JPH1090941A - 正帯電性現像剤およびそれを用いる画像形成方法 - Google Patents

正帯電性現像剤およびそれを用いる画像形成方法

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JPH1090941A
JPH1090941A JP24019596A JP24019596A JPH1090941A JP H1090941 A JPH1090941 A JP H1090941A JP 24019596 A JP24019596 A JP 24019596A JP 24019596 A JP24019596 A JP 24019596A JP H1090941 A JPH1090941 A JP H1090941A
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particles
toner
photosensitive drum
compound
less
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JP24019596A
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Yoshihiro Kigami
木上  嘉博
Yukihiro Sato
幸弘 佐藤
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画質に起因する制約なしに電子写真装置の小
型化、省スペース化を可能にし、特に小径化した感光体
ドラムを採用した装置で発生しやすい問題を改良する。 【解決手段】 樹脂、着色剤および帯電制御剤を含有
し、130℃における見掛け粘度が2×105 ポイズ以
下であるトナー粒子、2kエルステッドの測定磁場にお
ける磁気力が85emu/g以下である磁性粒子、並び
に、正帯電極性の粒子を含有することを特徴とする正帯
電性現像剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリンター、デジ
タルまたはアナログ複写機、ファクシミリなどに利用さ
れる正帯電性現像剤およびそれを用いる電子写真方式を
応用した画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、電子写真方式では、各種の光導
電性物質とバインダ樹脂とを主成分とする感光層をアル
ミニウム等の金属等の基体上に被覆せしめた有機光導電
性感光体(通常はドラム状に加工された感光体ドラム)
上に、種々の手段により静電荷の電気的潜像を形成し、
該静電潜像を粉体からなる現像剤で現像し、必要に応じ
て紙あるいはフィルム等の基材上に粉体を転写した後、
加圧、加熱等の方法により定着することが行われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、パーソナル化、
省スペース化などの市場要求に伴い、複写機、プリンタ
ー等の電子写真装置の小型化が促進される傾向にある。
これらの装置の小型化を達成するためには、感光体ドラ
ムの小径化が望まれる。感光体ドラムとしては、円筒状
等に加工されたアルミニウム等の導電性基体上に有機感
光性物質を塗布した有機光導電性感光体ドラム、中でも
電荷発生層と電荷輸送層等を順次塗布した積層型有機導
電性感光体ドラムの採用が主流となっている。また、一
般にこれらの小型の装置では低消費電力化の要求も伴う
ので、少ない定着エネルギーで充分定着するようなトナ
ーが求められる。トナーとして低エネルギー定着を目指
すとすると、低い定着温度でも定着するのに充分な程度
にトナーの溶融粘度が低い必要がある。
【0004】前記の有機光導電性感光体ドラムは、その
表面硬度がさほど高くないので、現像工程での現像剤と
の摺擦およびクリーニング工程での当接するクリーニン
グ部材(クリーニングブレード等)による押圧等によ
り、常にその表面が激しく研磨される状態におかれるの
で経時での感光層の膜減りを起こしやすい。感光層の膜
減りによって、感光体ドラムの電気特性が劣化するの
で、結果として得られる画像は画像濃度の低下を招くと
いう問題があった。特に、小径の感光体ドラムを採用す
る場合、上記の感光体の膜減り現像がより顕在化しやす
いという問題が指摘されていた。
【0005】これらの感光体の膜減り問題を回避して感
光体の耐刷性を向上させるために、たとえば、感光体ド
ラム感光層の表面層を構成する樹脂として、ポリカーボ
ネート樹脂を採用すれば表面の硬度や機械的強度が増す
ので、膜減りが緩和されて良好な耐刷性が得られやす
い。従って、積層型有機光導電性感光体ドラムとして
は、その表面の構成樹脂としてポリカーボネート樹脂を
用いて構成した小径化感光体ドラムを採用すれば、小型
の電子写真装置での上記した問題が解消される傾向にあ
るので有効である。
【0006】上記したパーソナルタイプの小型の電子写
真装置で顕在化する他の問題は以下の通りである。第1
に、このような装置では葉書に印字する機会が多いので
あるが、葉書など厚紙の通紙によって感光体ドラム上に
紙粉跡が発生しやすいという欠陥がある。紙粉跡は紙か
ら発生する紙粉が感光体ドラム上に吸着して画像汚染を
誘発する現象であって、画像品質面からは致命的な問題
である。第2に、良好な定着性を得ようとすると溶融粘
度の低いトナーとする必要があるが、このようなトナー
は、経時での使用によってキャリア粒子に対して非常に
融着しやすく、結果としてキャリア粒子の抵抗をアップ
させるので、画像濃度の低下を招いて現像剤としての寿
命を早めるという問題がある。
【0007】このような問題を改良するためには、特公
昭63−58354号公報や特開昭62−258472
号公報等に記載されるように、マグネタイト(Fe3
4 )に代表される研磨性を有し、しかも比較的低抵抗の
無機微粒子とトナー粒子を乾式で混合(外添)して改良
することがよく行われる。ところが、表面層としてポリ
カーボネート樹脂を有する小径の感光体ドラムを採用し
た場合、これらのマグネタイト粒子は強固に付着しやす
いので、得られる画像上にスポット状の欠陥となって現
れ、画像を汚染するという問題が新たに発生することが
判明した。
【0008】一方では、これらのマグネタイト粒子を外
添すると、特に高湿環境において、現像剤の帯電量が低
下したり、帯電の立ち上がり性が悪化したりして、現像
剤の良好な帯電性が得られにくい。こうした場合、画像
ベタ部の均一性が悪化したり、カブリの増加が見られる
ようになる。これらの課題に対する有効な対策として
は、現状ではさほど効果的な提案は見あたらず、実用上
十分に満足する画質が得られない状態にあった。従っ
て、小径の感光体ドラムとの組み合わせで画質を満足す
るような現像剤がないことは、感光体ドラムの小径化ひ
いては装置の小型化を行っていく上での制約となってい
た。
【0009】本発明は、上記した現状に鑑み、その問題
を解決すべくなされたものであって、その目的は、装置
の小型化が可能であり、かつ小型化によって引き起こさ
れる画質品質上の問題がなく、具体的には、感光体ドラ
ム感光層の膜減りに起因する画像濃度低下がなく、葉書
通紙等による感光体ドラム上への紙粉跡発生がなく、キ
ャリア粒子へのトナーの融着が抑制できるために耐久性
が高く、感光体ドラムへの外添剤の付着による画像汚染
の問題がなく、高湿下での画像劣化がなく、しかも低温
定着に対応できる正帯電性現像剤およびそれを用いる画
像形成方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる目的
を達成すべく、小径の感光体ドラムを採用する小型の装
置において良好な画質や定着性が得られる画像形成方法
を目指して鋭意検討した結果、特に直径50mm以下の
小径の感光体ドラムを用いた場合に、特定の磁気特性を
有する磁性粒子と正帯電極性の粒子とが添加された特定
の溶融粘度を有するトナー粒子を用いれば良好な画質と
定着性が得られることを見いだし本発明に到達した。
【0011】すなわち、本発明の要旨は、樹脂、着色剤
および帯電制御剤を含有し、130℃における見掛け粘
度が2×105 ポイズ以下であるトナー粒子、2kエル
ステッドの測定磁場における磁気力が85emu/g以
下である磁性粒子、並びに、正帯電極性の粒子を含有す
ることを特徴とする正帯電性現像剤に存する。更に、本
発明の要旨は、直径が50mm以下である感光体ドラム
上に形成される静電潜像を上記の正帯電性現像剤で現像
することを特徴とする画像形成方法に存する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明は、小径の感光体ドラムを
用いる装置で生ずる不具合を解決し、良好な画像を得る
ものである。本発明を構成する感光体ドラムとしては、
たとえばセレン、ヒ素−セレン、セレン−テルル、アモ
ルファスシリコン等の無機系のものやジアゾ化合物、色
素等の有機系のものが挙げられる。装置の小型化のため
には、小径の感光体ドラムが望まれており、通常は直径
50mm以下が採用され、より小径化を望む場合は40
mm以下のサイズが採用され、さらには30mm以下の
サイズの採用も提案されている。しかし、前述のよう
に、従来の現像剤では感光体ドラムが小径の場合、画像
品質が劣悪となり、装置自体は小型化を達成するものの
画像品質面では満足すべき結果は得られない。その点、
本発明によれば、小径ドラムの場合に良好な画像が得ら
れるため、良好な性能の小型装置が実現可能である。
【0013】前記感光体ドラムのうち、製造のしやす
さ、電気的および光学的な性能、コスト、安全性等の面
から、特に有機光導電性感光体ドラムが好適である。有
機光導電性感光体ドラムの中でも、電荷発生層と電荷輸
送層(表面層)とを有する積層型有機光導電性感光体ド
ラムであるのが特に好ましい。また、この表面層を構成
するバインダ樹脂がポリカーボネート樹脂であれば、繰
り返し使用による感光体の膜減りが少なく、従って感光
体の電気特性の悪化が少ないので好適である。
【0014】感光体ドラムの直径に関して従来から知ら
れている画像形成方法と本発明の方法との画質の差を比
較すると、以上の感光体ドラムの中では、直径50mm
以下のものでは明らかに本発明の画質が優れており、直
径40mm以下のものではその差はより顕著になる。直
径30mm以下のものでは、従来の画像形成方法では到
底実用に耐える画質が得られないのに対して、本発明の
方法では良好な画質が得られ、その差は極めて大きく本
発明の優位性が明らかである。一方、トナー粒子はバイ
ンダ樹脂、着色剤、帯電制御剤、必要に応じて添加され
る磁性粉、その他の物質等からなる。
【0015】前記トナー構成成分のうち、バインダ樹脂
としては、トナーに適した公知の種々のものが使用でき
る。例えば、ポリスチレン、クロルポリスチレン、ポリ
−α−メチルスチレン、スチレン−クロロスチレン共重
合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタ
ジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチ
レン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重
合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体(スチレ
ン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸
エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合
体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体及びスチレ
ン−アクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−メタ
クリル酸エステル共重合体(スチレン−メタクリル酸メ
チル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合
体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン
−メタクリル酸オクチル共重合体及びスチレン−メタク
リル酸フェニル共重合体等)、スチレン−α−クロルア
クリル酸メチル共重合体及びスチレン−アクリロニトリ
ル−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂
(スチレンまたはスチレン置換体を含む単独重合体また
は共重合体)、塩化ビニル樹脂、ロジン変性マレイン酸
樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、飽和もしくは不
飽和ポリエステル樹脂、低分子量ポリエチレン、低分子
量ポリプロピレン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹
脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルア
クリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
キシレン樹脂並びにポリビニルブチラール樹脂等がある
が、本発明に用いるのに特に好ましい樹脂としては、ス
チレン系樹脂、飽和もしくは不飽和ポリエステル樹脂及
びエポキシ樹脂を挙げることができる。また、上記樹脂
は単独で使用するに限らず、2種以上を併用することも
できる。さらに、特公昭50−23354号公報、特開
昭50−44836号公報等に記載される架橋系バイン
ダ樹脂、あるいは特公昭55−6895号公報、特公昭
63−32180号公報等に記載される非架橋系バイン
ダ樹脂も使用できる。
【0016】本発明において、トナー粒子の130℃に
おける見掛け粘度は2×105 ポイズ以下である必要が
ある。また、130℃における見掛け粘度が1×105
ポイズ以下であるのが望ましい。このような見掛け粘度
の範囲にすれば低エネルギー定着のトナーが得られる。
一方、この範囲を超えて見掛け粘度が高い場合には、低
エネルギー定着に対応できないので好ましくない。トナ
ー粒子の見掛け粘度の測定は、フローテスタCFT−5
00(島津製作所製)を用いて下記の条件で行う。
【0017】 シリンダ圧力:20.0kgf/cm2 ダイ :直径1mm、長さ1mm 昇温速度 :6.0℃/分 予熱時間 :300秒
【0018】トナー粒子の130℃における見掛け粘度
を前記の範囲とするために、分子量の調節等によってバ
インダ樹脂の見掛け粘度自体を同様の範囲とするのが望
ましい。例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィ(GPC)により得られる分子量のピークを2山ある
いはそれ以上とし、それぞれの分子量等を調節するなど
の方法が挙げられるが、バインダ樹脂として見掛け粘度
が前記範囲でない場合であっても、トナー粒子の製造条
件等によって前記のトナー粒子として好ましい範囲に到
達できる場合もあるので必ずしもこの限りではない。
【0019】また、トナー粒子のガラス転移温度は、示
差熱分析装置で測定したときの転移温度(変曲点)が5
0℃以上であるのが好ましい。ガラス転移温度が50℃
未満の場合、長期保管時の熱安定性が悪く、トナーの凝
集や固化を招き使用上問題がある。着色剤としては、従
来から用いられるものであれば、特に制限されるもので
はなく、任意の適当な顔料や染料が使用できる。例え
ば、酸化チタン、亜鉛華、アルミナホワイト、炭酸カル
シウム、紺青、鉄黒、カーボンブラック、フタロシアニ
ンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエロー
G、ローダミン系染顔料、クロムイエロー、キナクリド
ン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、トリアリル
メタン系染料、アントラキノン染料、モノアゾ及びジス
アゾ系染顔料などを相当するトナーの色に合わせて単独
または適宜混合して用いる。着色剤の含有量は、現像に
より可視像を形成することができるようトナーを着色す
るに十分な量であればよく、例えばバインダ樹脂100
重量部に対して3〜20重量部とするのが好ましい。
【0020】トナーの帯電極性に関し、使用するバイン
ダ樹脂の組成により帯電制御する方策も考えられるが、
通常は各種公知の帯電制御剤をトナー構成成分として添
加することが行われる。正帯電性トナーを得るための帯
電制御剤としては、例えば、各種ニグロシン化合物、特
公平1−54694号公報、特公平1−54695号公
報、特公平1−54696号公報等に記載される4級ア
ンモニウム塩化合物、特開昭51−455号公報、特公
昭63−57787号公報、特公平2−501506号
公報等に記載されるトリフェニルメタン化合物、特開平
3−119364号公報、特開平3−202856号公
報、特開平3−217851号公報等に記載されるイミ
ダゾール誘導体やイミダゾール類の金属錯体等が挙げら
れる。
【0021】本発明では、中でも、ニグロシン化合物、
4級アンモニウム塩化合物及びトリフェニルメタン化合
物の中から選ばれる少なくとも1種の帯電制御剤を含有
する正帯電性トナーを含む正帯電性現像剤であるのが好
適である。上記した帯電制御剤をトナーに含有させる方
法としては、トナー内部に添加する(内添する)方法と
外添する方法とがある。内添する場合、これら化合物の
使用量は、前記バインダ樹脂100重量部に対して、通
常0.05〜20重量部、好ましくは0.1〜10重量
部の範囲で用いられる。また、外添する場合は、樹脂1
00重量部に対して、0.01〜10重量部が好まし
い。上記添加範囲内で、帯電制御剤の内添と外添を組み
合わせて行ってもよい。
【0022】この他、熱特性や物理特性を改良する目的
でトナー中に内添しうる助剤としては、公知のものが使
用可能であるが、例えば、ポリアルキレンワックス、パ
ラフィンワックス、高級脂肪酸、脂肪酸アミド、金属石
鹸等が挙げられる。その添加量は、バインダ樹脂100
重量部に対して、0.1〜10重量部が好ましい。トナ
ーの製造方法としては、上記の各成分を混合した後、ニ
ーダー等で混練し、冷却後、粉砕し、分級すればよい。
【0023】本発明に係わる現像剤では、2kエルステ
ッドの測定磁場における磁気力が85emu/g以下で
ある磁性粒子と正帯電極性の粒子とが外添されている。
前記磁性粒子として磁気力が前記範囲より大きい場合に
は、連続実写等において致命的な画像汚染を引き起こす
ので好ましくない。なお、磁気力は、市販のB−Hトレ
ーサー、例えば直流磁化特性自動記録装置Model
BHU−60(理研電子社製)等を用い、測定磁場2k
エルステッドでの試料重量当たりの磁化の強さを測定す
ることによって得られる。本発明に係わる磁性粒子とし
ては、下記一般式(1)で表される物質であることが望
ましい。
【0024】
【化2】 〔(MnO)x (ZnO)y (FeO)1-x-y 〕・Fe2 3 …(1)
【0025】(式中、xおよびyはモル分率を表し、x
は0.01〜0.3、yは0.01〜0.3である。) これらの物質は、フェライト粒子として知られる物質の
一つである。本発明に係わる磁性粒子は、例えば、同形
状、同粒子径のマグネタイト(Fe3 4 )微粒子と比
較して低い磁気力の値を有しており、これによって感光
体ドラム表面への吸着が相対的に緩和され画像汚染が抑
制されるものと考えられる。また、これらの磁性粒子の
粒子形状は八面体状であることが望ましい。その場合、
八面体形状を損なわない範囲において公知の方法で粒子
の角取り処理が施されてもよい。粒子形状が八面体状の
場合、他の形状の磁性粒子に比べて葉書通紙等による感
光体ドラム上の紙粉跡を掻き取る研磨効果が優れてお
り、感光体ドラムにも吸着し難いので、画像の汚染等も
発生し難く好ましい結果が得られる。
【0026】一方、前記磁性粒子は窒素吸着法による比
表面積が4.0m2 /g以下であることが好ましい。比
表面積が前記範囲より大きい場合は、致命的な画像汚染
を引き起こす原因となり易いので好ましくない。その原
因として、比表面積が前記範囲を超えて大きい場合に
は、相対的に磁性粒子の粒子径は小さくなるので、その
ような粒子は感光体ドラムに吸着されやすく、感光体ド
ラム表面に強固に吸着して画像汚染を引き起こすものと
推定される。なお、本発明において、窒素吸着法による
比表面積は、流動式比表面積自動測定装置フローソーブ
2300(島津製作所製)を用いて測定した。
【0027】磁性粒子の製造方法としては、湿式法、乾
式法を問わず公知の各方法が挙げられ、例えば、必要な
金属酸化物を混合した後、高温で焼成して粒子を得る方
法が例示できるが、これに限定されない。一方、正帯電
極性の粒子は、以下の方法で測定される摩擦帯電性が正
である粒子である。すなわち、正帯電極性の粒子0.4
gとキャリア(鉄粉キャリアTEFV−2030、パウ
ダーテック社製)19.6gとを30mlのガラス製サ
ンプル瓶に入れた後、振盪機で30分間攪拌して得られ
る混合物をブローオフ粉体帯電量測定装置TB−200
(東芝ケミカル社製)によりSUS316製400メッ
シュの金網を用いて摩擦帯電極性を測定する。測定条件
を以下に記す。
【0028】 ブローガス :窒素 ブロー圧 :1kg/cm2 ブロー時間 :20秒 使用サンプル量:0.2g
【0029】正帯電極性の粒子の具体例としては、例え
ば、無機系化合物としては、表面処理されていてもよい
ハイドロタルサイト系化合物、表面処理されていてもよ
いAl2 3 、MgO等の金属酸化物、あるいはSiO
2 及びTiO2 、Fe3 4、フェライト粉等の金属酸
化物の単体では正帯電性を有しない化合物の表面処理品
等が挙げられる。ここで表面処理とは、アミノシラン、
第4アンモニウム塩化合物、スチレンアミノアクリレー
ト樹脂、高級脂肪酸及びその金属塩等の帯電向上剤とし
て知られている表面処理剤で無機系化合物表面の帯電性
を改質することをいう。一方、有機系化合物としては、
ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリアミン樹脂粉末、スチ
レンアミノアクリレート樹脂粉末、第4アンモニウム塩
化合物粉末、ニグロシン化合物やトリフェニルメタン化
合物等の染料類等の公知の化合物が挙げられる。これら
の正帯電極性の粒子の好ましい粒子径としては、通常5
μm以下、より好ましくは2μm以下、特に好ましくは
1μm以下であるのがよい。正帯電極性の粒子の粒子径
が5μmを超えて大きい場合は、正帯電極性の粒子が現
像剤中から脱落、飛散しやすくなるため装置内の汚染が
激しくなり好ましくない。また、添加量としてはトナー
100重量部に対して、5重量部以下が好ましく、より
好ましくは0.01〜2重量部である。添加量が5重量
部を超える場合は、連続使用時の帯電量の安定性が悪化
して画像濃度の低下や画像汚染が見られるようになり好
ましくない。
【0030】以上の正帯電極性の粒子の中でも、本発明
に係わる正帯電極性の粒子としては、表面処理されてい
てもよいハイドロタルサイト系化合物または表面処理さ
れていてもよい金属酸化物が望ましく、さらにはハイド
ロタルサイト系化合物がより好ましい。その中でも特に
好ましくは、下記一般式(2)で表される化合物(化合
物(2))の粉末および/または下記一般式(3)で表
される化合物(化合物(3))の粉末を含有するのが最
適である。
【0031】
【化3】 M1 y1・M2 y2・M3 x ・(OH)2 ・Ax/n ・mH2 O …(2)
【0032】上記一般式(2)中の記号の意味は下記の
通りである。 M1 :Mg、Ca、Sr及びBaより成る群から選ばれ
る1種以上の2価金属 M2 :Zn、Cd、Pb及びSnより成る群から選ばれ
る1種以上の2価金属 M3 :3価金属 A :n価のアニオン n :自然数 x、y1、y2、mは以下の関数式を満たす正数。 0<x≦0.5 y1+y2=1−x 0≦m<2
【0033】
【化4】 M4 (1-x) ・M5 x ・(OH)2 ・Ax/n ・mH2 O …(3)
【0034】上記一般式(3)の中の記号の意味は下記
の通りである。 M4 :Mg、Mn、Fe、Co、Ni、Cu及びZnよ
り成る群から選ばれる1種以上の2価金属 M5 :3価金属 A :n価のアニオン n :自然数 x、mは以下の関数式を満たす正数。 0<x≦0.5 0≦m<2
【0035】上記一般式(2)において、M1 はMg、
Ca、Sr及びBaより成る群から選ばれる1種以上の
2価金属であればよく、適宜選択できるが、これらの中
でも好ましい例としては、Mg、Ca、MgとCa、M
gとSr、MgとBaなどを例示できる。さらには、M
gもしくはMgとCaをより好ましい例として挙げるこ
とができる。
【0036】上記一般式(2)でのM2 は、Zn、C
d、Pb及びSnより成る群から選ばれる1種以上の2
価金属であればよく、適宜選択できるが、これらの中で
も好ましい例としては、Zn、Cd、Pb、ZnとCd
などを例示できる。さらには、Zn及び/またはCdを
より好ましい例として挙げることができる。上記一般式
(2)でのM3 は、3価金属であって、例えばAl、B
i、In、Sb、B、Tiなどを例示できる。これらの
中でもAlをより好ましく例示できる。
【0037】上記一般式(2)において、Aはn価のア
ニオンを示し、例えば、CO3 2-、OH- 、HC
3 - 、サリチル酸イオン- 、クエン酸イオン3-、酒石
酸イオン2-、NO3 - 、I- 、(OOC−COO)2-
〔Fe(CN)6 4-などを例示することができる。こ
れらの中でもより好ましい例としては、CO3 2-及びO
-を挙げることができる。
【0038】上記一般式(2)において、xは0<x≦
0.5、好ましくは0.2≦x≦0.5、より好ましく
は0.2≦x≦0.4、とくには0.25≦x≦0.3
5の正数であり、y1+y2は1−xに相当し、y1≧
y2を満足するのがより好ましく、特にはy1>y2が
更に好ましい。また、mは0≦m<2の数である。m=
0もしくはそれに近いmの小さい化合物を得るには、脱
結晶水処理したものを用いるとよい。
【0039】一方、上記一般式(3)において、M4
Mg、Mn、Fe、Co、Ni、Cu及びZnより成る
群から選ばれる一種以上の2価金属であればよく、適宜
選択できるが、これらの中でも特にMgが好ましく例示
できる。また、上記一般式(3)において、M5 は3価
金属であって、例えば、Al、Fe、Cr、Co、In
などを例示できるが、これらの中でもAlをより好まし
く例示できる。
【0040】上記一般式(3)のAは、n価のアニオン
を示し、例えば、CO3 2-、OH-、HCO3 - 、サリ
チル酸イオン- 、クエン酸イオン3-、酒石酸イオン2-
NO 3 - 、I- 、(OOC−COO)2-、〔Fe(C
N)6 4-などを例示することができる。これらの中で
もより好ましい例としては、CO3 2-を挙げることがで
きる。
【0041】上記一般式(3)において、xは0<x≦
0.5、好ましくは0.1≦x≦0.4の正数であり、
また、mは0≦m<2の数である。m=0もしくはそれ
に近いmの小さい化合物を得るには、脱結晶水処理した
ものを用いるとよい。本発明に係わる化合物(2)及び
(3)は、いずれも、結晶粒子径が約0.1〜約1μm
程度が好ましく、またBET比表面積が約50m2 /g
以下が好ましく、約30m2 /g以下がより好ましい。
さらに、平均2次粒子径が約5μm以下、より好ましく
は約2μm以下、特には約1μm以下であるものの使用
が好ましい。
【0042】本発明においては、上記化合物自体の離型
性や現像剤に対する摩擦帯電性、吸着性等を向上させる
目的で、化合物(2)及び(3)を表面処理剤で表面処
理することができる。このような表面処理剤の例として
は、例えば、以下のものを例示することができるが、こ
れらに限定されるものではない。
【0043】高級脂肪酸類 ステアリン酸、オレイン酸、ラウリン酸などアニオン系界面活性剤類 ステアリン酸ソーダ、オレイン酸ソーダ、ラウリルベン
ゼンスルホン酸ソーダなどシラン系カップリング剤類 ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイロキシプ
ロピルトリエトキシシランなどチタネート系カップリング剤類 イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプ
ロピルトリデシルベンゼンスルホニルチタネートなどグリセリンと脂肪酸のエステル類 グリセリンモノステアレート、グリセリンモノオレエー
トなど
【0044】上記の処理剤例の中でも、好ましくは、高
級脂肪酸類がよい。表面処理剤による化合物(2)及び
(3)の表面処理は、例えば、該表面処理剤が液状の場
合、あるいは水、アルコール類などに溶解して液状にし
た場合には、これら液状の表面処理剤と化合物(2)又
は(3)の粉末もしくはその水性懸濁液を、加熱条件下
もしくは非加熱条件下で機械的に混合することによって
行うことができる。また、例えば該表面処理剤が加熱条
件下で溶解する場合には、加熱溶解条件下で化合物
(2)又は(3)と機械的に混合することによって行う
こともできる。充分な混合処理の後、必要に応じて水
洗、脱水、乾燥、粉砕、分級等の手段を適宜選択して実
施し、表面処理物を得ることができる。上述のようにし
て得ることのできる化合物(2)及び(3)の表面処理
物の表面処理剤の含有量は適当に選択変更できるが、化
合物(2)又は(3)の重量に基づいて、約0.1〜約
10重量%のごとき量を例示することができる。
【0045】なお、化合物(2)及び(3)は、従来よ
り公知の手法で製造することができる。例えば、特公昭
46−2280号公報、特公昭47−32198号公
報、特公昭50−30039号公報、特公昭48−29
477号公報、特公昭51−29129号公報等に記載
されている製法ないしはそれらに類する製法により製造
可能である。また、BET比表面積が約50m2 /g以
下で平均2次粒子径が約5μm以下である化合物(2)
又は(3)は、従来の製造手法で製造された化合物
(2)又は(3)を、例えば水性媒体中で更に加熱処理
して得ることができる。この好適態様によれば、従来手
法で得られる化合物(2)又は(3)を、例えばオート
クレーブ中、水媒体中で、例えば約120〜約250℃
の温度及び約5〜約40時間のごとき条件下で加熱処理
し、濾過・乾燥等を行うことにより、所望のBET比表
面積及び平均2次粒子径の化合物(2)及び(3)を得
ることができる。上記加熱処理は、前記BET比表面積
及び平均2次粒子径条件を満足するようになるまで、加
圧条件下に水熱処理すればよく、高温側の採用がより好
ましい。
【0046】化合物(2)及び(3)の具体例として
は、以下のものなどが示されるが、これらに限定さるも
のではない。
【0047】化合物(2)の具体例 化合物(A) Mg0.5 Zn0.17Al0.33(OH)
2 (CO3 0.165 ・0.45H2 O 化合物(B) Mg0.55Zn0.15Al0.3 (OH)
2 (CO3 0.15 化合物(C) Mg0.1 Ca0.3 Zn0.3 Al0.3 (O
H)2 化合物(D) Mg0.6 Cd0.1 Al0.3 (OH)
2 (CH3 COO)0.3 ・0.34H2 O 化合物(E) Mg0.5 Pb0.2 Al0.3 (OH)
2 (CO3 0.15・0.52H2 O 化合物(F) Mg0.5 Zn0.18Al0.32(OH)
2 (CO3 0.16 化合物(G) Mg0.38Zn0.3 Al0.32(OH)
2 (CO3 0.16・0.2H2 O 化合物(H) Mg0.6 Zn0.14Al0.26(OH)
2 (CO3 0.13 化合物(I) Mg0.6 Zn0.2 Al0.2 (OH)
2 (CO3 0.1 ・0.6H2 O 化合物(J) Mg0.5 Zn0.2 Al0.3 (OH)
2 (CO3 0.3 化合物(K) Mg0.5 Zn0.2 Al0.3 (OH)
2 (OOCCH=CHCOO)0.15 化合物(L) Mg0.1 Ca0.4 Zn0.2 Al0.3 (O
H)2.3 ・0.25H2 O 化合物(M) Mg0.52Zn0.16Al0.32(OH)
2 (CO3 0.16・0.5H2 O 化合物(N) Mg0.48Zn0.18Al0.34(OH)
2 (CO3 0.17 化合物(O) Mg0.15Ca0.4 Zn0.15Al0.3 (O
H)2.3 ・0.2H2 O 化合物(P) Mg0.45Zn0.23Al0.32(OH)
2 (CO3 0.16 化合物(Q) Mg0.6 Zn0.16Al0.24(OH)
2 (CO3 0.12 化合物(R) Mg0.5 Zn0.25Al0.25(OH)
2 (CO3 0.125 化合物(S) Mg0.48Zn0.2 Al0.32(OH)
2 (CO3 0.16 化合物(T) Mg0.5 Zn0.18Al0.32(OH)
2 (CO3 0.16 化合物(U) Mg0.6 Zn0.2 Al0.2 (OH)
2 (CO3 0.1
【0048】化合物(3)の具体例 化合物(V) Mg0.7 Al0.3 (OH)2 (CO3
0.15・0.57H2 O 化合物(W) Mg0.8 Al0.2 (OH)2 (CO3
0.1 ・0.61H2 O 化合物(X) Mg0.75Al0.25(OH)2 (CO3
0.125 ・0.5H2 O 化合物(Y) Mg0.83Al0.17(OH)2 (CO3
0.085 ・0.47H2 O 化合物(Z) Mg0.65Al0.35(OH)2 (CO3
0.175 ・0.37H2
【0049】なお、化合物(2)及び(3)は、トナー
粒子に対し、それぞれ単独で用いることもできるし、化
合物(2)あるいは(3)の2種以上を選択して用いて
もよい。さらには、化合物(2)及び(3)のそれぞれ
1種以上を併用して用いてもよい。本発明に係わる化合
物(2)及び(3)は、特に小型の電子写真装置で小径
感光体ドラムとの組み合わせにおいて、転写性の諸問題
を改良するのに効果的である。
【0050】本発明に係わる磁性粒子の使用量として
は、トナー粒子100重量部に対し、前記磁性粒子が
0.6〜5重量部含有されるのが好ましく、より好まし
くは0.6〜3重量部がよい。本発明に係わる磁性粒子
および正帯電極性の粒子のトナー粒子への添加方法とし
ては、スーパーミキサ(カワタ社製)等の高速流動式混
合機で乾式混合すればよい。本発明に係わる磁性粒子お
よび正帯電極性の粒子は、上記したような利点を有する
ものの、これらの粒子の添加のみでは現像剤として充分
な流動性が得られない場合があるので、その目的で流動
性向上剤を併用して添加することが望ましい。トナー粒
子としての流動性が不足する場合はトナー粒子同士の凝
集が激しくなるので、結果として磁性粒子同士の凝集を
招きやすく、これら凝集体の感光体ドラムへの吸着を悪
化させることがある。この現像は、特に、表面摺擦頻度
の高い小径感光体ドラムでは致命的な画像汚染を引き起
こす原因となる。
【0051】流動性向上剤としては、公知のいずれのも
のであってもよいが、特には酸化ケイ素、酸化チタン、
酸化アルミニウムなどの金属酸化物微粒子であるのが好
ましい。これらの金属酸化物微粒子は平均一次粒子径が
5〜100nmであるのがよく、各種の疎水化処理剤で
疎水化処理されているのがよい。特には、ジメチルジク
ロルシラン、ヘキサメチルジシラン、シリコーン化合物
などで疎水化処理された酸化ケイ素微粒子であるのがよ
り好ましい。これらの流動性向上剤の使用量は、トナー
粒子100重量部に対し、流動性向上剤が0.05〜
0.5重量部含有されるのが好ましい。
【0052】本発明に係わる正帯電性現像剤は、キャリ
ア粒子と混合していわゆる正帯電性の2成分系現像剤と
して用いることができる。トナーの平均粒径は5〜20
μmが好適であり、2成分系現像剤で用いられるキャリ
アとしては、特に制限はないが、その表面を樹脂等によ
り表面被覆されてもよい平均粒径10〜200μmの鉄
粉、フェライト粉、マグネタイト粉等が使用できる。特
には、表面被覆された鉄粉が望ましい。キャリアの表面
被覆を行うための樹脂としては、フッ素系樹脂、シリコ
ーン樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。キャリアとト
ナーとの混合重量比は100:1〜20、より好ましく
は100:2〜15がよい。
【0053】なお、本発明の画像形成方法としては、感
光体ドラムとトナーの荷電極性が異極性の場合の正規現
像方法および同極性の反転現像方法が知られているが、
いずれにも適用可能である。通常、正規現像方法は複写
機等で、反転現像方法はレーザービームプリンター等で
用いられる方式である。
【0054】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。なお、下記実施例および比較例中、単に「部」
とあるのは、いずれも「重量部」を意味するものとす
る。実施例1
【0055】 スチレン系樹脂 100部 (モノマー重量比:スチレン/n−ブチルアクリレート=82/18、 GPCによる分子量のピークが0.5万と40万にある2山状の 非架橋樹脂) ニグロシン系染料帯電制御剤 1部 (ボントロンN04、オリエント化学社製) カーボンブラック 5部 (三菱カーボンブラック#40、三菱化学社製) 低分子量ポリプロピレン 2部 (ビスコール550P、三洋化成社製)
【0056】上記の各成分を混合、混練、粉砕し、分級
して平均11μmの正帯電性の黒色トナーを得た。この
トナー粒子のフローテスタによる130℃での見掛け粘
度は8.4×104 ポイズであった。このトナー100
部に対して、[(MnO)0.1 (ZnO)0.05(Fe
O)0. 85]・Fe2 3 で表される磁性粒子(八面体形
状、比表面積3.0m2 /g、2kエルステッドの測定
磁場における磁気力81emu/g)を2部と化合物
(A)の粉末(BET比表面積15m2 /g、平均2次
粒子径0.2μm)の脂肪酸(ステアリン酸)処理され
た微粉末(処理剤量2重量%、ブローオフ帯電量+50
μC/g)0.3部と疎水化処理二酸化ケイ素(商品名
アエロジルR972、日本アエロジル社製、平均一次粒
子径約16nm)0.2部とをスーパーミキサにて外添
処理し、正帯電性現像剤を得た。
【0057】得られた正帯電性現像剤8部とフッ素系樹
脂で表面被覆された平均粒子径約50μmの鉄粉キャリ
ア100部とを混合し、攪拌し正帯電性の2成分系現像
剤を作製した。次に、この現像剤を用い、表面層の樹脂
がポリカーボネート樹脂である直径30mmの積層型有
機光導電性感光体ドラムを用いた市販の複写機を評価装
置として実写評価を行った。実写評価に使用した補給用
の現像剤は、上記正帯電性現像剤と同一組成物のもので
ある。実写環境は25℃、50%RHにて行った。な
お、実写方法としては、まず、官製葉書を200枚連続
コピーして転写性の確認を行った後、通常のコピー用紙
で9800枚の連続実写を行って耐久性を確認した(現
像剤通算で10000枚)。
【0058】その結果、感光体ドラム上への葉書通紙に
よる紙粉跡の発生は一切認められなかった。また、10
000枚後の画像濃度も十分高くほとんど初期の状態と
遜色がなかった。また、転写ムラや画像の中抜けなどは
発生せず、その他の画質も全く問題がなく、良好な耐久
性を有することがわかった。さらに、トナー添加剤の付
着による画像汚染も全く発生しなかった。なお、100
00枚実写後の感光体ドラムの膜減りの状況ははなはだ
軽微であり、実用上問題のないことがわかった。また、
トナーの定着性は良好であり、トナーの定着不良に起因
する画像からの剥離は見られなかった。さらに、この現
像剤及び評価装置一式を高湿環境(25℃、90%R
H)に持ち込み、通常のコピー用紙で10000枚の追
加の連続実写を行った(現像剤通算で20000枚)。
その結果、画像ベタの均一性の悪化やカブリ上昇等の悪
影響は見られなかった。また、機内へのトナー飛散も極
めて軽微であり、実用上問題がなかった。
【0059】比較例1 実施例1で使用した磁性粒子の代わりに、マグネタイト
微粒子(八面体形状、比表面積3.0m2 /g、2kエ
ルステッドの測定磁場における磁気力91emu/g)
を用いた以外は、実施例1と全く同様に現像剤を作製
し、実写評価を行った。その結果、葉書通紙での画像中
抜けや紙粉跡発生は見られなかったものの、連続実写の
3000〜4000枚後に画像上にスポット状の画像欠
陥が見られるようになり、実写枚数とともに欠陥の増加
傾向が認められ、実用上問題のあることがわかった。そ
の時の感光体ドラム上にはマグネタイト微粒子の付着が
観察された。
【0060】比較例2 実施例1で使用したスチレン系樹脂の代わりに、GPC
による分子量のピークが2万と60万にある2山状の非
架橋樹脂(モノマー重量比は実施例1と同じ)であるス
チレン系樹脂を用いた以外は、実施例1と全く同様に現
像剤を作製し、実写評価を行った。なお、このトナー粒
子のフローテスタによる130℃での見掛け粘度は2.
5×105 ポイズであった。その結果、画質上の問題は
なかったが、実写初期から定着性不良に起因する画像か
らのトナーの剥離が認められ、実用に耐えなかった。
【0061】比較例3 実施例1中、化合物(A)を添加しない以外は、実施例
1と全く同様に現像剤を作製し、実写評価を行った。そ
の結果、25℃、50%RHの環境での通算10000
枚の実写では、転写ムラや画像の中抜け等は発生せず、
その他の画質も全く問題がなく、良好な耐久性を有する
ことがわかった。また、トナー添加剤の付着による画像
汚染も全く発生しなかった。しかし、25℃、90%R
Hの環境下での実写においては、カブリや機内飛散は問
題なかったものの、画像のベタ部の均一性がやや悪化す
る傾向を示した。
【0062】実施例2 実施例1で使用した化合物(A)の粉末の脂肪酸処理さ
れた微粉末の使用量を0.5部とした以外は、実施例1
と全く同様に現像剤を作製し、実写評価を行った。その
結果、実施例1とほぼ同様の好結果を得た。
【0063】実施例3 実施例1で使用した化合物(A)の粉末の脂肪酸処理さ
れた微粉末の使用量を0.1部とした以外は、実施例1
と全く同様に現像剤を作製し、実写評価を行った。その
結果、実施例1とほぼ同様の好結果を得た。
【0064】実施例4 実施例1で使用した化合物(A)の粉末の脂肪酸処理さ
れた微粉末の代わりに、化合物(A)の粉末の脂肪酸処
理されない微粉末(プローオフ帯電量+20μC/g)
を0.5部用いた以外は、実施例1と全く同様に現像剤
を作製し、実写評価を行った。その結果、実施例1とほ
ぼ同様の好結果を得た。
【0065】実施例5 実施例1で使用したスチレン系樹脂の代わりに、ポリエ
ステル樹脂A(ビスフェノールAのプロピレンオキサイ
ド付加物とテレフタル酸とを主成分とするポリエステル
樹脂)を用いた以外は、実施例1と全く同様に現像剤を
作製し、実写評価を行った。その結果、実施例1とほぼ
同様の好結果を得た。
【0066】実施例6 実施例1で使用した化合物(A)の粉末の脂肪酸処理さ
れた微粉末の代わりに、化合物(F)の粉末(BET比
表面積10m2 /g、平均2次粒子径0.7μm)の脂
肪酸(ステアリン酸)処理された微粉末(処理剤量2重
量%、ブローオフ帯電量+42μC/g)を用いた以外
は、実施例1と全く同様に現像剤を作製し、実写評価を
行った。その結果、実施例1とほぼ同様の好結果を得
た。
【0067】実施例7 実施例1で使用した化合物(A)の粉末の脂肪酸処理さ
れた微粉末の代わりに、化合物(L)の粉末(BET比
表面積12m2 /g、平均2次粒子径0.7μm)の脂
肪酸(ステアリン酸)処理された微粉末(処理剤量2重
量%、ブローオフ帯電量+35μC/g)を用いた以外
は、実施例1と全く同様に現像剤を作製し、実写評価を
行った。その結果、実施例1とほぼ同様の好結果を得
た。
【0068】実施例8 実施例1で使用した化合物(A)の粉末の脂肪酸処理さ
れた微粉末の代わりに、化合物(V)の粉末(BET比
表面積20m2 /g、平均2次粒子径0.3μm)の脂
肪酸(ステアリン酸)処理された微粉末(処理剤量2重
量%、ブローオフ帯電量+60μC/g)を用いた以外
は、実施例1と全く同様に現像剤を作製し、実写評価を
行った。その結果、実施例1とほぼ同様の好結果を得
た。
【0069】実施例9 実施例1において、評価装置として、表面層の樹脂がポ
リカーボネート樹脂である直径24mmの積層型有機光
導電性感光体ドラムを用いた市販の複写機の改造機を用
いる以外は、実施例1と全く同様に実写評価を行った。
その結果、感光体ドラム上への葉書通紙による紙粉跡の
発生は見られなかった。また、25℃、50%RHの環
境での10000枚実写後の画像濃度も十分高く、良好
な耐久性を有することがわかった。画質にも問題がなか
った。さらに、トナー添加剤の付着による画像汚染も全
く発生しなかった。25℃、90%RHの環境下での実
写においても、特段の支障は見られず、良好であった。
【0070】実施例10 実施例1で使用したニグロシン系染料帯電制御剤の代わ
りに、4級アンモニウム塩化合物(商品名ボントロンP
51、オリエント化学社)を用いた以外は、実施例1と
全く同様に現像剤を作製し、実写評価を行った。その結
果、感光体ドラム上への葉書通紙による紙粉跡の発生は
見られなかった。また、25℃、50%RHの環境での
10000枚実写後の画像濃度も十分高く、良好な耐久
性を有することがわかった。さらに、トナー添加剤の付
着による画像汚染も全く発生しなかった。25℃、90
%RHの環境下での実写においても、特段の支障は見ら
れず、良好であった。
【0071】実施例11 実施例1で使用したニグロシン系染料帯電制御剤の代わ
りに、トリフェニルメタン化合物(クリスタルバイオレ
ット、C.I.Basic Violet 3)を用い
た以外は、実施例1と全く同様に現像剤を作製し、実写
評価を行った。その結果、感光体ドラム上への葉書通紙
による紙粉跡の発生は見られなかった。また、25℃、
50%RHの環境での10000枚実写後の画像濃度も
十分高く、良好な耐久性を有することがわかった。さら
に、トナー添加剤の付着による画像汚染も全く発生しな
かった。25℃、90%RHの環境下での実写において
も、特段の支障は見られず、良好であった。
【0072】
【発明の効果】本発明により画質に起因する制約なしに
電子写真装置の小型化、省スペース化が可能である。特
に小径化した感光体ドラムを採用した装置で発生しやす
い問題を容易に改良でき、具体的には以下の効果を有す
るのでその工業的利用価値は大きい。 感光体ドラムの膜減りに伴う画像濃度の低下が少な
い。 葉書等の厚紙通紙等による紙粉跡の発生がない。 キャリアへのトナーの融着が少なく、耐久性が高
い。 感光体ドラムへのトナー外添剤付着による画像汚染
がない。 低エネルギー定着ができる。 高湿環境下でも画像の均一性が高く、カブリや機内
飛散の増加がない。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂、着色剤および帯電制御剤を含有
    し、130℃における見掛け粘度が2×105 ポイズ以
    下であるトナー粒子、2kエルステッドの測定磁場にお
    ける磁気力が85emu/g以下である磁性粒子、並び
    に、正帯電極性の粒子を含有することを特徴とする正帯
    電性現像剤。
  2. 【請求項2】 前記磁性粒子が一般式(1) 【化1】 〔(MnO)x (ZnO)y (FeO)1-x-y 〕・Fe2 3 …(1) (式中、xおよびyはモル分率を表し、xは0.01〜
    0.3、yは0.01〜0.3である。)で表される物
    質であることを特徴とする請求項1に記載の正帯電性現
    像剤。
  3. 【請求項3】 前記磁性粒子の窒素吸着法による比表面
    積が4.0m2 /g以下であることを特徴とする請求項
    1または2に記載の正帯電性現像剤。
  4. 【請求項4】 前記正帯電極性の粒子が、表面処理され
    ていてもよいハイドロタルサイト系化合物および/また
    は表面処理されていてもよい金属酸化物であることを特
    徴とする請求項1ないし3に記載の正帯電性現像剤。
  5. 【請求項5】 前記トナー粒子100重量部に対し、前
    記磁性粒子が0.6〜5重量部、前記正帯電極性の粒子
    が0.01〜2重量部含有されていることを特徴とする
    請求項1ないし4に記載の正帯電性現像剤。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5に記載の正帯電性現像
    剤およびキャリア粒子とからなることを特徴とする2成
    分系現像剤。
  7. 【請求項7】 直径が50mm以下である感光体ドラム
    上に形成される静電潜像を請求項1ないし5に記載の正
    帯電性現像剤で現像することを特徴とする画像形成方
    法。
  8. 【請求項8】 前記感光体ドラムが積層型有機光導電性
    感光体ドラムであることを特徴とする請求項7に記載の
    画像形成方法。
  9. 【請求項9】 前記感光体ドラムの表面層を構成するバ
    インダ樹脂がポリカーボネート樹脂であることを特徴と
    する請求項7または8に記載の画像形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2004019138A1 (de) 2002-08-03 2004-03-04 Clariant Gmbh Verwendung von salzen schichtartiger doppelhydroxide
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