JP2555197Y2 - 自動車用空気調和装置 - Google Patents
自動車用空気調和装置Info
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- JP2555197Y2 JP2555197Y2 JP8910391U JP8910391U JP2555197Y2 JP 2555197 Y2 JP2555197 Y2 JP 2555197Y2 JP 8910391 U JP8910391 U JP 8910391U JP 8910391 U JP8910391 U JP 8910391U JP 2555197 Y2 JP2555197 Y2 JP 2555197Y2
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- compressor
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、自動車室内の冷房と
暖房とを行なう自動車用空気調和装置の改良に関し、寒
冷時に自動車室内の暖房を迅速に行なえる様にするもの
である。
暖房とを行なう自動車用空気調和装置の改良に関し、寒
冷時に自動車室内の暖房を迅速に行なえる様にするもの
である。
【0002】
【従来の技術】自動車室内の暖房、冷房、除湿を行なう
為の自動車用空気調和装置として従来から、例えば実開
昭62−156512号公報に示されている様に、空気
冷却用のエバポレータと空気加温用のヒータコアとを組
み合わせた自動車用空気調和装置が広く使用されてい
る。この従来から広く知られた自動車用空気調和装置
は、例えば図3に示す様に構成している。ダクト1の上
流側端部には内気取り入れ口2と外気取り入れ口3とを
設け、両取り入れ口2、3の分岐部に設けた内外気切り
換えドア4により、何れかの取り入れ口2(又は3)
を、上記ダクト1に連通自在としている。上記ダクト1
内で上記内外気切り換えドア4の下流側には、この内外
気切り換えドア4の側から順に、送風機5とエバポレー
タ6とを設けている。そして、このエバポレータ6の下
流側に、ヒータコア7とバイパス通路8とを、互いに並
列に設けている。このヒータコア7とバイパス通路8と
の上流側にはエアミックスドア9を設け、これらヒータ
コア7とバイパス通路8とに流れる空気の割合を調節自
在としている。
為の自動車用空気調和装置として従来から、例えば実開
昭62−156512号公報に示されている様に、空気
冷却用のエバポレータと空気加温用のヒータコアとを組
み合わせた自動車用空気調和装置が広く使用されてい
る。この従来から広く知られた自動車用空気調和装置
は、例えば図3に示す様に構成している。ダクト1の上
流側端部には内気取り入れ口2と外気取り入れ口3とを
設け、両取り入れ口2、3の分岐部に設けた内外気切り
換えドア4により、何れかの取り入れ口2(又は3)
を、上記ダクト1に連通自在としている。上記ダクト1
内で上記内外気切り換えドア4の下流側には、この内外
気切り換えドア4の側から順に、送風機5とエバポレー
タ6とを設けている。そして、このエバポレータ6の下
流側に、ヒータコア7とバイパス通路8とを、互いに並
列に設けている。このヒータコア7とバイパス通路8と
の上流側にはエアミックスドア9を設け、これらヒータ
コア7とバイパス通路8とに流れる空気の割合を調節自
在としている。
【0003】上記エバポレータ6とヒータコア7とに
は、図4に示す様な回路により、冷媒或は温水を循環自
在として、これらエバポレータ6或はヒータコア7を通
過する空気を冷却或は加温する様にしている。自動車用
空気調和装置の運転時で冷房或は除湿を行なう際に、冷
媒を圧縮するコンプレッサ10から吐出された高温高圧
の冷媒は、コンデンサ11を通過する間に空気との間で
熱交換を行なって凝縮液化し、貯液器12に溜められ
る。この貯液器12から送り出された冷媒は、膨張弁1
3を通過する事により急激に膨張してから、エバポレー
タ6内に送り込まれ、このエバポレータ6内で蒸発して
から、上記コンプレッサ10に戻される。液状の冷媒が
エバポレータ6内で蒸発する事により、このエバポレー
タ6の温度が低下する為、このエバポレータ6に空気を
流通させれば、この空気を冷却したり、或は除湿したり
できる。尚、上記膨張弁13の開度は、エバポレータ6
の出口部分に於ける冷媒温度により調節する。一方、暖
房時には、エンジンのウォータジャケット14内に貯溜
され、エンジンを冷却する事で温度上昇した冷却水を、
図示しないウォータポンプによりラジエータ15に送る
他、上記冷却水の一部をヒータコア7に送り込む。この
結果、このヒータコア7の温度が上昇する為、このヒー
タコア7に空気を流通させれば、この空気を加温でき
る。
は、図4に示す様な回路により、冷媒或は温水を循環自
在として、これらエバポレータ6或はヒータコア7を通
過する空気を冷却或は加温する様にしている。自動車用
空気調和装置の運転時で冷房或は除湿を行なう際に、冷
媒を圧縮するコンプレッサ10から吐出された高温高圧
の冷媒は、コンデンサ11を通過する間に空気との間で
熱交換を行なって凝縮液化し、貯液器12に溜められ
る。この貯液器12から送り出された冷媒は、膨張弁1
3を通過する事により急激に膨張してから、エバポレー
タ6内に送り込まれ、このエバポレータ6内で蒸発して
から、上記コンプレッサ10に戻される。液状の冷媒が
エバポレータ6内で蒸発する事により、このエバポレー
タ6の温度が低下する為、このエバポレータ6に空気を
流通させれば、この空気を冷却したり、或は除湿したり
できる。尚、上記膨張弁13の開度は、エバポレータ6
の出口部分に於ける冷媒温度により調節する。一方、暖
房時には、エンジンのウォータジャケット14内に貯溜
され、エンジンを冷却する事で温度上昇した冷却水を、
図示しないウォータポンプによりラジエータ15に送る
他、上記冷却水の一部をヒータコア7に送り込む。この
結果、このヒータコア7の温度が上昇する為、このヒー
タコア7に空気を流通させれば、この空気を加温でき
る。
【0004】図4に示す様に構成して、自動車室内に吹
き出す空気を冷却或は加温するエバポレータ6及びヒー
タコア7を、図3に示す様にダクト1内に配置した自動
車用空気調和装置は、コンプレッサ10の運転或は停
止、ヒータコア7への温水の送り込み或は停止、エアミ
ックスドア9の位置調節により、自動車室内を所望の空
気調和状態にできる。例えば、自動車室内を暖房する場
合には、上記コンプレッサ10を停止する事により、エ
バポレータ6への冷媒の送り込みを停止し、ヒータコア
7に温水を送り込むと共に、エアミックスドア9を図3
に鎖線で示した状態に切り換え、ダクト1内を流通する
空気がヒータコア7を通過する様にする。暖房温度を低
めにする場合には、上記エアミックスドア9を、少し実
線位置に寄せて、一部の空気をバイパス通路8を通過さ
せる。
き出す空気を冷却或は加温するエバポレータ6及びヒー
タコア7を、図3に示す様にダクト1内に配置した自動
車用空気調和装置は、コンプレッサ10の運転或は停
止、ヒータコア7への温水の送り込み或は停止、エアミ
ックスドア9の位置調節により、自動車室内を所望の空
気調和状態にできる。例えば、自動車室内を暖房する場
合には、上記コンプレッサ10を停止する事により、エ
バポレータ6への冷媒の送り込みを停止し、ヒータコア
7に温水を送り込むと共に、エアミックスドア9を図3
に鎖線で示した状態に切り換え、ダクト1内を流通する
空気がヒータコア7を通過する様にする。暖房温度を低
めにする場合には、上記エアミックスドア9を、少し実
線位置に寄せて、一部の空気をバイパス通路8を通過さ
せる。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】ところで、上述の様に
構成され作用する従来の自動車用空気調和装置の場合に
は、寒冷時に自動車室内の温度を十分に上昇させる迄に
要する時間が長く、運転者が比較的長い時間、寒さを我
慢しなければならなかった。即ち、暖房の為に空気を加
温するヒータコア7には、自動車用エンジンの冷却水を
流通させる為、この冷却水の温度が十分に上昇しなけれ
ば、十分な暖房効果を得られない。ところが、冬期等、
外気温度が低い場合には、上記冷却水の温度が十分な暖
房効果を得られる程度に迄上昇するのに長い時間を要
し、その間乗員は寒い思いをしなければならない。
構成され作用する従来の自動車用空気調和装置の場合に
は、寒冷時に自動車室内の温度を十分に上昇させる迄に
要する時間が長く、運転者が比較的長い時間、寒さを我
慢しなければならなかった。即ち、暖房の為に空気を加
温するヒータコア7には、自動車用エンジンの冷却水を
流通させる為、この冷却水の温度が十分に上昇しなけれ
ば、十分な暖房効果を得られない。ところが、冬期等、
外気温度が低い場合には、上記冷却水の温度が十分な暖
房効果を得られる程度に迄上昇するのに長い時間を要
し、その間乗員は寒い思いをしなければならない。
【0006】家庭用暖房器として使用されるヒートポン
プ式の暖房装置では、電熱ヒータを補助ヒータとして使
用する事により、暖房の立ち上がり時間(暖房感を得ら
れる迄に要する時間)の短縮化を図る事が、一般的に行
なわれている。但し、自動車用暖房装置の場合、バッテ
リーに過大な負担を掛ける電熱ヒータを使用する事はで
きない。本考案の自動車用空気調和装置は、上述の様な
事情に鑑みて考案したもので、バッテリーに負担を掛け
る事なく、暖房の立ち上がり時間の短縮を図るものであ
る。
プ式の暖房装置では、電熱ヒータを補助ヒータとして使
用する事により、暖房の立ち上がり時間(暖房感を得ら
れる迄に要する時間)の短縮化を図る事が、一般的に行
なわれている。但し、自動車用暖房装置の場合、バッテ
リーに過大な負担を掛ける電熱ヒータを使用する事はで
きない。本考案の自動車用空気調和装置は、上述の様な
事情に鑑みて考案したもので、バッテリーに負担を掛け
る事なく、暖房の立ち上がり時間の短縮を図るものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本考案の自動車用空気調
和装置のうち、請求項1に記載した自動車用空気調和装
置は、エンジンを冷却する為のウォータジャケットと、
このウォータジャケットの冷却水出口に一端を連通させ
た温水送り出し管と、この温水送り出し管の他端にその
温水入口を連通させ、空気調和用の空気を流通させるダ
クト内に配置されたヒータコアと、このヒータコアの温
水出口にその一端を連通させ、その他端を上記ウォータ
ジャケットの冷却水入口に連通させた温水戻し管と、上
記エンジンにより駆動されて冷媒を圧縮するコンプレッ
サと、このコンプレッサから吐出された冷媒を凝縮させ
るコンデンサと、上記ダクト内に配置されて、上記コン
デンサより送り出された冷媒を蒸発させてから、上記コ
ンプレッサに戻すエバポレータと、上記温水送り出し管
の途中に、この温水送り出し管に対して並列に設けら
れ、上記ウォータジャケットから送り出された温水と上
記コンプレッサから吐出された冷媒とを熱交換する第一
の熱交換器と、上記ウォータジャケットから送り出され
た温水を上記第一の熱交換器に通すか否かを選択する、
第一の温水流路選択手段と、上記コンプレッサから吐出
された冷媒を上記第一の熱交換器に通すか否かを選択す
る、第一の冷媒流路選択手段と、上記温水戻し管の途中
に、この温水戻し管に対して並列に設けられ、上記ヒー
タコアから送り出された温水と上記コンデンサから送り
出された冷媒とを熱交換する第二の熱交換器と、上記ヒ
ータコアから送り出された温水を上記第二の熱交換器に
通すか否かを選択する、第二の温水流路選択手段と、上
記コンデンサから送り出された冷媒を上記第二の熱交換
器と上記エバポレータとの一方に選択的に流す、第二の
冷媒流路選択手段とを備える。
和装置のうち、請求項1に記載した自動車用空気調和装
置は、エンジンを冷却する為のウォータジャケットと、
このウォータジャケットの冷却水出口に一端を連通させ
た温水送り出し管と、この温水送り出し管の他端にその
温水入口を連通させ、空気調和用の空気を流通させるダ
クト内に配置されたヒータコアと、このヒータコアの温
水出口にその一端を連通させ、その他端を上記ウォータ
ジャケットの冷却水入口に連通させた温水戻し管と、上
記エンジンにより駆動されて冷媒を圧縮するコンプレッ
サと、このコンプレッサから吐出された冷媒を凝縮させ
るコンデンサと、上記ダクト内に配置されて、上記コン
デンサより送り出された冷媒を蒸発させてから、上記コ
ンプレッサに戻すエバポレータと、上記温水送り出し管
の途中に、この温水送り出し管に対して並列に設けら
れ、上記ウォータジャケットから送り出された温水と上
記コンプレッサから吐出された冷媒とを熱交換する第一
の熱交換器と、上記ウォータジャケットから送り出され
た温水を上記第一の熱交換器に通すか否かを選択する、
第一の温水流路選択手段と、上記コンプレッサから吐出
された冷媒を上記第一の熱交換器に通すか否かを選択す
る、第一の冷媒流路選択手段と、上記温水戻し管の途中
に、この温水戻し管に対して並列に設けられ、上記ヒー
タコアから送り出された温水と上記コンデンサから送り
出された冷媒とを熱交換する第二の熱交換器と、上記ヒ
ータコアから送り出された温水を上記第二の熱交換器に
通すか否かを選択する、第二の温水流路選択手段と、上
記コンデンサから送り出された冷媒を上記第二の熱交換
器と上記エバポレータとの一方に選択的に流す、第二の
冷媒流路選択手段とを備える。
【0008】又、請求項2に記載した自動車用空気調和
装置は、エンジンを冷却する為のウォータジャケット
と、このウォータジャケットの冷却水出口に一端を連通
させた温水送り出し管と、この温水送り出し管の他端に
その温水入口を連通させ、空気調和用の空気を流通させ
るダクト内に配置されたヒータコアと、このヒータコア
の温水出口にその一端を連通させ、その他端を上記ウォ
ータジャケットの冷却水入口に連通させた温水戻し管
と、上記エンジンにより駆動されて冷媒を圧縮するコン
プレッサと、このコンプレッサの吸入口と吐出口とを結
ぶ配管中に直列に配置され、上記コンプレッサの駆動に
伴って循環する冷媒と空気とを熱交換させる第三の熱交
換器と、上記配管中にこの第三の熱交換器と直列に接続
された状態で設けられ、上記ダクト内に配置されてこの
ダクト内を流れる空気と上記冷媒とを熱交換させる第四
の熱交換器と、上記温水戻し管の途中に、この温水戻し
管に対して並列に設けられ、上記ヒータコアから送り出
された温水と上記第三の熱交換器から吐出された冷媒と
を熱交換する第五の熱交換器と、上記ヒータコアから送
り出された温水をこの第五の熱交換器に通すか否かを選
択する温水流路選択手段と、上記コンプレッサの吐出口
から吐出された冷媒を上記第三の熱交換器に送るか上記
第四の熱交換器に送るかを選択する第三の冷媒流路選択
手段と、上記コンプレッサの吸入口を上記第四の熱交換
器に通じさせるか上記第五の熱交換器を介して上記第三
の熱交換器に通じさせるかを選択する第四の冷媒流路選
択手段とを備える。
装置は、エンジンを冷却する為のウォータジャケット
と、このウォータジャケットの冷却水出口に一端を連通
させた温水送り出し管と、この温水送り出し管の他端に
その温水入口を連通させ、空気調和用の空気を流通させ
るダクト内に配置されたヒータコアと、このヒータコア
の温水出口にその一端を連通させ、その他端を上記ウォ
ータジャケットの冷却水入口に連通させた温水戻し管
と、上記エンジンにより駆動されて冷媒を圧縮するコン
プレッサと、このコンプレッサの吸入口と吐出口とを結
ぶ配管中に直列に配置され、上記コンプレッサの駆動に
伴って循環する冷媒と空気とを熱交換させる第三の熱交
換器と、上記配管中にこの第三の熱交換器と直列に接続
された状態で設けられ、上記ダクト内に配置されてこの
ダクト内を流れる空気と上記冷媒とを熱交換させる第四
の熱交換器と、上記温水戻し管の途中に、この温水戻し
管に対して並列に設けられ、上記ヒータコアから送り出
された温水と上記第三の熱交換器から吐出された冷媒と
を熱交換する第五の熱交換器と、上記ヒータコアから送
り出された温水をこの第五の熱交換器に通すか否かを選
択する温水流路選択手段と、上記コンプレッサの吐出口
から吐出された冷媒を上記第三の熱交換器に送るか上記
第四の熱交換器に送るかを選択する第三の冷媒流路選択
手段と、上記コンプレッサの吸入口を上記第四の熱交換
器に通じさせるか上記第五の熱交換器を介して上記第三
の熱交換器に通じさせるかを選択する第四の冷媒流路選
択手段とを備える。
【0009】更に、請求項3に記載した自動車用空気調
和装置は、上記請求項2に記載した自動車用空気調和装
置に於いて、上記第五の熱交換器を温水戻し管の途中に
代えて温水送り出し管の途中に設け、この第五の熱交換
器で、ウォータジャケットから送り出された温水と上記
コンプレッサから吐出された冷媒とを熱交換自在とし、
温水流路選択手段は、上記ウォータジャケットから送り
出された温水を上記第五の熱交換器に通すか否かを選択
自在としている。
和装置は、上記請求項2に記載した自動車用空気調和装
置に於いて、上記第五の熱交換器を温水戻し管の途中に
代えて温水送り出し管の途中に設け、この第五の熱交換
器で、ウォータジャケットから送り出された温水と上記
コンプレッサから吐出された冷媒とを熱交換自在とし、
温水流路選択手段は、上記ウォータジャケットから送り
出された温水を上記第五の熱交換器に通すか否かを選択
自在としている。
【0010】
【作用】上述の様に構成される本考案の自動車用空気調
和装置は、それぞれ次の様に作用して、暖房の立ち上が
り時間の短縮を図る。先ず、請求項1に記載した自動車
用空気調和装置の場合、寒冷時に暖房を立ち上げる場合
には、コンプレッサを運転すると共に、第一、第二の熱
交換器に温水及び冷媒を流す状態に、第一、第二の温水
流路選択手段及び第一、第二の冷媒流路選択手段を切り
換える。上記コンプレッサを運転すると共に、上記各流
路選択手段を上述の様に切り換える結果、ヒータコアに
送り込まれる冷却水は、第一の熱交換器に於いて高温高
圧の冷媒との間で熱交換を行なって温度が上昇したもの
となる。ヒータコアを通過した冷却水は、第二の熱交換
器を通過する事により温度が低下してから、エンジンの
ウォータジャケットに戻される。
和装置は、それぞれ次の様に作用して、暖房の立ち上が
り時間の短縮を図る。先ず、請求項1に記載した自動車
用空気調和装置の場合、寒冷時に暖房を立ち上げる場合
には、コンプレッサを運転すると共に、第一、第二の熱
交換器に温水及び冷媒を流す状態に、第一、第二の温水
流路選択手段及び第一、第二の冷媒流路選択手段を切り
換える。上記コンプレッサを運転すると共に、上記各流
路選択手段を上述の様に切り換える結果、ヒータコアに
送り込まれる冷却水は、第一の熱交換器に於いて高温高
圧の冷媒との間で熱交換を行なって温度が上昇したもの
となる。ヒータコアを通過した冷却水は、第二の熱交換
器を通過する事により温度が低下してから、エンジンの
ウォータジャケットに戻される。
【0011】この様に、冷却水は第一の熱交換器を通過
する際に加温され、第二の熱交換器を通過する際に冷却
されるが、上記コンプレッサを含む蒸気圧縮式冷凍機の
効率が100%である事はあり得ない。この為、効率が
低い分だけ、第一の熱交換器部分で冷却水に加えられる
熱量が、第二の熱交換器部分で冷却水から除かれる熱量
よりも多くなる。しかも、上記第二の熱交換器を通過す
る事により温度低下した冷却水が、容量の大きなウォー
タジャケットに戻されるのに対して、上記第一の熱交換
器を通過する事により温度上昇した冷却水は、総てヒー
タコアに送り込まれる為、このヒータコアの温度上昇が
早まる。更に、コンプレッサを運転する結果、エンジン
の負荷が増大し、エンジンに送り込まれる燃料の量も増
えて、このエンジンの発熱量が増大する為、上記ウォー
タジャケット内に貯溜された冷却水の温度上昇は一層早
まる。この結果、ヒータコアの温度上昇が早まって、暖
房の立ち上がり時間の短縮化を図れる。
する際に加温され、第二の熱交換器を通過する際に冷却
されるが、上記コンプレッサを含む蒸気圧縮式冷凍機の
効率が100%である事はあり得ない。この為、効率が
低い分だけ、第一の熱交換器部分で冷却水に加えられる
熱量が、第二の熱交換器部分で冷却水から除かれる熱量
よりも多くなる。しかも、上記第二の熱交換器を通過す
る事により温度低下した冷却水が、容量の大きなウォー
タジャケットに戻されるのに対して、上記第一の熱交換
器を通過する事により温度上昇した冷却水は、総てヒー
タコアに送り込まれる為、このヒータコアの温度上昇が
早まる。更に、コンプレッサを運転する結果、エンジン
の負荷が増大し、エンジンに送り込まれる燃料の量も増
えて、このエンジンの発熱量が増大する為、上記ウォー
タジャケット内に貯溜された冷却水の温度上昇は一層早
まる。この結果、ヒータコアの温度上昇が早まって、暖
房の立ち上がり時間の短縮化を図れる。
【0012】次に、請求項2に記載した自動車用空気調
和装置の場合、寒冷時に暖房を立ち上げる場合には、コ
ンプレッサを運転すると共に第三の冷媒流路選択手段
を、コンプレッサから吐出された冷媒を第四の熱交換器
に送る状態に切り換え、第四の冷媒流路選択手段を、上
記コンプレッサの吸入口を第五の熱交換器を介して第三
の熱交換器に通じさせる状態に切り換える。この結果、
コンプレッサから吐出された冷媒は第四の熱交換器に送
り込まれ、この第四の熱交換器内で凝縮液化する。即
ち、暖房の立ち上がり時には、上記第四の熱交換器がコ
ンデンサとして機能し、この第四の熱交換器を通過する
空気を加温する。この様に、ダクト内に配置した第四の
熱交換器を通過する事により凝縮した冷媒は、次いで第
三の熱交換器を通過する。
和装置の場合、寒冷時に暖房を立ち上げる場合には、コ
ンプレッサを運転すると共に第三の冷媒流路選択手段
を、コンプレッサから吐出された冷媒を第四の熱交換器
に送る状態に切り換え、第四の冷媒流路選択手段を、上
記コンプレッサの吸入口を第五の熱交換器を介して第三
の熱交換器に通じさせる状態に切り換える。この結果、
コンプレッサから吐出された冷媒は第四の熱交換器に送
り込まれ、この第四の熱交換器内で凝縮液化する。即
ち、暖房の立ち上がり時には、上記第四の熱交換器がコ
ンデンサとして機能し、この第四の熱交換器を通過する
空気を加温する。この様に、ダクト内に配置した第四の
熱交換器を通過する事により凝縮した冷媒は、次いで第
三の熱交換器を通過する。
【0013】尚、急速な暖房の立ち上がりを必要とする
場合は、周囲の温度が低い場合である為、液状の冷媒が
上記第三の熱交換器を通過する際に蒸発する事は殆どな
い。従ってこの液状の冷媒は、上記第五の熱交換器を通
過する際に、冷却水との間で熱交換を行なって蒸発して
から、コンプレッサの吸入口に戻される。この為、コン
プレッサに未蒸発の冷媒が戻される、所謂リキッドバッ
クが発生する事はない。この様に作用する請求項2に記
載された自動車用空気調和装置の場合も、コンプレッサ
を運転する結果、エンジンの負荷が増大し、エンジンに
送り込まれる燃料の量も増えて、このエンジンの発熱量
が増大する。この為、ウォータジャケット内に貯溜され
た冷却水の温度上昇が早まり、その結果、ヒータコアの
温度上昇が早まって、暖房の立ち上がり時間の短縮化を
図れる。請求項3に記載された自動車用空気調和装置の
作用も、上記請求項2に記載された自動車用空気調和装
置の場合とほぼ同様である。
場合は、周囲の温度が低い場合である為、液状の冷媒が
上記第三の熱交換器を通過する際に蒸発する事は殆どな
い。従ってこの液状の冷媒は、上記第五の熱交換器を通
過する際に、冷却水との間で熱交換を行なって蒸発して
から、コンプレッサの吸入口に戻される。この為、コン
プレッサに未蒸発の冷媒が戻される、所謂リキッドバッ
クが発生する事はない。この様に作用する請求項2に記
載された自動車用空気調和装置の場合も、コンプレッサ
を運転する結果、エンジンの負荷が増大し、エンジンに
送り込まれる燃料の量も増えて、このエンジンの発熱量
が増大する。この為、ウォータジャケット内に貯溜され
た冷却水の温度上昇が早まり、その結果、ヒータコアの
温度上昇が早まって、暖房の立ち上がり時間の短縮化を
図れる。請求項3に記載された自動車用空気調和装置の
作用も、上記請求項2に記載された自動車用空気調和装
置の場合とほぼ同様である。
【0014】
【実施例】図1は、請求項1に記載した考案に対応す
る、本考案の第一実施例を示している。エンジンを冷却
する為のウォータジャケット14の冷却水出口には、温
水送り出し管17の一端を連通させ、この温水送り出し
管17の他端を、ヒータコア7の温水入口に連通させて
いる。このヒータコア7は、前述した従来の自動車用空
気調和装置と同様、図3に示す様に、空気調和用の空気
を流通させるダクト1内に配置している。そして、この
ヒータコア7の温水出口にその一端を連通させた温水戻
し管18の他端を、上記ウォータジャケット14の冷却
水入口に連通させている。
る、本考案の第一実施例を示している。エンジンを冷却
する為のウォータジャケット14の冷却水出口には、温
水送り出し管17の一端を連通させ、この温水送り出し
管17の他端を、ヒータコア7の温水入口に連通させて
いる。このヒータコア7は、前述した従来の自動車用空
気調和装置と同様、図3に示す様に、空気調和用の空気
を流通させるダクト1内に配置している。そして、この
ヒータコア7の温水出口にその一端を連通させた温水戻
し管18の他端を、上記ウォータジャケット14の冷却
水入口に連通させている。
【0015】自動車室内を冷房或は除湿する際には、エ
ンジンによりコンプレッサ10を駆動し、このコンプレ
ッサ10により冷媒を圧縮してから吐出する。この様に
してコンプレッサ10から吐出された冷媒は、コンデン
サ11により凝縮させてから、一度リキッドタンク19
に溜め、更に膨張弁20を通過させてから、やはり上記
ダクト1内に配置されたエバポレータ6に送り込む。そ
して、上記冷媒をこのエバポレータ6内で蒸発させる事
により、このエバポレータ6の温度を低下させる。そし
て、このエバポレータ6内で蒸発した冷媒は、再び上記
コンプレッサ10に戻す。
ンジンによりコンプレッサ10を駆動し、このコンプレ
ッサ10により冷媒を圧縮してから吐出する。この様に
してコンプレッサ10から吐出された冷媒は、コンデン
サ11により凝縮させてから、一度リキッドタンク19
に溜め、更に膨張弁20を通過させてから、やはり上記
ダクト1内に配置されたエバポレータ6に送り込む。そ
して、上記冷媒をこのエバポレータ6内で蒸発させる事
により、このエバポレータ6の温度を低下させる。そし
て、このエバポレータ6内で蒸発した冷媒は、再び上記
コンプレッサ10に戻す。
【0016】上記温水送り出し管17の途中には第一の
熱交換器21を、この温水送り出し管17に対し並列に
設けている。この第一の熱交換器21は、上記ウォータ
ジャケット14から送り出された温水と上記コンプレッ
サ10から吐出された高温高圧の冷媒とを熱交換させ
る。そして、この熱交換により、上記ウォータジャケッ
ト14からヒータコア7に送られる温水を加温すると共
に、コンプレッサ10から吐出された冷媒を冷却する事
により凝縮させる。又、上記温水送り出し管17の途中
には、第一の温水流路選択手段である第一の温水三方弁
22を設けている。この第一の温水三方弁22は、上記
ウォータジャケット14から送り出された温水を上記第
一の熱交換器21に通すか、或はこの第一の熱交換器2
1を通さずにそのままヒータコア7に送るかを選択す
る。
熱交換器21を、この温水送り出し管17に対し並列に
設けている。この第一の熱交換器21は、上記ウォータ
ジャケット14から送り出された温水と上記コンプレッ
サ10から吐出された高温高圧の冷媒とを熱交換させ
る。そして、この熱交換により、上記ウォータジャケッ
ト14からヒータコア7に送られる温水を加温すると共
に、コンプレッサ10から吐出された冷媒を冷却する事
により凝縮させる。又、上記温水送り出し管17の途中
には、第一の温水流路選択手段である第一の温水三方弁
22を設けている。この第一の温水三方弁22は、上記
ウォータジャケット14から送り出された温水を上記第
一の熱交換器21に通すか、或はこの第一の熱交換器2
1を通さずにそのままヒータコア7に送るかを選択す
る。
【0017】又、上記コンプレッサ10から吐出された
冷媒を、前記コンデンサ11に送る配管23の途中に
は、第一の冷媒流路選択手段である第一の冷媒三方弁2
4を設けている。この第一の冷媒三方弁24は、上記コ
ンプレッサ10から吐出された冷媒を上記第一の熱交換
器21に通すか否かを選択する。尚、図示の実施例で
は、この第一の冷媒三方弁24の切り換えにより、上記
第一の熱交換器21に送り込まれた冷媒が、上記コンデ
ンサ11を通らずに、そのまま前記リキッドタンク19
に送られる様にしている。
冷媒を、前記コンデンサ11に送る配管23の途中に
は、第一の冷媒流路選択手段である第一の冷媒三方弁2
4を設けている。この第一の冷媒三方弁24は、上記コ
ンプレッサ10から吐出された冷媒を上記第一の熱交換
器21に通すか否かを選択する。尚、図示の実施例で
は、この第一の冷媒三方弁24の切り換えにより、上記
第一の熱交換器21に送り込まれた冷媒が、上記コンデ
ンサ11を通らずに、そのまま前記リキッドタンク19
に送られる様にしている。
【0018】一方、前記温水戻し管18の途中には第二
の熱交換器25を、この温水戻し管18に対し並列に設
けている。この第二の熱交換器25は、前記ヒータコア
7から送り出された温水と上記リキッドタンク19から
送り出された冷媒とを熱交換させる。そして、この熱交
換により、上記リキッドタンク19から送り出された冷
媒を蒸発させ、前記エバポレータ6が冷却されるのを防
止すると共に、前記コンプレッサ10に未蒸発の冷媒が
送り込まれるのを防止する。又、上記温水戻し管18の
途中には、第二の温水流路選択手段である第二の温水三
方弁26を設けている。この第二の温水三方弁26は、
上記ヒータコア7から送り出された温水を上記第二の熱
交換器25に通すか、或はこの第二の熱交換器25を通
さずにそのまま前記ウォータジャケット14に戻すかを
選択する。
の熱交換器25を、この温水戻し管18に対し並列に設
けている。この第二の熱交換器25は、前記ヒータコア
7から送り出された温水と上記リキッドタンク19から
送り出された冷媒とを熱交換させる。そして、この熱交
換により、上記リキッドタンク19から送り出された冷
媒を蒸発させ、前記エバポレータ6が冷却されるのを防
止すると共に、前記コンプレッサ10に未蒸発の冷媒が
送り込まれるのを防止する。又、上記温水戻し管18の
途中には、第二の温水流路選択手段である第二の温水三
方弁26を設けている。この第二の温水三方弁26は、
上記ヒータコア7から送り出された温水を上記第二の熱
交換器25に通すか、或はこの第二の熱交換器25を通
さずにそのまま前記ウォータジャケット14に戻すかを
選択する。
【0019】又、上記リキッドタンク19から吐出され
た冷媒を上記エバポレータ6に送る配管27の途中に
は、第二の冷媒流路選択手段である第二の冷媒三方弁2
8を設けている。この第二の冷媒三方弁28は、上記リ
キッドタンク19から送り出された冷媒を上記第二の熱
交換器25に通すか否かを選択する。又、この第二の冷
媒三方弁28の切り換えにより上記第二の熱交換器25
に冷媒を送り込む、配管40の途中には、膨張弁29を
設けている。尚、図示の実施例では、上記第二の冷媒三
方弁28の切り換えにより上記第二の熱交換器25に送
り込まれた冷媒を、上記エバポレータ6を通さずに、そ
のまま前記コンプレッサ10に戻す様にして、このエバ
ポレータ6の温度低下防止をより確実にしている。
た冷媒を上記エバポレータ6に送る配管27の途中に
は、第二の冷媒流路選択手段である第二の冷媒三方弁2
8を設けている。この第二の冷媒三方弁28は、上記リ
キッドタンク19から送り出された冷媒を上記第二の熱
交換器25に通すか否かを選択する。又、この第二の冷
媒三方弁28の切り換えにより上記第二の熱交換器25
に冷媒を送り込む、配管40の途中には、膨張弁29を
設けている。尚、図示の実施例では、上記第二の冷媒三
方弁28の切り換えにより上記第二の熱交換器25に送
り込まれた冷媒を、上記エバポレータ6を通さずに、そ
のまま前記コンプレッサ10に戻す様にして、このエバ
ポレータ6の温度低下防止をより確実にしている。
【0020】上述の様に構成される本考案の自動車用空
気調和装置により、寒冷時に暖房を立ち上げる場合に
は、エンジンによりコンプレッサ10を運転し、第一、
第二の温水三方弁22、26を、それぞれ第一、第二の
熱交換器21、25に温水を流す状態に切り換えると共
に、第一、第二の冷媒三方弁24、28を、それぞれ第
一、第二の熱交換器21、25に冷媒を流す状態に切り
換える。この結果、ウォータジャケット14から温水送
り出し管17に送り出された温水は、第一の熱交換器2
1を通過する際に、コンプレッサ10から吐出された高
温高圧の冷媒との間で熱交換を行なって加温されてか
ら、ヒータコア7に送り込まれる。このヒータコア7
は、前述した図3に示す様に、空気調和用の空気を流通
させるダクト1内に配置している為、上記第一の熱交換
器21を通過する事で温度上昇した温水がこのヒータコ
ア7に流通する事により、上記ダクト1内を流れる空気
調和用の空気が十分に加温され、自動車室内の温度が迅
速に上昇する。
気調和装置により、寒冷時に暖房を立ち上げる場合に
は、エンジンによりコンプレッサ10を運転し、第一、
第二の温水三方弁22、26を、それぞれ第一、第二の
熱交換器21、25に温水を流す状態に切り換えると共
に、第一、第二の冷媒三方弁24、28を、それぞれ第
一、第二の熱交換器21、25に冷媒を流す状態に切り
換える。この結果、ウォータジャケット14から温水送
り出し管17に送り出された温水は、第一の熱交換器2
1を通過する際に、コンプレッサ10から吐出された高
温高圧の冷媒との間で熱交換を行なって加温されてか
ら、ヒータコア7に送り込まれる。このヒータコア7
は、前述した図3に示す様に、空気調和用の空気を流通
させるダクト1内に配置している為、上記第一の熱交換
器21を通過する事で温度上昇した温水がこのヒータコ
ア7に流通する事により、上記ダクト1内を流れる空気
調和用の空気が十分に加温され、自動車室内の温度が迅
速に上昇する。
【0021】ヒータコア7を通過した冷却水は、次いで
第二の熱交換器25に送り込まれ、この第二の熱交換器
25内で冷媒を加熱蒸発させる。この様に冷媒を蒸発さ
せる事により、上記コンプレッサ10に液状の冷媒が戻
る、所謂リキッドバックの発生を防止し、このコンプレ
ッサ10の故障を防止する。又、ヒータコア7から出た
温水は、上記第二の熱交換器25を通過する事により温
度が低下してから、エンジンのウォータジャケット14
に戻る。
第二の熱交換器25に送り込まれ、この第二の熱交換器
25内で冷媒を加熱蒸発させる。この様に冷媒を蒸発さ
せる事により、上記コンプレッサ10に液状の冷媒が戻
る、所謂リキッドバックの発生を防止し、このコンプレ
ッサ10の故障を防止する。又、ヒータコア7から出た
温水は、上記第二の熱交換器25を通過する事により温
度が低下してから、エンジンのウォータジャケット14
に戻る。
【0022】この様に、冷却水(温水)は、温水送り出
し管17の途中に設けた第一の熱交換器21を通過する
際に加温され、温水戻し管18の途中に設けた第二の熱
交換器25を通過する際に冷却される。但し、上記コン
プレッサ10を含む蒸気圧縮式冷凍機の効率が100%
である事はあり得ない。従って、第一の熱交換器21部
分で冷媒から温水に加えられる熱量が、第二の熱交換器
25部分で温水から冷媒に戻される熱量よりも多くな
る。即ち、蒸気圧縮式冷凍機の効率が低い分だけ、第一
の熱交換器21に於いて冷却水に加えられる熱量が、第
二の熱交換器25に於いて冷却水から除かれる熱量より
も多くなる。しかも、第二の熱交換器25を通過する事
により温度低下した冷却水が容量の大きなウォータジャ
ケット14に戻される為、第二の熱交換器25の存在に
よりこのウォータジャケット14部分の水温を低下させ
る程度が比較的小さい。これに対して、第一の熱交換器
21を通過する事で温度上昇した温水は、総てヒータコ
ア7に送り込まれる。この為、第一の熱交換器21に於
いて温水に加えられた熱量は、そのままヒータコア7内
の温水の温度上昇に使われ、このヒータコア7の温度上
昇が早まる。更に、エンジンによってコンプレッサ10
を運転する結果、エンジンの負荷が増大し、エンジンに
送り込まれる燃料の量も増えて、このエンジンの発熱量
が増大する。この為、上記ウォータジャケット14内に
貯溜された冷却水の温度上昇は一層早まる。この結果、
ヒータコア7の温度上昇が早まって、暖房の立ち上がり
時間の短縮化を図れる。
し管17の途中に設けた第一の熱交換器21を通過する
際に加温され、温水戻し管18の途中に設けた第二の熱
交換器25を通過する際に冷却される。但し、上記コン
プレッサ10を含む蒸気圧縮式冷凍機の効率が100%
である事はあり得ない。従って、第一の熱交換器21部
分で冷媒から温水に加えられる熱量が、第二の熱交換器
25部分で温水から冷媒に戻される熱量よりも多くな
る。即ち、蒸気圧縮式冷凍機の効率が低い分だけ、第一
の熱交換器21に於いて冷却水に加えられる熱量が、第
二の熱交換器25に於いて冷却水から除かれる熱量より
も多くなる。しかも、第二の熱交換器25を通過する事
により温度低下した冷却水が容量の大きなウォータジャ
ケット14に戻される為、第二の熱交換器25の存在に
よりこのウォータジャケット14部分の水温を低下させ
る程度が比較的小さい。これに対して、第一の熱交換器
21を通過する事で温度上昇した温水は、総てヒータコ
ア7に送り込まれる。この為、第一の熱交換器21に於
いて温水に加えられた熱量は、そのままヒータコア7内
の温水の温度上昇に使われ、このヒータコア7の温度上
昇が早まる。更に、エンジンによってコンプレッサ10
を運転する結果、エンジンの負荷が増大し、エンジンに
送り込まれる燃料の量も増えて、このエンジンの発熱量
が増大する。この為、上記ウォータジャケット14内に
貯溜された冷却水の温度上昇は一層早まる。この結果、
ヒータコア7の温度上昇が早まって、暖房の立ち上がり
時間の短縮化を図れる。
【0023】例えば、図1と前記図4とに記載した温度
数値は、互いに同じ条件で暖房を開始して一定時間経過
した場合に、各部の空気或は温水が達する温度を表わし
ている。この温度数値を得る為の条件として、自動車は
3ボックスセダンでエンジンは4気筒1800cc、自動
変速機付で、変速機用オイルを冷却する為のオイルクー
ラをラジエータ16に内蔵している事を前提とした。
又、外気温度は−20℃とし、エンジンを起動した後、
10分間アイドリングのまま放置する事を前提とした。
又、空気調和装置の送風機5(図3)はエンジンの起動
直後から運転を開始し、2.5m3/minの割合で、ダクト
1内に送風するものとした。
数値は、互いに同じ条件で暖房を開始して一定時間経過
した場合に、各部の空気或は温水が達する温度を表わし
ている。この温度数値を得る為の条件として、自動車は
3ボックスセダンでエンジンは4気筒1800cc、自動
変速機付で、変速機用オイルを冷却する為のオイルクー
ラをラジエータ16に内蔵している事を前提とした。
又、外気温度は−20℃とし、エンジンを起動した後、
10分間アイドリングのまま放置する事を前提とした。
又、空気調和装置の送風機5(図3)はエンジンの起動
直後から運転を開始し、2.5m3/minの割合で、ダクト
1内に送風するものとした。
【0024】この様な条件で、本考案の自動車用空気調
和装置を運転すると、エンジン起動後10分経過した後
に於いて、ウォータジャケット14の出口部分に於ける
水温は67.5℃、ヒータコア7の入口部分に於ける水
温は72.6℃、同じく出口部分に於ける水温は58.
4℃、上記ウォータジャケット14の入口部分に於ける
水温は55.6℃に達する事が解った。又、ダクト1の
下流側端部開口から自動車室内に吹き出す空気の温度は
28.6℃となり、自動車室内の温度は−2.3℃に達
する事が解った。同じ条件の下で、前記従来の自動車用
空気調和装置により自動車室内の暖房を行なう場合に於
ける、各部の温度を、図4に示した。この図4に記載し
た温度数値と図1に記載した温度数値とを比較すると明
らかな様に、本考案の自動車用空気調和装置は、自動車
室内の温度上昇を迅速に行なう事ができる。例えば、エ
ンジン起動後10分経過した状態で自動車室内の温度
は、従来装置の場合に−5.4℃であるのに対して、本
考案装置の場合には−2.3℃に達し、約3℃高くなる
事が解る。
和装置を運転すると、エンジン起動後10分経過した後
に於いて、ウォータジャケット14の出口部分に於ける
水温は67.5℃、ヒータコア7の入口部分に於ける水
温は72.6℃、同じく出口部分に於ける水温は58.
4℃、上記ウォータジャケット14の入口部分に於ける
水温は55.6℃に達する事が解った。又、ダクト1の
下流側端部開口から自動車室内に吹き出す空気の温度は
28.6℃となり、自動車室内の温度は−2.3℃に達
する事が解った。同じ条件の下で、前記従来の自動車用
空気調和装置により自動車室内の暖房を行なう場合に於
ける、各部の温度を、図4に示した。この図4に記載し
た温度数値と図1に記載した温度数値とを比較すると明
らかな様に、本考案の自動車用空気調和装置は、自動車
室内の温度上昇を迅速に行なう事ができる。例えば、エ
ンジン起動後10分経過した状態で自動車室内の温度
は、従来装置の場合に−5.4℃であるのに対して、本
考案装置の場合には−2.3℃に達し、約3℃高くなる
事が解る。
【0025】コンプレッサ10の運転を行なう事により
急速な暖房効果を得る結果、自動車室内の温度が十分に
上昇したならば、コンプレッサ10を停止すると共に、
第一、第二の温水三方弁22、26と第一、第二の冷媒
三方弁24、28とを切り換え、第一、第二の熱交換器
21、25への温水並びに冷媒の送り込みを停止する。
この状態に於いて本考案の自動車用空気調和装置は、前
記図4に示した従来の自動車用空気調和装置と同様に作
用して、自動車室内の暖房を行なう。
急速な暖房効果を得る結果、自動車室内の温度が十分に
上昇したならば、コンプレッサ10を停止すると共に、
第一、第二の温水三方弁22、26と第一、第二の冷媒
三方弁24、28とを切り換え、第一、第二の熱交換器
21、25への温水並びに冷媒の送り込みを停止する。
この状態に於いて本考案の自動車用空気調和装置は、前
記図4に示した従来の自動車用空気調和装置と同様に作
用して、自動車室内の暖房を行なう。
【0026】次に、図2は、請求項2に記載された考案
に対応する、本考案の第二実施例を示している。エンジ
ンを冷却する為のウォータジャケット14の冷却水出口
に一端を連通させた温水送り出し管17の他端を、空気
調和用の空気を流通させるダクト1(図3)内に配置さ
れたヒータコア7の温水入口に接続している。そして、
このヒータコア7の温水出口にその一端を連通させた温
水戻し管18の他端を、上記ウォータジャケット14の
冷却水入口に連通させている。
に対応する、本考案の第二実施例を示している。エンジ
ンを冷却する為のウォータジャケット14の冷却水出口
に一端を連通させた温水送り出し管17の他端を、空気
調和用の空気を流通させるダクト1(図3)内に配置さ
れたヒータコア7の温水入口に接続している。そして、
このヒータコア7の温水出口にその一端を連通させた温
水戻し管18の他端を、上記ウォータジャケット14の
冷却水入口に連通させている。
【0027】エンジンにより駆動されて冷媒を圧縮する
コンプレッサ10の吐出口から吐出された冷媒は、冷房
時に於いては、第三の熱交換器41により凝縮し、膨張
弁20を通過してから、やはり上記ダクト1内に配置さ
れた第四の熱交換器42に送り込まれる。そして、この
第四の熱交換器42内で蒸発する事により、この第四の
熱交換器42の温度を低下させる。この第四の熱交換器
42内で蒸発した冷媒は、その後、アキュムレータ33
を通過してから、上記コンプレッサ10の吸入口に戻さ
れる。
コンプレッサ10の吐出口から吐出された冷媒は、冷房
時に於いては、第三の熱交換器41により凝縮し、膨張
弁20を通過してから、やはり上記ダクト1内に配置さ
れた第四の熱交換器42に送り込まれる。そして、この
第四の熱交換器42内で蒸発する事により、この第四の
熱交換器42の温度を低下させる。この第四の熱交換器
42内で蒸発した冷媒は、その後、アキュムレータ33
を通過してから、上記コンプレッサ10の吸入口に戻さ
れる。
【0028】上記温水戻し管18の途中には第五の熱交
換器30を、この温水戻し管18に対して並列に設けて
いる。この第五の熱交換器30は、上記ヒータコア7か
ら送り出された温水と上記第三の熱交換器41から送り
出された液状の冷媒とを熱交換する事によりこの冷媒を
蒸発させ、前記コンプレッサ10に未蒸発の冷媒が送り
込まれるのを防止する。又、上記温水戻し管18の途中
には、温水流路選択手段である温水三方弁31を設けて
いる。この温水三方弁31は、上記ヒータコア7から送
り出された温水を上記第五の熱交換器30に通すか否か
を選択する。
換器30を、この温水戻し管18に対して並列に設けて
いる。この第五の熱交換器30は、上記ヒータコア7か
ら送り出された温水と上記第三の熱交換器41から送り
出された液状の冷媒とを熱交換する事によりこの冷媒を
蒸発させ、前記コンプレッサ10に未蒸発の冷媒が送り
込まれるのを防止する。又、上記温水戻し管18の途中
には、温水流路選択手段である温水三方弁31を設けて
いる。この温水三方弁31は、上記ヒータコア7から送
り出された温水を上記第五の熱交換器30に通すか否か
を選択する。
【0029】一方、上記コンプレッサ10と第三の熱交
換器41と第四の熱交換器42とアキュムレータ33と
の間には、四方弁32を設けている。この四方弁32
は、上記コンプレッサ10の吐出口から吐出された冷媒
を上記第三の熱交換器41に送るか上記第四の熱交換器
42に送るかを選択する、第三の冷媒流路選択手段とし
ての役目と、上記コンプレッサ10の吸入口に通じるア
キュムレータ33の取入口を、上記第四の熱交換器42
に通じさせるか上記第五の熱交換器30を介して第三の
熱交換器41に通じさせるかを選択する、第四の冷媒流
路選択手段としての役目とを有する。
換器41と第四の熱交換器42とアキュムレータ33と
の間には、四方弁32を設けている。この四方弁32
は、上記コンプレッサ10の吐出口から吐出された冷媒
を上記第三の熱交換器41に送るか上記第四の熱交換器
42に送るかを選択する、第三の冷媒流路選択手段とし
ての役目と、上記コンプレッサ10の吸入口に通じるア
キュムレータ33の取入口を、上記第四の熱交換器42
に通じさせるか上記第五の熱交換器30を介して第三の
熱交換器41に通じさせるかを選択する、第四の冷媒流
路選択手段としての役目とを有する。
【0030】尚、冷媒を移送する配管のうち、第三の熱
交換器41と第四の熱交換器42とを結ぶ配管34の途
中には逆止弁35を、膨張弁20と並列に設けている。
この逆止弁35は、第四の熱交換器42から第三の熱交
換器41に向けてのみ冷媒を流すもので、暖房の立ち上
がり時のみ開いて、第四の熱交換器42から第三の熱交
換器41に向けて冷媒を流す。又、上記四方弁32と第
三の熱交換器41とを結ぶ配管36の途中には、前記第
五の熱交換器30並びにこの第五の熱交換器30に付属
の膨張弁37を短絡させるバイパス管38を設けてい
る。そして、このバイパス管38の途中に、上記四方弁
32から第三の熱交換器41に向けてのみ冷媒を流す、
逆止弁39を設けている。この逆止弁39は、冷房時に
開いて、コンプレッサ10から吐出された冷媒を、第五
の熱交換器30を通す事なく、そのまま第三の熱交換器
41に送る役目を有する。
交換器41と第四の熱交換器42とを結ぶ配管34の途
中には逆止弁35を、膨張弁20と並列に設けている。
この逆止弁35は、第四の熱交換器42から第三の熱交
換器41に向けてのみ冷媒を流すもので、暖房の立ち上
がり時のみ開いて、第四の熱交換器42から第三の熱交
換器41に向けて冷媒を流す。又、上記四方弁32と第
三の熱交換器41とを結ぶ配管36の途中には、前記第
五の熱交換器30並びにこの第五の熱交換器30に付属
の膨張弁37を短絡させるバイパス管38を設けてい
る。そして、このバイパス管38の途中に、上記四方弁
32から第三の熱交換器41に向けてのみ冷媒を流す、
逆止弁39を設けている。この逆止弁39は、冷房時に
開いて、コンプレッサ10から吐出された冷媒を、第五
の熱交換器30を通す事なく、そのまま第三の熱交換器
41に送る役目を有する。
【0031】上述の図2に記載した様な自動車用空気調
和装置により、寒冷時に暖房を立ち上げる場合には、コ
ンプレッサ10を運転すると共に、四方弁32を図2に
破線で示した状態に切り換える。又、温水三方弁31を
第五の熱交換器30に温水を流す状態に切り換える。そ
して、コンプレッサ10から吐出された冷媒を第四の熱
交換器42に送ると共に、上記コンプレッサ10の吸入
口に通じるアキュムレータ33を、第五の熱交換器30
を介して第三の熱交換器41に通じさせる。この結果、
コンプレッサ10から吐出された高温高圧の冷媒は、ダ
クト1(図3)内に配設した第四の熱交換器42に送り
込まれ、ダクト1内を流通する空気調和用の空気との間
で熱交換を行なう事により、この空気を加温しつつ、こ
の第四の熱交換器42内で凝縮液化する。即ち、暖房の
立ち上がり時には第四の熱交換器42がコンデンサとし
て機能し、第四の熱交換器42を通過する空気を加温す
る。
和装置により、寒冷時に暖房を立ち上げる場合には、コ
ンプレッサ10を運転すると共に、四方弁32を図2に
破線で示した状態に切り換える。又、温水三方弁31を
第五の熱交換器30に温水を流す状態に切り換える。そ
して、コンプレッサ10から吐出された冷媒を第四の熱
交換器42に送ると共に、上記コンプレッサ10の吸入
口に通じるアキュムレータ33を、第五の熱交換器30
を介して第三の熱交換器41に通じさせる。この結果、
コンプレッサ10から吐出された高温高圧の冷媒は、ダ
クト1(図3)内に配設した第四の熱交換器42に送り
込まれ、ダクト1内を流通する空気調和用の空気との間
で熱交換を行なう事により、この空気を加温しつつ、こ
の第四の熱交換器42内で凝縮液化する。即ち、暖房の
立ち上がり時には第四の熱交換器42がコンデンサとし
て機能し、第四の熱交換器42を通過する空気を加温す
る。
【0032】第四の熱交換器42を通過する事により凝
縮した冷媒は、次いで第三の熱交換器41を通過する。
この場合に於いて、急速な暖房の立ち上がりを必要とす
る場合は、周囲の温度が低い場合である為、液状の冷媒
が第三の熱交換器41を通過する際に蒸発する事は殆ど
ない。従って、上記液状の冷媒は、殆ど蒸発する事な
く、膨張弁37を通過してから第五の熱交換器30に送
り込まれる。そして、この第五の熱交換器30を通過す
る際に、冷却水との間で熱交換を行なって蒸発してか
ら、アキュムレータ33を通じて、コンプレッサ10の
吸入口に戻される。この為、コンプレッサ10に未蒸発
の冷媒が戻される、所謂リキッドバックが起こる事はな
い。
縮した冷媒は、次いで第三の熱交換器41を通過する。
この場合に於いて、急速な暖房の立ち上がりを必要とす
る場合は、周囲の温度が低い場合である為、液状の冷媒
が第三の熱交換器41を通過する際に蒸発する事は殆ど
ない。従って、上記液状の冷媒は、殆ど蒸発する事な
く、膨張弁37を通過してから第五の熱交換器30に送
り込まれる。そして、この第五の熱交換器30を通過す
る際に、冷却水との間で熱交換を行なって蒸発してか
ら、アキュムレータ33を通じて、コンプレッサ10の
吸入口に戻される。この為、コンプレッサ10に未蒸発
の冷媒が戻される、所謂リキッドバックが起こる事はな
い。
【0033】上記図2に示した自動車用空気調和装置の
場合、ダクト1内を流通する空気は、コンデンサとして
機能する第四の熱交換器42を通過する間に加温され
る。しかも、コンプレッサ10を運転する結果、エンジ
ンの負荷が増大し、エンジンに送り込まれる燃料の量も
増えて、このエンジンの発熱量が増大する。この為、ウ
ォータジャケット14内に貯溜された冷却水の温度上昇
が一層早まる。この結果、ヒータコア7の温度上昇が早
まって、暖房の立ち上がり時間の短縮化を図れる。
場合、ダクト1内を流通する空気は、コンデンサとして
機能する第四の熱交換器42を通過する間に加温され
る。しかも、コンプレッサ10を運転する結果、エンジ
ンの負荷が増大し、エンジンに送り込まれる燃料の量も
増えて、このエンジンの発熱量が増大する。この為、ウ
ォータジャケット14内に貯溜された冷却水の温度上昇
が一層早まる。この結果、ヒータコア7の温度上昇が早
まって、暖房の立ち上がり時間の短縮化を図れる。
【0034】この図2に示した様な自動車用空気調和装
置を、前述の場合と同じ条件で運転した場合に於ける各
部の温度を、図2に示した。この自動車用空気調和装置
を運転すると、エンジン起動後10分経過した後に於い
て、ウォータジャケット14の出口部分に於ける水温は
59.9℃、ヒータコア7の入口部分に於ける水温は5
7.7℃、同じく出口部分に於ける水温は49.2℃、
上記ウォータジャケット14の入口部分に於ける水温は
47.0℃に達する事が解った。又、ダクト1の下流側
端部開口から自動車室内に吹き出す空気の温度は40.
4℃となり、自動車室内の温度は2.0℃に達する事が
解った。即ち、この図2に示した様な自動車用空気調和
装置の場合、前記図1に示した様な装置に比べて、温水
の温度上昇は遅いが、自動車室内に吹き出す空気の温度
は迅速に上昇する。この理由は、コンデンサとして機能
する第四の熱交換器42により、ダクト1内を流通する
空気を加温する為である。
置を、前述の場合と同じ条件で運転した場合に於ける各
部の温度を、図2に示した。この自動車用空気調和装置
を運転すると、エンジン起動後10分経過した後に於い
て、ウォータジャケット14の出口部分に於ける水温は
59.9℃、ヒータコア7の入口部分に於ける水温は5
7.7℃、同じく出口部分に於ける水温は49.2℃、
上記ウォータジャケット14の入口部分に於ける水温は
47.0℃に達する事が解った。又、ダクト1の下流側
端部開口から自動車室内に吹き出す空気の温度は40.
4℃となり、自動車室内の温度は2.0℃に達する事が
解った。即ち、この図2に示した様な自動車用空気調和
装置の場合、前記図1に示した様な装置に比べて、温水
の温度上昇は遅いが、自動車室内に吹き出す空気の温度
は迅速に上昇する。この理由は、コンデンサとして機能
する第四の熱交換器42により、ダクト1内を流通する
空気を加温する為である。
【0035】コンプレッサ10の運転を行なう事により
急速な暖房効果を得る結果、自動車室内の温度が十分に
上昇したならば、コンプレッサ10を停止し、四方弁3
2を図2に実線で示した状態に切り換えると共に、温水
三方弁31を切り換える事により、第五の熱交換器30
への温水の送り込みを停止させる。この状態に於いて本
考案の自動車用空気調和装置は、前記図4に示した従来
の自動車用空気調和装置と同様に作用して、自動車室内
の暖房を行なう。尚、各実施例に於いて、流路切り換え
用の三方弁や四方弁は、同時に切り替わる複数の開閉弁
を組み合わせる事で代用しても良い。
急速な暖房効果を得る結果、自動車室内の温度が十分に
上昇したならば、コンプレッサ10を停止し、四方弁3
2を図2に実線で示した状態に切り換えると共に、温水
三方弁31を切り換える事により、第五の熱交換器30
への温水の送り込みを停止させる。この状態に於いて本
考案の自動車用空気調和装置は、前記図4に示した従来
の自動車用空気調和装置と同様に作用して、自動車室内
の暖房を行なう。尚、各実施例に於いて、流路切り換え
用の三方弁や四方弁は、同時に切り替わる複数の開閉弁
を組み合わせる事で代用しても良い。
【0036】
【考案の効果】本考案の自動車用空気調和装置は、以上
に述べた通り構成され作用する為、寒冷時に自動車室内
の温度を上昇させる為に要する時間の短縮を図る事がで
き、乗員に長い時間我慢を強いる事がなくなる。
に述べた通り構成され作用する為、寒冷時に自動車室内
の温度を上昇させる為に要する時間の短縮を図る事がで
き、乗員に長い時間我慢を強いる事がなくなる。
【図1】本考案の第一実施例を示す回路図。
【図2】同じく第二実施例を示す回路図。
【図3】本考案の対象となる自動車用空気調和装置の構
成の1例を示す略断面図。
成の1例を示す略断面図。
【図4】従来装置の回路図。
1 ダクト 2 内気取り入れ口 3 外気取り入れ口 4 内外気切り換えドア 5 送風機 6 エバポレータ 7 ヒータコア 8 バイパス通路 9 エアミックスドア 10 コンプレッサ 11 コンデンサ 12 貯液器 13 膨張弁 14 ウォータジャケット 15 ラジエータ 16 ラジエータ 17 温水送り出し管 18 温水戻し管 19 リキッドタンク 20 膨張弁 21 第一の熱交換器 22 第一の温水三方弁 23 配管 24 第一の冷媒三方弁 25 第二の熱交換器 26 第二の温水三方弁 27 配管 28 第二の冷媒三方弁 29 膨張弁 30 第五の熱交換器 31 温水三方弁 32 四方弁 33 アキュムレータ 34 配管 35 逆止弁 36 配管 37 膨張弁 38 バイパス管 39 逆止弁 40 配管 41 第三の熱交換器 42 第四の熱交換器
Claims (4)
- 【請求項1】 エンジンを冷却する為のウォータジャケ
ットと、このウォータジャケットの冷却水出口に一端を
連通させた温水送り出し管と、この温水送り出し管の他
端にその温水入口を連通させ、空気調和用の空気を流通
させるダクト内に配置されたヒータコアと、このヒータ
コアの温水出口にその一端を連通させ、その他端を上記
ウォータジャケットの冷却水入口に連通させた温水戻し
管と、上記エンジンにより駆動されて冷媒を圧縮するコ
ンプレッサと、このコンプレッサから吐出された冷媒を
凝縮させるコンデンサと、上記ダクト内に配置されて、
上記コンデンサより送り出された冷媒を蒸発させてか
ら、上記コンプレッサに戻すエバポレータと、上記温水
送り出し管の途中に、この温水送り出し管に対して並列
に設けられ、上記ウォータジャケットから送り出された
温水と上記コンプレッサから吐出された冷媒とを熱交換
する第一の熱交換器と、上記ウォータジャケットから送
り出された温水を上記第一の熱交換器に通すか否かを選
択する、第一の温水流路選択手段と、上記コンプレッサ
から吐出された冷媒を上記第一の熱交換器に通すか否か
を選択する、第一の冷媒流路選択手段と、上記温水戻し
管の途中に、この温水戻し管に対して並列に設けられ、
上記ヒータコアから送り出された温水と上記コンデンサ
から送り出された冷媒とを熱交換する第二の熱交換器
と、上記ヒータコアから送り出された温水を上記第二の
熱交換器に通すか否かを選択する、第二の温水流路選択
手段と、上記コンデンサから送り出された冷媒を上記第
二の熱交換器と上記エバポレータとの一方に選択的に流
す、第二の冷媒流路選択手段とを備えた自動車用空気調
和装置。 - 【請求項2】 エンジンを冷却する為のウォータジャケ
ットと、このウォータジャケットの冷却水出口に一端を
連通させた温水送り出し管と、この温水送り出し管の他
端にその温水入口を連通させ、空気調和用の空気を流通
させるダクト内に配置されたヒータコアと、このヒータ
コアの温水出口にその一端を連通させ、その他端を上記
ウォータジャケットの冷却水入口に連通させた温水戻し
管と、上記エンジンにより駆動されて冷媒を圧縮するコ
ンプレッサと、このコンプレッ サの吸入口と吐出口とを
結ぶ配管中に直列に配置され、上記コンプレッサの駆動
に伴って循環する冷媒と空気とを熱交換させる第三の熱
交換器と、上記配管中にこの第三の熱交換器と直列に接
続された状態で設けられ、上記ダクト内に配置されてこ
のダクト内を流れる空気と上記冷媒とを熱交換させる第
四の熱交換器と、上記温水戻し管の途中に、この温水戻
し管に対して並列に設けられ、上記ヒータコアから送り
出された温水と上記第三の熱交換器から吐出された冷媒
とを熱交換する第五の熱交換器と、上記ヒータコアから
送り出された温水をこの第五の熱交換器に通すか否かを
選択する温水流路選択手段と、上記コンプレッサの吐出
口から吐出された冷媒を上記第三の熱交換器に送るか上
記第四の熱交換器に送るかを選択する第三の冷媒流路選
択手段と、上記コンプレッサの吸入口を上記第四の熱交
換器に通じさせるか上記第五の熱交換器を介して上記第
三の熱交換器に通じさせるかを選択する第四の冷媒流路
選択手段とを備えた自動車用空気調和装置。 - 【請求項3】 第五の熱交換器を温水戻し管の途中に代
えて温水送り出し管の途中に設け、この第五の熱交換器
で、ウォータジャケットから送り出された温水と上記コ
ンプレッサから吐出された冷媒とを熱交換自在とし、温
水流路選択手段は、上記ウォータジャケットから送り出
された温水を上記第五の熱交換器に通すか否かを選択自
在とした、請求項2に記載の自動車用空気調和装置。 - 【請求項4】 第三の冷媒流路選択手段と第四の冷媒流
路選択手段とが単一の四方弁である、請求項2又は請求
項3に記載の自動車用空気調和装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8910391U JP2555197Y2 (ja) | 1991-10-04 | 1991-10-04 | 自動車用空気調和装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8910391U JP2555197Y2 (ja) | 1991-10-04 | 1991-10-04 | 自動車用空気調和装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0532031U JPH0532031U (ja) | 1993-04-27 |
JP2555197Y2 true JP2555197Y2 (ja) | 1997-11-19 |
Family
ID=13961555
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8910391U Expired - Lifetime JP2555197Y2 (ja) | 1991-10-04 | 1991-10-04 | 自動車用空気調和装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2555197Y2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006182344A (ja) * | 2004-12-02 | 2006-07-13 | Valeo Thermal Systems Japan Corp | 車両用空調装置 |
FR2950571B1 (fr) * | 2009-09-30 | 2020-04-17 | Valeo Systemes Thermiques | Systeme de climatisation equipant un vehicule automobile et procede de mise en oeuvre d'un tel systeme selon divers modes de fonctionnement |
JP5962556B2 (ja) | 2013-03-19 | 2016-08-03 | 株式会社デンソー | 車両用熱管理システム |
JP6232592B2 (ja) * | 2016-10-06 | 2017-11-22 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 車両用ヒートポンプ装置および車両用空調装置 |
-
1991
- 1991-10-04 JP JP8910391U patent/JP2555197Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0532031U (ja) | 1993-04-27 |
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