JPH1086263A - 調光ガラス及びその製造方法 - Google Patents

調光ガラス及びその製造方法

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JPH1086263A
JPH1086263A JP8241489A JP24148996A JPH1086263A JP H1086263 A JPH1086263 A JP H1086263A JP 8241489 A JP8241489 A JP 8241489A JP 24148996 A JP24148996 A JP 24148996A JP H1086263 A JPH1086263 A JP H1086263A
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light
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transparent
transparent plate
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JP8241489A
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English (en)
Inventor
Kazuhisa Danno
和久 檀野
Keiji Imasho
啓二 今庄
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 気泡等を含まないように容易に且つ効率的に
製造可能な調光ガラス及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 透明板3と可撓性を有する透明フィルム
2間に温度変化により光透過率が変化する調光物質4を
積層状に充填し、透明フィルム2の外面に別の透明板6
を積層状に設けて調光ガラス1を構成してあるので、例
えば、透明フィルム2と透明板2間へ調光物質4を供給
するとともに、透明フィルム2を透明板3側へ押え手段
で押圧しながら、透明フィルム2及び透明板3を押え手
段と相対移動させ、透明フィルム2と透明板3間におけ
る余剰の調光物質4を絞り出すとともに、調光物質4中
の気泡を外部へ排出しながら、透明フィルム2と透明板
3間に調光物質4を充填することで、気泡のない綺麗な
調光ガラス1を効率的に製作可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、温度変化等により
光透過率が変化する調光ガラス及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、一定温度以下では透明になり、
一定温度を越えると白濁する、可逆的な曇点現象を示す
調光物質が種々知られている。そして、この調光物質を
用いた製品として、平行配置した2枚のガラス板間に調
光物質を封入し、日差しが強くなって外気温度が高くな
ると、調光物質が白濁して、自動的に遮光状態となる窓
ガラス用の調光ガラスが、液晶等を用いた調光ガラスよ
りも耐久性、遮光性に優れ、しかも安価であることから
脚光を浴びている。特開昭53−143676号には、
くもり点を有する非イオン界面活性剤を2枚の透明フィ
ルム或いは透明ガラスに挟んだ調光ガラスが記載されて
いる。また、前記調光ガラスは、調光物質の粘度が高い
ことから、液晶素子のように、吸引法や滴下法によりガ
ラス板間に調光物質を充填できないので、真空引き等し
ながらガラス板間へ調光物質を充填することで、調光物
質内に気泡等が混入しないように製作されている。一
方、強化プラスチックの成形方法として、先ず離型フィ
ルムの上に切断したガラス繊維ロービングを落下させ、
次いでポリエステルを注ぎ、更にその上から離型フィル
ムを被せた後、上下1対のロール間において脱泡を行う
ようにした連続積層法が広く知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記のよう
に真空引き等しながら調光物質を装填する場合には、調
光ガラスの製造工程が複雑になるとともに、製造装置と
して大掛かりなものを用いる必要があり、その分製造コ
ストが高くなり、しかも大量生産に適さないという問題
があった。一方、調光材料は、水や有機溶媒などの低分
子液体を溶媒とした溶液であり、この様な溶液を高分子
フィルムに挟んだ場合、周辺部を完全に密封しても溶媒
がフィルム面から徐々に蒸発し、調光体としての性能が
劣化する。このためこの様な調光体は、調光物質を無機
ガラスあるいは十分分厚い板状の高分子シートなどに挟
んで使用されており、高分子フィルムを用いる場合であ
っても、フィルムの可撓性を十分に確保できないので、
連続積層法のように上下1対のロール間に挟んで気泡を
除去しながら、フィルム間に調光材料を充填する製造方
法は採用できないと考えられていた。
【0004】本発明の目的は、気泡等を含まないように
容易に且つ効率的に製造可能な調光ガラス及びその製造
方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る調光ガラ
スは、透明板上に、可撓性を有する透明フィルムと温度
変化により光透過率が変化する調光物質とを、透明フィ
ルムを外側にして交互に1乃至複数積層した調光ガラス
であり、外側に配置される透明フィルムの外面を他の透
明板に密着固定して使用するものである。請求項2に係
る調光ガラスは、透明板上に、可撓性を有する透明フィ
ルムと温度変化により光透過率が変化する調光物質と
を、透明フィルムを外側にして交互に1乃至複数積層
し、外側に配置される透明フィルムの外面に更に別の透
明板を直接或いは接着剤を介して積層状に密着固定した
ものである。
【0006】ここで、調光物質を複数層形成する場合に
は、請求項3記載のように、各層の調光物質として調光
温度の異なるものを用いること、請求項4記載のよう
に、そのうちの少なくとも1つの層を、調光物質に代え
て衝撃吸収ゲルからなる層で構成すること、などが好ま
しい実施例である。また、透明フィルムとしては、請求
項5記載のように、接着性を有するもの或いは外面に接
着層を形成したものや、請求項6記載のように、導電性
を有するもの或いは導電層を形成したものや、請求項7
記載のように、紫外線遮蔽機能を有するものや、請求項
8記載のように、飛散防止機能を有するもの、など単独
に或いは組み合わせて用いることが好ましい。また、調
光物質としては、請求項9記載のように、曇点を有する
ものを用いてもよい。
【0007】請求項10記載の調光ガラスの製造方法
は、透明フィルムと透明板間に調光物質を供給し、透明
フィルムを透明板側へ押え手段で略線状に押圧しなが
ら、透明フィルム及び透明板を押え手段と相対移動さ
せ、透明フィルムと透明板間における余剰の調光物質を
絞り出すとともに、調光物質中の気泡を外部へ押出し、
透明フィルムと透明板間に調光物質を充填するものであ
る。
【0008】ここで、請求項11記載のように、押え手
段として、一定間隔あけて平行配置した1対のロールを
用い、調光物質をあいだに供給した透明フィルムと透明
板とを1対のロールで略線状に挟持して、透明フィルム
と透明板間における余剰の調光物質を絞り出すととも
に、調光物質中の気泡を外部へ押出すこと、請求項12
記載のように、透明フィルムの外面に、更に別の透明板
を直接或いは接着剤を介して積層状に密着固定すること
が好ましい実施例である。
【0009】
【作用】本発明に係る調光ガラスにおいては、透明板上
に、可撓性を有する透明フィルムと温度変化により光透
過率が変化する調光物質を、透明フィルムを外側にして
交互に積層しているが、透明フィルムの外面を既存の窓
ガラスなどの他の透明板を密着固定して使用するので、
調光物質中の溶媒の蒸発は2枚の透明板により効果的に
阻止されることになる。それ故、透明フィルムとして、
可撓性に富んだ薄肉のものを使用することが可能とな
り、例えば、請求項10に記載のように、透明フィルム
と透明板間へ調光物質を供給するとともに、透明フィル
ムを透明板側へ押え手段で略線状に押圧しながら、透明
フィルム及び透明板を押え手段と相対移動させ、透明フ
ィルムと透明板間における余剰の調光物質を絞り出すと
ともに、調光物質中の気泡を外部へ押出しながら、透明
フィルムと透明板間に調光物質を充填することで、気泡
のない綺麗な調光ガラスを効率的に製造することが可能
となる。
【0010】また、請求項2記載のように、透明板上
に、可撓性を有する透明フィルムと温度変化により光透
過率が変化する調光物質とを、透明フィルムを外側にし
て交互に1乃至複数積層し、外側に配置される透明フィ
ルムの外面に更に別の透明板を直接或いは接着剤を介し
て積層状に密着固定して、これをそのまま窓ガラス等と
して用いることも可能である。
【0011】更に、調光物質からなる層を複数層形成す
る場合には、調光物質の各層の厚さを抑えて調光物質中
における気泡を効果的に除去しつつ、調光ガラスにおけ
る調光物質全体の厚さを十分に確保することが可能とな
る。また、このように調光物質からなる層を複数層形成
する場合には、各層の調光物質として調光温度の異なる
ものを用いることで、光透過率を段階的に変化させた
り、調光ガラスにおける複数層の調光物質のうちの少な
くとも1つの層を、調光物質に代えて衝撃吸収ゲルから
なる層で構成することで、調光機能と防音機能の2つの
機能を調光ガラスに付与したりすることも可能となる。
【0012】少なくとも1枚の透明フィルムとして、接
着性を有するもの或いは外面に接着層を形成したものを
用いると、透明フィルムをそのまま板ガラス等の透明板
に貼着させて、調光ガラスを構成したりすることも可能
となる。また、導電性を有するもの或いは導電層を形成
したものを用いると、透明フィルムを接地等することで
電磁波遮蔽効果が得られるし、透明フィルムに通電する
ことで、調光物質を強制加熱して調光ガラスの光透過率
を調整することが可能となる。更に、紫外線遮蔽機能や
飛散防止機能を有するものを用いると、複数の機能を調
光ガラスに付与することが可能となる。調光物質として
は曇点を有するものを利用すると、外気温度が一定温度
を越えると、調光物質が白濁して調光ガラスが遮光状態
となり、一定温度以下になると透明になって透光状態と
なる。
【0013】調光ガラスの具体的な製造方法として、請
求項11記載のように、押え手段として、一定間隔あけ
て平行配置した1対のロールを用い、調光物質をあいだ
に供給した透明フィルムと透明板とを1対のロールで略
線状に挟持して、透明フィルムと透明板間における余剰
の調光物質を絞り出すとともに、調光物質中の気泡を外
部へ押出すと、調光ガラスを連続的に製造することが可
能となる。また、請求項12記載のように、透明フィル
ムの外面に、更に別の透明板を直接或いは接着剤を介し
て積層状に密着固定して、調光ガラスを構成してもよ
い。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について図
面を参照しながら説明する。図1に示すように、調光ガ
ラス1は、基本的には、透明フィルム2と透明板3間に
調光物質4を封入してなる調光ガラス本体5と、透明フ
ィルム2の外面に形成した接着層8を介して調光ガラス
本体5に積層状に設けた透明板6とを有し、両透明板
3、6の外周部間にシール材7を充填したものである。
但し、調光ガラス本体5を既存の窓ガラス等に貼着して
調光ガラスとなしてもよい。
【0015】調光物質4の具体的な素材としては、ポリ
ビニルアルコール部分酢化物、ポリビニルメチルエーテ
ル、メチルセルロース、ポリエチレンオキシド、ポリプ
ロピレンオキシド、ポリエチレンオキシドとポリプロピ
レンオキシドとの共重合体、ヒドロキシプロピル基を有
する多糖類誘導体(例えば、ヒドロキシプロピルセルロ
ース)、ポリビニルメチルオキサゾリディノン、ポリN
−置換アクリルアミド誘導体(例えば、ポリN−イソプ
ロピルアクリルアミド、ポリN−エトキシエチルアクリ
ルアミド等)、ポリN−置換メタクリルアミド誘導体
(例えば、ポリN−イソプロピルメタクリルアミド、ポ
リN−3−エトキシプロピルメタクリルアミド等)、ポ
リN,N−ジ置換アクリルアミド誘導体(例えば、ポリ
N−メチルN−エチルアクリルアミド等)などの水溶性
高分子の水溶液や、アルコール等を媒体とした有機溶液
などのゲルなどを採用できる。但し、温度変化により光
透過率が変化するものであれば、上記以外の種々の素材
を用いることが可能である。
【0016】調光物質4は、その粘度が100000P
以下の液体或いは可塑性の固定、ゲルなどを採用でき
る。特に、粘度が10000P以下であれば加工が容易
である。また、低粘度の素材を用いても構わないが、粘
度が0.8Pよりも小さい場合には、滴下法や吸引法の
方が効率的に調光ガラスを作成できる。したがって、
0.8〜10000Pの粘度の素材を用いることが好ま
しい。但し、調光物質4の粘度は、冷却或いは加熱によ
り0.8〜10000Pになるように設定してもよい。
また、透明フィルム2と透明板3間における調光物質4
の厚さは、5μmよりも小さいと十分に光透過率を変化
させることができず、5mmよりも大きいと、後述のよ
うな製造方法により調光ガラス本体5を製作したとき
に、透明フィルム2と透明板3間に装填された調光物質
4内に気泡が入るので、5μm〜5mmに設定すること
が好ましい。
【0017】透明フィルム2としては、無色透明のフィ
ルムを用いることが好適であるが、着色フィルムや熱線
反射フィルム或いは半透明フィルム等を用いることも可
能である。具体的な素材としては、OPP、CPP、H
DPE、LDPE、LLDPEなどのポリオレフィン
類、ポリスチレン、PMMAなどのアクリル類、PC、
ポリスルホン、ナイロン類などのポリアミド類、PE
T、ポリアリレートなどのポリエステル類、PVDC、
PVC、ポリビニルブチラール、フッ素樹脂類、および
これらの複合フィルムなどを用いることが可能である。
特に、ポリオレフィン類、PMMA、PC、PVC、ポ
リビニルブチラールなどが安価でしかも窓材としての実
績もあり好適である。また、透明フィルム2として、紫
外線遮蔽機能を有するものや、飛散防止機能を有するも
のを用いることが好ましい。更に、導電性を有するもの
や外面に導電層を形成したものを用い、透明フィルム2
を接地等することで電磁波遮蔽効果が得られるようにし
たり、透明フィルム2に通電することで調光物質4を強
制的に加熱して光透過率を変化させるようにしてもよ
い。
【0018】透明フィルム2と透明板3との間は、接着
剤あるいは調光物質4自身の粘着力により、調光物質4
が漏れないようにシールされている。更に、調光物質4
として調光ゲルなど揮発成分を有する材料を用いる場合
には、透明板3、6間の周縁部はシール材7により気密
に封止されている。接着層8は、透明フィルム2と透明
板6とに密着し、しかも外観を損なわないものであれば
周知の素材からなるものを採用できる。また、接着層8
として、紫外線遮蔽機能を有するものや飛散防止機能を
有するものを用いてもよい。また、例えば大東ケミトロ
ニクス社製のサンストップ樹脂などのように、紫外線遮
蔽機能と飛散防止機能を併せ持つものを用いてフィルム
3と透明板6を接着してもよい。但し、透明フィルム2
として粘着性を有するものを用いる場合には、接着層8
は省略してもよい。透明板3、6としては、断熱性の高
いメタクリル樹脂やポリカーボネート等からなる透明有
機ガラス或いは透明無機ガラスを用いることが可能であ
る。2枚の透明板3、6は、同じ素材からなるものを用
いてもよいし、異なる素材からなるものを用いてもよ
い。
【0019】次に、調光ガラス1の製造方法について説
明する。図2に示すように、上下に一定距離あけて平行
配置した1対のロール10と、上下のロール10を矢印
で示す方向へ同期回転させるための図示外の駆動手段と
を有する押え手段11を用い、この押え手段11の上下
のロール10間へ、リール12から透明フィルム2を供
給するとともに、ローラコンベア13により透明板3を
順次供給しながら、透明フィルム2と透明板3間に調光
物質4を供給する。そして、ロール10で透明フィルム
2を透明板3側へ略線状に押圧しながら、ロール10を
回転させて透明フィルム2及び透明板3を右方へ送り出
しながら、ロール10間において透明フィルム2と透明
板3間の余剰の調光物質4を絞り出すとともに、調光物
質4中の気泡を外部へ押出し、透明フィルム2と透明板
3間に調光物質4を充填した調光ガラス本体5を製作す
る。但し、透明フィルム2と透明板3間への調光物質4
の供給は、ロール10の回転に連動させて順次行っても
よいし、予め透明板3の上面全体に要求の膜厚よりも多
少厚目に塗布してもよい。
【0020】次に、隣接する調光ガラス本体5間におい
て透明フィルム2をカットして、透明フィルム2の外周
部を透明板3の外周部に接着剤等により密着固定する。
次に、調光ガラス本体5の透明フィルム2の外面に接着
剤を介して或いは透明フィルム2自身の粘着力により透
明板6を密着固定し、2枚の透明板3、6の外周部間に
シール材7を充填して、調光ガラス1を得ることにな
る。但し、透明フィルム2と透明板6とを両者間に接着
層分の隙間があくように平行配置させ、この隙間に吸引
法或いは滴下法により接着剤を充填させて接着層8を形
成してもよい。
【0021】前記調光ガラス本体5の他の製造方法とし
て図3に示すように、下側のロール10に代えて平板状
のベース台14を有し、上側のロール10とベース台1
4とを一定間隔あけて平行配置した押え手段11Aを用
い、透明板3をベース台14上にセットし、透明板3上
に透明フィルム2を供給するとともに、透明フィルム2
と透明板3間に調光物質4を供給し、ロール10により
透明フィルム2を透明板3側へ略線状に押圧しながらロ
ール10を左方へ移動させ、透明フィルム2と透明板3
間における余剰の調光物質4を絞り出すとともに、調光
物質4中の気泡を外部へ排出しながら、透明フィルム2
と透明板3間に調光物質4を充填して、調光ガラス本体
5を製作してもよい。但し、ロール10を左方へ移動さ
せないで、透明板3をベース台14とともに右方へ移動
させることで、透明フィルム2と透明板3間に調光物質
4を装填するようにしてもよい。また、透明フィルム2
は、リール12から連続的に供給するようにしてもよい
し、図4に示すように、透明板3に応じたサイズにカッ
トしたものを用いてもよい。更に、ロール10に代え
て、図5に示すように、平板状の押え部材15を用いて
もよい。また、透明板3としてロール10や押え部材1
5による押圧力に耐え得る強度を有するものを用いる場
合には、ベース台14を省略することが可能である。
【0022】前記調光ガラス1の他の構成として、図6
に示す調光ガラス1Aのように、調光ガラス本体5上に
透明フィルム2Aと調光物質4Aとを、透明フィルム2
Aを上側にして交互に1乃至複数(図例では1層)積層
し、最上層の透明フィルム2Aの外側に透明板6を直接
或いは接着剤を介して積層状に密着固定してもよい。こ
の場合には、2つの調光物質4、4Aの調光温度に差を
持たせて、光透過率を2段階に変化させたり、異なる光
透過率の調光物質4、4Aを組み合わせて、最適な光透
過率が得られるようにしてもよい。また、2つの調光物
質4、4Aの層のうちの一方を調光物質4、4Aの層に
代えて、例えばαゲル(衝撃吸収ゲル)等などからなる
層を設け、調光ガラス1Aに対して調光機能に加えて防
音機能などの複数の機能を付与してもよい。更に、調光
ガラス1Aに設けられる複数の透明フィルム2、2A
は、夫々異なる素材からなるものを用いてもよい。
【0023】この調光ガラス1Aを製作する場合には、
押え手段11、11Aの下流側に同様の構成の押え手段
を設け、この押え手段の上下のロール間へ調光ガラス本
体5と新たな透明フィルム2Aとを供給するとともに、
両者間へ調光物質4Aを供給して、上側の調光物質4A
内の気泡を押出ながら調光ガラス本体5上に調光物質4
Aと透明フィルム2Aとを積層し、最上層の透明フィル
ム2Aの上面に接着剤等を介して透明板6を密着固定す
ることになる。尚、調光物質4を複数層備えた調光ガラ
スの他の製造方法として、2枚の調光ガラス本体5をそ
の透明フィルム2側を突き合わせて密着固定する方法も
採用できる。
【0024】
【発明の効果】本発明に係る調光ガラスによれば、透明
板と可撓性を有する透明フィルム間に調光物質を積層状
に充填してあるので、簡単な製造方法により、容易に且
つ効率的に気泡のない綺麗な調光ガラスを製作すること
が可能となる。また、この調光ガラスは、透明フィルム
の外面を窓ガラス等の透明板に密着固定して使用するの
で、薄肉の透明フィルムを用いても、調光物質中の溶媒
の蒸発は透明板で阻止され、調光ガラスの耐久性は十分
に確保されることになる。また、請求項2記載のよう
に、透明板と可撓性を有する透明フィルム間に調光物質
を積層状に充填し、透明フィルムの外面に別の透明板を
密着固定すると、調光ガラスをそのまま窓ガラス等とし
て使用することが可能となる。
【0025】調光ガラスにおける、調光物質の層を複数
設ける場合には、各層を薄肉に構成して、調光物質内に
おける気泡を効率的に除去しつつ、調光物質全体の肉厚
を十分に確保できる。また、調光温度の異なる調光物質
を積層することで、外気温度等に応じて光透過率を段階
的に変更させたり、調光ガラスにおける複数層の調光物
質のうちの少なくとも1つの層を、調光物質に代えて衝
撃吸収ゲルからなる層で構成することで、調光機能と防
音機能の2つの機能を調光ガラスに付与したりすること
が可能となる。
【0026】透明フィルムとして接着性を有するもの或
いは外面に接着層を形成したものを用いると、透明フィ
ルムの外面に対して透明板を容易に密着固定することが
可能となる。透明フィルムとして、導電性を有するもの
或いは導電層を形成したものを用いると、透明フィルム
を接地等することで電磁波遮蔽効果が得られるし、透明
フィルムに通電することで、調光物質を強制加熱して調
光ガラスの光透過率を調整することが可能となる。透明
フィルムに対して紫外線遮蔽機能や飛散防止機能を付与
することで、多機能な調光ガラスを実現できる。調光物
質として曇点を有するものを用いる場合には、素材コス
トを低減して調光ガラスを安価に製作することが可能と
なる。
【0027】本発明に係る調光ガラスの製造方法によれ
ば、設備コストを抑えつつ、気泡のない綺麗な調光ガラ
スを効率的に製作することが可能となる。押え手段とし
て、一定間隔あけて平行配置した1対のロールを用いる
と、調光ガラスを連続的に製作することが可能となり、
調光ガラスの製作コストを更に低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の調光ガラスの縦断面図
【図2】 調光ガラスの製造方法の説明図
【図3】 調光ガラスの他の製造方法の説明図
【図4】 調光ガラスの他の製造方法の説明図
【図5】 調光ガラスの他の製造方法の説明図
【図6】 他の構成の調光ガラスの縦断面図
【符号の説明】
1 調光ガラス 2 透明フィルム 3 透明板 4 調光物質 5 調光ガラス本体 6 透明板 7 シール材 8 接着層 10 ロール 11 押え手段 12 リール 13 ローラコンベア 11A 押え手段 14 ベース台 15 押え部材 1A 調光ガラス 2A 透明フィルム 4A 調光物質

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明板上に、可撓性を有する透明フィル
    ムと温度変化により光透過率が変化する調光物質とを、
    透明フィルムを外側にして交互に1乃至複数積層した調
    光ガラスであり、外側に配置される透明フィルムの外面
    を他の透明板に密着固定して使用する調光ガラス。
  2. 【請求項2】 透明板上に、可撓性を有する透明フィル
    ムと温度変化により光透過率が変化する調光物質とを、
    透明フィルムを外側にして交互に1乃至複数積層し、外
    側に配置される透明フィルムの外面に更に別の透明板を
    直接或いは接着剤を介して積層状に密着固定した調光ガ
    ラス。
  3. 【請求項3】 調光物質を複数層形成し、各層の調光物
    質として調光温度の異なるものを用いた請求項1又は2
    記載の調光ガラス。
  4. 【請求項4】 調光物質を複数層形成し、そのうちの少
    なくとも1つの層を、調光物質に代えて衝撃吸収ゲルか
    らなる層で構成した請求項1〜3のいずれか1項記載の
    調光ガラス。
  5. 【請求項5】 少なくとも1枚の透明フィルムが、接着
    性を有するもの或いは外面に接着層を形成したものから
    なる請求項1〜4のいずれか1項記載の調光ガラス。
  6. 【請求項6】 少なくとも1枚の透明フィルムが、導電
    性を有するもの或いは導電層を形成したものからなる請
    求項1〜5のいずれか1項記載の調光ガラス。
  7. 【請求項7】 少なくとも1枚の透明フィルムが、紫外
    線遮蔽機能を有するものからなる請求項1〜6のいずれ
    か1項記載の調光ガラス。
  8. 【請求項8】 少なくとも1枚の透明フィルムが、飛散
    防止機能を有するものからなる請求項1〜7のいずれか
    1項記載の調光ガラス。
  9. 【請求項9】 調光物質として曇点を有するものを用い
    た請求項1〜8のいずれか1項記載の調光ガラス。
  10. 【請求項10】 透明フィルムと透明板間に調光物質を
    供給し、透明フィルムを透明板側へ押え手段で略線状に
    押圧しながら、透明フィルム及び透明板を押え手段と相
    対移動させ、透明フィルムと透明板間における余剰の調
    光物質を絞り出すとともに、調光物質中の気泡を外部へ
    押出し、透明フィルムと透明板間に調光物質を充填する
    調光ガラスの製造方法。
  11. 【請求項11】 押え手段として、一定間隔あけて平行
    配置した1対のロールを用い、調光物質をあいだに供給
    した透明フィルムと透明板とを1対のロールで略線状に
    挟持して、透明フィルムと透明板間における余剰の調光
    物質を絞り出すとともに、調光物質中の気泡を外部へ押
    出す請求項10記載の調光ガラスの製造方法。
  12. 【請求項12】 透明フィルムの外面に、更に別の透明
    板を直接或いは接着剤を介して積層状に密着固定する請
    求項10又は11記載の調光ガラスの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015517171A (ja) * 2012-02-13 2015-06-18 サン−ゴバン グラス フランス 照明ガラスパネル

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