JP3650137B2 - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は電子写真法、静電記録等において使用される静電荷像現像用トナーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子複写機等で使用される現像剤は、その現像工程において、例えば静電荷像が形成されている感光体等の像担持体に一旦付着され、次に転写工程において感光体から転写紙に転写された後、定着工程においてコピー紙面に定着される。その際、潜像保持面上に形成される静電荷像を現像するための現像剤として、キャリアとトナーから成る二成分現像剤及びキャリアを必要としない一成分現像剤(磁性トナー、非磁性トナー) が知られている。
【0003】
該現像剤に含有されるトナーとしては、正荷電性トナーと負荷電性トナーがあり、従来より正荷電性トナーに帯電性を付与するものとしては、ニグロシン系染料、4級アンモニウム塩等、また負荷電性トナーに帯電性を付与するものとしては含金染料等の帯電制御剤やキャリアに所定の帯電性を付与するコーティング剤等が知られていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これら従来のトナーでは帯電立上り性、帯電量分布、帯電保持性等の帯電特性が充分でなく、更に一層改善されるべき課題をかかえている。
例えば、トナーの帯電立上り性(複写機等を始動させてキャリアとの混合を始めてから所定の帯電量を得るまでの時間) や、連続使用時における画像濃度の安定性、カブリの発生(画像汚れ) や複写機内部のトナー飛散による機内汚れ発生などの点が問題になっていた。他の例として、トナーの適度な帯電性を環境条件(温度、湿度等) によらず安定的に維持し、その帯電性の経時変化が好ましい形態を得るのは難しく、現像剤を環境条件を変更して複写機等で使用した場合に画像濃度の安定性、カブリ等の画像汚れの発生、或いはトナー飛散による機内汚れの発生などの点が問題になっていた。
【0005】
本発明の目的は、トナーの帯電立上り性が良く、連続使用時における画像濃度の安定性が良く、カブリの発生や複写機内部のトナー飛散による機内汚れ発生などが少ない現像剤を提供することにある。
又、温度、湿度等の環境条件によらず、適度な帯電性、安定な画像濃度が得られ、カブリやトナー飛散の少ない現像剤を提供することにある。
更には、逆極性のトナーが少なく、且つ良好な帯電量分布を示す帯電特性の優れたトナーを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、かかる問題を鋭意検討した結果、以下の手段を施すことでトナーに適度の帯電制御効果を付与すると共に逆極性の少なく、且つ良好な帯電量分布を示す等の帯電特性の優れたトナーが得られることを見い出し、本発明に到達した。
(1)有機光導電体を含む感光体に形成された静電荷像を現像するための静電荷像現像用トナーであって、トナー粒子が少なくともガラス転移温度が50℃以上である樹脂及びトルエン抽出濾液の紫外線吸光度が0.02以下の、酸化処理以外の表面処理をしていないカーボンブラックを含有し、かつトナー粒子の表面にシリカ粉末が外添されていることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
(2) カーボンブラックのBET法比表面積が20〜500m2/gであることを特徴とする第1項記載の静電荷像現像用トナー。
(3)カーボンブラックがpH6以下の酸性カーボンブラックであることを特徴とする第1項記載の静電荷像現像用トナー。
【0007】
【作用】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に使用し得る樹脂成分としては、トナーに適した公知の種類のものが使用できる。例えば、ポリスチレン、クロロポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体(スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体及びスチレン−アクリル酸フェニル共重合体等) 、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体(スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体及びスチレン−メタクリル酸フェニル共重合体等) 、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体及びスチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂(スチレンまたはスチレン置換体を含む単重合体または共重合体) 、塩化ビニル樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、並びにポリカーボネート樹脂等があるが、本発明に用いるのに特に好ましい樹脂としてはスチレン系樹脂、飽和もしくは不飽和ポリエステル樹脂及びエポキシ樹脂等が挙げることかできる。また、上記樹脂は単独に使用するに限らず、2種以上併用することもできる。
【0008】
更にまた、特公昭51−23354、特開昭50−44836号公報に記載されている架橋系バインダー樹脂、或いは特公昭55−6895、特公昭63−32180号公報に記載されている非架橋系バインダー樹脂も使用できる。
そして、該トナー用バインダー樹脂のガラス転移温度は、熱分析法(示差熱分析装置、示差走査熱量分析装置等) で測定した時の転移開始温度(変曲点) が50℃以上であることが好ましい。ガラス転移温度が50℃未満の場合には、40℃以上の高温で長時間にトナーを放置した時、トナーの凝集或いは固着を招き使用上問題がある。
【0009】
本発明で用いる着色剤としては、少なくともカーボンブラックを使用し、その他従来から用いられるものを併用しても、特に制限されるものではない。他の着色剤としては、任意の適当な顔料または染料が使用できる。例えば、酸化チタン、亜鉛華、アルミナホワイト、炭酸カルシウム、紺青、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエローG、ローダミン系染料、クロムイエロー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、トリアリルメタン系染料、アントラキノン染料、モノアゾ及びジスアゾ系染顔料などを相当するトナーの色に着色剤を単独または混合して併用できる。
【0010】
着色剤の含有量は、現像により可視像を形成することができるようトナーを着色するに十分な量あればよく、例えば樹脂100重量部に対して1〜20重量部とするのが好ましい。更に、好ましくは3〜15重量部が好適である。
本発明で使用されるカーボンブラックの紫外線吸光度は0.05以下、好ましくは0.04以下であり、0.05より高いとトナーの帯電特性が不良となり好ましくない。つまり、本発明者らは、特にトルエン抽出分の紫外線吸光度が特定値以下のカーボンブラックに制限することに着目した。
【0011】
カーボンブラックの紫外線吸光度(λc) は、次の方法で求める。まずカーボンブラック3gをトルエン30mlに充分に分散、混合させて、続いてこの混合液をNo.5C濾紙を使用して濾過する。その後、濾液を吸光部が1cm角の石英セルに入れて市販の紫外線分光光度計を用いて波長336nmの吸光度を測定した値(λs) と、同じ方法でリファレンスとしてトルエンのみの吸光度を測定した値(λo) から、紫外線吸光度はλc=λs−λoで求める。
【0012】
市販の分光光度計としては、例えば島津製作所製紫外可視分光光度計(UV−3100PC) などがある。
本発明のカーボンブラックはファーネス法で製造されたものが好ましい。
また、カーボンブラックのBET法での窒素吸着による比表面積は20〜500m2 /gで、ジブチルフタレート(DBP) 吸油量が30〜150ml/100g程度の範囲のものが好ましい。特に、BET法比表面積が20m2 /gより低いと粒子が大きくなり過ぎカーボンブラックの分散性が悪くなり、また500m2 /gより高いと粒子が細かく練り時にシェアーがかかりにくくなりカーボンブラックの分散不良になる。トナー混練時の樹脂へのカーボンブラックの分散性を更に良くすることを考慮すれば、比表面積が80〜150m2 /gでDBP吸油量50〜120ml/100gのものが好ましい。
【0013】
更に、トナーの帯電特性を向上するには、特に酸性カーボンブラックが好ましい。酸性カーボンブラックとは、カーボンブラックと純水とを沸騰した後の懸濁液のpHを測定した時の値が6以下のものをいい、更に好ましくはpH5以下が好適である。pH6以下にするには公知の方法でカーボンブラックに酸化処理を施せばよく、これによりカーボンブラック表面に酸化化合物等が存在することで、トナー中の樹脂とカーボンブラックの混和性を増すものと推定する。ファーネス法で製造された酸性タイプのカーボンブラックとしては、三菱化成社製のMA7,MA8,MA11,MA100,#1000,#2200B,#2350,#2400B等、キャボット社製のMOGUL L,REGAL 400R,MONARCH 1000等、コロンビア社製のREVENシリーズの1035,1040,1255,3500等が具体例として掲げられ、これらカーボンブラックの紫外線吸光度を低減するには、例えば使用する原材料の不純物の低減、ファーネス法での製造時条件(例えば処理流量、処理時間等の条件) を適正に管理すればよい。
【0014】
また、カーボンブラックは表面改質の目的で、必要に応じて金属石鹸等で表面処理を施してもよく、使用時に未処理のものと表面処理したものを併用して用いてもよい。
更に、本発明現像剤のトナーは公知の正荷電性または負荷電性の帯電制御剤を単独または併用して使用してもよく、その使用量は所望する帯電量見合いで選定すればよく、帯電制御剤の添加量は樹脂100重量部に対し0.05〜10重量部程度が好ましい。正荷電性帯電制御剤としては、例えばニグロシン系染料、4級アンモニウム塩、トリアミノトリフェニルメタン系化合物、イミダゾール系化合物、ポリアミン樹脂などがある。負荷電性の制御剤としては、Cr,Co,Al,Fe等の金属含有アゾ染料、サリチル酸金属化合物、アルキルサリチル酸金属化合物などがある。
【0015】
その他、本発明現像剤のトナー構成成分として定着性や流動性を向上させるために、低分子量オレフィン重合体や微粉末のシリカ、アルミナ、チタニア等の添加剤、さらには抵抗調整や滑剤の目的でマグネタイト、フェライト、酸化セリウム、チタン酸ストロンチウム、導電性チタニア等の無機微粉末や、アクリル樹脂等の有機微粉末を内添剤または外添剤として含有せしめてもよい。これら添加剤の使用量は所望する性能により適時選定すればよく、例えば樹脂100重量部に対し0.05〜10重量部程度が好ましい。
【0016】
また、本発明現像剤のトナー粒子の製造法は、従来から用いられる各種トナー製造方法が適用できるが、例えば一般的な例としては、まず樹脂、着色剤、ワックス、帯電制御剤等を混合機で均一に分散混合し、次いで混合物を密閉式ニーダー、或いは1軸または2軸の押出機等で溶融混練し、冷却後、クラッシャー、ハンマーミル等で粗砕し、ジェット式ミル、高速ローター回転式ミル等で細粉砕し、風力分級機(例えば、感性分級方式のエルボジェット、遠心分級方式のミクロプレックス、DSセパレーターなど) 等で分級すればよい。トナーの平均粒径は、3〜20μmが好適である。
【0017】
更に、トナーに外添処理する場合には、分級トナーと外添剤を高速攪拌機等で攪拌混合すればよい。
得られた本発明現像剤のトナーは、キャリアを使用しない1成分系現像剤(マグネタイト等の磁性物を含有した磁性1成分トナー、或いは磁性物を含有しない非磁性1成分トナー) としても用いることができる。
【0018】
本発明のトナーを2成分系現像剤に用いる場合には、磁性キャリアと混合して用いればよく、磁性キャリアとしては、平均粒子径20〜200μm程度の鉄粉、フェライト粉、磁性樹脂キャリアなど従来から公知のものが使用できる。また、これら表面に公知のシリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、フッ素系樹脂、スチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂など、或いはこれら樹脂の混合物を、単層または多層に表面コーティングしたものも使用できる。尚、フェライトの芯材としては、一般式(MO)m (Fe2 3 ) n で示されるフェライト粉が好ましく、(MO) 成分としては、CuO、ZnO、NiO、FeO、MnO、MgO、BaO等の成分を1種または2種以上選定して使用すればよい。
これらのキャリア粒径には特に制限ないが、10〜200μmの平均粒子径を有するものが好ましい。キャリアとトナーの混合比は、トナー1重量部に対してキャリア5〜100重量部とするのが好ましい。
【0019】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限りは以下の実施例により何等制限されるものではない。尚、下記実施例中、単に「部」とあるのはいずれも「重量部」を意味するものとする。
参考例1
【0020】
【表1】
・スチレン/n−ブチルアクリレート=82/18共重合樹脂 100部
(フロー軟化温度135℃,ガラス転移温度64℃)
・着色剤 カーボンブラック S パウダー品 6部
(三菱化成社製、UV吸光度0.03,BET法比表面積126m2 /g、DBP吸油量100ml/100g,pH3,嵩密度0.15g/cc)
・低分子量ポリプロピレン 550P 2部
(三洋化成工業社製)
・帯電制御剤 ントロンS34 1部
(オリエント化学工業社製,Cr含金染料)
【0021】
を配合し、連続式の2軸押出機を用いて混練し、冷却し、粉砕し、分級して、平均粒径12μmの黒色トナーaを得た。この黒色トナーa100部に対してシリカ粉末(日本シリカ社製SS50) 0.3部をヘンシェルミキサーにて外添処理してトナーAを得た。得られたトナーA9部とノンコート平均粒子径70μm、飽和磁化65emu/gのCu−Znフェライト粉キャリア91部を混合、攪拌して現像剤Aを作製した。
【0022】
次に、これらスタート用現像剤Aと補充用トナーAを用いて、有機光導電体を感光体とし、熱ロール定着方式、ブレードクリーニング方式、現像槽内現像剤へのトナー補給コントロールに透磁率センサー方式を採用したプリント速度12枚(A4) /分の反転現像方式(感光体表面電位DC−550V,バイアイ電圧DC−350V) のページプリンタで、通常環境の温度23〜25℃、湿度50〜55%RHの環境下で5,000枚の実写テストを実施した。
【0023】
この実写テストの結果、5,000枚実写中でもプリント黒地部の画像濃度が安定して高く、プリント白地部の汚れであるカブリの増加がなく、またトナー飛散量も少なくプリンタ機内の汚染もなく良好であり、更にトナー紙への転写効率も良好であり、連続プリントしても耐久性能、プリント画質安定性に優れたトナー及び現像剤であった。
【0024】
更に、高温高湿の温度35〜37℃、湿度83〜87RH%の環境下で同上の現像剤/トナーとプリンタを用いて5,000枚の実写テストを実施した。 この実写テストの結果、5,000枚実写中でも通常環境下比較して顕著な差もなくほぼ同様にプリント耐久性、プリント画質安定性に優れたものであった。通常環境(NN) 及び高温高湿環境(HH) 下での実写データーを図1に、また通常環境下での逆極性トナーを評価する一手法として、プラスのバイアイ電圧を印加した時のカブリ変化を図2にそれぞれ示す。
参考例2
【0025】
【表2】
・スチレン/n−ブチルアクリレート=82/18共重合樹脂 100部
(フロー軟化温度135℃,ガラス転移温度64℃)
・着色剤 カーボンブラック N パウダー品 6部
(三菱化成社製、UV吸光度0.10,BET法比表面積126m2 /g、DBP吸油量100ml/100g,pH3,嵩密度0.15g/cc)
・低分子量ポリプロピレン 550P 2部
(三洋化成工業社製)
・帯電制御剤 ントロンS34 1部
(オリエント化学工業社製,Cr含金染料)
【0026】
とした以外は参考例1と同様に製造しトナーbを得、更に外添しトナーB、及びキャリアとの混合、攪拌して現像剤Bを得、次いで実施例1と同様の5,000枚実写テストを通常環境及び高温高湿の環境下で実施した。通常環境での結果を、トナー消費量がやや多く、転写効率もやや悪く、現像槽のトナー飛散による汚れもやや多かった。また、逆極性トナーの評価として、バイアス電圧を変化させた時のカブリ変化を見るとカブリレベルが高く、逆極性トナーが多いと推定された。(図2を参照)
高温高湿環境での結果は、転写効率が悪く、現像槽のトナー飛散による汚れも多かった。
【0027】
通常環境及び高温高湿環境下での実写データーを図3に、また通常環境下でのバイアス電圧とカブリの変化を図2にそれぞれ示す。
<実施例
【0028】
【表3】
・スチレン/n−ブチルアクリレート=82/18共重合樹脂 100部
(フロー軟化温度130℃,ガラス転移温度61℃)
・着色剤 カーボンブラック S 造粒品 6部
(三菱化成社製、UV吸光度0.02,BET法比表面積130m2 /g、DBP吸油量100ml/100g,pH3,嵩密度0.28g/cc)
・低分子量ポリプロピレン 550P 2部
(三洋化成工業社製)
・帯電制御剤 ントロン51 1部
(オリエント化学工業社製,4級アンモニウム塩)
【0029】
とした以外は参考例1と同様に製造し、平均粒径9.5μmの黒色トナーcを得た。この黒色トナーc100部に対して、シリカ粉末(日本アエロジル社製R972) 0.2部とマグネタイト粉末(平均粒径0.3μm) 0.3部をヘンシェルミキサーにて外添処理してトナーCを得た。得られたトナーC4部とメチルシリコーン含有樹脂で表面コートされた平均粒径100μm、飽和磁化55emu/gのCu−Znフェライトキャリア96部を混合、攪拌し現像剤Cを作製した。
【0030】
次に、これらスタート用現像剤Cと補充用トナーCを用いて、有機光導電体を感光体とし、熱ロール定着方式、ブレードクリーニング方式、現像槽内現像剤へのトナー補給コントロールに透磁率センサー方式を採用したコピー速度50枚(A4) /分の正規現像方式(感光体表面電位;通常モードDC−700V、写真モードDC−500V,バイアス電圧;DC−200V) の複写機で、通常環境の温度23〜25℃、湿度50〜55%RHの環境下で50,000枚の実写テストを実施した。
【0031】
この実写テストの結果、50,000枚実写中でもコピー画像濃度が安定して高くコピー白地部の汚れであるカブリの増加がなく、またトナー飛散量も少なく複写機内の汚染もなく良好であり、連続複写しても耐久性能、コピー画質安定性の優れた現像剤及びトナーであった。通常環境下での実写データーを図4に示す。また、トナーcの帯電量立上り特性は図6に示す通り良好であった。
<比較例
【0032】
【表4】
・スチレン/n−ブチルアクリレート=82/18共重合樹脂 100部
(フロー軟化温度130℃,ガラス転移温度61℃)
・着色剤 カーボンブラック N 造粒品 6部
(三菱化成社製、UV吸光度0.10,BET法比表面積130m2 /g、DBP吸油量100ml/100g,pH3,嵩密度0.28g/cc)
・低分子量ポリプロピレン 550P 2部
(三洋化成工業社製)
・帯電制御剤 ントロン51 1部
(オリエント化学工業社製,4級アンモニウム塩)
【0033】
とした以外は実施例2と同様に製造しトナーdを得、更に外添しトナーD、及びキャリアとの混合、攪拌して現像剤Dを得、次いで実施例2と同様の50,000枚実写テストを通常環境下で実施した。
その結果、写真モードの画像濃度安定性が悪く、初期カブリが高く、現像槽底部に堆積したトナー飛散量も多く(実施例2の約4倍以上のトナー飛散量であった) 、また転写効率も若干悪くて、複写時の耐久性能及び画像安定性に問題があった。
通常環境下での実写データーを図5に示す。
また、トナーdの帯電量立上り特性は図6に示す通り好ましくなかった。
【0034】
【表5】
<測定方法等の簡単な説明>
画像濃度 :画像形成された黒部をマクベス反射濃度計で測定した値。
カブリ :画像形成されない白地部の汚れは、日本電色色差計を用いて使用紙の実写前後のハンター白度(Wb) を測定し、その前後の値差より求めた値をカブリとした。
トナー帯電量:現像剤をサンプリングし、東芝ケミカル社製ブローオフ帯電量測定装置で測定した。
トナー濃度 :現像剤をサンプリングし、トナーを除去して重量分析より求めた。
トナー消費量:補給トナーを入れたトナー補給装置の重量を測定し、その重量変化量から求めた。
転写効率 :感光体上のトナーをブレードクリーニングでトナー回収装置に補集し、回収装置の重量を測定し、その重量変化よりトナー回収量を求める。次いで、トナー転写効率は、次式で求めた。
【0035】
【数1】
Figure 0003650137
【0036】
【表6】
帯電立上り特性:トナー4部とフェライトキャリア(パウダーテック社製F−100) 96部とを通常環境下で混合・攪拌して、トナー帯電量は東芝ケミカル社製ブローオフ帯電量測定装置を用いて測定した。
通常環境(以下、NNと略して呼ぶ) :温度23〜25℃、湿度50〜55%RHの環境。
高温高湿環境(以下、HHと略して呼ぶ) :温度35〜37℃、湿度83〜87%RHの環境。
【0037】
【発明の効果】
本発明の静電荷像現像用トナーは、帯電量分布がよく、常に適度で且つ安定した帯電性を示す等の帯電性能が良好で、連続使用した場合にも安定した画像濃度が得られ、カブリ等の画像汚れもなく、或いはプリンタや複写機内のトナー飛散による汚染も少なく、更に環境変化に対しても安定した画像特性を安定して維持するなどの多大な工業的利益を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考例1の通常環境及び高温高湿環境下で5,000枚のプリント実写テストを実施した場合のデーター。
【図2】 参考例1参考例2の通常環境下で逆極性トナーを評価したデーター。
【図3】 参考例2の通常環境及び高温高湿環境下で5,000枚のプリント実写テストを実施した場合のデーター。
【図4】 実施例の通常環境下で50,000枚のコピー実写テストを実施した場合のデーター。
【図5】 比較例の通常環境下で50,000枚のコピー実写テストを実施した場合のデーター。
【図6】 実施例のトナーcと比較例のトナーdの帯電立上り特性。

Claims (3)

  1. 有機光導電体を含む感光体に形成された静電荷像を現像するための静電荷像現像用トナーであって、トナー粒子が少なくともガラス転移温度が50℃以上である樹脂及びトルエン抽出濾液の紫外線吸光度が0.02以下の、酸化処理以外の表面処理をしていないカーボンブラックを含有し、かつトナー粒子の表面にシリカ粉末が外添されていることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  2. カーボンブラックのBET法比表面積が20〜500m2/gであることを特徴とする第1項記載の静電荷像現像用トナー。
  3. カーボンブラックがpH6以下の酸性カーボンブラックであることを特徴とする第1項記載の静電荷像現像用トナー。
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