JPH1058965A - ヒートポンプ式自動車用空気調和装置 - Google Patents

ヒートポンプ式自動車用空気調和装置

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JPH1058965A
JPH1058965A JP22547996A JP22547996A JPH1058965A JP H1058965 A JPH1058965 A JP H1058965A JP 22547996 A JP22547996 A JP 22547996A JP 22547996 A JP22547996 A JP 22547996A JP H1058965 A JPH1058965 A JP H1058965A
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JP
Japan
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air
evaporator
heater core
unit
condenser
Prior art date
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Withdrawn
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JP22547996A
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English (en)
Inventor
Yoshitoshi Noda
圭俊 野田
Hiroyuki Yamaguchi
博之 山口
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Marelli Corp
Original Assignee
Calsonic Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動車の車室内をエンジン冷却水と冷媒を用
いて冷暖房するようにした「ヒートポンプ式自動車用空
気調和装置」を提供する。 【解決手段】 自動車の車室内をエンジン冷却水と冷媒
を用いて冷暖房するヒートポンプ式自動車用空気調和装
置において、暖房立上がり時に主としてコンプレッサ2
により加圧された高温の冷媒を熱源として用い、エンジ
ン冷却水が所定の温度になると、冷媒を熱源とする運転
から当該エンジン冷却水を熱源とする運転に切り替える
ようにしたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の車室内を
エンジン冷却水と冷媒を用いて冷暖房するようにしたヒ
ートポンプ式自動車用空気調和装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、最近の一部の高級車や比較的車
室内空間が大きいワンボックスカーには、室内全体が快
適な空調状態が得られるように車室内の前方領域(例え
ば、前席部分)はフロントユニットにより、後方領域
(例えば、第2,3席等の後席部分)はリヤーユニット
によりそれぞれ独立に空気調和する、通常デュアルエア
コンと称されている自動車用空気調和装置が搭載されて
いる。
【0003】例えば、図3に示すように、当該自動車用
空気調和装置は、車室内空気(内気)と車室外空気(外
気)を選択的に取り入れ、これを空気調和して前席に向
かって吹き出すフロントユニット10と、後席に向かっ
て吹き出すリヤーユニット20とを有している。
【0004】フロントユニット10は、ケーシング内に
風路10fが形成され、当該風路10f内に、エンジン
1により加熱されたエンジン冷却水(図中破線で示す)
が温水コック11aを通って導入され内部循環される第
1ヒータコア11と、コンプレッサ2及び第1コンデン
サ3、リキッドタンク4、第1開閉弁V1 及び膨張弁5
aとともに通常の冷房サイクルを構成する第1エバポレ
ータ12と、この第1エバポレータ12により冷却され
た空気がヒータコア11側とバイパス通路14側を通過
する比率を調節するミックスドア13とが設けられてい
る。
【0005】このように構成されたフロントユニット1
0では、第1エバポレータ12により冷却されかつ除湿
された後の冷風が、ミックスドア13によりヒータコア
11側とバイパス通路14側に分岐され、当該ヒータコ
ア11により加熱された高温空気は、バイパス通路14
を通過した低温空気とヒータコア11の下流域でミック
スされ、所定温度とされて所定の吹出口(図示せず)か
ら車室内前方に向かって吹出される。
【0006】一方、リヤーユニット20は、ケーシング
内に風路20fが形成され、当該風路20f内に、前記
冷房サイクルの冷媒の一部が導入されるように第2開閉
弁V2 を介して接続された第2コンデンサ21と、当該
第2コンデンサ21を流下した後の冷媒が膨張弁5bを
経て導入される第2エバポレータ22と、この第2エバ
ポレータ22により冷却された空気が第2コンデンサ2
1側とバイパス通路24側を通過する比率を調節するミ
ックスドア23とが設けられている。
【0007】このように構成されたリヤーユニット20
では、内気が第2エバポレータ22により冷却されかつ
除湿され、当該冷風がミックスドア23により第2コン
デンサ21側とバイパス通路24側に分岐され、第2コ
ンデンサ21により加熱された高温空気とバイパス通路
24を通過した低温空気がミックスされ、所定の吹出口
(図示せず)から車室内後方に向かって吹出される。
【0008】なお、図中符号「B」は冷媒が第1コンデ
ンサ3をバイパスして流れるようにしたバイパス回路、
「V3 ,V4 」は当該バイパス回路用の開閉弁、「C」
は配管を接続するコネクタ、「F」は第1コンデンサ用
のファン、「M」はファンモータ、「Vc 」は逆止弁で
ある。
【0009】このようにデュアルエアコンと称される自
動車用空気調和装置は、例えば、暖房運転時には、フロ
ントユニット10ではエンジン1により加熱されたエン
ジン冷却水を熱源として利用しているが、リヤーユニッ
ト20ではコンプレッサ2により圧縮された高温高圧の
冷媒を熱源として利用し、外部空気から熱を汲み上げて
使用するシステムとなっていることからヒートポンプ式
の自動車用空気調和装置と称されている。
【0010】ところが、当該自動車用空気調和装置で暖
房運転する場合に、例えば、冬季の朝のように外気温度
が低いときには、起動時にエンジン冷却水の温度も低
く、また冷媒温度の上昇速度も俊敏でないため、運転開
始と同時に暖かい空気が吹き出されるような状態にはな
りにくく、いわゆる即暖性が不十分となり、また暖房性
能も不足気味となる虞れがある。特に、ディーゼルエン
ジンを搭載した車室内空間の大きいワンボックスカーで
は、通常のガソリンエンジン車に比し、エンジン冷却水
の温度上昇が遅く、広い空間を暖房しなければならない
ことから、即暖性、暖房性能ともに不足する傾向があ
る。
【0011】したがって、本件出願人は、このような課
題を解消すべく、エンジン冷却水の熱を利用して冷媒を
加熱し、エントロピー変化した冷媒を使用し、より高い
暖房性能を発揮するようにしたヒートポンプ式自動車用
空気調和装置を提案した(特願平7−271,621号
参照)。
【0012】この自動車用空気調和装置は、図4に示す
ように、リヤーユニット20の第2エバポレータ22か
ら流出した冷媒は、サブ熱交換器30に流入するように
構成し、しかもこのサブ熱交換器30にはエンジン冷却
水が温水コック11aを通って導入されるようにしたも
のである。
【0013】このようにすれば、従来では低温のエンジ
ン冷却水は、空気と熱交換しても暖房用としては使用で
きなかったものを、当該サブ熱交換器30において極め
て低温の冷媒と熱交換することにより、エンジン冷却水
が保有する熱を有効に冷媒に取り込み、しかもこの冷媒
をコンプレッサ2に戻し、再度加圧するので、当該コン
プレッサから吐出された冷媒は、高温のエントロピー変
化した冷媒となって第2コンデンサ21に供給すること
ができる。この結果、第2コンデンサ21において熱交
換された空気は、より高温となり、高い暖房性能を発揮
することができる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この自動車用
空気調和装置は、低温時の暖房性能は優れているが、暖
房時には常にコンプレッサが作動することになるので、
エンジン自体の燃料消費が問題となり、またコンプレッ
サの耐久性を低下させるという問題もある。
【0015】本発明は、このような従来技術の問題点に
鑑みてなされたものであり、起動時のみコンプレッサを
作動させて暖房性能不足を補い、その後エンジンが暖ま
るとコンプレッサを停止し、エンジン冷却水により暖房
を行なうようにし、低燃費とコンプレッサの耐久性を高
めたヒートポンプ式の自動車用空気調和装置を提供する
ことを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の請求項1に記載の本発明に係るヒートポンプ式の自動
車用空気調和装置は、第1ユニットの風路内に、エンジ
ン冷却水が内部循環される第1ヒータコアと、コンプレ
ッサ及び第1コンデンサとともに冷房サイクルを構成す
る第1エバポレータとを配置し、第2ユニットの風路内
に、前記冷房サイクルの冷媒の一部が導入されるように
開閉弁を介して前記第1エバポレータと並列的に接続さ
れた第2エバポレータを配置し、当該第2エバポレータ
の流出側に接続されかつ前記第2ユニットの風路外に設
けられたサブ熱交換器により前記第2エバポレータより
流出された冷媒を前記エンジン冷却水の一部で加熱し冷
房サイクルに戻しコンプレッサに帰還させるようにした
ヒートポンプ式自動車用空気調和装置において、前記第
2ユニットの風路内に前記第2エバポレータを流過した
後の空気を加熱するように前記エンジン冷却水の一部が
内部循環される第2ヒータコアを配置する一方、前記第
1ユニットの風路内に前記冷房サイクルを流れる高温高
圧の冷媒が内部を流通するように構成された補助コンデ
ンサを配置したことを特徴とする。
【0017】このようにすれば、暖房起動時には、第1
ユニット側では、エンジン冷却水が流通する第1ヒータ
コアと、高温高圧の冷媒が流通する補助コンデンサによ
り空気を加熱するので、高い暖房性能を発揮することに
なる。
【0018】請求項2に記載の発明は、コンプレッサが
暖房運転時にエンジンが暖まると停止し、前記第1ヒー
タコアと第2ヒータコアのみにより暖房運転を行なうよ
うにしたことを特徴とする。
【0019】このようにすれば、暖房時にエンジンが暖
まると、コンプレッサを停止し、第1ユニット側は第1
ヒータコアのみにより、第2ユニット側は第2ヒータコ
アのみにより、それぞれ暖房運転を行なうので、コンプ
レッサは不必要に作動せず、省燃費の暖房運転を行なう
ことができる。
【0020】請求項3に記載の発明は、補助コンデンサ
が第1エバポレータにより冷却され第1ヒータコアによ
り加熱された空気を加熱するように構成したことを特徴
とする。
【0021】このようにすれば、第1エバポレータによ
り除湿した空気を加熱して暖房できるので、内気循環に
より暖房しても、フロントガラスが曇ることがなく、安
全に運転することができる。
【0022】請求項4に記載の発明は、前記第2コンデ
ンサに、冷媒が当該第2コンデンサをバイパスして流れ
るバイパス回路が並設したことを特徴とする。
【0023】このようにすれば、冷房運転時に、第1ユ
ニット側においては高温の冷媒が第2コンデンサをバイ
パスして流れるので、第1エバポレータを通過した冷た
い空気を第2コンデンサが加熱して冷房性能を低下させ
る虞れがなく、冷房性能も高まることになる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、発明の実施の形態を図面に
基づいて説明する。
【0025】図1,2は、本発明に係るヒートポンプ式
自動車用空気調和装置の実施の形態を示す概略構成図で
あり、図1は暖房運転時の状態を、図2は冷房運転時の
状態をそれぞれ示している。なお、図3,4と共通する
部材には同一の符号を付し、また、図中白抜き矢印は空
気の流れを、実線矢印は冷媒の流れを、破線矢印はエン
ジン冷却水の流れを示している。
【0026】本実施の形態のヒートポンプ式の自動車用
空気調和装置は、図1に示すように、図示しないインテ
ークユニットから選択的に取り入れられた内外気を空気
調和して前席を対象に吹き出すための第1ユニットであ
るフロントユニット10と、内気を空気調和して後席を
対象に吹き出すための第2ユニットであるリヤーユニッ
ト20とを有している。
【0027】フロントユニット10は、ケーシングによ
り形成された風路10fが設けられ、当該風路10f内
には白抜き矢印で示す空気の流れ方向上流側から順に、
インテークユニット、インテークドアとブロワモータ
(いずれも図示せず)、そして、第1エバポレータ1
2、エアミックスドア(図示せず)、第1ヒータコア1
1及び補助コンデンサ40が配置され、また空気の流れ
方向下流側には、図示しない車室内への吹出口が設けら
れている。
【0028】前記第1エバポレータ12には、例えば、
冷房運転時(図2に示す状態)ではコンプレッサ1から
吐出された冷媒が、四方弁6→第1コンデンサ3→補助
コンデンサ40→リキッドタンク4→第1開閉弁V1 →
膨張弁5aと流れて流入するようになっており、当該第
1エバポレータ12を出た冷媒は、前記コンプレッサ1
に戻され、これによりメインの冷房サイクルを構成して
いる。
【0029】ここに、四方弁6は、密閉ケース7に1つ
の入口ポートPiと3つの出口ポートPoが設けられ、
当該密閉ケース7内に前記3つの出口ポートPoの内2
つの出口ポートPoを連通するスライド部材Sが設けら
れ、当該スライド部材Sが選択した出口ポートPo以外
の出口ポートPoは入口ポートPiと連通するように構
成されている。したがって、スライド部材Sをセットす
る位置により入口ポートPiと連通される出口ポートP
oが選択されることになる。
【0030】また、前記第1ヒータコア11には、温水
コック11aを開放することによりエンジン1から流出
したエンジン冷却水が導入されるようになっている。
【0031】一方、リヤーユニット20は、ケーシング
により形成された風路20fが設けられ、当該風路20
f内には白抜き矢印で示す空気の流れ方向上流側から順
に、第2エバポレータ22及び第2ヒータコア41が配
置されている。なお、当該リヤーユニット20も、第2
ヒータコア41の前面には、エアーミックスドア(図示
せず)が設けられ、温風と冷風の比率を調節して第2ヒ
ータコア41の下流域で所定温度の空気を作ったり、あ
るいは第2ヒータコア41内に空気が流通しないように
構成している。
【0032】前記第2エバポレータ22には、メインの
冷房サイクルのリキッドタンク4を出た冷媒が、第2開
閉弁V2 から膨張弁5bへと流れて流入するようになっ
ており、当該第2エバポレータ22を出た冷媒は、サブ
熱交換器30を経て前記メインの冷房サイクルに戻しコ
ンプレッサ2に帰還させるようになっている。つまり当
該第2エバポレータ22は、前記第1エバポレータ12
と並列的に接続された状態となっている。
【0033】ここに、当該サブ熱交換器30は、リヤー
ユニット20の風路20f外に設けられ、ここで、内部
を流通する冷媒をエンジン冷却水の一部を利用して加熱
し、エントロピー変化した冷媒をコンプレッサ2に戻
し、より高い暖房性能を発揮するようにしている。
【0034】なお、前記メインの冷房サイクルにおける
四方弁6とコンプレッサ2の吸入側とを連通している管
路と平行に戻し回路Rが設けられているが、この戻し回
路Rは、外気温度が低く、エンジン冷却水が暖房用とし
て使用できない程度の場合に、第1コンデンサ3等に滞
留している、いわゆる寝込み冷媒をコンプレッサ2に戻
し、多量の冷媒を用いて性能の高い暖房ができるように
するためのものである。
【0035】次に、作用を説明する。暖房運転の初期 暖房運転の開始時に、外気温度が低い場合(例えば、−
10℃〜+5℃程度)には、エンジン冷却水温も低く、
直ちに暖房用として使用できず、また冷媒も第1コンデ
ンサ3等の内部に寝込んでおり、コンプレッサ2にはあ
まり存在していない。この状態で前後席共に暖房する場
合には、まず第1開閉弁V1 及び第2開閉弁V2 を開放
するとともに、四方弁6を図1に示す状態にセットす
る。
【0036】この状態でコンプレッサ2を作動すると、
主として第1コンデンサ3等の内部に寝込んでいる冷媒
は、四方弁6及び戻し回路Rを通ってコンプレッサ2の
吸込側に導かれ回収される。
【0037】これにより、コンプレッサ2は、多量の冷
媒を吐出する運転状態となるが、コンプレッサ2から吐
出された冷媒は、四方弁6→バイパス回路B→補助コン
デンサ40→リキッドタンク4→第1開閉弁V1 →膨張
弁5a→第1エバポレータ12へと流れ、またリキッド
タンク4の部分から分岐された冷媒は、第2開閉弁V2
→膨張弁5b→第2エバポレータ22→サブ熱交換器3
0へと流れる。
【0038】また、エンジン1の始動により第1ヒータ
コア11にもある程度温度上昇したエンジン冷却水が流
通するが、この時点のエンジン冷却水はまだ十分温度上
昇していない状態であるため、暖房用として使用するこ
とは好ましくない。
【0039】したがって、このような状態のときは、温
水コック11aを閉鎖し、第1ヒータコア11にエンジ
ン冷却水が流入しないようにするかあるいは図外のドア
により空気が第1ヒータコア11内を通過しないように
することが好ましい。
【0040】これによりインテークユニットからフロン
トユニット10の内部に導入された空気は、第1エバポ
レータ12においては、低温低圧の冷媒と熱交換して除
湿された低温空気となり、この空気は、第1ヒータコア
11では十分加熱されず、流下する。
【0041】ところが、前記補助コンデンサ40には、
寝込み冷媒を取り込んだ多量の冷媒が第1コンデンサ3
をバイパスして流れ込んでいるので、ここにおいて前記
空気は十分加熱されることになり、この高温となった空
気が車室内に吹き出されることになる。特に、第1エバ
ポレータ12により除湿された空気を補助コンデンサ4
0が加熱して暖房できるので、いわゆる内気循環モード
により暖房しても、フロントガラスが曇ることがなく、
窓晴れ状態で運転ができ、安全運転となる。
【0042】一方、リヤーユニット20では、第2エバ
ポレータ22に膨張弁5bにより減圧された冷媒が流入
する。暖房運転中にこの第2エバポレータ22で空気が
冷却されると、低温の空気が車室内に吹き出されること
になり、好ましくないので、当該第2エバポレータ22
に空気が通らないように、図外のドアを一時的に閉鎖し
ておくことが好ましい。これにより第2エバポレータ2
2をバイパスした空気は、風路20fの下流域に設けら
れた第2ヒータコア41によりある程度加熱されて吹き
出される。
【0043】ただし、この第2エバポレータ22を出た
冷媒は、サブ熱交換器30に入り、ここでエンジン冷却
水の熱を吸収してより高温の冷媒となり、しかも、この
冷媒はコンプレッサ2においてを再度加圧されて吐出さ
れることになるので、エントロピー変化した冷媒が前記
メインの冷房サイクルを通って補助コンデンサ40に供
給されることになる。このため、補助コンデンサ40に
おいて熱交換された空気は、より高温となり、より高い
暖房性能を発揮し、高温空気を車室内に吹き出すことに
なる。
【0044】この運転を暫く継続して行なっている間に
エンジン冷却水温が温度上昇して来ると、フロントユニ
ット10においては、第1ヒータコア11により加熱能
力が高まるとともにサブ熱交換器30による冷媒の加熱
能力も高まるので、これらの相乗的効果により相当高温
の空気が吹き出されることになる。つまり速やかに相当
高温の空気が吹き出されることになり、いわゆる即暖性
が向上することになる。
【0045】また、リヤーユニット20においても、第
2ヒータコア41による加熱能力が高まるので、ここで
も相当高温の空気が吹き出されることになる。なお、こ
のようにして第2ヒータコア41による加熱能力が高ま
ると、前記第2エバポレータ22の前面を閉鎖していた
ドアは開放しても良く、これにより除湿した空気を加熱
する除湿暖房が可能となる。これにより後席の窓も曇り
がなくなり、運転の安全性がより確保される。
【0046】暖房運転の安定期 エンジン冷却水温もある程度上昇し、車室内もある程度
温度上昇すると、エアコンスイッチを切り、コンプレッ
サ2の作動を停止し、両ヒータコア11,41のみの運
転により暖房を行なう。つまり、フロントユニット10
側は第1ヒータコア11のみにより、リヤーユニット2
0側は第2ヒータコア41のみにより、それぞれ暖房運
転を行なう。
【0047】このようにすれば、コンプレッサ2を不必
要に作動させることがないので、エンジン1には負荷が
かからず、省燃費の暖房運転を行なうことができる。
【0048】さらにエンジン冷却水の温度が高まってく
ると、フロントユニット10では、第1ヒータコア11
の前面に設けられたエアーミックスドア(図示せず)を
動作させることにより、当該第1ヒータコア11内を流
れる空気と当該第1ヒータコア11のバイパス通路14
(図3参照)を通る冷風との比率を調節し、これら温風
と冷風とを第1ヒータコア11の下流域でミックスし、
所定の温度の空気にして車室内に吹き出す。なお、この
ようなエアーミックス状態は、リヤーユニット20にお
いても同様に行なわれる。
【0049】冷房運転 前後席共に冷房する場合には、まず第1開閉弁V1 及び
第2開閉弁V2 を開放するとともに、四方弁6のスライ
ド部材Sを移動し、図2に示す状態にセットする。
【0050】この状態でコンプレッサを作動すると、メ
インの冷房サイクルでは、コンプレッサ2から吐出され
た冷媒は、図2に示すように、四方弁6→第1コンデン
サ3→補助コンデンサ40→リキッドタンク4→第1開
閉弁V1 →膨張弁5a→第1エバポレータ12へと流れ
る。またリキッドタンク4の部分から分岐された冷媒
は、第2開閉弁V2 →膨張弁5b→第2エバポレータ2
2→サブ熱交換器30へと流れる。
【0051】これによりインテークユニットからフロン
トユニット10の内部に導入された空気は、第1エバポ
レータ12において、低温低圧の冷媒と熱交換して除湿
された低温空気となる。
【0052】この空気は、温水コック11aが閉鎖さ
れ、第1ヒータコア11にエンジン冷却水が導かれてい
ないときは、加熱されず、当該第1ヒータコア11を単
に通過することになるが、第1ヒータコア11にエンジ
ン冷却水が導かれている場合には、図外のエアーミック
スドアにより第1ヒータコア11側に分配された空気が
加熱されて流下する。そして、当該第1ヒータコア11
の下流域において冷風と温風がミックスされ、所定の温
度にされて車室内に向けて吹き出される。この場合、前
記補助コンデンサ40においても、空気は加熱され、所
定の温度になって車室内に向けて吹き出される。なお、
この補助コンデンサ40において空気を加熱する必要が
ない場合については、後述する。
【0053】なお、冷房時にエンジン1からのエンジン
冷却水が、第1ヒータコア11及び第2ヒータコア41
ともに流れないようにするには、第2ヒータコア41の
温水回路にも温水コック(図示せず)を設け、第1ヒー
タコア11側の温水コック11aとともに同時に閉鎖す
ればよい。
【0054】一方、リヤーユニット20では、第2エバ
ポレータ22に膨張弁5bにより減圧された冷媒が流入
する。ここで空気が冷却されて、車室内に吹き出され
る。
【0055】なお、この冷風は、風路20fの下流域に
設けられた第2ヒータコア41によりある程度加熱され
て吹き出されるが、冷房効率を高めるためには、図外の
エアーミックスドアにより第2ヒータコア41を空気が
通らないようにする。温度調節した空気を吹き出したい
場合には、図外のエアーミックスドアにより第2ヒータ
コア41側に所定量の空気が導入するようにし、バイパ
ス通路24(図3参照)に残りの空気が流れるようにす
れば、当該第2ヒータコア41の下流域において冷風と
温風がミックスされ、所定の温度にされて車室内に向け
て吹き出されることになる。
【0056】この第2エバポレータ22を出た冷媒は、
サブ熱交換器30に入るが、ここでは、エンジン冷却水
の熱を吸収して確実に冷媒を蒸発させた後に、コンプレ
ッサ1に戻すようにしても良く、またサブ熱交換器30
にエンジン冷却水を導入せず、第2エバポレータ22を
出た冷媒をそのままの状態でコンプレッサ2に戻すよう
にしても良い。
【0057】なお、前席のみを冷暖房する場合には、開
閉弁V2 を閉鎖すればよく、後席のみを冷暖房する場合
には、開閉弁V1 を閉鎖すればよい。
【0058】本発明は、上述した実施の形態に限定され
るものではなく、特許請求の範囲の範囲内で種々改変す
ることができる。
【0059】例えば、実施の形態では、コンプレッサ2
から吐出された冷媒がすべて補助コンデンサ40に流入
するように構成されているが、これのみでなく、図示す
るように補助コンデンサ40に開閉弁V5 ,V6 を有す
るバイパス回路B2 を設け、これら開閉弁V5 ,V6 を
選択的に開閉することにより冷媒が補助コンデンサ40
をバイパスして流れるようにしても良い。
【0060】このようにすれば、補助コンデンサ40に
冷媒が導入されない状態を作り出すことができるので、
冷房時には補助コンデンサ40で空気が加熱されない効
率の良い運転ができ、冷房性能も高まる。
【0061】また、前記実施の形態では、四方弁6と戻
し回路Rを設け寝込み冷媒をコンプレッサ2に戻すよう
にしているが、本発明は、必ずしも寝込み冷媒をコンプ
レッサ2に戻すことなく運転を行ってもよい。この場合
には、四方弁6を使用せず、図3のように開閉弁V3 ,
V4 等を用いて構成すればよい。
【0062】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1に記載され
ている発明は、暖房起動時には、第1ユニット側では、
エンジン冷却水が流通する第1ヒータコアと、高温高圧
の冷媒が流通する補助コンデンサにより空気を加熱する
ので、高い暖房性能を発揮することになる。
【0063】請求項2に記載の発明は、暖房時にエンジ
ンが暖まると、コンプレッサを停止し、第1ユニット側
は第1ヒータコアのみにより、第2ユニット側は第2ヒ
ータコアのみにより、それぞれ暖房運転を行なうので、
コンプレッサは不必要に作動せず、省燃費の暖房運転を
行なうことができる。
【0064】請求項3に記載の発明は、第1エバポレー
タにより除湿した空気を加熱して暖房できるので、内気
循環により暖房しても、フロントガラスが曇ることがな
く、安全に運転することができる。
【0065】請求項4に記載の発明は、冷房運転時に、
第1ユニット側においては高温の冷媒が第2コンデンサ
をバイパスして流れるので、第1エバポレータを通過し
た冷たい空気を第2コンデンサが加熱して冷房性能を低
下させる虞れがなく、冷房性能も高まることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態を示す概略構成図であ
る。
【図2】 同実施の形態の冷房運転時の状態を示す概略
構成図である。
【図3】 従来の自動車用空気調和装置の概略構成図で
ある。
【図4】 従来の他の自動車用空気調和装置の概略構成
図である。
【符号の説明】
1…エンジン、 2…コンプレッサ、 3…第1コンデンサ、 10…フロントユニット(第1ユニット)、 10f…風路、 11…第1ヒータコア、 12…第1エバポレータ、 20…リヤーユニット(第2ユニット)、 20f…風路、 21…第2コンデンサ、 22…第2エバポレータ、 30…サブ熱交換器、 40…補助コンデンサ、 41…第2ヒータコア、 B…バイパス回路、 V…開閉弁。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1ユニット(10)の風路(10f)内に、エ
    ンジン冷却水が内部循環される第1ヒータコア(11)と、
    コンプレッサ(2)及び第1コンデンサ(3)とともに冷房
    サイクルを構成する第1エバポレータ(12)とを配置し、
    第2ユニット(20)の風路(20f)内に、前記冷房サイクル
    の冷媒の一部が導入されるように開閉弁(V)を介して前
    記第1エバポレータ(12)と並列的に接続された第2エバ
    ポレータ(22)を配置し、当該第2エバポレータ(22)の流
    出側に接続されかつ前記第2ユニット(20)の風路(20f)
    外に設けられたサブ熱交換器(30)により前記第2エバポ
    レータ(22)より流出された冷媒を前記エンジン冷却水の
    一部で加熱し冷房サイクルに戻しコンプレッサ(2)に帰
    還させるようにしたヒートポンプ式自動車用空気調和装
    置において、 前記第2ユニット(20)の風路(20f)内に前記第2エバポ
    レータ(22)を流過した後の空気を加熱するように前記エ
    ンジン冷却水の一部が内部循環される第2ヒータコア(4
    1)を配置する一方、前記第1ユニット(10)の風路(10f)
    内に前記冷房サイクルを流れる高温高圧の冷媒が内部を
    流通するように構成された補助コンデンサ(40)を配置し
    たことを特徴とするヒートポンプ式自動車用空気調和装
    置。
  2. 【請求項2】 前記コンプレッサ(2)は、暖房運転時に
    エンジン(1)が暖まると停止し、前記第1ヒータコア(1
    1)と第2ヒータコア(41)のみにより暖房運転を行なうよ
    うにしたことを特徴とする請求項1に記載のヒートポン
    プ式自動車用空気調和装置。
  3. 【請求項3】 前記補助コンデンサ(40)は、前記第1エ
    バポレータ(12)により冷却され前記第1ヒータコア(11)
    により加熱された空気を当該補助コンデンサ(40)により
    加熱するように構成したことを特徴とする請求項1又は
    2に記載のヒートポンプ式自動車用空気調和装置。
  4. 【請求項4】 前記補助コンデンサ(40)は、冷媒が当該
    補助コンデンサ(40)をバイパスして流れるバイパス回路
    (B2)が並設されていることを特徴とする請求項1〜3の
    いずれかに記載のヒートポンプ式自動車用空気調和装
    置。
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