JPH1088063A - 艶消し塗料組成物 - Google Patents
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Abstract
りも低い60°光沢値を示し、しかも良好な耐衝撃抵抗
性、及び屋外耐候性を示す塗装を与える、溶媒を有さな
い粉体塗料組成物を提供する。 【解決手段】 少なくとも一種類のグリシジル基を有す
るアクリル共重合体(a)、少なくとも一種類の芳香族
ポリエステル(b)、及び下記式で示されるイソシアヌ
レート系架橋剤(c)を含む粉体組成物とする。 【化1】
Description
り、艶消し、さらには艶なし(デッドフラット)特性を
もたらす塗料組成物に関する。
を与えるために古くから用いられている。例えば、外界
の影響から保護する為、表面の凹凸を隠蔽する為、意匠
性を付与する為、或いは、後処理の為により伝導性の表
面を提供する為、等に用いられている。従来の多くの塗
料は、塗装後に蒸発してしまう液状媒体を含んでいた。
しかしながら、環境上、健康上、さらに性能上の観点か
ら、特に自動車産業に於いて、無溶媒型の塗料が求めら
れている。
与えることが望まれる。例えば、米国特許第5,40
7,706号は、特開昭49−47456号、同49−
53239号、同51−125109号及び同56−1
36857号がいずれも、分子中にカルボキシル基を有
するポリエステル樹脂と、グリシジル基を有するアクリ
ル樹脂とからなり、高光沢の塗膜を与える粉末塗料組成
物について記載していることを述べている。
塗膜硬度を与える粉体塗料について米国特許第5,38
0,804号に記載されている。ここで用いられている
塗料は、(i)架橋剤としての1,3,5−トリス(2
−カルボキシエチル)イソシアヌレート、(ii)グリ
シジルアクリレート、グリシジルメタクリレート又はそ
れらの混合物を例とするグリシジル基含有モノマー類
と、グリシジル基を有さない、アクリルエステルのよう
なオレフィン性不飽和類から得られた低分子量の共重合
物であるポリエポキシド、及び(iii)任意の硬化触
媒、から成る。
々の組成物が開発されている。例えば、米国特許第5,
436,311号にはバインダとしての線状カルボキシ
ル基含有ポリエステルと、グリシジル基含有アクリル共
重合物との混合物を含む粉末状の熱硬化性組成物が記述
されている。このポリエステルは20ないし50mgK
OH/gの酸価を有する。また、アクリル共重合物は
4,000から10,000までの数平均分子量を有
し、5〜30重量%のグリシジルアクリレート又はグリ
シジルメタクリレート、及び70〜95重量%のメチル
メタクリレートから得られている。また、そのメチルメ
タクリレートの25重量%までは、他のビニルモノマー
によって置き換え可能であることが記載されている。
も低光沢を与える粉体塗装組成物が記載されている。こ
の組成物は、(A)10〜50重量%のグリシジルアク
リレート又はグリシジルメタクリレートを、これと共重
合可能な90〜50重量%の他のモノマーと共重合させ
ることによって得られる140℃に於ける溶融粘度が1
00〜800ポイズであるアクリル樹脂10〜90重量
%と、140℃に於ける溶融粘度が1,000〜5,0
00ポイズである他のアクリル樹脂90〜100重量%
とからなる樹脂、及び(B)140℃に於ける溶融粘度
が100〜2,000ポイズである多塩基酸化合物、と
から成る。ここで、多塩基酸化合物の酸基に対するグリ
シジル基の当量比は1.5〜0.5と記載されている。
は、別の艶消し塗料組成物が記述されている。ここで
は、エポキシ当量111〜350であるビスフェノール
Aジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂(1)を用い、
これをアクリル酸のようにグリシジル基と反応し得る官
能基、及び重合可能なエチレン性不飽和基を含む化合物
(2)と反応させて一次変性エポキシ樹脂(A)を得、
さらに、この(A)を、適当なラジカル重合開始剤の存
在下に、少なくとも1つのビニル芳香族モノマー
(1)、グリシジル基と反応し得る官能基、及び重合可
能なエチレン性不飽和基を含む化合物(2)、さらに場
合により、ヒドロキシアルキルアクリレート又は同メタ
クリレート(3)から成るモノマー群(B)と共重合反
応させ、次いで、得られたこの共重合体を、さらに、所
定の触媒の存在下に、ビスフェノールAのごとき2官能
フェノール化合物(C)と反応させた二次変性エポキシ
樹脂を得、この二次変性エポキシ樹脂を主剤樹脂として
調製したエポキシ系粉体塗料について記載されている。
キシ樹脂に基づくエポキシ系艶消し粉体塗料について
は、他に米国特許第4,835,228号にも記載され
ている。
おいては、同じく、グリシジルエーテル型のエポキシ樹
脂に対して、エチレン−アクリル酸共重合体のような、
グリシジル基と反応可能な官能基を有するエチレン性不
飽和モノマーを一種類以上含むモノマー群から得られた
共重合体を、光沢制御機能を有する補助架橋剤として、
一般的に知られている架橋剤と併用使用する技術が開示
されている。
エチレン性不飽和カルボン酸のグリシジルエステル、及
び、α,β−オレフィン系アミドを必須のモノマー成分
として得られた、分子中にグリシジル基とアミド基の両
方を有するアクリル系共重合体を、カルボキシル基を分
子末端に有する架橋剤と組み合わせて硬化させる粉体塗
料についても述べられており、架橋剤として、ジエポキ
シドとジカルボン酸とのエステル化合物、及び末端にカ
ルボキシル基を有する飽和ポリエステル化合物からなる
群から選ばれるカルボキシル末端化合物が用いられてい
る。
とカルボキシル末端化合物との組み合せで硬化させる粉
末塗料組成物としては、米国特許第4,091,049
号にも紹介されている。ここでは、カルボキシル末端化
合物の例として、一般的なポリエステル樹脂の他に、
E.I. DuPont de Nemours &C
o.が市販しているような、1,12−ドデカンジカル
ボン酸も挙げられている。
「艶消し塗膜」を与える粉体塗料の分野においては、こ
れまで、等方性の艶消し塗膜を、非常に低い光沢域で再
現性よく得ることが困難で、しかも、種々使用される添
加物の種類、量の違いにより光沢値が劇的に変動し、要
求する光沢値を得るために、塗料組成物の配合を、逐次
調整する必要があった。
により得られる塗膜の60°光沢値が60以下である
「艶消し塗膜」を与える塗料組成物を提供するものであ
る。この塗装組成物はその一つの態様として、 a)少なくとも一種のグリシジル基を分子内に有するア
クリル共重合体、 b)少なくとも一種の芳香族ポリエステル、及び c)一般式[化2]で表される、少なくとも一種のイソ
シアヌレート架橋剤
の2価のアルキレン基、及び、炭素原子数3〜21で、
少なくとも一つのエステル結合を有する2価の官能基か
ら成る群から選択されたものであり、並びに、R4−R6
は、独立して、H、有機化合物との塩、炭素原子数1〜
20のアルキル基、及び、C(O)R7からなる群から
選択されたものであり、ここで、R7は、炭素原子数1
〜22のアルキル基である)を含む。
クリル共重合体、 b)少なくとも一種の芳香族ポリエステル、及び c)一般式[化3]で表される、少なくとも一種のイソ
シアヌレート架橋剤
の2価のアルキレン基、及び、炭素原子数3〜21で、
少なくとも一つのエステル結合を有する2価の官能基か
ら成る群から選択されたものであり、並びに、R4−R6
は、独立して、H、有機化合物との塩、炭素原子数1〜
20のアルキル基、及び、C(O)R7からなる群から
選択されたものであり、ここで、R7は、炭素原子数1
〜22のアルキル基である) d)酸性アクリル化合物、及び e)顔料 を含む。
1つは、焼き付け硬化により、60°光沢値が60以下
の、好ましくは50以下の、より好ましくは30以下の
「艶消し塗膜」を与える塗料組成物に関し、その一つの
態様として、 a)少なくとも一種のグリシジル基を分子内に有するア
クリル共重合体、 b)少なくとも一種の芳香族ポリエステル、及び c)一般式[化4]で表される、少なくとも一種のイソ
シアヌレート架橋剤
の2価のアルキレン基、及び、炭素原子数3〜21で、
少なくとも一つのエステル結合を有する2価の官能基か
ら成る群から選択されたものであり、並びに、R4−R6
は、独立して、H、有機化合物との塩、炭素原子数1〜
20のアルキル基、及び、C(O)R7からなる群から
選択されたものであり、ここで、R7は、炭素原子数1
〜22のアルキル基である)を含む。
(a)は、次の式(I)で示される化合物の1つ以上の
化合物を、これと共重合可能な1つ以上のエチレン性不
飽和化合物と共重合させることによって得られる。式
(I)は次の通りである。
アルキル基であり、また、R9は炭素原子数1〜20の
分岐状、又は非分岐状のアルキル基を表わす。式(I)
で示される代表的な化合物としてはグリシジルアクリレ
ート、グリシジルメタクリレート、及び1,2−エポキ
シブチルアクリレートがある。
リシジル基を有するアクリル共重合体(a)を構成する
モノマー類の全量に対して、約10〜約65重量%、好
ましくは、約20〜約50重量%である。また、式
(I)の化合物と共重合し得るエチレン性不飽和化合物
の量は、グリシジル基を有するアクリル共重合体(a)
を構成するモノマー類の全量に対して、の約35〜約9
0重量%、好ましくは、約50〜約80重量%である。
性不飽和化合物としては、例えばメチルアクリレート、
エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブ
チルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、
シクロヘキシルアクリレート、イソボルニルアクリレー
ト、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n
−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、
2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリ
レート、トリデシルメタクリレート、ステアリルメタク
リレート、シクロヘキシルメタクリレート、及びイソボ
ルニルメタクリレートのようなアクリル酸、又はメタク
リル酸のアルキルエステル類、例えばスチレン、ビニル
トルエン、及びα−メチルスチレンのようなビニルモノ
マー類、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル
のようなアクリロニトリル類、例えばアクリルアミド、
ジメチルアクリルアミドのようなアクリルアミド類、例
えばヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピ
ルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、及
びヒドロキシプロピルメタクリレートのようなアクリル
酸、又はメタクリル酸のヒドロキシアルキルエステル
類、並びに不飽和2塩基酸のジアルキルエステル類、を
挙げることができる。上述したように、式(I)の化合
物と共重合し得るエチレン性不飽和化合物としては、上
に挙げた種々の化合物を混合して使用することもでき
る。
に、メチルメタクリレートについては、先述の米国特許
第5,436,311号に使用量の限定の記述が見られ
る。ここでは、グリシジル基を有するアクリル共重合体
中に、70〜95重量%のメチルメタクリレートが使用
され、そのうち特定比率以下の範囲については、他のビ
ニルモノマーで置き換え可能であることが示されてい
る。つまり、グリシジル基を有するアクリル共重合体を
構成するモノマー類の中でメチルメタクリレートが占め
る重量割合は45%を越えており、このことは、線状カ
ルボキシル基含有ポリエステルとの組み合せに於いて、
十分に光沢を低下させる為の必須要件となっている。こ
れに対し、本発明においては、アクリル共重合体(a)
を構成する重合性モノマーの中のメチルメタクリレート
が45重量%以下であっても十分に低光沢が達成でき
る。本発明で、メチルメタクリレート含有率が低い領域
でも低光沢が達成されている理由は、特定の構造を有す
るイソシアヌレート架橋剤(c)の作用によるものであ
る。
構成するモノマー類のうち、ガラス転移温度の高いポリ
マーを与えるメチルメタクリレートの含有量を低下させ
る場合、イソシアヌレート架橋剤(c)そのものの作用
も加わって、得られる塗膜の脆さが抑制でき、特に優れ
た耐衝撃強度を併せ持った艶消し塗膜を得ることが可能
である。
合体(a)は、GPCによりポリスチレン換算の重量平
均分子量として、約3,000から約200,000ま
で、好ましくは約3,000から約20,000までの
分子量を有する。この範囲より高い分子量を有する場
合、溶融粘度の高い共重合物を与え、塗料組成物の溶融
粘度も高くなる結果、硬化により得られる塗膜の平滑性
が損われる傾向にあり、好ましくない。この観点から、
グリシジル基を有するアクリル共重合体(a)は、上に
挙げた種々の化合物の構成比が異なる、複数の共重合体
の混合物であっても構わないが、その溶融粘度が、約1
0〜約500ポイズ、好ましくは、約30〜約300ポ
イズであることが好ましい。尚、この溶融粘度は、IC
I Cone and Plate Viscomet
erにより、150℃で測定された値である。
(a)の製造は、周知の反応方法により可能である。例
えば、モノマー類をキシレンのような有機溶媒に加え、
アゾビスイソブチロニトリル、又は過酸化ベンゾイルの
ような重合開始剤の存在下で、還流状態で重合反応させ
ることができる。代表的な製造方法は、米国特許第5,
407,706号、及び同第5,436,311号に記
述されており、参考の為に引用する。加えて、種々のア
クリル共重合物が市販品としても入手でき、例えばミシ
ガン州Adrian の Anderson Deve
lopmentCompany から商標「ALMAT
EX」として市販されている。
(a)は、塗料組成物中に、20〜80重量%、好まし
くは約25〜約60重量%の範囲で存在する。前に述べ
たように、いくつかのグリシジル基を有するアクリル共
重合体の混合物も使用することができる。但し、ここの
含有率の値については、塗料組成物中に顔料が含まれて
いない場合のものである。
(b)は、カルボキシル基を有し、その酸価は約10〜
約300mgKOH/g、好ましくは約20〜約150
mgKOH/gである。本明細書に於ける酸価は、米国
特許第5,431,311号に記述されているDIN
53402 によって求められた値である。また、本芳
香族ポリエステル(b)は、GPCによりポリスチレン
換算の重量平均分子量として、約2,000〜約20,
000、好ましくは、約3,000〜約12,000の
重量平均分子量を有する。グリシジル基含有アクリル共
重合物の場合と同様に、この範囲より高い分子量を有す
る場合、溶融粘度の高いポリエステル成分となり、塗料
組成物の溶融粘度も高くなる結果、硬化により得られる
塗膜の平滑性が損われる傾向にあり、好ましくない。こ
の観点から、芳香族ポリエステル(b)は、ポリエステ
ル類の混合物であっても構わないが、その溶融粘度が、
約5〜約100ポイズ、好ましくは約10〜約50ポイ
ズであることが好ましい。尚、この溶融粘度は、ICI
Cone and Plate Viscomete
rにより、200℃で測定された値である。
カルボン酸、及び/又はその無水物と、ポリヒドロキシ
化合物との反応によって得ることができる。好適な芳香
族多価カルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル
酸、フタル酸、無水フタル酸、ナフタレンジカルボン
酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリッ
ト酸、ピロメリット酸ジ無水物、及び、例えばパラヒド
ロキシ安息香酸のようなヒドロキシカルボン酸類が挙げ
られる。このうち、特に好ましい芳香族多価カルボン酸
は、テレフタル酸、及びイソフタル酸である。これらの
酸、及び無水物は、混合して使用することもできる。
料である芳香族多価カルボン酸は、その約50当量%ま
では、例えば1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、又
はアジピン酸のような非芳香族多価カルボン酸類と置き
換えることができる。また、使用可能な他の非芳香族多
価カルボン酸類としては、例えばコハク酸、グルタル
酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジ
カルボン酸、エイコサンジカルボン酸、マレイン酸、無
水マレイン酸、及びフマル酸のような脂肪族カルボン酸
類、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸無水
物、3,6−エンドメチレン−Δ4−テトラヒドロフタ
ル酸無水物、りんご酸、酒石酸、及び12−ヒドロキシ
ステアリン酸のようなヒドロキシカルボン酸類、があ
る。これらの化合物は混合して使用することができる。
リヒドロキシ化合物としては、例えばエチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオー
ル、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオ
ール、ネオペンチルグリコール、スピログリコール、
1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2,4−ト
リメチルペンタン−1,3−ジオール、トリメチロール
エタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタ
エリスリトール、水素化ビスフェノールA、または、水
素化ビスフェノールAとエチレンオキサイド又はプロピ
レンオキサイドとの付加物、等が使用できる。また、ジ
ヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン、ビスフ
ェノールA、ハイドロキノンジヒドロキシエチルエーテ
ル(Eastman Chemical Co.から入
手)、及びヒドロキシエチル化ビスフェノールA(Ak
zo Chemical Co.から入手)のような芳
香族ポリヒドロキシ化合物も使用できるが、これらはあ
まり好ましくはない。これらポリヒドロキシ化合物は、
いくつかを混合して使用することもできる。ポリヒドロ
キシ化合物としては、2〜6個のヒドロキシル基を有す
る多価アルコール、及びビスフェノールA又は水素化ビ
スフェノールAとアルキレンオキサイドとの付加物が好
ましい。さらに、これらの化合物の中ではエチレングリ
コール、ネオペンチルグリコール、及び1,4−ブタン
ジオールがより好ましい。。
ポリヒドロキシ化合物との比率は、得られる芳香族ポリ
エステルが、米国特許第5,436,311等に記述さ
れているDIN 53402により求められる酸価とし
て、10〜300mgKOH/g、好ましくは、約20
〜約150mgKOH/gとなるように選ばれる。
テルの少なくとも1部を、少なくとも1つのヒドロキシ
カルボン酸から作ることも可能である。さらには、得ら
れる芳香族ポリエステルの粘性が塗料組成物の流動性を
妨げないのであれば、1分子当たりの平均官能基量を約
3.0より大きくなるように、3官能、又はそれ以上の
官能性の原料を用いることもできる。
した米国特許第5,407,706号に記述されている
ような、周知の方法により調製することができる。さら
に、適当ないくつかの芳香族ポリエステル類が市販され
ており、例えば米国ミシガン州 Adrian の A
nderson Development Compa
ny や、日本の Nippon Ester Com
pany から入手できる。
中に、顔料を除いた濃度として、20〜80重量%、好
ましくは、約40〜約75重量%の範囲で使用される。
また、いくつかの芳香族ポリエステルを混合して使用す
ることもできる。硬化させた組成物の屋外耐候性、及び
衝撃抵抗性を改善するために、脂肪族多価カルボン酸又
はその無水物とポリヒドロキシ化合物とから調製され
た、一種類、またはそれ以上の脂肪族ポリエステルによ
って、芳香族ポリエステル(b)の1部を置き換えるこ
とができる。この目的で使用できる脂肪族ポリエステル
としては、例えば、ミシガン州 Adrian の A
nderson DevelopingCompany
から AP 8500 の商品名で市販品が入手でき
る。
芳香族ポリエステル中の反応基(カルボン酸基)当量見
合いで、約15〜約30%(場合によってはそれ以上)
相当分を、脂肪族ポリエステル(市販品、等)で置き換
え、低光沢レベルを実質的に損なわせることなく、屋外
耐候性、及び衝撃抵抗性を改善することができる。
[化6]
子数1〜18個の2価のアルキレン基、及び炭素原子数
3〜21で、少なくとも一つのエステル結合を有する2
価の官能基から成る群から選択されたものであり、ま
た、R4−R6は、独立して、H、有機化合物との塩、炭
素原子数1〜20のアルキル基、及び、C(O)R7か
らなる群から選択されたものである。尚、R7は、炭素
原子数1〜22のアルキル基である。
成物中に、顔料を除いた濃度として、1〜30重量%、
好ましくは約3〜約15重量%の範囲で使用される。ま
た、いくつかのイソシアヌレート架橋剤を混合して使用
することができる。
剤としては、前に参考の為に引用した米国特許第5,3
80,804号の中で高光沢を与える塗料組成物の原料
として用いられている1,3,5−トリス(2−カルボ
キシエチル)イソシアヌレートも使用できることが理解
できる。また、それに記述されているように、この1,
3,5−トリス(2−カルボキシエチル)イソシアヌレ
ートは、米国特許第3,485,833号及び同第3,
235,553号(これらの内容も参考のために引用す
る)に記述されているように、シアヌル酸とアクリロニ
トリルとの反応によって得られる。さらに、1,3,5
−トリス(2−カルボキシエチル)イソシアヌレート
は、コネチカット州スタンフォードの Cytec I
ndustries Inc.から入手できる。
り製造される他のトリカルボキシルイソシアヌレート架
橋剤としては、1,3,5−トリス(2−カルボキシプ
ロピル)イソシアヌレート及び1,3,5−トリス(2
−カルボキシブチル)イソシアヌレートも使用できる。
合物を塩とすることで、対応するトリカルボキシルイソ
シアヌレート架橋剤の融点を低下することができる。例
えば、1,3,5−トリス(2−カルボキシエチル)イ
ソシアヌレートは225℃の融点を有するが、そのカル
ボキシル基の1つをN,N−ジメチルドデシルアミンと
反応させることにより調製された有機塩は103℃まで
融点が低下する。その為、従来一般的であった焼き付
け、硬化温度範囲約145℃〜約185℃に於いても、
このイソシアヌレート架橋剤が有効に使用できる。
は、トリカルボキシルイソシアヌレート化合物をベース
に、これと有機塩を形成し得る公知の化合物と反応させ
ることで可能である。そのような化合物としては、例え
ば、N,N−ジメチルドデシルアミン、N,N−ジメチ
ルエタノールアミン、トリブチルアミン、及びこれらと
類似の化合物のようなアミン類、好ましくは第3級アミ
ン類が挙げられる。またこれらの替わりに、イミダゾー
ル類、及びイミダゾール類のN−アルキル誘導体も有機
塩の形成のために使用できる。このイソシアヌレート架
橋剤の有機塩は適当な方法であれば、様々な方法で調製
できる。例えば、まず、トリカルボキシイソシアヌレー
ト化合物を、例えばメタノールのような適当な溶媒に加
熱溶解し、次いで、この溶液に第3級アミンを滴加し、
滴加が終了した後、溶媒を蒸発乾固させることで有機塩
を回収することができる。トリカルボキシルイソシアヌ
レート化合物中の3つのカルボキシル基は、全てを塩の
形に変えることができるが、一般には、トリカルボキシ
ルイソシアヌレートと、塩形成の為の化合物との比率
は、塩生成後に、平均2個のカルボキシル基が残るよう
に設定される。
得るためには、R1−R3の1つ以上が炭素原子数3〜2
1の2価の官能基であって、イソシアヌレート環とカル
ボキシル基、有機塩、又はC(O)OC(O)R7基と
の間に少なくとも1個のエステル結合を有するような化
合物を使用することができる。このタイプの化合物は、
ヒドロキシル末端のイソシアヌレート化合物とカルボン
酸無水物との反応によって調製できる。例えば、ヒドロ
キシル末端イソシアヌレート化合物が1,3,5−トリ
ス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、無水カ
ルボン酸が無水コハク酸であり、全ての水酸基が無水コ
ハク酸と反応した場合には、トリス(3−カルボキシ−
1−イル−プロポキシエチル)−1,3,5−トリアジ
ン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオンと称
する、初融点90℃のイソシアヌレート架橋剤が得られ
る。反応式は次のように示すことができる:
できる、その他の適当なヒドロキシル末端のイソシアヌ
レート化合物としては1,3,5−トリス(4−ヒドロ
キシブチル)イソシアヌレートがある。ヒドロキシル末
端のイソシアヌレート化合物は適当な方法で得られ、例
えばBASF Corp.から市販品を入手できる。
物と反応させ得るその他の適当な酸無水物としては、ヘ
キサヒドロフタル酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水
物のような環状無水物、1,12−ドデカンジカルボン
酸ポリ無水物(Hoechst より Additol
VXL 1381として市販品を入手できる)のよう
な線状酸無水物、及び、フタル酸無水物のような芳香族
系酸無水物などが挙げられる。更に、ポリセバシン酸無
水物やポリアゼライン酸無水物(これらも市販品を入手
できる)などの酸無水物も使用できる。線状ポリ無水物
とヒドロキシル末端のイソシアヌレート化合物との反応
は、典型的には所望の生成物とジカルボン酸との混合物
を与える。この混合物はそのままでも使用できるし、又
は、副生ジカルボン酸を除去することにより精製して使
用することもできる。
例えば無水マレイン酸、5−ノルボルネン−2,3−ジ
カルボン酸無水物のような不飽和の酸無水物も或る場合
には有用となろう。また、理論的には種々のジカルボン
酸も使用することができるが、それらは一般に副生物の
量が多くなるためにあまり好ましくないであろう。同様
に、理論的には例えば1,3,5−トリス(2−カルボ
キシエチル)イソシアヌレートのようなカルボン酸末端
のイソシアヌレート化合物を、例えばラウリン酸、グリ
コール酸、それらの環状ダイマー、或いは4−ヒドロキ
シ酪酸のようなヒドロキシカルボン酸と反応させること
により、エステル基を有するイソシアヌレート硬化剤を
作ることができるであろうが、この方法は副生成物量が
多い為、一般的にはあまり好ましいとは言えない。
を得るために種々の原料成分を混合して使用することも
できる。いずれの場合にも、得られたイソシアヌレート
架橋剤は、塗料組成物の他の成分との反応性を有し、所
望の低光沢レベルを達成する必要があり、そして好まし
くは約200℃よりも低く、より好ましくは150℃よ
りも低く、そして更に好ましくは100℃よりも低い融
点を有することが好ましい。
物と酸無水物との反応は、ヒドロキシル末端のイソシア
ヌレート化合物を、例えばアセトニトリルのような適当
な溶媒に加熱下で溶解させることにより行なうことがで
きる。この溶液に酸無水物を加え、還流下で所定時間保
持する。上述の反応では約6時間が適当な保持時間と思
われる。また、反応成分の比率は、平均的に水酸基の少
なくとも95%、好ましくは99%以上が酸無水物と反
応するように選ばれる。反応後に、溶媒を真空下で蒸発
させ、回収した粗生成物を、例えば酢酸エチルのような
適当な溶媒の中に溶解して再結晶させる。生成物中の無
水物基の残存は、FT−IRによって分析することがで
き、また、融点は示差走査熱量計(DSC)によって求
めることができる。
するイソシアヌレート架橋剤を調製するためには、種々
の方法がある。例えば、上述のようなカルボキシル末端
のイソシアヌレート化合物を、例えばNaOHのような
塩基性化合物と反応させてカルボン酸の無機塩を生成
し、次いでこの塩をハロゲン化アシル化合物と反応させ
て末端C(O)R7基を与えることができる。出発物質
が1,3,5−トリス(カルボキシエチル)イソシアヌ
レートであり、全てのカルボキシル基を反応させる場
合、反応過程は次のように示すことができる: C3N3O3[CH2CH2C(O)OH]3 + 3MOH → C3N3O3[CH2CH2C(O)O
M]3 + 3H2O C3N3O3[CH2CH2C(O)OM]3 + 3XC(O)R7 → C3N3O3[CH2CH
2C(O)OC(O)R7]3 + 3MX この反応においてMは1価の金属、中でもアルカリ金
属、好ましくはNaであり、そしてXはハロゲン、好ま
しくはClである。
含むようなイソシアヌレート架橋剤にこの技術を適用で
きることも自明であろう。具体的には、ヒドロキシル末
端のイソシアヌレート化合物より出発して、これを前述
した態様でカルボン酸無水物と反応させ、次に、得られ
たカルボキシル末端のイソシアヌレート化合物を上述し
た反応過程により、1つ以上の末端カルボキシル基のア
シル化が行える。例えば、1,3,5−トリス(2−ヒ
ドロキシエチル)イソシアヌレートを無水コハク酸と反
応させ、これを次にMOH化合物と反応させ、次いでそ
の生成物をXC(O)R7化合物と反応させることがで
きる。全てのカルボキシル基を反応させた場合には下記
の反応となるであろう: C3N3O3[CH2CH2OC(O)CH2CH2C(O)OH]3 + 3MOH →C3N3O
3[CH2CH2OC(O)CH2CH2C(O)OM]3 + 3H2O C3N3O3[CH2CH2OC(O)CH2CH2C(O)OM]3 + 3XC(O)R7 →C3N
3O3[CH2CH2OC(O)CH2CH2C(O)OR7]3 + 3MX カルボキシル末端のイソシアヌレート化合物を塩基性化
合物と反応させ、そして得られた無機塩をハロゲン化ア
シル化合物と反応させるための反応条件は、当業者によ
って容易に決定することができる。
のイソシアヌレート化合物をケテン[すなわち CH2=C
(O) ]又は無水酢酸と反応させることで製造でき、その
反応条件は当業者によって容易に決定できる。この反応
に用いられるケテンはケテンダイマーを約450℃で熱
分解することによって作り出すことができる。出発物質
が1,3,5−トリス(カルボキシエチル)イソシアヌ
レートであり、全てのカルボキシル基を反応させた場
合、反応過程は次のように示すことができる: C3N3O3[CH2CH2C(O)OH]3 + 3CH2=(O)→ C3N3O3[CH2CH2C
(O)OC(O)CH3]3 C3N3O3[CH2CH2C(O)CH]3 + 3CH3C(O)OC(O)CH3 →C3N3O3
[CH2CH2C(O)OC(O)CH3]3 + 3CH3C(O)OH 後者の反応については、高級の酸無水物を使用できる
が、この場合は除去が困難な種々の酸性副生物を生成す
る。アシル基末端のイソシアヌレート化合物を形成する
技術も、当業者に公知の種々の方法が用いられる。末端
トリアシル型イソシアヌレート化合物を架橋剤として用
いた場合には、アミン、好ましくは第3級アミンのよう
な塩基性触媒が塗料組成物に添加される。他の公知の酸
/エポキシ反応触媒、例えばアルキルイミダゾール類や
錫化合物も同様に使用することができる。触媒の量を調
節することによって、硬化反応の速度を制御することが
できる。
いが、塗料組成物が流動して均一な塗装となり、所望の
レベリング状態に達する為の十分な時間も必要である。
当業者が理解するであろうように、この触媒の量は、イ
ソシアヌレート架橋剤や、その他の塗料成分の量及び種
類、並びに硬化条件のような、種々の因子に左右され
る。しかしながら触媒の量の一般的な範囲は塗料組成物
の重量(顔料の重量を除く)の約0.05ないし約5.
0重量%であり、その範囲の中でさらに好ましい範囲は
塗料組成物の重量(顔料の重量は除く)の約0.1ない
し約2.0重量%である。
80,804号が、1,3,5−トリス(2−カルボキ
シエチル)イソシアヌレートの有する高い官能性(3官
能)を利用し、高光沢塗膜の分野に於いて優れた耐溶剤
性、硬度を達成しているのに対し、本発明は、次の点で
非常に優れている。まず第1に、グリシジル基を有する
アクリル共重合体とカルボキシル基を有する芳香族ポリ
エステルとの組合せに於いて、主に、塗膜の柔軟性を改
善する目的でアクリル共重合体のメチルメタクリレート
含有率を低下させた場合に、十分な艶消し効果とその再
現性を得られていなかった技術的課題に対して、特定の
構造を有するトリカルボキシイソシアヌレート化合物を
用いることで、極めて、再現性よく艶消し塗膜を得、さ
らに、塗膜の柔軟性をも同時に達成された点、第2に、
トリカルボキシイソシアヌレートの選択範囲が広く、特
に、融点を低下させた有機塩の選択により、経済的に艶
消し塗膜が得られるようになった点である。
成物に加えて補足的な硬化作用を与えることができる。
例えば、上述のように、ヒドロキシイソシアヌレートと
ポリ無水物との未精製の反応生成物はジカルボン酸の副
生物を含むが、このものは低い光沢を保ちながら補足的
な硬化作用を与えることができる。
かも低い光沢を有するクリア塗膜を与えるのに用いるこ
とができる。しかしながら、低い光沢を維持したまま、
着色するためには、本発明の組成物にさらに種々の顔料
(e)を加えることもできる。それら顔料(e)は、一
般に全塗料組成物の重量(すなわち顔料を含めて)に対
して約5〜約60重量%、好ましくは約15〜約40重
量%の範囲の量で存在する。本発明の塗料組成物に対し
ては通常の顔料が使用でき、特に有用な顔料としては、
例えばカーボンブラック、二酸化チタン、硫酸バリウ
ム、各種酸化鉄、酸化クロム、タルク、粘土、シリカ及
び炭酸カルシウムのような無機顔料、及び例えばフタロ
シアニン類、ベンズイミダゾロン類、キナクリドン類、
ジオキサジン類、イソインドリノン類、ジスアゾ類、ビ
ラゾロン類、ジアリーリド類及びジアニシジン類のよう
な有機顔料が挙げられる。
場合には、分子内にカルボキシル基を有するアクリル樹
脂(d)を顔料分散剤として使用するのが好ましい。こ
のようなアクリル樹脂(d)は、顔料の均一な分散を助
け、顔料の隠蔽力を高める。アクリル樹脂(d)は、ア
クリル酸又はメタクリル酸と、エチレン性不飽和化合物
との共重合によって調製され、このエチレン性不飽和化
合物としては、アクリル酸エステル又はメタクリル酸エ
ステル、ビニル芳香族モノマー等、が一般には使用され
る。代表的なエチレン性不飽和化合物としては、メチル
メタクリレート、n−ブチルメタクリレート、スチレ
ン、及び2−エチルヘキシルアクリレートである。
は、得られた樹脂の酸価が、約10〜150mgKOH
/g、好ましくは約30〜約100mgKOH/gとな
るように選定される。更に、アクリル樹脂(d)は、G
PCにより測定される重量平均分子量として、約2,0
00〜約20,000、好ましくは約3,000〜約1
0,000の分子量を有する。
でき、適当な市販品が、例えば S.C. Johns
on 社製の Joncryl SCX 815、81
7及び819の名称で入手できる。
の重量を除く)の約1〜約15重量%、好ましくは約1
〜約8重量%の範囲の量で使用される。
添加物をも含むことができる。例えば、Rohm &
Haas のKM 334のようなインパクトモディフ
ァイヤー、耐食性改良用のエポキシ樹脂、塗膜の焼き付
け・硬化過程で、空気や他の揮発性成分を塗膜中から排
除して、塗膜にワキが発生するのを防ぐためのベンゾイ
ン、第3級アミン類やN−アルキルイミダゾールのよう
な硬化反応を促進させるための触媒、シリコーン化合物
やアクリル化合物(例えば ModaflowPowd
er IIIの名称で市販されているような、2−エチ
ルヘキシルアクリレート/エチルアクリレート共重合体
を、粉末状シリカに担持させ、共重合体分が65重量%
を占めるもの)のような流動調整剤、Tinuvin
900のような紫外線吸収剤、ヒンダードアミン化合物
(例えば Tinuvin 144)のような光安定
剤、帯電防止剤、及び他の種々の物質を、本発明の効果
を実質的に阻害しないような範囲で配合することができ
る。
ず、各構成成分を適当量選び、それら各成分を充分に予
備混合して実質的に均質な混合物を調製することから始
まる。この予備混合は、いかなる適当な手段によっても
可能であり、代表的な小規模ミキサとして、オハイオ州
クリーブランドの Vitamix Corporat
ion の Vitamixer ブレンダがある。次
に、この予備混合された組成物を、加熱された押出し機
へ挿入し、溶融状態で混練しながら押し出す。用いるこ
とのできる押出し機の例としては、APV Model
19PC 2軸押出し機があり、軸の回転は可変であ
り、個々に調節可能な2つの加熱ゾーンが設けられいて
る。加熱ゾーンで溶融混練された塗料組成物は、その後
に設けられた、冷却ローラで冷却され、一対のピンチロ
ーラに通されることでリボン状の固形物として取り出さ
れる。次に、溶融混練されたリボン状の塗料組成物を、
適当な手段、例えばハンマーミル(又は少量用の Vi
tamexer ブレンダ)のような手段により粉末状
に粉砕し、そして140メッシュ又は170メッシュの
篩を通過する粉体塗料を捕集する。集められた粉体塗料
は梱包され、種々の物品、例えば自動車部品、工業用機
器、建設資材、屋外用家具、等を塗装するために用いる
ことができる。
は、公知の技術が用いられ、一般には、焼き付けによ
り、膜厚約1.0〜約10mil、好ましくは約2.0
〜約4.0milの、平滑で、実質的に均質な塗膜が得
られるように塗装される。塗料を例えば鋼鉄製の部品
(典型的には燐酸鉄または、燐酸亜鉛で前処理されたも
の)のように導電性を有する基材に塗装する場合には、
静電スプレー法を用いることができる。スプレー塗装の
装置は、例えばインジアナ州インジアナポリスのGEM
A Volstatic や オハイオ州 Amher
st の Nordson Corp.のようなメーカ
ーより市販品として入手ができる。予め処理された種々
の表面も本発明の塗料組成物で塗装することができる。
例えば、予め着色塗装された表面の上に、本発明のクリ
ア塗装を施し、表面に低光沢特性を与えることができ
る。
充分に硬化するだけの時間にわたって加熱することによ
って行える。個々の硬化条件は、硬化触媒の有り、無
し、等、組成物の細かい配合の差に左右されるが、触媒
を含まない典型的な硬化条件としては、約165℃では
約25〜約30分間、約205℃では約15〜約20分
間、さらに約135℃では約40分間である。実施例の
中では、2.5ミルの硬化塗膜を得るために、典型的な
硬化条件として、165℃で30分間、及び185℃で
30分間を採用した。
光沢塗膜を与えるような塗料組成物を得ることができ
る。特に、本発明で得られた硬化塗膜は、米国特許第
5,436,311号に記載のASTM D523に準
拠して測定された60°光沢値として、60より低く、
好ましくは50より低く、さらにより好ましくは30よ
りも低い光沢値を示す。
際の60°光沢値が0から10までとなるような、いわ
ゆる「デッドフラット」(艶無し)塗膜を与え得る点で
も有用である。本発明を制限するものではないが、本発
明の塗料組成物が低光沢の塗膜を与える理由について
は、硬化の時間差により、塗膜表面に3次元的なミクロ
収縮減少を生じることによるものと思われる。顕微鏡観
察(例えば倍率約200倍)でのみこのミクロ収縮は確
認されるが、このミクロ収縮表面が入射光を分散し、し
かも、この乱反射が塗膜上で等方的に生じる為、低光沢
が均質に得られることになる。このような効果は、肉眼
で観測できるような巨視的な収縮しか与えない塗料組成
物とは対照されるべきである。加えて、本発明の塗装組
成物は、過去の低光沢用の塗料配合を用いた場合に見ら
れたバッチ間のバラツキの問題を克服し、極めて良好な
再現性を与える。更に、本発明の塗料組成物は、種々の
添加剤(例えば、酸官能性のアクリル樹脂)の添加量の
変動に対して、光沢値の変動幅が小さい為、配合のやり
直しも要さない。特に、この最後の特長については、艶
消し塗料組成物については、非常に難しい課題であっ
た。
動車部品の分野で重要なファクターとなるような衝撃抵
抗性についても良好な結果を与える。硬化組成物で塗装
された表面が、少なくとも約50in・lb、より好ま
しくは約80in・lb以上のガードナー衝撃強度を示
すことが好ましい。加えて、この硬化組成物は外界に曝
される部材にとって重要な、良好な屋外耐候性、及び、
H−B又はFの鉛筆硬度で示されるような良好な塗膜硬
度を有する。
あげる。本発明はこれらの諸例によって何ら制限されな
い。下記の諸材料を比較例、並びに実施例で使用する。
製造;A−1〕 攪拌機、還流コンデンサを備えた反応器にキシレン70
0部を加え、加熱還流しながら、表−1に示したモノマ
ー、開始剤からなる混合物を4時間にわたって反応器中
に滴下し、さらに還流下で1時間保持した後、冷却し、
さらにアゾビスイソブチロニトリル5部を加えて100
℃で2時間反応させた。得られた、樹脂溶液を加熱によ
り脱キシレンし、次いで減圧下でキシレンを除去した。
このようにして得られたアクリル共重合体A−1は、エ
ポキシ当量510、重量平均分子量7,960、ガラス
転移温度43〜46℃、180℃の溶融粘度41ポイズ
であった。
(a)の製造;A−2〜A−4〕 製造例1と同様な方法で、表−1に示した単量体、及び
開始剤を用いて、アクリル共重合体A−2〜A−4の合
成を行った。得られた樹脂の特性値も、表−1にまとめ
て整理する。尚、製造例1、2の樹脂については、ミシ
ガン州 Adrian の Anderson Dev
elopment Company から市販品を入手
できる。
の製造;B−1〕 攪拌機、還流コンデンサを備えた反応器に、テレフタル
酸645部、イソフタル酸135部、エチレングリコー
ル90部、ネオペンチルグリコール295部を仕込み、
250℃にてエステル化反応を行い、理論量の水を系外
に除去した後、三酸化アンチモンを0.3部加え、27
0℃で減圧度20mmHgに制御して5時間反応を行っ
た。得られた芳香族ポリエステルB−1は、重量平均分
子量約5,550、酸価約45、及び200℃における
溶融粘度約155ポイズであった。
した。使用したポリエステルは、酸価約45−58、O
H価3.0以下、APHA色数50以下、25℃におけ
る比重1.162、融点(示差走査熱量計で測定)約1
02℃、100℃における溶融粘度(ICI Corn
and Plate Viscometer で測定)
約240−270ポイズであった。
ustries Inc.から市販品として入手した、
1,3,5−トリス(2−カルボキシエチル)イソシア
ヌレート(CEI)を用意した。攪拌機、還流コンデン
サを備えた反応器に、400mlのメタノール、90.
51gのCEIを仕込み65℃にて溶解させた。この溶
液に56.07gのN.N−ジメチルドデシルアミンを
滴下し、滴下終了後に、メタノールを蒸発させ、回収し
たワックス状の生成物を一晩乾燥してCEIアミン塩を
調製した。得られたCEIアミン塩の融点は93℃であ
った。
ヒドロキシエチル)イソシアヌレートと無水コハク酸の
反応物(THEI−SUC)の調製〕 BASF Corp.より入手したTHEIと無水コハ
ク酸(SUC)の反応物(THEI−SUC)を合成し
た。まず、131.9gのTHEIを、280gのアセ
トニトリルの中に投入し、70℃で溶解させた。次い
で、この溶液に150.15gのSUCを加え、還流下
に6時間反応させた。溶媒であるアセトニトリルを、1
10−120℃、2mmHgの減圧度にて40分間かけ
て追い出した。回収したこの粗反応物の全量を423g
の酢酸エチルに溶解して再結晶し、精製THEI−SU
Cを得た。得られたTHEI−SUCの融点は、90℃
であった。
(d):S.C. Johnson から市販されてい
る「Joncryl SCX817」を使用。
p.から市販されている「Regal 400R」を使
用。
JM Huber Corp.より市販されている「H
uberite−1」を使用。
de Nemours & Co.より市販されている
「R960」を使用。
使用される成分から順番にVitamixerブレンダ
に投入した。全成分投入後に、このブレンダを高速回転
にセットし、5秒間順方向へ、その後5秒間逆方向へ回
転し、この操作を2回繰り返した。この操作は、予備混
合物の10分間が終了した後にも、同様に行った。
機(2つの加熱ゾーンを有する APV Model
19 PC 2軸押出し機)のホッパの中に投入され
る。混練機の2つの加熱ゾーンを、後に示す表中に記載
した温度(℃で表わしたT1及びT2)に設定し、同表
に示した軸回転数(rpm)にて溶融混練を実施した。
溶融混練された塗料組成物は、直ちにピンチローラによ
り冷却され、リボン状となって回収された。
してから、Vitamix ブレンダ中に投入し(全容
積の1/3以下の投入量)、5秒間前順方向へ、その後
5秒間逆方向へ高速度回転し、この操作を何度か繰り返
した。また、この操作は10分間の粉砕操作の後にも実
施した。粉砕された粉体は、振盪機上の篩の中に投入さ
れ、140メッシュ又は170メッシュの篩を通過した
分が、粉体塗料として回収された。
インジアナポリスの GEMA Volstatic
より入手した MPS−1Lのハンドガンを用いて静電
スプレーする方法により行い、試験パネルは、燐酸鉄に
より前処理された研磨鋼板を用いた。静電スプレー塗装
された鋼板は、165℃で30分間、及び、185℃で
30分間焼き付け硬化させ、2.5milの厚さの塗膜
を得た。
°光沢を測定試験した。更に、ガードナー衝撃試験によ
る衝撃強度 鉛筆硬度、及び ASTM D3359の
平行溝接着試験により接着性を評価した。また、塗膜の
平滑性については肉眼にて評価した。
表7にあげる。これらの表では、各樹脂成分、及びイソ
シアヌレート系架橋剤の量については、重量%、及び
( )内の当量比で示されている。また、その他の添加
剤や顔料は、樹脂成分+イソシアヌレート系架橋剤の1
00部に対する部数(phr)で示している。尚、実際
の検討については、各成分の量を示した重量表示の数字
の6倍で実施した。
顔料)の実施例として2つの配合を同様の一般的な操作
で調製し、厚さ2.7milの塗膜を得た。これらの例
の結果を表8に示す。
膜の場合、イソシアヌレート系架橋剤を使用しない比較
例1の場合、光沢、耐衝撃性ともに不十分であるのに対
し、これを使用した実施例1〜3に於いては、さらなる
光沢の低下と、衝撃強度の向上が見られる。また、特
に、イソシアヌレート架橋剤がエステル結合を有する実
施例2、及び、アミン塩の構造を有する実施例3の場合
に、低い溶融混練温度でも十分な性能が発揮されてお
り、架橋剤の融点低下のメリットが表れている。また、
実施例3、4、または実施例5では、本発明で特定する
イソシアヌレート架橋剤の使用量、あるいは組合せの選
定により、塗膜の衝撃強度、他を高水準に維持したまま
で、光沢値を任意に選定できることが示されている。
合体(a)の選定については、本発明の範囲の中で、単
独、または複数の樹脂の使用が可能であり、実施例7で
は単独使用の場合が示されている。
族ポリエステルに置き換えた実施例9では、低光沢、平
滑性が維持されており、本発明の効果を保持した上で、
さらに屋外耐候性の向上も期待できる。
と同様の傾向が得られるが、黒色塗料の場合、イソシア
ヌレート架橋剤を使用しない場合、比較例2で判るよう
に「艶消し」光沢は得られないのに対し、これを使用し
た実施例6、10では、極めて低光沢の塗膜が得られて
おり、衝撃強度、塗膜硬度、平滑性、のいずれもが高い
レベルにあることが示されている。
述したが、本願特許請求の範囲に定義された本発明の技
術的範囲から逸脱することなくその種々の修飾態様及び
変形態様を作り出すことが当業者にとって容易であるこ
とは明らかである。
Claims (12)
- 【請求項1】 a)少なくとも一種のグリシジル基を分
子内に有するアクリル共重合体、 b)少なくとも一種の芳香族ポリエステル、及び c)一般式[化1]で表される、少なくとも一種のイソ
シアヌレート架橋剤 【化1】 (ここで、R1−R3は、独立して、炭素原子数1〜18
の2価のアルキレン基、及び、炭素原子数3〜21で、
少なくとも一つのエステル結合を有する2価の官能基か
ら成る群から選択されたものであり、並びに、R4−R6
は、独立して、H、有機化合物との塩、炭素原子数1〜
20のアルキル基、及び、C(O)R7からなる群から
選択されたものであり、ここで、R7は、炭素原子数1
〜22のアルキル基である)を含有する、焼き付け硬化
により得られる塗膜の60°光沢値が60以下である艶
消し塗膜を与える塗料組成物。 - 【請求項2】 グリシジル基を分子内に有するアクリル
共重合体(a)を構成する重合性モノマーの中で、メチ
ルメタクリレートの占める重量割合が、45%以下であ
る請求項1に記載の塗料組成物。 - 【請求項3】 芳香族ポリエステル(b)の酸価が、1
0〜300mgKOH/gの範囲にある請求項1に記載
の塗料組成物。 - 【請求項4】 芳香族ポリエステル(b)が、少なくと
も一種の多価アルコールと、芳香族多価カルボン酸、及
び、非芳香族多価カルボン酸からなる群から選択され
た、少なくとも1種の芳香族多価カルボン酸を含む多価
カルボン酸との反応により得られたものである請求項1
に記載の塗料組成物。 - 【請求項5】 少なくとも一種類の脂肪族ポリエステル
を、さらに含有するものである請求項1に記載の塗料組
成物。 - 【請求項6】 R1−R3が、エチレン基である請求項1
に記載の塗料組成物。 - 【請求項7】 R4−R6がHである請求項1に記載の塗
料組成物。 - 【請求項8】 R4−R6のうちの少なくとも1つが有機
化合物との塩でありその架橋剤(c)の融点が200℃
以下である請求項1に記載の塗料組成物。 - 【請求項9】 R4−R6のうちの少なくとも1つが、第
3級アミンとの塩である請求項7に記載の塗料組成物。 - 【請求項10】 R4−R6のうちの少なくとも1つが、
ジメチルドデシルアミンとの塩である請求項7又は8に
記載の塗料組成物。 - 【請求項11】 C(O)R7がアセチル基である請求
項1に記載の塗料組成物。 - 【請求項12】 顔料を除いた塗料組成物重量の1〜1
5%に相当する、少なくとも一種類の分子内にカルボキ
シル基を有するアクリル共重合体(d)、及び、顔料
(e)をさらに含有するものである請求項1に記載の塗
料組成物。
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