JPH1086649A - 自動車用空気調和装置 - Google Patents

自動車用空気調和装置

Info

Publication number
JPH1086649A
JPH1086649A JP24826196A JP24826196A JPH1086649A JP H1086649 A JPH1086649 A JP H1086649A JP 24826196 A JP24826196 A JP 24826196A JP 24826196 A JP24826196 A JP 24826196A JP H1086649 A JPH1086649 A JP H1086649A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
refrigerant
condenser
evaporator
compressor
air
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP24826196A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuichi Kaitani
雄一 回谷
Toshio Ohashi
利男 大橋
Kaoru Kamiyama
薫 神山
Tadayoshi Tajima
唯好 田島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Marelli Corp
Original Assignee
Calsonic Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Calsonic Corp filed Critical Calsonic Corp
Priority to JP24826196A priority Critical patent/JPH1086649A/ja
Publication of JPH1086649A publication Critical patent/JPH1086649A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Air-Conditioning For Vehicles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】暖房性能と即暖性を共に向上させたヒートポン
プ式の「自動車用空気調和装置」を提供する。 【解決手段】冷媒流路の低圧部にサブエバポレータ30
を設けて排気流路41(マフラー42)内に設置し、サ
ブエバポレータ30にて排気熱を冷媒により回収して暖
房を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷媒の熱を利用し
て車室内の暖房を行ういわゆるヒートポンプ式自動車用
空気調和装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば、最近の一部の高級車や比較的
車室内空間が大きいワンボックスカー等には、車室内全
体について快適な空調状態が得られるよう、車室内の前
方領域(たとえば、前席部分)はフロントユニットによ
り、後方領域(たとえば、第2席、第3席等の後席部
分)はリヤユニットによりそれぞれ独立に空気調和す
る、通常デュアルエアコンと称される自動車用空気調和
装置が搭載されている。
【0003】この種の自動車用空気調和装置として、た
とえば、フロントユニットはエンジンの冷却水を利用
し、リヤユニットはコンプレッサで圧縮された高温高圧
の冷媒を利用してそれぞれ車室内の暖房を行うようにし
たシステムがある。このようなシステムは、冷媒の循環
過程(冷凍サイクル)において低温の外部空気から熱を
汲み上げて車室内を暖房することから、ヒートポンプ式
の自動車用空気調和装置と称されている。
【0004】図12は従来のヒートポンプ式自動車用空
気調和装置の一例を示す概略構成図である。この装置
は、デュアルタイプのものであって、車室内空気(内
気)と車室外空気(外気)を選択的に取り入れ、これを
空気調和して車室内の前席に向かって吹き出すフロント
ユニット10と、車室内の後席に向かって吹き出すリヤ
ユニット20とを有している。
【0005】フロントユニット10は、その空気流路1
1内に、熱交換器として、空気の流れ方向の下流側から
順に、エンジン1の冷却水(温水)を利用して空気を加
熱するヒータコア12と、コンプレッサ2、メインコン
デンサ3、第1リキッドタンク14、および第1膨脹弁
15と共に冷凍サイクルを構成するフロントエバポレー
タ13とを有している。また、図示しないが、ヒータコ
ア12の前面には、ヒータコア12を通過した空気(温
風)とこれを迂回した空気(冷風)の割合を調節するエ
アミックスドアが設けられている。暖房時には、第1開
閉弁(電磁弁)16を閉にしてフロントエバポレータ1
3への冷媒の流れを阻止した状態で、ヒータコア12に
より取り入れ空気を加熱する。これにより、フロントユ
ニット10内に取り込まれた空気は、ヒータコア12で
加熱され、温風となって所定の吹出口から車室内の前席
に向かって吹き出される。
【0006】一方、リヤユニット20は、その空気流路
21内に、熱交換器として、空気の流れ方向の下流側か
ら順に、サブコンデンサ22およびリヤエバポレータ2
3を有している。サブコンデンサ22とリヤエバポレー
タ23は相互に直列に接続された状態でフロントエバポ
レータ13と並列に接続されている。サブコンデンサ2
2の前面にはエアミックスドア27が設けられている。
暖房時、コンプレッサ2から吐出された冷媒は、四方弁
4→バイパス通路5→第1リキッドタンク14→第2開
閉弁(電磁弁)26→サブコンデンサ22→第2リキッ
ドタンク24→第2膨脹弁25→リヤエバポレータ23
と流れて、コンプレッサ2に帰還する。この循環過程に
おいて冷媒はサブコンデンサ22で放熱して空気を加熱
し、リヤエバポレータ23で吸熱して空気を除湿、冷却
する。これにより、リヤユニット20内に取り込まれた
空気は、リヤエバポレータ23で除湿され、さらにサブ
コンデンサ22で加熱された後、流下し、所定の吹出口
から車室内に吹き出されることになり、除湿した空気を
加熱する除湿暖房が実現される。
【0007】このようにして、当該システムでは、車室
内の前席(フロント)側は温水によって暖房され(フロ
ントヒータ)、後席(リヤ)側は冷媒によって暖房され
ることになる(リヤヒータ)。
【0008】なお、同図中、6は冷媒回収通路、7は第
3開閉弁(電磁弁)、8、9はそれぞれ逆止弁である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の自動車用空気調和装置にあっては、フロント
ヒータは、温水を利用して、つまりエンジン1を冷却す
ることにより得られる熱のみによって暖房を行い、リヤ
ヒータは、冷媒を利用して、つまりコンプレッサ2で冷
媒を圧縮することにより得られる熱とエバポレータ23
で空気を冷却することにより得られる熱のみによって暖
房を行うため、たとえば、冬季の朝のように外気温度が
低いときには、エンジン始動時(特にアイドリング時)
に、エンジン冷却水温の上昇に時間がかかり、また、冷
媒の温度上昇も俊敏ではないため、暖房運転開始と同時
に暖かい空気が吹き出されるような状態になりにくく、
いわゆる即暖性が不十分となり、また、暖房性能も不足
気味となるおそれがある。すなわち、即暖性について
は、フィーリング上の快適性の目安となるヒータ吹出口
温度50℃に到達するまでの暖房立ち上がりが遅くなる
ことがある。特に、ディーゼルエンジンを搭載した車室
内空間の大きいワンボックスカーでは、通常のガソリン
エンジン車と比べてエンジン冷却水の温度上昇が遅く、
しかも広い空間を暖房しなければならないため、即暖
性、暖房性能共に不足する傾向がある。
【0010】本発明は、ヒートポンプ式の自動車用空気
調和装置における上記課題に着目してなされたものであ
り、暖房性能および即暖性の向上を共に図ることができ
るヒートポンプ式の自動車用空気調和装置を提供するこ
とを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、冷凍サイクル内を状態変化
しながら循環する冷媒の熱を利用して車室内の暖房を行
うヒートポンプ式の自動車用空気調和装置において、空
気を取り入れ車室内に向かって流通させる通風ユニット
の空気流路内に、コンプレッサから吐出された高温高圧
の冷媒との熱交換により空気を加熱する室内コンデンサ
を設け、エンジンから排出される排気を流通させる排気
管の排気流路内に、前記排気の熱を回収して前記コンプ
レッサに吸入される冷媒を加熱する室外熱交換器を設け
たことを特徴とする。
【0012】この発明にあっては、室外熱交換器に流入
した冷媒は、エンジンから排出される排気の熱(排気
熱)によって加熱され、より高温となってコンプレッサ
に吸入され、再度圧縮される。これにより、コンプレッ
サに帰還し再度圧縮された冷媒は、エンタルピーが増加
して(つまり、サイクルバランスが上昇して)より高温
高圧となって吐出され、室内コンデンサに供給される。
こうして、室内コンデンサにはより高温の冷媒が流通す
ることになり、室内コンデンサの放熱性能が高まること
から、室内コンデンサにおいて冷媒との熱交換により加
熱された空気はより高温となり、より高い暖房性能が発
揮されることになる。また、このような傾向は時間の経
過につれて増幅されることから、エンジンの始動直後か
らこうした排気熱を利用できることと相俟って、サイク
ル温度(たとえば、コンプレッサ吐出温度)はより早く
効率的に上昇することになり、いわゆる即暖性も向上す
ることになる。この発明の適用例として、最も単純に
は、たとえば、前席の暖房(除湿なし)のみを行う暖房
システムがある。
【0013】請求項2記載の発明は、上記請求項1記載
の発明において、前記通風ユニット内の前記室内コンデ
ンサの上流に、低温低圧の冷媒との熱交換により空気を
冷却するエバポレータを設け、当該エバポレータの出口
と前記コンプレッサの入口の間に前記室外熱交換器を配
置し、前記通風ユニットの外部に室外コンデンサを設
け、前記コンプレッサから吐出された冷媒を回路切換手
段により前記室外コンデンサへ導く冷房運転用冷媒回路
と、前記冷媒を前記回路切換手段により前記室外コンデ
ンサをバイパスさせて直接前記室内コンデンサへ導く暖
房運転用冷媒回路とを設けたことを特徴とする。
【0014】この発明にあっては、暖房時、回路切換手
段は冷媒回路を暖房運転用に設定する。これにより、コ
ンプレッサから吐出された冷媒は室外コンデンサをバイ
パスして直接室内コンデンサへ導かれる。このとき、通
風ユニット内に取り込まれた空気は、まずエバポレータ
で除湿され、さらに室内コンデンサで加熱されて、車室
内に吹き出されることになり、除湿暖房が行われる。そ
の際、室外熱交換器で排気熱を冷媒により回収し、加熱
された冷媒により暖房を行うため、暖房性能および即暖
性の向上が図られる。この発明の適用例としては、たと
えば、前席のみの暖房(除湿あり)を行う冷暖房システ
ムがある。
【0015】請求項3記載の発明は、上記請求項1記載
の発明において、第1通風ユニットの空気流路内に、下
流側から順に、エンジンの冷却水を利用して空気を加熱
するヒータコアと、低温低圧の冷媒との熱交換により空
気を冷却する第1エバポレータとを配設し、第2通風ユ
ニットの空気流路内に、下流側から順に、前記第1エバ
ポレータと並列に接続されかつ相互に直列に接続された
前記室内コンデンサおよび第2エバポレータを配設し、
当該第2エバポレータの出口と前記コンプレッサの入口
の間に前記室外熱交換器を配置し、前記通風ユニットの
外部に室外コンデンサを設け、前記コンプレッサから吐
出された冷媒を回路切換手段により前記室外コンデンサ
へ導く冷房運転用冷媒回路と、前記冷媒を前記回路切換
手段により前記室外コンデンサをバイパスさせて直接前
記室内コンデンサへ導く暖房運転用冷媒回路とを設けた
ことを特徴とする。
【0016】この発明にあっては、暖房時、回路切換手
段は冷媒回路を暖房運転用に設定する。これにより、コ
ンプレッサから吐出された冷媒は室外コンデンサをバイ
パスして直接第2通風ユニット内の室内コンデンサへ導
かれる。このとき、第2通風ユニット内に取り込まれた
空気は、まず第2エバポレータで除湿され、さらに室内
コンデンサで加熱されて、車室内に吹き出されることに
なり、除湿暖房が行われる。その際、室外熱交換器で排
気熱を冷媒により回収し、加熱された冷媒により暖房を
行うため、暖房性能および即暖性の向上が図られる。ま
た、第1通風ユニット内に取り込まれた空気は、ヒータ
コアで加熱されて、車室内に吹き出される。すなわち、
第1通風ユニットはエンジンの冷却水(温水)により暖
房を行い、第2通風ユニットは排気熱を冷媒により回収
して暖房を行う。この発明の適用例としては、たとえ
ば、前席を温水で暖房し、後席を排気熱利用の冷媒で暖
房(除湿あり)するデュアルタイプの冷暖房システムが
ある。
【0017】請求項4記載の発明は、上記請求項1記載
の発明において、第1通風ユニットの空気流路内に、下
流側から順に、エンジンの冷却水を利用して空気を加熱
するヒータコアと、低温低圧の冷媒との熱交換により空
気を冷却するエバポレータとを配設し、第2通風ユニッ
トの空気流路内に、前記第1エバポレータと並列に接続
された前記室内コンデンサを配設し、当該室内コンデン
サの出口と前記コンプレッサの入口の間に前記室外熱交
換器を配置し、前記通風ユニットの外部に室外コンデン
サを設け、前記コンプレッサから吐出された冷媒を回路
切換手段により前記室外コンデンサへ導く冷房運転用冷
媒回路と、前記冷媒を前記回路切換手段により前記室外
コンデンサをバイパスさせて直接前記室内コンデンサへ
導く暖房運転用冷媒回路とを設けたことを特徴とする。
【0018】この発明にあっては、暖房時、回路切換手
段は冷媒回路を暖房運転用に設定する。これにより、コ
ンプレッサから吐出された冷媒は室外コンデンサをバイ
パスして直接第2通風ユニット内の室内コンデンサへ導
かれる。このとき、第2通風ユニット内に取り込まれた
空気は、室内コンデンサで加熱されて、車室内に吹き出
される。その際、室外熱交換器で排気熱を冷媒により回
収し、加熱された冷媒により暖房を行うため、暖房性能
および即暖性の向上が図られる。また、第1通風ユニッ
ト内に取り込まれた空気は、ヒータコアで加熱されて、
車室内に吹き出される。すなわち、第1通風ユニットは
エンジンの冷却水(温水)により暖房を行い、第2通風
ユニットは排気熱を冷媒により回収して暖房を行う。こ
の発明の適用例としては、たとえば、前席を温水で暖房
し、後席を排気熱利用の冷媒で暖房(除湿なし)するデ
ュアルタイプの冷暖房システムがある。
【0019】請求項5記載の発明は、上記請求項1記載
の発明において、第1通風ユニットの空気流路内に、下
流側から順に、相互に直列に接続された第1室内コンデ
ンサおよび第1エバポレータを配設し、第2通風ユニッ
トの空気流路内に、下流側から順に、前記第1室内コン
デンサおよび前記第1エバポレータと並列に接続されか
つ相互に直列に接続された第2室内コンデンサおよび第
2エバポレータを配設し、前記第1エバポレータおよび
前記第2エバポレータのうち少なくともどちらか一方の
出口と前記コンプレッサの入口の間に前記室外熱交換器
を配置し、前記通風ユニットの外部に室外コンデンサを
設け、前記コンプレッサから吐出された冷媒を回路切換
手段により前記室外コンデンサへ導く冷房運転用冷媒回
路と、前記冷媒を前記回路切換手段により前記室外コン
デンサをバイパスさせて直接前記室内コンデンサへ導く
暖房運転用冷媒回路とを設けたことを特徴とする。
【0020】この発明にあっては、暖房時、回路切換手
段は冷媒回路を暖房運転用に設定する。これにより、コ
ンプレッサから吐出された冷媒は室外コンデンサをバイ
パスして直接第1通風ユニット内の第1室内コンデンサ
および第2通風ユニット内の第2室内コンデンサへ導か
れる。このとき、第1および第2通風ユニット内に取り
込まれた空気は、それぞれ、まず第1および第2エバポ
レータで除湿され、さらに第1および第2室内コンデン
サで加熱されて、車室内に吹き出されることになり、共
に除湿暖房が行われる。その際、室外熱交換器で排気熱
を冷媒により回収し、加熱された冷媒により暖房を行う
ため、暖房性能および即暖性の向上が図られる。すなわ
ち、第1通風ユニット、第2通風ユニット共に、排気熱
を冷媒により回収して暖房を行う。この発明の適用例と
しては、たとえば、前席および後席を共に排気熱利用の
冷媒で暖房(除湿あり)するデュアルタイプの冷暖房シ
ステムがある。
【0021】請求項6記載の発明は、上記請求項1記載
の発明において、第1通風ユニットの空気流路内に、下
流側から順に、相互に直列に接続された第1室内コンデ
ンサおよび第1エバポレータを配設し、第2通風ユニッ
トの空気流路内に、前記第1室内コンデンサおよび前記
第1エバポレータと並列に接続された第2室内コンデン
サを配設し、当該第2室内コンデンサの出口と前記コン
プレッサの入口の間に前記室外熱交換器を配置し、前記
通風ユニットの外部に室外コンデンサを設け、前記コン
プレッサから吐出された冷媒を回路切換手段により前記
室外コンデンサへ導く冷房運転用冷媒回路と、前記冷媒
を前記回路切換手段により前記室外コンデンサをバイパ
スさせて直接前記室内コンデンサへ導く暖房運転用冷媒
回路とを設けたことを特徴とする。
【0022】この発明にあっては、暖房時、回路切換手
段は冷媒回路を暖房運転用に設定する。これにより、コ
ンプレッサから吐出された冷媒は室外コンデンサをバイ
パスして直接第1通風ユニット内の第1室内コンデンサ
および第2通風ユニット内の第2室内コンデンサへ導か
れる。このとき、第1通風ユニット内に取り込まれた空
気は、まず第1エバポレータで除湿され、さらに第1室
内コンデンサで加熱されて、車室内に吹き出されること
になり、除湿暖房が行われる。また、第2通風ユニット
内に取り込まれた空気は、第2室内コンデンサで加熱さ
れて、車室内に吹き出される。いずれの側においても、
室外熱交換器で排気熱を冷媒により回収し、加熱された
冷媒により暖房を行うため、暖房性能および即暖性の向
上が図られる。すなわち、第1通風ユニット、第2通風
ユニット共に、排気熱を冷媒により回収して暖房を行
う。この発明の適用例としては、たとえば、前席は排気
熱利用の冷媒で暖房(除湿あり)し、後席は排気熱利用
の冷媒で暖房(除湿なし)するデュアルタイプの冷暖房
システムがある。
【0023】請求項7記載の発明は、上記請求項2〜6
のいずれか1つに記載の発明において、冷房運転時に前
記室外熱交換器への冷媒の流れを阻止する冷媒導入阻止
手段を有することを特徴とする。
【0024】この発明にあっては、冷媒導入阻止手段
は、冷房運転時に、室外熱交換器への冷媒の流れを阻止
する。これにより、冷房時において、排気熱の冷媒への
伝達が阻止され、冷媒の過度の温度上昇が防止されるた
め、冷房性能の低下を来すことはない。
【0025】請求項8記載の発明は、上記請求項1〜7
のいずれか1つに記載の発明において、前記排気管内の
前記室外熱交換器の上流側に、前記室外熱交換器を通過
する排気と通過しない排気の割合を制御する排気流量制
御手段を設けたことを特徴とする。
【0026】この発明にあっては、排気流量制御手段は
室外熱交換器を通過する排気と通過しない排気の割合を
制御する。これにより、室外熱交換器で回収される排気
熱の量の制御が可能となり、必要に応じて必要な量だけ
の排気熱を利用できるようになる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、図面を使って、本発明の実
施の形態を説明する。
【0028】実施形態1 図1、図2は本発明に係る自動車用空気調和装置の一実
施形態を示す概略構成図であり、図1は暖房運転時の状
態、図2は冷房運転時の状態をそれぞれ示している。な
お、図12と共通する部材には一部同じ符号を付してあ
る。
【0029】この自動車用空気調和装置は、図12に示
す従来のシステムと同様に、車室内の前席(フロント)
側は温水を利用して暖房を行い、後席(リヤ)側は冷媒
を利用して暖房を行う(ヒートポンプ式)ものである
が、ここではさらに、このヒートポンプ式システムに排
気熱回収機能を付加したシステムとなっている。
【0030】この装置は、インテークユニット(図示せ
ず)で内外気を選択的に取り入れ、クーリングユニット
およびヒータユニット(共に図示せず)で取り入れ空気
を空気調和して車室内の前席に向かって吹き出すフロン
トユニット(第1通風ユニット)110と、車室内の後
席に向かって吹き出すリヤユニット(第2通風ユニッ
ト)120とを有している。
【0031】フロントユニット110は、その空気流路
111内に、熱交換器として、空気の流れ方向の下流側
から順に、エンジン1の冷却水(温水)を利用して空気
を加熱するヒータコア112と、コンプレッサ2、メイ
ンコンデンサ3、第1リキッドタンク114、および第
1膨脹弁115と共に冷凍サイクルを構成するフロント
エバポレータ113とを有している。また、図示しない
が、ヒータコア112の前面には、ヒータコア112を
通過した空気(温風)とこれを迂回した空気(冷風)の
割合を調節するエアミックスドアが設けられ、また、ヒ
ータコア112の下流には、車室内の前席への各種吹出
口が形成されている。なお、インテークユニットにはイ
ンテークドアと送風機、クーリングユニットにはフロン
トエバポレータ113、ヒータユニットにはエアミック
スドアとヒータコア112がそれぞれ配置されている。
【0032】一方、リヤユニット120は、その空気流
路121内に、熱交換器として、空気の流れ方向の下流
側から順に、サブコンデンサ(室内コンデンサ)122
およびリヤエバポレータ123を有している。サブコン
デンサ122とリヤエバポレータ123は相互に直列に
接続された状態でフロントエバポレータ113と並列に
接続されている。サブコンデンサ122の前面にはエア
ミックスドア127が設けられ、また、サブコンデンサ
122の下流には、車室内の後席への各種吹出口が形成
されている。なお、インテークユニットにはインテーク
ドアと送風機、クーリングユニットにはリヤエバポレー
タ123、ヒータユニットにはエアミックスドアとサブ
コンデンサ122がそれぞれ配置されている。
【0033】これら両ユニット110、120の外部に
は、エンジン1によって回転駆動されるコンプレッサ2
と、室外コンデンサとして機能するメインコンデンサ3
とが配設されている。冷凍サイクルは、これらコンプレ
ッサ2、メインコンデンサ3、フロントエバポレータ1
13、サブコンデンサ122、リヤエバポレータ123
を、配管により、第1リキッドタンク114、フロント
エバポレータ113用の第1膨脹弁115、第2リキッ
ドタンク124、およびリヤエバポレータ123用の第
2膨脹弁125と連結して構成されている。
【0034】メインコンデンサ3の入口側には四方弁
(回路切換手段)4が設けられている。この四方弁4
は、密閉ケースに1つの入口ポートと3つの出口ポート
を設けるとともに、同ケース内に前記3つの出口ポート
のうち2つの出口ポートを連通するスライド部材を設
け、このスライド部材によって選択された出口ポート以
外の出口ポートが入口ポートと連通するように構成され
ている。したがって、スライド部材の位置によって入口
ポートと連通される出口ポートが選択されることにな
る。ここでは、四方弁4の入口ポートはコンプレッサ2
の吐出側と接続され、四方弁4の3つの出力ポートは、
それぞれ、メインコンデンサ3の入口、コンプレッサ2
の吸入側(冷媒回収通路6)、メインコンデンサ3の出
口(バイパス通路5)と接続されている。この四方弁4
により、コンプレッサ2から吐出された冷媒をメインコ
ンデンサ3に導く冷房運転用冷媒回路(以下単に「冷房
用回路」という)と、コンプレッサ2から吐出された冷
媒をメインコンデンサ3のバイパス通路5に導く暖房運
転用冷媒回路(以下単に「暖房用回路」という)とが切
り換えられる。これら冷房用回路および暖房用回路の詳
細は後で説明する。
【0035】本案では、ヒートポンプによる暖房性能を
高めるため、コンプレッサ2の吸入側とリヤエバポレー
タ123の出口の間の低圧側冷媒通路に、室外熱交換器
として機能するサブエバポレータ30を設けている。こ
のサブエバポレータ30は、排気熱を回収利用して内部
を流通する冷媒を加熱するものであって、排気管40の
排気流路41の途中、たとえば、マフラー42の内部に
設置されている。
【0036】図3はそのような排気熱回収部の概略図で
ある。マフラー42の内部は仕切板43により第1排気
流路と第2排気流路に分離されており、サブエバポ
レータ30は仕切板43の片側の第2排気流路に設置
されている。仕切板43の上流側には、排気流量制御手
段として機能する排気流量制御弁44が回動自在に設置
されている。排気流量制御弁44は、たとえば、いわゆ
るバタフライ弁で構成されている。A点を支点として排
気流量制御弁44を回転させることによって、第1排気
流路と第2排気流路をそれぞれ流れる排気の割合、
換言すれば、サブエバポレータ30をバイパスする排気
と通過する排気の割合が変化し、サブエバポレータ30
での排気と冷媒との間の熱交換量を調整することができ
る。排気流量制御弁44は、同図(a)に示すように、
アクチュエータ45(たとえば、モータアクチュエー
タ)によって回動駆動される。なお、アクチュエータ4
5は、熱の影響を避けるため、マフラー42の外部に設
置されている。
【0037】また、たとえば冷房時などにおいてサブエ
バポレータ30で不必要に冷媒を加熱しないようにする
ため、サブエバポレータ30の入口と出口を直結するバ
イパス通路31を設け、このバイパス通路31に第4開
閉弁(電磁弁)32を設けるとともに、サブエバポレー
タ30の入口に第5開閉弁(電磁弁)33を設けてい
る。冷媒導入阻止手段は電磁弁33によって構成されて
いる。なお、図中、34は逆止弁である。
【0038】この場合、好ましくは第2膨脹弁125の
感熱部(図示せず)は、後述する理由により、サブエバ
ポレータ30の出口(より詳細にはバイパス通路31と
の接続点よりも下流側)に取り付けられている。
【0039】このようなサブエバポレータ30を設けた
場合には、サブエバポレータ30に流入した冷媒は、排
気熱によって加熱され、より高温となってコンプレッサ
2に吸入され、再度圧縮されるため、コンプレッサ2に
帰還し再度圧縮された冷媒は、エンタルピーが増加して
(つまり、サイクルバランスが上昇して)より高温高圧
となって吐出され、サブコンデンサ122に供給され
る。これにより、サブコンデンサ122にはより高温の
冷媒が流通することになり、サブコンデンサ122の放
熱性能が高まることから、サブコンデンサ122を通過
する際に冷媒により加熱された空気はより高温となって
車室内に吹き出され、より高い暖房性能が発揮されるこ
とになる。いわば、冷媒によって排気熱がサブエバポレ
ータ30を通して回収され、回収した熱がリヤ側のサブ
コンデンサ122を通して車室内へ伝達されることにな
る。一般に知られているように、エンジンで発生した熱
エネルギーのうち出力に変換されるのはわずか25〜3
0%であり、残りは各種の損失として失われているが、
その損失のうち排気損失は30〜35%もあることか
ら、本発明のように、排気熱をヒートポンプシステムに
有効に回収することで、暖房性能のさらなる向上が可能
となっている。しかも、本案のように第2膨脹弁125
の感熱部をサブエバポレータ30の出口に設けた場合に
は、サブエバポレータ30で加熱された後の冷媒の温度
によって冷媒の流量が調整されるため、サブエバポレー
タ30の作動時にはより多量の冷媒が回路内を循環する
ようになり、より一層の暖房性能アップが図られること
になる。また、このような傾向は時間の経過につれて増
幅されることから、サイクル温度(たとえば、コンプレ
ッサ吐出温度)がより早く効率的に上昇することにな
り、いわゆる即暖性も向上することになる。
【0040】なお、サブエバポレータ30の冷媒通路上
の設置位置については、図1、2に示す位置に限定され
るわけではなく、さらにコンプレッサ2の吸入側とフロ
ントエバポレータ113の出口との間の位置に設置する
ことも可能である。
【0041】暖房運転時、コンプレッサ2から吐出され
た冷媒は、下記の回路(暖房用回路)を通ってリヤユニ
ット120側にのみ流れ、フロントユニット110側に
は流れない。このとき、第1電磁弁116は閉じ、第2
電磁弁126は開いている。すなわち、暖房時、コンプ
レッサ2から出た冷媒は、図1の矢印で示すように、四
方弁4→バイパス通路5→第1リキッドタンク114→
第2電磁弁126→サブコンデンサ122→第2リキッ
ドタンク124→第2膨脹弁125→リヤエバポレータ
123→サブエバポレータ30(第4電磁弁32は閉、
第5電磁弁33は開)と流れて、コンプレッサ2に帰還
する。
【0042】なお、ヒータコア112にはウォータコッ
ク(図示せず)が設けられており、このウォータコック
を開くことによって、エンジン1から流出した温水がヒ
ータコア112へ導入されるようになっている。
【0043】一方、冷房運転時、コンプレッサ2から吐
出された冷媒は、下記の回路(冷房用回路)を通ってフ
ロントユニット110側とリヤユニット120側の双方
に流れる。このとき、第1電磁弁116と第2電磁弁1
26は共に開いている。すなわち、冷房時、コンプレッ
サ2から出た冷媒は、図2に示すように、四方弁4→メ
インコンデンサ3→第1リキッドタンク114と流れ
て、ここからフロントユニット110側とリヤユニット
120側とに分岐して流れた後、合流して、コンプレッ
サ2に帰還する。より具体的には、前者においては、第
1リキッドタンク114を出た冷媒は、第1電磁弁11
6→第1膨脹弁115→フロントエバポレータ113と
流れた後、コンプレッサ2に帰還し、また、後者におい
ては、第1リキッドタンク114を出た冷媒は、第2電
磁弁126→サブコンデンサ122→第2リキッドタン
ク124→第2膨脹弁125→リヤエバポレータ123
と流れた後、サブエバポレータ30をバイパスして(第
4電磁弁32は開、第5電磁弁33は閉)、コンプレッ
サ2に帰還する。
【0044】なお、上記したように、四方弁4の出口側
(出口ポートの1つ)とコンプレッサ2の吸入側との間
には冷媒回収通路6が設けられているが、この冷媒回収
通路6は、低外気温時に、メインコンデンサ3等に滞留
しているいわゆる寝込み冷媒をコンプレッサ2に戻し、
多量の冷媒を用いて性能の高い暖房ができるようにする
ためのものである。
【0045】また、図1、図2では明示していないが、
好ましくはコンプレッサ2の吸入側にアキュムレータが
設けられている。アキュムレータは、冷媒を貯溜する比
較的容量のある容器であるため、仮に冷媒が液状体で帰
還してきても、これを気化してコンプレッサ2に戻すこ
とができ、液圧縮によるコンプレッサ2の破損を防止す
ることができる。
【0046】次に、作用を説明する。 (暖房初期時)暖房運転開始時に外気温度が低いときに
は、温水の温度も低く、これをただちに暖房用として使
用することはできない(ヒータコア112の場合)。ま
た、冷媒もメインコンデンサ3等の内部に寝込んでお
り、コンプレッサ2にはあまり存在していない。この状
態で後席を暖房する場合には、第1電磁弁(以下「フロ
ント電磁弁」ともいう)116を閉(OFF)に、第2
電磁弁(以下「リヤ電磁弁」ともいう)126を開(O
N)に、第4電磁弁32を閉(OFF)に、第5電磁弁
33を開(ON)に、排気流量制御弁(以下「排気バル
ブ」ともいう)44を全開(ON)に、四方弁4を図1
に示す状態にそれぞれ設定する。なお、実際には、後述
するように、リヤ電磁弁126は起動後所定時間経過後
にONするのが好ましい。
【0047】この状態で第3電磁弁(以下「回収電磁
弁」ともいう)7を開(ON)にしコンプレッサ2をO
Nすると、主としてメインコンデンサ3等の内部に寝込
んでいる冷媒が、四方弁4および冷媒回収通路6を通っ
てコンプレッサ2の吸入側に導かれ、回収される。な
お、ある程度冷媒の回収が終了した時点(実際には起動
後所定時間経過後)で回収電磁弁7は閉(OFF)に戻
しておく。
【0048】これにより、コンプレッサ2は多量の冷媒
を吐出しうる運転状態となり、コンプレッサ2から吐出
された高温高圧の冷媒は、フロントユニット110側に
は流れず、四方弁4→バイパス通路5→第1リキッドタ
ンク114→リヤ電磁弁126→サブコンデンサ122
→第2リキッドタンク124→第2膨脹弁125→リヤ
エバポレータ123→第5電磁弁33→サブエバポレー
タ30と、リヤユニット120側のみを流れて、コンプ
レッサ2に帰還する。この循環過程において、サブエバ
ポレータ30に流入した低温低圧の冷媒は、エンジン1
から排出される排気との熱交換により加熱され、より高
温となってコンプレッサ2に吸入され、再度圧縮され
る。これにより、コンプレッサ2に帰還し再度圧縮され
た冷媒は、エンタルピーが増加して(つまり、サイクル
バランスが上昇して)より高温高圧となって吐出される
ことになる。しかも、ここでは、第2膨脹弁125の開
度(つまり、冷媒の流量)が図示しない前記感熱部によ
り検知されるサブエバポレータ30出口の冷媒温度によ
って調整されるため、上記のようにサブエバポレータ3
0出口の冷媒温度が排気熱の回収により上昇すると、第
2膨脹弁125の開度が大きくなり、より多量の冷媒が
循環するようになる。サブコンデンサ122の暖房能力
(放熱性能)は冷媒の温度と流量に関係するため、この
ように吐出冷媒の温度が上昇しかつ流量も増加すること
で、より高い暖房性能が発揮されることになる。また、
このような傾向は時間の経過につれて増幅されることか
ら、本案のように排気熱の回収をいわばトリガーとする
ことで冷媒温度(さらには冷媒流量)の迅速かつ効率的
な上昇が可能となり、いわゆる即暖性も大幅に向上する
ことになる。
【0049】このとき、リヤユニット120内に取り込
まれた空気は、リヤエバポレータ123において除湿冷
却され、さらにサブコンデンサ122において加熱され
た後、流下し、所定の吹出口から車室内に吹き出され
る。これにより、除湿した空気を加熱する除湿暖房が実
現される。エアミックスドア127は、図1に示す全開
位置に設定しておく。ただし、場合によっては、吹出風
温度がある程度高くなるまでエアミックスドア127を
閉じて空気がサブコンデンサ122を通過しないように
する制御を加えることも可能である。
【0050】以上は、後席の暖房についてであるが、前
席については、専らエンジン冷却水を利用して暖房が行
われる。そのため、エンジン1の始動後にエンジン冷却
水が暖房用として使用できる程度に上昇するまで、エア
ミックスドア(図示せず)を閉じて空気がヒータコア1
12を通過しないようにする制御を行うことが好まし
い。
【0051】(暖房安定時)車室内の温度がある程度上
昇し安定した場合には、特に後席の暖房について排気熱
の必要量が減少することになるため、車両の熱負荷状態
に応じて、所定の暖房性能が得られるよう、アクチュエ
ータ45により排気バルブ44の開度を制御して第2排
気流路内のサブエバポレータ30を通過する排気量を
調節し、もってサブエバポレータ30での排気熱の回収
量を調整する。
【0052】図4は暖房運転時における本システムの制
御の一例を示すフローチャートである。システムスイッ
チをONにすると(ステップS1)、エアコンスイッチ
がOFFで、かつ、コンプレッサ吐出圧力(Pd)が2
3kg/cm2Gより低く、コンプレッサ吐出温度(Td)が
120℃より低いことを確認した後(ステップS2、ス
テップS3、ステップS4)、それぞれ回収電磁弁7を
開に、コンプレッサ2をONにしてメインコンデンサ3
やフロントエバポレータ113付近に溜まっている冷媒
をコンプレッサ2に回収するとともに、排気バルブ44
を図1に示す全開位置(ON)にしてエンジン1からの
排気をサブエバポレータ30に通すようにする(ステッ
プS5)。ここで、システムスイッチとは、本案に係る
排気熱回収機能を持った暖房システムを作動させるため
の操作スイッチであり、エアコンスイッチとは、上記排
気熱回収機能を享受しない通常のシステムとして作動さ
せるための操作スイッチである。
【0053】ステップS5の設定と同時に50秒タイマ
が起動し、50秒経過後に(ステップS6)、それぞれ
回収電磁弁7を閉に、リヤ電磁弁126を開に(および
第5電磁弁33は開に)して排気熱回収による暖房シス
テムを始動させる(ステップS7)。なお、このとき、
フロント電磁弁116と第4電磁弁32は共に閉のまま
である。
【0054】ステップS1〜ステップS7の起動制御が
終了すると、次にステップS8〜ステップS11の運転
制御を行う。
【0055】この運転制御では、主にコンプレッサ2の
吐出圧力(温度)が上昇したときの保護対策として、コ
ンプレッサ2のON/OFF制御(ステップS8)と排
気バルブ44のON/OFF制御(ステップS9)が行
われる。
【0056】コンプレッサ2のON/OFF制御は、た
とえば、図5の制御特性図に基づいて行われる。すなわ
ち、コンプレッサ2は、ON状態において吐出圧力(P
d)が23kg/cm2G以上に上昇するかまたは吐出温度
(Td)が120℃以上に上がるとOFFになり、OF
F状態において吐出圧力(Pd)が20kg/cm2G以下に
下降するかまたは吐出温度(Td)が80℃以下に下が
るとONに戻る。
【0057】排気バルブ44のON/OFF制御は、た
とえば、図6の制御特性図に基づいて行われる。すなわ
ち、排気バルブ44は、全開(ON)状態において吐出
圧力(Pd)が20kg/cm2G以上に上昇するかまたは吐
出温度(Td)が100℃以上に上がると全閉(OF
F)になり、全閉状態において吐出圧力(Pd)が17
kg/cm2G以下に下降するかまたは吐出温度(Td)が8
0℃以下に下がると全開に戻る。排気バルブ44を閉じ
るとサブエバポレータ30での排気熱の回収がなくなる
ため、コンプレッサ2に吸入される冷媒の温度が下が
り、コンプレッサ2の吐出圧力(Pd)と吐出温度(T
d)が低下することになる。なお、ここでは、排気バル
ブ44のON/OFF制御を、コンプレッサ2のON/
OFF制御を行う前の段階でするようにしているが、こ
れは、コンプレッサ2のON/OFFの頻度を少なくし
てコンプレッサ2のON/OFFによるドライバビリテ
ィーの低下などを防止するためである。
【0058】この運転制御の過程における本システムの
作用については、すでに暖房初期時および暖房安定時と
して述べたとおりである。
【0059】上記の運転制御は、システムスイッチがO
NでかつエアコンスイッチがOFFであれば(ステップ
S10、ステップS11)、ステップS8に戻って、継
続されるが、システムスイッチがOFFにされ(ステッ
プS10)またはエアコンスイッチがONにされた場合
(ステップS11)には、次のステップS12の停止制
御に移行する。
【0060】この停止制御では、コンプレッサ2を停止
(OFF)し、排気バルブ44を全閉位置(OFF)に
するとともに5秒タイマを起動し、5秒経過後にリヤ電
磁弁126(および第5電磁弁33)を閉にする(ステ
ップS12)。
【0061】(冷房時)前席と後席を共に冷房する場合
には、第1電磁弁116および第2電磁弁126をそれ
ぞれ開(ON)にし、四方弁4を図2に示す状態に設定
する。また、排気流量制御弁44を図2に示す全閉位置
に設定して、エンジン1からの排気をサブエバポレータ
30に通さない、つまり冷媒に排気熱を伝えないように
して、冷媒の過剰な温度上昇を防ぐ。さらには、冷媒へ
の排気熱の伝達を完全に遮断するため、第4電磁弁32
を開(ON)に、第5電磁弁33を閉(OFF)にし
て、リヤエバポレータ123から出てコンプレッサ2に
帰還する冷媒をすべてバイパス通路31の側に流して、
サブエバポレータ30に流さないようにする。
【0062】この状態でコンプレッサ2をONすると、
コンプレッサ2から吐出された冷媒は、フロントユニッ
ト110側とリヤユニット120側の双方に流れる。す
なわち、コンプレッサ2から出た冷媒は、図2に示すよ
うに、四方弁4→メインコンデンサ3→第1リキッドタ
ンク114と流れて、ここからフロントユニット110
側とリヤユニット120側とに分岐して流れた後、合流
して、コンプレッサ2に帰還する。より具体的には、前
者においては、第1リキッドタンク114を出た冷媒
は、第1電磁弁116→第1膨脹弁115→フロントエ
バポレータ113と流れた後、コンプレッサ2に帰還
し、また、後者においては、第1リキッドタンク114
を出た冷媒は、第2電磁弁126→サブコンデンサ12
2→第2リキッドタンク124→第2膨脹弁125→リ
ヤエバポレータ123と流れた後、サブエバポレータ3
0を通らずに、コンプレッサ2に帰還する。なお、この
とき、上記のように冷媒への排気熱の伝達を完全に遮断
して排気熱の影響を一切受けないようにしているため、
低圧側の温度上昇が防止され、冷房性能が損われること
はない。
【0063】これにより、前席においては、フロントユ
ニット110内に取り込まれた空気は、フロントエバポ
レータ113において冷媒との熱交換により冷却、除湿
されて冷風となった後、所定の吹出口から車室内に吹き
出される。このとき、エアミックスドア(図示せず)
は、ヒータコア112での熱交換を防ぐため、ヒータコ
ア112に空気を通さないよう全閉位置に切り替えてお
く。
【0064】また、後席においては、リヤユニット12
0内に取り込まれた空気は、リヤエバポレータ123に
おいて冷媒との熱交換により冷却、除湿されて冷風とな
った後、所定の吹出口から車室内に吹き出される。この
とき、エアミックスドア127は、フロント側と同様、
サブコンデンサ122での熱交換を防ぐため、サブコン
デンサ122に空気を通さないよう図2に示す全閉位置
に切り替えておく。
【0065】なお、前席のみを冷房する場合には第1電
磁弁116のみを開け、後席のみを冷房する場合には第
2電磁弁126のみを開ければよい。
【0066】したがって、本実施形態によれば、冷媒流
路の低圧部にサブエバポレータ30を設けて排気流路4
1(マフラー42)内に設置したため、従来車外に排出
していた排気からサブエバポレータ30を介して熱を吸
収できるようになり(排気熱の再利用)、その分最大暖
房能力の向上を図ることができる。
【0067】また、エンジン1の始動直後から排気熱を
利用できることから、フィーリング上快適とされる条件
(吹出口温度50℃、車室内温度28℃以上)に到達す
る時間が大幅に短縮され、いわゆる即暖性の向上も図ら
れる。
【0068】また、サブエバポレータ30が排気の流通
の抵抗となるため、いわゆる排気シャッター効果(排気
圧が高くなると、エンストを防ぐため燃料の供給量が増
加し、発熱量が大きくなること)が生じ、エンジン1の
冷却水および排気の温度が上昇し、前席、後席共に暖房
性能がさらに向上する。
【0069】さらに、マフラー42内のサブエバポレー
タ30の上流側に、サブエバポレータ30を通過する排
気量の制御を可能とする排気流量制御弁44を設置した
ので、排気流量制御弁44の開度を変えることにより、
任意に必要なだけの排気熱を取り出すことができる。
【0070】なお、本実施形態では、四方弁4と冷媒回
収通路6を設けて寝込み冷媒をコンプレッサ2に戻すよ
うにしているが、これに限られるわけではなく、寝込み
冷媒をコンプレッサ2に戻すことなく暖房運転を行うよ
うにしてもよい。この場合には、四方弁4の代わりに、
たとえば、2つの開閉弁等をそれぞれメインコンデンサ
3の入口とバイパス通路5に設けるとよい。
【0071】また、本実施形態では、図12に示すヒー
トポンプシステムに排気熱回収システムを付加した場合
について説明したが、これに限定されないことはもちろ
んである。上記の排気熱回収システムは、いろいろなタ
イプのヒートポンプシステムに適用可能であり、ヒート
ポンプを使用したいろいろなシステムにおいて排気熱の
回収を可能として暖房性能と即暖性の向上を共に図るこ
とができる。
【0072】以下、上記の排気熱回収システムを適用し
た他のいくつかの実施の形態(実施形態2〜6)につい
て順次説明するが、これらにおいては、ヒートポンプシ
ステムと排気熱回収システムの基本構成自体に何ら差異
はないため、共通する機能や作用、効果等の説明は一部
省略し、主にシステム全体の構成を簡単に説明するにと
どめる。なお、図1、図2と共通する部材には一部同じ
符号を付してある。
【0073】実施形態2 図7は本発明に係る自動車用空気調和装置の他の一実施
形態を示す概略構成図であって、暖房運転時の状態を示
したものである。
【0074】この自動車用空気調和装置は、前席(フロ
ント)側にヒートポンプを使用したシングルタイプのエ
アコンシステムに排気熱回収システムを付加したもので
ある。この装置は、フロントユニット(通風ユニット)
210の空気流路211内に、熱交換器として、下流側
から順にサブコンデンサ(室内コンデンサ)212とエ
バポレータ213を配設し、また、ユニット210外に
メインコンデンサ(室外コンデンサ)3を配設して構成
されている。サブコンデンサ212の前面にはエアミッ
クスドア217が回動自在に設けられている。冷凍サイ
クルは、コンプレッサ2、メインコンデンサ3、サブコ
ンデンサ212、リキッドタンク214、膨脹弁21
5、エバポレータ213などを配管で接続して構成され
ている。また、暖房時と冷房時とで冷媒回路を切り替え
るため、メインコンデンサ3の入口に四方弁(回路切換
手段)4が設けられている。さらに、コンプレッサ2の
吸入側とエバポレータ213の出口の間の低圧側冷媒通
路にサブエバポレータ(室外熱交換器)30を設けて排
気流路41(マフラー42)内に設置してある。その他
の構成は、図1、図2に示す実施形態1と同様である。
【0075】暖房時、四方弁4は図7に示す状態に設定
されているため、コンプレッサ2から吐出された冷媒は
メインコンデンサ3をバイパスするバイパス通路5を通
って直接サブコンデンサ212へ導かれる。このとき、
ユニット210内に取り込まれた空気は、まずエバポレ
ータ213で除湿され、さらにサブコンデンサ212で
加熱されて、車室内に吹き出されることになり、除湿暖
房が行われる。その際、サブエバポレータ30で排気熱
を冷媒により回収し、加熱された冷媒により暖房を行う
ため、暖房性能および即暖性の向上が図られる。
【0076】実施形態3 図8は本発明に係る自動車用空気調和装置のさらに他の
一実施形態を示す概略構成図である。
【0077】この自動車用空気調和装置は、前席(フロ
ント)側にヒートポンプを使用した暖房のみ(除湿な
し)のシングルタイプのシステムに排気熱回収システム
を付加したものである。この装置は、フロントユニット
(通風ユニット)310の空気流路311内に、熱交換
器として、サブコンデンサ(室内コンデンサ)312を
配設し、ユニット310外の排気流路41(マフラー4
2)内にサブエバポレータ(室外熱交換器)30を配設
して構成されている。サブコンデンサ312の前面には
エアミックスドア317が回動自在に設けられている。
冷凍サイクルは、コンプレッサ2、サブコンデンサ31
2、リキッドタンク314、膨脹弁315、サブエバポ
レータ30などを配管で接続して構成されている。この
システムは、いわば、ヒートポンプシステムに排気熱回
収システムを付加したもののうちで最も単純な構成をし
たものとなっている。
【0078】作動時(暖房時)、コンプレッサ2から吐
出された高温高圧の冷媒はサブコンデンサ312におい
て熱交換により凝縮液化され、ユニット310内に取り
込まれた空気を加熱する。サブコンデンサ312から流
出した冷媒は、サブエバポレータ30において排気との
熱交換により蒸発し加熱され、コンプレッサ2に吸入さ
れる。このとき、サブエバポレータ30で排気熱を冷媒
により回収し、加熱された冷媒により暖房を行うため、
暖房性能および即暖性の向上が図られる。
【0079】実施形態4 図9は本発明に係る自動車用空気調和装置のさらに他の
一実施形態を示す概略構成図であって、暖房運転時の状
態を示したものである。
【0080】この自動車用空気調和装置は、図1、図2
に示す実施形態1のシステムに対し、リヤユニット42
0内からエバポレータを削除して後席(リヤ)側につい
て暖房のみ(除湿なし)としたシステムである。リヤユ
ニット420内にエバポレータを有しない点を除き、そ
れ以外の構成は実施形態1のシステムと全く同様であ
る。つまり、このシステムでは、暖房時、前席(フロン
ト)側は温水により暖房を行い、後席(リヤ)側は排気
熱を冷媒により回収して暖房(除湿なし)を行うことに
なる。
【0081】実施形態5 図10は本発明に係る自動車用空気調和装置のさらに他
の一実施形態を示す概略構成図であって、暖房運転時の
状態を示したものである。
【0082】この自動車用空気調和装置は、図1、図2
に示す実施形態1のシステムに対し、フロントユニット
510側についても温水による暖房ではなくヒートポン
プを採用したシステムである。フロントユニット510
内のフロントエバポレータ513の下流側にヒータコア
に代えてフロントサブコンデンサ512を設けた点を除
き、それ以外の構成は実施形態1のシステムと全く同様
である。つまり、このシステムでは、暖房時、前席(フ
ロント)、後席(リヤ)側共に排気熱を冷媒により回収
して暖房(除湿あり)を行うことになる。
【0083】実施形態6 図11は本発明に係る自動車用空気調和装置のさらに他
の一実施形態を示す概略構成図であって、暖房運転時の
状態を示したものである。
【0084】この自動車用空気調和装置は、図10に示
す実施形態5のシステムに対し、リヤユニット620内
からエバポレータを削除して後席(リヤ)側について暖
房のみ(除湿なし)としたシステムである。リヤユニッ
ト620内にエバポレータを有しない点を除き、それ以
外の構成は実施形態5のシステムと全く同様である。つ
まり、このシステムでは、暖房時、前席(フロント)側
は排気熱を冷媒により回収して暖房(除湿あり)を行
い、後席(リヤ)側は排気熱を冷媒により回収して暖房
(除湿なし)を行うことになる。
【0085】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1記載の発明
によれば、冷媒の低圧側通路に室外熱交換器を設けて排
気管の排気流路内に設置したので、排気熱を冷媒により
回収して車室内へ伝達することが可能となり、暖房性能
の向上を図ることができる。また、エンジンの始動直後
から排気熱を利用できるため、いわゆる即暖性も向上す
ることになる。
【0086】請求項2〜6記載の発明によれば、上記請
求項1記載の発明の効果に加え、冷媒を利用して暖房を
行ういろいろなシステムにおいて排気熱の回収が可能と
なり、暖房性能および即暖性の向上を共に享受できるよ
うになる。
【0087】請求項7記載の発明によれば、上記請求項
2〜6の発明の効果に加え、冷媒導入阻止手段を設けて
冷房運転時に室外熱交換器への冷媒の流れを阻止するよ
うにしたので、冷房時において冷媒の過度の温度上昇が
防止され、所望の冷房性能を確保することができる。
【0088】請求項8記載の発明によれば、上記請求項
1〜7の発明の効果に加え、排気流量制御手段を設けて
室外熱交換器を通過する排気と通過しない排気の割合を
制御するようにしたので、室外熱交換器で回収される排
気熱の量の制御が可能となり、任意に必要に応じて必要
な量だけの排気熱を利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自動車用空気調和装置の一実施形
態の暖房運転時の状態を示す概略構成図である。
【図2】同装置の冷房運転時の状態を示す概略構成図で
ある。
【図3】同装置の排気熱回収部の概略図である。
【図4】暖房運転時における本システムの制御の一例を
示すフローチャートである。
【図5】図4のコンプレッサON/OFF制御の制御特
性図である。
【図6】図4の排気バルブON/OFF制御の制御特性
図である。
【図7】本発明に係る自動車用空気調和装置の他の一実
施形態の暖房運転時の状態を示す概略構成図である。
【図8】本発明に係る自動車用空気調和装置のさらに他
の一実施形態の作動時の状態を示す概略構成図である。
【図9】本発明に係る自動車用空気調和装置のさらに他
の一実施形態の暖房運転時の状態を示す概略構成図であ
る。
【図10】本発明に係る自動車用空気調和装置のさらに
他の一実施形態の暖房運転時の状態を示す概略構成図で
ある。
【図11】本発明に係る自動車用空気調和装置のさらに
他の一実施形態の暖房運転時の状態を示す概略構成図で
ある。
【図12】従来のヒートポンプ式自動車用空気調和装置
の一例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1…エンジン 2…コンプレッサ 3…メインコンデンサ(室外コンデンサ) 4…四方弁(回路切換手段) 30…サブエバポレータ(室外熱交換器) 33…電磁弁(冷媒導入阻止手段) 40…排気管 41…排気流路 42…マフラー 44…排気流量制御弁(排気流量制御手段) 110、210、310、410、510、610…フ
ロントユニット(通風ユニット) 120、420、520、620…リヤユニット(通風
ユニット) 111、121、211、311、411、421、5
11、521、611、621…空気流路 112、412…ヒータコア 113、123、213、413、513、523、6
13…エバポレータ 122、212、312、422、512、522、6
12、622…サブコンデンサ(室内コンデンサ)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田島 唯好 東京都中野区南台5丁目24番15号 カルソ ニック株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】冷凍サイクル内を状態変化しながら循環す
    る冷媒の熱を利用して車室内の暖房を行うヒートポンプ
    式の自動車用空気調和装置において、 空気を取り入れ車室内に向かって流通させる通風ユニッ
    ト(120、210、310、420、510、52
    0、610、620)の空気流路(121、211、3
    11、421、511、521、611、621)内
    に、コンプレッサ(2)から吐出された高温高圧の冷媒
    との熱交換により空気を加熱する室内コンデンサ(12
    2、212、312、422、512、522、61
    2、622)を設け、 エンジン(1)から排出される排気を流通させる排気管
    (40)の排気流路(41)内に、前記排気の熱を回収
    して前記コンプレッサ(2)に吸入される冷媒を加熱す
    る室外熱交換器(30)を設けたことを特徴とする自動
    車用空気調和装置。
  2. 【請求項2】前記通風ユニット(210)内の前記室内
    コンデンサ(212)の上流に、低温低圧の冷媒との熱
    交換により空気を冷却するエバポレータ(213)を設
    け、当該エバポレータ(213)の出口と前記コンプレ
    ッサ(2)の入口の間に前記室外熱交換器(30)を配
    置し、前記通風ユニット(210)の外部に室外コンデ
    ンサ(3)を設け、前記コンプレッサ(2)から吐出さ
    れた冷媒を回路切換手段(4)により前記室外コンデン
    サ(3)へ導く冷房運転用冷媒回路と、前記冷媒を前記
    回路切換手段(4)により前記室外コンデンサ(3)を
    バイパスさせて直接前記室内コンデンサ(212)へ導
    く暖房運転用冷媒回路とを設けたことを特徴とする請求
    項1記載の自動車用空気調和装置。
  3. 【請求項3】第1通風ユニット(110)の空気流路
    (111)内に、下流側から順に、エンジンの冷却水を
    利用して空気を加熱するヒータコア(112)と、低温
    低圧の冷媒との熱交換により空気を冷却する第1エバポ
    レータ(113)とを配設し、第2通風ユニット(12
    0)の空気流路(121)内に、下流側から順に、前記
    第1エバポレータ(113)と並列に接続されかつ相互
    に直列に接続された前記室内コンデンサ(122)およ
    び第2エバポレータ(123)を配設し、当該第2エバ
    ポレータ(123)の出口と前記コンプレッサ(2)の
    入口の間に前記室外熱交換器(30)を配置し、前記通
    風ユニット(110、120)の外部に室外コンデンサ
    (3)を設け、前記コンプレッサ(2)から吐出された
    冷媒を回路切換手段(4)により前記室外コンデンサ
    (3)へ導く冷房運転用冷媒回路と、前記冷媒を前記回
    路切換手段(4)により前記室外コンデンサ(3)をバ
    イパスさせて直接前記室内コンデンサ(122)へ導く
    暖房運転用冷媒回路とを設けたことを特徴とする請求項
    1記載の自動車用空気調和装置。
  4. 【請求項4】第1通風ユニット(410)の空気流路
    (411)内に、下流側から順に、エンジンの冷却水を
    利用して空気を加熱するヒータコア(412)と、低温
    低圧の冷媒との熱交換により空気を冷却するエバポレー
    タ(413)とを配設し、第2通風ユニット(420)
    の空気流路(421)内に、前記第1エバポレータ(4
    13)と並列に接続された前記室内コンデンサ(42
    2)を配設し、当該室内コンデンサ(422)の出口と
    前記コンプレッサ(2)の入口の間に前記室外熱交換器
    (30)を配置し、前記通風ユニット(410、42
    0)の外部に室外コンデンサ(3)を設け、前記コンプ
    レッサ(2)から吐出された冷媒を回路切換手段(4)
    により前記室外コンデンサ(3)へ導く冷房運転用冷媒
    回路と、前記冷媒を前記回路切換手段(4)により前記
    室外コンデンサ(3)をバイパスさせて直接前記室内コ
    ンデンサ(422)へ導く暖房運転用冷媒回路とを設け
    たことを特徴とする請求項1記載の自動車用空気調和装
    置。
  5. 【請求項5】第1通風ユニット(510)の空気流路
    (511)内に、下流側から順に、相互に直列に接続さ
    れた第1室内コンデンサ(512)および第1エバポレ
    ータ(513)を配設し、第2通風ユニット(520)
    の空気流路(521)内に、下流側から順に、前記第1
    室内コンデンサ(512)および前記第1エバポレータ
    (513)と並列に接続されかつ相互に直列に接続され
    た第2室内コンデンサ(522)および第2エバポレー
    タ(523)を配設し、前記第1エバポレータ(51
    3)および前記第2エバポレータ(523)のうち少な
    くともどちらか一方の出口と前記コンプレッサ(2)の
    入口の間に前記室外熱交換器(30)を配置し、前記通
    風ユニット(510、520)の外部に室外コンデンサ
    (3)を設け、前記コンプレッサ(2)から吐出された
    冷媒を回路切換手段(4)により前記室外コンデンサ
    (3)へ導く冷房運転用冷媒回路と、前記冷媒を前記回
    路切換手段(4)により前記室外コンデンサ(3)をバ
    イパスさせて直接前記室内コンデンサ(512、52
    2)へ導く暖房運転用冷媒回路とを設けたことを特徴と
    する請求項1記載の自動車用空気調和装置。
  6. 【請求項6】第1通風ユニット(610)の空気流路
    (611)内に、下流側から順に、相互に直列に接続さ
    れた第1室内コンデンサ(612)および第1エバポレ
    ータ(613)を配設し、第2通風ユニット(620)
    の空気流路(621)内に、前記第1室内コンデンサ
    (612)および前記第1エバポレータ(613)と並
    列に接続された第2室内コンデンサ(622)を配設
    し、当該第2室内コンデンサ(622)の出口と前記コ
    ンプレッサ(2)の入口の間に前記室外熱交換器(3
    0)を配置し、前記通風ユニット(610、620)の
    外部に室外コンデンサ(3)を設け、前記コンプレッサ
    (2)から吐出された冷媒を回路切換手段(4)により
    前記室外コンデンサ(3)へ導く冷房運転用冷媒回路
    と、前記冷媒を前記回路切換手段(4)により前記室外
    コンデンサ(3)をバイパスさせて直接前記室内コンデ
    ンサ(612、622)へ導く暖房運転用冷媒回路とを
    設けたことを特徴とする請求項1記載の自動車用空気調
    和装置。
  7. 【請求項7】冷房運転時に前記室外熱交換器(30)へ
    の冷媒の流れを阻止する冷媒導入阻止手段(33)を有
    することを特徴とする請求項2〜6のいずれか1つに記
    載の自動車用空気調和装置。
  8. 【請求項8】前記排気管(40)内の前記室外熱交換器
    (30)の上流側に、前記室外熱交換器(30)を通過
    する排気と通過しない排気の割合を制御する排気流量制
    御手段(44)を設けたことを特徴とする請求項1〜7
    のいずれか1つに記載の自動車用空気調和装置。
JP24826196A 1996-09-19 1996-09-19 自動車用空気調和装置 Withdrawn JPH1086649A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24826196A JPH1086649A (ja) 1996-09-19 1996-09-19 自動車用空気調和装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24826196A JPH1086649A (ja) 1996-09-19 1996-09-19 自動車用空気調和装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1086649A true JPH1086649A (ja) 1998-04-07

Family

ID=17175523

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24826196A Withdrawn JPH1086649A (ja) 1996-09-19 1996-09-19 自動車用空気調和装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1086649A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007069733A (ja) * 2005-09-07 2007-03-22 Valeo Thermal Systems Japan Corp 車両用空調装置を利用した発熱体冷却システム
KR20170075629A (ko) * 2015-12-23 2017-07-03 한온시스템 주식회사 자동차 공기 조화 시스템의 열 전달 장치 및 냉매 순환계

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007069733A (ja) * 2005-09-07 2007-03-22 Valeo Thermal Systems Japan Corp 車両用空調装置を利用した発熱体冷却システム
KR20170075629A (ko) * 2015-12-23 2017-07-03 한온시스템 주식회사 자동차 공기 조화 시스템의 열 전달 장치 및 냉매 순환계
DE102015122736B4 (de) 2015-12-23 2022-12-15 Hanon Systems System zur Führung von gasförmigen Fluiden eines Verbrennungsmotors eines Kraftfahrzeugs und Verfahren zum Betreiben des Systems

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3781147B2 (ja) ヒートポンプ式自動車用空気調和装置
JP3939445B2 (ja) 自動車用冷暖房装置
JPH10100662A (ja) 自動車用空気調和装置
JP4032978B2 (ja) 車両用空調装置
KR101941026B1 (ko) 차량용 히트 펌프 시스템
JP3253501B2 (ja) 電気自動車用冷暖房装置
KR20180120084A (ko) 차량용 공조장치
JPH1086649A (ja) 自動車用空気調和装置
JPH10100663A (ja) 自動車用空気調和装置
JP7151394B2 (ja) 冷凍サイクル装置
JP4036015B2 (ja) 空気調和装置
JP2001322421A (ja) 冷凍サイクル装置
JP3830242B2 (ja) ヒートポンプ式自動車用空気調和装置
JP3704788B2 (ja) 車両用空調装置
JP2555197Y2 (ja) 自動車用空気調和装置
JPH10119553A (ja) 自動車用空気調和装置
JP2000043562A (ja) 自動車用冷暖房装置
JPH11334353A (ja) 車両用空調装置
JP3980186B2 (ja) ヒートポンプ式自動車用空気調和装置
JP3793327B2 (ja) ヒートポンプ式自動車用空気調和装置
JPH10119561A (ja) 自動車用空気調和装置
JPH10329536A (ja) 自動車用冷暖房装置
WO2023002993A1 (ja) 車両用空調装置
JP3704787B2 (ja) 車両用空調装置
JP2000062449A (ja) ヒートポンプ式自動車用空気調和装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20031202