 光ディスク,ガラスマスタ,ガラススタンパ,ガラス基板,それらの製造方法
JP4055259B2 (ja) 原盤の製造方法、情報記録媒体成型用のスタンパー及び情報 記録媒体
JP3129419B2 (ja) 光ディスク用ガラスマスタの製造方法及び光ディスク用ガラスマスタ
JP4604854B2 (ja) 光記録媒体、光ディスク原盤およびその製造方法
JP2001110096A (ja) 情報記録媒体の製造方法
JP2003006943A (ja) 光ディスク原盤の製造方法及び光ディスク原盤
JP3655289B2 (ja) 光情報記録媒体及びその製造方法
WO2003073421A1 (en) Optical disc mastering
JP4668666B2 (ja) 光情報記憶媒体用原盤の製造方法、光情報記憶媒体用スタンパの製造方法、スタンパ、光情報記憶媒体用成形基板の製造方法及び光情報記憶媒体用成形基板
JP2001344832A (ja) 光ディスク原盤とその製造方法及びマスタスタンパの製造方法
JPH04305831A (ja) 光ディスク原盤の作製方法
JP2004253013A (ja) 光情報記録媒体及びその製造方法
JPH06150391A (ja) 光ディスク原盤の作製方法
JPH09297940A (ja) スタンパの製造方法