JP3704788B2 - 車両用空調装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、除湿機能を備えた車両用空調装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
燃焼式エンジンを搭載していない電気自動車や、エンジンの冷却損失が極めて少ない直接燃料噴射式ディーゼルエンジン車並びにハイブリッド動力搭載車が徐々に普及しはじめたのに伴って、エンジンの排熱量が暖房熱源として利用できなかったり、不足するようになってきている。
【0003】
上記のような問題を解決するものとして、車外側熱交換器において車外空気から冷媒に吸熱した熱を車内側熱交換器で車内空気へ放熱することにより車室内暖房を行う冷凍サイクルを有する自動車用ヒートポンプ式空調装置が開発されてきている。しかし、ヒートポンプ式空調装置の場合、冷凍サイクルにおける冷媒の循環方向を単純に切り換えて冷房あるいは暖房を行うこととなっているため、暖房運転時に車内空気の湿度が高くなると、ウィンドが曇ってしまうという不具合が生ずる。
【0004】
そこで、暖房運転時における車内空気の湿度を低下させるために、前記冷凍サイクルに暖房運転時に蒸発器として作用する除湿用熱交換器を接続するとともに配管系を工夫することによって除湿暖房を可能ならしめるようにした車両用空調装置が提案されている(例えば、特開平4ー151324号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記公知例の車両用空調装置においては、除湿用熱交換器を通過して除湿冷却された空気は、暖房運転時に凝縮器として作用している車内側熱交換器を通過する際に加熱された後、車室内へ吹き出されることとなっているため、除湿は可能であっても、車室内への全ての空気吹出口からは同温度の空調空気が吹き出されることとなり、乗員にとって快適とされている頭寒足熱暖房が行えないという不具合が残る。
【0006】
本願発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、ヒートポンプ除湿暖房とともに頭寒足熱暖房をできるようにすることを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本願発明の基本構成では、上記課題を解決するための手段として、冷媒圧縮用の圧縮機と、車室への空調空気通路外にあって該空調空気通路外の空気と熱交換する車外側熱交換器と、前記空調空気通路内にあって該空調空調通路内の空気と熱交換する車内側熱交換器と、該車内側熱交換器へ供給される冷媒の圧力を減圧する冷房用減圧手段と、該冷房用減圧手段に対して並列に接続された除湿用熱交換器と、該除湿用熱交換器へ供給される冷媒の圧力を減圧する暖房用減圧手段とからなる冷凍サイクルを備え、
前記冷凍サイクルを循環する冷媒の循環方向を変更して前記車内側熱交換器での冷媒状態を変化させることにより、該車内側熱交換器を通過する空気を加熱あるいは冷却するとともに、前記除湿用熱交換器を前記空調空気通路における車内側熱交換器の上流側に配設した自動車空調装置を前提とし、前記暖房用減圧手段は、減圧度が可変に構成され、
乗員が車室内の温度を設定するための温度設定器が設けられ、
前記温度設定器によって設定された設定温度が高いほど前記暖房用減圧手段の減圧度を小さくするように制御する手段を備え、
前記空調空気通路における前記除湿用熱交換器よりも下流側であって前記車内側熱交換器の上流側から該車内側熱交換器を経由しない空調空気を乗員の上半身に向けて吹き出す分岐通路を付設して、除湿暖房運転時に頭寒足熱暖房を行い得るようにしている。
【0008】
本願発明の基本構成において、前記暖房用減圧手段として減圧度が可変なものを採用した場合、分岐通路を介して乗員上半身へ吹き出される空調空気の温度が快適に制御できる点で好ましく、その場合において、暖房運転時に前記除湿用熱交換器の下流で且つ前記車外側熱交換器の上流となる冷媒流通路に、減圧度が可変とされた可変式減圧手段を介設し、前記設定温度が高いほど可変式減圧手段の減圧度を大きくするように制御する手段を備えれば、乗員上半身以外へ吹き出される空調空気の温度が不安定になるのを防止できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照して、本願発明の幾つかの好適な実施の形態について詳述する。
【0012】
第1の実施の形態
図1には、本願発明の第1の実施の形態にかかる車両用空調装置が示されている。
【0013】
この車両用空調装置は、冷媒圧縮用の圧縮機1と、該圧縮機1の吐出側に接続された四路切換弁2と、後述する空調空気通路10外の空気と熱交換する車外側熱交換器3と、前記空調空調通路10内の空気と熱交換する車内側熱交換器4と、該車内側熱交換器4へ供給される冷媒の圧力を減圧する冷房用減圧手段5と、該冷房用減圧手段5に対して並列に接続された除湿用熱交換器6と、該除湿用熱交換器6へ供給される冷媒の圧力を減圧する暖房用減圧手段7と、前記圧縮機1の吸入側に設けられたアキュムレータ8とからなる冷凍サイクルAを備えている。なお、この場合、冷房用および暖房用減圧手段5,7としては、減圧度が変化しない固定式の減圧手段(例えば、キャピラリチューブ等)が採用されている。
【0014】
そして、前記四路切換弁2の切換作動により、前記冷凍サイクルAを循環する冷媒の循環方向を変更(即ち、冷房運転時には圧縮機1の吐出側を車外側熱交換器3に、吸入側を車内側熱交換器4に連通させる一方、暖房運転時には圧縮機1の吐出側を車内側熱交換器4に連通させ、吸入側を車外側熱交換器3に連通させるように変更)して前記車内側熱交換器4での冷媒状態を変化させることにより、該車内側熱交換器4を通過する空気を加熱あるいは冷却するように構成されている。
【0015】
前記車内側熱交換器4および除湿用熱交換器6は、車室内前方部に形成された空調ユニットケース9内の空調空気通路10に配設されており、上流側に除湿用熱交換器6が、下流側に車内側熱交換器4が位置せしめられている。該空調ユニットケース9には、乗員の足元付近へ空調空気を吹き出すヒート吹出口13、ウィンド側へ空調空気を吹き出すデフ吹出口14および乗員の上半身へ向けて空調空気を吹き出すベント吹出口15が設けられており、ヒート吹出口13およびデフ吹出口14の入口を選択して開閉するダンパ11と、ベント吹出口15の入口を開閉するダンパ12とが付設されている。
【0016】
この空調空気通路10には、図示しないブロアユニットにより車内空気あるいは車外空気が選択されて吸引され、前記除湿用熱交換器6および車内側熱交換器4を通過して除湿冷却後に加熱された空調空気とされあるいは車内側熱交換器4を通過して冷却された空調空気とされ、ダンパ11,12の開閉操作によってヒート吹出口13、デフ吹出口14およびベント吹出口15が選択されて車室内へ吹き出されるようになっている。
【0017】
しかして、前記空調ユニットケース9には、前記空調空気通路10における前記除湿用熱交換器6よりも下流側であって前記車内側熱交換器4の上流側から該車内側熱交換器4を経由しない空調空気を前記ベント吹出口15へ導く(換言すれば、乗員の上半身へ向けて吹き出す)分岐通路16が設けられており、該分岐通路16の入口には、該分岐通路16を必要に応じて開閉するダンパ17が設けられている。
【0018】
さらに、前記冷房用減圧手段5を有する冷媒流通路18および前記暖房用減圧手段7を有する冷媒流通路19には、冷房運転時および暖房運転時にのみ冷媒流通を許容する逆流防止手段として作用する逆止弁20,21がそれぞれ設けられている。
【0019】
上記のように構成された車両用空調装置は次のように作用する。
【0020】
(I) 暖房運転時
冷凍サイクルAは、四路切換弁2を切換作動させることにより、実線矢印で示すように、圧縮機1→四路切換弁2→車内側熱交換器4→暖房用減圧手段7→逆止弁21→除湿用熱交換器6→車外側熱交換器3→四路切換弁2→アキュムレータ8→圧縮機1の順で冷媒が循環するヒートポンプサイクルを構成する。このヒートポンプサイクルにおいては、冷媒は圧縮機1で高温高圧のガス状態となり、車内側熱交換器4で放熱して液化し、暖房用減圧手段7で減圧されて低温低圧となり、除湿用熱交換器6で加熱されて一部が蒸発し、車外側熱交換器3でさらに加熱されて大部分または全部が蒸発気化した後、アキュムレータ8を経て再び圧縮機1へ還流する。
【0021】
一方、空調ユニットケース9におけるダンパ12,17は閉止され、その空調空気通路10にブロアユニット(図示省略)により吸引された空気は、除湿用熱交換器6で冷却除湿された後、車内側熱交換器4で加熱され、ダンパ11,12の開閉操作によってヒート吹出口13、デフ吹出口14およびベント吹出口15が選択されて車室内へ吹き出されるが、いずれの吹出口から吹き出される空調空気(即ち、温風)も同じ温度である。ダンパ11は、図示のように中間位置(即ち、ヒート吹出口13およびデフ吹出口14がともに開状態)としてもよいが、乗員の足元が寒い場合にはダンパ11によりデフ吹出口14を全閉状態としてもよく、ウィンドが曇る場合にはダンパ11によりヒート吹出口13を全閉状態としてもよい。
【0022】
ところで、上記した暖房運転では、除湿暖房は可能であっても、各吹出口13,14,15から吹き出される空調空気(即ち、温風)の温度が同じであるため、乗員の上半身(特に、顔面)がほてってきて不快感が生じることがある。このように現象を回避するためには、所謂頭寒足熱暖房が要求される。
【0023】
この頭寒足熱暖房が要求される時には、ダンパ17を開作動させる。すると、除湿用熱交換器6を通過して冷却除湿された空気(即ち、冷風)の一部が分岐通路16を通ってベント吹出口15から乗員の上半身に向けて吹き出され、残りが車内側熱交換器4で加熱された後、ヒート吹出口13およびデフ吹出口14から車室内へ吹き出される。
【0024】
従って、乗員は、上半身へ向けて吹き出される空気(即ち、冷風)によって頭寒を感じ、足元に吹き出される空気(即ち、温風)によって足熱を感じることとなり、補助ヒータ等を用いることなく頭寒足熱暖房が可能となる。また、エアミックスダンパも不要となる。しかも、除湿用熱交換器6により冷却除湿された空気を直接乗員の上半身に向けて吹き出すこととなっているため、大能力の除湿用熱交換器を採用する必要がなくなり、除湿用熱交換器の小型化・薄型化を図ることが可能となり、車室内空間の拡大および対衝突性の向上に大いに寄与する。
【0025】
(II) 冷房運転時
冷凍サイクルAは、四路切換弁2を切換作動させることにより、点線矢印で示すように、圧縮機1→四路切換弁2→車外側熱交換器3→冷房用減圧手段5→逆止弁20→車内側熱交換器4→四路切換弁2→アキュムレータ8→圧縮機1の順で冷媒が循環するヒートポンプサイクルを構成する。このヒートポンプサイクルにおいては、冷媒は圧縮機1で高温高圧のガス状態となり、車外側熱交換器3で放熱して液化し、冷房用減圧手段5で減圧されて低温低圧となり、車内側熱交換器4で蒸発気化した後、アキュムレータ8を経て再び圧縮機1へ還流する。
【0026】
一方、空調ユニットケース9におけるダンパ17は閉止され、その空調空気通路10にブロアユニット(図示省略)により吸引された空気は、車内側熱交換器4で冷却され、ダンパ11,12の開閉操作によってヒート吹出口13、デフ吹出口14およびベント吹出口15が選択されて車室内へ吹き出される。ダンパ11は中間位置(即ち、ヒート吹出口13およびデフ吹出口14がともに開状態)としてもよいが、必要に応じてヒート吹出口13あるいはデフ吹出口14を全閉状態としてもよい。
【0027】
第2の実施の形態
図2ないし図4には、本願発明の第2の実施の形態にかかる車両用空調装置が示されている。
【0028】
この場合、暖房用減圧手段7として、冷媒循環サイクル作動中に減圧度を変更できる可変式のものを採用している。このような可変式減圧手段の例としては、図3に示す電磁式膨張弁がある。その他の構成は、第1の実施の形態におけると同様なので説明を省略する。
【0029】
この暖房用減圧手段7は、弁本体22内の弁孔23に直交する方向から侵入するニードル弁体24を備えており、該ニードル弁体24の侵入度により弁孔23の開度(換言すれば、減圧度)が変更できるようになっている。前記ニードル弁体24は、スプリング25によりバックアップされるとともに、アクチュエータとして作用するソレノイド26の磁力変化(換言すれば、供給電圧変化)により進退せしめられることとなっている。符号27は前記弁孔23の入口側と出口側とを連通する均圧通路である。
【0030】
そして、この暖房用減圧手段7の制御は、図4に示すように、空調コントロールパネルに設けられた温度設定器28からの設定温度信号と、除湿用熱交換器6における冷媒圧力を検出する冷媒圧力検出器29からの検出圧力信号とを制御ユニット30で演算し、該制御ユニット30からの制御信号により暖房用減圧手段7の減圧度を制御するアクチュエータであるソレノイド26を駆動することにより行われることとなっている。なお、暖房用減圧手段7の減圧度制御アクチュエータの制御は、図5に示す特性図(設定温度ー除湿用熱交換器冷媒圧力特性図)に基づいて行われる。
【0031】
例えば、乗員が温度設定器28により設定温度を高めに設定した場合には、制御ユニット30は、暖房用減圧手段7の減圧度が小さくなるように制御し、これによって除湿用熱交換器6の冷媒蒸発圧力を高めに制御し、除湿用熱交換器6の冷媒蒸発温度を高めに制御する。従って、頭寒足熱暖房を行う場合に、分岐通路16を通ってベント吹出口15から乗員の上半身に向けて吹き出される空調空気(即ち、冷風)の温度が高めに制御されることとなる。一方、乗員が温度設定器28により設定温度を低めに設定した場合には、制御ユニット30は、暖房用減圧手段7の減圧度が大きくなるように制御し、これによって除湿用熱交換器6の冷媒蒸発圧力を低めに制御し、除湿用熱交換器6の冷媒蒸発温度を低めに制御する。従って、頭寒足熱暖房を行う場合に、分岐通路16を通ってベント吹出口15から乗員の上半身に向けて吹き出される空調空気(即ち、冷風)の温度が低めに制御されることとなる。
【0032】
ところで、温度設定器28による設定温度を変化させないのに、気温や走行速度の変動によって除湿用熱交換器6の冷媒圧力が変動し、乗員の上半身へ向けて吹き出される空調空気(即ち、冷風)の温度が変動すると、乗員が不快に感じることがある。そのため、除湿用熱交換器6の冷媒圧力検出器29からの検出圧力信号を制御ユニット30で演算し、暖房用減圧手段7の減圧度を制御するアクチュエータ(即ち、ソレノイド26)の動きを補正することによって乗員の上半身へ向けて吹き出される空調空気(即ち、冷風)の温度が変動するのを防止するようにしている。
【0033】
なお、均一暖房を行う場合にも、除湿用熱交換器6の冷媒蒸発温度が上記のように制御されることにより、設定温度に従って除湿用熱交換器6の冷媒蒸発温度が変化するのであるが、設定温度を高めにすると冷媒蒸発温度が高めとなり、設定温度を低めにすると冷媒蒸発温度が低めとなるので、第1の実施の形態におけるように固定式の暖房用減圧手段を用いた場合に比べると、空調空気(即ち、冷風)の相対湿度が一定する方向の制御となるところから弊害が発生しにくく、むしろ乗員の呼吸器系の健康上から好ましい制御となる。また、冷房運転時には、暖房用減圧手段7は冷媒圧力に関与しないため、可変式のものを採用したことによる影響は生じない。
【0034】
その他の作用効果は、第1の実施の形態におけると同様なので重複を避けて説明を省略する。
【0035】
第3の実施の形態
図6および図7には、本願発明の第3の実施の形態にかかる車両用空調装置が示されている。
【0036】
この場合、暖房運転時に除湿用熱交換器6の下流で且つ車外側熱交換器3の上流となる冷媒流通路31には、減圧度が可変とされた可変式減圧手段32が介設されている。該可変式減圧手段32としては、第2の実施の形態における暖房用減圧手段7と同様な構造の電磁式膨張弁が採用される。その他の構成は、第1の実施の形態におけると同様なので説明を省略する。
【0037】
そして、この可変式減圧手段32の制御は、図7に示すように、空調コントロールパネルに設けられた温度設定器28からの設定温度信号と、除湿用熱交換器6における冷媒圧力を検出する冷媒圧力検出器29からの検出圧力信号と、空調コントロールパネルに設けられた運転切換スイッチ33からの冷媒循環モード選定信号と、車内側熱交換器4における冷媒圧力を検出する冷媒圧力検出器34からの検出冷媒圧力信号とを制御ユニット30で演算し、該制御ユニット30からの制御信号により暖房用減圧手段7の減圧度を制御するアクチュエータと可変式減圧手段32の減圧度を制御するアクチュエータとを駆動することにより行われることとなっている。なお、可変式減圧手段32の減圧度制御アクチュエータの制御は、図8に示す特性図(設定温度ー車内側熱交換器冷媒圧力特性図)に基づいて行われる。
【0038】
例えば、乗員が温度設定器28により設定温度を高めに設定した場合には、第2の実施の形態におけると同様な制御を制御ユニット30により暖房用減圧手段7に対しては行うのに伴って、頭寒足熱暖房を行う場合に乗員の上半身に向かって分岐通路16を通ってベント吹出口15から吹き出される空調空気(即ち、冷風)は高めに制御される一方、車外側熱交換器3の吸熱能力が低下して冷媒循環サイクルの暖房能力が低下し、乗員の足元へヒート吹出口13から吹き出される空調空気(即ち、温風)の温度が低くなり過ぎる場合が生じる。
【0039】
これに対して、可変式減圧手段32の減圧度は制御ユニット30により大きめに制御される。これによって、車外側熱交換器3の冷媒蒸発圧力が、第2の実施の形態における場合に比べて低めに制御されるので、車外側熱交換器3の吸熱能力が向上して冷媒循環サイクルの暖房能力が向上し、乗員の足元へヒート吹出口13から吹き出される空調空気(即ち、温風)の温度が十分に上昇する。
【0040】
また、乗員が温度設定器28により設定温度を低めに設定した場合には、第2の実施の形態におけると同様な制御を制御ユニット30により暖房用減圧手段7に対して行うことによって、暖房用減圧手段7の減圧度だけでも車外側熱交換器3の冷媒蒸発圧力が十分に下がる。
【0041】
これに対して、可変式減圧手段32の減圧度は制御ユニット30により小さめに制御される。これによって、車外側熱交換器3の冷媒蒸発圧力が第2の実施の形態におけると同等に制御されるので、車外側熱交換器3の吸熱能力が必要以上に向上することがなくなり、乗員の足元へヒート吹出口13から吹き出される空調空気(即ち、温風)の温度が必要以上に上昇することがなくなる。
【0042】
一方、温度設定器28による設定温度を変化させないのに、気温や走行速度の変動によって除湿用熱交換器6の冷媒圧力が変動し、乗員の上半身へ向けて吹き出される空調空気(即ち、冷風)の温度が変動すると、乗員が不快に感じることがある。そのため、車内側熱交換器4の冷媒圧力検出器34からの検出圧力信号(即ち、冷媒凝縮圧力=圧縮機1の吐出圧力)を制御ユニット30で演算し、可変式減圧手段32の減圧度を制御するアクチュエータの動きを補正することによって乗員の足元へ向けて吹き出される空調空気(即ち、温風)の温度が変動するのを防止するようにしている。
【0043】
なお、均一暖房を行う場合にも、車内側熱交換器4の冷媒凝縮温度が上記のように制御されることにより、乗員の足元へ向けて吹き出される空調空気(即ち、温風)の温度が安定した状態で制御される。また、冷房運転時には、運転切換スイッチ33からの冷媒循環モード選定信号を受けて制御ユニット30が可変式減圧手段32を全開状態に固定する制御を行い、可変式減圧手段32を採用したことによる影響の発生を防止するようにしてもよいし、暖房用のプログラムとは別途に冷房用プログラムを制御ユニット30に格納しておいて、車内側熱交換器4の冷媒圧力信号に基づいて、可変式減圧手段32の減圧度を制御するアクチュエータに、冷房に適した作動を行わせるようにしてもよい。
【0044】
その他の作用効果は、第1の実施の形態におけると同様なので重複を避けて説明を省略する。
【0045】
上記各実施の形態においては、ヒートポンプサイクルのみを有する車両用空調装置について説明したが、本願発明は、エンジン冷却水の保有する熱により冷媒を加熱する冷媒加熱器を併設したヒートポンプサイクルにも適用可能である。
【0046】
【発明の効果】
本願発明によれば、冷凍サイクルにおける冷媒の循環方向を切り換えて冷房あるいは暖房を行うとともに、暖房運転時に除湿用熱交換器により空調空気通路へ吸い込まれる空気を冷却除湿するものにおいて、温度設定器によって設定された設定温度が高いほど暖房用減圧手段の減圧度を小さくするように制御し、前記除湿用熱交換器を通過し且つ車内側熱交換室を経由しない空調空気(即ち、冷風)を分岐通路を介して乗員の上半身に向けて吹き出すようにしたので、補助ヒータ等を用いる必要のない極めて簡易な構成で頭寒足熱暖房を行うことができるとともに、この頭寒足熱暖房を行う場合に、分岐通路を通って乗員の上半身に向けて吹き出される空調空気(即ち、冷風)の温度を乗員の設定温度に応じて制御することができる。
【0047】
また、エアミックスダンパも不要となる。しかも、除湿用熱交換器により冷却除湿された空気を直接乗員の上半身に向けて吹き出すこととなっているため、大能力の除湿用熱交換器を採用する必要がなくなり、除湿用熱交換器の小型化・薄型化を図ることが可能となり、車室内空間の拡大および対衝突性の向上に大いに寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の第1の実施の形態にかかる車両用空調装置を示す概略構成図である。
【図2】本願発明の第2の実施の形態にかかる車両用空調装置を示す概略構成図である。
【図3】本願発明の第2の実施の形態にかかる車両用空調装置における暖房用減圧手段の具体例を示す断面図である。
【図4】本願発明の第2の実施の形態にかかる車両用空調装置における暖房用減圧手段の制御系を示すブロック図である。
【図5】本願発明の第2の実施の形態にかかる車両用空調装置における暖房用減圧手段の減圧度制御例を示す設定温度ー除湿用熱交換器冷媒圧力特性図である。
【図6】本願発明の第3の実施の形態にかかる車両用空調装置を示す概略構成図である。
【図7】本願発明の第3の実施の形態にかかる車両用空調装置における暖房用減圧手段および可変式減圧手段の制御系を示すブロック図である。
【図8】本願発明の第3の実施の形態にかかる車両用空調装置における可変式減圧手段の減圧度制御例を示す設定温度ー車内側熱交換器冷媒圧力特性図である。
【符号の説明】
1は圧縮機、2は四路切換弁、3は車外側熱交換器、4は車内側熱交換器、5は冷房用減圧手段、6は除湿用熱交換器、7は暖房用減圧手段、10は空調空気通路、11,12はダンパ、13はヒート吹出口、14はデフ吹出口、15はベント吹出口、16は分岐通路、17はダンパ、18,19は冷媒流通路、20,21は逆流防止手段(逆止弁)、31は冷媒流通路、32は可変式減圧手段、Aは冷凍サイクル。

Claims (2)

  1. 冷媒圧縮用の圧縮機と、
    車室への空調空気通路外にあって該空調空気通路外の空気と熱交換する車外側熱交換器と、
    前記空調空気通路内にあって該空調空調通路内の空気と熱交換する車内側熱交換器と、
    該車内側熱交換器へ供給される冷媒の圧力を減圧する冷房用減圧手段と、
    該冷房用減圧手段に対して並列に接続された除湿用熱交換器と、
    該除湿用熱交換器へ供給される冷媒の圧力を減圧する暖房用減圧手段とからなる冷凍サイクルを備え、
    前記冷凍サイクルを循環する冷媒の循環方向を変更して前記車内側熱交換器での冷媒状態を変化させることにより、該車内側熱交換器を通過する空気を加熱あるいは冷却するとともに、前記除湿用熱交換器を前記空調空気通路における車内側熱交換器の上流側に配設した自動車空調装置であって、
    前記暖房用減圧手段は、減圧度が可変に構成され、
    乗員が車室内の温度を設定するための温度設定器が設けられ、
    前記温度設定器によって設定された設定温度が高いほど前記暖房用減圧手段の減圧度を小さくするように制御する手段を備え、
    前記空調空気通路における前記除湿用熱交換器よりも下流側であって前記車内側熱交換器の上流側から該車内側熱交換器を経由しない空調空気を乗員の上半身に向けて吹き出す分岐通路を付設したことを特徴とする車両用空調装置。
  2. 暖房運転時に前記除湿用熱交換器の下流で且つ前記車外側熱交換器の上流となる冷媒流通路には、減圧度が可変とされた可変式減圧手段を介設し
    前記設定温度が高いほど可変式減圧手段の減圧度を大きくするように制御する手段を備えていることを特徴とする前記請求項記載の車両用空調装置。
JP06801396A 1996-03-25 1996-03-25 車両用空調装置 Expired - Fee Related JP3704788B2 (ja)

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