JP2005090167A - 多孔質弾性舗装材及びその多孔質弾性舗装材を用いた多孔質弾性舗装用パネルの作製方法 - Google Patents

多孔質弾性舗装材及びその多孔質弾性舗装材を用いた多孔質弾性舗装用パネルの作製方法 Download PDF

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Abstract

【課題】透水性を長期にわたって維持可能で、自動車等の走行騒音を低減可能であって、リサイクル容易で、安価に敷設可能な多孔質弾性舗装材及びその作製方法の提供。
【解決手段】弾性骨材又は弾性骨材と硬質骨材との混合骨材、及びこれら骨材を結合するバインダーからなり、上記骨材間に空隙が設けられた透水性を備えた多孔質弾性舗装材において、バインダーとしてポリエチレン、エチレン酢酸ビニル樹脂、アスファルトから選ばれた少なくとも一種の熱可塑性バインダーを用いる。溶融した熱可塑性バインダーに上記骨材を混合し、この混合物を型枠内に充填し、多孔質弾性舗装用パネルを加圧成型し、冷却して得る。
【選択図】図1

Description

本発明は、多孔質弾性舗装材及びその多孔質弾性舗装材を用いた多孔質弾性舗装用パネルの作製方法に関し、特に、透水性を長期にわたって維持可能で、かつ、自動車の走行騒音を低減可能であって、さらには、リサイクル容易で、安価に敷設可能である車道用多孔質弾性舗装材及びその多孔質弾性舗装材を用いた多孔質弾性舗装用パネルの作製方法に関する。
従来から、以下のような舗装が知られている。
第一に、弾性舗装として、ゴムチップをウレタン系バインダーで結合して敷設したものが知られている。この舗装は、その高い弾性力及び衝撃吸収性から、歩道や競技用トラックに使用されている。
第二に、多孔質舗装として、砂、砂利等の硬質骨材の充填量を調整し、路面表面から路面下層へ通じる空隙を有する状態でアスファルトをバインダーとして用いて結合し、敷設したものも知られている。この舗装は、上記空隙により下層へ雨水を透過させる機能、すなわち透水性を有するため、路面に水が溜まらないので、スリップやハイドロプレーニング等を起こしづらく、安全性が高いこと、また、タイヤが路面接触することにより発生する騒音を上記空隙が吸収するため、低騒音化が図れることから、近年普及が著しい。
なお、路面に雨水を溜めない舗装技術として、上記した技術の他に、コンクリート等の非透水性舗装基礎の上層として多孔質舗装を施工し、非透水性舗装基礎上に雨水を集めて、別途設けた排水機構により排水する所謂排水性舗装技術もあるが、本明細書中では、この排水性舗装技術も本発明でいう透水性の舗装技術のカテゴリーに含まれるものとする。
第三に、最近、上記2つの特質を併せ持つものとして、硬質骨材とゴムチップ等の弾性骨材とを混合し、充填量を調節して路面表面から路面下層へ通じる空隙を有する状態でウレタン系バインダーにて結合した多孔質弾性舗装材が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照。)。
特開平11−323806号公報 特開平11−323809号公報 特開2000−319501号公報
しかしながら、上記したような第一の従来技術の舗装の場合、歩道、競技用トラック等に施工されているけれども、弾性が大きく、荷重に対するたわみが大きく、また、強度も低いため、車道用の舗装材として使用することはできない。
第二の従来技術の舗装の場合、硬質であるアスファルト舗装に空隙を設けた状態で敷設したものであるので、空隙による透水性/排水性を有すると共に、上記空隙が騒音吸収効果を有することが知られている。しかしながら、タイヤと硬い路面とが接触するため、打撃音の吸収には寄与するが、打撃音の発生抑制には寄与しないので、走行騒音の低減には限界がある。また、長期にわたって使用された場合には、空隙に埃やゴミがつまって、透水性や騒音吸収性が低下するので、定期的なクリーニングが必要になるという問題がある。
第三の従来技術の場合、硬質骨材と軟質骨材とウレタン系バインダーとを混合したものであり、適当な割合で混合することにより車道に使用するに足る強度を確保することができ、また、硬質骨材単独に比べて表層が柔らかいため、タイヤとの打撃音の発生を抑制でき、空隙の存在と相まって、走行騒音の低減が図れる。 この第三の従来技術の場合、さらに、車輌走行時の路面自体の弾性変形、タイヤから受ける打撃力、及び空隙上を移動するタイヤの吸い出し効果によって、空隙につまった埃やゴミを排除する効果もあるため、長期にわたって透水性や騒音吸収性が持続する。
しかしながら、上記舗装材に使用されるウレタン系バインダーとしては、熱硬化性又は湿気硬化性ウレタン樹脂があるが、一方の熱硬化性ウレタン系バインダーにおいては、必要硬度を得るために、通常120℃以上の加熱設備と共に、全体が硬化するまで定温にて加熱する必要があるので、温度調節設備が必要であり、他方、湿気硬化性ウレタン系バインダーにおいては、必要硬度を得るための湿度管理が難しく、混合する骨材の含有湿気にも硬化時間が影響されるので、湿度管理設備が必要であるうえ、促進剤等を添加して、急速な硬化をさせると硬化に偏りが生じ易いので、相当に長い硬化時間が必要となり、生産性が悪い。
また、一般に、ウレタン系バインダーは、その製造過程において、有毒な硬化剤の使用や、発ガン性、有毒性のガスや溶液を生じることになるものが多いため、防毒設備が必要となる。
従って、ウレタン系バインダーを用いた舗装は、ウレタン系バインダーの素材自体が相当に高価であるうえ、その製造にあたっては、上記加熱設備、温度調節設備あるいは湿気調節設備、防毒設備等が必要であり、製造コストも相当に高いので、施工単価が非常に高くつくものであった。
また、上記加熱設備、温度調節設備あるいは湿気調節設備、防毒設備等が必要となるため、現場施工は非常に難しいものであった。
さらに、上記した従来のアスファルト舗装や多孔質舗装の場合は、路面刷新の際に生じる古くなった舗装材を粉砕して再度硬質骨材としてリサイクル可能であるが、上記従来の多孔質弾性舗装材は、熱硬化性あるいは湿気硬化性樹脂であるウレタン系バインダーと硬質骨材とゴム等の軟質骨材とからなるため、舗装用骨材へのリサイクルが難しいので、産業廃棄物として処理するしかないという問題もある。
本発明の課題は、上記従来技術の問題点を解決することにあり、透水性を長期にわたって維持可能で、また、自動車等の走行騒音を低減可能であって、さらに、リサイクル容易で、安価に敷設可能である多孔質弾性舗装材及びその多孔質弾性舗装材を用いた多孔質弾性舗装用パネルの作製方法を提供することにある。
本発明者らは、上記したような従来技術の問題点を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、バインダーとして熱可塑性を有する素材を配合することにより、所望の効果が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の多孔質弾性舗装材は、弾性骨材又は弾性骨材と硬質骨材との混合骨材、及びこれら骨材を結合するバインダーからなり、上記骨材間に空隙が設けられた透水性を備えた多孔質弾性舗装材において、上記バインダーとして熱可塑性バインダーを用いるものである。
上記硬質骨材の全骨材に対する割合が0〜20体積%であり、上記熱可塑性バインダーの全骨材に対する割合が5〜40体積%であることが好ましい。
上記熱可塑性バインダーは、特に制限されないが、例えば、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル樹脂、アスファルトから選ばれた少なくとも一種であることが好ましい。これらのバインダーは安価であるため、施工単価を著しく低減することができる。
本発明に係る多孔質弾性舗装材においては、上記したように、硬質骨材を用いなくとも、弾性骨材と熱可塑性バインダーとを配合すれば、所期の目的を達成することができるが、例えば、車道用舗装として適用する場合には、舗装面の強度アップや表面摩擦係数を調整して、タイヤと路面との摩擦力をさらに向上させるために、硬質骨材を配合した方が良い。しかし、硬質骨材の割合が20体積%を超えると、所望の弾性が達成できず、自動車等の走行騒音の低減効果が劣るようになる。
また、熱可塑性バインダーの配合割合が5体積%未満であると骨材同士の結合が不十分であり、その結果、透水性を長期にわたって維持することが困難となり、さらには、自動車の走行騒音の低減効果が劣るようになる。また、その配合割合が40体積%を超えると余分なバインダーが空隙を詰まらせる原因となる。
さらに、弾性骨材又は弾性骨材と硬質骨材との混合骨材に架橋剤を配合し、この骨材を溶融した熱可塑性バインダーに混合することとしたものであっても良い。架橋剤を加えた場合には、溶融した熱可塑性バインダー自体の熱、或いは外部からの加熱によって、主として弾性骨材としてのゴム又はエラストマー間に化学反応が生じ、架橋構造が形成される。このため、施工後において、車両の走行荷重に対応して繰り返し変形する弾性骨材間の結合強度を高めることができるので、舗装としての耐久性を高めることが可能となる。また、結合強度を維持しながらバインダーの量を少なくすることができるので、空隙率を高めることができ、透水性の高い舗装をすることができる。
本発明の多孔質弾性舗装材の作製方法は、溶融した熱可塑性バインダーに弾性骨材又は弾性骨材と硬質骨材との混合骨材を混合して混合物を得、この混合物を所定の型枠内に充填し、型枠を加圧して多孔質弾性舗装用パネルを成型し、次いで、多孔質弾性舗装用パネルを冷却して多孔質弾性舗装材を得る方法である。
また、上記多孔質弾性舗装材作製方法において、硬質骨材、弾性骨材、熱可塑性バインダーのバージン素材を使用する代わりに、一旦上記作製方法によって成型して得られた多孔質弾性舗装材、又は舗装として使用後回収した多孔質弾性舗装材を、粉砕して得られるリサイクル材を加熱して、リサイクル材に含有された熱可塑性バインダーを溶融させ、新たな混合物を得、上記と同様な作製方法によってパネル状の多孔質弾性舗装材を得ることもできる。本発明に係る多孔質弾性舗装材においては、熱可塑性バインダーを用いているので、路面刷新時に生じる古くなった多孔質弾性舗装材を回収し粉砕し、軟化又は溶融する程度に加熱することによって、再度、多孔質弾性舗装材の原料として利用することができるのである。
本発明の多孔質弾性舗装材によれば、バインダーとして、所定の熱可塑性バインダーを使用しているので、透水性を長期にわたって維持可能で、かつ、自動車の走行騒音を低減可能でありながら、多孔質弾性舗装材から多孔質弾性舗装材への原料リサイクルが容易であり、コスト的に安価に製造可能である上、廃材を減らすことができる。
また、常温にて柔軟性を有するポリエチレン、エチレン酢酸ビニル樹脂を熱可塑性バインダーとして用いた場合には、バインダーと弾性骨材との間の接合が長期にわたり破壊し難い多孔質弾性舗装材とすることができる。
さらに、熱可塑性バインダーと骨材との混合の際に、架橋剤を追加混合することによって、弾性骨材とバインダーとの間の接合強度がより高い多孔質弾性舗装材とすることができる。
本発明の多孔質弾性舗装材パネル作製方法によれば、多孔質弾性舗装材を安価で簡単に作製できると共に、ウレタン系バインダーを用いる場合と比較して、安全に現場施工が可能である。
本発明の多孔質弾性舗装材は、上記したように、硬質骨材、弾性骨材、熱可塑性バインダー、及び架橋剤等を所望により選択し、所定の割合で配合したものである。図1に、この多孔質弾性舗装材の一実施の形態の断面を模式的に示す。多孔質弾性舗装材1は、図1に示すように、その上面から下面に連通する空隙を有した状態で、硬質骨材2、弾性骨材3と図示せぬ熱可塑性バインダーとで構成されている。
本発明において用いる硬質骨材は、特に制限されるわけではなく、通常、路面の舗装の際に使用されるものが全て配合可能である。例えば、川砂、川砂利、珪砂等からなる天然骨材や砕石やスラグ、セラミック等からなる人工骨材を使用することができる。後述する所望の空隙率を得るためには、特に0.5〜30mm程度の粒径を有する砂や、珪砂等を用いることが好ましく、また、舗装面の強度アップや表面摩擦係数の調整のためには珪砂が好ましい。
本発明において用いる弾性骨材は、従来技術の多孔質弾性舗装材中に配合されたものは全て使用可能である。例えば、天然ゴムや、合成ゴムを含むエラストマー等を用いることができ、バージンゴムから作製したゴム粉や、再生ゴム粉等のゴム粉、ゴムチップ等を用いることが好ましい。これらの中でも、廃タイヤや廃チューブ等の加硫済みゴム製品を機械的に粉砕して作製された再生ゴム粉がコスト面からは最も好ましい。使用する弾性骨材の粒径は、空隙率や粗密強度との関係から、一般に10mm以下、好ましくは1.4〜3.3mm程度の範囲のものである。
また、本発明における熱可塑性バインダーとしては、上記したように、ポリエチレンやエチレン酢酸ビニル樹脂、アスファルトを単独又は任意の割合で組み合わせて用いることが好ましいが、舗装適用地における路面温度を超える軟化点を有するものであれば、他の熱可塑性素材を用いることもできる。例えば、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリアセタール、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート等を単独で又は混合して用いることができる。再生ポリエチレンや再生エチレン酢酸ビニル樹脂を用いることがコスト面から最も好ましい。
上記バインダー中、特に、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル樹脂は、バージン素材を用いても良いことはもちろんであるが、容器等から得られるリサイクル素材を用いても良い。これらのリサイクル素材は、バージン素材よりも安価に入手可能であり、施工単価をさらに低減することができる。
また、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル樹脂は、弾性骨材と硬質骨材との中間の硬度を有し、比較的柔軟性を有するため、施工後において、車両の荷重に対応して変形する弾性骨材に追従しやすいので、弾性骨材とバインダーとの間で接合が破壊されづらく、剥離が生じ難い。
本発明の多孔質弾性舗装材ではバインダーとして熱可塑性バインダーが使用されているため、この舗装材を機械粉砕して細粉化し、これを再度加熱すれば熱可塑性バインダーが溶融して再度バインダーとして機能するので、作製された多孔質弾性舗装材自体を、多孔質弾性舗装材の原料として使用することが可能である。
なお、本発明の多孔質弾性舗装材では、上記配合成分以外にも、舗装面の強度アップや表面摩擦係数の調整のために、ウレタン樹脂等を配合しても良い。
溶融した熱可塑性バインダーに骨材を混合する際、架橋剤をあらかじめ配合した骨材を混合すれば、溶融した熱可塑性バインダー自体の熱、又は外部からさらに加熱することによって、弾性骨材間、或いは弾性骨材と熱可塑性バインダーとの間に架橋結合が形成され、高い強度を有する多孔質弾性舗装材を得ることができる。特に、架橋剤として、イオウを用いた場合には、化学構造に2重結合を有する素材間、すなわち弾性骨材間に架橋反応が生じるので、イオウをあらかじめ弾性骨材に塗したうえで、混合することが好ましい。さらに、架橋反応が生じない温度で溶融する熱可塑性バインダーを用いる場合には、加圧成型時に加熱することで、架橋反応を生じせしめることができる。
この場合、架橋反応が終了する時間内に加圧成型を終わらせる必要があるので、架橋剤とともに所定量の架橋促進剤又は架橋遅延剤を必要に応じて混入する。
上記架橋剤は、既知の架橋剤を使用でき、弾性骨材の種類に応じて使用することが望ましいが、ゴム粉等の種類を判定しづらい素材を使用する場合には、弾性素材の種類に影響され難いイオウを使用することが好ましい。架橋剤の使用量は、架橋結合が形成されるのに十分な量であればよい。
また、成形完了した多孔質弾性舗装材に対して、電子線を照射することによって、熱可塑性バインダーに架橋反応を生じせしめることができ、より強度の高い多孔質弾性舗装材を得ることができる。電子線照射は、電子線の透過性がさほど高くないため、厚ものには向かないが、少なくとも表層面、すなわち自動車走行面に対して、電子線照射を行うことにより、表面強度を高くできるので、耐久性を向上させることができる。なお、架橋効果を高めるため、成形完了直後の残存熱がある時間内に電子線照射を行うことが好ましい。
本発明の多孔質弾性舗装材の原料としてリサイクル材を利用する際には、所望により、硬質骨材、弾性骨材、熱可塑性バインダー、及び架橋剤のうち少なくとも一種類を所定量追加配合しても良い。
本発明の多孔質弾性舗装材は、15〜40%の空隙率を有するものが好ましいが、この空隙率は、一定体積の多孔質弾性舗装材とこの多孔質弾性舗装材中に含まれる連続空隙との体積比であると定義される。この計算式は、次式の通りである。
空隙率(%) = (V−Vc)/V x 100
V:試験片の体積(cm
Vc:独立空隙を含む骨材の体積(cm
この空隙率は、本発明に係る多孔質弾性舗装材で施工する道路の適用条件に応じて、すなわち、高速道路、幹線道路、或いは住宅近隣車道に適用するかなどの適用条件に応じて、必要強度や必要透水率のバランスを考慮し、充填率の調整によって適宜調整されるものである。この空隙率が15%未満であると、透水性が低く、吸音性も悪く、所望の弾性を達成することができず、また、40%を超えると柔らかくなりすぎて、舗装強度を達成することが困難となる。
本発明に係る多孔質弾性舗装材は、施工現場にて、下地処理した舗装基礎上に枠木を組むなどして設けた型枠に、弾性骨材、あるいは弾性骨材及び硬質骨材の混合骨材と加熱溶融させた熱可塑性バインダーとを混合して得た混合物を適当な空隙率で適用した後、加圧成型し、冷却硬化させて施工することができる。しかしながら、現場施工は、長時間の通行止めをする必要があるうえ、交通量の少ない夜間等に施工時間が偏るため、渋滞に伴う経済的損失や夜間工事の人件費等が高くつくため、極力現場における施工時間が短くできるプレキャスト工法が好ましい。
プレキャスト工法とは、舗装材をあらかじめ工場にてパネル状に成型し、施工現場にて配置施工する工法であり、以下に具体例を説明する。
従来公知の方法にて、透水性コンクリート等からなる舗装基礎の表面を切削工及び/又はショットブラストによる研掃工を行い、次いでその表面にプライマー塗布を施すことによって下地処理を行った舗装基礎表面に、本発明に係る多孔質弾性舗装用パネルの製造方法に従って成型したパネル状の多孔質弾性舗装材を碁盤目状に並べて敷設し、接着施工すれば、硬化時間が不要であるため、短時間で施工を終了させることができる。このようにして行った多孔質弾性舗装材の施工状態の一例を図2に示す。図2に示すように、舗装基礎11上にプライマー12が設けられ、その上に上記多孔質弾性舗装材13が敷設されて構成されている。
また、上記舗装基礎は、透水性コンクリートとしたが、舗装基礎を例えば多孔質舗装層と透水性コンクリート層等の多層としても良いし、別途排水設備を設けて非透水性コンクリートとするなどしても良いことは勿論であり、特に限定されるものではない。
なお、プレキャスト工法は、通常、規格形状で行うことがコスト的に好ましいので、道路形状や道路ジョイント、マンホール等の配置によっては、パネル形状が合致しない部位が生じるが、本発明に係る多孔質弾性舗装材は、上記の如く現場施工することもできるので、小面積に限り現場にて施工することで、施工時間を大幅に延長することはない。また、本発明に係る多孔質弾性舗装材は、バインダーの溶融温度まで加熱すれば容易に施工可能になるので、小面積で多数の穴埋め的な施工にも適する。
以下、本発明を実施例及び使用例に基づいて説明する。
多孔質弾性舗装材を、次のようにして、通常のプレキャスト法で製造した。 まず、熱可塑性バインダーとしてポリエチレン(東ソー株式会社製、商品名:ニポロン−Z、粒径1.4〜3.3mm)26体積%を200℃まで加熱して溶融せしめた。この溶融したポリエチレンと、硬質骨材としての砂(粒径0.5〜30mm)9体積%と、弾性骨材としての再生ゴム粉(粒径1.4〜3.3mm)65体積%とを混合し、撹拌して、均一な混合物を得た。得られた混合物を、1000x1000x30mmの型枠内に流し込んだ後、加圧成形し、冷却硬化し、脱型して、多孔質弾性舗装材のパネルを得た。得られた舗装材は、図1に示すような断面を有していた。この舗装材の空隙率は30%であった。また、この舗装材は、その透水性が長期にわたって良好であり、自動車等の走行騒音を低減でき、安価に敷設可能であった。
本実施例では、多孔質弾性舗装材の各成分の配合割合を上記体積%の構成としたが、特に硬質骨材の割合は、一般道、高速道等使用路面の要求硬度に応じて配合割合及び粒径の混合比を本発明の範囲内で適宜増減することができる。
実施例1において製造したパネル形状の多孔質弾性舗装材を機械粉砕し、粒径30mm程度の細粒子化し、これを多孔質弾性舗装材の原料として、実施例1の方法に準じて以下のように処理した。
上記のようにして得た細粒子を加熱して中に含まれているポリエチレンを溶融し、かくして得られた混合物を型枠に流し込んだ後、加圧成形し、冷却硬化し、脱型して、再生多孔質弾性舗装材のパネルを得た。この舗装材は、リサイクル前の実施例1で得られたものと同等の多孔質弾性舗装材であった。
なお、多孔質弾性舗装材の使用状況、使用期間等を考慮して、弾性骨材や硬質骨材の状態によっては、又は施工場所の要求性能等によっては、新しい骨材等を所定の割合で補充しても良い。
実施例1記載の方法を繰り返した。ただし、硬質骨材である砂を配合することなく、ポリエチレン30体積%と再生ゴム粉70体積%とを混合して、実施例1の方法に基づき、パネル形状の多孔質弾性舗装材を得た。この舗装材の空隙率は38%であり、実施例1の舗装材とほぼ同じものであった。
実施例1記載の方法を繰り返した。但し、骨材に、架橋剤として、イオウ(鶴見化学工業株式会社製、商品名:金華印微粉硫黄、200mesh)2体積%を配合し、乾燥状態で攪拌したものを溶融した熱可塑性バインダーに混合攪拌し、均一に分散させて、直ちに型枠内に流し込み、加圧成型し、自然冷却にて硬化し、脱型して、多孔質弾性舗装材のパネルを得た。この舗装材は、実施例1で得られたものと同等以上の強度を有する多孔質弾性舗装材であった。
使用例1
施工現場において実施例1と同じ配合割合の混合物を調製し、これを用いて現場施工した。すなわち、施工現場において、溶融した熱可塑性バインダーと硬質骨材と軟質骨材とを混合・攪拌し、得られた混合物を現場の舗装基礎に設けた所定寸法の型枠に流し込んだ後、その上面を鉄板で加圧し、締め固めて、冷却硬化し舗装施工を行った。
この施工方法によれば、特に路面角部や接合部にも適用可能であったので、現場施工の柔軟性が高いことが分かった。すなわち、道幅変化やマンホールや電柱、道路ジョイント等の路上設備の配置に適合させることが可能であり、施工に関して柔軟性がある。
上記各例では、熱可塑性バインダーとして、ポリエチレンを用いたが、エチレン酢酸ビニル樹脂、アスファルトを用いても、両者を任意の割合で混合した混合物を用いても、同様な結果が得られる。特に、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル樹脂等に関しては、再生樹脂が流通しているので、これら再生樹脂を用いることによって、より安価でかつ環境にやさしい多孔質弾性舗装材とすることができる。
本発明の多孔質弾性舗装材の一実施の形態の断面を示す模式図 本発明の多孔質弾性舗装材の施工状態の一例を示す概略断面図
符号の説明
1 多孔質弾性舗装材 2 硬質骨材
3 弾性骨材 11 舗装基礎
12 プライマー 13 多孔質弾性舗装材

Claims (8)

  1. 弾性骨材又は弾性骨材と硬質骨材との混合骨材、及びこれら骨材を結合するバインダーからなり、上記骨材間に空隙が設けられた透水性を備えた多孔質弾性舗装材において、上記バインダーが熱可塑性バインダーであることを特徴とする多孔質弾性舗装材。
  2. 上記硬質骨材の全骨材に対する割合が0〜20体積%であり、上記熱可塑性バインダーの全骨材に対する割合が5〜40体積%であることを特徴とする請求項1記載の多孔質弾性舗装材。
  3. 上記熱可塑性バインダーが、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル樹脂、アスファルトから選ばれた少なくとも一種類であることを特徴とする請求項1又は2記載の多孔質弾性舗装材。
  4. 上記弾性骨材又は弾性骨材と硬質骨材との混合骨材が、架橋剤を配合したものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の多孔質弾性舗装材。
  5. 溶融した熱可塑性バインダーに弾性骨材又は弾性骨材と硬質骨材との混合骨材を混合して混合物を得る第1の工程と、
    上記混合物を所定の型枠内に充填する第2の工程と、
    上記型枠を加圧して多孔質弾性舗装用パネルを成型する第3の工程と、
    上記多孔質弾性舗装用パネルを冷却する第4の工程とからなることを特徴とする多孔質弾性舗装用パネルの作製方法。
  6. 上記弾性骨材又は弾性骨材と硬質骨材との混合骨材が、架橋剤を配合したものであることを特徴とする請求項5記載の多孔質弾性舗装用パネルの作製方法。
  7. 弾性骨材又は弾性骨材と硬質骨材との混合骨材と、熱可塑性バインダーとからなる多孔質弾性舗装材を粉砕して得られたリサイクル材を加熱して、熱可塑性バインダーの溶融された混合物を得る第1の工程と、
    上記混合物を所定の型枠内に充填する第2の工程と、
    上記型枠を加圧して多孔質弾性舗装用パネルを成型する第3の工程と、
    上記多孔質弾性舗装用パネルを冷却する第4の工程とからなることを特徴とする多孔質弾性舗装用パネルの作製方法。
  8. 上記第1の工程において、上記リサイクル材に、硬質骨材、弾性骨材、熱可塑性バインダー、及び架橋剤のうち少なくとも一種類を追加混入させたものを加熱することを特徴とする請求項7記載の多孔質弾性舗装用パネルの作製方法。
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