JPH1088506A - 舗装用弾性平板およびその製造方法 - Google Patents

舗装用弾性平板およびその製造方法

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JPH1088506A
JPH1088506A JP24277596A JP24277596A JPH1088506A JP H1088506 A JPH1088506 A JP H1088506A JP 24277596 A JP24277596 A JP 24277596A JP 24277596 A JP24277596 A JP 24277596A JP H1088506 A JPH1088506 A JP H1088506A
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layer
binder
flat plate
elastic flat
concrete
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JP24277596A
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Inventor
Takenobu Tsuda
武信 津田
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Nakayama Steel Works Ltd
Original Assignee
Nakayama Steel Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面層のゴムチップと基層のコンクリートと
の接着性に優れた舗装用弾性平板及びその製造方法を提
供する。 【解決手段】 ゴムチップ2を主要部材としてこれをバ
インダー3で結合した表面層4と、コンクリート7から
なる基層8との間に、中間層9が介在され、該中間層9
は表面層4のバインダー3との接着性が良好なバインダ
ー10と、前記表面層4のゴムチップ2間及び前記基層
8のコンクリート7に食い込み可能な剛性粒状体11を
含む舗装用弾性平板1を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般歩道、コミュ
ニティ道路、テニスコート、グランド、公園等の土木、
建設用資材として使用される舗装用弾性平板及びその製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、歩行者の転倒による怪我の防止、
歩行感の向上あるいは足にかかる衝撃の減少を目的とし
て、路面等に敷設するブロック状の舗装用弾性平板が提
供されている。この弾性平板は、弾性材料として廃タイ
ヤ等を粉砕したゴムチップを使用し、これをバインダー
等によって結合したものを表面層とし、コンクリート板
を基層としたもので、表面層のゴムチップは、クッショ
ン性および透水性を考慮して、通常、粒径が約1〜5m
mのものが使用され、これをバインダーを用いて互いに
間隙をおいて結合している。
【0003】このような弾性平板の製造方法としては、
予め成形したゴムチップ板をウレタン系又はエポキシ系
等の接着剤によってコンクリート板表面に貼付するとい
う方法が知られている。
【0004】しかし、上記方法によって得られた弾性平
板は、基層と表面層との接着面の状態によって接着力が
一定でなく、熱膨張、上架荷重、歩行等による繰返し荷
重により、接着力の弱い部分から剥離しやすい難点があ
った。すなわち、ゴムチップを接着剤で結合して得られ
るゴムチップ板の表面は不均一な凹凸を形成しており、
このような部分的な接触面しか得られない面と、表面に
凹凸を有するコンクリート板とを接着しても凸面同士の
接着となり、接着剤が非接触部の隙間(凹部)を埋め尽
くして両面に密着することは不可能であり、一定の接着
力を得ることはできない。また、ゴムチップ板とコンク
リート板とを別々に成形しているので、ゴムチップある
いはセメントによる投錨効果も期待できなかった。
【0005】この難点を解決するために、表面層と基層
との接着性を改善した弾性平板の製造方法として、ゴム
チップとバインダーとを混練したものとコンクリート材
とを積層し、これらを同時成形する方法が提案されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記同時成形方法で
は、確かにゴムチップの間隙及び凹凸にコンクリート材
が食い込んで固化し、それによってある程度の投錨効果
を得ることができるが、両層間に引張力が作用した場合
には、ゴムチップとコンクリートの間には化学的結合が
ないために、ゴムチップはその弾性変形によりコンクリ
ートから容易に剥離するおそれがある。
【0007】このゴムチップの弾性変形による剥離を防
止するために、ゴムチップとして剛性の高いものを使用
した場合には、クッション性が低下することになる。し
たがって、上記同時成形方法においても依然としてゴム
チップとコンクリートとの接着性が改善されていないの
が現状である。
【0008】そこで、本発明は、表面層のゴムチップと
基層のコンクリートとの接着性をさらに改善した舗装用
弾性平板及びその製造方法を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、ゴムチップを主要部材としてこれをバイ
ンダーで結合した表面層と、コンクリートからなる基層
との間に中間層が介在され、この中間層は表面層のバイ
ンダーとの接着性が良好なバインダーと、表面層のゴム
チップ間及び基層のコンクリートに食い込み可能な剛性
粒状体を含む舗装用弾性平板を提供するものである。
【0010】すなわち、本発明では、未硬化の状態の各
層材料をそれぞれ積層し、これら積層物を振動圧縮する
ことによって、ゴムチップと剛性粒状体及び剛性粒状体
とコンクリート材とをそれぞれの間隙と凹凸に効率よく
食い込ませた後、養生硬化させる。その結果、食い込み
によって中間層と表面層及び基層との間に投錨効果が生
じ、この投錨効果によって中間層と基層とが強固に接着
する。さらに、中間層と表面層との間においては、投錨
効果により増大した接触面において互いの層のバインダ
ー同士が化学的に結合することによって強固に接着し、
全体として接着性に優れた舗装用弾性平板が得られる。
【0011】前記表面層に使用するゴムチップは、従来
と同様にタイヤ、EPDM(エチレン・プロピレン・ジ
エンゴム)又はウレタン等を粉砕して得られるが、ゴム
チップを単体で使用するほかにゴムチップを主要部材と
して樹脂発泡体や木材チップ等、他の弾性材料のチップ
を混合したものも使用することができる。さらに、クッ
ション性を調整するために剛性の高い材料を適量加える
ことも可能である。
【0012】また、前記剛性粒状体とは、弾性平板成形
時にかかる圧力によって変形しない程度の剛性を有する
材料からなる粒状体をいい、自然砕石、天然に産する玉
石、人工石あるいは硬質の合成樹脂材をも含むものであ
る。
【0013】実際に使用する剛性粒状体としては、表面
層に粒径1〜5mmのゴムチップを使用する場合、2〜
5mm程度の粒径のものであればゴムチップへの食い込
みが良好となり、一方、基層との間では、このように比
較的粒度の揃った剛性粒状体を使用すれば剛性粒状体同
士の間隙及び中間層表面の凹凸が大きくなり、コンクリ
ート材との相互の食い込みも十分可能となる。
【0014】この剛性粒状体の機能を考慮すれば、その
粒径の上限がゴムチップの粒径の2倍程度までのもので
あれば、十分使用することができると考えられる。ま
た、粒径の下限については特に限定されないが、中間層
に透水性を付与する場合には、ゴムチップと同程度とす
るのが好ましい。
【0015】さらに、中間層として、上記剛性粒状体と
ゴムチップとを混合し、この混合物をバインダーを用い
て結合したものを使用することも可能である。このよう
な中間層を用いて表面層を積層・一体成形すると、剛性
粒状体間の間隙に食い込んだ表面層のゴムチップは、最
初に中間層に混合していたゴムチップと結合することに
よって、結果的に表面層が中間層により深く食い込んだ
のと同じ効果を奏し、両層の接着を一層強固なものとす
る。ただ、ゴムチップの配合量が多すぎると基層との接
着性が低下するので、混合するゴムチップは主要部材で
ある剛性粒状体間の間隙に部分的に入り込む程度の量で
あることが望ましい。
【0016】ここで、表面層および中間層に使用される
バインダーとは、少量の使用によってゴムチップ又は剛
性粒状体を互いに間隙をおいて結合する合成樹脂製接着
剤をいい、特に表面層においては、接着性を維持するた
めにクッション性を有するゴムチップと同等のクッショ
ン性を有する接着剤を使用するのが望ましく、その意味
からセメント等の無機質材料製の接着剤を除く趣旨であ
る。
【0017】また、剛性粒状体を結合するバインダー
は、ゴムチップを結合するのに使用するバインダーと同
種のものを使用することは勿論、互いの接着性が良好で
あれば異なった種類のものを使用することも可能であ
る。
【0018】以上のような中間層を介在させた舗装用弾
性平板は、次のようにして製造するのが好ましい。ま
ず、成形材料として成形型内の最下層にバインダーとゴ
ムチップとの混練物を充填し、次に第2層に剛性粒状体
を主要部材としてこれとバインダーとの混練物を充填
し、さらにその上側の第3層として、水分含有量が少な
く流動性が低いコンクリート材をそれぞれ充填する。次
いで、これら充填物に対し上下方向で圧縮力をかけると
同時に振動をかけて一体成形し、養生させることによっ
て舗装用弾性平板を得ることができる。
【0019】この成形方法においては最上層にコンクリ
ート材が位置するため、養生時にはその重みで各層とも
密着した状態で硬化し、各層が強固に接着した舗装用弾
性平板を作成することができる点が最大の特徴である。
【0020】ここで、水分含有量が少なく流動性の低い
コンクリート材とは、セメントの硬化に必要な水分量の
理論値よりもやや多い程度の水分を含有し、このコンク
リート材を最上層とした場合に、セメントが下層にたれ
ない程度の流動性を有するコンクリート材をいう。この
水分含有量の少ないコンクリート材を使用すると、コン
クリート材が下層に流出してバインダーの硬化を阻害す
ることを防止できる効果もある。
【0021】このように水分含有量が少ないコンクリー
ト材を使用すると、一体成形直後に脱型してもコンクリ
ート材は成形したままの状態を保持する。従って、成形
型を型本体と下型とに分割し、コンクリート材が収容さ
れる型本体を成形直後に取り外し、下型が付いた状態で
弾性平板をそのまま養生・硬化させると、表面及び中間
層の接着剤が未硬化状態のときでも基層の重量によって
表面・中間層がくずれることを防止でき、脱型も容易で
ある。なお、下型としては、最下層及び第2層の成形材
料を充填可能で、かつ前記成形型の本体に対して着脱自
在なトレーを使用すればよい。
【0022】さらに、トレーの内面に最下層の混練物の
充填前に剥離自在な養生シートを敷設しておけば、バイ
ンダーが硬化しても弾性平板から容易にトレーを取り外
すことができる。その上、最終製品表面に養生シートを
付けたままにしておけば、舗装用弾性平板の敷設後に目
地砂入れを行う場合にも、砂がゴムチップの間隙に入り
込むのを防止できる。この砂入れ終了後に舗装用弾性平
板から養生シートを取り外せば施工後の舗装用弾性平板
の外観を損なうことがない。
【0023】また、本発明にかかる舗装用弾性平板は表
面層及び中間層ともに多くの間隙を有するため、基層に
透水性を有するコンクリートを使用すれば、透水性の舗
装用弾性平板を提供することができる。
【0024】ここで使用するコンクリート材には骨材と
セメントが含まれるが、透水性をもたせるためには骨材
の粒径をできるだけ大きくし、かつ粒度を揃えることに
よって骨材間の間隙を大きくする。また、セメントの量
は、前述のバインダーと同様に骨材を結合し、かつ間隙
を充填しない程度とする。
【0025】骨材の粒径については、従来の透水性コン
クリートに使用されている道路用砕石(JIS A 5
001)の6号(粒径:5〜13mm)または7号(粒
径:2.5〜5mm)を、それぞれ単独、あるいは、こ
れら2種類を混合した砕石の混合物であれば、剛性粒状
体と骨材は互いの間隙及び凹凸に十分食い込み、それに
より生じる投錨効果により基層と中間層とが強固に接着
する。
【0026】なお、骨材素材については、上記道路用砕
石に限定されることはなく、例えばスラグ等、骨材とし
て一般的な材料であれば適宜使用することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は、透水性を有する舗装用弾
性平板の断面図であり、この舗装用弾性平板1は、ゴム
チップ2をバインダー3で結合した表面層4と、骨材5
をセメント6で結合した透水性コンクリート7からなる
基層8との間に中間層9が介在され、この中間層9は表
面層4のバインダー3との接着性が良好なバインダー1
0と、剛性粒状体11を含んでいる。そして、この舗装
用弾性平板1は、各層間においてゴムチップ2と剛性粒
状体11及び剛性粒状体11と骨材5とがそれぞれの間
隙と凹凸に効率よく食い込んで強固に接着している。な
お、この食い込み状態を図1において一点鎖線で表す。
【0028】以下、各層材料について詳述すると、表面
層4のゴムチップ2は、通常1〜5mm粒径のものが使
用され、バインダー3としてはウレタン樹脂等の弾性を
有する接着剤が使用される。本実施の形態においては、
バインダー3として、湿気硬化型ウレタン系接着剤(例
えば、商品名:サンプレンBD−34、三洋化成工業
(株)製)を使用している。これは、加熱硬化型に比
べ、熱源を設ける必要がなく設備面で有利であり、さら
に、加熱時間が不要であるため成形時間を短縮でき、生
産性を高めることができる等の理由によるものである。
【0029】また、このバインダー3の配合量は、ゴム
チップ100重量部に対して約10〜30重量部を使用
するのが好ましい。この量が、10重量部未満では、ゴ
ムチップ同士の結合が弱くなり、30重量部よりも大き
い場合には、バインダー3がゴムチップ2間に充填さ
れ、クッション性及び透水性が低下するからである。
【0030】表面層4の厚みは、クッション性を考慮し
て5mm以上に形成する。厚みの上限については特に制
限はないが、舗装用弾性平板の使用用途を考慮すると、
20mm以下とするのが一般的である。
【0031】次に、中間層9に使用される剛性粒状体1
1の大きさは、表面層のゴムチップ2の粒径によって変
動するが、1〜5mm粒径のゴムチップ2を使用する場
合には、粒径が1〜10mm、好ましくは2〜7mm程
度の剛性粒状体11を使用する。本実施の形態において
は、剛性粒状体11として、道路用砕石7号(粒径:
2.5〜5mm)を使用している。
【0032】また、剛性粒状体11を結合するバインダ
ー10としては、表面層4と同じ湿気硬化型ウレタン系
接着剤を使用しているが、これに限らず、表面層4のバ
インダー3との接着性が良好であれば、異なった種類、
例えばエポキシ系、合成ゴム系又はポリエステル系等の
接着剤をバインダーに使用することもできる。いずれに
しても、前述のごとく、表面層で使用するバインダーと
同様に、常温硬化型接着剤を用いるのが好ましい。
【0033】実際に使用するバインダー10の量は、剛
性粒状体11の粒度によって変動するが、上記のごとく
剛性粒状体11として道路用砕石7号を用いる場合、砕
石100重量部に対して、バインダー3〜10重量部程
度が好ましい。3重量部未満では、砕石同士の接着性が
十分でなく、10重量部よりも大きい場合には、砕石間
の間隙にバインダー10が充填され、透水性が低下する
からである。
【0034】中間層9の厚みは8〜15mm程度が好ま
しい。8mm未満の厚みでは、中間層9と表面層4及び
中間層9と基層8との食い込みが不十分となり、15m
m以上の厚みになると、材料コストが高くなるためであ
る。
【0035】また、基層8の透水性コンクリート7は、
骨材5とセメント6とを含んでいるが、透水性をもたせ
るためには骨材5の粒径を大きくし、かつ粒度をできる
だけ揃えて骨材間の間隙を大きくする。また、セメント
6の量は、骨材5を結合し、かつ間隙を充填しない程度
とする。なお、骨材5の粒径は、道路用砕石を使用する
場合には、7号砕石または6号砕石(粒径:5〜13m
m)を、それぞれ単独で、あるいはこれら2種類の砕石
を混合して(粒径:2.5〜13mm)使用するのが好
ましい。
【0036】この場合、使用するセメント6の量は、骨
材100重量部に対して25〜40重量部とする。セメ
ント量が25重量部未満では、骨材5同士の結合が弱
く、40重量部よりも大きい場合には、セメントが骨材
間の間隙を充填し透水性が低下するからである。
【0037】さらに、このセメント6に添加する水の量
は、セメント粉100重量部に対して25〜30重量部
とする。水の量が25重量部未満ではセメントの硬化が
不十分となり、30重量部よりも大きい場合にはセメン
ト6の流動性が大きくなり、下層へ流出する結果、バイ
ンダー3又は10の硬化を阻害するおそれがあるからで
ある。また、セメント中に減水剤(例えば、花王(株)
製、マイティ150)を添加することによって、成形時
にのみその界面活性剤的作用によってコンクリート材に
流動性を与え、剛性粒状体とコンクリート材とをそれぞ
れの間隙と凹凸に効率よく食い込ませることができる。
この場合、使用する減水剤量は、セメント100重量部
に対し、0.8〜1.5重量部程度が好ましい。
【0038】なお、本実施の形態においては、基層8に
透水性コンクリート7を使用することによって舗装用弾
性平板に透水性を付与しているが、これに限らず低透水
性コンクリートを使用してもよい。この場合、コンクリ
ート配合の一例としては、骨材5として道路用砕石7
号:砂(重量比)=40:60〜60:40の混合物を
用い、この骨材100重量部に対し、セメント28〜4
0重量部を用いる。このセメントに添加する水量は、セ
メント粉100重量部に対して25〜30重量部とす
る。減水剤については、前述のごとく適宜使用すること
ができる。
【0039】なお、必要とされる基層8の厚みはコンク
リート材の種類によって異なるが、前述の透水性コンク
リート材を使用する場合には、強度を考慮して30mm
以上とするのが好ましい。厚みの上限については特に制
限はないが、最終製品の厚みから、表面層および中間層
に必要な厚みを勘案して決定すればよい。
【0040】図2は透水性を有する舗装用弾性平板の別
の実施の形態を示す図であり、この舗装用弾性平板1
は、図1の場合と同様に、表面層4と基層8との間に、
中間層9が介在されているが、この中間層9として剛性
粒状体11とゴムチップ2とを混合し、この混合物をバ
インダー10を用いて結合したものを使用している。
【0041】この場合、混合するゴムチップ2は主要部
材である剛性粒状体11間の間隙に部分的に入り込む程
度の量とする。このような中間層9を用いて表面層4を
積層・一体成形すると、剛性粒状体11間の間隙に食い
込んだ表面層のゴムチップ2は、最初に中間層9に混合
していたゴムチップ2と結合することによって、結果的
に表面層4が中間層9に、より深く食い込んだのと同じ
効果を奏し(一点鎖線部分)、両層の接着をより強固な
ものとする。
【0042】中間層9に混合するゴムチップ2の具体的
な量としては、剛性粒状体11として道路用砕石7号を
使用する場合、砕石:ゴムチップ(重量比)=7:1〜
4:1程度とする。ゴムチップの量が、この範囲の下限
値を越えると、接着性に変化がなく、逆にこの範囲の上
限値を越えると、中間層表面に露出するゴムチップの量
が多くなり、前述のごとく中間層9と基層8とが相互に
食い込んでいても基層8に食い込んだゴムチップ2はそ
の弾性変形により基層8から剥離しやすくなるため、全
体として両層間の接着力が低下するからである。
【0043】図3は、舗装用弾性平板の製造に使用する
下型としてのトレーの形態を示す斜視図である。このト
レー12は、打抜き又は切断加工等によって得られた、
四隅に切込みを有する平板状の金属板の四辺を折曲げ
て、中央部に底面部12aが、その周囲に起立した側面
部12bそれぞれ形成されたものである。側面部12b
の高さは、表面層4及び中間層9の高さとほぼ同寸法に
設定され、また、側面部12bは直立よりやや外側に傾
斜した状態に折曲げられており、従って、トレー開口部
12cは、底面部12aよりも少し広くなっている。ま
た、隣接する側面部12bの間には、ゴムチップ2及び
剛性粒状体11の径よりも小さい程度の切込部12dが
形成され、後述の型本体18からの脱型時にスプリング
バック機能を発揮し得るようになっている。
【0044】図4は、本発明に係る舗装用弾性平板の製
造方法の一例を示す工程図である。この工程図に基づい
て弾性平板の製造方法を説明すると、まず、(a)で金
属製トレー12の内面にポリプロピレン製養生シート1
3を敷設し、(b)でトレー12内に表面層材料14を
層状に充填する。(c)で表面層材料14の上にさらに
中間層材料15を層状に充填し、トレー12を敷板16
aに載せた後、敷板16aをテーブル16上に載せる。
(d)でテーブル16を上昇させ、敷板16aを型枠片
17下部に当接させた後、四方より型枠片17が前進
し、トレー12の側面部12bを圧接することにより、
側面部12bが直立に近い状態にまで弾性変形し、切込
部12dを形成する側面部12bの側端部同士が密着に
近い状態となる。それと同時に密着した各型枠片17に
よって型本体18が形成され、この型本体18とトレー
12とで上方が開放された成形型19が形成された後、
この成形型19上面まで基層材料20が供給される。
【0045】次に、(e)で成形型19内の充填物の上
方からプレス板21を降下させ、圧縮力をかけると同時
に、このプレス板21及びテーブル16を振動させて弾
性平板を一体成形する。(f)で成形終了後、プレス板
21が上昇するとともに型枠片17が後退して拡開した
型本体18から取り外された舗装用弾性平板1は、トレ
ー12付の状態で敷板16aに載せたまま約24時間養
生される。
【0046】このとき、型枠片17の圧接によって変形
していた側面部12bはスプリングバック機能によって
もとの状態に復帰するため、密着していた舗装用弾性平
板1と側面部12bとの間にわずかに隙間が生じる。従
って、バインダー3、10が硬化しても、表面層4及び
中間層9とトレー側面部12bとの接着力は極めて弱
く、トレー12は容易に養生後の舗装用弾性平板1から
取り外すことができる。(g)で養生後の舗装用弾性平
板1を養生シート13ごとトレー12から取り外すこと
により養生シート付の舗装用弾性平板1が得られる。
【0047】トレー12としては、一体成形品を使用す
ることも可能であるが、その場合には、側面部12bと
舗装用弾性平板1との接着を防止するために養生シート
13をトレー側面部12bにまで敷設する必要が生じ
る。しかし、養生シート13を折曲げてトレー内面全面
に敷設すると、シワが生じるおそれがあるとともに、側
面部の養生シートは舗装用弾性平板1の敷設時にじゃま
になる。これらの点からも、金属板を折曲げて形成され
るトレー12が有利である。
【0048】上記製造方法においては、重量の大きい基
層材料20が最上層に位置するためその重みで各層とも
密着した状態で硬化し、各層が強固に接着した舗装用弾
性平板1を作成することができる。また、トレー付の状
態で養生させるから、表面および中間層の接着剤が未硬
化状態のときでも基層の重量によって、表面・中間層が
くずれることを防止でき、養生後もトレー12から弾性
平板1を容易に取り外すことができる。
【0049】また、養生シート13を使用しているた
め、トレー12から舗装用弾性平板1を容易に取り外す
ことができる上、この養生シート13は目地砂入れ作業
時に表面層に砂が入り込むのを防止し、施工後の舗装用
弾性平板1の外観を損なうことがない。養生シート13
としてはポリプロピレン製シートに限ることなく、ポリ
エチレン製シート又は塩化ビニル等、トレー及び表面層
4のバインダー3との剥離性が良好なものであれば適宜
使用することができる。なお、舗装用弾性平板1の養生
シート13は、現場において、路盤転圧後、舗装用弾性
平板1を敷設し、目地に砂入れを行い散水を行なってか
ら剥離する。
【0050】図5は、図3に示す製造方法で用いる成形
機の概略図である。この成形機22は、トレー12を載
せて移動するトレー搬送装置23と、トレー12を載せ
て昇降するテーブル16と、トレー12の四方に進退可
能に配された型枠片17と、ホッパー24と、給材箱2
5と、プレス板21と、プレス板21及びテーブル16
に設置されたバイブレーター(図示せず)とを備えてい
る。
【0051】この成形機22の作動状況について説明す
ると、まず、表面層材料14及び中間層材料15が充填
されたトレー12が敷板16aに載せられた状態でトレ
ー搬送装置23によってテーブル16上まで搬送され
る。次いでテーブル16が上昇することによりトレー1
2は、敷板16aごと所定のプレス位置、すなわち敷板
16aが型枠片17に当接する位置まで運ばれる。その
後、トレー12の四方から型枠片17が前進し、各型枠
片17がトレー開口端部に圧接することにより上方が開
放された成形型19が形成される。
【0052】この成形型19内への基層原料の供給は、
ホッパー24および給材箱25によって行われる。給材
箱25は、底面開放した枠体からなり、成形型19の開
口端部からほぼ水平にホッパー24の下方まで敷設され
た台26上を滑動する。したがって、ホッパー24から
所定量の基層材料20を給材された給材箱25が台26
を越えて成形型19上方まで前進すると、給材箱25内
の基層材料20は全量落下し、さらに、給材箱25が後
退する際に、給材箱25の下面によって基層材料20は
均一にならされた状態となる。
【0053】成形型19内に基層材料20が供給された
後、成形型19上方からプレス板21が降下し、成形型
19内の充填物を圧縮(約1〜5kgf/cm2 程度)
すると同時にプレス板21及びテーブル16に設けたバ
イブレーターによって振動(振動数:3800cycl
e/min程度、振幅:1.5mm程度)をかける(成
形時間:5〜10sec程度)。成形条件は上記内容に
限定されず、各層材料が互いに十分食い込み、かつ材料
の破壊が生じない程度であればよい。
【0054】成形終了後は、プレス板21が上昇すると
ともに、各型枠片17が後退し、テーブル16が降下し
て舗装用弾性平板1は敷板16aごと再度トレー搬送装
置23上に載せられ、養生場所まで運ばれる。
【0055】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
においては、表面層と基層との間に、バインダーと剛性
粒状体とを含む中間層を介在させたので、表面層のゴム
チップ及び基層の骨材と中間層の剛性粒状体との投錨効
果及び表面層と中間層のバインダーの接着性により、全
体として接着性に優れた舗装用弾性平板を得ることがで
きる。
【0056】また、表面層及び中間層ともに多くの間隙
を有するため、基層に透水性を有するコンクリートを使
用すれば、透水性の舗装用弾性平板をも提供することが
できる。
【0057】また、中間層として、剛性粒状体とゴムチ
ップとを混合し、この混合物をバインダーを用いて結合
したものを使用すると、表面層が中間層により深く食い
込んだのと同じ効果を奏し、両層の接着は一層強固なも
のとなる。
【0058】さらに、本発明にかかる舗装用弾性平板の
製造方法によると、基層に効果に最低限必要な少ない水
分しか含有しないコンクリート材を使用し、基層を最上
層に配して養生中するため、重量の大きい基層材料の重
みで各層とも密着した状態で硬化し、各層が強固に接着
した舗装用弾性平板を作成することができる。
【0059】しかも、トレー付の状態で養生させるか
ら、表面および中間層の接着剤が未硬化状態のときでも
基層の重量によって、表面・中間層がくずれることを防
止できる。
【0060】また、養生シートを使用すれば、トレーか
ら舗装用弾性平板を容易に取り外すことができる上、こ
の養生シートは目地砂入れ作業時に表面層に砂が入り込
むのを防止し、施工後の舗装用弾性平板の外観を損なう
ことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】舗装用弾性平板の断面図
【図2】舗装用弾性平板の別の実施の形態を示す断面図
【図3】トレー斜視図
【図4】舗装用弾性平板の製造方法を示す工程図
【図5】上記製造方法で用いる成形機の概略図
【符号の説明】
1 舗装用弾性平板 2 ゴムチップ 3、10 バインダー 4 表面層 5 骨材 6 セメント 7 透水性コンクリート 8 基層 9 中間層 11 剛性粒状体 12 トレー 13 養生シート 14 表面層材料 15 中間層材料 16 テーブル 16a 敷板 17 型枠片 18 型本体 19 成形型 20 基層材料 21 プレス板 22 成形機 23 トレー搬送装置 24 ホッパー 25 給材箱

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴムチップを主要部材としてこれをバイ
    ンダーで結合した表面層と、コンクリートからなる基層
    との間に、中間層が介在され、該中間層は表面層のバイ
    ンダーとの接着性が良好なバインダーと、前記表面層の
    ゴムチップ間及び前記基層のコンクリートに食い込み可
    能な剛性粒状体を含むことを特徴とする舗装用弾性平
    板。
  2. 【請求項2】 前記コンクリートが、透水性を有する請
    求項1記載の舗装用弾性平板。
  3. 【請求項3】 前記中間層が、剛性粒状体とゴムチップ
    との混合物をバインダーを用いて結合したものである請
    求項1又は2記載の舗装用弾性平板。
  4. 【請求項4】 成形材料として成形型内の最下層にバイ
    ンダーとゴムチップとの混練物を充填し、次に第2層に
    剛性粒状体を主要部材としてこれとバインダーとの混練
    物を充填し、さらにその上側の第3層として、水分含有
    量が少なく流動性が低いコンクリート材を充填し、これ
    ら充填物に対し上下方向で圧縮力をかけると同時に振動
    をかけて一体成形し、養生させる舗装用弾性平板の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 前記成形型の下型として最下層及び第2
    層の成形材料を充填可能で、かつ前記成形型の本体に対
    して着脱自在なトレーを使用し、このトレーを前記充填
    物の一体成形後に型本体から取り外して成形弾性平板を
    トレー付の状態で養生する請求項4記載の舗装用弾性平
    板の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記最下層の混練物の充填前に前記トレ
    ーの内面に剥離自在な養生シートを敷設する請求項5記
    載の舗装用弾性平板の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102477713A (zh) * 2010-11-26 2012-05-30 深圳市嘉达高科产业发展有限公司 一种复合式弹性地坪

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