JP3173375B2 - 内燃機関の燃焼制御装置 - Google Patents
内燃機関の燃焼制御装置Info
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Description
御装置に係り、詳しくは、筒内噴射式内燃機関の如く、
成層燃焼及び均質燃焼を行いうる内燃機関の燃焼制御装
置に関するものである。
においては、燃料噴射弁からの燃料は吸気ポートに噴射
され、燃焼室には予め燃料と空気との均質混合気が供給
される。かかるエンジンでは、アクセル操作に連動する
スロットル弁によって吸気通路が開閉され、この開閉に
より、エンジンの燃焼室に供給される吸入空気量(結果
的には燃料と空気とが均質に混合された気体の量)が調
整され、もってエンジン出力が制御される。
術では、スロットル弁の絞り動作に伴って大きな吸気負
圧が発生し、ポンピングロスが大きくなって効率は低く
なる。これに対し、スロットル弁の絞りを小とし、燃焼
室に直接燃料を供給することにより、点火プラグの近傍
に可燃混合気を存在させ、当該部分の空燃比を高めて、
着火性を向上するようにしたいわゆる「成層燃焼」とい
う技術が知られている。
示された技術においては、燃焼室内に直接的に燃料を噴
射せしめることで成層燃焼が行われるようになっている
(筒内噴射式)。また、この技術では、成層燃焼を行う
場合においては、燃料噴射終了から点火までの時間が、
また、均質燃焼を行う場合においては燃料噴射開始時期
が、それぞれマップに基づいて設定される。これによ
り、複数気筒の燃料噴射時期の少なくとも立上がり電圧
印加時間の重複がないように修正され、各気筒のインジ
ェクタでの電圧低下が抑制される。
術では、負荷に応じて算出された噴射量に対して噴射開
始時期等が設定されるが、噴射量を算出するタイミング
については何ら示されてはいない。成層燃焼を行うに際
しては、噴射のタイミング、噴射量、及び点火のタイミ
ングをいかに最適なものに適合させるかが重要な問題と
なってくるため、かかる場合には、一般に予め所定のタ
イミングでもって噴射開始時期、噴射量及び点火時期が
セットで設定される。
質燃焼に移行した場合においても、上記と同様に噴射量
を設定した場合には、次に示すような不具合が生じう
る。例えば、アクセルペダルが急激に踏み込まれた加速
時を想定した場合、上記技術ではアクセルペダルの開度
が比較的小さい時期での吸入空気量情報でもって、先の
噴射量等が決められることとなる。このため、実際に噴
射が実行されるタイミングにおいては、吸入空気量に対
する燃料噴射量が少ないもの(リーン)となってしまう
おそれがあった。また、減速時においては、上記とは逆
に、吸入空気量に対する燃料噴射量が多いもの(リッ
チ)となってしまうおそれがあった。このように、成層
燃焼における噴射量算出タイミングを採用した場合に
は、(均質燃焼では)空燃比がリーン或いはリッチとな
りすぎて、燃焼が不安定なものとなってしまうおそれが
あった。
のであって、その目的は、成層燃焼及び均質燃焼を行い
うる内燃機関の燃焼制御装置において、成層燃焼及び均
質燃焼いずれにおいても安定した燃焼を得ることがで
き、特に運転状態の過渡時においても好適な燃焼を確保
することができる内燃機関の燃焼制御装置を提供するこ
とにある。
に、請求項1に記載の発明においては、図1に示すよう
に、内燃機関M1の気筒内に燃料を噴射する燃料噴射手
段M2と、前記内燃機関M1の運転状態を検出する運転
状態検出手段M3と、前記運転状態検出手段M3の検出
結果に基づき、前記内燃機関M1の燃焼状態を成層燃焼
とするか均質燃焼とするかを判別し、その判別結果に応
じて少なくとも前記燃料噴射手段M2を制御して成層燃
焼或いは均質燃焼を実行する燃焼制御手段M4とを備え
た内燃機関の燃焼制御装置であって、前記燃焼制御手段
M4にて判別された燃焼状態が成層燃焼の場合に、前記
運転状態検出手段M3により検出されるそのときどきの
運転状態に応じて燃料噴射時間、燃料噴射時期を算出す
るとともにセットタイミングを設定し、当該セットタイ
ミングにおいて、前記算出される燃料噴射時間、燃料噴
射時期を目標燃料噴射時間、目標燃料噴射時期としてセ
ットし、それら目標燃料噴射時間、目標燃料噴射時期に
基づいて燃料噴射量制御、燃料噴射時期制御をそれぞれ
実行する成層用噴射制御手段M5と、前記燃焼制御手段
M4にて判別された燃焼状態が均質燃焼の場合に、前記
運転状態検出手段M3により検出されるそのときどきの
運転状態に応じて燃料噴射時間、燃料噴射時期を算出す
るとともにセットタイミングを設定し、当該セットタイ
ミングにおいて、前記算出される燃料噴射時間、燃料噴
射時期を目標燃料噴射時間、目標燃料噴射時期としてセ
ットし、当該目標燃料噴射時期に基づいて燃料噴射時期
制御を実行する一方、燃料噴射が開始される直前におい
て、前記運転状態に応じて算出される最新の燃料噴射時
間を前記目標燃料噴射時間としてセットし直し、当該再
セットされた目標燃料噴射時間に基づいて燃料噴射量制
御を実行する均質用噴射制御手段M6とを備えたことを
その要旨としている。
1に記載の内燃機関の燃焼制御装置において、前記成層
用噴射制御手段M5は、前記運転状態検出手段M3によ
り検出されるそのときどきの運転状態に応じて点火時期
を併せて算出し、前記設定されるセットタイミングにお
いて、前記算出される点火時期を目標点火時期としてセ
ットし、当該目標点火時期に基づいて点火時期制御を実
行するものであることをその要旨としている。
ば、図1に示すように、燃料噴射手段M2によって、内
燃機関M1の気筒内に燃料が噴射され、気筒内の燃料が
燃焼することにより、内燃機関M1は駆動力を得る。
燃機関M1の運転状態が検出される。そして、その検出
結果に基づき、燃焼制御手段M4では、内燃機関M1の
燃焼状態を成層燃焼とするか均質燃焼とするかが判別さ
れ、その判別結果に応じて少なくとも前記燃料噴射手段
M2が制御されて成層燃焼或いは均質燃焼が実行され
る。
燃焼状態が成層燃焼の場合に、成層用噴射制御手段M5
によって、そのときどきの運転状態に応じた燃料噴射時
間、燃料噴射時期が算出されるとともにセットタイミン
グが設定され、当該セットタイミングにおいて、前記燃
料噴射時間、燃料噴射時期が目標燃料噴射時間、目標燃
料噴射時期としてそれぞれセットされる。そして、成層
用噴射制御手段M5は、これら目標燃料噴射時間、目標
燃料噴射時期に基づいて燃料噴射量制御、燃料噴射時期
制御をそれぞれ実行する。
焼状態が均質燃焼の場合に、均質用噴射制御手段M6に
よって、そのときどきの運転状態に応じた燃料噴射時
間、燃料噴射時期が算出されるとともにセットタイミン
グが設定され、当該セットタイミングにおいて、前記算
出される燃料噴射時間、燃料噴射時期が目標燃料噴射時
間、目標燃料噴射時期としてそれぞれセットされる。そ
して、均質用噴射制御手段M6は、この目標燃料噴射時
期に基づいて燃料噴射時期制御を実行する一方、燃料噴
射が開始される直前において、前記運転状態に応じて算
出される最新の燃料噴射時間を前記目標燃料噴射時間と
してセットし直し、当該再セットされた目標燃料噴射時
間に基づいて燃料噴射量制御を実行する。このため、加
減速時等の過渡時において、最新の運転状態検出情報に
基づいて噴射量が決められることとなる。従って、実際
に噴射が実行されるタイミングにおいて、吸入空気量に
対する燃料噴射量が過少となったり過多となったりする
ことがない。
層用噴射制御手段M5により、そのときどきの運転状態
に応じて点火時期が併せて算出され、前記セットタイミ
ングにおいて、この算出される点火時期が目標点火時期
としてセットされる。そして、成層用噴射制御手段M5
は、この目標点火時期に基づいて点火時期制御を実行す
る。
燃焼制御装置を具体化した一実施の形態を図面に基づい
て詳細に説明する。
された筒内噴射式エンジンの燃料噴射制御装置を示す概
略構成図である。内燃機関としてのエンジン1は、例え
ば4つの気筒1aを具備し、これら各気筒1aの燃焼室
構造が図3に示されている。これらの図に示すように、
エンジン1はシリンダブロック2内にピストンを備えて
おり、当該ピストンはシリンダブロック2内で往復運動
する。シリンダブロック2の上部にはシリンダヘッド4
が設けられ、前記ピストンとシリンダヘッド4間には燃
焼室5が形成されている。また、本実施の形態では1気
筒1aあたり、4つの弁が配置されており、図中におい
て、符号6aとして第1吸気弁、6bとして第2吸気
弁、7aとして第1吸気ポート、7bとして第2吸気ポ
ート、8として一対の排気弁、9として一対の排気ポー
トがそれぞれ示されている。
はヘリカル型吸気ポートからなり、第2の吸気ポート7
bはほぼ真っ直ぐに延びるストレートポートからなる。
また、シリンダヘッド4の内壁面の中央部には、点火プ
ラグ10が配設されている。さらに、第1吸気弁6a及
び第2吸気弁6b近傍のシリンダヘッド4内壁面周辺部
には燃料噴射手段としての燃料噴射弁11が配置されて
いる。すなわち、本実施の形態においては、燃料噴射弁
11からの燃料は、直接的に気筒1a内に噴射されるよ
うになっている。
ポート7a及び第2吸気ポート7bは、それぞれ各吸気
マニホルド15内に形成された第1吸気路15a及び第
2吸気路15bを介してサージタンク16内に連結され
ている。各第2吸気通路15b内にはそれぞれスワール
コントロールバルブ17が配置されている。これらのス
ワールコントロールバルブ17は共通のシャフト18を
介して例えばステップモータ19に連結されている。こ
のステップモータ19は、後述する電子制御装置(以下
単に「ECU」という)30からの出力信号に基づいて
制御される。なお、当該ステップモータ19の代わり
に、エンジン1の吸気ポート7a,7bの負圧に応じて
制御されるものを用いてもよい。
を介してエアクリーナ21に連結され、吸気ダクト20
内には、アクチュエータたるステップモータ22によっ
て開閉されるスロットル弁23が配設されている。つま
り、本実施の形態のスロットル弁23はいわゆる電子制
御式のものであり、基本的には、ステップモータ22が
前記ECU30からの出力信号に基づいて駆動されるこ
とにより、スロットル弁23が開閉制御される。そし
て、このスロットル弁23の開閉により、吸気ダクト2
0を通過して燃焼室5内に導入される吸入空気量が調節
されるようになっている。本実施の形態では、吸気ダク
ト20、サージタンク16並びに第1吸気路15a及び
第2吸気路15b等により、吸気通路が構成されてい
る。また、スロットル弁23の近傍には、その開度(ス
ロットル開度TA)を検出するためのスロットルセンサ
25が設けられている。なお、前記各気筒の排気ポート
9には排気マニホルド14が接続されている。そして、
燃焼後の排気ガスは当該排気マニホルド14を介して図
示しない排気ダクトへ排出されるようになっている。
ス循環(EGR)装置51が設けられている。このEG
R装置51は、排気ガス循環通路としてのEGR通路5
2と、同通路52の途中に設けられた排気ガス循環弁と
してのEGRバルブ53とを含んでいる。EGR通路5
2は、スロットル弁23の下流側の吸気ダクト20と、
排気ダクトとの間を連通するよう設けられている。ま
た、EGRバルブ53は、弁座、弁体及びステップモー
タ(いずれも図示せず)を内蔵している。EGRバルブ
53の開度は、ステップモータが弁体を弁座に対して断
続的に変位させることにより、変動する。そして、EG
Rバルブ53が開くことにより、排気ダクトへ排出され
た排気ガスの一部がEGR通路52へと流れる。その排
気ガスは、EGRバルブ53を介して吸気ダクト20へ
流れる。すなわち、排気ガスの一部がEGR装置51に
よって吸入混合気中に再循環する。このとき、EGRバ
ルブ53の開度が調節されることにより、排気ガスの再
循環量が調整されるのである。
ンピュータからなっており、双方向性バス31を介して
相互に接続されたRAM(ランダムアクセスメモリ)3
2、ROM(リードオンリメモリ)33、マイクロプロ
セッサからなるCPU(中央処理装置)34、入力ポー
ト35及び出力ポート36を具備している。本実施の形
態においては、当該ECU30により、燃焼制御検出手
段、成層用噴射制御手段及び均質用噴射制御手段が構成
されている。
ルペダル24の踏込み量に比例した出力電圧を発生する
アクセルセンサ26Aが接続され、該アクセルセンサ2
6Aによりアクセル開度ACCPが検出される。当該ア
クセルセンサ26Aの出力電圧は、AD変換器37を介
して入力ポート35に入力される。また、同じくアクセ
ルペダル24には、アクセルペダル24の踏込み量が
「0」であることを検出するための全閉スイッチ26B
が設けられている。すなわち、この全閉スイッチ26B
は、アクセルペダル24の踏込み量が「0」である場合
に全閉信号XLL2SWとして「1」の信号を、そうで
ない場合には「0」の信号を発生する。そして、該全閉
スイッチ26Bの出力電圧も入力ポート35に入力され
るようになっている。
1aが吸気上死点に達したときに出力パルスを発生し、
この出力パルスが入力ポート35に入力される。クラン
ク角センサ28は例えばクランクシャフトが30°CA
回転する毎に出力パルスを発生し、この出力パルスが入
力ポートに入力される。CPU34では上死点センサ2
7の出力パルスとクランク角センサ28の出力パルスか
らエンジン回転数NEが算出される(読み込まれる)。
ワールコントロールバルブセンサ29により検出され、
これによりスワールコントロールバルブ17の開度が測
定される。そして、スワールコントロールバルブセンサ
29の出力はA/D変換器37を介して入力ポート35
に入力される。
り、スロットル開度TAが検出される。このスロットル
センサ25の出力はA/D変換器37を介して入力ポー
ト35に入力される。
16内の圧力(吸気圧PiM)を検出する吸気圧センサ
61が設けられている。さらに、エンジン1の冷却水の
温度(冷却水温THW)を検出する水温センサ62が設
けられている。これら両センサ61,62の出力もA/
D変換器37を介して入力ポート35に入力されるよう
になっている。
センサ25、アクセルセンサ26A、全閉スイッチ26
B、上死点センサ27、クランク角センサ28、スワー
ルコントロールバルブセンサ29、吸気圧センサ61及
び水温センサ62等により、運転状態検出手段が構成さ
れている。
路38を介して各燃料噴射弁11、各ステップモータ1
9,22、イグナイタ12及びEGRバルブ53(ステ
ップモータ)に接続されている。そして、ECU30は
各センサ等25〜29,61,62からの信号に基づ
き、ROM33内に格納された制御プログラムに従い、
燃料噴射弁11、ステップモータ19,22、イグナイ
タ12及びEGRバルブ53等を好適に制御する。
御装置における本実施の形態に係る各種制御に関するプ
ログラムについて、フローチャートを参照して説明す
る。まず、図4は、本実施の形態における燃焼制御に際
して各種データを算出等するための「メインルーチン」
を示すフローチャートである。
30は、先ず、ステップ101において、各種センサ等
25〜29,61,62よりアクセル開度ACCP、エ
ンジン回転数NE等の各種信号を読み込む。
み込んだアクセル開度ACCP、エンジン回転数NEに
基づき、現時点における燃焼モードFMODEを決定す
る。ここで、この燃焼モードFMODEは、現在成層燃
焼を行うべきか均質燃焼を行うべきかを判定するもので
ある。例えば、高負荷、あるいは高回転数でない場合に
は成層燃焼を行うべく燃焼モードFMODEは「0」
に、そうでない場合には均質燃焼を行うべく燃焼モード
FMODEは「1」に設定される。
設定されている燃焼モードFMODEが「0」であるか
否かを判断する。そして、燃焼モードFMODEが
「0」の場合には、成層燃焼を行うべくステップ104
において、今回読み込んだエンジン回転数NE及びアク
セル開度ACCPに基づいて燃料噴射量QINJを算出
する。なお、この燃料噴射量QINJの算出に際しては
図示しないマップが参酌される。
合には、均質燃焼を行うべくステップ105において、
今回読み込んだエンジン回転数NE及び吸気圧PiMに
基づいて燃料噴射量QINJを算出する。ここで、吸気
圧PiMに基づくこととしたのは、吸気圧PiMから吸
入空気量の情報が得られ、より一層の精度の向上を図る
ためである。なお、この燃料噴射量QINJの算出に際
しても図示しないマップが参酌される。
移行して、ステップ106においては、今回算出された
燃料噴射量QINJに基づき燃料噴射時間TAU(噴射
量に対応する)を算出する。
回のエンジン回転数NE、燃料噴射量QINJ及び燃焼
モードFMODEに基づいて、燃料噴射時期AINJ及
び点火時期SAをそれぞれ算出する。
おいて、今回算出された燃料噴射時期AINJに基づい
て、セットタイミングTn(nは気筒番号に対応する)
を設定する。このセットタイミングTnは後述する「回
転信号割込みルーチン」において採用されるタイミング
である。そして、ECU30はその後の処理を一旦終了
する。
いては、そのときどきの運転状態に応じて、燃料噴射量
QINJ(燃料噴射時間TAU)、燃料噴射時期AIN
J及び点火時期SAが算出されるとともに、セットタイ
ミングTnが設定される。
TAU)、燃料噴射時期AINJ及び点火時期SAに基
づいて、これらのデータをセットで設定等を行う処理内
容について説明する。すなわち、図5は、本実施の形態
におけるインジェクタ11等を制御して燃料噴射制御等
を実行するための「回転信号割込みルーチン」を示すフ
ローチャートであって、例えば所定回転数毎の割り込み
で実行される。
30は、先ず、上記「メインルーチン」で算出された燃
料噴射時間TAU等の各種データ等を読み込む。そし
て、ステップ202において、クランク角センサ28に
よる現在のクランク角CCRANKが、上記「メインル
ーチン」で設定されたセットタイミングTnに等しいか
否か、すなわち、気筒毎の目標燃料噴射時間TAUn等
をセットで設定するタイミングが到来したか否かを判断
する。そして、現在のクランク角CCRANKがセット
タイミングTnに等しい場合には、ステップ203にお
いて、上記「メインルーチン」で算出された燃料噴射時
間TAU、燃料噴射時期AINJ及び点火時期SAをそ
れぞれ、当該気筒における目標燃料噴射時間TAUn、
目標燃料噴射時期AINJn及び目標点火時期SAnと
してそれぞれ設定する。
今回設定された目標燃料噴射時期AINJn及び目標点
火時期SAnに基づき、これらの時期に相当する時刻
(噴射開始予約タイミング及び点火予約タイミング)を
計算しておき、ステップ205へ移行する。
ランク角CCRANKがセットタイミングTnに等しく
ない場合には、新たに目標燃料噴射時間TAUn等を設
定することなく、ステップ205へと移行する。
移行してステップ205においては、現在が噴射開始予
約タイミングであるか否かを判断する。そして、現在が
噴射開始予約タイミングの場合には、ステップ206に
おいて、噴射コンペアレジスタ(制御ON/OFFの時
刻をセットするレジスタ)をセットし、同時に、噴射の
出力ポートYINJnをオンにセットし、ステップ20
7へ移行する。また、現在が噴射開始予約タイミングで
ない場合には、何らの処理をも行うことなくステップ2
07へ移行する。
が点火予約タイミングであるか否かを判断する。そし
て、現在が点火予約タイミングの場合には、ステップ2
08において、点火コンペアレジスタをセットし、同時
に、点火の出力ポートYIGTnをオンにセットし、そ
の後の処理を一旦終了する。また、現在が点火予約タイ
ミングでない場合には、何らの処理をも行うことなくそ
の後の処理を一旦終了する。
ン」では、セットタイミングTnにおいて、当該気筒に
おける目標燃料噴射時間TAUn、目標燃料噴射時期A
INJn及び目標点火時期SAnがそれぞれセットで設
定される。また、噴射開始予約タイミング及び点火予約
タイミングが計算され、それぞれのタイミングに達した
際に噴射コンペアレジスタ或いは点火コンペアレジスタ
がセットされ、同時に、噴射の出力ポートYINJn、
点火の出力ポートYIGTnがオンにセットされる。
同時に噴射の出力ポートYINJnが、或いは点火コン
ペアレジスタセットと同時に点火の出力ポートYIGT
nがオンにセットされた場合に、ECU30により実行
される処理動作について説明する。すなわち、図6はE
CU30により実行される「噴射コンペア割込みルーチ
ン」を示すフローチャートであって、上記噴射コンペア
レジスタがタイマと一致すると実行される。
30はまず、ステップ302において、別途のルーチン
で設定される噴射時ラッチYLINJnがオンであるか
否かを判断し、噴射時ラッチYLINJnがオンの場合
(噴射実行中)にのみステップ303へ移行する。一
方、噴射時ラッチYLINJnがオフの場合には、その
後の処理を一旦終了する。
ードFMODEが「0」であるか否かを判断する。そし
て、現在の燃焼モードFMODEが「0」の場合には、
現在成層燃焼が実行されているものと判断して、ステッ
プ304へ移行する。ステップ304においては、現在
の時刻T1に対し、上記「回転信号割込みルーチン」で
設定された目標燃料噴射時間TAUnを加算した時刻を
噴射終了時刻FOFFとして設定する。
が「1」の場合には、現在均質燃焼が実行されているも
のと判断して、ステップ305へ移行する。ステップ3
05においては、現在の時刻T1に対し、上記「メイン
ルーチン」で設定された燃料噴射時間TAU(最新の燃
料噴射時間)を加算した時刻を噴射終了時刻FOFFと
して設定する。
5から移行して、ステップ306においては、噴射コン
ペアレジスタをセットし、同時に噴射の出力ポートYI
NJnをオフにセットして、ECU30はその後の処理
を一旦終了する。
ーチン」においては、そのときどきの燃焼モードFMO
DEに応じて噴射終了時刻FOFFが設定され、その設
定後において噴射コンペアレジスタがセットされ、同時
に噴射の出力ポートYINJnがオフにセットされる。
「点火コンペア割込みルーチン」を示すフローチャート
であって、上記点火コンペアレジスタがタイマと一致す
ると実行される。
30はまず、ステップ402において、別途のルーチン
で設定される点火時ラッチYLIGTnがオンであるか
否かを判断し、点火時ラッチYLIGTnがオン(充電
中)の場合にのみステップ403へ移行する。一方、点
火時ラッチYLIGTnがオフの場合には、その後の処
理を一旦終了する。
ードFMODEにかかわらず、現在の時刻T2に対し、
上記「回転信号割込みルーチン」で設定された目標点火
時期SAnを加算した時刻を点火時刻IOFFとして設
定する。なお、本実施の形態では、点火時刻IOFFに
達した場合、すなわち、充電OFFと同時に点火が実行
される。
コンペアレジスタをセットすると同時に、点火の出力ポ
ートYIGTnをオフにセットして、ECU30はその
後の処理を一旦終了する。
ーチン」においては、そのときどきの燃焼モードFMO
DEにかかわらず点火時刻IOFFが設定され、その設
定後において点火コンペアレジスタがセットされると同
時に、点火の出力ポートYIGTnがオフにセットされ
る。
て説明する。 (イ)本実施の形態によれば、図8に示すように、燃焼
モードFMODEが「0」、すなわち成層燃焼時におい
ては、所定のセットタイミングTnにおいて、目標燃料
噴射時間TAUn、目標燃料噴射時期AINJn及び目
標点火時期SAnがそれぞれセットされる。そして、こ
れら各データに基づいて燃料噴射量制御、噴射時期制御
及び点火時期制御が実行される。ここで、成層燃焼にと
っては、噴射時期(噴射量も含む)及び点火時期をいか
に適合させるかが重要であるが、本実施の形態ではこれ
らのデータが、所定のセットタイミングTnでもってセ
ットで設定される。このため、成層燃焼に際して、安定
した燃焼を確保することができる。
ドFMODEが「1」、すなわち均質燃焼時において
は、「メインルーチン」で算出された最新の燃料噴射時
間TAUが採用されて噴射終了時刻FOFFが設定され
る。このため、加減速時等の過渡時において、最新の運
転状態検出情報に基づいて噴射量が決められることとな
る。
ように、メインルーチン周回毎に、すなわち時刻t1,
t2,t3,t4において燃料噴射時間TAU、燃料噴
射時期AINJ及び点火時期SAが算出される。さら
に、所定のセットタイミングTn(例えばTnが時刻t
1とt2の間だとする)において目標燃料噴射時間TA
Un、目標燃料噴射時期AINJn及び目標点火時期S
Anがそれぞれセットされる。そして、時刻t5におい
て燃料噴射が開始されるとすると、従来では、時刻t1
における運転状態に基づいて噴射量が定められていたの
に対し、本実施の形態では、均質燃焼時においては時刻
t3における運転状態(吸気量等)に基づいて噴射量
(燃料噴射時間TAU)が算出され、その燃料噴射時間
TAUに基づいて噴射が実行される(すなわち、事実上
噴射量が算出し直されることとなる)。従って、実際に
噴射が実行されるタイミングにおいて、吸入空気量に対
する実際の燃料噴射量が過少となったりすることがな
い。
の燃料噴射量が過多となったりすることがない。その結
果、均質燃焼に際しても安定した燃焼を確保することが
できる。
ものではなく、例えば次の如く構成してもよい。 (1)上記実施の形態においては、成層燃焼、均質燃焼
に関係なく、点火時期については「回転信号割込みルー
チン」で設定された目標点火時期SAnを採用すること
としたが、必要によっては燃料噴射時間と同様、均質燃
焼時には、「メインルーチン」で算出された点火時期S
Aを採用するようにしてもよい。
エンジン1に本発明を具体化するようにしたが、いわゆ
る成層燃焼、弱成層燃焼を行うタイプの内燃機関であれ
ばいかなるタイプのものに具体化してもよい。例えば吸
気ポート7a,7bの吸気弁6a,6bの傘部の裏側に
向かって噴射するタイプのものも含まれる。また、吸気
弁6a,6b側に燃料噴射弁が設けられてはいるが、直
接シリンダボア(燃焼室5)内に噴射するタイプのもの
も含まれる。
ル状の吸気ポートを有し、いわゆるスワールを発生させ
ることが可能な構成としたが、かならずしもスワールを
発生しなくともよい。従って、例えば上記実施の形態に
おけるスワールコントロールバルブ17、ステップモー
タ19等を省略することもできる。
QINJの算出に際しては、別途異なるパラメータ(例
えば吸入空気量、スロットル開度等)を採用することと
してもよい。
成層燃焼及び均質燃焼を行いうる内燃機関の燃焼制御装
置において、成層燃焼及び均質燃焼いずれにおいても安
定した燃焼を得ることができ、特に、加速時或いは減速
時といった運転状態の過渡時においても好適な燃焼を確
保することができるという従来にはない優れた効果を奏
する。
る。
を示す概略構成図である。
る。
示すフローチャートである。
チン」を示すフローチャートである。
ルーチン」を示すフローチャートである。
ルーチン」を示すフローチャートである。
動を示すタイミングチャートである。
ングチャートである。
1…燃料噴射手段としての燃料噴射弁、25…運転状態
検出手段を構成するスロットルセンサ、26A…運転状
態検出手段を構成するアクセルセンサ、26B…運転状
態検出手段を構成する全閉スイッチ、27…運転状態検
出手段を構成する上死点センサ、28…運転状態検出手
段を構成するクランク角センサ、29…運転状態検出手
段を構成するスワールコントロールバルブセンサ、30
…燃焼制御手段、成層用噴射制御手段及び均質用噴射制
御手段を構成するECU。
Claims (2)
- 【請求項1】 内燃機関の気筒内に燃料を噴射する燃料
噴射手段と、 前記内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段
と、 前記運転状態検出手段の検出結果に基づき、前記内燃機
関の燃焼状態を成層燃焼とするか均質燃焼とするかを判
別し、その判別結果に応じて少なくとも前記燃料噴射手
段を制御して成層燃焼或いは均質燃焼を実行する燃焼制
御手段とを備えた内燃機関の燃焼制御装置であって、 前記燃焼制御手段にて判別された燃焼状態が成層燃焼の
場合に、前記運転状態検出手段により検出されるそのと
きどきの運転状態に応じて燃料噴射時間、燃料噴射時期
を算出するとともにセットタイミングを設定し、当該セ
ットタイミングにおいて、前記算出される燃料噴射時
間、燃料噴射時期を目標燃料噴射時間、目標燃料噴射時
期としてセットし、それら目標燃料噴射時間、目標燃料
噴射時期に基づいて燃料噴射量制御、燃料噴射時期制御
をそれぞれ実行する成層用噴射制御手段と、 前記燃焼制御手段にて判別された燃焼状態が均質燃焼の
場合に、前記運転状態検出手段により検出されるそのと
きどきの運転状態に応じて燃料噴射時間、燃料噴射時期
を算出するとともにセットタイミングを設定し、当該セ
ットタイミングにおいて、前記算出される燃料噴射時
間、燃料噴射時期を目標燃料噴射時間、目標燃料噴射時
期としてセットし、当該目標燃料噴射時期に基づいて燃
料噴射時期制御を実行する一方、燃料噴射が開始される
直前において、前記運転状態に応じて算出される最新の
燃料噴射時間を前記目標燃料噴射時間としてセットし直
し、当該再セットされた目標燃料噴射時間に基づいて燃
料噴射量制御を実行する均質用噴射制御手段とを備えた
ことを特徴とする内燃機関の燃焼制御装置。 - 【請求項2】 前記成層用噴射制御手段は、前記運転状
態検出手段により検出されるそのときどきの運転状態に
応じて点火時期を併せて算出し、前記設定されるセット
タイミングにおいて、前記算出される点火時期を目標点
火時期としてセットし、当該目標点火時期に基づいて点
火時期制御を実行する請求項1記載の内燃機関の燃焼制
御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14010596A JP3173375B2 (ja) | 1996-06-03 | 1996-06-03 | 内燃機関の燃焼制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14010596A JP3173375B2 (ja) | 1996-06-03 | 1996-06-03 | 内燃機関の燃焼制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09324675A JPH09324675A (ja) | 1997-12-16 |
JP3173375B2 true JP3173375B2 (ja) | 2001-06-04 |
Family
ID=15261061
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14010596A Expired - Lifetime JP3173375B2 (ja) | 1996-06-03 | 1996-06-03 | 内燃機関の燃焼制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3173375B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001059442A (ja) | 1999-08-23 | 2001-03-06 | Ngk Spark Plug Co Ltd | 燃料直噴エンジンの制御方法及び記憶媒体 |
DE102004014369A1 (de) * | 2004-03-24 | 2005-10-13 | Robert Bosch Gmbh | Verfahren zur Steuerung einer Brennkraftmaschine |
-
1996
- 1996-06-03 JP JP14010596A patent/JP3173375B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09324675A (ja) | 1997-12-16 |
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