JPH10119562A - ヒートポンプ式自動車用空気調和装置 - Google Patents

ヒートポンプ式自動車用空気調和装置

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JPH10119562A
JPH10119562A JP28092896A JP28092896A JPH10119562A JP H10119562 A JPH10119562 A JP H10119562A JP 28092896 A JP28092896 A JP 28092896A JP 28092896 A JP28092896 A JP 28092896A JP H10119562 A JPH10119562 A JP H10119562A
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JP
Japan
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evaporator
refrigerant
condenser
compressor
air
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JP28092896A
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Yoshitoshi Noda
圭俊 野田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】フロント側において除湿暖房を可能として暖房
性能の向上を図った「ヒートポンプ式自動車用空気調和
装置」を提供する。 【解決手段】サブエバポレータ30とフロントエバポレ
ータ12とを直列に接続し、これらをサブコンデンサ2
1の出口とコンプレッサ2の入口との間に設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジン冷却水と
冷媒を用いて自動車の車室内を冷暖房するようにしたヒ
ートポンプ式自動車用空気調和装置に関する。
【0002】
【従来の技術】高級車や車室内空間が大きいワンボック
スカーでは、室内全体が快適な空調状態となるように、
車室内の前方領域と後方領域とをフロントユニットとリ
ヤユニットとによってそれぞれ独立に空気調和するデュ
アルエアコンが広く採用されている。
【0003】この種のデュアルエアコンの中でもヒート
ポンプ式の自動車用空気調和装置は、暖房運転時におい
て、フロントユニットでは、エンジンにより加熱された
エンジン冷却水を熱源として利用する一方、リヤユニッ
トでは、コンプレッサにより圧縮された高温高圧の冷媒
を熱源として利用し、外部空気から熱を汲み上げて使用
するシステムとなっている。
【0004】ところが、この種の装置で暖房運転をする
場合、たとえば、冬季の朝のように外気温度が低いとき
には、起動時にエンジン冷却水の温度が低く、また、冷
媒温度の上昇速度も俊敏でないため、運転開始と同時に
暖かい空気が吹き出される状態になりにくく、いわゆる
即暖性に欠け、暖房性能も不足気味となるおそれがあ
る。特に、ディーゼルエンジンを搭載した車室内空間の
大きいワンボックスカーでは、通常のガソリンエンジン
車に比べ、エンジン冷却水の温度上昇が遅く、しかも広
い空間を暖房しなければならないことから、即暖性、暖
房性能ともに不足する傾向がある。
【0005】そこで、本件出願人は、このような課題を
解消すべく、エンジン冷却水の熱を利用して冷媒を加熱
し、エンタルピーが増加したより高温の冷媒を使用し
て、より高い暖房性能を発揮するようにしたヒートポン
プ式自動車用空気調和装置を提案した(たとえば、特願
平7−271621号参照)。
【0006】この自動車用空気調和装置は、たとえば、
図4に示すように、リヤユニット20のリヤエバポレー
タ22から流出した冷媒をサブエバポレータ30に流入
させ、このサブエバポレータ30にエンジン1から温水
バルブ31を通って導入されているエンジン冷却水によ
り加熱するようにしたものである。
【0007】この場合、従来では低温のため空気と熱交
換してもただちに暖房用として使用できなかったエンジ
ン冷却水を、サブエバポレータ30において、きわめて
低温の冷媒と熱交換させることにより、その冷媒はエン
ジン冷却水が保有する熱を有効に取り込んだ後、コンプ
レッサ2に戻され、再度加圧されることになるので、コ
ンプレッサ2から吐出された冷媒はより高温の冷媒とな
って、サブコンデンサ21に供給されることになる。そ
の結果、サブコンデンサ21において熱交換された空気
はより高温となるため、より高い暖房性能が発揮され、
即暖性も向上することになる。
【0008】なお、図4中、3はメインコンデンサ、4
は四方弁、5はバイパス通路、6は冷媒回収通路、7、
15、25は開閉弁、8、9は逆止弁、10はフロント
ユニット、11はヒータコア、12はフロントエバポレ
ータ、13、23はリキッドタンク、14、24は膨脹
弁、16は温水バルブである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに構成された自動車用空気調和装置にあっては、暖房
運転時に、開閉弁15を閉じてフロントユニット10の
フロントエバポレータ12に冷媒を流さないため、フロ
ント側では除湿されず、したがって窓曇り防止のためフ
ロントユニット10の吸込口は外気導入にする必要があ
る。このため、外気温度が低い時には、ヒータコア11
は低温の取り入れ空気をエンジン冷却水との熱交換によ
り加熱することになり、フロント側の吹出風温度があま
り上昇しないという問題があった。つまり、フロント側
について十分な暖房性能を得ることができなかった。
【0010】本発明は、本件出願人が現在開発中のヒー
トポンプ式自動車用空気調和装置における上記課題に着
目してなされたものであり、フロント側において除湿暖
房を可能として暖房性能の向上を図ったヒートポンプ式
自動車用空気調和装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、車室内の前方領域を対象と
し、エンジン冷却水が流通するヒータコアと、少なくと
もコンプレッサおよび第1コンデンサとともに冷凍サイ
クルを構成する第1エバポレータとが配置された第1ユ
ニットと、車室内の後方領域を対象とし、少なくとも前
記コンプレッサとともに冷凍サイクルを構成する第2コ
ンデンサが配置された第2ユニットとを有し、回路切換
弁を用いて前記コンプレッサからの冷媒を前記第1コン
デンサへ導く冷房運転用冷媒回路と前記冷媒を前記第1
コンデンサをバイパスする暖房運転用冷媒回路とを切り
換えるようにしたヒートポンプ式自動車用空気調和装置
において、前記エンジン冷却水を利用して流入した冷媒
を加熱する第2エバポレータと前記第1エバポレータと
を直列に接続して前記第1コンデンサの出口と前記コン
プレッサの入口との間に設けたことを特徴とする。
【0012】この発明にあっては、冷凍サイクルはコン
プレッサ、第1コンデンサ、第2コンデンサ、第1エバ
ポレータ、および第2エバポレータから構成され、第1
ユニット内の第1エバポレータと第2エバポレータとが
直列に接続されて第2ユニット内の第2コンデンサの出
口とコンプレッサの入口との間に設けられているので、
暖房運転時においても第1ユニット内の第1エバポレー
タには冷媒が流通することになり、第1ユニットに取り
入れられた空気は、第1エバポレータを通過することに
よって冷却、除湿される。つまり、第1ユニットでは第
1エバポレータとヒータコアとで除湿暖房および冷房が
行われる。このため、暖房運転時には、第1ユニットの
吸込口を内気循環にして使用することが可能となり、第
1ユニットの吹出風温度を高くすることができる。一
方、第2ユニットには第2コンデンサのみが設けられて
いるので、第2ユニットに取り入れられた空気は第2コ
ンデンサを通過することによって加熱される。つまり、
第2ユニットでは専ら暖房のみが行われる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を使って、本発明の実
施の形態を説明する。図1、図2はそれぞれ本発明のヒ
ートポンプ式自動車用空気調和装置の一実施形態を示す
概略構成図であり、図1は暖房運転時の状態を示し、図
2は冷房運転時の状態を示しており、図4と共通する部
材には同一の符号を付してある。また、同図中、白抜き
矢印は空気の流れを、実線矢印は冷媒の流れを、破線矢
印はエンジン冷却水の流れをそれぞれ示している。
【0014】この自動車用空気調和装置は、図示しない
インテークユニットで選択的に取り入れた内外気を空気
調和して車室内の前方領域(たとえば、前席)に向かっ
て吹き出すための第1ユニットとしてのフロントユニッ
ト10と、内気を空気調和して車室内の後方領域(たと
えば、後席)に向かって吹き出すための第2ユニットと
してのリヤユニット20とを有する、いわゆるデュアル
エアコンである。
【0015】フロントユニット10は、ケーシングによ
り形成された風路10f内に、白抜き矢印で示す空気の
流れ方向上流側から順に、インテークドアとブロア装置
(共に図示せず)、そして、第1エバポレータとしての
フロントエバポレータ12、エアミックスドア(図示せ
ず)、およびヒータコア11が配置され、また、空気の
流れ方向下流側には、車室内の前席への吹出口(図示せ
ず)が形成されている。なお、前記エアミックスドア
は、ヒータコア11の前面に設けられ、ヒータコア11
を通過した温風とこれを迂回した冷風との比率を調節し
てヒータコア11の下流域で所望温度の空気を作った
り、あるいはヒータコア11に空気が流通しないように
している。
【0016】また、ヒータコア11には、温水バルブ1
6を開にすることにより、エンジン1から流出したエン
ジン冷却水が導入されるようになっている。
【0017】一方、リヤユニット20は、ケーシングに
より形成された風路20f内に、第2コンデンサとして
のサブコンデンサ21のみが配置され、また、その下流
側には、車室内の後席への吹出口(図示せず)が形成さ
れている。なお、リヤユニット20も、サブコンデンサ
21の前面にエアミックスドアを設け、サブコンデンサ
21を通過した温風とこれを迂回した冷風との比率を調
節してサブコンデンサ21の下流域で所望温度の空気を
作ったり、あるいはサブコンデンサ21に空気が流通し
ないように構成することもできる。
【0018】サブエバポレータ30は、第2エバポレー
タとして機能する熱交換器であって、フロントユニット
10およびリヤユニット20の風路10f、20f外に
設けられ、かつ、フロントエバポレータ12と直列に接
続されている。すなわち、ここでは、サブエバポレータ
30をフロントエバポレータ12の出口とコンプレッサ
2の入口との間に設け、さらにこれらサブエバポレータ
30およびフロントエバポレータ12をサブコンデンサ
21の出口とコンプレッサ2の入口との間に設けてあ
る。このサブエバポレータ30には、内部を流れる冷媒
と熱交換を行うためのエンジン冷却水がエンジン1から
温水バルブ31を開くことにより導入される。このサブ
エバポレータ30においては、内部を流通する冷媒がエ
ンジン冷却水により加熱されることになり、これにより
エンタルピーが増加したより高温の冷媒をコンプレッサ
2に戻し、より高い暖房性能を発揮させるようにしてい
る。このとき、好ましくは、膨脹弁24の感熱部24a
はサブエバポレータ30の出口に取り付けられている。
これにより、サブエバポレータ30で加熱された後の冷
媒温度によって冷媒流量が調整されるため、サブエバポ
レータ30作動時にはより多量の冷媒が循環することに
なり、より一層高い暖房性能が発揮されるようになる。
【0019】これらフロントユニット10およびリヤユ
ニット20にそれぞれ設けられたフロントエバポレータ
12およびサブコンデンサ21、ならびにユニット外に
設けられたサブエバポレータ30を構成部品(熱交換
器)として、冷凍サイクルが構成されている。すなわ
ち、冷凍サイクルは、エンジン1によって回転駆動され
るコンプレッサ2、回路切換弁としての四方弁4、第1
コンデンサとしてのメインコンデンサ3、サブコンデン
サ21、リキッドタンク23、膨脹弁24、フロントエ
バポレータ12、サブエバポレータ30を冷媒配管で接
続して構成されている。この冷凍サイクルによって、フ
ロントユニット10では冷房および除湿が行われ、リヤ
ユニット20では暖房が行われることとなる。
【0020】このように構成したのは、リヤユニット2
0における除湿効果および冷房効果よりも、フロントユ
ニット10に除湿効果を持たせることを優先したことに
よる。つまり、前述したように、図4に示す従来のシス
テムでは、暖房運転時において、フロントエバポレータ
12に冷媒を流さないため、フロントユニット10では
除湿が行われず、窓曇り防止を優先すべき結果として十
分な暖房性能が得られないことがある。このため、リヤ
ユニット20にリヤエバポレータ22を設けて除湿効果
および冷房効果を持たせるよりも、むしろオプション的
性格の強いリヤユニット20は暖房専用ユニットとし、
一方で、窓晴れが要求されるフロント側に除湿効果を持
たせて窓曇りの防止と暖房性能の向上の両立を図り、こ
のとき全体としても暖房性能を高めることの方が好まし
いからである。
【0021】なお、暖房運転時の冷媒回路(暖房運転用
冷媒回路)と冷房運転時の冷媒回路(冷房運転用冷媒回
路)との切り換えは、四方弁4を用いて行われ、暖房運
転時には、四方弁4を図1に示す状態に設定して、コン
プレッサ2から吐出された冷媒をバイパス通路6に導
き、一方、冷房運転時には、四方弁4を図2に示す状態
に設定して、コンプレッサ2から吐出された冷媒をメイ
ンコンデンサ3に導くようにする。
【0022】また、冷媒回収通路6は、外気温度が低く
エンジン冷却水をただちに暖房用熱源として使用できな
い場合に、メインコンデンサ3等に滞留しているいわゆ
る寝込み冷媒を開閉弁7を開くことによりコンプレッサ
2に戻し、多量の冷媒を用いて性能の高い暖房ができる
ようにするためのものである。
【0023】また、サブエバポレータ30の設置位置
は、本案のように、フロントエバポレータ12の出口と
コンプレッサ2の入口との間に限定されるわけではな
く、図3に示すように、サブコンデンサ21の出口(よ
り正確には、膨脹弁24の冷媒出口)とフロントエバポ
レータ12の入口との間であってもよい。このとき、サ
ブコンデンサ21で放熱された冷媒は、膨脹弁24を通
り、サブエバポレータ30でエンジン冷却水との熱交換
により吸熱させた後もう一度フロントエバポレータ12
で今度は取り入れ空気との熱交換により吸熱させる。こ
れによっても、フロントユニット10は除湿効果を得る
ことができ、かつ、全体として暖房性能を高めることが
できる。
【0024】次に、全体の動作を説明する。ここでは、
図1、図2に示すシステムを例にとる。
【0025】暖房運転時 前後席共に暖房する場合には、四方弁4を図1に示す状
態に設定し、開閉弁7を所定時間だけ開にする。この状
態でコンプレッサ2を作動させると、主としてメインコ
ンデンサ3等の内部に寝込んでいる冷媒が、四方弁4お
よび冷媒回収通路6を通ってコンプレッサ2の吸入側に
導かれ、回収される。これにより、コンプレッサ2は多
量の冷媒を吐出しうる運転状態となり、コンプレッサ2
から吐出された高温高圧の冷媒は、四方弁4→逆止弁9
→バイパス通路5→サブコンデンサ21→リキッドタン
ク23→膨脹弁24→フロントエバポレータ12→サブ
エバポレータ30と流れて、コンプレッサ2に帰還す
る。
【0026】また、温水バルブ16、31は共に開に
し、エンジン1の始動によりヒータコア11にもある程
度温度上昇したエンジン冷却水を流通させるとともに、
サブエバポレータ30にもエンジン冷却水を流通させて
おく。
【0027】これにより、フロントユニット10では、
フロントエバポレータ12が機能するため、取り入れ空
気は、フロントエバポレータ12を通過することにより
冷却、除湿された後、ヒータコア11を通過することに
より加熱される。したがって、フロントユニット10で
は除湿暖房が実現されて、フロントユニット10から車
室内へ温風が供給される。
【0028】また、このようにフロントユニット10に
おいて除湿効果が得られることから、吸込口を内気循環
にしても窓曇りが生じないため、吸込口を内気循環にし
て使用できるようになる。内気循環にした場合には、加
熱された車室内空気(内気)を取り入れて再度ヒータコ
ア11で加熱するため、加熱の効率が高く、より迅速に
より高い吹出風温度を得ることができる。つまり、フロ
ント側において、窓曇りを防止しつつ暖房性能の向上を
図ることができる。
【0029】一方、リヤユニット20では、コンプレッ
サ2から吐出された高温高圧のガス冷媒が、四方弁5
(および逆止弁9)を介してサブコンデンサ21に流入
する。サブコンデンサ21に流入した高温高圧のガス冷
媒は、車室内空気(内気)との熱交換により空気を加熱
して凝縮液化し、中温高圧の液冷媒となり、膨脹弁24
で断熱膨脹され、蒸発しやすい低温低圧の気液混合冷媒
となって、フロントエバポレータ12へと流れる。した
がって、取り入れ空気(内気)はサブコンデンサ21で
加熱されるので、リヤユニット20においても温風を車
室内へ供給することができる。
【0030】このとき、サブコンデンサ21による加熱
効果はサブエバポレータ30によってさらに高くなる。
すなわち、フロントエバポレータ12で蒸発しサブエバ
ポレータ30に流入した低温低圧のガス冷媒は、エンジ
ン冷却水との熱交換により加熱され、より高温となって
コンプレッサ2に吸入され、再度圧縮されるので、コン
プレッサ2から吐出される冷媒の温度はより高温とな
り、高い暖房性能が発揮され、即暖性が向上する。
【0031】しかも、ここでは、膨脹弁24の開度が感
熱部24aで検知されるサブエバポレータ30出口の冷
媒温度によって調整されるため、サブエバポレータ30
の出口の冷媒温度がエンジン冷却水との熱交換により
(より正確には、フロントエバポレータ12で空気との
熱交換により吸熱した後、さらにサブエバポレータ30
でエンジン冷却水との熱交換により吸熱して)上昇する
と、膨脹弁24の開度が大きくなり、より多量の冷媒が
循環するようになる。サブコンデンサ21の暖房能力
(放熱性能)は冷媒の温度と流量に関係するため、吐出
冷媒の温度が上昇しかつ流量も増加することで、より高
い暖房性能および即暖性が得られる。
【0032】また、この運転をしばらく継続して行って
いる間にエンジン冷却水の温度が上昇してくると、ヒー
タコア11の加熱能力の高まりとともにサブエバポレー
タ30による冷媒の加熱能力も高まるので、サブエバポ
レータ30における冷媒の吸熱量自体が増加し、コンプ
レッサ2に吸入される冷媒の温度は相乗的に上昇するこ
とになり、かかる相乗的効果により相当高温の空気がよ
り短時間に吹き出されることにもなる。
【0033】また、サブコンデンサ21から流出しコン
プレッサ2に吸入される冷媒は、その途中において、フ
ロントエバポレータ12で空気との熱交換により吸熱し
た後もう一度サブエバポレータ30でエンジン冷却水と
の熱交換により吸熱するため、かかる2段階の吸熱作用
により、冷凍サイクルにおける吸熱量が増加する。この
ことも、コンプレッサ2からの冷媒の温度上昇、ひいて
はサブコンデンサ21の放熱量の増大の一因となる。
【0034】なお、このとき、サブコンデンサ21で凝
縮した冷媒は、リキッドタンク23に貯溜されるため、
冷凍サイクル内を流れる冷媒量を適切に管理することが
できる。
【0035】冷房運転時 前席を冷房する場合には、四方弁4を図2に示す状態に
設定し、また、少なくとも温水バルブ31は閉にしてサ
ブエバポレータ30にエンジン冷却水が流れないように
しておく。この状態でコンプレッサ2を作動させると、
コンプレッサ2から吐出された冷媒は、四方弁4→メイ
ンコンデンサ3→逆止弁8→サブコンデンサ21→リキ
ッドタンク23→膨脹弁24→フロントエバポレータ1
2→サブエバポレータ30と流れて、コンプレッサ2に
帰還する。このとき、サブコンデンサ21とサブエバポ
レータ30は共に機能しない。
【0036】これにより、フロントユニット10では、
フロントエバポレータ12が機能するため、取り入れ空
気は、フロントエバポレータ12を通過することにより
冷却されて、車室内の前席へ冷風が供給される。
【0037】なお、このとき、メインコンデンサ3で凝
縮した冷媒は、リキッドタンク23に貯溜されるため、
冷凍サイクル内を流れる冷媒量を適切に管理することが
できる。
【0038】本発明は、上述した実施の形態に限定され
るものではなく、特許請求の範囲の範囲内において種々
改変することができる。
【0039】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、車
室内の前方領域を対象とする第1ユニットに除湿効果を
持たせて除湿暖房を可能としたので、吸込口を内気循環
にして使用することにより、第1ユニットの暖房性能の
向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るヒートポンプ式自動
車用空気調和装置の暖房運転時の状態を示す概略構成図
である。
【図2】同装置の冷房運転時の状態を示す概略構成図で
ある。
【図3】本発明の他の一実施形態に係るヒートポンプ式
自動車用空気調和装置を示す概略構成図である。
【図4】従来のヒートポンプ式自動車用空気調和装置の
概略構成図である。
【符号の説明】
1…エンジン 2…コンプレッサ 3…メインコンデンサ(第1コンデンサ) 4…四方弁(回路切換弁) 5…バイパス通路 10…フロントユニット(第1ユニット) 11…ヒータコア 12…フロントエバポレータ(第1エバポレータ) 20…リヤユニット(第2ユニット) 21…サブコンデンサ(第2コンデンサ) 23…リキッドタンク 24…膨脹弁 30…サブエバポレータ(第2エバポレータ) 31…温水バルブ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車室内の前方領域を対象とし、エンジン冷
    却水が流通するヒータコア(11)と、少なくともコン
    プレッサ(2)および第1コンデンサ(3)とともに冷
    凍サイクルを構成する第1エバポレータ(12)とが配
    置された第1ユニット(10)と、 車室内の後方領域を対象とし、少なくとも前記コンプレ
    ッサ(2)とともに冷凍サイクルを構成する第2コンデ
    ンサ(21)が配置された第2ユニット(20)とを有
    し、 回路切換弁(4)を用いて前記コンプレッサ(2)から
    の冷媒を前記第1コンデンサ(3)へ導く冷房運転用冷
    媒回路と前記冷媒を前記第1コンデンサ(3)をバイパ
    スする暖房運転用冷媒回路とを切り換えるようにしたヒ
    ートポンプ式自動車用空気調和装置において、 前記エンジン冷却水を利用して流入した冷媒を加熱する
    第2エバポレータ(30)と前記第1エバポレータ(1
    2)とを直列に接続して前記第1コンデンサ(21)の
    出口と前記コンプレッサ(2)の入口との間に設けたこ
    とを特徴とするヒートポンプ式自動車用空気調和装置。
JP28092896A 1996-10-23 1996-10-23 ヒートポンプ式自動車用空気調和装置 Withdrawn JPH10119562A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001015922A1 (fr) * 1999-08-27 2001-03-08 Zexel Valeo Climate Control Corporation Climatiseur pour vehicule
WO2003051657A1 (en) * 2001-12-19 2003-06-26 Sinvent As Vapor compression system for heating and cooling of vehicles
JP2013523505A (ja) * 2010-03-25 2013-06-17 ヴァレオ システム テルミク 2つの膨張部材の間に直接配置された熱交換器を含む空調ループ

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