JP3379165B2 - 筒内噴射式火花点火機関 - Google Patents

筒内噴射式火花点火機関

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JP3379165B2
JP3379165B2 JP25409893A JP25409893A JP3379165B2 JP 3379165 B2 JP3379165 B2 JP 3379165B2 JP 25409893 A JP25409893 A JP 25409893A JP 25409893 A JP25409893 A JP 25409893A JP 3379165 B2 JP3379165 B2 JP 3379165B2
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fuel
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、少なくとも特定運転領
域において気筒内へ直接燃料を噴射し、それにより形成
される混合気を点火栓により着火燃焼させる筒内噴射式
火花点火機関に関する。
【0002】
【従来の技術】特開平2−115542号公報には、筒
内へ直接燃料を噴射する第1噴射弁と、吸気通路へ燃料
を噴射する第2噴射弁とを具備し、機関低負荷時には主
に第1噴射弁を使用することにより低燃費の成層燃焼を
実行し、機関高負荷時には主に第2噴射弁を使用するこ
とにより高出力の均一燃焼を実行する内燃機関におい
て、フューエルカット復帰時には低負荷運転状態であっ
ても主に第2噴射弁を使用する内燃機関が記載されてい
る。
【0003】このフューエルカット復帰時の低負荷運転
状態における第2噴射弁を使用しての燃料噴射は、燃焼
室内が低温度である場合に第1噴射弁から噴射された燃
料では霧化せず、また燃焼室内が高温度である場合に第
1噴射弁内で燃料が気化して所望量の燃料が供給されな
いことを防止することを意図している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一般的に、フューエル
カットの強制復帰時及び機関急加速時のようにアクセル
ペダルが急激に踏み込まれる時には、スロットル弁が所
望の開度に達しても吸気量はそれに追従して瞬間的には
増加せず、かなりの応答遅れが発生する。一方、気筒内
へ直接燃料を噴射する噴射弁は、噴射した燃料が吸気通
路壁面等に付着することはないために、機関運転状態に
応じた燃料量は確実に燃焼室内へ供給される。それによ
り、筒内噴射が実行される運転領域において、フューエ
ルカット強制復帰時及び機関急加速時に形成される混合
気空燃比は目標値よりかなりリッチ側となり、スモーク
が発生する。また、機関急減速時には逆にかなりリーン
側となり、失火が発生する可能性がある。
【0005】前述の従来技術は、フューエルカット復帰
時に吸気通路壁面への燃料付着を伴う第2噴射弁が使用
されるために、結果的にこの時に形成される混合気空燃
比はそれほどリッチ側となることはなく、スモークの発
生は防止されるが、機関低負荷時である場合に成層燃焼
が実行されず、燃費が悪化する。また、依然として機関
急加速時におけるスモークの発生及び機関急減速時にお
ける失火の発生を防止することはできない。
【0006】従って、本発明の目的は、少なくとも特定
運転領域に筒内噴射が実行される筒内噴射式火花点火機
関において、この運転領域において、アクセルペダルの
踏み込み量が急激に変化する時にも筒内噴射を実行して
所望の空燃比を実現することができる筒内噴射式火花点
火機関を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による筒内噴射式
火花点火機関は、気筒内へ直接燃料を噴射する燃料噴射
弁と、排気通路と、吸気通路と、前記吸気通路内に配置
されたスロットル弁と、機関運転状態に応じた目標スロ
ットル弁開度を決定する第1決定手段と、前記第1決定
手段により決定される目標スロットル弁開度となるよう
に前記スロットル弁を駆動する第1駆動手段と、前記排
気通路と前記吸気通路とを連通する排気ガス再循環通路
と、前記排気ガス再循環通路内に配置された制御弁と、
機関運転状態に応じた目標制御弁開度を決定する第2決
定手段と、前記第2決定手段により決定される目標制御
弁開度となるように前記制御弁を駆動する第2駆動手段
と、アクセルペダルの踏み込み変化量を検出する検出手
段と、前記燃料噴射弁が使用される運転領域において前
記検出手段により検出されるアクセルペダルの踏み込み
変化量が所定値以上である時に、その後の所定時間は前
記第1決定手段により決定される前記目標スロットル弁
開度を、吸気量の応答遅れを考慮して、この時の必要吸
気量が得られやすくする側に補正する第1補正手段と、
前記燃料噴射弁が使用される運転領域において前記検出
手段により検出されるアクセルペダルの踏み込み変化量
が前記所定値以上である時に、その後の所定時間は前記
第2決定手段により決定される前記目標制御弁開度を、
吸気量の応答遅れを考慮して、この時の必要吸気量が得
られやすくする側に補正する第2補正手段、とを具備す
ることを特徴とする。
【0008】
【作用】この筒内噴射式火花点火機関は、気筒内へ直接
燃料を噴射する燃料噴射弁と、スロットル弁と、排気ガ
ス再循環通路内に配置された制御弁とを具備し、第1決
定手段が機関運転状態に応じた目標スロットル弁開度を
決定し、第1駆動手段が第1決定手段により決定される
目標スロットル弁開度となるようにスロットル弁を駆動
し、第2決定手段が機関運転状態に応じた目標制御弁開
度を決定し、第2駆動手段が第2決定手段により決定さ
れる目標制御弁開度となるように制御弁を駆動し、検出
手段がアクセルペダルの踏み込み変化量を検出し、前述
の燃料噴射弁が使用される運転領域において検出手段に
より検出されるアクセルペダルの踏み込み変化量が所定
値以上である時に、その後の所定時間は、第1補正手段
が、第1決定手段により決定される目標スロットル弁開
度を、吸気量の応答遅れを考慮して、この時の必要吸気
量が得られやすくする側に補正し、前述の燃料噴射弁が
使用される運転領域において検出手段により検出される
アクセルペダルの踏み込み変化量が所定値以上である時
に、その後の所定時間は、第2補正手段が、第2決定手
段により決定される目標制御弁開度を、吸気量の応答遅
れを考慮して、この時の必要吸気量が得られやすくする
側に補正する
【0009】
【実施例】図1は、本発明による筒内噴射式火花点火機
関の概略断面図である。同図において、1は燃焼室、2
はピストン、3は吸気弁4を介して燃焼室1に通じる吸
気通路、5は排気弁6を介して燃焼室1に通じる排気通
路である。7は燃焼室1内に直接燃料を噴射するための
燃料噴射弁であり、この燃料噴射弁7により圧縮行程末
期に燃料噴射が実行され、各運転領域において低燃費の
成層燃焼が実行されるようになっている。また8は点火
プラグである。
【0010】吸気通路3にはスロットル弁9が配置さ
れ、このスロットル弁9はアクセルペダル(図示せず)
に連動するものではなく、ステップモータ等の第1駆動
装置10によって独自に駆動されるものである。吸気通
路3のスロットル弁9下流と排気通路5とは、排気ガス
再循環通路11によって連通され、この排気ガス再循環
通路11内には、循環させる排気ガス量を制御するため
の制御弁12が配置されている。13はこの制御弁12
を駆動するためのステップモータ等の第2駆動装置であ
る。
【0011】20は、燃料噴射弁7を介しての燃料噴射
量制御、第1駆動装置10を介してのスロットル弁9の
開度制御、及び第2駆動装置13を介しての制御弁12
の開度制御を担当する制御装置であり、機関負荷として
のアクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセルペダ
ルストロークセンサ21、機関回転数を検出するための
回転センサ22、及び機関温度としての冷却水温を検出
する冷却水温センサ23等の機関運転状態を決定するた
めのセンサが接続されている。
【0012】スロットル弁9の開度制御は、図2に示す
第1フローチャートに従って実行される。本フローチャ
ートは機関始動と同時に実行され、機関一回転毎に繰り
返されるものである。まずステップ101において、ア
クセルペダルストロークセンサ21によって現在のアク
セルペダルの踏み込み量L1が検出される。次にステッ
プ102において、機関負荷に相当するこの踏み込み量
L1を基に図5に示す第1マップの実線によって目標ス
ロットル弁開度θ1が決定される。
【0013】次にステップ103において、後述される
第1カウント値naが0であるかどうかが判断される。
当初、この判断は肯定されてステップ104に進み、同
様な第2カウント値nbが0であるかどうかが判断され
る。当初、この判断も肯定され、ステップ105に進
む。
【0014】ステップ105において、現在のアクセル
ペダルの踏み込み量L1と前回の踏み込み量L0との差
が所定値α以上であるかどうかが判断され、この判断が
否定される時はステップ106に進み、前回の踏み込み
量L0と今回の踏み込み量L1との差が所定値β以上で
あるかどうかが判断される。
【0015】この判断が否定される時、すなわちアクセ
ルペダルの踏み込み変化量は比較的小さい時は、それに
伴うスロットル弁9の開度変化量も小さく、この時には
所望量の吸気が燃焼室1内へ供給されるために、ステッ
プ102において決定された目標スロットル弁開度θ1
は補正の必要はなく、ステップ107において、スロッ
トル弁9の実際の開度θ1’はこの開度θ1とされ、ス
テップ108において、この実際の開度θ1’が実現さ
れるように第1駆動装置10が作動される。この時、実
際の開度θ1’が100%を上回らないように、またア
イドル時の最小開度を下回らないようにガード処理が実
行される。次にステップ109に進み今回のアクセルペ
ダルの踏み込み量L1を前回の踏み込み量L0として終
了する。
【0016】一方、ステップ105における判断が肯定
される時、すなわちアクセルペダルの踏み込み変化量が
大きな機関急加速時又はフューエルカットの強制復帰時
には、ステップ110に進み、当初0にリセットされて
いる第1カウント値naは1だけ増加される。次にステ
ップ111に進み、ステップ102において決定された
目標スロットル弁開度θ1はこの時のカウント値naに
対応する係数KAna倍されて補正される。
【0017】次にステップ112において、第1カウン
ト値naが所定値MAに達しているかどうかが判断さ
れ、当初この判断は否定されてステップ107に進み、
スロットル弁9の実際の開度θ1’はステップ111に
おいて補正された開度θ1とされる。一度ステップ11
0を通過すると、次回の処理においてステップ103の
判断が否定され、強制的にステップ110以降の処理が
実行され、ステップ112における判断が肯定されてス
テップ113において第1カウント値naが0にリセッ
トされるまで、すなわちMA回繰り返される。
【0018】前述した係数KAnaは、図6の第2マップ
に示すように1より大きな値であり、以上説明した流れ
によって、機関急加速時又はフューエルカットの強制復
帰時には、スロットル弁9の開度は、図8に示すタイム
チャートのように、時間t1からの所定時間(フローチ
ャートの実行間隔*MA)の間、機関負荷に応じて与え
られる目標スロットル弁開度が増加され、この増加割合
は徐々に大きくされた後、徐々に小さくされるようにな
っている。従って、この時に発生する吸気量増加の応答
遅れは、目標以上にスロットル弁9が開弁されることで
緩和されるために、吸気不足によって混合気空燃比が目
標値よりリッチ側となることは防止され、所望の空燃比
を実現することができる。また、特に、所定時間経過後
において、緩やかにこの時の機関負荷に対応する目標ス
ロットル弁開度に戻されているために、この時に急激に
吸気量が減少してトルクショックが発生することはな
い。
【0019】一方、ステップ106における判断が肯定
される時、すなわちアクセルペダルの踏み込み変化量が
大きな機関急減速時には、ステップ114に進み、当初
0にリセットされている第2カウント値nbは1だけ増
加される。次にステップ115に進み、ステップ102
において決定された目標スロットル弁開度θ1はこの時
のカウント値nbに対応する係数KBnb倍されて補正さ
れる。次にステップ116に進み、第2カウント値na
が所定値MBに達しているかどうかが判断され、当初こ
の判断は否定されてステップ107に進み、スロットル
弁9の実際の開度θ1’はステップ115において補正
された開度θ1とされる。一度ステップ114を通過す
ると、次回の処理においてステップ104の判断が否定
され、強制的にステップ114以降の処理が実行され、
ステップ117における判断が肯定されてステップ11
7において第2カウント値nbが0にリセットされるま
で、すなわちMB回繰り返される。
【0020】前述した係数KBnbは、図7の第3マップ
に示すように1より小さな正数であり、以上説明した流
れによって、機関急減速時には、スロットル弁9の開度
は、図8に示すタイムチャートのように、時間t2から
の所定時間(フローチャートの実行間隔*MB)の間、
機関負荷に応じて与えられる目標スロットル弁開度が減
少され、この減少割合は徐々に大きくされた後、徐々に
小さくされるようになっている。従って、この時に発生
する吸気量減少の応答遅れは、目標以上にスロットル弁
9を閉弁することで緩和されるために、吸気過多によっ
て混合気空燃比が目標値よりリーン側となることは防止
され、所望の空燃比を実現することができる。また、特
に、所定時間経過後において、緩やかにこの時の機関負
荷に対応する目標スロットル弁開度に戻されているため
に、この時に急激に吸気量が増加してトルクショックが
発生することはない。
【0021】このように、アクセルペダルの踏み込み変
化量が所定値以上である場合において、その後の所定時
間は、機関負荷に応じて決定される目標スロットル弁開
度が、アクセルペダルの踏み込み量の増加時には増加側
に、またアクセルペダルの踏み込み量の減少時には減少
側に補正され、すなわち、この時の吸気遅れに対して、
目標スロットル弁開度は必要吸気量が得られやすくなる
側に補正されるために、吸気量の過不足によって所望の
空燃比が実現されず、失火及びスモークが発生すること
は防止される。
【0022】また、制御弁11の開度制御は、図3に示
す第2フローチャートに従って実行される。本フローチ
ャートも機関始動と同時に実行され、機関一回転毎に繰
り返されるものである。まずステップ201において、
アクセルペダルストロークセンサ21によって現在のア
クセルペダルの踏み込み量L1が検出される。次にステ
ップ202において、機関負荷に相当するこの踏み込み
量L1を基に図5に示す第1マップの点線によって目標
制御弁開度θ2が決定される。
【0023】以下の処理は基本的な考え方が前述の第1
フローチャートと同様であり、違いのみを説明する。前
述同様、ステップ206において、現在のアクセルペダ
ルの踏み込み量L1と前回の踏み込み量L0との差が所
定値α以上であるかどうかが判断されるが、この判断の
前にステップ205において、現在のアクセルペダルの
踏み込み量L1が設定値A以下であるかどうかが判断さ
れる。この判断が肯定される時、すなわち機関低負荷時
は、ステップ206における判断を行うことなくステッ
プ207に進み、前回の踏み込み量L0と今回の踏み込
み量L1との差が所定値β以上であるかどうかが判断さ
れる。
【0024】この判断が否定される時、すなわちアクセ
ルペダルの踏み込み変化量は比較的小さい時は、それに
伴うスロットル弁9の開度変化量も小さく、この時には
所望量の吸気が燃焼室1内へ供給されるために、ステッ
プ202において決定された目標制御弁開度θ2は補正
の必要はなく、ステップ208において、制御弁12の
実際の開度θ2’はこの開度θ2とされ、ステップ20
9において、この実際の開度θ2’が実現されるように
第2駆動装置13が作動される。この時、実際の開度θ
2’が100%を上回らないようにガード処理が実行さ
れる。
【0025】ステップ206の判断が肯定される時、す
なわちアクセルペダルの踏み込み変化量が大きな機関急
加速時又はフューエルカットの強制復帰時には、ステッ
プ211以降の処理が実行される。この処理で、ステッ
プ202において決定された基本制御弁開度θ2はこの
時のカウント値ncに対応する係数KCnc倍されて補正
される。この係数KCncは、前述の係数KBnbと同様な
傾向を示す1より小さな正数であるために、この時に
は、制御弁12の開度は、図9に示すタイムチャートの
ように、時間t1からの所定時間(フローチャートの実
行間隔*MC)の間、機関負荷に応じて与えられる目標
制御弁開度が減少され、この減少割合は徐々に大きくさ
れた後、徐々に小さくされるようになっている。従っ
て、この時に発生する吸気量増加の応答遅れは、再循環
させる排気ガス量を減少することによって吸気が燃焼室
1内へ流入しやすくなって緩和されるために、吸気不足
によって混合気空燃比が目標値よりリッチ側となること
は防止され、所望の空燃比を実現することができる。ま
た、特に、所定時間経過後において、緩やかにこの時の
機関負荷に対応する目標制御弁開度に戻されているため
に、この時に再循環排気ガス量が急激に増加してトルク
ショックが発生することはない。
【0026】一方、ステップ207における判断が肯定
される時、すなわちアクセルペダルの踏み込み変化量が
大きな機関急減速時には、ステップ215以降の処理が
実行される。この処理で、ステップ202において決定
された目標制御弁開度θ2はこの時のカウント値ndに
対応する係数KDnd倍されて補正される。この係数KD
ndは、前述の係数KAnaと同様な傾向を示す1より大き
な値であるために、この時には、制御弁12の開度は、
図9に示すタイムチャートのように、時間t2からの所
定時間(フローチャートの実行間隔*MD)の間、機関
負荷に応じて与えられる目標制御弁開度が増加され、こ
の増加割合は徐々に大きくされた後、徐々に小さくされ
るようになっている。従って、この時に発生する吸気量
減少の応答遅れは、再循環させる排気ガス量を増加する
ことによって吸気が燃焼室1内へ流入しにくくなって緩
和されるために、吸気過多によって混合気空燃比が目標
値よりリーン側となることは防止され、所望の空燃比を
実現することができる。また、特に、所定時間経過後に
おいて、緩やかにこの時の機関負荷に対応する基本制御
弁開度に戻されているために、この時に再循環排気ガス
量が急激に減少してトルクショックが発生することはな
い。
【0027】このように、アクセルペダルの踏み込み変
化量が所定値以上である場合において、その後の所定時
間は、機関負荷に応じて決定される目標制御弁開度が、
アクセルペダルの踏み込み量の増加時には減少側に、ま
たアクセルペダルの踏み込み量の減少時には増加側に補
正され、すなわち、この時の吸気遅れに対して、目標制
御弁開度は再循環排気ガス量を変化させることにより必
要吸気量が得られらやすくなる側に補正されるために、
吸気量の過不足によって所望の空燃比が実現されず、失
火及びスモークが発生することは防止される。ただし、
ステップ205の判断が設けられており、機関低負荷時
は、ステップ211以降の目標開度を減少する補正は行
わないようになっている。これは、機関低負荷時は吸気
通路3内の負圧の程度が大きく、この時に制御弁11が
目標以上に閉弁されると、大きなポンピングロスが発生
して出力低下がもたらされるためである。
【0028】燃料噴射量制御は、図4に示す第3フロー
チャートに従って実行される。本フローチャートも機関
始動と同時に実行され、機関一回転毎に繰り返されるも
のである。まずステップ301において、アクセルペダ
ルストロークセンサ21により現在のアクセルペダルの
踏み込み量L1及び回転センサ22により機関回転数N
が検出される。次にステップ302において、機関負荷
に相当するこの踏み込み量L1と機関回転数Nを基に目
標燃料噴射量Qが決定される。
【0029】以下の処理は基本的な考え方が前述の第2
フローチャートと同様であり、違いのみを説明する。前
述同様、ステップ306において、現在のアクセルペダ
ルの踏み込み量L1と前回の踏み込み量L0との差が所
定値α以上であるかどうかが判断され、この判断が否定
される時にはステップ307に進み、前回の踏み込み量
L0と今回の踏み込み量L1との差が所定値β以上であ
るかどうかが判断される。
【0030】この判断が否定される時、すなわちアクセ
ルペダルの踏み込み変化量は比較的小さい時は、それに
伴うスロットル弁9の開度変化量も小さく、この時には
所望量の吸気が燃焼室1内へ供給されるために、ステッ
プ302において決定された目標燃料噴射量Qは補正の
必要はなく、ステップ308において、実際の燃料噴射
量Q’はこの目標燃料噴射量Qとされ、ステップ309
において、この燃料噴射量Q’を基に燃料噴射が実行さ
れる。
【0031】ステップ306の判断が肯定される時、す
なわちアクセルペダルの踏み込み変化量が大きな機関急
加速時又はフューエルカットの強制復帰時には、ステッ
プ311以降の処理が実行される。この処理で、ステッ
プ302において決定された目標燃料噴射量Qはこの時
のカウント値neに対応する係数KEne倍されて補正さ
れる。この係数KEneは、前述の係数KEnbと同様な傾
向を示す1より小さな正数であるために、この時には、
実際の燃料噴射量は、図10に示すタイムチャートのよ
うに、時間t1からの所定時間(フローチャートの実行
間隔*ME)の間、機関運転状態に応じて与えられる目
標燃料噴射量が減少され、この減少割合は徐々に大きく
された後、徐々に小さくされるようになっている。従っ
て、この時に発生する吸気量増加の応答遅れに対して、
燃料噴射量が減少されるために、混合気空燃比が目標値
よりリッチ側となることは防止され、所望の空燃比を実
現することができる。また、特に、所定時間経過後にお
いて、緩やかにこの時の機関運転状態に対応する目標燃
料噴射量に戻されているために、この時に燃料噴射量が
急激に増加してトルクショックが発生することはない。
【0032】一方、ステップ307における判断が肯定
される時、すなわちアクセルペダルの踏み込み変化量が
大きな機関急減速時には、ステップ315以降の処理が
実行される。この処理で、ステップ302において決定
された目標燃料噴射量Qはこの時のカウント値nfに対
応する係数KFnf倍されて補正される。この係数KFnf
は、前述の係数KAnaと同様な傾向を示す1より大きな
値であるために、この時には、実際の燃料噴射量Q’
は、図10のタイムチャートに示すように、時間t2か
らの所定時間(フローチャートの実行間隔*MF)の
間、機関運転状態に応じて与えられる目標燃料噴射量が
増加され、この増加割合は徐々に大きくされた後、徐々
に小さくされるようになっている。従って、この時に発
生する吸気量減少の応答遅れに対して、燃料噴射量が増
加されるために、混合気空燃比が目標値よりリーン側と
なることは防止され、所望の空燃比を実現することがで
きる。また、特に、所定時間経過後において、緩やかに
この時の機関負荷に対応する目標燃料噴射量に戻されて
いるために、この時に燃料噴射量が急激に減少してトル
クショックが発生することはない。
【0033】このように、アクセルペダルの踏み込み変
化量が所定値以上である場合において、その後の所定時
間は、機関負荷及び回転数に応じて決定される目標燃料
噴射量が、アクセルペダルの踏み込み量の増加時には減
少側に、またアクセルペダルの踏み込み量の減少時には
増加側に補正され、すなわち、この時の吸気遅れに対し
て、燃料噴射量はこの時の空燃比が所望の空燃比に近づ
けられる側に補正されるために、失火及び失火及びスモ
ークが発生することは防止される。ただし、ステップ3
05の判断が設けられており、機関低負荷時は、ステッ
プ311以降の目標燃料噴射量を減少する補正は行わな
いようになっている。これは、機関低負荷時は目標燃料
噴射量が少なく、これを減少させると、失火が発生する
可能性があるためである。
【0034】本実施例において、各制御の増減補正時間
を決定する所定値MA、MB、MC、MD、ME、MF
は各増減補正に適した値が設定されており、これらをア
クセルペダルの踏み込み変化量の応じた変数とすること
も可能である。また各増加補正係数KAna、KDnd、K
Fnfは、1より大きな固定最適値とすることも可能であ
り、各減少補正係数KBnb、KCnc、KEneは、1より
小さな固定最適値とすることも可能である。
【0035】本実施例は、気筒内に燃料を噴射する燃料
噴射弁7だけを有する筒内噴射式火花点火機関を示した
が、例えば、さらに吸気通路に燃料を噴射するもう一つ
の燃料噴射弁を有する内燃機関であっても、筒内噴射が
実行される運転領域において前述の制御を行うことで、
筒内噴射を中止することなくアクセルペダルの踏み込み
量が急激に変化する時に、所望の空燃比を実現すること
ができる。
【0036】本実施例において、前述の三つの制御は同
時に実行するようにしたが、これは本発明を限定するも
のではなく、いずれは一つ又は二つだけを実行し、他は
通常の制御としても比較的良好に所望空燃比を実現する
ことができる。但し、スロットル弁の開度制御は、機関
高負荷時において目標スロットル弁開度が既に全開、す
なわち100%となっており、この時には増加補正は行
うことはできず、また機関低負荷時において、目標スロ
ットル弁開度がアイドル開度近傍である時には減少補正
は行うことはできない。さらに、前述したように、機関
低負荷時において、制御弁開度及び燃料噴射量の減少補
正は好ましくなく、また排気ガス再循環は多少の燃焼悪
化を伴うために、通常機関高負荷時には行われておら
ず、従ってこの時には制御弁12は全閉であるために、
増加及び減少補正は行うことができない。このように、
各制御には補正不可能な運転領域があり、このような運
転領域が存在しないように前述の三つの制御の少なくと
も二つを組み合わせて実行することが好ましい。
【0037】
【発明の効果】このように、本発明による第1の筒内噴
射式火花点火機関によれば、気筒内へ直接燃料を噴射す
る燃料噴射弁と、排気通路と、吸気通路と、吸気通路内
に配置されたスロットル弁と、機関運転状態に応じた目
標スロットル弁開度を決定する第1決定手段と、第1決
定手段により決定される目標スロットル弁開度となるよ
うにスロットル弁を駆動する第1駆動手段と、排気通路
と吸気通路とを連通する排気ガス再循環通路と、排気ガ
ス再循環通路内に配置された制御弁と、機関運転状態に
応じた目標制御弁開度を決定する第2決定手段と、第2
決定手段により決定される目標制御弁開度となるように
制御弁を駆動する第2駆動手段と、アクセルペダルの踏
み込み変化量を検出する検出手段とが設けられ、この燃
料噴射弁が使用される運転領域において検出手段により
検出されるアクセルペダルの踏み込み変化量が所定値以
上である時には、その後の所定時間は第1決定手段によ
り決定される目標スロットル弁開度は、吸気量の応答遅
れを考慮して、この時の必要吸気量が得られやすくする
側に補正され、また、その後の所定時間は第2決定手段
により決定される目標制御弁開度は、吸気量の応答遅れ
を考慮して、この時の必要吸気量が得られやすくする側
に補正されるために、吸気増減遅れによる吸気量の過不
足によって所望の空燃比が実現されず、失火及びスモー
クが発生することは防止される。
【0038】
【0039】また、本発明による第の筒内噴射式火花
点火機関によれば、前述の第1の筒内噴射式火花点火機
関において、さらに、機関運転状態に応じた目標燃料噴
射量を決定する第3決定手段と、第3決定手段により決
定される目標燃料噴射量となるように燃料噴射弁を制御
する制御手段とが設けられ、この燃料噴射弁が使用され
る運転領域において検出手段により検出されるアクセル
ペダルの踏み込み変化量が所定値以上である時に、その
後の所定時間は第3決定手段により決定される目標燃料
噴射量は、吸気量の応答遅れを考慮して、この時の空燃
比が所望の空燃比に近づけられる側に補正されるため
に、吸気増減遅れによる吸気量の過不足が起きても、所
望の空燃比を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による筒内噴射式火花点火機関の概略断
面図である。
【図2】スロットル弁の開度制御のための第1フローチ
ャートである。
【図3】制御弁の開度制御のための第2フローチャート
である。
【図4】燃料噴射量制御のための第3フローチャートで
ある。
【図5】スロットル弁及び制御弁の目標開度決定のため
の第1マップである。
【図6】第1フローチャートに使用される係数KAna決
定のための第2マップである。
【図7】第1フローチャートに使用される係数KBnb決
定のための第3マップである。
【図8】実際のスロットル弁開度を示すタイムチャート
である。
【図9】実際の制御弁開度を示すタイムチャートであ
る。
【図10】実際の燃料噴射量を示すタイムチャートであ
る。
【符号の説明】
1…燃焼室 3…吸気通路 5…排気通路 7…燃料噴射弁 8…点火プラグ 9…スロットル弁 10…第1駆動装置 11…排気ガス再循環通路 12…制御弁 13…第2駆動装置
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F02D 41/12 310 F02D 41/12 310 41/14 320 41/14 320C F02M 25/07 550 F02M 25/07 550F 550R (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 41/00 - 45/00 F02M 25/07

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気筒内へ直接燃料を噴射する燃料噴射弁
    と、排気通路と、吸気通路と、前記吸気通路内に配置さ
    れたスロットル弁と、機関運転状態に応じた目標スロッ
    トル弁開度を決定する第1決定手段と、前記第1決定手
    段により決定される目標スロットル弁開度となるように
    前記スロットル弁を駆動する第1駆動手段と、前記排気
    通路と前記吸気通路とを連通する排気ガス再循環通路
    と、前記排気ガス再循環通路内に配置された制御弁と、
    機関運転状態に応じた目標制御弁開度を決定する第2決
    定手段と、前記第2決定手段により決定される目標制御
    弁開度となるように前記制御弁を駆動する第2駆動手段
    と、アクセルペダルの踏み込み変化量を検出する検出手
    段と、前記燃料噴射弁が使用される運転領域において前
    記検出手段により検出されるアクセルペダルの踏み込み
    変化量が所定値以上である時に、その後の所定時間は前
    記第1決定手段により決定される前記目標スロットル弁
    開度を、吸気量の応答遅れを考慮して、この時の必要吸
    気量が得られやすくする側に補正する第1補正手段と、
    前記燃料噴射弁が使用される運転領域において前記検出
    手段により検出されるアクセルペダルの踏み込み変化量
    が前記所定値以上である時に、その後の所定時間は前記
    第2決定手段により決定される前記目標制御弁開度を、
    吸気量の応答遅れを考慮して、この時の必要吸気量が得
    られやすくする側に補正する第2補正手段、とを具備す
    ることを特徴とする筒内噴射式火花点火機関。
  2. 【請求項2】 さらに、機関運転状態に応じた目標燃料
    噴射量を決定する第3決定手段と、前記第3決定手段に
    より決定される目標燃料噴射量となるように前記燃料噴
    射弁を制御する制御手段と、前記燃料噴射弁が使用され
    る運転領域において前記検出手段により検出されるアク
    セルペダルの踏み込み変化量が前記所定値以上である時
    に、その後の所定時間は前記第3決定手段により決定さ
    れる前記目標燃料噴射量を、吸気量の応答遅れを考慮し
    て、この時の空燃比が所望の空燃比に近づけられる側に
    補正する第3補正手段、とを具備することを特徴とする
    請求項1に記載の筒内噴射式火花点火機関。
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