JPH1088117A - 蓄熱材組成物 - Google Patents

蓄熱材組成物

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JPH1088117A
JPH1088117A JP8239407A JP23940796A JPH1088117A JP H1088117 A JPH1088117 A JP H1088117A JP 8239407 A JP8239407 A JP 8239407A JP 23940796 A JP23940796 A JP 23940796A JP H1088117 A JPH1088117 A JP H1088117A
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JP
Japan
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heat storage
storage material
amide
erythritol
material composition
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Pending
Application number
JP8239407A
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English (en)
Inventor
Masanori Yamazaki
正典 山崎
Hiroyuki Kakiuchi
博行 垣内
Tsutomu Isaka
勉 井坂
Shoichi Chihara
彰一 千原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 充分な結晶化潜熱を保ちながら、過冷却が防
止された蓄熱材組成物を提供する。 【解決手段】 エリスリトール、マンニトール、ガラク
チトールから選ばれる少なくとも一種の糖アルコール
に、炭素数12以上の長鎖脂肪酸のアミド化合物を含有
することを特徴とする蓄熱材組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エリスリトール、
マンニトールまたはガラクチトールを主成分とし、これ
らの化合物の融解潜熱を利用する蓄熱材組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】潜熱蓄熱材は、顕熱蓄熱材に比べて蓄熱
密度が高く、相変化温度が一定であるという利点を生か
して実用化されている。溶融と凝固の繰り返しに伴う潜
熱の出し入れを利用するため、その温度帯によって様々
な用途に使用される。潜熱蓄熱材としては氷、硫酸ナト
リウム10水塩、塩化カルシウム6水塩および酢酸ナト
リウム3水塩等が知られている。これらは比較的低温で
の潜熱を利用するために冷房設備や床暖房などに利用さ
れる。一方で、セラミックヒーターや給湯、ボイラーの
廃熱利用および太陽エネルギーと組み合わせた蓄熱設備
を考慮した場合、これまで以上の高温域において相変化
を有するものが切望されている。
【0003】そこで、高温域に相変化を有する蓄熱材組
成物として、エリスリトール、マンニトール、ガラクチ
トール等の糖アルコールを用いることが提案されている
(特開平5−32963号公報、特公表63−5009
46)。糖アルコールは蓄熱量が高く、毒性、環境汚染
性がなく、また容器などへの腐食性もない。入手の容易
さやコスト面からも高温型蓄熱材として最適である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一方、糖アルコールに
おいては、融点以上の温度で一旦融解し、これを冷却し
て凝固させる際、融解温度を下回っても結晶化しない、
いわゆる過冷却現象が起こるという問題点がある。特開
平5−32963号公報には核形成性を高めるために積
極的な意味においてペンタエリスリトールが添加される
ことが記載されている。また融点を調整する目的で他の
糖アルコールとの組み合わせについても開示されてい
る。しかしながら、前者においては9〜23重量%と大
量のペンタエリスリトールを添加しないと十分な効果が
得られず、これによって糖アルコールの含有量が減少
し、蓄熱量が小さくなるという問題点がある。また、エ
リスリトール融解温度において、添加する核形成成分が
融解しないことが前提となっている。後者においてはこ
れら糖アルコールを組み合わせて使用した場合、添加副
成分が融解する温度域で使用すると結晶化が阻害された
り、蓄熱量が小さくなるという問題点がある。したがっ
て、これによって核形成能を高めようとする目的に用い
られる場合、やはり副成分は溶融しないことが前提とな
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点に鑑み鋭意検討した結果、特定の糖アルコールに、特
定の脂肪酸のアミド化合物を添加することで効果的に蓄
熱材の過冷却が防止できることを見出し、本発明を完成
した。すなわち、本発明の要旨は、エリスリトール、マ
ンニトール、ガラクチトールから選ばれる少なくとも一
種の糖アルコールと、炭素数12以上の長鎖脂肪酸のア
ミド化合物とを含有することを特徴とする蓄熱材組成物
に存する。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の蓄熱材組成物の主成分は、エリスリトール、マ
ンニトールおよびガラクチトールから選ばれる糖アルコ
ールであって、これら糖アルコールは単独で使用して
も、組み合わせて使用してもよい。
【0007】本発明においては、糖アルコールの過冷却
を防止し、結晶化を促進するために、炭素数12以上の
脂肪酸のアミド化合物を配合することを特徴とする。炭
素数12以上の脂肪酸のアミド化合物としては、具体的
には、ラウリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステア
リン酸アミド、ベヘン酸アミドなどが挙げられる。高結
晶化温度という点からみれば、疎水性が大きいステアリ
ン酸アミド、ベヘン酸アミドがより好ましい。また、分
子内に不飽和結合を有するアミドであってもよい。これ
らのアミド化合物は、単一種を用いても、複数種を組み
合わせて使用してもよい。
【0008】これらのアミド化合物の含有量は、糖アル
コールに対して、通常0.01〜30重量%、好ましく
は0.3〜15重量%、更に好ましくは0.3〜10重量
%である。アミド化合物の含有量が30重量%よりも多
いと、蓄熱材組成物中の糖アルコールの含有量が減少し
て蓄熱量が小さくなり、一方、0.01重量%よりも少
ないと、過冷却防止効果が少ない。
【0009】本発明におけるアミド化合物の過冷却防止
効果について、その作用機構は明らかではないが、炭素
数12以上の脂肪酸のアミド化合物は糖アルコールの使
用温度域において融解可能であり、糖アルコールが結晶
化する際に、糖アルコールの水酸基と、溶融した脂肪酸
のアミド化合物の有機アミド基との水素結合により結晶
化が促進されるのではないかと考えられる。本発明に用
いられるアミド化合物の一例の物性を下記表−1に参考
のために示す。
【0010】
【表1】
【0011】なお、本発明において、糖アルコール使用
温度域とは、蓄熱材組成物を構成する糖アルコールの融
解温度〜融解温度+50℃の温度範囲を意味する。本発
明の蓄熱材組成物には、特定の糖アルコールとアミド化
合物以外に、公知の蓄熱材、パラフィン、グリセリン等
の低分子化合物、ポリエチレングリコール、ポリビニル
アルコール、ポリエチレン、架橋ポリエチレン、フッ素
樹脂等のポリマー、水不溶性吸水性樹脂、カルボキシメ
チルセルロース、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カ
リウム、微粉シリカ、合成マイカ等の増粘剤、フェノー
ル系、アミン系、ヒドロキシルアミン系、硫黄系、リン
系等の酸化防止剤、クロム酸塩、ポリリン酸塩、亜硝酸
ナトリウム等の金属腐食防止剤、ステアリン酸塩、ベヘ
ン酸塩などの脂肪酸の金属塩からなる過冷却防止剤など
の添加剤を適宜添加してもよい。
【0012】本発明の蓄熱材組成物調合の方法は、特に
限定されないが、糖アルコール、炭素数12以上の長鎖
脂肪酸のアミド化合物、必要に応じて添加剤や公知の蓄
熱材を混合して均一に分散させればよい。より均一に分
散させるためには、糖アルコールをその融点以上の温度
まで加熱し、攪拌しながらアミド化合物を添加する方法
等があげられる。
【0013】本発明の蓄熱材組成物の使用方法として
は、例えば、蓄熱容器に蓄熱材組成物を充填するカプセ
ル型、蓄熱容器を使用しないマイクロカプセル型等が挙
げられる。カプセル型は、蓄熱材組成物をカプセル等の
蓄熱容器に注入し、蓄熱容器を密封することにより得ら
れる。カプセルの材質は使用温度範 囲で変形、溶融し
ない材質であれば特に制限はなく、例えば、ステンレ
ス、アルミニウムなどの金属、ガラス、ポリカーボネー
ト等のエンジニアリングプラスチック等が挙げられる。
【0014】カプセルの形状は、特に限定されず、例え
ば球状、板状、パイプ状、くびれ筒状、双子球状、波板
状等が挙げられ、用途に応じて適宜選択される。マイク
ロカプセル型は、微細な蓄熱材の粒子またはその集合体
を使用温度範囲で溶融、劣化しない樹脂等の被膜で覆っ
たもので、カプセル型に比べ表面積がきわめて大きくな
るので熱伝達効率が高いという利点がある。
【0015】蓄熱システムにおいては、カプセルやマイ
クロカプセルのまわりを熱媒体が流れ、カプセルやマイ
クロカプセルを被膜する樹脂が熱交換器の役目を果た
し、蓄熱、放熱が行われる。熱媒体としては、水、水蒸
気、エチレングリコール、シリコンオイル、空気などが
挙げられる。
【0016】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。エリスリトールは日研
化学株式会社製、マンニトールは東京化成株式会社製、
ガラクチトールはナカライテスク株式会社製を用いた。
ベヘン酸アミド、ステアリン酸アミド、パルミチン酸ア
ミド、ラウリン酸アミドは東京化成株式会社製を用い
た。
【0017】本発明での過冷却防止効果とは、蓄熱材組
成物を直径5mmのアルミ製サンプルパン(Seiko
Instruments社製)に約 10mg詰め、
示差走査熱量計(Seiko Instruments
社製DSC220)にて0〜糖アルコール融解温度+5
0℃まで10℃/minで昇温し、次に融解状態〜0℃
まで5℃/minで降温したときの融解温度、結晶化温
度、融解潜熱、結晶化潜熱を測定し、この際、金属塩お
よび/またはアミド化合物を添加しないブランクの糖ア
ルコールの結晶化温度に比べて結晶化温度が上昇してい
る場合を効果有りと判断した。
【0018】実施例1 エリスリトール0.90gとステアリン酸アミド0.10
gを乳鉢で均質になるまで粉砕混合した。得られた蓄熱
材組成物を10mg秤量し、アルミニウムの簡易密閉セ
ルに封入し、示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、
DSC220)で糖アルコール融解温度+50℃まで昇
温し、その後5℃/minで冷却した際の融点、結晶化
温度、融解潜熱、結晶化潜熱を測定した。結果を表−2
に示す。
【0019】実施例2〜5 エリスリトールにステアリン酸アミドをそれぞれ重量%
で5重量%(実施例2)、1重量%(実施例3)、0.
5重量%(実施例4)、0.1重量%(実施例5)配合
し、実施例1と同様に測定を行った。結果を表−2に示
す。 実施例6 エリスリトール0.95gにパルミチン酸アミド0.05
gを添加し、実施例1と同様に行った。結果を表−2に
示す。
【0020】実施例7 エリスリトール0.95gにラウリン酸アミド0.05g
を添加し、実施例1と同様に行った。結果を表−2に示
す。 実施例8 エリスリトール0.95gにベヘン酸アミド0.05gを
添加し、実施例1と同様に行った。結果を表−2に示
す。
【0021】実施例9 エリスリトールをガラクチトールに変えた以外は実施例
7と同様に行った。結果を表−2に示す。 比較例1 エリスリトールのみ1.0gを乳鉢で粉砕し、実施例1
と同様に行った。結果を表−3に示す。
【0022】比較例2、3 エリスリトールのかわりにマンニトール(比較例2)、
ガラクチトール(比較例3)のみをそれぞれ1.0gを
用いた以外は実施例1と同様に行った。結果を表−3に
示す。 比較例4 エリスリトール0.99gに酢酸アミド0.01gを添加
し、実施例1と同様に行った。結果を表−3に示す。
【0023】比較例5 エリスリトール0.95gに酢酸アミド0.05gを添加
し、実施例1と同様に行った。結果を表−3に示す。 比較例6 エリスリトール0.95gにプロピオン酸アミド0.05
gを添加し、実施例1と同様に行った。結果を表−3に
示す。
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】 表中、※は、−20℃まで冷却しても結晶化しなかったことを表す。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、蓄熱材の結晶化を促進
させ、結晶化潜熱を犠牲にすることなく、エリスリトー
ル、マンニトール、ガラクチトールを高温型蓄熱材とし
て有効に且つ効率的に用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 千原 彰一 茨城県稲敷郡阿見町中央8丁目3番1号 三菱化学株式会社筑波研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エリスリトール、マンニトール、ガラク
    チトールから選ばれる少なくとも一種の糖アルコール
    と、炭素数12以上の長鎖脂肪酸のアミド化合物とを含
    有することを特徴とする蓄熱材組成物。
  2. 【請求項2】 アミド化合物がラウリン酸アミド、パル
    ミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド
    であることを特徴とする請求項1に記載の蓄熱材組成
    物。
  3. 【請求項3】 アミド化合物の含有量が蓄熱材組成物の
    0.01〜30重量%であることを特徴とする請求項1
    または2に記載の蓄熱材組成物。
JP8239407A 1996-09-10 1996-09-10 蓄熱材組成物 Pending JPH1088117A (ja)

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JP8239407A JPH1088117A (ja) 1996-09-10 1996-09-10 蓄熱材組成物

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006247233A (ja) * 2005-03-14 2006-09-21 Futaba Kagaku:Kk 蓄熱マット
WO2008087032A1 (de) * 2007-01-18 2008-07-24 Alzchem Trostberg Gmbh Verwendung von amid-verbindungen zur speicherung von latenter wärme

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006247233A (ja) * 2005-03-14 2006-09-21 Futaba Kagaku:Kk 蓄熱マット
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