JPH1087226A - エレベータのつり合いおもり脱レール防止装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来において、１枚の鋼板を曲げ加工して製
造された小型エレベータのガイドレールに案内されるつ
り合いおもりについては、脱レールに対する考慮が不十
分であった。 【解決手段】 エレベータのつり合いおもりの脱レール
防止装置として、ガイドレール３とつり合いおもり７と
の外れを防止する係合部材６を先端が外側に反った舟形
シューとし、ガイドレール３の背の中央部に移動するよ
うにしたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明はエレベータ据付作
業時などに使用されるエレベータのつり合いおもり脱レ
ール防止装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年では、エレベータの据付作業の時間
短縮化・安全性の向上並びに労力の軽減などのために、
従来の如く足場を昇降路内に組み上げることなく、本設
のエレベータかご枠及び巻上機等を使用して、ガイドレ
ールや出入口用品の取付け・芯出しなどを行なう工法が
採用されるようになってきた。その工法ではつり合いお
もりを設置する場合、昇降路内に立掛けた複数本のガイ
ドレールを次々と一体に連結しながら吊り上げ、これに
て上下に長く亘る左右ガイドレールを構成し、そしてそ
の左右ガイドレールを該昇降路の上部にて仮固定して吊
り下げ、また昇降路最下階にてかご枠を利用した作業床
を介してつり合いおもりを搬入し、そのつり合いおもり
のロープ取付部に昇降路上部機械室の巻上機から垂らし
た吊りロープ一端を連結し、その状態で上部機械室から
ウインチなどにより該つり合いおもりを左右ガイドレー
ルに摺り合わせながら引き上げる。こうしてつり合いお
もりを引き上げた後、上記巻上機から垂下する吊りロー
プの他端を引き下げてかご枠のロープ取付部に連結し
て、その吊りロープにより該つり合いおもりをかごとバ
ランスさせて吊持するものである。

【０００３】ところで、上記つり合いおもり引き上げ作
業時、上記つり合いおもりは、昇降路壁に対して上端部
のみ固定しそれ以外が所定のブラケットにより固定され
ていない状態の左右ガイドレールに摺合案内させて上昇
させる必要があり、その際該つり合いおもり枠に設けた
レール案内装置がガイドレールから外れる問題が生じ、
一度外れると再度入れる作業が面倒であるとともにガイ
ドレールのガイド面等を損傷してしまう不都合があっ
た。

【０００４】そこで、その対応として、特開昭６０−２
０９４８３号公報に記載のようにガイドレールの頭部に
厚みを持たせたウェブ部の付け根に両側から、当接し、
摺動する係合部材を設けたものが提案されている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来技術
の対象となるウェブ部は、エレベータにて昇降可能な積
載量の大きな大型のエレベータに適用されるガイドレー
ルにしかなく、積載量の小さな小型のエレベータのガイ
ドレールすなわち、１枚の鋼板を曲げ加工して製造され
た曲げもののガイドレールには設けられておらず、適用
できなかった。

【０００６】本発明は上記問題点を鑑みてなされたもの
で、その目的は、小型エレベータにも対応可能なエレベ
ータのつり合いおもり脱レール防止装置を提供すること
にある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、昇降路内垂直方法に左右２本吊り下げら
れたガイドレール、これらのガイドレールに案内される
つり合いおもりとを備えたエレベータのつり合いおもり
脱レール防止装置において、前記つり合いおもりとガイ
ドレールの外れを防止する係合部材を取外し自在に備え
た構成としている。

【０００８】本発明では２本のガイドレールを係合部材
とつり合いおもりのガイドシューにて挟持するため２本
のガイドレールの間隔を一定に保持してつり合いおもり
を引き上げることができ、この作業中におけるつり合い
おもりの脱レールを防止することができる。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
に基づいて説明する。

【００１０】図１は本発明のエレベータのつり合いおも
り脱レール防止装置の一実施形態を示す平面図、図２は
図１のエレベータのつり合いおもり脱レール防止装置の
正面図である。

【００１１】図において、１はつり合いおもり７を両側
から保持するつり合いおもり枠、２はつり合いおもり枠
１に設けられガイドレール３上を摺動するガイドシュー
である。ここでガイドレール３は１枚の板材を曲げ加工
して製造された曲げもののガイドレールである。

【００１２】４はガイドレール３の連結部に設けられる
ジョイントで、ガイドレール３の連結部上下に配設さ
れ、その上下それぞれにおいてボルト５によって固定
し、上下の各ガイドレール３を連結している。

【００１３】６はガイドレール３の背面、すなわちガイ
ドシュー２と摺動接触する面の背面上を垂直方向に移動
する係合部材で、この係合部材６は前記ガイドレール連
結部のジョイント４の厚味部分を無理なく通過できるよ
う先端が外側にそった舟形に形成されている。

【００１４】９は連結部材６と嵌合するとともに、その
両端で連結部材８に設けられた穴８ａと嵌合する軸であ
る。

【００１５】ここで連結部材８は、つり合いおもり枠１
に当接したレールクリップ１１とボルト１０で螺合され
ることにより、つり合いおもり枠１に取外し自在に固定
されている。よって、つり合いおもり枠１の吊り上げ作
業終了後、ボルト１０及びレールクリップ１１を取外す
ことにより、つり合いおもり枠１から、本発明のエレベ
ータのつり合いおもり脱レール防止装置を取外すことが
可能である。

【００１６】本実施形態によれば、以上のように構成し
たため、上記のようにつり合いおもり７を図示しないウ
ィンチ等で引き上げれば、その上昇過程で揺れが生じて
も脱レールを起こすことがなくなる。すなわち、各ガイ
ドレール３をガイドシュー２と係合部材６とにより挟持
できるため、図１における左右方向の揺れを規制でき
る。又、係合部材の先端がそっているため、ジョイント
４を通過する時も無理なく通過できる。更に、ガイドレ
ールの背面中央部に位置するため、ボルト５に当ること
なく移動できる。

【００１７】このように、図１における左右上下方向の
いずれの揺れも規制できる構成としたため、つり合いお
もり７とガイドレール３との相対移動を完全に規制する
ことができるようになり、よってガイドシュー２の凹部
とガイドレール３が離脱する脱レールを、曲げもののガ
イドレールを用いたエレベータにおいても完全に防止す
ることができる。

【００１８】

【発明の効果】本発明は、上記のように小型のエレベー
タに用いられる曲げもののガイドレールを使用してつり
合いおもりの引き上げ作業をしてもつり合いおもりの脱
レールを確実に防止できるため、脱レールにより必要と
なる復旧作業をなくし、大幅な作業効率向上を図ること
が可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のエレベータのつり合いおもり脱レール
防止装置の一実施形態を示す平面図である。

【図２】図１のエレベータのつり合いおもり脱レール防
止装置の正面図である。

【符号の説明】

３ ガイドレール ６ 係合部材 ７ つり合いおもり ８ 連結部材 ９ 軸

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 昇降路内垂直方法に左右２本吊り下げら
   れたガイドレール、これらのガイドレールに案内される
   つり合いおもりとを備えたエレベータのつり合いおもり
   脱レール防止装置において、前記つり合いおもりとガイ
   ドレールの外れを防止する係合部材を取外し自在に備え
   たエレベータのつり合いおもり脱レール防止装置。
2. 【請求項２】 前記係合部材を先端が外側に反った舟形
   シューとしたことを特徴とする請求項１記載のエレベー
   タのつり合いおもり脱レール防止装置。
3. 【請求項３】 前記係合部材を、前記ガイドレールの背
   面中央部を移動するようにしたことを特徴とする請求項
   １記載のエレベータのつり合いおもり脱レール防止装
   置。