JP4604854B2 - 光記録媒体、光ディスク原盤およびその製造方法 - Google Patents
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基板上に設けた第1の無機レジスト層と、
第1の無機レジスト層状に設けられ、第1の無機レジスト層よりも酸素含有量が多く、第1の無機レジスト層よりも感度の高い第2の無機レジスト層と、
を少なくとも備え、
凹凸パターンの深さにより変化させた露光強度で第1の無機レジスト層と第2の無機レジスト層とが露光されることにより形成された深い断面略U字形状のピットまたはグルーブと、浅い断面略U字形状のピットまたはグルーブとからなるレジストパターンを有し、
浅い断面略U字形状のピットまたはグルーブの幅/深い断面略U字形状のピットまたはグルーブの幅の比を、0.987〜1.296であり、かつ浅い断面略U字形状のピットまたはグルーブの深さ変動が4nm以下とすることにより、光ディスク原盤を得る。
(1)スパッタリング時の成膜出力の変化
(2)スパッタリング時の反応性ガス比率の変化
(3)レジスト材料の酸素含有量の変化
などが挙げられる。なお、この発明では、電子ビーム等の高価かつ複雑な装置の採用を避け、レーザ等の露光装置を用いることを前提としているため、上述の感度は露光感度と考えてよい。
(1)スパッタリング装置において、成膜出力を一定(例えば、150W)にして放電する。
(2)無機レジスト膜の成膜中に、成膜の初期、末期で、以下のように反応性ガス比率を変更する。これにより、無機レジスト膜中の酸素含有量を調整する。
(a)成膜初期 第1層、2分、20nm厚:反応性ガス比率=7%
(b)成膜末期 第2層、5分、50nm厚:反応性ガス比率=9%
ここで、例えば、(a)は、2分間スパッタリングを行って、20nmの厚さのレジスト膜を生成する。また、反応性ガス比率は放電ガスと反応性ガスの合計に対する反応性ガスの比率であり、例えばアルゴンおよび酸素を用いる場合、O2/(Ar+O2)で表される。
(1)スパッタリング装置において、反応性ガス比率を一定(例えば、8%)にして放電する。または、反応性ガスを流さずに、同酸素含有量の合金酸化物ターゲットを用いて放電することも可能である。
(2)無機レジスト膜の成膜中に、成膜出力を変更する。
(a)成膜初期 第1層、2分、25nm厚:成膜出力=200W
(b)成膜末期 第2層、6分、60nm厚:成膜出力=100W
(1)スパッタリング装置において、成膜出力を一定(150W)にして放電し、反応性ガスを流さずに、酸素含有量の異なる合金酸化物ターゲットを用いて、多層無機レジスト成膜する。
(2)酸素含有量の異なる合金酸化物ターゲットを用いて、多層無機レジスト膜中の酸素含有量を変化させ、レジスト感度を変化させる。
(a)成膜初期 第1層、2分、25nm厚:酸素含有量50%ターゲット
(b)成膜末期 第2層、2分、25nm厚:酸素含有量62%ターゲット
(c)成膜末期 第3層、2分、25nm厚:酸素含有量74%ターゲット
(1)リーダブルエンボスピット形状の最適化においては、深さは無機レジスト層の厚さを変えることにより最適化が可能であり、リーダブルエンボスピット幅は、適切なレーザ光径や露光パワーにすることにより可能である。
光学記録装置を用いて、DVD−RWフォーマットを有する無機レジスト基板Aおよび無機レジスト基板Bを作製し、これらを用いて評価用ディスクAおよび評価用ディスクBを作製する。
(a)成膜初期 第1層、1.8分、22nm厚:酸素含有量50%ターゲット
(b)成膜末期 第2層、4.6分、58nm厚:酸素含有量62%ターゲット
とし、第1層22nm、第2層58nmの合計80nm厚の無機レジスト層を作製した。
(a)成膜初期 第1層、2.2分、28nm厚:酸素含有量62%ターゲット
(b)成膜末期 第2層、4.6分、58nm厚:酸素含有量74%ターゲット
とし、第1層28nm、第2層58nmの合計86nm厚の無機レジスト層を作製した。
PP Dev.・・・プッシュプルデビエーション(0.15未満が適正)
Rec. Jitter・・・記録特性 [%](8.0%未満が適正)
RE Jitter ・・・再生特性 [%](8.0%未満が適正)
|EPPr1|・・・EPPr1の絶対値 [dB](3dBより小が適正)
評価用ディスクA:0.987(301/305)〜1.138(347/301)
評価用ディスクB:0.987(303/307)〜1.136(349/307)
となり、上述の方法を用いることにより、深いピットと浅いウォブルグルーブを同一面内に形成してもピット幅およびグルーブ幅は同程度で形成することが可能であり、再生特性の低下を妨げないことが分かる。
光学記録装置を用いて、BD−REとBD−ROMとのハイブリッドディスクのフォーマットを有する無機レジスト基板Cおよび無機レジスト基板Dを作製し、これらを用いて評価用ディスクCおよび評価用ディスクDを作製する。
(a)成膜初期 第1層、1.5分、19nm厚:酸素含有量50%ターゲット
(b)成膜末期 第2層、3.2分、40nm厚:酸素含有量62%ターゲット
とし、第1層19nm、第2層40nmの合計59nm厚の無機レジスト層を作製した。
(a)成膜初期 第1層、2.0分、24nm厚:酸素含有量62%ターゲット
(b)成膜末期 第2層、4.6分、58nm厚:酸素含有量74%ターゲット
とし、第1層24nm、第2層58nmの合計82nm厚の無機レジスト層を作製した。
PP before ・・・記録前のプッシュプル信号量(0.21〜0.42の範囲が適正)
PP Dev.・・・プッシュプルデビエーション(0.15未満が適正)
Rec. Jitter・・・記録特性 [%](6.5%未満が適正)
ROM Jitter・・・再生特性 [%](6.5%未満が適正)
DPD・・・ディファレンシャルフェーズディテクション(0.25〜0.50の範囲が適正)
接着シート)の屈折率n=1.48となる。
評価用ディスクC:1.119(151/135)〜1.296(175/135)
評価用ディスクD:1.123(155/138)〜1.275(176/138)
となり、BDのハイブリッドディスクのフォーマットにおいても深さの異なるピットおよびグルーブを同一面内に形成してもグルーブ幅はピット幅と同程度以上で形成することが可能であり、再生特性の低下を妨げないことが分かる。
2・・・アンリーダブルエンボスピット
3・・・ウォブルグルーブ
11・・・基板
12・・・レジスト層
13・・・レーザ
14a,14b・・・潜像
15a・・・ピットに対応する凹部
15b・・・グルーブに対応する凹部
20・・・成膜装置
21・・・成膜室
22,51・・・基板
23a,23b・・・ターゲット
24,27・・・ボンベ
25,28・・・マスフローコントローラ
26,29・・・ストップバルブ
30・・・反応性ガス比率コントロール
31,32,33・・・電源
34・・・成膜電力コントロール
35・・・真空ポンプ
40・・・レジスト基板
41,52・・・無機レジスト層
41a,41b,41c・・・無機レジスト膜
42・・・ピット
43・・・グルーブ
50・・・光学記録装置
53・・・ターンテーブル
54・・・スピンドルサーボ
55・・・レーザ
56・・・音響光学変調器
57,60・・・駆動用ドライバ
58・・・ウェッジプリズム
59・・・音響光学偏向器
61・・・電圧制御発振器
70・・・変調光学系
71・・・移動光学テーブル
72・・・偏向光学系
M1,M2,M3・・・ミラー
L1,L2,L3・・・レンズ
L4・・・対物レンズ
BS・・・ビームスプリッタ
PBS・・・偏光ビームスプリッタ
81・・・現像液
82・・・凹凸パターン形成部
83・・・ニッケルメッキ層
84・・・スタンパ
85・・・成型金型
86・・・ディスク基板
Claims (9)
- 基板と、
上記基板上に設けた第1の無機レジスト層と、
上記第1の無機レジスト層状に設けられ、該第1の無機レジスト層よりも酸素含有量が多く、該第1の無機レジスト層よりも感度の高い第2の無機レジスト層と、
を少なくとも備え、
凹凸パターンの深さにより変化させた露光強度で上記第1の無機レジスト層と上記第2の無機レジスト層とが露光されることにより形成された深い断面略U字形状のピットまたはグルーブと、浅い断面略U字形状のピットまたはグルーブとからなるレジストパターンを有し、
上記浅い断面略U字形状のピットまたはグルーブの幅/上記深い断面略U字形状のピットまたはグルーブの幅の比が、0.987〜1.296であり、かつ該浅い断面略U字形状のピットまたはグルーブの深さ変動が4nm以下である
光ディスク原盤。 - 上記深い断面略U字形状のピット深さが80〜86nmであり、上記浅い断面略U字形状のグルーブ深さが22〜28nmである
請求項1に記載の光ディスク原盤。 - 深い断面略U字形状のピット深さが59〜82nmであり、上記浅い断面略U字形状のグルーブ深さが19〜24nmである
請求項1に記載の光ディスク原盤。 - 上記第2の無機レジスト層よりも酸素含有量が多く、該第2の無機レジスト層よりも感度の高い第3の無機レジスト層を備え、
上記深い断面略U字形状のピットまたはグルーブよりもさらに深い断面略U字形状のピットまたはグルーブが形成された
請求項1に記載の光ディスク原盤。 - 基板上に第1の無機レジスト膜を成膜する工程と、
上記第1の無機レジスト上に、該第1の無機レジスト層よりも酸素含有量が多く、該第1の無機レジスト層よりも感度の高い第2の無機レジスト層を成膜する工程と、
凹凸パターンの深さにより露光強度を変化させて上記第1の無機レジスト層及び第2の無機レジスト層を露光する工程と、
上記無機レジスト層の露光部分を除去することにより、深い断面略U字形状のピットまたはグルーブと、浅い断面略U字形状のピットまたはグルーブとを形成する現像工程と
からなり、
上記現像工程において得た上記浅い断面略U字形状のピットまたはグルーブの幅/上記深い断面略U字形状のピットまたはグルーブの幅の比が、0.987〜1.296となり、かつ該浅い断面略U字形状のピットまたはグルーブの深さ変動が4nm以下である
光ディスク原盤の作製方法。 - 上記第1の無機レジスト層及び第2の無機レジスト層の成膜が、スパッタリング法によって行われる
請求項5に記載の光ディスク原盤の作製方法。 - 上記スパッタリング法による成膜時に、無機レジスト材料として遷移金属の単体もしくは合金、またはそれらの酸化物を用いる
請求項6に記載の光ディスク原盤の作製方法。 - 上記スパッタリング法による成膜時に、成膜出力、反応性ガス比率、および上記遷移金属の合金酸化物の酸素含有量の少なくとも1つを変化させることによって、酸素含有量の異なる上記第1の無機レジスト層及び第2の無機レジスト層を成膜する
請求項7に記載の光ディスク原盤の作製方法。 - 上記第2の無機レジスト層よりも酸素含有量が多く、該第2の無機レジスト層よりも感度の高い第3の無機レジスト層を成膜する工程をさらに備え、
凹凸パターンの深さにより露光強度を変化させて、上記第1の無機レジスト層及び上記第2の無機レジスト層とともに、上記第3の無機レジスト層を露光する
請求項8に記載の光ディスク原盤の作製方法。
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