JP3503336B2 - 画像形成方法 - Google Patents

画像形成方法

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JP3503336B2
JP3503336B2 JP09997996A JP9997996A JP3503336B2 JP 3503336 B2 JP3503336 B2 JP 3503336B2 JP 09997996 A JP09997996 A JP 09997996A JP 9997996 A JP9997996 A JP 9997996A JP 3503336 B2 JP3503336 B2 JP 3503336B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリンター、デジ
タルおよびアナログ複写機、ファクシミリなどに利用さ
れる現像剤に関し、また電子写真方式を応用した画像形
成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、電子写真方式では、各種の光導
電性物質とバインダ樹脂とを主成分とする感光層をアル
ミニウム等の金属等の基体上に被覆せしめた有機光導電
性感光体(通常はドラム状に加工された感光体ドラム)
上に、種々の手段により静電荷の電気的潜像を形成し、
該静電潜像を粉体からなる現像剤で現像し、必要に応じ
て紙あるいはフィルム等の基材上に粉体を転写した後、
加圧、加熱等の方法により定着することが行われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、パーソナル化、
省スペース化などの市場要求に伴い、複写機、プリンタ
ー等の電子写真装置の小型化が促進される傾向にある。
これらの装置の小型化を達成するためには、感光体ドラ
ムの小径化が望まれる。感光体ドラムとしては、円筒状
等に加工されたアルミニウム等の導電性基体上に有機感
光性物質を塗布した有機光導電性感光体ドラム、中でも
電荷発生層と電荷輸送層等を順次塗布した積層型有機光
導電性の感光体ドラムの採用が主流となっている。ま
た、一般にこれらの小型の装置では低消費電力化の要求
も伴うので、少ない定着エネルギーで充分定着するよう
なトナーが求められる。トナーとして低エネルギー定着
を目指すとすると、低い定着温度でも定着するのに充分
な程度にトナーの溶融粘度が低い必要がある。
【0004】前記の有機光導電性感光体ドラムは、その
表面硬度がさほど高くないので、現像工程での現像剤と
の摺擦およびクリーニング工程での当接するクリーニン
グ部材(クリーニングブレード等)による押圧等によ
り、常にその表面が激しく研磨される状態におかれるの
で経時での感光層の膜減りを起こしやすい。感光層の膜
減りによって、感光体ドラムの電気特性が劣化するの
で、結果として得られる画像は画像濃度の低下を招くと
いう問題があった。特に、小径の感光体ドラムを採用す
る場合、上記の感光体の膜減り現象がより顕在化しやす
いという問題が指摘されていた。
【0005】これらの感光体の膜減り問題を回避して感
光体の耐刷性を向上させるために、たとえば、ドラム感
光層の表面層を構成する樹脂として、ポリカーボネート
樹脂を採用すれば表面の硬度や機械的強度が増すので、
膜減りが緩和されて良好な耐刷性が得られやすい。従っ
て、積層型有機光導電性感光体ドラムとしては、その表
面の構成樹脂としてポリカーボネート樹脂を用いて構成
した小径化ドラムを採用すれば、小型の画像形成装置で
の上記した問題が解消される傾向にあるので有効であ
る。
【0006】上記したパーソナルタイプの小型の画像形
成装置で顕在化する他の問題は以下の通りである。第1
に、このような装置では葉書に印字する機会が多いので
あるが、葉書などの厚紙の通紙によって感光体上に紙粉
跡が発生しやすいという欠陥がある。紙粉跡は紙から発
生する紙粉が感光体上に吸着して画像汚染を誘発する現
象であって、画像品質面からは致命的な問題である。第
2に、良好な定着性を得ようとすると溶融粘度の低いト
ナーとする必要があるが、このようなトナーは、経時で
の使用によってキャリア粒子に対して非常に融着しやす
く、結果としてキャリア粒子の抵抗をアップさせるの
で、画像濃度の低下を招いて現像剤としての寿命を早め
るという問題がある。
【0007】このような問題を改良するためには、特公
昭63−58354号公報や特開昭62−258472
号公報等に記載されるように、マグネタイト(Fe3
4 )に代表される研磨性を有し、しかも比較的低抵抗の
無機微粒子をトナー粒子へ外添して改良することがよく
行われる。ところが、表面層としてポリカーボネート樹
脂を有する小径の感光体ドラムを採用した場合、これら
のマグネタイト粒子は強固に付着しやすいので、得られ
る画像上にスポット状の欠陥となって現れ、画像を汚染
するという問題が新たに発生することが判明した。これ
に関する有効な対策としては、現状ではさほど効果的な
提案は見あたらず、実用上十分に満足する画質が得られ
ない状態にあった。従って、小径の感光体ドラムとの組
み合わせで画質を満足するような現像剤がないことは、
感光体の小径化ひいては装置の小型化を行っていく上で
の制約となっていた。
【0008】本発明は、上記した現状に鑑み、その問題
を解決すべくなされたものであって、その目的は、装置
の小型化が可能であり、かつ小型化によって引き起こさ
れる画像品質上の問題がなく、具体的には、感光体感光
層の膜減りに起因する画像濃度低下がなく、葉書通紙等
による感光体上への紙粉跡発生がなく、キャリア粒子へ
のトナーの融着が抑制できるために耐久性が高く、感光
体への外添剤の付着による画像汚染の問題もなく、しか
も低温定着に対応できる現像剤及びそれを用いる画像形
成方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる目的
を達成すべく、小径の感光体ドラムを採用する小型の装
置において良好な画質や定着性が得られる現像剤を目指
して鋭意検討した結果、特に直径50mm以下の小径の
感光体ドラムを用いた場合に、特定の溶融粘度を有する
トナー粒子と特定の磁気特性を有する磁性粒子とキャリ
アとを用いれば良好な画質と定着性が得られることを見
いだし本発明に到達した。
【0010】
【0011】すなわち、本発明の要旨は、直径が50m
m以下である感光体ドラム上に形成される静電潜像を現
像剤で現像する画像形成方法において、該現像剤が、樹
脂、着色剤及び帯電制御剤を含有してなる130℃にお
ける見掛け粘度が2×105 ポイズ以下であるトナー粒
子に対して、下記の(1)式で表される物質であって
kエルステッドの測定磁場における磁気力が90emu
/g以下である磁性粒子が添加されているトナーとキャ
リアとからなることを特徴とする画像形成方法に存す
る。
【数2】(1)式 [(MnO) x (ZnO) y (Fe
O) 1-x-y ]・Fe 2 3 (ただし、式中、x,yはモル分率を表し、xは0.0
1〜0.3、yは0.01〜0.3の数値を表す)
【0012】
【発明の実施の形態】本発明は、小径の感光体ドラムを
用いる装置で生ずる不具合を解決し、良好な画像を得る
ものである。本発明を構成する感光体ドラムとしては、
たとえばセレン、ヒ素−セレン、セレン−テルル、アモ
ルファスシリコン等の無機系のものやジアゾ化合物、色
素等の有機系のものが挙げられる。
【0013】装置の小型化のためには、小径の感光体ド
ラムが望まれており、通常は直径50mm以下が採用さ
れ、より小径化を望む場合は40mm以下のサイズが採
用され、さらには30mm以下のサイズの採用も提案さ
れている。しかし、前述のように、従来の現像剤では感
光体ドラムが小径の場合、画像品質が劣悪となり、装置
自体は小型化を達成するものの画像品質面では満足すべ
き結果は得られない。その点、本発明によれば、小径ド
ラムの場合に良好な画像が得られるため、良好な性能の
小型装置が実現可能である。
【0014】前記の感光体ドラムのうち、製造のしやす
さ、電気的および光学的な性能、コスト、安全性等の面
から、特に有機系の感光体ドラムが好適である。有機系
の感光体ドラムの中でも、電荷発生層と電荷輸送層(表
面層)とを有する積層型有機光導電性感光体ドラムであ
るのが特に好ましい。また、この表面層を構成するバイ
ンダ樹脂がポリカーボネート樹脂であれば、繰り返し使
用による感光体の膜減りが少なく、従って感光体の電気
特性の悪化が少ないので好適である。
【0015】感光体ドラムの直径に関して従来から知ら
れている画像形成方法と本発明の方法との画質の差を比
較すると、以上の感光体ドラムの中では、直径が50m
m以下のものでは明らかに本発明の画質が優れており、
直径40mm以下のものではその差はより顕著になる。
直径30mm以下のものでは、従来の画像形成方法では
到底実用に耐える画質は得られないのに対して、本発明
の方法では良好な画質が得られ、その差は極めて大きく
本発明の優位性が明らかである。
【0016】一方、トナー粒子はバインダ樹脂、着色
剤、帯電制御剤、必要に応じて添加される磁性粉、その
他の物質等を溶融混練し、粉砕し、分級した微粉末であ
り、本発明に係わる現像剤においては、トナー粒子に特
定の磁性粒子を添加したトナーとキャリアとを有する構
成を有する。
【0017】前記トナー粒子構成成分のうち、バインダ
樹脂としては、トナーに適した公知の種々のものが使用
できる。例えば、ポリスチレン、クロルポリスチレン、
ポリ−α−メチルスチレン、スチレン−クロロスチレン
共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−
ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、
スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸
共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体(ス
チレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリ
ル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重
合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体及びスチ
レン−アクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−メ
タクリル酸エステル共重合体(スチレン−メタクリル酸
メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合
体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン
−メタクリル酸オクチル共重合体及びスチレン−メタク
リル酸フェニル共重合体等)、スチレン−α−クロルア
クリル酸メチル共重合体及びスチレン−アクリロニトリ
ル−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂
(スチレンまたはスチレン置換体を含む単独重合体また
は共重合体)、塩化ビニル樹脂、ロジン変性マレイン酸
樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、飽和ポリエステ
ル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、低分子量ポリエチレ
ン、低分子量ポリプロピレン、アイオノマー樹脂、ポリ
ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン
−エチルアクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、キシレン樹脂並びにポリビニルブチラール樹
脂等があるが、本発明に用いるのに特に好ましい樹脂と
しては、スチレン系樹脂、飽和もしくは不飽和ポリエス
テル樹脂及びエポキシ樹脂を挙げることができる。ま
た、上記樹脂は単独で使用するに限らず、2種以上を併
用することもできる。さらに、特公昭50−23354
号公報、特開昭50−44836号公報等に記載される
架橋系バインダ樹脂、あるいは特公昭55−6895号
公報、特公昭63−32180号公報等に記載される非
架橋系バインダ樹脂も使用できる。
【0018】本発明において、トナー粒子の130℃に
おける見掛け粘度は2×105 ポイズ以下である必要が
ある。また、130℃における見掛け粘度が1×105
ポイズ以下であるのが望ましい。このような見掛け粘度
の範囲にすれば低エネルギー定着のトナーが得られる。
一方、この範囲を超えて見掛け粘度が高い場合には、低
エネルギー定着に対応できないので好ましくない。トナ
ー粒子の見掛け粘度の測定は、フローテスタCFT−5
00(島津製作所製)を用いて下記の条件で行う。 シリンダ圧力:20.0kgf/cm2 ダイ :直径1mm、長さ1mm 昇温速度 :6.0℃/分 余熱時間 :300秒
【0019】トナー粒子の130℃における見掛け粘度
を前記の範囲とするために、分子量の調節等によってバ
インダ樹脂の見掛け粘度自体を同様の範囲とするのが望
ましい。例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィー(GPC)により得られる分子量のピークを2山あ
るいはそれ以上とし、それぞれの分子量等を調節するな
どの方法が挙げられるが、樹脂として見掛け粘度が前記
範囲でない場合であっても、トナー粒子の製造条件等に
よって前記のトナー粒子として好ましい範囲に到達でき
る場合もあるので必ずしもこの限りではない。
【0020】また、トナー粒子のガラス転移温度は、示
差熱分析装置で測定したときの転移温度(変曲点)が5
0℃以上であるのが好ましい。ガラス転移温度が50℃
未満の場合、長期保管時の熱安定性が悪く、トナーの凝
集や固化を招き使用上問題がある場合がある。着色剤と
しては、従来から用いられるものであれば、特に制限さ
れるものではなく、任意の適当な顔料や染料が使用でき
る。例えば、酸化チタン、亜鉛華、アルミナホワイト、
炭酸カルシウム、紺青、鉄黒、カーボンブラック、フタ
ロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイ
エローG、ローダミン系染顔料、クロムイエロー、キナ
クリドン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、トリ
アリルメタン系染料、アントラキノン染料、モノアゾ及
びジスアゾ系染顔料などを相当するトナーの色に合わせ
て単独または適宜混合して用いる。着色剤の含有量は、
現像により可視像を形成することができるようトナーを
着色するに十分な量であればよく、例えばバインダ樹脂
100重量部に対して3〜20重量部とするのが好まし
い。
【0021】トナーの帯電極性に関し、使用するバイン
ダ樹脂の組成により帯電制御する方策も考えられるが、
通常は各種公知の帯電制御剤をトナー構成成分として添
加することが行われる。正帯電性トナーを得るための帯
電制御剤としては、例えば、各種ニグロシン化合物、特
公平1−54694号公報、特公平1−54695号公
報、特公平1−54696号公報等に記載される4級ア
ンモニウム塩化合物、特開昭51−455号公報、特公
昭63−57787号公報、特公平2−501506号
公報等に記載されるトリフェニルメタン化合物、特開平
3−119364号公報、特開平3−202856号公
報、特開平3−217851号公報等に記載されるイミ
ダゾール誘導体やイミダゾール類の金属錯体等が挙げら
れる。また、負帯電性トナーを得るための帯電制御剤と
しては、例えば、クロム、鉄等の含金属アゾ染料、クロ
ム、亜鉛等を含むアルキルサリチル酸の金属錯体または
金属塩等が挙げられる。
【0022】本発明では、現像剤として正帯電性である
のが好ましく、中でも、ニグロシン化合物、4級アンモ
ニウム塩化合物及びトリフェニルメタン化合物の中から
選ばれる少なくとも1種の帯電制御剤を含有する正帯電
性トナーを含む正帯電性の現像剤であるのが好適であ
る。上記した帯電制御剤をトナーに含有させる方法とし
ては、トナー粒子内部に添加する方法と外添する方法と
がある。内添する場合、これら化合物の使用量は、前記
バインダ樹脂100重量部に対して、通常0.05〜2
0重量部、好ましくは0.1〜10重量部の範囲で用い
られる。また、外添する場合は、樹脂100重量部に対
して、0.01〜10重量部が好ましい。上記添加範囲
内で、帯電制御剤の内添と外添を組み合わせて行っても
よい。
【0023】この他、熱特性や物理特性を改良する目的
でトナー粒子中に内添しうる助剤としては、公知のもの
が使用可能であるが、例えば、ポリアルキレンワック
ス、パラフィンワックス、高級脂肪酸、脂肪酸アミド、
金属石鹸等が挙げられる。その添加量は、バインダ樹脂
100重量部に対して、0.1〜10重量部が好まし
い。トナー粒子の製造方法としては、上記の各成分を混
合した後、ニーダー等で混練し、冷却後、粉砕し、分級
すればよい。
【0024】本発明に係わる現像剤では、以上述べたよ
うなトナー粒子に対して2kエルステッドの測定磁場に
おける磁気力が90emu/g以下である磁性粒子が添
加されている。磁気力が前記範囲より大きい場合には、
連続実写等において、致命的な画像汚染を引き起こすの
で好ましくない。その原因の一つとしては、そのような
磁性粒子は、現像剤中で磁気吸引による微粒子同士の凝
集を生じやすく、これらの凝集体は感光体上に現像され
た場合、感光体表面に強固に吸着して画像汚染の原因と
なることが推定できる。磁気力は好ましくは85emu
/g以下である。なお、磁気力は、市販のB−Hトレー
サー、例えば直流磁化特性自動記録装置Model B
HU−60(理研電子社製)等を用い、測定磁場2kエ
ルステッドでの試料重量当たりの磁化の強さを測定する
ことによって得られる。本発明に係わる磁性粒子として
は、下記の(1)式で表される物質であることが望まし
い。
【0025】
【数3】 (1)式 [(MnO)x (ZnO)y (FeO)1-x-y ]・Fe2 3
【0026】(ただし、式中、x、yはモル分率を表
し、xは0.01〜0.3、yは0.01〜0.3の数
値を表す) これらの物質は、フェライト粒子として知られる物質の
一つである。フェライト粒子は、例えば、同形状、同粒
子径のマグネタイト(Fe3 4 )微粒子に比較して低
い磁気力の値を有する場合が多く、これによって本質的
に粒子同士の凝集が発生しにくくなって、感光体表面へ
の吸着も相対的に緩和され画像汚染も抑制されるものと
考えられる。
【0027】また、これらの磁性粒子の粒子形状が八面
体状であることが望ましい。その場合、八面体形状を損
なわない範囲において公知の方法で粒子の角取り処理が
施されてもよい。粒子径が八面体状でない場合、例え
ば、球状の場合は葉書通紙等による感光体上の紙粉跡を
掻き取る研磨効果が少なく、針状の場合は、感光体に吸
着し易い問題があり、いずれも画像の汚染が発生するの
で好ましくない。
【0028】一方、前記磁性粒子は窒素吸着法による比
表面積が4.0m2 /g以下であることが好ましい。比
表面積が前記範囲より大きい場合は、致命的な画像汚染
を引き起こし易くなるので好ましくない。その原因とし
て、比表面積が前記範囲を超えて大きい場合には、相対
的に磁性粒子の粒子径は小さくなるので、そのような粒
子は感光体に吸着されやすく、感光体表面に強固に吸着
して画像汚染を引き起こすものと推定される。なお、本
発明において、窒素吸着法による比表面積は、流動式比
表面積自動測定装置フローソーブ2300(島津製作所
製)を用いて測定した。
【0029】磁性粒子の製造方法としては、湿式法、乾
式法を問わず公知の各方法が挙げられ、例えば、必要な
金属酸化物を混合した後、高温で焼成して粒子を得る方
法が例示できるが、これに限定されない。本発明に係わ
る磁性粒子の使用量としては、トナー粒子100重量部
に対し、前記磁性粒子が0.6〜5重量部含有されるの
が好ましく、より好ましくは0.6〜3重量部がよい。
磁性粒子のトナー粒子への添加方法としては、スーパー
ミキサー(カワタ社製)等の高速流動式混合機で乾式混
合(いわゆる外添)すればよい。
【0030】本発明に係わる磁性粒子は、上記したよう
な利点を有するものの、磁性粒子の添加のみでは現像剤
として充分な流動性が得られない場合があるので、その
目的で流動性向上剤を併用して添加することが望まし
い。トナー粒子としての流動性が不足する場合はトナー
粒子同士の凝集が激しくなるので、結果として磁性微粒
子同士の凝集を招きやすく、これら凝集体の感光体への
吸着を悪化させることがある。この現象は、特に、表面
摺擦頻度の高い小径ドラムでは致命的な画像汚染を引き
起こす原因となる。
【0031】流動性向上剤としては、公知のいずれのも
のであってもよいが、特には酸化ケイ素、酸化チタン、
酸化アルミニウムなどの金属酸化物微粒子であるのが好
ましい。これらの金属酸化物は平均一次粒子径が5〜1
00nmであるのがよく、各種の疎水化処理剤で疎水化
処理されているのがよい。特には、ジメチルジクロルシ
ラン、ヘキサメチルジシラザン、シリコーン化合物など
で疎水化処理された酸化ケイ素微粒子であるのがより好
ましい。
【0032】これらの流動性向上剤の使用量は、トナー
粒子100重量部に対し、流動性向上剤が0.05〜
0.5重量部含有されるのが好ましい。本発明に係わる
現像剤は、トナーとキャリアとを混合した、いわゆる2
成分系現像剤として用いられる。また現像剤の帯電極性
としては正負いずれであってもよいが、本発明に特に好
適なのは、正の帯電制御剤を含有させた正帯電性のトナ
ーを用い、キャリアと組み合わせて正帯電性の2成分系
現像剤として用いるのが最適である。
【0033】トナー粒子の平均粒径は5〜20μmが好
適であり、2成分系現像剤で用いられるキャリアとして
は、特に制限はないが、その表面を樹脂等により表面被
覆されてもよい平均粒径10〜200μmの鉄粉、フェ
ライト粉、マグネタイト粉等が使用できる。特には、表
面被覆された鉄粉が望ましい。キャリアの表面被覆を行
うための樹脂としては、フッ素系樹脂、シリコーン樹
脂、アクリル樹脂等が挙げられる。キャリアとトナーと
の混合重量比は100:1〜20、より好ましくは10
0:2〜15がよい。
【0034】なお、本画像形成方法としては、感光体ド
ラムとトナーの荷電極性が異極性の場合の正規現像方法
および同極性の反転現像方法が知られているが、いずれ
にも適用可能である。通常、正規現像方法は複写機等
で、反転現像方法はレーザービームプリンター等で用い
られる方式である。
【0035】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実
施例により限定されるものではない。なお、下記実施例
および比較例中、単に「部」とあるのは、いずれも「重
量部」を意味するものとする。
【0036】実施例1 スチレン系樹脂 100部 (モノマー重量比:スチレン/n−ブチルアクリレート=82/18、GPCに よる分子量のピークが0.5万と40万にある2山状の非架橋樹脂) ニグロシン系染料帯電制御剤 1部 (ボントロンN−04、オリエント化学社製) カーボンブラック 5部 (三菱カーボンブラック#40、三菱化学社製) 低分子量ポリプロピレン 2部 (ビスコール550P、三洋化成社製)
【0037】上記の各成分を混合、混練、粉砕し、分級
して平均11μmの正帯電性の黒色トナー粒子を得た。
このトナー粒子のフローテスタによる130℃での見掛
け粘度は8.4×104 ポイズであった。このトナー粒
子100部に対して、[(MnO)0.1 (ZnO)0.05
(FeO)0.85]・Fe2 3 で表される磁性粒子(八
面体形状、比表面積3.0m2 /g、飽和磁化81em
u/g)を2部と疎水化処理二酸化ケイ素(商品名アエ
ロジルR972、日本アエロジル社製、平均一次粒子径
約16nm)0.2部とをスーパーミキサにて外添処理
した。得られたトナー8部とフッ素系樹脂で表面被覆さ
れた平均粒子径約50μmの鉄粉キャリア100部とを
混合、攪拌し正帯電性の2成分系現像剤を作製した。
【0038】次に、この現像剤を用い、感光体ドラムと
して表面層の樹脂がポリカーボネート樹脂である直径3
0mmの積層型有機光導電体を用いた市販の複写機を評
価装置として実写テストを行った。実写テストに使用し
た補給用のトナーは、上記現像剤用に用いられたトナー
と同一組成物のものである。実写環境は25℃、50%
RHにて行った。
【0039】なお、実写方法としては、まず、官製葉書
を200枚連続コピーして転写性の確認を行った後、通
常のコピー用紙で9800枚の連続実写を行って耐久性
を確認した(現像剤通算で10000枚)。その結果、
感光体上の葉書通紙による紙粉跡の発生は一切認められ
なかった。また、10000枚後の画像濃度も十分高く
ほとんど初期の状態と遜色がなかった。また、その他の
画質も全く問題がなく、良好な耐久性を有することがわ
かった。さらに、トナー添加剤の付着による画像汚染も
全く発生しなかった。なお、10000実写後の感光体
ドラムの膜減りの状況ははなはだ軽微であり、実用上問
題のないことがわかった。また、トナーの定着性は良好
であり、トナーの定着不良に起因する画像からの剥離は
見られなかった。
【0040】比較例1 実施例1で使用した磁性粒子の代わりにマグネタイト微
粒子(八面体形状、比表面積3.0m2 /g、飽和磁化
が91emu/g)に変更した以外は、実施例1と全く
同様にして現像剤を作製し、実写評価を行った。その結
果、葉書通紙での画像中抜けや紙粉跡発生は見られなか
ったものの、連続実写の3000〜4000枚後に画像
上にスポット状の画像欠陥が見られるようになり、実写
枚数とともに欠陥の増加傾向が認められ、実用上問題の
あることがわかった。その時の感光体上にはマグネタイ
ト微粒子の付着が観察された。
【0041】比較例2 実施例1で使用した樹脂の代わりに、GPCによる分子
量のピークが2万と60万にある2山状の非架橋樹脂
(モノマー重量比は実施例1と同じ)を用いる以外は、
実施例1と全く同様にして現像剤を作製し、実写評価を
行った。なお、このトナー粒子のフローテスタによる1
30℃での見掛け粘度は2.5×105 ポイズであっ
た。その結果、画質上の問題はなかったが、実写初期か
ら定着性不良に起因する画像からのトナーの剥離が認め
られ、実用に耐えなかった。
【0042】実施例2 実施例1において、実写評価用の装置として、感光体ド
ラムの表面層の樹脂がポリカーボネート樹脂である直径
24mmの積層型有機光導電体を用いた市販複写機の改
造機を用いる以外は、実施例1と全く同様にして評価を
行った。その結果、感光体上の葉書通紙による紙粉跡の
発生は見られなかった。また、10000枚後の画像濃
度も十分高く、良好な耐久性を有することがわかった。
さらに、トナー添加剤の付着による画像汚染も全く発生
しなかった。
【0043】実施例3 実施例1のトナー組成において、ニグロシン染料帯電制
御剤を4級アンモニウム塩化合物(商品名ボントロンP
51、オリエント化学社)に変更する以外は、以下実施
例1と全く同様にして、現像剤を作製し、実写評価を行
った。その結果、感光体上の葉書通紙による紙粉跡の発
生は見られなかった。また、10000枚後の画像濃度
も十分高く、良好な耐久性を有することがわかった。さ
らに、トナー添加剤の付着による画像汚染も全く発生し
なかった。
【0044】実施例4 実施例1のトナー組成において、ニグロシン染料帯電制
御剤をトリフェニルメタン化合物(クリスタルバイオレ
ット、C.I.Basic Violet 3)に変更
する以外は、以下実施例1と全く同様にして、現像剤を
作製し、実写評価を行った。その結果、感光体上の葉書
通紙による紙粉跡の発生は見られなかった。また、10
000枚後の画像濃度も十分高く、良好な耐久性を有す
ることがわかった。さらに、トナー添加剤の付着による
画像汚染も全く発生しなかった。
【0045】
【発明の効果】本発明の画像形成方法は、画質に起因す
る制約なしに装置の小型化、省スペース化が可能であ
る。特に小径化した感光体ドラムを採用した装置で発生
しやすい問題を容易に改良でき、具体的には以下の効果
を有するのでその工業的利用価値は大きい。 感光体の膜減りに伴う画像濃度の低下が少ない。 葉書等の厚紙通紙等による紙粉跡の発生がない。 キャリアへのトナーの融着が少なく、耐久性が高い。 感光体への外添剤付着による画像汚染がない。 低エネルギー定着ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−130559(JP,A) 特開 平3−67268(JP,A) 特開 平3−111856(JP,A) 特開 平3−131869(JP,A) 特開 平4−152353(JP,A) 特開 平4−162050(JP,A) 特開 平5−313408(JP,A) 特開 平6−130720(JP,A) 特開 平6−317929(JP,A) 特開 平7−13384(JP,A) 特開 平7−110605(JP,A) 特開 平7−199525(JP,A) 特開 平8−22191(JP,A) 特開 平8−69125(JP,A) 特開 平8−101584(JP,A) 特開 昭59−143161(JP,A) 特開 昭62−2272(JP,A) 特開 昭63−58356(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 9/08

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直径が50mm以下である感光体ドラム
    上に形成される静電潜像を現像剤で現像する画像形成方
    法において、該現像剤が、樹脂、着色剤及び帯電制御剤
    を含有してなる130℃における見掛け粘度が2×10
    5 ポイズ以下であるトナー粒子に対して、下記の(1)
    式で表される物質であって2kエルステッドの測定磁場
    における磁気力が90emu/g以下である磁性粒子が
    添加されているトナーとキャリアとからなることを特徴
    とする画像形成方法。 【数1】(1)式 [(MnO) x (ZnO) y (Fe
    O) 1-x-y ]・Fe 2 3 (ただし、式中、x,yはモル分率を表し、xは0.0
    1〜0.3、yは0.01〜0.3の数値を表す)
  2. 【請求項2】 前記磁気粒子の粒子形状が八面体上であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 【請求項3】 前記磁気粒子の窒素吸着法による比表面
    積が4.0m2/g以下であることを特徴とする請求項
    1または2に記載の画像形成方法。
  4. 【請求項4】 前記トナー粒子100重量部に対し、前
    記磁性粒子が0.6〜5重量部含有されていることを特
    徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の画像形成方
    法。
  5. 【請求項5】 前記キャリアが樹脂で表面被覆されてい
    てもよい鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉の中から
    選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項
    1乃至4の何れかに記載の画像形成方法。
  6. 【請求項6】 感光体ドラムが、ポリカーボネート樹脂
    をバインダ樹脂とする積層型有機光導電性感光体ドラム
    であることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載
    の画像形成方法。
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