JPH1088170A - 金属加工油組成物 - Google Patents
金属加工油組成物Info
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Abstract
を提供すること。 【解決手段】 本発明の金属加工油組成物は、(A)成
分として、ダイマー酸及びネオペンチル型ポリオールを
縮合して製造されたポリエステル、又はダイマー酸、ネ
オペンチル型ポリオール及びアルコール若しくはフェノ
ールを縮合して製造されたポリエステル、並びに(B)
成分として、下記〔化1〕の一般式(1)で表されるジ
ンクジチオホスフェートを含有するものである。 【化1】
Description
物、詳しくは、特定のポリエステル及びジンクジチオホ
スフェートを用いたことを特徴とする金属加工油組成物
に関する。
研削、引き抜き、伸線、プレス等のいわゆる金属加工に
用いられる油剤は、動植物性油脂、鉱油、合成油或いは
これらの混合物を基油とし、これに油性剤、極圧剤、防
錆剤、酸化防止剤等を加えて従来から使用されてきた。
特に、一般の技術水準の高度化に伴い、各種加工機械類
の大型化、精密化ならびに金属材料の硬度の上昇、金属
加工条件の高速高圧力化、更には金属製品仕上げ面の精
密化等のように、金属加工条件がますます苛酷になって
おり、より一層の極圧性が必要とされてきた。この問題
を解決するため、従来は塩素系の極圧剤が使用されてい
た。
癌性が懸念されており、近年の環境に対する配慮から
も、非塩素系極圧剤が好ましいものとされつつある。ま
た、塩素系極圧剤に代わる添加剤として、ジンクジチオ
ホスフェート(以下、「ZDTP」ということもある)
がある。ZDTPを添加した金属加工油の例としては、
圧造加工油として、ホウ酸塩とZDTPとを組み合わせ
た組成物(特開昭56−79193号公報)、水系金属
加工油として、ポリオキシアルキレンアミン類とZDT
Pとを組み合わせた組成物(特開昭59−108098
号公報)、切削油として、特公昭63−12920号公
報、特公昭51−40567号公報、特開平6−655
89号公報、特開平6−287581号公報、特開平6
−330076号公報、特開平6−313182号公
報、特開平7−233388号公報等に記載のものがあ
る。また、塑性加工油としては、特開平7−11868
2号公報に記載の冷間鍛造加工油や、特開平7−188
688号公報に記載のアルミニウム塑性加工油等があ
る。
性加工油については、要求される潤滑性が切削油等と比
べて格段に苛酷であるためか、従来提案されてきたZD
TPを配合した金属加工油では不十分であることが明ら
かになった。
縮合して得られたポリエステルは、金属加工用添加剤と
して知られている。例えば、特公昭48−39206号
公報には、エチレングリコールとダイマー酸から製造さ
れたポリエステルを、金属冷間圧延油添加剤として使用
する技術が開示されている。また、特公昭52−175
16号公報には、2〜4価のポリオール、ダイマー酸な
どの2塩基酸及び脂肪酸若しくはアルコールからなるポ
リエステルを鉱油に配合し、ステンレス用冷間圧延油と
して使用する技術が開示されている。特公平2−323
15号及び特公平5−64679号公報には、ダイマー
酸又はポリマー酸とポリオール類を加熱縮合し、残余の
カルボキシル基をアルコール等で封鎖した分子量750
〜7,500のエステルを油脂類に配合し、金属材料の
冷間圧延用潤滑油として使用する技術が開示されてい
る。しかしながら、これらの技術によっても未だ満足の
いく極圧性及び潤滑性が得られていないのが現状であっ
た。
性に優れた金属加工油組成物を提供することにある。
を進めた結果、特定のポリエステル及びZDTPを用い
た金属加工油組成物が、上記目的を解決することができ
ることを知見した。
で、(A)成分として、ダイマー酸及びネオペンチル型
ポリオールを縮合して製造されたポリエステル、又はダ
イマー酸、ネオペンチル型ポリオール及びアルコール若
しくはフェノールを縮合して製造されたポリエステル、
並びに(B)成分として、下記〔化5〕(前記〔化1〕
と同じ)の一般式(1)で表されるジンクジチオホスフ
ェートを含有する金属加工油組成物を提供するものであ
る。
について詳細に説明する。本発明に用いられる(A)成
分は、ダイマー酸及びネオペンチル型ポリオールを縮合
して製造されたポリエステル、又はダイマー酸、ネオペ
ンチル型ポリオール及びアルコール若しくはフェノール
を縮合して製造されたポリエステルである。ここで、後
者のポリエステルは、詳しくはダイマー酸及びネオペン
チル型ポリオールから構成されたポリエステルの末端の
カルボキシル基をアルコール又はフェノールで封鎖した
ポリエステルである。
ン酸、ジエン酸、トリエン酸等を加熱して脱水素、共役
化を伴って重合した重合脂肪酸をいう。ここで、該モノ
エン酸としては、例えば、リンデル酸、ツズ酸、フィセ
トレイン酸、ミリストレイン酸、ゾーマリン酸、ペトロ
セリン酸、オレイン酸、エライジン酸、ガドレン酸、ゴ
ンドウ酸、鯨油酸、エルカ酸、ブラシジン酸、セラコレ
イン酸等が挙げられる。また、該ジエン酸としてはリノ
ール酸、リノエライジン酸等が挙げられる。また、該ト
リエン酸とはリノレン酸、エレオステアリン酸等が挙げ
られる。
知られてはいないが、例えばリノール酸は下記〔化6〕
に示すような反応経路によりダイマー酸(a)を形成す
るといわれている。
リエステルの原料として用いられるダイマー酸は、いか
なるダイマー酸でも使用でき、単一の不飽和脂肪酸から
生成したダイマー酸であっても、2以上の不飽和脂肪酸
から生成したダイマー酸でも使用できるが、好ましくは
オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸等の炭素数18
の不飽和脂肪酸から生成したダイマー酸が良い。
のもう一方の原料であるネオペンチル型ポリオールと
は、分子内に下記〔化7〕に示す式で表すことができる
ネオペンチル炭素原子を有するポリオールをいう。
例えば、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタ
ン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、
ジペンタエリスリトール、又はこれらが脱水縮合したポ
リオールが挙げられる。これらの中でもネオペンチルグ
リコールが最も好ましい。
リオールを縮合して上記(A)成分であるポリエステル
を製造するには通常脱水縮重合によるが、その製造方法
は特に限定されず、通常のポリエステルを製造する方法
と同様であってよい。
型ポリオール及びアルコール若しくはフェノールを縮合
して上記(A)成分であるポリエステルを製造するに
は、上記と同様に上記ダイマー酸及び上記ネオペンチル
型ポリオールを縮合してポリエステルを製造し、更に末
端に存在する残余のカルボキシル基を該アルコール又は
フェノールを反応させアルコキシル化又はフェノキシ化
し封鎖することにより得られる。
ポリエステルのうち、後者のポリエステル(カルボキシ
ル基がアルコール又はフェノールで封鎖されたポリエス
テル)の方が好ましい。
ば、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロ
パノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、
ヘプタノール、オクタノール、2−エチルヘキサノー
ル、ノナノール、デカノール、ラウリルアルコール、ト
リデカノール、イソトリデシルアルコール、ミリスチル
アルコール、セチルアルコール、パルミチルアルコー
ル、ステアリルアルコール、エイコサノール、ドコサノ
ール、テトラコサノール、ヘキサコサノール、オクタコ
サノール、ミリシルアルコール、ラッセロール、テトラ
トリアコンタノール、アリルアルコール、オレイルアル
コール、イソステアリルアルコール、シクロペンタノー
ル、シクロヘキサノール等が挙げられる。
レゾール、エチルフェノール、ターシャルブチルフェノ
ール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、ドデシ
ルフェノール、スチレン化フェノール、パラクミルフェ
ノール等が挙げられる。
特に炭素数4〜16のアルコールが好ましい。
の分子量(重量平均分子量)は特に限定されないが、通
常1,000〜100,000、好ましくは2,000
〜30,000である。該分子量が100,000より
も大きいと粘度が高くなり配合、調製時に不都合を起こ
し易く取り扱いも難しくなり、1,000よりも小さい
と添加する効果が十分得られなくなる場合がある。
は特に限定されないが、組成物全量に対して好ましくは
10〜80重量%、より好ましくは20〜75重量%、
最も好ましくは30〜70重量%添加すると良好な効果
が得られる。該含有量が80重量%よりも多いと粘度が
高くなり配合、調製時に不都合を起こし易く取り扱いも
難しくなり、10重量%よりも小さいと添加する効果が
十分得られなくなる場合がある。
クジチオホスフェート(ZDTP)は、上記一般式
(1)で表される化合物である。該一般式(1)におい
て、R1〜R4 はそれぞれ炭化水素基を示し同一でも異
なってもよい。該炭化水素基は、飽和、不飽和、鎖状、
環状、直鎖、分岐鎖を問わず、また脂肪族、脂環族、芳
香族のいずれであってもよい。該炭化水素基としては、
例えば、アルキル基、アルケニル基、アリール基、シク
ロアルキル基、シクロアルケニル基等が挙げられる。
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブ
チル、ターシャリブチル、ペンチル、イソペンチル、ネ
オペンチル、ターシャリペンチル、ヘキシル、ヘプチ
ル、オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、
ウンデシル、ドデシル、トリデシル、イソトリデシル、
ミリスチル、パルミチル、ステアリル、イコシル、ドコ
シル、テトラコシル、トリアコンチル、2−オクチルド
デシル、2−ドデシルヘキサデシル、2−テトラデシル
オクタデシル、モノメチル分岐−イソステアリル等が挙
げられる。
ば、ビニル、アリル、プロペニル、イソプロペニル、ブ
テニル、イソブテニル、ペンテニル、イソペンテニル、
ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセ
ニル、ウンデセニル、ドデセニル、テトラデセニル、オ
レイル等が挙げられる。
フェニル、トルイル、キシリル、クメニル、メシチル、
ベンジル、フェネチル、スチリル、シンナミル、ベンズ
ヒドリル、トリチル、エチルフェニル、プロピルフェニ
ル、ブチルフェニル、ペンチルフェニル、ヘキシルフェ
ニル、ヘプチルフェニル、オクチルフェニル、ノニルフ
ェニル、デシルフェニル、ウンデシルフェニル、ドデシ
ルフェニル、スチレン化フェニル、クミルフェニル、α
−ナフチル、β−ナフチル等が挙げられる。
えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチ
ル、メチルシクロペンチル、メチルシクロヘキシル、メ
チルシクロヘプチル等が挙げられる。また、上記シクロ
アルケニル基としては、例えば、シクロペンテニル、シ
クロヘキセニル、シクロヘプテニル、メチルシクロペン
テニル、メチルシクロヘキセニル、メチルシクロヘプテ
ニル基等が挙げられる。
エチルヘキシル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシ
ル、トリデシル、イソトリデシル、ミリスチル、パルミ
チル、ステアリル等の炭素数8〜20のアルキル基が好
ましい。更に、これらのアルキル基のなかでも炭素数1
0〜14の一級アルキル基、即ちデシル基、ウンデシル
基、ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、ミ
リスチル基は、臭気が少なく、分解温度が高く、潤滑性
も良好なので特に好ましい。
業的に行われている製造方法により製造することがで
き、例えば、特公昭48−37251号公報に示す方法
で製造することができる。
量は特に限定されないが、組成物全量に対して好ましく
は10〜70重量%、より好ましくは20〜65重量
%、最も好ましくは30〜60重量%である。該含有量
が70重量%よりも多いと前記(A)成分の添加の効果
が発揮されない場合があり、10重量%よりも少ないと
添加する効果が十分得られない場合がある。
る場合は、本発明の金属加工油組成物には、(C)成分
として、下記〔化8〕(前記〔化2〕と同じ)の一般式
(2)で表わされる硫化オキシモリブデンジチオカーバ
メート(以下、「MoDTC」ということもある)、下
記〔化9〕(前記〔化3〕と同じ)の一般式(3)で表
わされる硫化オキシモリブデンジチオホスフェート(以
下、「MoDTP」ということもある)、及び6価のモ
リブデン化合物を下記〔化10〕(前記〔化4〕と同
じ)の一般式(4)で表されるアミノ化合物と反応させ
て得られるモリブデンアミン化合物(以下、「MoA
m」ということもある)からなる群から選ばれる一種以
上のモリブデン化合物を添加することができる。該記モ
リブデン化合物を添加するに際しては、1種であって
も、2種以上を併用してもよい。
れぞれのモリブデン化合物において、R5 〜R14はそれ
ぞれ炭化水素基を示し同一でも異なってもよく、例え
ば、前述の一般式(1)中のR1 〜R4 が示す炭化水素
基として例示したものと同様のものが挙げられる。な
お、R13及びR14は水素原子でもよいが、同時に水素原
子であることはない。これらの炭化水素基の中でも、優
れた潤滑性、加工性を得るためには、上記MoDTCに
おけるR5 〜R8 が炭素数8〜13のアルキル基である
ことが好ましく、また、上記MoDTPにおけるR9 〜
R12が炭素数6〜13のアルキル基であることが好まし
く、また、上記MoAmにおけるR13及びR 14が炭素数
6〜18のアルキル基であることが好ましい。
ては、X1 〜X8 は各々硫黄原子又は酸素原子であり、
X1 〜X8 の全てが硫黄原子或いは全てが酸素原子であ
ってもよく、4つのX1 〜X4 及び4つのX5 〜X8 が
それぞれ硫黄原子或いは酸素原子であってもよいが、潤
滑性及び腐食性を考慮した場合、全X中の硫黄原子/酸
素原子の比が1/3〜3/1であるのが特に好ましい。
ば、特公昭56−12638号公報に記載された方法が
好ましい。即ち、三酸化モリブデン若しくはモリブデン
酸塩と、硫化アルカリ或いは水硫化アルカリとを反応さ
せ、次いで二硫化炭素と二級アミンを加えて適当な温度
で反応させることにより得ることができる。
は、例えば、特開昭61−87690号公報及び特開昭
61−106587号公報に記載された方法が好まし
い。即ち、三酸化モリブデン若しくはモリブデン酸塩
と、硫化アルカリ或いは水硫化アルカリとを反応させ、
次いでP2 S5 と二級アルコールとを加えて適当な温度
で反応させることにより得ることができる。
化合物と、1級或いは2級のアミンとの塩であって、例
えば、特開昭61−285293号公報に示された方法
により製造されるのが好ましい。即ち、三酸化モリブデ
ン若しくはモリブデン酸塩と、1級或いは2級のアミン
とを室温から100℃の間で反応させることにより得る
ことができる。
(C)成分であるモリブデン化合物の含有量は特に限定
されないが、組成物全量に対して好ましくは0.1〜2
0重量%、より好ましくは0.1〜15重量%、最も好
ましくは0.1〜10重量%添加すると良好な効果が発
揮される。該含有量が20重量%よりも多いと臭気や腐
食の問題が起こる場合があり、0.1少ないと十分な効
果が発揮されない場合がある。
意に各種の添加剤、例えば、脂肪酸、油脂、油性剤、消
泡剤、極圧剤、防錆剤等を加えることができる。これら
の中でも、極圧剤、とりわけ硫黄系極圧剤(1分子内に
硫黄原子を有する極圧剤)や防錆剤を加えると、加工
性、保存安定性を向上させるために好ましい。
ば、硫化オレフィン、硫化パラフィン、硫化ラード等の
硫化油、ジアルキルポリスルフィド、ジベンジルジスル
フィド、ジフェニルジスルフィド、チウラムジスルフィ
ド、チアジアゾール、ポリフェニレンスルフィド、アル
キルメルカプタン、アルキルスルホン酸等が挙げられ
る。
わない範囲の量で適宜使用できるが、組成物全量に対し
て、好ましくは0.01〜35重量%、より好ましくは
0.1〜35重量%、最も好ましくは1〜20重量%添
加することができる。
キルコハク酸、ナフテン酸、アビエチン酸、リノール
酸、リノレイン酸、オレイン酸、ダイマー酸、アルキル
フェノキシ酢酸、キサントゲン酢酸等のカルボン酸類、
ステアリン酸のアルミニウム塩、亜鉛塩、マグネシウム
塩、バリウム塩、アリルステアリン酸カルシウム、ラウ
リン酸亜鉛、リノレイン酸のカルシウム塩、ナトリウム
塩、羊毛脂の鉛セッケン、パルミチン酸マグネシウム、
ナフテン酸の鉛塩、亜鉛塩、マグネシウム塩、マンガン
塩等の金属カルボキシレート、アルカリ金属スルホネー
ト、アルカリ土類金属スルホネート、アルキルベンゼン
スルホネート、アルキルナフタレンスルホネート、石油
スルホネート、アミンスルホネート、アンモニウムスル
ホネート等のスルホン酸塩類、ロジンアミン、ステアリ
ルアミン、パルミチルアミン、ジシクロヘキシルアミ
ン、アルカノールアミン、アルキルイミダゾリン等のア
ミン類、モノ/ジアルカノールアミンの脂肪酸アミド等
のアミド類、ソルビタンモノオレート、ソルビタンモノ
オレートのポリオキシアルキレン誘導体、ペンタエリス
リトールモノオレート、エルカ酸ジポリエステル、パル
ミチン酸トリエステル等のエステル類等が挙げられる。
範囲の量で適宜使用できるが、組成物全量に対して、好
ましくは0.01〜10重量%、より好ましくは0.1
〜5重量%、最も好ましくは0.1〜3重量%添加する
ことができる。
することができる極圧剤としては、ホウ酸エステル類、
ジチオカーバメート類、酸性リン酸エステル類、酸性亜
リン酸エステル類、ジチオホスフェート類、アルキルリ
ン酸エステル類、アリールリン酸エステル類等が例示で
きる。
以外の成分として、基油を使用できる。本発明に用いら
れる基油は、通常金属加工油用基油として用いることが
できる鉱油或いは合成油、油脂或いはこれらの混合物で
あってよい。なお、本発明において、上記基油は使用し
てもよく、使用しなくてもよい。
離、蒸留、精製されるものをいい、例えばパラフィン
系、ナフテン系、或いはこれらを水素化処理、溶剤精製
したもの等が挙げられる。これらの中には、いわゆるス
ピンドル油、マシン油、タービン油、シリンダー油と称
されている鉱油が含まれる。
た潤滑油であって、例えばポリ−α−オレフィン、ポリ
イソブチレン(ポリブテン)、ジエステル、ポリオール
エステル、リン酸エステル、ケイ酸エステル、ポリアル
キレングリコール、ポリフェニルエーテル、シリコー
ン、フッ素化化合物、アルキルベンゼン等が挙げられ
る。
脂、ナタネ油、ヤシ油、パーム油、ヌカ油、大豆油或い
はこれらの水素添加物等が挙げられる。
定されないが、40℃での粘度がおおむね100〜10
0,000cSt、好ましくは300〜50,000c
St、更に好ましくは1,000〜10,000cSt
である。該粘度が100cStよりも小さいと加工の際
に油膜切れをおこし精密な加工が不可能となる場合があ
り、100,000cStよりも大きいと製造上又は使
用上取り扱いが難しくなる場合がある。尚、通常は前記
(A)成分であるポリエステルの添加量を調節すること
により、本発明の金属加工油組成物自身の粘度を調整す
ることができる。
例えば切削加工、研磨加工に用いられる限りは特に用途
は限定されないが、好ましくはいわゆる塑性加工に用い
るのがよい。即ち、本発明の金属加工油組成物を塑性加
工油組成物として用いるのが好ましい。ここでいう塑性
加工とは、例えば伸線加工、圧延加工、鍛造加工、プレ
ス加工、押し出し加工、曲げ加工、絞り加工、張出し加
工、しごき加工、ロール成形、剪断加工、回転加工、延
ばし加工、引き抜き加工、施圧加工等である。
なる金属は、鉄、アルミニウム、チタン、マグネシウ
ム、銅、亜鉛、マンガン、これらの合金(例えばステン
レス、黄銅)或いはこれらとケイ素の合金等、特に限定
されないが、特に鉄、アルミニウム、ステンレスを対象
とした場合に良好な効果を発揮する。
明する。下記〔表1〕及び〔表2〕に示す配合(配合量
単位;重量部)の金属加工油組成物を高速四球型摩擦試
験機に供し、初期焼付荷重(Seizure Load )を測定し
た。また、荷重を100kg及び200kgかけて試験
したときの摩耗痕径をそれぞれ測定した。尚、試験条件
は、回転数1,500rpm、試験温度は室温とした。
それらの結果を下記〔表1〕及び〔表2〕に示す。
す。 (A)成分 ・ポリエステル1:ダイマー酸、ネオペンチルグリコー
ル及び2―エチルヘキサノールから製造された重量平均
分子量22,400のポリエステル。 ・ポリエステル2:ダイマー酸、ネオペンチルグリコー
ル及び2―エチルヘキサノールから製造された重量平均
分子量8,500のポリエステル。 ・ポリエステル3:ダイマー酸、ネオペンチルグリコー
ル及び2―エチルヘキサノールから製造された重量平均
分子量3,000のポリエステル。
が何れもn−ドデシル基であるZDTP。 ・ZDTP2:前記一般式(1)において、R1 〜R4
が何れも2―エチルヘキシル基であるZDTP。
が何れも2―エチルヘキシル基であり、X1 〜X4 がS
/O=2.2であるMoDTC。 ・MoDTP:前記一般式(3)において、R9 〜R12
が何れも2―エチルヘキシル基であり、X5 〜X8 がS
/O=2.2であるMoDTP。 ・MoAm:下記の方法で合成されるMoAm。 窒素気流下で三酸化モリブデン1モルを水540mlに
分散させ、次いで2モルのジトリデシルアミン〔前記一
般式(4)において、R13及びR14がそれぞれイソトリ
デシル基であるアミノ化合物〕を50〜60℃に保ちつ
つ、1時間で滴下、さらに同温度で1時間熟成した。こ
の後、水層を分離除去し、淡青色オイル状のモリブデン
酸アミン化合物(MoAm)を合成した。
ダイマー酸及びネオペンチル型ポリオールから製造され
たポリエステル及びZDTPを含有する本発明の金属加
工油組成物は、ポリエステル又はZDTPの何れかを単
独で用いた金属加工油組成物(比較例1〜6)に比べ
て、初期焼付荷重が大きいことが判る。更に、モリブデ
ン化合物、硫黄系極圧剤、防錆剤を含有する金属加工油
組成物は、より優れた効果を発揮していることが明らか
である。
リエステル及びジンクジチオホスフェート(ZDTP)
を含有するもので、極圧性、潤滑性及び加工性に優れた
ものである。更に、本発明の金属加工油組成物は、モリ
ブデン化合物を含有することで上記効果のより優れたも
のとなる。
Claims (8)
- 【請求項1】 (A)成分として、ダイマー酸及びネオ
ペンチル型ポリオールを縮合して製造されたポリエステ
ル、又はダイマー酸、ネオペンチル型ポリオール及びア
ルコール若しくはフェノールを縮合して製造されたポリ
エステル、並びに(B)成分として、下記〔化1〕の一
般式(1)で表されるジンクジチオホスフェートを含有
する金属加工油組成物。 【化1】 - 【請求項2】 上記ネオペンチル型ポリオールが、ネオ
ペンチルグリコールである請求項1記載の金属加工油組
成物。 - 【請求項3】 上記(A)成分であるポリエステルの分
子量が、1,000〜100,000である請求項1又
は2記載の金属加工油組成物。 - 【請求項4】 上記(A)成分の含有量が組成物全量に
対して10〜80重量%であり、上記(B)成分の含有
量が組成物全量に対して10〜70重量%である請求項
1乃至3のいずれか1項記載の金属加工油組成物。 - 【請求項5】 更に、(C)成分として、下記〔化2〕
の一般式(2)で表わされる硫化オキシモリブデンジチ
オカーバメート、下記〔化3〕の一般式(3)で表わさ
れる硫化オキシモリブデンジチオホスフェート、及び6
価のモリブデン化合物を下記〔化4〕の一般式(4)で
表されるアミノ化合物と反応させて得られるモリブデン
アミン化合物からなる群から選ばれる一種以上のモリブ
デン化合物を含有する請求項1乃至4のいずれか1項記
載の金属加工油組成物。 【化2】 【化3】 【化4】 - 【請求項6】 上記一般式(1)中のR1 〜R4 が、何
れも炭素数10〜14の一級アルキル基である請求項1
乃至5のいずれか1項記載の金属加工油組成物。 - 【請求項7】 更に、1分子内に硫黄原子を有する極圧
剤、及び/又は防錆剤を含有する請求項1乃至6のいず
れか1項記載の金属加工油組成物。 - 【請求項8】 請求項1乃至7のいずれか1項記載の金
属加工油組成物からなる塑性加工油組成物。
Priority Applications (1)
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