JPH08217361A - エレベータのつり合いおもり脱レール防止装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、積載の小さな小型のエレベ
ータに対応可能なエレベータのつり合いおもり脱レール
防止装置を提供することにある。 【構成】 昇降路内垂直方向に吊り下げられたガイドレ
ール３の両背面に接するローラ６と前記ローラ６を回転
可能にする軸９と、この軸９に両端で嵌合する連結部８
とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明はエレベータ据付作業時
などに使用されるエレベータのつり合いおもり脱レール
防止装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年では、エレベータの据付作業の時間
短縮化・安全性の向上並びに労力の軽減などのために、
従来の如く足場を昇降路内に組み上げることなく、本設
のエレベータかご枠及び巻上機等を使用して、ガイドレ
ールや出入口用品の取付け・芯出しなどを行なう工法が
採用されるようになってきた。その工法ではつり合いお
もりを設置する場合、昇降路内に立掛けた複数本のガイ
ドレールを次々と一体に連結しながら吊り上げ、これに
て上下に長く亘る左右ガイドレールを構成し、そしてそ
の左右ガイドレールを該昇降路の上部にて仮固定して吊
り下げ、また昇降路最下階にてかご枠を利用した作業床
を介してつり合いおもりを搬入し、そのつり合いおもり
のロープ取付部に昇降路上部機械室の巻上機から垂らし
た吊りロープ一端を連結し、その状態で上部機械室から
ウインチなどにより該つり合いおもりを左右ガイドレー
ルに摺り合わせながら引き上げる。こうしてつり合いお
もりを引き上げた後、上記巻上機から垂下する吊りロー
プの他端を引き下げてかご枠のロープ取付部に連結し
て、その吊りロープにより該つり合いおもりをかごとバ
ランスさせて吊持するものである。

【０００３】ところで、上記つり合いおもりの引き上げ
作業時、上記つり合いおもりは、昇降路壁に対して上端
部のみ固定しそれ以外が所定のブラケットにより固定さ
れていない状態の左右ガイドレールに摺合案内させて上
昇させる必要があり、その際該つり合いおもり枠に設け
たレール案内装置がガイドレールから外れる問題が生
じ、一度外れると再度入れる作業が面倒であるとともに
ガイドレールのガイド面等を損傷してしまう不都合があ
った。

【０００４】そこで、その対応として、図３に示すよう
にガイドレール１の頭部に厚みを持たせたウェブ部１ａ
の付け根に両側から当接し、摺動する係合部材２を設
け、つり合いおもり枠に設けたガイドシュー３が、ガイ
ドレール１から外れることを防止しているものが提案さ
れている。

【０００５】なお、ここで係合部材２、２Ａは支持アー
ム４、４Ａに結合され、この支持アーム４、４Ａは、ボ
ルト５、５Ａによりガイドシュー３に取付けられてい
る。

【０００６】この種の脱レール防止装置の一例として
は、特開昭６０−２０９４８３号公報に記載のものが挙
げられる。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来技術
の対象となるウェブ部を備えたガイドレールは、エレベ
ータにて昇降可能な積載量の大きな大型のエレベータに
適用されるガイドレールであるため、積載量の小さな小
型のエレベータのガイドレールすなわち、１枚の板鋼を
曲げ加工して製造された曲げもののガイドレールには適
用できず、つり合いおもりがこのつり合いおもりを案内
するガイドレールから脱レールするという問題点は解消
されていなかった。

【０００８】本発明は、上記問題点を鑑みてなされたも
ので、その目的は、小型のエレベータに対応可能なエレ
ベータのつり合いおもり脱レール防止装置を提供するこ
とにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、昇降路内垂直方向に左右２本吊り下げら
れたガイドレールと、これらのガイドレールに案内され
るつり合いおもりとを備えたエレベータのつり合いおも
り脱レール防止装置において、前記各ガイドレールの背
面に接するローラと、前記各ローラを回転可能に支持す
る軸と、前記各軸に両端で嵌合するとともに前記つり合
いおもりに取外し自在に固定された連絡部とを備えた構
成としている。

【００１０】

【作用】本発明は上記のように、昇降路内垂直方向に吊
り下げられた左右２本のガイドレールの両背面に接する
ローラと、このローラ間の間隔を一定に保持するととも
につり合いおもりと固定される連結部とを備えてエレベ
ータのつり合いおもり脱レール防止装置を構成したた
め、上端部しか固定されておらずその間隔が一定でない
２本のガイドレールに沿って、つり合いおもりを引き上
げる引き上げ作業時においても、前記２本のガイドレー
ルの間隔を一定に保持して引き上げ作業を行なうことが
できるため、この作業中におけるつり合いおもりの脱レ
ールを防止することができる。

【００１１】さらに、前記間隔の保持方法として２本の
ガイドレールの両背面を狭持するように構成したため、
小型のエレベータに使用するウェブ部を持たない曲げも
ののガイドレールにおいても脱レールすることなしにつ
り合いおもりの引き上げ作業を行うことができる。

【００１２】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図に基づいて説明
する。

【００１３】図１は本発明のエレベータのつり合いおも
り脱レール防止装置の一実施例を示す平面図、図２は図
１のエレベータのつり合いおもり脱レール防止装置の正
面図である。

【００１４】図において、１はつり合いおもり７を両側
から保持するつり合いおもり枠で、２はつり合いおもり
枠１に設けられガイドレール３上を摺動するガイドシュ
ーである。ここでガイドレール３は１枚の板材を曲げ加
工して製造された曲げもののガイドレールである。

【００１５】４はガイドレール３の連結部に設けられる
ジョイントで、ガイドレール３の連結部上下に配設さ
れ、その上下それぞれにおいてボルト５によって固定
し、上下の各ガイドレール３を連結している。

【００１６】６はガイドレール３の背面、すなわちガイ
ドシュー２と摺動接触する面の背面上を垂直方向に回転
移動するローラで、このローラ６とガイドレール３の背
面との間隔は、前記ガイドレール連結部のジョイント４
の厚み以上の間隔を有している。

【００１７】９はローラ６の中心位置でローラ６と嵌合
するとともに、その両端で連結部８に設けられた穴８ａ
と嵌合する軸である。

【００１８】ここで連結部８はつり合いおもり枠１に当
接したレールクリップ１１とボルト１０で螺合されるこ
とにより、つり合いおもり枠１に取外し自在に固定され
ている。よって、つり合いおもり枠１の吊り上げ作業終
了後、ボルト１０及びレールクリップ１１を取外すこと
により、つり合いおもり枠１から、本発明のエレベータ
のつり合いおもり脱レール防止装置を取外すことが可能
である。

【００１９】本実施例によれば、以上のように構成した
ため、上記のようにつり合いおもり７を図示しないウイ
ンチ等で引き上げれば、その上昇過程で揺れが生じても
脱レールを起こすことがなくなる。すなわち、各ガイド
レール３の両背面から２つのローラ６により各ガイドレ
ール３を挟持できるため、図１における左右方向の揺れ
を規制できる。又、連結部８により、図１におけるガイ
ドレール３の上下方向を挟み込む構成としたため、図１
における上下方向の揺れも規制することができる。

【００２０】このように、図１における左右上下方向の
いずれの揺れも規制できる構成としたため、つり合いお
もり７とガイドレール３との相対移動を完全に規制する
ことができるようになり、よってガイドシュー２の凹部
とガイドレール３が離脱する脱レールを、曲げもののガ
イドレールを用いたエレベータにおいても完全に防止す
ることができる。

【００２１】

【発明の効果】本発明は、上記のように小型のエレベー
タに用いられる曲げもののガイドレールを使用してつり
合いおもりの引き上げ作業をしてもつり合いおもりの脱
レールを確実に防止できるため、脱レールにより必要と
なる復旧作業をなくし、大幅な作業効率向上を図ること
が可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のエレベータのつり合いおもり脱レール
防止装置の一実施例を示す平面図である。

【図２】図１のエレベータのつり合いおもり脱レール防
止装置の正面図である。

【図３】従来のつり合いおもり脱レール防止装置の断面
図である。

【符号の説明】

３ ガイドレール ６ ローラ ７ つり合いおもり ８ 連結部 ９ 軸

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 昇降路内垂直方向に左右２本吊り下げら
   れたガイドレールと、これらのガイドレールに案内され
   るつり合いおもりとを備えたエレベータのつり合いおも
   り脱レール防止装置において、前記各ガイドレールの背
   面に接するローラと、前記各ローラを回転可能に支持す
   る軸と、前記各軸に両端で嵌合するとともに前記つり合
   いおもりに取外し自在に固定された連絡部とを備えたエ
   レベータのつり合いおもり脱レール防止装置。
2. 【請求項２】 ローラとガイドレールとの間隔は前記ガ
   イドレール連結部の厚み以上の間隔を有することを特徴
   とする請求項１記載のエレベータのつり合いおもり脱レ
   ール防止装置。