JPH1089209A - 点火制御装置 - Google Patents

点火制御装置

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JPH1089209A
JPH1089209A JP8249987A JP24998796A JPH1089209A JP H1089209 A JPH1089209 A JP H1089209A JP 8249987 A JP8249987 A JP 8249987A JP 24998796 A JP24998796 A JP 24998796A JP H1089209 A JPH1089209 A JP H1089209A
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JP
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cylinder
ignition
energization time
correction amount
cpu
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JP8249987A
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Inventor
Kenji Hayashi
憲示 林
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
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    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/40Engine management systems

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  • Ignition Installations For Internal Combustion Engines (AREA)
  • Electrical Control Of Ignition Timing (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】各気筒の爆発力に対して点火エネルギーを調整
してエンジンの回転速度を一定にしエンジンの振動を抑
制する点火制御装置を提供することを目的とする。 【解決手段】ECU20のCPU21は、各気筒の爆発
力を検出する。CPU21は、その検出した爆発力に対
して点火コイルIGC1 〜IGC3 の通電時間を演算し
その通電時間を点火タイミング信号IGC1 〜IGC3
のパルス幅に反映させてイグナイタ30に出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】
【0002】
【従来の技術】一般に多気筒エンジンにおいて、各気筒
間で空燃比、点火時期、圧縮比等により若干のバラツキ
が生じ、各気筒毎の発生トルクに差ができエンジン回転
速度が変動して、エンジンが振動するといった問題があ
った。そこで、特開昭59−201972において、各
気筒毎のエンジン回転速度から、爆発力の弱い気筒を求
め、その爆発力の弱い気筒の点火時期を進めて爆発力を
高め気筒間の燃焼バラツキを抑える技術が提案されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記技術
は、気筒の点火時期を進めることで、該気筒の爆発力を
高めようとするものであるが、点火時の点火エネルギー
が小さい場合には火花は弱く燃焼が弱い。従って、この
ような場合には、点火時期を進めても爆発力を強める効
果は発揮されない。
【0004】本発明の目的は、各気筒毎にその爆発力に
対して点火エネルギーを調整してエンジンの回転速度を
一定にしてエンジンの振動を抑制するようにした点火制
御装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、各気
筒の爆発力を検出する爆発力検出手段と、前記検出手段
にて検出された爆発力に対して点火コイルへの通電時間
を可変する通電時間可変手段とからなる点火制御装置を
その要旨とする。
【0006】請求項1の発明によれば、爆発力検出手段
にて検出された各気筒の爆発力に対して通電時間可変手
段は点火コイルへの通電時間を可変する。点火コイルへ
の通電時間を長くすることは、点火プラグに印加される
電圧が高くなり点火プラグの火花の強さがより強くなる
ことを意味する。つまり、爆発力は点火コイルの通電時
間に基づいて調整される。従って、例えば、最も爆発力
の弱い気筒に対して通電時間を長くすることにより、該
気筒の爆発力の強さは増大し、他の気筒と同じ爆発力に
近づけることができる。その結果、エンジンの回転速度
が一定になりエンジンの振動が抑制される。
【0007】請求項2の発明は、請求項1に記載の点火
装置において、前記爆発力検出手段は、各気筒の爆発毎
のクランク軸回転時間偏差により、各気筒の爆発力を検
出するものである。
【0008】請求項2の発明によれば、爆発、即ち膨張
行程時におけるクランク軸回転時間偏差は、該気筒の爆
発力に比例する。その結果、爆発力検出手段により各気
筒の膨張行程時におけるクランク軸回転時間偏差を求め
ることによりどの気筒が爆発力が弱いか検出することが
できる。
【0009】請求項3の発明は、請求項1に記載の点火
装置において、前記通電時間可変手段にて設定された通
電時間が予め定めた通電時間以上になった時、その通電
時間の継続回数をカウントし予め定めた回数に到達した
時、点火コイル、イグナイタの少なくともいずれか一方
が故障と判断する判断手段を備えた。
【0010】請求項3の発明によれば、判断手段は通電
時間可変手段にて設定した通電時間が予め定めた通電時
間以上になりその通電時間の継続回数が予め定めた回数
に到達した時、点火コイル、イグナイタの少なくともい
ずれか一方が故障と判断する。従って、通電時間を制御
しても爆発力が弱い場合、点火コイル又はイグナイタ等
の故障であることが確認することができる。
【0011】請求項4の発明は、各気筒の爆発力を検出
する爆発力検出手段と、前記検出手段にて検出された爆
発力に対して点火コイルの点火時期を可変する点火時期
可変手段と、前記検出手段にて検出された爆発力に対し
て点火コイルへの通電時間を可変する通電時間可変手段
とからなる点火制御装置をその要旨とする。
【0012】請求項4の発明によれば、爆発力検出手段
にて検出された爆発力に対して点火時期可変手段は点火
時期を可変する。点火コイルへの点火時期を進めること
は、気筒の爆発力が強くなることを意味する。又、前記
爆発力検出手段にて検出された各気筒の爆発力に対して
通電時間可変手段は点火コイルへの通電時間を可変す
る。点火コイルへの通電時間を長くすることは、点火プ
ラグに印加される電圧が高くなり点火プラグの火花の強
さがより強くなることを意味する。つまり、爆発力は点
火コイルの通電時間に基づいて調整される。
【0013】従って、例えば、最も爆発力の弱い気筒に
対して点火時期を進めるとともに通電時間を長くするこ
とにより、該気筒の爆発力は増大し、他の気筒と同じ爆
発力に近づけることができる。その結果、エンジンの回
転速度が一定になりエンジンの振動が抑制される。
【0014】
【発明の実施の形態】
(第一実施形態)以下、本発明を6気筒用同時点火シス
テムに具体化した第一実施形態を図1〜7に従って説明
する。
【0015】図1は、同時点火システムの点火制御装置
を採用する6気筒エンジンの概略構成を示す構成図、図
2はその点火制御装置の電気的構成を示すブロック回路
図、図3はその点火制御装置を構成するイグナイタの電
気的構成を説明するための回路図である。
【0016】図1において、エンジン1は車両用の6気
筒エンジンであって、各気筒毎に点火プラグP1 〜P6
が設けられているとともに、サージタンク2から各気筒
に給気される通路中には気筒毎に燃料噴射用のインジェ
クタ3が設けられている。サージタンク2には吸気圧セ
ンサ4及び吸気温センサ5が設けられている。サージタ
ンク2の上流側に設けられた吸気管6にはスロットルバ
ルブ7が設けられ、そのスロットルバルブ7にはスロッ
トルセンサ8が設けられている。エンジン1本体には水
温センサ9が設けられている。各気筒からの燃焼ガスを
排出する排気管10の通路中には酸素センサ11が設け
られている。又、エンジン1のクランク軸15に駆動連
結されたディストリビューター12には、クランク角セ
ンサ13及びエンジン回転速度センサ14が内蔵されて
いる。
【0017】図2は前記6気筒エンジン1の各点火プラ
グP1 〜P6 を点火制御する点火制御装置の電気ブロッ
ク回路を示す。爆発力検出手段、通電時間可変手段及び
点火時期可変手段としての電子制御ユニット(以下、E
CUという)20は、中央処理装置(CPU)21、R
OM22、RAM23、バックアップRAM24、入出
力インタフェース(I/O)25、A/D変換器26等
からなるコンピュータであって、前記吸気圧センサ4か
らその時の吸気圧を示す吸気圧信号、吸気温センサ5か
らその時の吸気温を示す吸気温信号、スロットルセンサ
8からその時のスロットル開度を示すスロットル信号、
水温センサ9からその時の水温を示す水温信号、クラン
ク角センサ13からその時のクランク角基準位置を示す
基準位置信号及びエンジン回転速度センサ14からその
時のエンジン回転速度を示す回転速度信号を入力する。
【0018】又、ECU20は、図示しないエンジンス
タータの作動を示すスタータ信号STA、車載の図示し
ない空調装置の作動を示す空調信号A/C、及び、図示
しない車速センサから車速を示す車速信号SPDを入力
する。さらに、ECU20は、車に搭載されたバッテリ
Bから動作電源を入力するとともに、その時々のバッテ
リBの電圧VBを演算する。
【0019】そして、ECU20(CPU21)は、点
火時期演算処理、気筒別進角補正量演算処理、通電時間
演算処理をROM22に記憶された制御プログラムに従
って実行し、イグナイタ30に出力する各気筒に対する
点火タイミング信号IGT1〜IGT3を生成する。
又、ECU20(CPU21)は、前記処理結果に基づ
いて点火制御装置のイグナイタ30や点火コイルIGC
1〜IGC3等の電装部品の故障を判断し、運転席に設
けたチェックランプ28を点灯させるようになってい
る。
【0020】次に、ECU20(CPU21)が実行す
る気筒別進角補正量の演算処理、点火時期の演算処理、
及び、通電時間演算処理を図4〜図6に従って説明す
る。 (気筒別進角補正量ACYLi の演算処理)図4は、CPU
21がクランク角120度毎に実行する120℃A割込
ルーチンのフローチャートを示す。この割り込みルーチ
ンは、アイドリング運転を安定に行うための気筒毎の気
筒別進角補正量ACYLi の演算が行われる。
【0021】ステップ20において、CPU21は、今
何番気筒の膨張行程が終了したか判別する。そして、C
PU21は、i気筒(iは気筒番号であって、1〜6)
の膨張行程が終了したことを判別すると、ステップ21
に移る。
【0022】ステップ21において、CPU21はエン
ジン回転速度センサ14から回転速度信号、スロットル
センサ8のスロットル信号、車速信号SPD、スタータ
信号STA等からアイドリング運転状態にあるかどうか
を判断する。
【0023】CPU21は、アイドリング運転状態であ
ると判断すると、ステップ22に移り、該i気筒の膨張
行程時のクランク軸回転時間偏差DTCYL を算出する。即
ち、i気筒の膨張行程におけるクランク軸15が最上死
点を基準としてその基準位置からクランク角30度まで
の30度を回転するのに要する時間T30、及び、クラン
ク軸15が最上死点を基準としてクランク角60度から
90度までの30度を回転するのに要する時間T32を算
出する。そして、この算出した時間T30から時間T32を
減じた偏差をクランク軸回転時間偏差DTCYL (=T30−
T32)として求める。つまり、爆発力が大きい時にはト
ルクが大きく偏差DTCYL も大きくなり、反対に爆発力が
小さい時には小さく偏差DTCYL が小さくなる。詳述する
と、膨張行程においてクランク軸15が最上死点から最
下死点に回転していくほど加速して回転速度が上がる。
従って、時間T30は、時間T32より長くなる。その結
果、爆発力(トルク)が強いほど加速度が大きくなり時
間T30に対して時間T32がより短くなることから、偏差
DTCYL (=T30−T32)は爆発力(トルク)が強いほど
大きくなる。つまり、偏差DTCYL を求めることによりそ
の時の該i気筒の爆発力(トルク)の強さがわかること
になる。
【0024】偏差DTCYL を求めRAM23に記憶した
後、CPU21はステップ23に移る。ステップ23に
おいて、CPU21は、該i気筒の偏差DTCYL のなまし
平均値DTSMi を算出する。つまり、単発的なノイズ等に
よる偏差DTCYL の変動を除去するためである。この演算
は、例えば以下のように行われる。
【0025】 DTSMi =(DTCYL −DTSMi1-1)/8+DTSMi1-1 …(1 ) 尚、DTSMi は、今回求めるなまし平均値である。DTSMi1
-1は、i気筒の前回の膨張行程時の時に求めたなまし平
均値である。
【0026】従って、ステップ22,23は、各気筒の
爆発力検出処理を行っていることになる。i気筒のなま
し平均値DTSMi を算出すると、CPU21は、ステップ
24に移る。CPU21はステップ24に移ると、該偏
差DTCYL のなまし平均値DTSMi と他の気筒のなまし平均
値とを比較判別した後にステップ25に移る。ステップ
25において、CPU21は比較判別の結果に基づいて
該i気筒のための気筒別進角補正量ACYLi の更新処理を
行う。更新処理は以下のように行われる。
【0027】該i気筒のなまし平均値DTSMi が他の全気
筒のなまし平均値DTSMのなかで最も小さいとき該i気筒
の点火時期をより進角にすべく進角補正を行う。つま
り、CPU21は、その時の気筒別進角補正量ACYLi に
対して予め設定されている値KCYLINC (例えば1℃A)
を加えることによって新たな気筒別進角補正量ACYLi
(=ACYLi +KCYLINC )とする。尚、本実施形態では、
気筒別進角補正量ACYLi が10℃Aを超える値になると
き、前記進角補正を行わない。
【0028】又、CPU21は、該i気筒のなまし平均
値DTSMi が他の全気筒のなまし平均値DTSMのなかで最も
大きいとき該i気筒の点火時期をより遅角にすべく遅角
補正を行う。つまり、CPU21は、その時の該i気筒
の気筒別進角補正量ACYLi から前記値KCYLINC (1℃
A)を減算することによって新たな気筒別進角補正量AC
YLi (=ACYLi −KCYLINC )とする。尚、本実施形態で
は、気筒別進角補正量ACYLi が−5℃A未満の値になる
とき、前記遅角補正を行わない。
【0029】さらに、CPU21は、該i気筒のなまし
平均値DTSMi が他の全気筒のなまし平均値DTSMのなかで
最も大きくもなく最も小さくもない場合にはその時の気
筒別進角補正量ACYLi をそのまま該i気筒の気筒別進角
補正量ACYLi とし進角又は遅角補正を行わない。
【0030】ステップ25においてi気筒のための気筒
別進角補正量ACYLi が更新処理されると、CPU21は
その他の演算に移る。尚、アイドリング運転状態でない
場合には、CPU21はステップ21からステップ26
に移り、ステップ26において気筒別進角補正量ACYLi
をゼロとした後にその他の演算に移ることになる。
【0031】つまり、120℃A割り込みルーチンを実
行することによって、アイドリング運転時に最も回転の
低い気筒(爆発力の最も弱い気筒)の点火時期をより進
角にし、最も回転の高い気筒(爆発力の最も強い気筒)
の点火時期をより遅角にするための気筒別進角補正量AC
YLi が求められる。
【0032】(点火時期θi の演算処理)図5は、CP
U21が実行する点火時期演算ルーチンのフローチャー
トを示す。この点火時期演算ルーチンでは、気筒毎の点
火時期の演算が行われる。
【0033】まず、ステップ30において、CPU21
は何番気筒の点火時期算出かを判別する。そして、CP
U21が、例えばi気筒のタイミングであること判別す
るとステップ31に移る。
【0034】ステップ31において、CPU21は基本
点火時期θbaseの算出を行う。この基本点火時期θbase
の算出は、吸気圧センサ4による吸気圧力とエンジン回
転速度とから求めるようになっていて予め用意された吸
気圧力とエンジン回転速度に対する基本点火時期θbase
のマップから求められるようになっている。
【0035】基本点火時期θbaseが求められると、CP
U21はステップ32に移りアイドリング運転状態にあ
るかどうか判断する。この判断は前記した120℃A割
り込みルーチンにおけるステップ21と同様の判断であ
って、アイドリング運転中の場合にはステップ33に移
る。
【0036】ステップ33において、CPU21はi気
筒の点火時期θi のアイドリング補正を行う。つまり、
基本点火時期θbaseに前記した120℃A割り込みルー
チンで求めた気筒別進角補正量ACYLi を加えることによ
り、i気筒の点火時期θi (=θbase+ ACYLi)がアイ
ドリング補正される。
【0037】アイドリング補正が終了すると、CPU2
1はステップ34に移り、上記したアイドリング補正以
外の公知の点火補正がi気筒の点火時期θi (=θi +
C)に対して行われる。
【0038】アイドリング運転が行われない場合には、
CPU21はステップ33からステップ34に移り、C
PU21は公知の点火補正が行われる。つまり、点火時
期算出ルーチンは点火時期可変処理を行うようになって
いて、前記した120℃A割り込みルーチンで求めた気
筒別進角補正量ACYLi を用いてアイドリング運転時に最
も回転の低い気筒(爆発力の最も弱い気筒)の点火時期
をより進角にし、最も回転の高い気筒(爆発力の最も強
い気筒)の点火時期をより遅角にするための点火時期θ
i を求めるようになっている。
【0039】(通電時間TIGONiの演算処理)図6は、C
PU21が実行する通電時間演算ルーチンのフローチャ
ートを示す。この通電時間演算ルーチンでは、気筒毎の
点火コイルIGC1 〜IGC3 の通電時間TIGONiの演算
が行われる。
【0040】まず、ステップ40において、CPU21
は点火を行う気筒を判別しその判別したi気筒の点火コ
イルの基本通電時間TIGON を算出する。この基本通電時
間TIGON の算出は、本実施形態ではその時のバッテリ電
圧VBとエンジンの回転速度に基づいて公知の方法で求め
るようになっていて、予め用意されたバッテリ電圧VB及
び回転速度に対する基本通電時間TIGON のマップから求
められるようになっている。
【0041】基本通電時間TIGON が求まると、CPU2
1はステップ41に移る。ステップ41において、CP
U21は前記した120℃A割り込みルーチンで求めた
気筒別進角補正量ACYLi が8℃A以上かどうか判定す
る。そして、気筒別進角補正量ACYLi が8℃A以上の場
合には、CPU21はステップ42に移る。
【0042】ステップ42において、CPU21は点火
対象のi気筒番号に対して3を加えてその加算した値が
7以上かどうか判定する。そして、CPU21は、加算
値が7以上の場合にはステップ43に、7未満の場合に
はステップ45に移る。つまり、CPU21は当該i気
筒と対となって同時に点火される気筒を判別する。即
ち、i気筒が4番気筒である場合には、加算値は7(=
4+3)となりステップ43に、i気筒が2番気筒であ
る場合には、加算値は5(=2+3)となりステップ4
4に移る。
【0043】ステップ43において、CPU21はi気
筒の気筒番号から3を減算した値から当該i気筒と対と
なって同時に点火される気筒の気筒番号を求める。つま
り、i気筒が4番気筒である場合には、減算値は1(=
4−3)となり、対となる気筒は1番気筒となる。因み
に、i気筒が5番気筒の場合には2番気筒、i気筒が6
番気筒の場合には3番気筒となる。
【0044】一方、ステップ45において、CPU21
はi気筒の気筒番号から3を加算した値から当該i気筒
と対となって同時に点火される気筒の気筒番号を求め
る。つまり、i気筒が1番気筒である場合には、加算値
は4(=1+3)となり、対となる気筒は4番気筒とな
る。因みに、i気筒が2番気筒の場合には5番気筒、i
気筒が3番気筒の場合には6番気筒となる。
【0045】ステップ43において、対となる(i−
3)気筒を求めると、CPU21はその対となる(i−
3)気筒の前記した120℃A割り込みルーチンで求め
た気筒別進角補正量ACYLi-3 が8℃A以上かどうか判定
する。つまり、同時点火の対象となる一方の気筒の気筒
別進角補正量ACYLi-3 についてもチェックされる。そし
て、気筒別進角補正量ACYLi-3 が8℃A以上の場合に
は、CPU21はi気筒と対となる気筒の2気筒とも爆
発力が弱いとしてステップ44に移る。
【0046】ステップ44において、CPU21は新た
な通電時間補正量TIGONGi を演算する。つまり、i気筒
の前回の通電時間補正量TIGONGi に32マイクロ秒加え
て、新しい通電時間補正量TIGONGi (=TIGONGi +3
2)を算出する。CPU21はこの算出した新しい通電
時間補正量TIGONGi をRAM23に保存する。
【0047】一方、ステップ43において、気筒別進角
補正量ACYLi-3 が8℃A未満の場合には、CPU21は
i気筒と対となる気筒の爆発力が弱くないとしてステッ
プ46に移る。ステップ46において、CPU21は新
たな通電時間補正量TIGONGiを演算する。CPU21
は、i気筒の前回の通電時間補正量TIGONGi から32マ
イクロ秒減算して、新しい通電時間補正量TIGONGi (=
TIGONGi −32)を算出する。CPU21は、この算出
した新しい通電時間補正量TIGONGi をRAM23に保存
する。
【0048】又、前記したステップ45において、対と
なる(i+3)気筒を求めると、CPU21はその対と
なる(i+3)気筒の前記した120℃A割り込みルー
チンで求めた気筒別進角補正量ACYLi+3 が進角であっ
て、その気筒別進角補正量ACYLi+3 が8℃A以上かどう
か判定する。つまり、前記ステップ43と同様に同時点
火の対象となる一方の気筒の気筒別進角補正量ACYLi+3
についてもチェックされる。そして、CPU21は気筒
別進角補正量ACYLi+3 が8℃A以上の場合には、i気筒
と対となる気筒の2気筒とも爆発力が弱いとしてステッ
プ44に移る。反対に、CPU21は気筒別進角補正量
ACYLi+3 が8℃A未満の場合には、i気筒と対となる気
筒の爆発力が弱くないとしてステップ46に移る。そし
て、同様に、ステップ44,46にて新しい通電時間補
正量TIGONGi が求められ、RAM23に保存される。
【0049】さらに、前記したステップ41において、
当該i気筒の気筒別進角補正量ACYLi が8℃A未満の場
合には、CPU21はi気筒の爆発力が弱くないとして
ステップ46に移る。そして、同様に、ステップ46に
て新しい通電時間補正量TIGONGi が求められ、RAM2
3に保存される。
【0050】ステップ44又はステップ46において新
しい通電時間補正量TIGONGi を求めると、CPU21は
ステップ47,48にて該通電時間補正量TIGONGi が予
め定めた上限値と下限値(=0)の間にあるかのチェッ
クを行う。
【0051】まず、ステップ47おいて、CPU21は
通電時間補正量TIGONGi がゼロ以下どうかチェックす
る。これは、ステップ46において32マイクロ秒減算
したことによつて通電時間補正量TIGONGi がゼロ以下に
なってしまったかどうかをチェックする。そして、通電
時間補正量TIGONGi がゼロ以下でない場合には、ステッ
プ48に移り、CPU21は通電時間補正量TIGONGi が
予め定めた上限値未満かどうかをチェックする。
【0052】通電時間補正量TIGONGi が上限値未満の場
合、CPU21はステップ49に移り該i気筒の通電時
間TIGONiの算出を行う。つまり、基本通電時間TIGON に
通電時間補正量TIGONGi を加えることにより、i気筒の
通電時間TIGONi(=TIGON +TIGONGi )が求められる。
【0053】つまり、通電時間演算処理ルーチンは通電
時間可変処理を行うようになっていて、回転の低い気筒
(トルクの小さい気筒)の点火コイルの通電時間を長く
するための通電時間TIGONiを求めるようになっている。
【0054】このi気筒の通電時間TIGONi(=TIGON +
TIGONGi )はECU20からイグナイタ30に出力され
る点火タイミング信号ICT1 〜IGT3 に反映され
る。図7は、通電時間点火時期TIGONi(=TIGON +TIGO
NGi )が反映されていることを説明するためのタイミン
グチャートを示す。つまり、点火タイミング信号ICT
1 〜IGT3 のパルス幅Tはこの通電時間TIGONi(=TI
GON +TIGONGi )となる。従って、回転の低い気筒(爆
発力の弱い気筒対)の点火タイミング信号ICT1 〜I
GT3 のパルス幅Tは長くなる。
【0055】尚、ステップ47おいて、通電時間補正量
TIGONGi がゼロ以下となった場合には、ステップ50に
移り、CPU21は通電時間補正量TIGONGi をゼロにし
てステップ49に移る。
【0056】又、ステップ48において、通電時間補正
量TIGONGi が上限値以上と判断された場合、CPU21
はステップ51〜54に移り前記電装部品の故障チェッ
クを行う。つまり、ステップ51において、CPU21
は同RAM23に設けたカウンタの内容CDに1インク
リメントした後にステップ52にて通電時間補正量TIGO
NGi を上限値の値にしてステップ53に移り、該ステッ
プ53にてその内容CDが10以上になったかどうかチ
ェックする。CPU21は内容CDが10未満の場合に
はステップ49に移り、10以上の場合にはステップ5
4にてチェックランプ28を点灯させた後ステップ49
に移る。つまり、当該i気筒の通電時間補正量TIGONGi
の演算を10回行っても通電時間補正量TIGONGi が上限
値未満にならないということは、点火装置を構成する前
記電装部品の何らかの故障と判断しチェックランプ28
を点灯させ警報するためである。従って、ステップ4
8,51〜54は故障チェックのための判断処理を行う
ようになっている。
【0057】このように、ECU20において、120
℃A割り込みルーチンと点火時期算出ルーチンを実行す
ることによって、アイドリング運転時に回転の低い気筒
(爆発力の弱い気筒)の点火時期を進角し、回転の高い
気筒(爆発力の強い気筒)の点火時期を遅角するため、
気筒間のトルク差が少なくなってアイドリングは安定に
なる。
【0058】しかも、回転の低い気筒対(爆発力の弱い
気筒対)の点火コイルの通電時間TIGONiを長くし、回転
の高い気筒対(爆発力の強い気筒対)の点火コイルの通
電時間TIGONiを短くするため、気筒間のトルク差が小さ
くなってエンジンは安定になる。さらに、本実施形態で
は、通電時間TIGONiの制御はアイドリング運転時に限定
されないので、アイドリング運転以外でも気筒間のトル
ク差が小さくなってエンジンは安定になる。
【0059】ECU20は算出した点火時期θi 及び通
電時間TIGONi等に基づいて各気筒に対する点火タイミン
グ信号IGT1〜IGT3を生成しイグナイタ30に出
力する。イグナイタ30は、この点火タイミング信号I
GT1〜IGT3に基づいて所定のタイミングでかつ所
定の通電時間TIGONiにて各点火コイルIGC1 〜IGC
3 を通電制御することになる。
【0060】図3は、イグナイタ30の電気回路を示
す。イグナイタ30は、PCボードよりなる回路基板3
0aに実装されている。その回路基板30aには、1チ
ップの半導体集積回路装置(IC)30bと、そのIC
30bに対して外付けされる各種の外付け回路が実装さ
れている。
【0061】IC30bの外部入力端子I1 〜I3 に
は、前記ECU20にて生成された点火タイミング信号
IGT1〜IGT3が入力される。各点火タイミング信
号IGT1〜IGT3は、それぞれインバータ31a〜
31c、32a〜32cを介して各RSフリップフロッ
プ(FF)33a〜33cのセット入力端子Sに入力さ
れる。
【0062】又、各点火タイミング信号IGT1〜IG
T3は、インバータ31a〜31c、34a〜34cを
介してノア回路35に入力され、そのノア回路35の出
力はコイルON信号発生回路36に入力される。この信
号発生回路36は、ノア回路35から全ての信号に基づ
いて全ての点火タイミング信号IGT1〜IGT3がL
レベルにある時にはHレベルとなり、点火タイミング信
号IGT1〜IGT3のうち少なくとも1つがHレベル
にある時にはLレベルとなるコイルON信号バーIGT
を出力する。
【0063】コイルON信号バーIGTは、各FF33
a〜33cのリセット端子Rに入力される。従って、各
FF33a〜33cは、リセットされた状態でそれぞれ
対応するHレベルの点火タイミング信号IGT1〜IG
T3が入力されると、それぞれセット状態に反転動作を
してHレベルの出力Qを出力する。そして、セット状態
にあるFF33a〜33cは、コイルON信号バーIG
TのLレベルからHレベルの立ち上がりに応答してリセ
ットされて次の点火タイミングを待つ。
【0064】例えば、Hレベルの点火タイミング信号I
GT1が入力されると、FF33aはHレベルの出力Q
を出力する。そして、Hレベルの点火タイミング信号I
GT1が消失(Lレベル)すると、コイルON信号バー
IGTのLレベルからHレベルの立ち上がりFF33a
の出力Qは消失(Lレベル)となる。つまり、FF33
aは、点火タイミング信号IGT1のパルス幅T(通電
時間TIGONi(= TIGON+TIGONGi ))の間だけHレベル
の出力Qを出力する。
【0065】各FF33a〜33cは、それぞれ対応す
るスイッチ回路37a〜37cのスイッチングを制御す
る。即ち、各スイッチ回路37a〜37cは、対応する
FF33a〜33cの出力QがHレベルの時にオンし、
対応するFF33a〜33cの出力QがLレベルの時に
オフする。
【0066】各スイッチ回路37a〜37cは、その入
力側端子が互いに接続されてIC30bの外部入力端子
I4 に接続されている。外部入力端子I4 は外付けの抵
抗Raを介して前記バッテリBに接続されていて、該外
部入力端子I4 にはバッテリVB が印加されるようにな
っている。各スイッチ回路37a〜37cの出力側端子
は、それぞれ対応するIC30bの外部出力端子O1 〜
O3 に接続されている。
【0067】各外部出力端子O1 〜O3 は、抵抗R1a〜
R1cを介してパワートランジスタ38a〜38cに接続
されている。パワートランジスタ38a〜38cは、ダ
ーリントン接続された2個のトランジスタから構成さ
れ、各抵抗R1a〜R1cは初段のトランジスタのベースに
それぞれ接続されている。パワートランジスタ38a〜
38cのコレクタはオープンコレクタになっていて、そ
れぞれ点火コイルIGC1 〜IGC3 の一次巻線IGC
1a〜IGC3aを介してバッテリBに接続されている。そ
して、第1の点火コイルIGC1 の二次側巻線IGC1b
には1番気筒と4番気筒の点火プラグP1 ,P4 が接続
されている。第2の点火コイルIGC2 の二次側巻線I
GC2bには2番気筒と5番気筒の点火プラグP2 ,P5
が接続されている。又、第3の点火コイルIGC3 の二
次側巻線IGC3bには3番気筒と6番気筒の点火プラグ
P3 ,P6 が接続されている。
【0068】この各一次巻線IGC1a〜IGC3aの通電
と非通電とに基づいてそれぞれ対応する各二次側巻線I
GC1b〜IGC3bの端子間に誘導起電力が発生する。そ
して、本実施の形態では、一次巻線IGC1a〜IGC3a
に流れていた電流が遮断されると、二次側巻線IGC1b
〜IGC3bの端子間に高電圧が発生する。二次側巻線I
GC1b〜IGC3bの端子間電圧は、一次巻線IGC1a〜
IGC3aの通電時間に比例する。図7に示すように、一
次巻線IGC1a〜IGC3aの通電時間が長いほど、一次
側巻線IGC1a〜IGC3aに流れる一次電流は大きくな
るため、その大きな一次電流の遮断に基づく二次側巻線
IGC1b〜IGC3bの端子間電圧は一次電流の大きさに
比例して高くなる。
【0069】つまり、点火タイミング信号IGT1〜I
GT3のパルス幅T(通電時間TIGONi(=TIGON +TIGO
NGi ))が長いほど一次巻線IGC1a〜IGC3aが通電
している時間が長くなり、より高い二次側巻線IGC1b
〜IGC3bの端子間電圧を得ることができる。言い換え
れば、二次側巻線IGC1b〜IGC3bの端子間電圧は点
火タイミング信号IGT1〜IGT3のパルス幅T(通
電時間TIGONi(= TIGON+TIGONGi ))によって制御さ
れる。
【0070】この高電圧に基づいて二次側巻線IGC1b
〜IGC3bに接続された対応する一対の各点火プラグP
1 〜P6 は点火する。この時、点火システムが同時点火
方式なので、爆発工程にある点火プラグの点火が燃料の
燃焼に寄与することになる。この燃焼に寄与する点火プ
ラグの点火は前記二次側巻線の端子間電圧が大きいほど
燃焼に大きく寄与し爆発力をより強くする。
【0071】各パワートランジスタ38a〜38cを構
成する後段のトランジスタのエミッタは、電流検出用抵
抗Rs を介して接地されている。抵抗Rs には、各パワ
ートランジスタ38a〜38cのオン動作に基づいて各
点火コイルIGC1 〜IGC3 の一次巻線IGC1a〜I
GC3aを流れる一次電流が流れ、抵抗Rs の端子間電圧
はその一次電流に比例した電圧となる。
【0072】抵抗Rs の端子間電圧は、抵抗R11,R12
よりなる分圧回路にて分圧され、その分圧された電圧が
発振防止用の抵抗R21,R22及び外部入力端子I5 を介
して検出電圧Vc として差動増幅器39及びコンパレー
タ40に出力される。又、抵抗R21,R22間に接続され
た抵抗R23は、外部入力端子I4 に接続されていて、抵
抗R21,R22間には抵抗R23を介して外部入力端子I4
の電位が入力される。
【0073】従って、全てのスイッチ回路37a〜37
cがオフの時(コイルON信号バーIGTがHレベルの
時)、検出電圧VC のレベルはバッテリ電圧VB を抵抗
Ra,R23,R21,R11,R12,RS 等で分圧した電圧
値となる。又、スイッチ回路37a〜37cのいずれか
1つがオンしている時、対応するパワートランジスタ3
8a〜38cのベースにベース電流が流れ、外部入力端
子I5 の電位はトランジスタのベース・エミッタ間電圧
に相当する電位(1.4ボルト)まで低下し、検出電圧
VC のレベルは、抵抗RS に流れる一次電流に比例した
値となる。
【0074】差動増幅器39は、検出電圧VC と第1基
準電圧VREF1を入力し、出力端子は各スイッチ回路37
a〜37cの入力側端子に接続されている。差動増幅器
39は、一次電流が一定値以上になると、対応するパワ
ートランジスタ38a〜38cに供給されるベース電流
を制限し、一次電流が予め定めた基準値以上になること
を抑える過電流防止用として機能する。本実施形態で
は、この基準値は前記点火タイミング信号IGT1〜I
GT3のパルス幅T(通電時間TIGONi)で制御されると
きの最大一次電流の値より大きい値に設定されている。
【0075】次に、上記のように構成した6気筒用同時
点火システムの優れた特徴を以下に述べる。 (1)本実施形態によれば、120℃A割り込みルーチ
ンと点火時期演算ルーチンを実行することによって、ア
イドリング運転時に回転の低い気筒(爆発力の弱い気
筒)の点火時期を進角し、回転の高い気筒(爆発力の大
きい気筒)の点火時期を遅角するようにした。その結
果、気筒間のトルク差が少なくなってアイドリングは安
定になる。各気筒毎にその爆発力に対して点火エネルギ
ーを調整し気筒間のトルク差がなくなりエンジンの回転
速度が一定となりエンジンの振動を抑制することができ
る。 (2)本実施形態によれば、回転の低い気筒対(爆発力
の弱い気筒対)の点火コイルの通電時間TIGONiを長くし
て該気筒の点火エネルギーを上げて爆発力を強くなるよ
うにした。又、回転の高い気筒(爆発力の強い気筒対)
の点火コイルの通電時間TIGONiを短くして該気筒の点火
エネルギーを下げて爆発力を弱くなるようにした。従っ
て、気筒間のトルク差がなくなりエンジンの回転速度が
一定となりエンジンの振動を抑制することができる。 (3)さらに、本実施形態では、通電時間TIGONiの演算
処理はアイドリング運転時に限定されないので、通電時
間TIGONiの制御はアイドリング運転以外でも気筒間のト
ルク差を小さくしエンジンを安定に運転することができ
る。 (4)さらに又、本実施形態では通電時間補正量TIGONG
i が継続して(通電時間補正量TIGONGi の演算を10回
行っても)上限値以上の場合には、チェックランプ28
を点灯させるようにした。従って、点火制御装置を構成
する点火コイルIGC1 〜IGC3 又はイグナイタ30
等の電装部品の何らかの故障と判断しその旨を速やかに
知ってそのための対策を講じることができる。
【0076】尚、本実施形態の同時点火システムでは1
20℃A割り込みルーチンにて求めた気筒別進角補正量
ACYLi に基づいて図5に示す点火時期演算ルーチンにて
爆発力の弱い気筒の点火時期を進角するようにしたが、
これを省略して通電時間TIGONiのみで爆発力の弱い気筒
の爆発力を強めるようにしてもよい。
【0077】又、本実施形態では6気筒同時点火システ
ムに具体化したが、4気筒同時点火システムや8気筒同
時点火システムに具体化してもよい。さらに、本実施形
態では同時点火システムに具体化したが、独立点火シス
テムに具体化してもよい。
【0078】又、本実施形態では、チェックランプ28
は1個であるが、各気筒毎に設けてどの気筒の電装部品
が故障したかどうかを一目で確認できるようにしてもよ
い。又、本実施形態では、対となる2つの気筒が共に気
筒別進角補正量が8℃A以上の場合に通電時間補正量TI
GONGi を加算するようにしたが、当該i気筒のみが8℃
A以上の場合にでも通電時間補正量TIGONGi を加算する
ようにして実施してもよい。
【0079】又、本実施形態では気筒別進角補正量が8
℃A未満の場合には、通電時間補正量TIGONGi を減算し
たが、これを減算せず気筒別進角補正量が8℃A以上の
場合のみ通電時間補正量TIGONGi を加算するようにして
実施してもよい。
【0080】(第二実施形態)次に、本発明を6気筒用
独立点火システムに具体化した第二実施形態について説
明する。本実施形態では、ECU20の構成が前記実施
形態と同様であって、気筒別進角補正量ACYLi の演算処
理及び点火時期θi の演算処理は同一の方法で行われ
る。そして、本実施形態では通電時間TIGONiの演算処理
方法に特徴がある。従って、説明の便宜上特徴のある通
電時間TIGONiの演算処理について図8に示す通電時間演
算ルーチンのフローチャートに従って説明する。尚、本
実施形態のイグナイタは独立点火システムに対応した公
知の回路構成であって、前記実施形態と同様に一次電流
の電流制限が点火タイミング信号のパルス幅T(通電時
間TIGONi)で制御されるときの最大一次電流の値より大
きい値に設定されているだけなので、その詳細は省略す
る。 (通電時間TIGONiの演算処理)まず、ステップ60にお
いて、CPU21は点火を行う気筒を判別しその判別し
たi気筒の点火コイルの基本通電時間TIGON を算出す
る。この基本通電時間TIGON の算出は、前記実施形態と
同様にその時のバッテリ電圧VBとエンジンの回転速度に
基づいて公知の方法で求めるようになっていて、予め用
意されたバッテリ電圧VB及び回転速度に対する基本通電
時間TIGON のマップから求められるようになっている。
【0081】基本通電時間TIGON が求まると、CPU2
1はステップ61に移る。ステップ61において、CP
U21はエンジン回転速度センサ14から回転速度信
号、スロットルセンサ8のスロットル信号、車速信号S
PD、スタータ信号STA等からアイドリング運転状態
にあるかどうかを判断する。CPU21は、アイドリン
グ運転状態であると判断すると、ステップ62に移る。
【0082】ステップ62において、CPU21は12
0℃A割り込みルーチンで求めた気筒別進角補正量ACYL
i が10℃A以上かどうか判定する。そして、気筒別進
角補正量ACYLi が10℃A以上の場合には、CPU21
はステップ63に移る。
【0083】ステップ63において、CPU21は12
0℃A割り込みルーチンのステップ23にて求めたi気
筒のなまし平均値DSTMi と他の気筒のなまし平均値とを
比較し、最もi気筒のなまし平均値DSTMi が小さいかど
うか判別する。即ち、最もi気筒が他の気筒より回転が
低いか(爆発力が弱いか)どうか判別する。そして、C
PU21は、最も回転が低い場合にはステップ64に、
それ以外の場合にはステップ65に移る。
【0084】ステップ64において、CPU21は新た
な通電時間補正量TIGONGi を演算する。つまり、i気筒
の前回の通電時間補正量TIGONGi に32マイクロ秒加え
て、新しい通電時間補正量TIGONGi (=TIGONGi +3
2)を算出する。CPU21はこの算出した新しい通電
時間補正量TIGONGi をRAM23に保存した後にステッ
プ67に移る。
【0085】一方、ステップ65において、CPU21
は、i気筒の前回の通電時間補正量TIGONGi から32マ
イクロ秒減算して、新しい通電時間補正量TIGONGi (=
TIGONGi −32)を算出する。CPU21は、この算出
した新しい通電時間補正量TIGONGi をRAM23に保存
した後にステップ67に移る。
【0086】さらに、前記したステップ61において、
アイドリング運転状態にない判断した場合、CPU21
はステップ66に移る。又は、前記したステップ62に
おいて、当該i気筒の気筒別進角補正量ACYLi が10℃
A未満の場合には、CPU21はi気筒の爆発力が弱く
ないとしてステップ66に移る。ステップ66におい
て、CPU21は、i気筒の前回の通電時間補正量TIGO
NGi をゼロにしそのゼロの値をRAM23に保存した後
にステップ67に移る。
【0087】ステップ64,65,又は66において新
たな通電時間補正量TIGONGi が求められると、CPU2
1はステップ67,68にて該通電時間補正量TIGONGi
が予め定めた上限値と下限値(=0)の間にあるかのチ
ェックを行う。
【0088】まず、ステップ67において、CPU21
は通電時間補正量TIGONGi がゼロ以下どうかチェックす
る。これは、ステップ65において32マイクロ秒減算
したことによつて通電時間補正量TIGONGi がゼロ以下に
なってしまったかどうかをチェックする。そして、通電
時間補正量TIGONGi がゼロ以下でない場合には、ステッ
プ68に移り、CPU21は通電時間補正量TIGONGi が
予め定めた上限値未満かどうかをチェックする。
【0089】通電時間補正量TIGONGi が上限値未満の場
合、CPU21はステップ69に移り該i気筒の通電時
間TIGONiの算出を行う。つまり、基本通電時間TIGON に
通電時間補正量TIGONGi を加えることにより、i気筒の
通電時間TIGONi(=TIGON +TIGONGi )が求められる。
【0090】つまり、通電時間演算処理ルーチンを実行
することによって、気筒別進角補正量ACYLi が10℃A
であって最も回転の低い気筒(最も爆発力の弱い気筒)
の点火コイルの通電時間を長くするための通電時間TIGO
Niが求められる。又、気筒別進角補正量ACYLi が10℃
Aであって最も回転の低くない他の気筒の点火コイルの
通電時間を短くするための通電時間TIGONiが求められ
る。
【0091】このi気筒の通電時間TIGONi(=TIGON +
TIGONGi )はECU20からイグナイタに出力される点
火タイミング信号に反映される。尚、ステップ67にお
いて、通電時間補正量TIGONGi がゼロ以下となった場合
には、ステップ70に移り、CPU21は通電時間補正
量TIGONGi をゼロにしてステップ69に移る。
【0092】又、ステップ68において、通電時間補正
量TIGONGi が上限値以上と判断された場合、CPU21
はステップ71〜74に移り電装部品の故障チェックを
行う。つまり、ステップ71において、CPU21は同
RAM23に設けたカウンタの内容CDに1インクリメ
ントした後にステップ72にて通電時間補正量TIGONGi
を上限値の値にしてステップ73に移り、該ステップ7
3にてその内容CDが10以上になったかどうかチェッ
クする。CPU21は内容CDが10未満の場合にはス
テップ69に移り、10以上の場合にはステップ74に
てチェックランプ28を点灯させてステップ69に移
る。つまり、当該i気筒の通電時間補正量TIGONGi の演
算を10回行っても通電時間補正量TIGONGi が上限値未
満にならないといういうことは、点火装置を構成する電
装部品の何らかの故障と判断しチェックランプ28を点
灯させ警報するためである。尚、チェックランプ28
は、本実施形態では、1個であるが、各気筒毎に設けて
どの気筒の電装部品が故障したかどうかを一目で確認で
きるようにしてもよい。
【0093】次に、上記のように構成した6気筒用同時
点火システムの優れた特徴を以下に述べる。 (1)本実施形態によれば、120℃A割り込みルーチ
ンと点火時期演算ルーチンを実行することによって、ア
イドリング運転時に回転の低い気筒(爆発力の弱い気
筒)の点火時期を進角し、回転の高い気筒(爆発力の大
きい気筒)の点火時期を遅角するようにした。その結
果、気筒間のトルク差が少なくなってアイドリングは安
定になる。各気筒毎にその爆発力に対して点火エネルギ
ーを調整し気筒間のトルク差がなくなりエンジンの回転
速度が一定となりエンジンの振動を抑制することができ
る。 (2)本実施形態によれば、最も回転の低い気筒(最も
爆発力の弱い気筒)の点火コイルの通電時間TIGONiを長
くし該気筒の点火エネルギーを上げて爆発力を高めるよ
うにした。しかも、それ以外の気筒の点火コイルの通電
時間TIGONiを短くし該気筒の点火エネルギーを下げて爆
発力を抑えるようにした。従って、気筒間のトルク差が
なくなりエンジンの回転速度が一定となりエンジンの振
動を抑制することができる。 (3)さらに、本実施形態では通電時間補正量TIGONGi
が継続して(通電時間補正量TIGONGi の演算を10回行
っても)上限値以上の場合には、チェックランプ28を
点灯させるようにした。従って、点火装置を構成する前
記電装部品の何らかの故障と判断しその旨を速やかに知
ってそのための対策を講じることができる。
【0094】尚、本実施形態の独立点火システムでは1
20℃A割り込みルーチンにて求めた気筒別進角補正量
ACYLi に基づいて図5に示す点火時期演算ルーチンにて
爆発力の弱い気筒の点火時期を進角するようにしたが、
これを省略して通電時間TIGONiのみで爆発力の弱い気筒
の爆発力を高めるようにしてもよい。
【0095】又、本実施形態では6気筒独立点火システ
ムに具体化したが、4気筒独立点火システムや8気筒独
立点火システムに具体化してもよい。さらに、本実施形
態では独立点火システムに具体化したが、同時点火シス
テムに具体化してもよい。
【0096】次に前記実施形態から把握される特許請求
の範囲に記載されていない発明を、その効果とともに以
下に記載する。 (1)複数気筒からなるエンジンがアイドリング時にお
いて、各気筒のうち爆発力の弱い気筒についてその点火
コイルへの通電時間を長くして爆発力を強めるようした
内燃機関の点火コイル通電方法。この構成により、各気
筒の爆発力を同じ爆発力に近づけることができ、エンジ
ンの回転速度を一定になりエンジンの振動を抑制するこ
とができる。 (2)複数気筒からなるエンジンがアイドリング時にお
いて、各気筒のうち爆発力の弱い気筒についてその点火
コイルの通電時期を進めるとともに通電時間を長くして
爆発力を強めるようにした内燃機関の点火コイル通電方
法。この構成により、各気筒の爆発力を同じ爆発力によ
りはやく近づけることができ、エンジンの回転速度を一
定になりエンジンの振動を抑制することができる。
【0097】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、各気筒の爆発
力を点火コイルの通電時間に基づいて調整するため、各
気筒と同じ爆発力に近づけることができ、エンジンの回
転速度を一定になりエンジンの振動を抑制することがで
きる。
【0098】請求項2の発明によれば、各気筒の膨張行
程時におけるクランク軸回転時間偏差を求めることによ
り各気筒が爆発力を検出することができる。請求項3の
発明によれば、爆発力が小さい原因に対して通電時間を
制御しても調整できない場合に点火コイル又はイグナイ
タ等の故障であることが確認することができる。
【0099】請求項4の発明によれば、各気筒の爆発力
を点火コイルの通電時間に基づいて調整するため、各気
筒と同じ爆発力に近づけることができ、エンジンの回転
速度を一定になりエンジンの振動を抑制することができ
る。
【0100】従って、例えば、最も爆発力の弱い気筒に
対して点火時期を進めるとともに通電時間を長くするこ
とにより、該気筒の爆発力は増大し、他の気筒と同じ爆
発力によりはやく近づけることができる。その結果、エ
ンジンの回転速度が一定になりエンジンの振動が抑制さ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】同時点火システムを採用する6気筒エンジンの
概略構成図。
【図2】点火制御装置の電気的構成を説明するためのブ
ロック回路図。
【図3】イグナイタの電気的構成を説明するための回路
図。
【図4】気筒別進角補正量の演算処理を説明するための
フローチャート。
【図5】点火時期の演算処理を説明するためのフローチ
ャート。
【図6】通電時間の演算処理を説明するためのフローチ
ャート。
【図7】点火タイミング信号と一次電流との関係を説明
するためのタイミングチャート。
【図8】第二実施形態における通電時間の演算処理を説
明するためのフローチャート。
【符号の説明】
1…エンジン、13…クランク角センサ、14…エンジ
ン回転速度センサ、15…クランク軸、20…爆発力検
出手段、通電時間可変手段及び点火時期可変手段を構成
する電子制御ユニット(ECU)、21…中央処理装置
(CPU)、28…チェックランプ、30…イグナイ
タ、P1 〜P6 …点火プラグ、IGC1 〜IGC3 …第
1〜第3の点火コイル、 ACYLi…気筒別進角補正量、DT
CYL …クランク軸回転時間偏差、TIGONi…通電時間、TI
GONGi …通電時間補正量。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02P 17/00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各気筒の爆発力を検出する爆発力検出手
    段と、 前記検出手段にて検出された爆発力に対して点火コイル
    への通電時間を可変する通電時間可変手段とからなる点
    火制御装置。
  2. 【請求項2】 前記爆発力検出手段は、各気筒の爆発毎
    のクランク軸回転時間偏差により、各気筒の爆発力を検
    出するものである請求項1に記載の点火制御装置。
  3. 【請求項3】 前記通電時間可変手段にて設定された通
    電時間が予め定めた通電時間以上になった時、その通電
    時間の継続回数をカウントし予め定めた回数に到達した
    時、点火コイル、イグナイタの少なくともいずれか一方
    が故障と判断する判断手段を備えた請求項1に記載の点
    火制御装置。
  4. 【請求項4】 各気筒の爆発力を検出する爆発力検出手
    段と、 前記検出手段にて検出された爆発力に対して点火コイル
    の点火時期を可変する点火時期可変手段と前記検出手段
    にて検出された爆発力に対して点火コイルへの通電時間
    を可変する通電時間可変手段とからなる点火制御装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002540343A (ja) * 1999-03-22 2002-11-26 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング 点火制御装置および点火制御方法

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JP2002540343A (ja) * 1999-03-22 2002-11-26 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング 点火制御装置および点火制御方法

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