JPH109011A - 内燃機関の燃焼制御装置 - Google Patents

内燃機関の燃焼制御装置

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Publication number
JPH109011A
JPH109011A JP8224093A JP22409396A JPH109011A JP H109011 A JPH109011 A JP H109011A JP 8224093 A JP8224093 A JP 8224093A JP 22409396 A JP22409396 A JP 22409396A JP H109011 A JPH109011 A JP H109011A
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JP
Japan
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internal combustion
combustion engine
amount
intake air
egr
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Application number
JP8224093A
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English (en)
Inventor
Atsushi Harada
淳 原田
Zenichirou Masushiro
善一郎 益城
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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  • Exhaust-Gas Circulating Devices (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】成層燃焼を行いうる内燃機関の燃料制御装置に
おいて、運転状態に変化が生じた場合でも、EGR量の
追従遅れによる不具合の発生を防止する。 【解決手段】エンジン1の第1吸気弁6a及び第2吸気
弁6b近傍のシリンダヘッド4内壁面周辺部には燃料噴
射弁11が配置され、燃料噴射弁11からの燃料は、直
接的に気筒1a内に噴射される。また、EGR通路52
と、その途中に設けられたEGRバルブ53とを含む排
気ガス再循環(EGR)機構51が設けられる。電子制
御装置(ECU)30は、EGR量が切換制御される過
程、例えばアクセル開度が急減する場合において、基本
EGR開度に対してなまし値を考慮した補正をかけるこ
とで最終的なEGR開度を決定し、これによってEGR
バルブ53を早めに制御する。そのため、実際のEGR
量が、アクセル開度等の変化に即座に対応されることと
なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の燃焼制
御装置に係り、詳しくは、筒内噴射式内燃機関の如く、
成層燃焼を行いうる内燃機関の燃焼制御装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、一般的に使用されているエンジン
においては、燃料噴射弁からの燃料は吸気ポートに噴射
され、燃焼室には予め燃料と空気との均質混合気が供給
される。かかるエンジンでは、アクセル操作に連動する
スロットルバルブによって吸気通路が開閉され、この開
閉により、エンジンの燃焼室に供給される吸入空気量
(結果的には燃料と空気とが均質に混合された気体の
量)が調整され、もってエンジン出力が制御される。
【0003】しかし、上記のいわゆる均質燃焼による技
術では、スロットルバルブの絞り動作に伴って大きな吸
気負圧が発生し、ポンピングロスが大きくなって効率は
低くなる。これに対し、スロットルバルブの絞りを小と
し、燃焼室に直接燃料を供給することにより、点火プラ
グの近傍に可燃混合気を存在させ、当該部分の空燃比を
高めて、着火性を向上するようにしたいわゆる「成層燃
焼」という技術が知られている。
【0004】例えば特開昭63−248962号公報に
開示された技術においては、燃料を燃焼室内に均一に分
散して噴射供給するための均質燃焼用の燃料噴射弁と、
点火プラグ周りに向けて燃料を直接噴射供給する成層燃
焼用の燃料噴射弁とが設けられている。そして、エンジ
ンの低負荷時には、成層燃焼用の燃料噴射弁から燃料が
噴射され、点火プラグ周りに偏在供給されるとともに、
スロットルバルブが開かれて成層燃焼が実行される。こ
れにより、燃費の向上が図られるとともに、ポンピング
ロスの低減が図られる。
【0005】また、この技術では、エンジンの排気通路
と吸気通路とを連通する排気ガス再循環(EGR)通路
及び当該EGR通路を開閉するためのEGRバルブを有
してなるEGR機構を設けるようにしている。そして、
エンジンが低負荷域にあるとき、負荷が高くなるほどE
GR量を減量するようにしている。このような制御を行
うことにより、空気過剰率の低下が図られ、もって触媒
装置における窒素酸化物の浄化性能の向上が図られてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記技術で
は、次に示すような問題があった。すなわち、エンジン
の運転状態に変化(例えば負荷の変化、回転数の変化
等)が生じた場合、燃料噴射量についてはその変化に速
やかに追従しうるものの、排気ガスの還流量(EGR
量)については、その変化に速やかに追従できないとい
った不具合が発生しうる。これは、EGRバルブの開度
が切り換えられたとしても、実際に吸気通路内に再度導
入されるEGR量は、吸気系の構成等に起因して、その
切換に対して応答遅れが起こってしまうためである。そ
のため、燃焼状態が悪化してしまい、結果として、失
火、トルクショック、エンジンストール等の不具合が発
生してしまうおそれがあった。
【0007】また、上記は、EGR量についての不具合
の例であるが、吸入空気量全体についても同様のことが
いえる。すなわち、運転状態に変化が生じた場合、スロ
ットルバルブの開度が速やかに変動したとしても、実際
に気筒内に導入される空気量についてはその変化に速や
かに追従できないといった不具合が生じうる。その結
果、上記と同様燃焼状態が悪化してしまうという問題が
あった。
【0008】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであって、その目的は、成層燃焼を行いうる内
燃機関の燃料制御装置において、内燃機関の運転状態に
変化が生じた場合でも、吸入空気量の追従遅れによる燃
焼状態の悪化等の不具合の発生を防止することのできる
内燃機関の燃料制御装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1に記載の発明においては、図1に示すよう
に、成層燃焼を行うべく、内燃機関M1の気筒内に燃料
を噴射する燃料噴射手段M2と、前記内燃機関M1の気
筒内に導入される吸入空気量を調整するための吸気量調
整手段M3と、前記内燃機関M1の運転状態を検出する
運転状態検出手段M4と、前記運転状態検出手段M4の
検出結果に基づき、前記吸気量調整手段M3の作動量を
算出する目標作動量算出手段M5と、前記目標作動量算
出手段M5の算出結果に基づき、前記吸気量調整手段M
3を制御して、前記吸入空気量を制御する吸気量制御手
段M6とを備えた内燃機関の燃焼制御装置であって、前
記吸気量制御手段M6により前記吸入空気量が切換制御
される過程において、当該吸入空気量を、前記運転状態
検出手段M4にて検出される前記内燃機関M1の運転状
態の変化に即応させるべく、前記目標作動量を補正して
前記吸気量調整手段M3を早めに制御する先行補正制御
手段M7を設けたことをその要旨としている。
【0010】また、請求項2に記載の発明においては、
図2に示すように、成層燃焼を行うべく、内燃機関M1
1の気筒内に燃料を噴射する燃料噴射手段M12と、前
記内燃機関M11の排気通路M13と吸気通路M14と
を連通する排気ガス再循環通路M15及び当該排気ガス
再循環通路M15を開閉するためのEGRバルブM16
を有し、前記内燃機関M11から排出される排気の一部
を当該内燃機関M11に取り込まれる吸気へ再循環させ
るためのEGR機構M17と、前記内燃機関M11の運
転状態を検出する運転状態検出手段M18と、前記運転
状態検出手段M18の検出結果に基づき、前記EGRバ
ルブM16の目標開度を算出する目標開度算出手段M1
9と、前記目標開度算出手段M19の算出結果に基づ
き、前記EGRバルブM16を制御して、前記排気の再
循環量を制御するEGR制御手段M20とを備えた内燃
機関の燃焼制御装置であって、前記EGR制御手段M2
0により前記排気の再循環量が切換制御される過程にお
いて、当該再循環量を、前記運転状態検出手段M18に
て検出される前記内燃機関M11の運転状態の変化に即
応させるべく、前記目標開度を補正して前記EGRバル
ブM16を早めに制御する先行補正制御手段M21を設
けたことをその要旨としている。
【0011】さらに、請求項3に記載の発明において
は、図3に示すように、成層燃焼を行うべく、内燃機関
M31の気筒内に燃料を噴射する燃料噴射手段M32
と、前記内燃機関M31の吸気通路M33に設けられ、
自身の開閉により主として前記内燃機関M31の気筒内
に導入される吸入空気量を調整するためのスロットルバ
ルブM34と、前記スロットルバルブM34を駆動する
ためのアクチュエータM35と、前記内燃機関M31の
運転状態を検出する運転状態検出手段M36と、前記運
転状態検出手段M36の検出結果に基づき、前記スロッ
トルバルブM34の目標開度を算出する目標開度算出手
段M37と、前記目標開度算出手段M37の算出結果に
基づき、前記アクチュエータM35を制御して、前記吸
入空気量を制御する吸気量制御制御手段M38とを備え
た内燃機関の燃焼制御装置であって、前記吸気量制御制
御手段M38により前記吸入空気量が切換制御される過
程において、当該吸入空気量を、前記運転状態検出手段
M36にて検出される前記内燃機関M31の運転状態の
変化に即応させるべく、前記目標開度を補正して前記ス
ロットルバルブM35を早めに制御する先行補正制御手
段M39を設けたことをその要旨としている。
【0012】併せて、請求項4に記載の発明では、請求
項1〜3のいずれかに記載の内燃機関の燃焼制御装置に
おいて、前記先行補正制御手段M7,M21,M39に
よる前記目標作動量、目標開度の補正を、前記目標作動
量、目標開度のなまし値を考慮することにより行うよう
にしたことをその要旨としている。
【0013】加えて、請求項5に記載の発明において
は、図4に示すように、成層燃焼を行うべく、内燃機関
M41の気筒内に燃料を噴射する燃料噴射手段M42
と、前記内燃機関M41の気筒内に導入される吸入空気
量を調整するための吸気量調整手段M43と、前記内燃
機関M41の運転状態を検出する運転状態検出手段M4
4と、前記運転状態検出手段M44の検出結果に基づ
き、前記吸気量調整手段M44の作動量を算出する目標
作動量算出手段M45と、前記目標作動量算出手段M4
5の算出結果に基づき、前記吸気量調整手段M43を制
御して、前記吸入空気量を制御する吸気量制御手段M4
6と、前記内燃機関M41の気筒内に供給された燃料ガ
スに点火するための点火手段M47と、前記運転状態検
出手段M44の検出結果に基づき、前記点火手段M47
を制御して、当該点火手段M47による点火時期を制御
する点火時期制御手段M48とを備えた内燃機関の燃焼
制御装置であって、前記吸気量制御手段M46により前
記吸入空気量が切換制御される過程において、当該吸入
空気量が小から大に切換えられるときには前記点火時期
制御手段M48により制御される点火時期を遅角側に補
正制御するものと、前記吸入空気量が大から小に切換え
られるときには前記点火時期制御手段M48により制御
される点火時期を進角側に補正制御するものとのうち、
少なくとも一方を含んでなる点火時期補正制御手段M4
9を設けたことをその要旨としている。
【0014】また、請求項6に記載の発明では、請求項
5に記載の内燃機関の燃焼制御装置において、前記点火
時期補正制御手段M49による補正を、少なくとも前記
内燃機関M41の燃焼状態が成層燃焼から均質燃焼に切
換えられる際に行うようにしたことをその要旨としてい
る。
【0015】さらに、請求項7に記載の発明では、請求
項5又は6に記載の内燃機関の燃焼制御装置において、
前記点火時期補正制御手段M49による補正は、一時的
なものであって、その後徐々に補正量を低減させるよう
にしたことをその要旨としている。
【0016】併せて、請求項8に記載の発明では、請求
項5から7のいずれかに記載の内燃機関の燃焼制御装置
において、前記点火時期補正制御手段M49による補正
量の少なくとも初期の値は、前記吸入空気量の切換変化
量に応じて決定されることをその要旨としている。
【0017】(作用)請求項1に記載の発明によれば、
図1に示すように、燃料噴射手段M2によって、内燃機
関M1の気筒内に燃料が噴射され、気筒内の燃料が燃焼
することにより、内燃機関M1は駆動力を得る。また、
内燃機関M1の気筒内の燃料により、成層燃焼が行われ
うる。さらに、吸気量調整手段M3の作動により、内燃
機関M1の気筒内に導入される吸入空気量が調整され
る。
【0018】運転状態検出手段M4により、内燃機関M
1の運転状態が検出され、その検出結果に基づき、前記
吸気量調整手段M3の作動量が目標作動量算出手段M5
によって算出される。そして、その目標作動量算出手段
M5の算出結果に基づき、吸気量制御手段M6により吸
気量調整手段M3が制御され、吸入空気量が制御され
る。
【0019】さて、本発明では、吸気量制御手段M6に
より前記吸入空気量が切換制御される過程において、先
行補正制御手段M7により、目標作動量が補正されて吸
気量調整手段M3が早めに制御される。そして、当該吸
入空気量が、運転状態検出手段M4にて検出される内燃
機関M1の運転状態の変化に即座に対応させられること
になる。
【0020】また、請求項2に記載の発明によれば、燃
料噴射手段M12によって、内燃機関M11の気筒内に
燃料が噴射され、気筒内の燃料が燃焼することにより、
内燃機関M11は駆動力を得る。また、内燃機関M11
の気筒内の燃料により、成層燃焼が行われうる。
【0021】さらに、EGR機構M17のうち、EGR
バルブM16が開かれている場合には、内燃機関M11
から排出される排気の一部が内燃機関M11の排気通路
M13から排気ガス再循環通路M15を通って吸気通路
M14へと還流され、内燃機関M11に取り込まれる吸
気へ再循環させられる。
【0022】また、運転状態検出手段M18により、内
燃機関M11の運転状態が検出され、その検出結果に基
づき、目標開度算出手段M19では、EGRバルブM1
6の目標開度が算出される。そして、その目標開度算出
手段M19の算出結果に基づき、EGR制御手段M20
によって、EGRバルブM16が制御され、前記排気の
再循環量が制御される。
【0023】さて、本発明では、EGR制御手段M20
により排気の再循環量が切換制御される過程において、
先行補正制御手段M21では、前記目標開度が補正さ
れ、これによりEGRバルブM16が早めに制御され
る。このため、排気の再循環量が、内燃機関M11の運
転状態の変化に即座に対応されることとなる。
【0024】さらに、請求項3に記載の発明によれば、
図3に示すように、燃料噴射手段M32によって、内燃
機関M31の気筒内に燃料が噴射され、気筒内の燃料が
燃焼することにより、内燃機関M31は駆動力を得る。
また、内燃機関M31の気筒内の燃料により、成層燃焼
が行われうる。さらに、内燃機関M31の吸気通路M3
3に設けられたスロットルM34は、アクチュエータM
35によって駆動され、前記バルブM34の開閉によ
り、主として前記内燃機関M31の気筒内に導入される
吸入空気量が調整される。
【0025】運転状態検出手段M36により、内燃機関
M31の運転状態が検出され、その検出結果に基づき、
目標開度算出手段M37では、スロットルバルブM34
の目標開度が算出される。そして、その算出結果に基づ
き、吸気量制御制御手段M38によって、アクチュエー
タM35が制御されて、吸入空気量が制御される。
【0026】本発明では、吸気量制御制御手段M38に
より前記吸入空気量が切換制御される過程において、先
行補正制御手段M39によって目標開度が補正されて、
スロットルバルブM35が早めに制御される。そして、
吸入空気量が、運転状態検出手段M36にて検出される
内燃機関M31の運転状態の変化に、即座に対応させら
れることになる。
【0027】併せて、請求項4に記載の発明によれば、
請求項1〜3に記載の発明の作用に加えて、前記先行補
正制御手段M7,M21,M39による前記目標作動
量、目標開度の補正に際しては、目標作動量、目標開度
のなまし値が考慮される。このため、吸気量調整手段M
3の作動量、EGRバルブM16の開度、及びスロット
ルバルブM39の開度の各制御が円滑に行われることと
なり、急激な作動量、開度の変動に伴う不具合が回避さ
れうる。
【0028】さらに、請求項5に記載の発明によれば、
図4に示すように、各手段M41〜M46により、上記
請求項1に記載の発明における各手段M1〜M6と同様
の作用が奏される。また、これに加えて、点火手段M4
7により、内燃機関M41の気筒内に供給された燃料ガ
スが点火される。また、点火時期制御手段M48によっ
て、運転状態検出手段M44の検出結果に基づき点火手
段M47が制御され、当該点火手段M47による点火時
期が制御される。
【0029】そして、本発明では、前記吸気量制御手段
M46により吸入空気量が切換制御される過程におい
て、当該吸入空気量が小から大に切換えられるときに
は、点火時期補正制御手段M49によって、点火時期制
御手段M48により制御される点火時期が遅角側に補正
制御されたり、一方、吸入空気量が大から小に切換えら
れるときには、点火時期補正制御手段M49によって、
点火時期制御手段M48により制御される点火時期が進
角側に補正制御されたりする。このため、運転状態が急
激に切り換わった場合であって、その直後の吸入空気量
が系にとって多すぎた場合或いは少なすぎた場合であっ
ても、上記のように点火時期が補正制御されることによ
り、燃焼の悪化が抑制されうる。
【0030】また、請求項6に記載の発明では、請求項
5に記載の発明の作用に加えて、前記点火時期補正制御
手段M49による補正は、少なくとも内燃機関M41の
燃焼状態が成層燃焼から均質燃焼に切換えられる際に行
われる。ここで、成層燃焼から均質燃焼に切換えられた
直後には、その系にとって吸入空気量が多すぎる場合が
多い。このため、本発明では、かかる場合であっても上
記請求項5に記載の作用が得られることから、燃焼の悪
化が特に効果的に抑制されることとなる。
【0031】さらに、請求項7に記載の発明では、請求
項5及び6に記載の発明の作用に加えて、前記点火時期
補正制御手段M49による補正は、一時的なものであっ
て、その後徐々に補正量が低減させられる。従って、吸
入空気量が切換制御された後、所定の時間が経過した後
は、その運転状態、特に吸入空気量にみあった点火時期
制御が確保される。
【0032】併せて、請求項8に記載の発明では、請求
項5から7に記載の発明の作用に加えて、前記点火時期
補正制御手段M49による補正量の少なくとも初期の値
は、前記吸入空気量の切換変化量に応じて決定される。
このため、吸入空気量の切換変化量に応じた点火時期が
確保されることから、そのときどきの吸入空気量にみあ
った最適な燃焼が確保されることとなる。
【0033】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)以下、本発明における内燃機関の
燃焼制御装置を具体化した第1の実施の形態を図面に基
づいて詳細に説明する。
【0034】図5は本実施の形態において、車両に搭載
された筒内噴射式エンジンの燃料噴射制御装置を示す概
略構成図である。内燃機関としてのエンジン1は、例え
ば4つの気筒1aを具備し、これら各気筒1aの燃焼室
構造が図6に示されている。これらの図に示すように、
エンジン1はシリンダブロック2内にピストンを備えて
おり、当該ピストンはシリンダブロック2内で往復運動
する。シリンダブロック2の上部にはシリンダヘッド4
が設けられ、前記ピストンとシリンダヘッド4間には燃
焼室5が形成されている。また、本実施の形態では1気
筒1aあたり、4つの弁が配置されており、図中におい
て、符号6aとして第1吸気弁、6bとして第2吸気
弁、7aとして第1吸気ポート、7bとして第2吸気ポ
ート、8として一対の排気弁、9として一対の排気ポー
トがそれぞれ示されている。
【0035】図6に示すように、第1の吸気ポート7a
はヘリカル型吸気ポートからなり、第2の吸気ポート7
bはほぼ真っ直ぐに延びるストレートポートからなる。
また、シリンダヘッド4の内壁面の中央部には、点火手
段を構成する点火プラグ10が配設されている。この点
火プラグ10には、図示しないディストリビュータを介
して同じく点火手段を構成するイグナイタ12からの高
電圧が印加されるようになっている。そして、この点火
プラグ10の点火タイミングは、イグナイタ12からの
高電圧の出力タイミングにより決定される。さらに、第
1吸気弁6a及び第2吸気弁6b近傍のシリンダヘッド
4内壁面周辺部には燃料噴射手段としての燃料噴射弁1
1が配置されている。すなわち、本実施の形態において
は、燃料噴射弁11からの燃料は、直接的に気筒1a内
に噴射されるようになっている。
【0036】図5に示すように、各気筒1aの第1吸気
ポート7a及び第2吸気ポート7bは、それぞれ各吸気
マニホルド15内に形成された第1吸気路15a及び第
2吸気路15bを介してサージタンク16内に連結され
ている。各第2吸気通路15b内にはそれぞれスワール
コントロールバルブ17が配置されている。これらのス
ワールコントロールバルブ17は共通のシャフト18を
介して例えばステップモータ19に連結されている。こ
のステップモータ19は、後述する電子制御装置(以下
単に「ECU」という)30からの出力信号に基づいて
制御される。なお、当該ステップモータ19の代わり
に、エンジン1の吸気ポート7a,7bの負圧に応じて
制御されるものを用いてもよい。
【0037】前記サージタンク16は、吸気ダクト20
を介してエアクリーナ21に連結され、吸気ダクト20
内には、ステップモータ22によって開閉されるスロッ
トルバルブ23が配設されている。つまり、本実施の形
態のスロットルバルブ23は、いわゆる電子制御式のも
のであり、基本的には、ステップモータ22が前記EC
U30からの出力信号に基づいて駆動されることによ
り、スロットルバルブ23が開閉制御される。そして、
このスロットルバルブ23の開閉により、吸気ダクト2
0を通過して燃焼室5内に導入される吸入空気量が調節
されるようになっている。本実施の形態では、吸気ダク
ト20、サージタンク16並びに第1吸気路15a及び
第2吸気路15b等により、吸気通路が構成されてい
る。
【0038】また、スロットルバルブ23の近傍には、
その開度(スロットル開度TA)を検出するためのスロ
ットルセンサ25が設けられている。なお、前記各気筒
の排気ポート9には排気マニホルド14が接続されてい
る。そして、燃焼後の排気ガスは当該排気マニホルド1
4を介して図示しない排気ダクトへ排出されるようにな
っている。
【0039】さらに、本実施の形態では、公知の排気ガ
ス再循環(EGR)機構51が設けられている。このE
GR機構51は、排気ガス再循環通路としてのEGR通
路52と、同通路52の途中に設けられたEGRバルブ
53とを含んでいる。EGR通路52は、スロットルバ
ルブ23の下流側の吸気ダクト20と、排気ダクトとの
間を連通するよう設けられている。また、EGRバルブ
53は、弁座、弁体及びステップモータ(いずれも図示
せず)を内蔵している。EGRバルブ53の開度は、ス
テップモータが弁体を弁座に対して断続的に変位させる
ことにより、変動する。そして、EGRバルブ53が開
くことにより、排気ダクトへ排出された排気ガスの一部
がEGR通路52へと流れる。その排気ガスは、EGR
バルブ53を介して吸気ダクト20へ流れる。すなわ
ち、排気ガスの一部がEGR機構51によって吸入混合
気中に再循環する。このとき、EGRバルブ53の開度
が調節されることにより、排気ガスの再循環量が調整さ
れるのである。
【0040】さて、上述したECU30は、デジタルコ
ンピュータからなっており、双方向性バス31を介して
相互に接続されたRAM(ランダムアクセスメモリ)3
2、ROM(リードオンリメモリ)33、マイクロプロ
セッサからなるCPU(中央処理装置)34、入力ポー
ト35及び出力ポート36を具備している。本実施の形
態においては、当該ECU30により、目標作動量算出
手段、吸気量制御手段、目標開度算出手段、EGR制御
手段、及び先行補正制御手段が構成されている。
【0041】前記アクセルペダル24には、当該アクセ
ルペダル24の踏込み量に比例した出力電圧を発生する
アクセルセンサ26Aが接続され、該アクセルセンサ2
6Aによりアクセル開度ACCPが検出される。当該ア
クセルセンサ26Aの出力電圧は、AD変換器37を介
して入力ポート35に入力される。また、同じくアクセ
ルペダル24には、アクセルペダル24の踏込み量が
「0」であることを検出するための全閉スイッチ26B
が設けられている。すなわち、この全閉スイッチ26B
は、アクセルペダル24の踏込み量が「0」である場合
に全閉信号として「1」の信号を、そうでない場合には
「0」の信号を発生する。そして、該全閉スイッチ26
Bの出力電圧も入力ポート35に入力されるようになっ
ている。
【0042】また、上死点センサ27は例えば1番気筒
1aが吸気上死点に達したときに出力パルスを発生し、
この出力パルスが入力ポート35に入力される。クラン
ク角センサ28は例えばクランクシャフトが30°CA
回転する毎に出力パルスを発生し、この出力パルスが入
力ポートに入力される。CPU34では上死点センサ2
7の出力パルスとクランク角センサ28の出力パルスか
らエンジン回転数NEが算出される(読み込まれる)。
【0043】さらに、前記シャフト18の回転角度はス
ワールコントロールバルブセンサ29により検出され、
これによりスワールコントロールバルブ17の開度が測
定される。そして、スワールコントロールバルブセンサ
29の出力はA/D変換器37を介して入力ポート35
に入力される。
【0044】併せて、前記スロットルセンサ25によ
り、スロットル開度TAが検出される。このスロットル
センサ25の出力はA/D変換器37を介して入力ポー
ト35に入力される。
【0045】加えて、本実施の形態では、サージタンク
16内の圧力(吸気圧PiM)を検出する吸気圧センサ
61が設けられている。さらに、エンジン1の冷却水の
温度(冷却水温THW)を検出する水温センサ62が設
けられている。そして、これら両センサ61,62の出
力もA/D変換器37を介して入力ポート35に入力さ
れるようになっている。
【0046】本実施の形態において、これらスロットル
センサ25、アクセルセンサ26A、全閉スイッチ26
B、上死点センサ27、クランク角センサ28、スワー
ルコントロールバルブセンサ29、吸気圧センサ61及
び水温センサ62等により、運転状態検出手段が構成さ
れている。
【0047】一方、出力ポート36は、対応する駆動回
路38を介して各燃料噴射弁11、各ステップモータ1
9,22、イグナイタ12及びEGRバルブ53(ステ
ップモータ)に接続されている。そして、ECU30は
各センサ等25〜29,61,62からの信号に基づ
き、ROM33内に格納された制御プログラムに従い、
燃料噴射弁11、ステップモータ19,22、イグナイ
タ12(点火プラグ10)及びEGRバルブ53等を好
適に制御する。
【0048】次に、上記構成を備えたエンジンの燃焼制
御装置における本実施の形態に係る各種制御に関するプ
ログラムについて、フローチャートを参照して説明す
る。図7は、本実施の形態におけるEGRバルブ53を
制御して燃焼制御を実行するための「EGR開度算出ル
ーチン」を示すフローチャートであって、所定クランク
角毎の割り込みでECU30により実行される。
【0049】処理がこのルーチンに移行すると、ECU
30は先ずステップ101において、各種センサ等25
〜29,61,62から、エンジン回転数NE、アクセ
ル開度ACCP等の、そのときどきの運転状態を示す各
種検出信号を読み込む。
【0050】次に、ステップ102においては、今回読
み込まれたエンジン回転数NE、アクセル開度ACCP
に基づき、基本EGR開度EGRTを算出する。ここ
で、この基本EGR開度EGRTの算出に際しては、エ
ンジン回転数NE、アクセル開度ACCPに対して予め
基本EGR開度EGRTを定めた図示しないマップが参
酌される。
【0051】さらに、続くステップ103においては、
後述する補正に際して用いられるなまし値EGRSMを
算出する。ここで、このなまし値EGRSMというの
は、基本EGR開度EGRTについて算出タイミング毎
に1/nのなまし計算をおこなったものであって、次の
ようにして算出される。すなわち、前回のなまし値EG
RSMに対し、基本EGR開度EGRTから前回のなま
し値EGRSMを減算した値を所定の定数nで除算した
値を、加算することにより、今回のなまし値EGRSM
が決定されるのである。
【0052】そして、最後にステップ104において、
今回算出した基本EGR開度EGRTに対し、補正がか
けられる。すなわち、基本EGR開度EGRTから上記
なまし値EGRSMが減算された値を所定の定数m(m
は1以下でもよい)で除算した値を、前記基本EGR開
度EGRTに加算し、その値を最終的なEGR開度EG
RDとして設定するのである。そして、ECU30はそ
の後の処理を一旦終了する。
【0053】このように、上記「EGR開度算出ルーチ
ン」においては、エンジン回転数NE及びアクセル開度
ACCPに基づいて基本EGR開度EGRTが算出され
るとともに、その基本EGR開度EGRTに基づいてな
まし値EGRSMが算出される。そして、基本EGR開
度EGRTに対してなまし値EGRSMの考慮された補
正がかけられ、その値が最終的なEGR開度EGRDと
して設定される。
【0054】次に、本実施の形態の作用及び効果につい
て説明する。 (イ)本実施の形態では、上述したように、EGR量が
切換制御される過程において、基本EGR開度EGRT
に対してなまし値EGRSMの考慮された補正がかけら
れ、これによってEGRバルブ53が早めに制御され
る。
【0055】例えば、図8に示すように、アクセルペダ
ル24の踏込み量が小さくなったとき(減速時)を考慮
した場合、ECU30により制御される燃料噴射量やス
ロットル開度TAは、そのアクセル開度ACCPの低下
に伴って、即座に切換えられ、低減される。これに対
し、基本EGR開度EGRTについてもアクセル開度A
CCPの低下に伴って低減されるのであるが、実際のE
GR量は、何らの補正をも加えない場合には、同図に破
線で示すように、遅れが生じうる。
【0056】これに対し、本実施の形態では、ECU3
0により、最終的なEGR開度EGRDは、なまし値E
GRSMの考慮された補正がかけられているため、EG
Rバルブ53が早めに閉弁制御される。そのため、実際
のEGR量が、同図に実線で示すように、アクセル開度
ACCPの変化に即座に対応されることとなる。また、
このことは、アクセル開度ACCPが増大したときにも
いえることである。その結果、エンジン1の運転状態に
変化が生じた場合でも、EGR量の追従遅れによる、燃
焼の悪化等の不具合の発生を防止することができる。
【0057】(ロ)また、本実施の形態では、最終的な
EGR開度EGRDを算出するに際しては、なまし値E
GRSMを算出し、これを考慮することとした。このた
め、EGRバルブ53の開度制御が円滑に行われること
となり、急激なEGRバルブ53の開度の変動に伴うト
ルクショック等の不具合が回避されうる。
【0058】(第2の実施の形態)次に、本発明を具体
化した第2の実施の形態について説明する。但し、本実
施の形態の構成等においては上述した第1の実施の形態
と同等であるため、同一の部材等については同一の符号
を付してその説明を省略する。そして、以下には、第1
の実施の形態との相違点を中心として説明することとす
る。
【0059】上記第1の実施の形態では、EGR量が切
換制御される過程において、最終的なEGR開度EGR
D自体を補正する場合に具体化した。これに対し本実施
の形態では、EGR量が切換制御される過程において、
最終的な点火時期SAが補正制御される点に特徴を有し
ている。
【0060】すなわち、図9は、本実施の形態における
イグナイタ12(点火プラグ10)を制御して燃焼制御
を実行するための「点火時期算出ルーチン」を示すフロ
ーチャートであって、所定クランク角毎の割り込みでE
CU30により実行される。なお、本実施の形態では、
ECU30により、目標作動量算出手段、吸気量制御手
段、点火時期制御手段及び点火時期補正制御手段が構成
されている。
【0061】処理がこのルーチンに移行すると、ECU
30は先ずステップ201において、各種センサ等25
〜29,61,62から、エンジン回転数NE、アクセ
ル開度ACCP等の、そのときどきの運転状態を示す各
種検出信号、及び各種データ、フラグ等を読み込む。
【0062】次に、ステップ202においては、今回読
み込まれた各種運転状態(例えばエンジン回転数NE、
アクセル開度ACCP等)に基づき、基本点火時期SA
BASEを算出する。なお、この基本点火時期SABA
SEの算出に際しても、図示しないマップが参酌され
る。
【0063】続いて、ステップ203においては、1つ
前の気筒1aの燃焼状態が成層燃焼であったか否かを判
断する。そして、1つ前の気筒1aの燃焼状態が成層燃
焼であった場合には、ステップ204へ移行する。ステ
ップ204においては、今回対応する気筒1aの燃焼状
態が均質燃焼であるか否かを判断する。そして、今回対
応する気筒1aの燃焼状態が均質燃焼でない場合には、
成層燃焼が継続されているものと判断して、ステップ2
05へ移行する。
【0064】ステップ205において、ECU30は、
切換時補正項SAOFSTを「0」に設定するととも
に、続くステップ206において、切換時処理実行フラ
グXSAを「0」に設定する。
【0065】そして、最後にステップ207において、
今回算出された基本点火時期SABASEに対し、上記
切換時補正項SAOFSTを加算等した値を最終的な点
火時期SAとして設定する。但し、上記のような場合に
は、切換時補正項SAOFSTが「0」であるため、基
本的には、基本点火時期SABASEがそのまま最終的
な点火時期SAとして設定される。そして、ECU30
はその後の処理を一旦終了する。
【0066】また、上記ステップ204において、今回
対応する気筒1aの燃焼状態が均質燃焼の場合には、燃
焼状態が成層燃焼から均質燃焼に切り換わったものとし
て、ステップ208へ移行する。
【0067】ステップ208において、ECU30は、
切換時補正項SAOFSTを所定値C0に設定するとと
もに、続くステップ209において、切換時処理実行フ
ラグXSAを「1」に設定する。さらに、ステップ20
7において、今回算出された基本点火時期SABASE
に対し、上記切換時補正項SAOFSTを加算等した値
を最終的な点火時期SAとして設定する。従って、この
ような場合には、切換時補正項SAOFSTが所定値C
0であるため、基本的には、基本点火時期SABASE
よりもその所定値C0の分だけ進角した値が最終的な点
火時期SAとして設定される。そして、ECU30はそ
の後の処理を一旦終了する。
【0068】一方、前記ステップ203において、1つ
前の気筒1aの燃焼状態が成層燃焼でなかった(均質燃
焼であった)場合には、ステップ210へ移行する。ス
テップ210においては、現在、切換時処理実行フラグ
XSAが「1」であるか否かを判断する。そして、切換
時処理実行フラグXSAが「1」でない場合には、均質
燃焼が継続されているものと判断してステップ211へ
移行する。
【0069】ステップ211においては、切換時補正項
SAOFSTを「0」に設定するとともに、ステップ2
07において、今回算出された基本点火時期SABAS
Eに対し、上記切換時補正項SAOFSTを加算等した
値を最終的な点火時期SAとして設定する。従って、こ
のような場合にも、切換時補正項SAOFSTが「0」
であるため、基本的には、基本点火時期SABASEが
そのまま最終的な点火時期SAとして設定される。そし
て、ECU30はその後の処理を一旦終了する。また、
ステップ210において、切換時処理実行フラグXSA
が「1」の場合には、切換時補正項SAOFSTの分だ
け進角側に点火時期の補正が行われており、徐々にその
進角を減衰させる必要があるものとして、ステップ21
2へ移行する。
【0070】ステップ212においては、前回の切換時
補正項SAOFSTから所定値C1を減算した値を新た
な切換時補正項SAOFSTとして設定する。すなわ
ち、進角度合いを徐々に低減させるべく、このように切
換時補正項SAOFSTを徐々に「0」に近づけてゆく
のである。
【0071】続いて、ステップ213においては、現在
の切換時補正項SAOFSTが「0」以下となっている
か否かを判断する。そして、未だ切換時補正項SAOF
STが「0」以下となっていない場合には、ステップ2
07において、今回算出された基本点火時期SABAS
Eに対し、上記切換時補正項SAOFSTを加算等した
値を最終的な点火時期SAとして設定し、ECU30は
その後の処理を一旦終了する。なお、切換時補正項SA
OFSTが「0」以下となるまで、上記ステップ212
等の処理は繰り返される。
【0072】また、ステップ213において、切換時補
正項SAOFSTが「0」以下となっている場合には、
本実施の形態における一時的な進角制御が完了したもの
としてステップ214へ移行する。ステップ214にお
いては、切換時処理実行フラグXSAを「0」に設定す
る。
【0073】また、次なるステップ211においては、
切換時補正項SAOFSTを「0」に設定し、ステップ
207において、今回算出された基本点火時期SABA
SEに対し、上記切換時補正項SAOFSTを加算等し
た値を最終的な点火時期SAとして設定する。そして、
ECU30はその後の処理を一旦終了する。
【0074】このように、上記「点火時期算出ルーチ
ン」においては、燃焼状態(燃焼方式)が成層燃焼から
均質燃焼に切換えられた過程において、切換時補正項S
AOFSTが設定され、最終的な点火時期SAは、基本
点火時期SABASEよりも進角側に補正制御されるこ
ととなる。
【0075】次に、本実施の形態における作用効果につ
いて説明する。 (イ)上述したように、燃焼方式が、成層燃焼から均質
燃焼に切り換えられる際には、燃料噴射量は増大させら
れる一方で、EGR量を低減させるべくEGRバルブ5
3の開度は低減させられる。しかし、従来の技術で説明
したとおり、EGR量の変動には応答遅れが生じ、本来
的にはEGR量が少なくなっていなければならない時点
で、比較的多くのEGR量が残存している場合が生じう
る。これに対し、本実施の形態では、かかる場合に、点
火時期の補正が実行される。
【0076】例えば、図10に示すように、アクセルペ
ダル24の踏込み量が増大したとき(加速時)を考慮し
た場合、ECU30により制御される燃料噴射量は、即
座に増大側に切換えられる。このとき、実際のEGR量
には、要求されるEGR量に対して応答遅れが生じる
(同図破線)。ここで、本実施の形態では、この場合
に、最終的な点火時期SAが、基本点火時期SABAS
Eよりも切換時補正項SAOFSTの分だけ進角側に補
正制御されることとなる。このため、実際の系にとって
EGR量が多すぎた場合であっても、かかる点火時期の
進角補正により、エンジン1の燃焼が安定したものとな
り、トルクの増大がよりスムースに行われる。その結
果、従来技術の如くトルクの変動が増大することによる
トルクショック等の不具合の発生を抑制することができ
る。
【0077】(ロ)特に、本実施の形態では、燃焼方式
が成層燃焼から均質燃焼に切り換えられる際に、点火時
期の補正制御が実行される。ここで、成層燃焼から均質
燃焼に切換えられた直後には、その系にとってEGR量
が多すぎる場合が多い。このため、かかる場合であって
も上記作用効果が得られることから、燃焼の悪化が特に
効果的に抑制されることとなる。
【0078】(ハ)また、本実施の形態では、前記点火
時期の補正は、一時的なものとされる。すなわち、当
初、所定値C0(当初の切換時補正項SAOFST)の
分だけ点火時期が進角側に補正され、その後、所定値C
1ずつ徐々に切換時補正項SAOFSTが「0」に近づ
けられる。従って、EGR量が切換制御された後、所定
の時間が経過した後は、その運転状態、特に要求される
量に適合することとなったEGR量にみあった点火時期
が確保される。そのため、常にそのときどきの運転状態
にみあった燃焼を確保することができる。
【0079】(第3の実施の形態)次に、本発明を具体
化した第3の実施の形態について説明する。但し、本実
施の形態においても、その構成等においては上述した第
1及び第2の実施の形態と同等であるため、同一の部材
等については同一の符号を付してその説明を省略する。
そして、以下には、第2の実施の形態との相違点を中心
として説明することとする。
【0080】上記第2の実施の形態では、EGR量が切
換制御される過程、特に、燃焼方式が成層燃焼から均質
燃焼に切り換えられる際において、最終的な点火時期S
Aを補正制御する場合について説明した。これに対し、
本実施の形態では、成層燃焼から均質燃焼に切り換えら
れる際、及び均質燃焼から成層燃焼に切り換えられる際
における、最終的な点火時期SAが補正制御されるとい
う点に特徴を有する。すなわち、図11及び図12は、
本実施の形態におけるイグナイタ12(点火プラグ1
0)を制御して燃焼制御を実行するための「点火時期算
出ルーチン」を示すフローチャートであって、所定クラ
ンク角毎の割り込みでECU30により実行される。な
お、本実施の形態でも、第2の実施の形態と同様、EC
U30により、目標作動量算出手段、吸気量制御手段、
点火時期制御手段及び点火時期補正制御手段が構成され
ている。
【0081】処理がこのルーチンに移行すると、ECU
30は先ずステップ301において(図11)、各種セ
ンサ等25〜29,61,62から、エンジン回転数N
E、アクセル開度ACCP等の、そのときどきの運転状
態を示す各種検出信号、及び各種データ、フラグ等を読
み込む。また、ステップ302においては、今回読み込
まれた各種運転状態(例えばエンジン回転数NE、アク
セル開度ACCP等)に基づき、基本点火時期SABA
SEを算出する。
【0082】続いて、ステップ303においては、燃焼
方式に変化があったか否か、すなわち、成層燃焼から均
質燃焼に、或いは、均質燃焼から成層燃焼に切り換えら
れたか否かを判断する。ここで、燃焼方式に変化があっ
た場合には、ステップ304において、その変化が成層
燃焼から均質燃焼に切り換えられたものであるか否かを
判断する。そして、成層燃焼から均質燃焼に切り換えら
れたと判断した場合には、ステップ305へ移行する。
【0083】ステップ305において、ECU30は、
均質切換時補正項SAOFSTAを所定値CA0に設定
するとともに、続くステップ306において、均質切換
時処理実行フラグXSAを「1」に設定する。さらに、
ステップ307において、成層切換時処理実行フラグX
SBを「0」に設定する。
【0084】そして、ステップ308において、今回算
出された基本点火時期SABASEに対し、上記均質切
換時補正項SAOFSTAを加算し、成層切換時補正項
SAOFSTBを減算等した値を最終的な点火時期SA
として設定する。従って、このような場合には、均質切
換時補正項SAOFSTAが所定値CA0であり、か
つ、成層切換時補正項SAOFSTBが「0」である
(これについては後述する)ため、基本的には、基本点
火時期SABASEよりもその所定値CA0の分だけ進
角した値が最終的な点火時期SAとして設定される。そ
して、ECU30はその後の処理を一旦終了する。
【0085】また、上記ステップ304において、否定
判定された場合、つまり、変化が均質燃焼から成層燃焼
に切り換えられたものである場合には、ステップ309
へ移行する。
【0086】ステップ309において、ECU30は、
成層切換時補正項SAOFSTBを所定値CB0に設定
するとともに、続くステップ310において、均質切換
時処理実行フラグXSAを「0」に設定する。さらに、
ステップ311において、成層切換時処理実行フラグX
SBを「1」に設定する。
【0087】そして、ステップ308において、今回算
出された基本点火時期SABASEに対し、上記均質切
換時補正項SAOFSTAを加算し、成層切換時補正項
SAOFSTBを減算等した値を最終的な点火時期SA
として設定する。従って、このような場合には、均質切
換時補正項SAOFSTAが「0」(これについては後
述する)であり、かつ、成層切換時補正項SAOFST
Bが所定値CB0であるため、基本的には、基本点火時
期SABASEよりもその所定値CB0の分だけ遅角さ
れた値が最終的な点火時期SAとして設定される。そし
て、ECU30はその後の処理を一旦終了する。
【0088】一方、前記ステップ303において、燃焼
方式に変化がない場合には、図12に示すステップ31
2へ移行する。ステップ312においては、現在、均質
切換時処理実行フラグXSAが「1」であるか否かを判
断する。そして、均質切換時処理実行フラグXSAが
「1」の場合には、現在成層燃焼から均質燃焼への切換
過程であり、点火時期を進角側に補正している最中であ
り、今後徐々にその進角を減衰させる必要があるものと
して、ステップ313へ移行する。
【0089】当該ステップ313においては、前回の均
質切換時補正項SAOFSTAから所定値CA1を減算
した値を新たな均質切換時補正項SAOFSTAとして
設定する。すなわち、進角度合いを徐々に低減させるべ
く、このように切換時補正項SAOFSTAを徐々に
「0」に近づけてゆくのである。
【0090】続いて、ステップ314においては、現在
の均質切換時補正項SAOFSTAが「0」以下となっ
ているか否かを判断する。そして、未だ均質切換時補正
項SAOFSTAが「0」以下となっていない場合に
は、ステップ308において、今回算出された基本点火
時期SABASEに対し、上記均質切換時補正項SAO
FSTAを加算等した値(成層切換時補正項SAOFS
TBは「0」)を最終的な点火時期SAとして設定す
る。そして、ECU30はその後の処理を一旦終了す
る。なお、上記均質切換時補正項SAOFSTAが
「0」以下となるまで、上記ステップ313等の処理は
繰り返される。
【0091】また、ステップ314において、均質切換
時補正項SAOFSTAが「0」以下となっている場合
には、本実施の形態における一時的な進角制御が完了し
たものとしてステップ315へ移行する。ステップ31
5においては、均質切換時補正項SAOFSTAを
「0」に設定するとともに、続くステップ316におい
て、均質切換時処理実行フラグXSAを「0」に設定す
る。
【0092】その後、ステップ308において、今回算
出された基本点火時期SABASEに対し、上記均質切
換時補正項SAOFSTAを加算等した値を最終的な点
火時期SAとして設定する。但し、この場合には、均質
切換時補正項SAOFSTA及び成層切換時補正項SA
OFSTBともに「0」となっているため、実質上は、
基本点火時期SABASEがそのまま最終的な点火時期
SAとして設定される。そして、ECU30はその後の
処理を一旦終了する。
【0093】また、前記ステップ312において、現
在、均質切換時処理実行フラグXSAが「1」でない場
合には、ステップ317へ移行する。このステップ31
7においては、現在、成層切換時処理実行フラグXSB
が「1」であるか否かを判断する。そして、成層切換時
処理実行フラグXSBが「1」の場合には、現在均質燃
焼から成層燃焼への切換過程であり、点火時期を遅角側
に補正している最中であり、今後徐々にその遅角を減衰
させる必要があるものとして、ステップ318へ移行す
る。
【0094】当該ステップ318においては、前回の成
層切換時補正項SAOFSTBから所定値CB1を減算
した値を新たな成層切換時補正項SAOFSTBとして
設定する。すなわち、遅角度合いを徐々に低減させるべ
く、このように成層切換時補正項SAOFSTBを徐々
に「0」に近づけてゆくのである。
【0095】続いて、ステップ319においては、現在
の成層切換時補正項SAOFSTBが「0」以下となっ
ているか否かを判断する。そして、未だ成層切換時補正
項SAOFSTBが「0」以下となっていない場合に
は、ステップ308において、今回算出された基本点火
時期SABASEに対し、上記成層切換時補正項SAO
FSTBを減算等した値(均質切換時補正項SAOFS
TAは「0」)を最終的な点火時期SAとして設定す
る。そして、ECU30はその後の処理を一旦終了す
る。なお、上記成層切換時補正項SAOFSTBが
「0」以下となるまで、上記ステップ318等の処理は
繰り返される。
【0096】また、ステップ319において、成層切換
時補正項SAOFSTBが「0」以下となっている場合
には、本実施の形態における一時的な遅角制御が完了し
たものとしてステップ320へ移行する。ステップ32
0においては、成層切換時補正項SAOFSTBを
「0」に設定するとともに、続くステップ321におい
て、成層切換時処理実行フラグXSBを「0」に設定す
る。
【0097】その後、ステップ308において、今回算
出された基本点火時期SABASEに対し、上記均質切
換時補正項SAOFSTAを加算し、成層切換時補正項
SAOFSTBを減算等した値を最終的な点火時期SA
として設定する。但し、この場合には、均質切換時補正
項SAOFSTA及び成層切換時補正項SAOFSTB
ともに「0」となっているため、実質上は、基本点火時
期SABASEがそのまま最終的な点火時期SAとして
設定される。そして、ECU30はその後の処理を一旦
終了する。
【0098】また、上記ステップ317において、成層
切換時処理実行フラグXSBが「1」でない場合には、
燃焼状態に大きな変化がなく、EGR量の変動もさほど
はでないものとして、本実施の形態の制御を実行する必
要がないものとしてステップ322へ移行する。
【0099】ステップ322において、ECU30は、
均質切換時補正項SAOFSTA及び成層切換時補正項
SAOFSTBをともに「0」に設定するとともに、最
後にステップ308において、今回算出された基本点火
時期SABASE等に基づき、最終的な点火時期SAを
設定する。但し、このような場合にも、均質切換時補正
項SAOFSTA及び成層切換時補正項SAOFSTB
が共に「0」であるため、基本的には、基本点火時期S
ABASEがそのまま最終的な点火時期SAとして設定
される。そして、ECU30はその後の処理を一旦終了
する。
【0100】このように、上記「点火時期算出ルーチ
ン」においては、燃焼状態(燃焼方式)が成層燃焼から
均質燃焼に切換えられた過程、及び均質燃焼から成層燃
焼に切換えられた過程において、均質切換時補正項SA
OFSTA及び成層切換時補正項SAOFSTBが設定
される。そして、最終的な点火時期SAは、基本点火時
期SABASEよりも均質切換時補正項SAOFSTA
の分だけ進角側に補正制御されたり、或いは成層切換時
補正項SAOFSTBの分だけ遅角側に補正制御された
りすることとなる。
【0101】従って、本実施の形態においては、上記第
2の実施の形態に記載した作用効果に加えて、次の作用
効果を奏する。すなわち、燃焼方式が、均質燃焼から成
層燃焼に切り換えられる際には、燃料噴射量は減少させ
られる一方で、EGR量を増大させるべくEGRバルブ
53の開度は増大させられる。しかし、従来の技術で説
明したとおり、EGR量の変動には応答遅れが生じ、本
来的にはEGR量が多くなっていなければならない時点
で、EGR量が不足している場合が生じうる。これに対
し、本実施の形態では、かかる場合に、点火時期の補正
が遅角側に実行される。
【0102】このため、実際の系にとってEGR量が少
なすぎた場合であっても、かかる点火時期の遅角補正に
より、エンジン1の燃焼が安定したものとなる。その結
果、燃焼にとって点火が進角側になりすぎることによる
不具合を回避することができる。
【0103】(第4の実施の形態)次に、本発明を具体
化した第4の実施の形態について説明する。但し、本実
施の形態の構成等においては上述した第1の実施の形態
と同等であるため、同一の部材等については同一の符号
を付してその説明を省略する。そして、以下には、第1
の実施の形態との相違点を中心として説明することとす
る。
【0104】上記第1の実施の形態では、EGR量が切
換制御される過程において、最終的なEGR開度EGR
D自体を補正する場合に具体化した。これに対し本実施
の形態では、スロットル開度が切換制御される過程にお
いて、最終的な目標とされるスロットル開度(以下、単
に「スロットル開度」という)TRTDが補正制御され
る点に特徴を有している。
【0105】次に、上記構成を備えたエンジンの燃焼制
御装置における本実施の形態に係る各種制御に関するプ
ログラムについて、フローチャートを参照して説明す
る。図13は、本実施の形態におけるスロットルバルブ
23(アクチュエータ22)を制御して燃焼制御を実行
するための「スロットル開度算出ルーチン」を示すフロ
ーチャートであって、所定クランク角毎の割り込みでE
CU30により実行される。
【0106】処理がこのルーチンに移行すると、ECU
30は先ずステップ401において、各種センサ等25
〜29,61,62から、エンジン回転数NE、アクセ
ル開度ACCP等の、そのときどきの運転状態を示す各
種検出信号を読み込む。
【0107】次に、ステップ402においては、今回読
み込まれたエンジン回転数NE、アクセル開度ACCP
に基づき、基本スロットル開度TRTBを算出する。こ
こで、この基本スロットル開度TRTBの算出に際して
は、エンジン回転数NE、アクセル開度ACCPに対し
て予め基本スロットル開度TRTBを定めた図示しない
マップが参酌される。
【0108】さらに、続くステップ403においては、
後述する補正に際して用いられるなまし値TRTSMを
算出する。ここで、このなまし値TRTSMというの
は、基本スロットル開度TRTBについて算出タイミン
グ毎に1/nのなまし計算を行ったものであって、次の
ようにして算出される。すなわち、前回のなまし値TR
TSMに対し、基本スロットル開度TRTBから前回の
なまし値TRTSMを減算した値を所定の定数nで除算
した値を、加算することにより、今回のなまし値TRT
SMが決定されるのである。
【0109】そして、最後にステップ404において、
今回算出した基本スロットル開度TRTBに対し、補正
がかけられる。すなわち、基本スロットル開度TRTB
から上記なまし値TRTSMが減算された値を所定の定
数m(mは1以下でもよい)で除算した値を、前記基本
スロットル開度TRTBに加算し、その値を最終的なス
ロットル開度TRTDとして設定するのである。そし
て、ECU30はその後の処理を一旦終了する。
【0110】このように、上記「スロットル開度算出ル
ーチン」においては、エンジン回転数NE及びアクセル
開度ACCPに基づいて基本スロットル開度TRTBが
算出されるとともに、その基本スロットル開度TRTB
に基づいてなまし値TRTSMが算出される。そして、
基本スロットル開度TRTBに対してなまし値TRTS
Mの考慮された補正がかけられ、その値が最終的なスロ
ットル開度TRTDとして設定される。
【0111】次に、本実施の形態の作用及び効果につい
て説明する。 (イ)本実施の形態では、上述したように、スロットル
開度が切換制御される過程において、基本スロットル開
度TRTBに対してなまし値TRTSMの考慮された補
正がかけられ、これによってスロットルバルブ23が早
めに制御される。
【0112】例えば、図14に示すように、アクセルペ
ダル24の踏込み量が小さくなったとき(減速時)を考
慮した場合、ECU30により制御される燃料噴射量
は、そのアクセル開度ACCPの低下に伴って、即座に
切換えられ、低減される。これに対し、基本スロットル
開度TRTBについてもアクセル開度ACCPの低下に
伴って低減されるのであるが、実際の吸入空気量は、何
らの補正をも加えない場合には、同図に破線で示すよう
に、遅れが生じうる。
【0113】これに対し、本実施の形態では、ECU3
0により、最終的なスロットル開度TRTDは、なまし
値TRTSMの考慮された補正がかけられているため、
スロットルバルブ23が早めに閉弁制御される。そのた
め、実際の吸入空気量が、同図に実線で示すように、ア
クセル開度ACCPの変化に即座に対応されることとな
る。また、このことは、アクセル開度ACCPが増大し
たときにもいえることである。その結果、エンジン1の
運転状態に変化が生じた場合でも、吸入空気量の追従遅
れによる、燃焼の悪化等の不具合の発生を防止すること
ができる。
【0114】(ロ)また、本実施の形態でも、最終的な
スロットル開度TRTDを算出するに際しては、第1の
実施の形態と同様、なまし値TRTSMを算出し、これ
を考慮することとした。このため、スロットルバルブ2
3の開度制御が円滑に行われることとなり、急激なスロ
ットルバルブ23の開度の変動に伴うトルクショック等
の不具合が回避されうる。
【0115】尚、本発明は上記各実施の形態に限定され
るものではなく、例えば次の如く構成してもよい。 (1)前記第2の実施の形態における所定値C0及び第
3の実施の形態における所定値CA0,CB0について
は、常に固定値としてもよいが、EGR量の変動量に応
じて可変とするようにしてもよい。例えば、図15に示
すように、EGR量が切換制御される過程において、そ
の変動差が大きいほど、所定値C0(CA0,CB0)
の値を大きくするようにしてもよい。
【0116】このような構成とすることにより、点火時
期が進角側(又は遅角側)に補正される際の補正量の少
なくとも初期の値は、前記EGR量の切換変化量に応じ
て決定される。従って、EGR量の切換変化量に応じた
点火時期が確保されることから、そのときどきのEGR
量にみあった最適な燃焼が確保されることとなる。その
結果、燃焼状態のより一層の安定性を担保することがで
きる。
【0117】(2)また、前記第2の実施の形態におけ
る減衰時の所定値C1及び第3の実施の形態における所
定値CA1,CB1についても、常に固定値としてもよ
いが、時間の経過に応じて可変とするようにしてもよ
い。例えば、図16に示すように、EGR量が切換制御
される後におけるエンジン回転数NEの累計に基づいて
所定値C1(CA1,CB1)を決定するようにしても
よい。すなわち、当初の所定値C1(CA1,CB1)
を比較的大きい値とし、減衰量を大きくするとともに、
その後、時間の経過とともに、徐々に減衰させてゆくよ
うにするのである。
【0118】このような構成とすることにより、実際の
EGR量の復帰度合いにより則した点火時期を確保する
ことができ、その結果、上記(1)と同様、燃焼状態の
より一層の安定性を確保することができる。
【0119】(3)上記第1の実施の形態における基本
EGR開度EGRT、なまし値EGRSMの算出方法、
及び、最終的なEGR開度EGRDの算出方法、並び
に、基本スロットル開度TRTB、なまし値TRTSM
の算出方法、及び、最終的なスロットル開度TRTDの
算出方法については、上記実施の形態のものに何ら限定
されるものではなく、自由に定めうる。例えば、基本E
GR開度EGRT、基本スロットル開度TRTBについ
ては、エンジン回転数NEとアクセル開度ACCPとに
基づいて算出するようにしたが、エンジン回転数NEと
燃料噴射量等に基づいて算出するようにしてもよい。ま
た、なまし計算を行わない構成としても差し支えない。
【0120】(4)上記各実施の形態では、筒内噴射式
のエンジン1に本発明を具体化するようにしたが、いわ
ゆる成層燃焼、弱成層燃焼を行うタイプの内燃機関であ
ればいかなるタイプのものに具体化してもよい。例えば
吸気ポート7a,7bの吸気弁6a,6bの傘部の裏側
に向かって噴射するタイプのものも含まれる。また、吸
気弁6a,6b側に燃料噴射弁が設けられてはいるが、
直接シリンダボア(燃焼室5)内に噴射するタイプのも
のも含まれる。
【0121】(5)また、上記各実施の形態では、ヘリ
カル方の吸気ポートを有し、いわゆるスワールを発生さ
せることが可能な構成としたが、かならずしもスワール
を発生しなくともよい。従って、例えば上記実施の形態
におけるスワールコントロールバルブ17、ステップモ
ータ19等を省略することもできる。
【0122】(6)さらに、上記各実施の形態では、内
燃機関としてガソリンエンジン1の場合に本発明を具体
化したが、その外にもディーゼルエンジン等の場合等に
も具体化できる。
【0123】(7)併せて、上記各実施の形態では、い
わゆる電子制御式のスロットル弁23を用いるようにし
たが、アクセルペダル24にリンクしたメカニカル式の
スロットル弁を用いるようにしてもよい。
【0124】特許請求の範囲の各請求項に記載されない
ものであって、上記各実施の形態から把握できる技術的
思想について以下にその効果とともに記載する。 (a)請求項7,8に記載の内燃機関の燃焼制御装置に
おいて、前記点火時期補正制御手段による補正のうち、
その後徐々に低減させられる補正量の低減量を時間に応
じて可変としたことを特徴とする。
【0125】このような構成とすることにより、実際の
再循環量の復帰度合いにより則した点火時期を確保する
ことができ、その結果、燃焼状態のより一層の安定性を
確保することができる。
【0126】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
成層燃焼を行いうる内燃機関の燃料制御装置において、
内燃機関の運転状態に変化が生じた場合でも、EGR量
の追従遅れによる不具合の発生を防止することができる
という優れた効果を奏する。
【0127】特に請求項1〜4に記載の発明では、再循
環量を含む吸入空気量自身を制御することで、また、請
求項5〜8に記載の発明では、点火時期をすることで、
上述した効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に記載の発明の基本的な概念構成図で
ある。
【図2】請求項2に記載の発明の基本的な概念構成図で
ある。
【図3】請求項3に記載の発明の基本的な概念構成図で
ある。
【図4】請求項5に記載の発明の基本的な概念構成図で
ある。
【図5】第1の実施の形態におけるエンジンの燃焼制御
装置を示す概略構成図である。
【図6】エンジンの気筒部分を拡大して示す断面図であ
る。
【図7】ECUにより実行される「EGR開度算出ルー
チン」を示すフローチャートである。
【図8】時間に対するアクセル開度、EGR開度等の挙
動を示すタイミングチャートである。
【図9】第2の実施の形態においてECUにより実行さ
れる「点火時期算出ルーチン」を示すフローチャートで
ある。
【図10】時間に対する点火時期、EGR量、トルク等
の挙動を示すタイミングチャートである。
【図11】第3の実施の形態においてECUにより実行
される「点火時期算出ルーチン」を示すフローチャート
である。
【図12】図11の続きを示すフローチャートである。
【図13】第4の実施の形態においてECUにより実行
される「スロットル開度算出ルーチン」を示すフローチ
ャートである。
【図14】時間に対するアクセル開度、スロットル開度
開度等の挙動を示すタイミングチャートである。
【図15】別の実施の形態におけるEGR変化量に対す
る制御初期の所定値の関係を示すマップである。
【図16】別の実施の形態における切換後の回転数累計
に対する減衰時の所定値の関係を示すマップである。
【符号の説明】
1…内燃機関としてのエンジン、10…点火手段を構成
する点火プラグ、11…燃料噴射手段としての燃料噴射
弁、12…点火手段を構成するイグナイタ、25…運転
状態検出手段を構成するスロットルセンサ、26A…運
転状態検出手段を構成するアクセルセンサ、26B…運
転状態検出手段を構成する全閉スイッチ、27…運転状
態検出手段を構成する上死点センサ、28…運転状態検
出手段を構成するクランク角センサ、29…運転状態検
出手段を構成するスワールコントロールバルブセンサ、
30…目標作動量算出手段、吸気量制御手段、先行補正
制御手段、目標開度算出手段、EGR制御手段、点火時
期制御手段及び点火時期補正制御手段を構成するEC
U。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02D 41/02 310 F02D 41/02 310F 43/00 301 43/00 301B 301K 301N F02M 25/07 550 F02M 25/07 550F 550Q 570 570A F02P 5/15 F02P 5/15 Z

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成層燃焼を行うべく、内燃機関の気筒内
    に燃料を噴射する燃料噴射手段と、 前記内燃機関の気筒内に導入される吸入空気量を調整す
    るための吸気量調整手段と、 前記内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段
    と、 前記運転状態検出手段の検出結果に基づき、前記吸気量
    調整手段の作動量を算出する目標作動量算出手段と、 前記目標作動量算出手段の算出結果に基づき、前記吸気
    量調整手段を制御して、前記吸入空気量を制御する吸気
    量制御手段とを備えた内燃機関の燃焼制御装置であっ
    て、 前記吸気量制御手段により前記吸入空気量が切換制御さ
    れる過程において、当該吸入空気量を、前記運転状態検
    出手段にて検出される前記内燃機関の運転状態の変化に
    即応させるべく、前記目標作動量を補正して前記吸気量
    調整手段を早めに制御する先行補正制御手段を設けたこ
    とを特徴とする内燃機関の燃焼制御装置。
  2. 【請求項2】 成層燃焼を行うべく、内燃機関の気筒内
    に燃料を噴射する燃料噴射手段と、 前記内燃機関の排気通路と吸気通路とを連通する排気ガ
    ス再循環通路及び当該排気ガス再循環通路を開閉するた
    めのEGRバルブを有し、前記内燃機関から排出される
    排気の一部を当該内燃機関に取り込まれる吸気へ再循環
    させるためのEGR機構と、 前記内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段
    と、 前記運転状態検出手段の検出結果に基づき、前記EGR
    バルブの目標開度を算出する目標開度算出手段と、 前記目標開度算出手段の算出結果に基づき、前記EGR
    バルブを制御して、前記排気の再循環量を制御するEG
    R制御手段とを備えた内燃機関の燃焼制御装置であっ
    て、 前記EGR制御手段により前記排気の再循環量が切換制
    御される過程において、当該再循環量を、前記運転状態
    検出手段にて検出される前記内燃機関の運転状態の変化
    に即応させるべく、前記目標開度を補正して前記EGR
    バルブを早めに制御する先行補正制御手段を設けたこと
    を特徴とする内燃機関の燃焼制御装置。
  3. 【請求項3】 成層燃焼を行うべく、内燃機関の気筒内
    に燃料を噴射する燃料噴射手段と、 前記内燃機関の吸気通路に設けられ、自身の開閉により
    主として前記内燃機関の気筒内に導入される吸入空気量
    を調整するためのスロットルバルブと、 前記スロットルバルブを駆動するためのアクチュエータ
    と、 前記内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段
    と、 前記運転状態検出手段の検出結果に基づき、前記スロッ
    トルバルブの目標開度を算出する目標開度算出手段と、 前記目標開度算出手段の算出結果に基づき、前記アクチ
    ュエータを制御して、前記吸入空気量を制御する吸気量
    制御制御手段とを備えた内燃機関の燃焼制御装置であっ
    て、 前記吸気量制御制御手段により前記吸入空気量が切換制
    御される過程において、当該吸入空気量を、前記運転状
    態検出手段にて検出される前記内燃機関の運転状態の変
    化に即応させるべく、前記目標開度を補正して前記スロ
    ットルバルブを早めに制御する先行補正制御手段を設け
    たことを特徴とする内燃機関の燃焼制御装置。
  4. 【請求項4】 前記先行補正制御手段による前記目標作
    動量、目標開度の補正を、前記目標作動量、目標開度の
    なまし値を考慮することにより行うようにしたことを特
    徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関の燃
    焼制御装置。
  5. 【請求項5】 成層燃焼を行うべく、内燃機関の気筒内
    に燃料を噴射する燃料噴射手段と、 前記内燃機関の気筒内に導入される吸入空気量を調整す
    るための吸気量調整手段と、 前記内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段
    と、 前記運転状態検出手段の検出結果に基づき、前記吸気量
    調整手段の作動量を算出する目標作動量算出手段と、 前記目標作動量算出手段の算出結果に基づき、前記吸気
    量調整手段を制御して、前記吸入空気量を制御する吸気
    量制御手段と、 前記内燃機関の気筒内に供給された燃料ガスに点火する
    ための点火手段と、 前記運転状態検出手段の検出結果に基づき、前記点火手
    段を制御して、当該点火手段による点火時期を制御する
    点火時期制御手段とを備えた内燃機関の燃焼制御装置で
    あって、 前記吸気量制御手段により前記吸入空気量が切換制御さ
    れる過程において、当該吸入空気量が小から大に切換え
    られるときには前記点火時期制御手段により制御される
    点火時期を遅角側に補正制御するものと、前記吸入空気
    量が大から小に切換えられるときには前記点火時期制御
    手段により制御される点火時期を進角側に補正制御する
    ものとのうち、少なくとも一方を含んでなる点火時期補
    正制御手段を設けたことを特徴とする内燃機関の燃焼制
    御装置。
  6. 【請求項6】 前記点火時期補正制御手段による補正
    を、少なくとも前記内燃機関の燃焼状態が成層燃焼から
    均質燃焼に切換えられる際に行うようにしたことを特徴
    とする請求項5に記載の内燃機関の燃焼制御装置。
  7. 【請求項7】 前記点火時期補正制御手段による補正
    は、一時的なものであって、その後徐々に補正量を低減
    させるようにしたことを特徴とする請求項5又は6に記
    載の内燃機関の燃焼制御装置。
  8. 【請求項8】 前記点火時期補正制御手段による補正量
    の少なくとも初期の値は、前記吸入空気量の切換変化量
    に応じて決定されることを特徴とする請求項5から7の
    いずれかに記載の内燃機関の燃焼制御装置。
JP8224093A 1996-04-22 1996-08-26 内燃機関の燃焼制御装置 Pending JPH109011A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7957887B2 (en) 2007-05-09 2011-06-07 Hitachi, Ltd. Engine controller
JP2020148101A (ja) * 2019-03-11 2020-09-17 株式会社Subaru 内燃機関の燃焼制御装置

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US7957887B2 (en) 2007-05-09 2011-06-07 Hitachi, Ltd. Engine controller
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