JP3763635B2 - 高分子水溶液積層体およびその製法 - Google Patents

高分子水溶液積層体およびその製法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、少なくとも一部が透明で直視可能な基板間に熱作用により均一に可逆変化して調光する高分子水溶液またはハイドロゲルを積層した高分子水溶液積層体とその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、機械的な方法に代えて機能性材料を組み込んだ複合ガラスを用いて光線を可逆的に制御する調光ガラスが提案されている。例えば、液晶分散、エレクトロクロミック、フォトクロミック、サーモクロミック、サーモトロピック等の方式がある。なお、調光ガラスは、社団法人ニューガラスフォーラムの平成3年度ニューガラス産業対策調査研究報告書(地球温暖化防止対策)に詳細に記されているように、快適な居住空間の構築だけでなく環境保護、省エネルギー対策との関係もあり、これからの開発が強く期待されている。
【0003】
そこで、本発明者は、太陽光エネルギーが窓に照射していることに注目した。このエネルギーの有無により、窓ガラスが熱作用の自律応答により白濁散乱して透明ー不透明の可逆変化、呈色の可逆変化等をおこす現象を利用して、快適な居住空間をうる方法を検討してきた。この自律応答特性は、照射面のみ遮光して防眩する特長や省エネルギー効果のみならず施工、メンテナンス、維持費等からも非常に魅力的であることに着目してきた。そこで、機能性高分子の水溶液を大面積状態で透明基板に気泡を持たずに積層し、かつその高分子水溶液を均一な積層状態で維持できる高分子水溶液積層体をうることが非常に重要となった。
【0004】
本発明者は、熱作用によるサーモクロミック、サーモトロピック等の特性をもつ高分子水溶液の研究とともに積層体の開発も鋭意検討してきた。実用化するにあたって、水を溶媒とする高分子水溶液からなるサーモクロミック、サーモトロピック材料を少なくとも一部が透明な基板で積層してなる積層体は、その外周部を封止して水の蒸発を防止することが必要であった。その理由は、気泡の発生と濃度変化によるむらの発生を防止することであり、光学機能素子にとって非常に重要なことであった。また、窓ガラスとして封止を一対の基板間で処理しきることは、構造の単純化による経済性のみならず封止構造の安定化、窓枠に容易にセット化できる等の実用化の視点からみて非常に重要な点である。なお、水を溶媒にもつ高分子水溶液として、サーモクロミック、サーモトロピック材料の例としては、水と多糖類誘導体からなるライオトロピック型のコレステリック液晶、水と多糖類誘導体と両親媒性分子からなる水溶液またはハイドロゲル、ビニル系水溶性高分子の水溶液またはハイドロゲル、水をもつ多成分組成のハイドロゲル等がある。本発明は、これらの高分子水溶液(以下、本発明では特に断わりがない限りハイドロゲルも含めるものと定義する)の水蒸発を防止する積層体の構造とその製法にあるので、これらサーモクロミック、サーモトロピック材料の高分子水溶液の詳しい説明はここでは省略する。なお、以下において水と多糖類誘導体からなるライオトロピック型のコレステリック液晶、水と多糖類誘導体と両親媒性分子からなる水溶液を代表例として主に述べるがこれに限定されるものではない。
【0005】
ここで、主に述べるサーモクロミック、サーモトロピック材料の高分子水溶液の厚みは、特に限定されるものではないが0.01から5mm程度であり、通常は0.05から2mm程度である。従来から、本発明者は、高分子水溶液からの水の蒸発を防止するために外周封止した積層体の封止構造を検討してきたが、どうしても水分子が封止を膜透過して大きい気泡の発生をみた。特に60℃以上の温度になると急激に増加することが避けられなかった。このことは、窓、屋根等の野外の環境にさらされる使用法ができないことを意味する。そこで本発明者は、すでに特願平6−198942で詳説したように積層体の外周に枠を設けて、2段封止構造をとると同時に第1封止と第2封止の間に水の飽和蒸気および/または液体をもつ保水層を設けて水溶液と平衡状態をもたせることにより水の蒸発を防止する構造を開発した。しかし、枠を設けることは、基板または枠寸法の精度を要求する、枠により厚みが増す、積層体の厚みごとに枠のサイズを必要とする、多数をマトリックスに置くと枠が目立つ、部材・工数が増えコスト増となる、曲面ガラスに不適、ガラスと金属枠との膨張係数の差による封止剤の剥離発生等の問題があった。そこで、本発明者は、より容易でかつ確実に封止できる方法について詳細に検討した。
【0006】
また、本発明に使用するイソブチレン系樹脂封止剤は、最良の耐透水性をもちかつ汎用樹脂であり非常に使用しやすく経済的でもある。この封止剤を基本にすることで、積層体の構造とその製法を鋭意検討して本発明に至った。その要点は、耐透水性が最良であること、室温でも加圧変形すること、基板接着性の確保は追加機能の付加または多段封止構造にして解決できたことにある。この追加機能とは、イソブチレン系樹脂封止剤の改質により接着性を持たしたことであり、多段封止構造とは、基板接着する封止剤をさらに設けて2段封止構造としたことである。さらに、基板間に保水層を設ける方法も検討した。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
解決しようとする課題は、熱作用により調光変化する高分子水溶液から水が蒸発することにより、濃度変化によるむらの発生と気泡の発生を防止する耐透水性と垂直施工時に高分子水溶液の自重で封止破壊しない封止構造をもつ積層体を得ることである。さらに、窓枠との整合性を考慮して補助枠を使用することなく簡潔な封止構造で積層体を得ることである。さらに、この高粘度の高分子水溶液をもつ積層体を簡便、確実に生産する製法を確立することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前述の問題点を解決するためになされたものであり、少なくとも一部が透明で直視可能な基板間に熱作用により調光変化する高分子水溶液を積層して外周部を封止してなる高分子水溶液積層体において、第1封止にイソブチレン系樹脂封止剤を第2封止に基板接着性をもつ架橋反応型封止剤を基板間で用いて両基板を接着固定させて少なくとも2段に外周部を封止してなる高分子水溶液積層体及び少なくとも一部が透明で直視可能な基板間に熱作用により調光変化する高分子水溶液を積層しその外周部を封止してなる積層体の製法において、塗布または滴下された高分子水溶液を囲むように基板の外周部に少なくともイソブチレン系樹脂封止剤を設けてある基板を少なくとも真空状態のもとで密着させてから加圧して基板と封止剤とで高分子水溶液を積層してなる高分子水溶液積層体の製法であり、少なくとも一部が透明で直視可能な基板間に熱作用により調光変化する高分子水溶液を積層しその外周部を封止してなる積層体の製法において、空気抜きの孔部を設けて基板の外周部に少なくともイソブチレン系樹脂封止剤をおいて高分子水溶液を内包するように対向基板を積層して両基板を封止剤に密着させながら基板をより加圧して封止剤をつぶして基板間隔を狭めて脱気と同時に高分子水溶液を漏らすことなく基板間に積層し封孔する高分子水溶液積層体の製法であり、少なくとも一部が透明で直視可能な基板間に熱作用により調光変化する高分子水溶液を積層しその外周部を封止してなる積層体の製法において、基板の外周部に少なくともイソブチレン系樹脂封止剤をおいて高分子固体または高濃度の高分子水溶液を内包するように対向基板を積層して両基板を封止剤と密着または接着させてから孔部から水または水溶液を注入し封孔する高分子水溶液積層体の製法を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明を利用する主要な利用分野は、建築の室内外の窓、車両の窓、熱素子を設けた表示体、装飾品等である。特に建築物への利用には直射太陽光線のエネルギーで自律応答して調光する窓、天窓、屋根等の室外用と熱素子により温度制御して調光する間仕切り(電子カーテン)等の室内用とがある。当然、室外用は、特に夏季において60℃程度の温度に達するためにより確実に水の蒸発を防止することが大切である。また、室内用は、熱素子による加温も体温レベルでよく40℃以下で十分に調光制御できる。しかし、水の蒸発は、有機封止であるかぎり完全に止めることは出来ないので、室内・室外に関係なく、まず水の透水を最小にする封止剤を選択することは非常に重要であり、その封止剤を基板間に維持固定する封止構造をもつ積層体とその製法を鋭意検討した。
【0010】
その結果、高分子水溶液をもつ積層体の断面図を図1に示した。1は基板、2は高分子水溶液、3は第1封止、4は第2封止である。このように封止剤を2段に使用して、第1封止3にイソブチレン系樹脂封止剤を第2封止4に基板接着する架橋反応型封止剤を用いて外周を封止した。その結果、高分子水溶液積層体から水の蒸発を無視できる程度までに小さくすることができた。なお、特に図示しないが、必要に応じて第1封止3、第2封止4、高分子水溶液2にスペーサーを設けてもよい。ここで、第1封止3は、水の蒸発を防止し、第2封止4は、基板の接着固定と第1封止3の維持固定にある。特に、垂直にすると高分子水溶液の重さにより第1封止3のイソブチレン系樹脂封止剤は容易に押し流されて本目的の窓等の使用に耐えるものでなかった。この封止の幅は、積層基板のサイズ、目的等により選択でき特に限定されるものではないが、各幅は1mmから30mm程度でよく、通常は3mmから15mm程度でよい。さらに、当然のことであるが、この2段封止の構造は、図2に図示したようにチューブ6の両端部の封止にも同様に使用でき、高分子水溶液を内包することでは板もパイプも同じであり、ここではチューブ6も基板に含めるものと定義する。製法は、第1封止3にイソブチレン系樹脂封止剤を詰め込むときに注射針等で空気抜けの孔を設ければよく、後述する製法を利用できる。また、イソブチレン系樹脂封止剤とともに柱状、球状等の栓をチューブ6に押し込んでもよい。チューブ6の断面形状は、円、楕円、扁平、四角、三角、六角等特に限定されることなく使用できる。また、チューブ6は、液厚が厚くなるので、チューブ6の全体を必ずしも満たす必要はなく、例えば、空気と高分子水溶液を半々にして使用してもよい。なぜなら、このチューブ6を面状に並べると線状の平行スリットをもって面的に遮光することができる。
【0011】
つぎに本発明に非常に重要な材料であるイソブチレン系樹脂封止剤を説明する。イソブチレン系樹脂は、朝倉書店の接着大百科(Van NostrandReinhold社のHandbook of Adhesives/Third Editionの訳本)のブチルゴム/ポリイソブチレン接着剤の章で詳説されてあるように、イソブチレンユニットを基本としてなる炭化水素だけからなる。この樹脂は、メチル基効果と疎水性により水蒸気透過性が非常に低い樹脂である。また、無定形高分子であるため、柔軟性、耐衝撃性、永久タック性に優れている。ガラス転移温度は−60℃付近にあり、そのため、室温以下の低温でも柔軟性を維持でき高い密着性を示す。これらの特性を利用して、すでに複層ガラスの封止剤に広く使用されており、例えば、横浜ゴム社のハマタイトPRC−488−Y、テイパ化工社のPIB−521、PIB−544、ケマリング社のGD115等があり本発明のイソブチレン系樹脂封止剤としても有用である。より具体的には添加剤等も含めて前記した接着大百科に詳説されている。イソブチレン系樹脂封止剤は、例えば、ポリイソブチレン、イソブチレン−イソプレンコポリマー等に接着付与剤(例えば、エポキシ樹脂、シランカップリング剤、アルキルチタネート剤等)、フィラー(例えば、カーボンブラック、シリカ、微粉末シリカ等)、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、顔料等などを必要に応じて添加した混合物である。また、ポリイソブチレン、イソブチレン−イソプレンのコポリマー等は、部分架橋して変成させると、強靱性および耐フロー性が向上でき本発明にも有用である。例えば、ポリスター社のXL−20およびXL−50、ハードマン社のKalar等があり、さらに、USP4,316,973、特開昭63−105005号、特開平6−87912号公報等にも開示されてある。この変成樹脂は、ポリイソブチレンと混合して特性の改良剤としても有用である。
【0012】
イソブチレン系樹脂封止剤(例えば、テイパ化工社のPIB−521等)は、室温で加圧するだけでガラス基板と密着性がとれる。この流動変形性は、イソブチレン系樹脂の分子量、可塑剤、フィラー等により改質でき製法に合わせて可変できる。また、すでによく知られているようにイソブチレン系樹脂封止剤は、室温での水の透過性が極めて小さく、例えば、20℃、5mm厚、85%差の相対湿度の条件で約0.05g/平方メートル・日である。しかし、温度が10℃上昇するごとに約5倍となるので、60℃、さらに80℃となるとイソブチレン系樹脂は熱可塑性高分子であるために水の透過性が非常に大きくなり気泡の発生を起こす重大な欠点があった。また、この第1封止のイソブチレン系樹脂封止剤のみによる封止構造では、積層体を垂直に放置して観察すると、イソブチレン系樹脂封止剤は高分子水溶液の重さに耐えきれず押し流されて基板間から外れ、高分子水溶液が漏れ出した。これは、30cm角程度の小サイズでも1週間後には見られた。これは、イソブチレン系樹脂封止剤は、基板に密着するが接着してないためであり、当然の結果であった。この点が、軽い気体を積層してなる複層ガラスと本発明の積層体との根本的な差異であった。実際、複層ガラスは、イソブチレン系樹脂封止剤のみで封止構造をなしたものが市販されている。また、2段封止した複層ガラスもあるが、本発明の第2封止4は、イソブチレン系樹脂封止剤が高分子水溶液の重さに耐えきれずに押し流されるのを防止するために必須であり、複層ガラスとは機能目的が本質的に異なる。
【0013】
この問題点を解決するために、本発明者は、第1封止3の外側に第2封止4を設ける封止構造に至った。第2封止は、基板接着性をもつ架橋反応型封止剤であり両基板を接着固定できるもので例えば、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリサルファイド系樹脂、ポリイソブチレン系樹脂、シリコーン系樹脂等である。例えば、アクリル系樹脂である液状感光性樹脂のサンライズメイセイ社のホトボンド#300は、外周部に注入して紫外線を照射すれば硬化でき、短時間でガラス基板と接着でき非常に有用であった。この架橋反応型の封止剤を設けた結果、前記したように積層体を垂直に放置して観察したが、全く封止構造に変化はみられなかった。このことは、破断時の伸びが190%程度をもつポリサルファイド系樹脂(例えば、テイパ化工社のペア・シール2HD、横浜ゴム社のハマタイトSM−5100、ケマリング社のDG116等)を使用しても同様であった。さらに、破断時の伸びが2倍強のシリコーン系樹脂(例えば、信越化学社のシーラント45、ケマリング社のGD528等)も固定維持に問題なかった。なお、その他の架橋反応型封止剤に関し、アクリル系樹脂には例えば、ロックタイト社の324、電気化学工業社のハードロック等があり、エポキシ系樹脂には例えば、テイパ化工社のエポセットEL−556、東レチオコール社のフレップ等があり、ウレタン系樹脂には例えば、ケマリング社のGD677、テイパ化工社のポニーシーラーU−2000等があり、ポリイソブチレン系樹脂には例えば、後述する接着性イソブチレン系樹脂封止剤がある。この接着性イソブチレン系樹脂封止剤を第2封止にすると非常に好ましい。それは、第1封止のイソブチレン系樹脂封止剤は、超高粘度(例えば、室温で自重変形しない)にして室温加圧での基板密着とともにイソブチレン系樹脂封止剤が土手となり高分子水溶液2がそれに沿って広がり、封止が高分子水溶液2に流されずにかつ瞬時に密着固定できた。これに対して、接着性イソブチレン系樹脂封止剤は、2液反応型であるために粘度調整、混合調整、硬化時間等の面から使用に制限があるので、第1封止より第2封止として使用すると接着性、耐透水性、適度な弾性等が最良に発揮できるためである。
【0014】
このように、基板を接着固定できる封止剤は特に限定することなく広く利用できる。しかし、シリコーン系樹脂は、他の第2封止剤に比較して伸びやすくかつ透水性も大きいために室外使用には不利であるが、室内用は通常40℃以上(35℃以下でも十分に白濁遮光して電子カーテンとなる)に加温されることがないので問題なく使用できる。これらの樹脂の選択は、価格は当然として、室内用、室外用、作業時間、作業方法等により使い分ければ良い。この第2封止4の主目的は、基板を接着固定でき第1封止3を維持固定することにある。耐透水性は第1封止3が機能を果している。よって、第2封止4が、ランダムに微小剥離しても本目的にほとんど影響しなかった。また、液体状態から固体状態に化学反応する時に3%から10%程度の体積収縮が通常発生するので、第2封止4の存在が、隣接するイソブチレン系樹脂封止剤に対して機械的にも影響して、温度が上昇してもイソブチレンユニットのメチル基効果と界面密着性が維持されるものとおもえる。この2段封止による相乗効果の結果、後述するように高温時でも水の蒸発が大きく防止できたものと考えられる。また、イソブチレン系樹脂封止剤の存在により、高分子水溶液と架橋反応型封止剤が非接触となり水の影響を受けなくなり、架橋反応型封止剤が安定的に基板を接着固定することに非常に有効であった。このように、本発明の封止は、第1封止3と第2封止4は相互に依存して相乗効果を発揮する2段封止構造体といえる。
【0015】
さらに、特に図示はしないが、より安定、確実に封止するために第1封止3と第2封止4を多重にする構造(例えば、第1封止−第2封止−第1封止、第1封止−第2封止−第1封止−第2封止等)も有用である。さらに、第3図、第4図に示したように保水層5を設ける構造も有用である。保水層5は、例えば、図3は水袋層であり、図4は水層である。この様に、封止を介して高分子水溶液2と独立に保水層を設けて水の飽和蒸気および/または液体をおくと、保水層5と高分子水溶液2の間に飽和平衡が成立して高分子水溶液2から水の蒸発を防止できる。ようするに、保水層5の水の存在が緩衝になって高分子水溶液2に気泡の発生と濃度変化によるむらの発生を防止できた。
【0016】
水を入れる袋は、透水性があればなんでもよい(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンン等)。また、袋の代わりに保水担体(例えば、高吸水性高分子、多孔体等)でもよい。また、保水層5として水をもつマイクロカプセル等を練り込んである封止でもよい。
【0017】
つぎに、高分子水溶液積層体の製法を記す。この製法の基本は、高分子水溶液2と少なくともイソブチレン系樹脂封止剤を同時に基板間に積層することにある。加えるに高分子個体(例えば、固体膜、微粒子等)または高濃度高分子水溶液を隙間をもって基板間に積層・封止してから水または添加剤を溶解してある低粘度水溶液を隙間に注入放置して基板間で目的組成の高分子水溶液2にする製法である。特殊な製法として低粘度組成物(例えば、アクリルアミド系のモノマー等)を注入してから積層体内で反応させて高分子水溶液またはハイドロゲルとする方法を除くと、本発明に使用する高分子水溶液2は、高粘度の水溶液であり孔部から注入することは不可能であった。この粘度は本発明の機能性にも関連し、高分子水溶液2が部分的に加温(例えば、日射の有無、熱素子の有無等)されて調光変化する時に対流を起こすような低粘度ではむらの発生となり、視覚に訴える必要のある本発明には不適である。これを定義すると、本発明の製法が必ず必要とする高分子水溶液2は、1mm厚の高分子水溶液2をもつ積層体を垂直に立てかて、部分的に加温して十分に調光変化を示す10℃の温度差を中心部のみに加えても対流によるむらの発生を見ない高粘度水溶液またはハイドロゲルといえる。さらに記すと孔部または注射針等で注入できる100cp以下の低粘度の高分子水溶液ではなく、100cp以上、さらに500cp以上の高粘度であり、より確実には1000cp以上の高分子水溶液である。対流によるむらの発生があると窓、表示体等には使用できない。よって、この点からも耐透水性もって高粘度の高分子水溶液を積層できる製法を確立する必要があった。
【0018】
具体的な製法は、真空積層法、孔部脱気法、拡散法の3種がある。主要な点は、基板を積層する時の脱気をいかに制御するかにある。
【0019】
真空積層法は、少なくとも第1封止3となるイソブチレン系樹脂封止剤または接着性イソブチレン系樹脂封止剤を基板外周に設け、高分子水溶液2を基板に塗布、滴下等で適量おき、その後真空槽内に入れて真空状態で対向基板を密着加圧して高分子水溶液2と封止剤を同時に基板間で積層する方法である。この真空度は、水の蒸発もあるので通常の真空ポンプ(例えば、油回転真空ポンプ等)の減圧でよく1Torr程度でよく、多数または大きい残存気泡が残らなければよく特に限定されるものではない。なお、真空槽から常圧状態に取出した時点で小さい気泡が多数残存し発泡蒸発による濃度むらが観察された。しかし、気泡は、室内放置で高分子水溶液2に吸収され、むらは水拡散により均一化してすみやかに消失して良好な結果をえた。この真空積層法の特長は、1)気泡の混入を防止でき、2)積層時に脱泡されるため高分子水溶液2の事前脱泡処理を必要とせず、3)積層時の脱泡により脱酸素でき高分子水溶液2の酸化による黄変を防止できる点にあった。
【0020】
高分子水溶液2を基板に設ける方法は、バーコート、カーテンコート等の塗布法があり封止部をマスクしておくと合理的である。さらに、ディスペンサー等による滴下法は、非常に有用である。それは、1)真空積層であり均一厚でなくて等ピッチの点状、ライン状の滴下であれば均一厚に積層でき、2)マスクを使用することなく滴下の位置・量等の条件変更のみで小型から超大型までのサイズに対応でき、3)多種類の高分子水溶液2を点状、ライン状に配置することで高機能性、画像、模様をもつ積層体を容易に得られる。例えば、高機能性とは、3分割して白濁の開始温度をずらすことで、上部が白濁遮光し中間部は半透明で下部が透明な状態にでき、庇効果と透視性を1枚の積層体にもたすことができた。画像は、ABCと温度差で表示できた。模様は、タイル柄のようなことは容易にできた。当然、調光変化しない高分子水溶液(例えば、無色透明、乳白色等)を持ち込むことも容易にできた。この滴下法と真空積層法を組合せた製造システムは、上記したようにサイズフリー、多機能対応、切り替え容易等の高い生産性をもち非常に優れた製法であった。加圧は、均一に機械的にプレスできれば特に限定することなく使用できる。例えば、上下にゴムシートで分割された真空槽内の下段に積層する基板おき、上段と下段を同時に真空ポンプで同様に減圧真空にしてから、上段のみをリークして空気圧で加圧でき常圧(単位センチメートルあたり約1kgの大気圧)までゴムシートを介して均等に基板を加圧できる。第1封止3となるイソブチレン系樹脂封止剤(例えば、テイパ化工社のPIB−521等)の粘度は、外部加圧で変形して基板に密着する超高粘度の流動変形体(室温で自重で流動変形しない)であり、これに比較して高分子水溶液2は自重変形または軽い加圧で変形する水溶液またはハイドロゲルであり加圧時の変形追随性には大きな差があることを知っておく必要がある。当然、高分子水溶液2が第1封止3の領域に流れ込む前に、両基板がイソブチレン系樹脂封止剤を介して密着し高分子水溶液2が内包され、加圧とともに基板間の全体に展開されて高分子水溶液積層体となる。基板の外周部にエッジ効果として特殊な力が作用しないように、基板の周囲に補助板をおいて基板全体を均等に加圧する工夫も有効であった。または、2槽連続真空槽を使用して、第1槽内で仮積層して真空を破ることなく第2槽に移し加圧、積層する連続生産法も生産スピードをあげるのに有用な方法であった。この方法は、高分子水溶液2とイソブチレン系樹脂封止剤または接着性イソブチレン系樹脂封止剤を同じ厚みに基板全面に均一に塗布することで、封止剤の粘度に依存しない製法として有用である。なお、スペーサーの機能、配置、種類等は後述する。
【0021】
さらに、本発明者は、真空積層の基本を確認するために次のテストをした。10cm角で3mm厚ガラス基板の辺から10mm内側の外周に約3mm径の円形断面をもつテイパ化工社のPIB−521を置き、封止剤に触れることなく実施例1の高分子水溶液3.6gを適当に滴下してから同サイズの対向基板を軽くおいて仮積層体とした。この仮積層体は、高分子水溶液と空気層と気泡が混在している状態であった。積層過程を観察するために透明な2口ガラスデシケーター内に仮積層体をおいた。サイド口から油回転真空ポンプで減圧真空にすると、高分子水溶液は全体が発泡状態になった。この状態で蓋口に設けたゴム栓の穴に通した棒を押し込んでその先端で対向基板の中心部を加圧して封止剤と基板を約3.5mm程度の密着幅で密着させた。この密着の状態で常圧に戻した。その結果、基板が大気圧で加圧されて内包された高分子水溶液は基板間全体に速やかに約0.5mmの均一な厚みをもって広がり、封止剤も同時に外周に沿ってテープ状に整った形態をもって約4.5mm幅の最外周部を残して約9mm幅に潰された。この最外周部に実施例1の感光性樹脂を注入して紫外線照射して第2封止の接着をした。その結果は、無数の微小気泡が残存したが1夜放置で消失した。たまに、1mm程度の気泡が2個、3個残る時もあったが、主用途である窓等の使用には全く無視しうるものであった。以上の結果が意味することは、第1封止のテイパ化工社のPIB−521が超高粘度であるために基板間の内部に引き込まれることなく基板の外周にほぼ平行にテープ状に形成できた。同時に内部が真空状態となり、均等に基板が大気圧で加圧されて速やかに高分子水溶液が第1封止の壁まで広がり均一厚をもって積層体となった。また、高分子水溶液は、減圧真空にさらされて全体が発泡状態となるので、特に仮積層工程までの気泡、空気層の存在は特に問題にならなかった。なお、少なくともこの基板サイズ、重さでは、作為的に第1封止に凸凹の隙間を設けるなくとも隙間から容易に真空脱気できた。さらに、曲面基板の積層に非常に有用である。ようするに、真空下で軽く加圧または/および局部加圧して仮密着さえとればよく、特に型枠を設けて加圧する必要がなく平板とほぼ同様に生産できた。この加圧は、少なくともピンホールをもつことなく基板と封止剤が密着した密着状態を取れればよいので、真空装置の簡易化と処理時間の短縮等のコスト面に大きな利点をもたらした。また、加圧前の封止剤の断面形状は、テープ状、扁平状ではなく円形または正多角形(例えば、正三角、正方形等)等のように固まりの方が密着状態を取りやすく使用しやすかった。
【0022】
つぎに、孔部脱気法は、真空槽を使用することなく常圧下で積層する方法である。この方法の基本は、イソブチレン系樹脂封止剤または接着性イソブチレン系樹脂封止剤と基板を連続空気層とともに高分子水溶液2を内包した状態で加圧とともに孔部より脱気して気泡のない高分子水溶液積層体をうる製法である。具体的には、イソブチレン系樹脂封止剤または接着性イソブチレン系樹脂封止剤を基板外周に設け、高分子水溶液2を必要量おき、その後対向基板を気泡混入をさけて高分子水溶液2と接触させるとともに高さを高くしてある封止剤とも密着させて、高分子水溶液2と連続空気層をもつ状態に仮積層する。仮積層と同時にまたは仮積層後、例えば4角に中空棒(例えば、注射針等)を設けて脱気の孔を設ける。この状態で仮積層体を加圧すると、孔部からの脱気とともに高分子水溶液2は、基板間全体に広がり封止壁に到達しても封止剤の粘度が高分子水溶液より明らかに大きいために封止壁に沿って横方向に拡大し、完全脱気と同時に基板間全面に高分子水溶液2を積層できた。その結果、高分子水溶液2は外部にもれることなく封止も目的厚まで潰されて良好な積層体をえた。加圧方法は、特に限定されることなく使用でき、例えば、平行板による面プレス、ロールプレス等がある。特にロールプレス法は、X軸をシリンダーでY軸を基板移動で精度をとり往復運動または多段ロールで厚み方向のギャップを徐々に変えていくことにより超大型基板を±20nm程度の精度をもって均一加圧でき有用である。この大型ロールプレスは、鉄鋼の圧延、製紙のカレンダープレス等に使用されており特に説明するまでもない。また、曲面基板を積層する場合は、曲面金型で仮積層体を加圧することで対応できた。さらに、基板を封止剤と密着後、4角に設けた中空棒より真空ポンプで吸引減圧して内部の空気を脱気して真空状態にすると、大気圧の加圧も同時に起こり高分子水溶液2と封止剤が同時に潰され、速やかに連続空気層は消滅して気泡のない良好な積層をえた。この製法は、50cm角以下、好ましくは30cm角以下の中小型の積層体に有用であった。高分子水溶液2の塗布、滴下は、基板サイズ、形状で使い分ければよい。塗布と滴下を組合せて連続空気層をもつように仮積層するとよい。
【0023】
孔の封孔は、封止剤をよせる方法、封止剤を加える方法、室温短時間で硬化する樹脂を加える方法、中空棒の口を止めて積層体内に押し込む方法、ビーズ、細棒等をこの孔部に機械的に押し込む方法等がある。簡便な方法は、中空棒の除去と同時に中空棒または細棒で封止剤をよせることのみで封孔しえた。これらの封孔法は、孔部脱気法に限定することなく、積層ミスで残存した気泡を辺部、角部に垂直放置で気泡を集めてから中空棒(例えば、注射針等)を打ち込んで脱気、封孔処理して気泡のない積層体にする修理法も確立できた。また、保水層5の注水後の封孔にも使用できた。当然、第2封止4の架橋反応型封止剤はこの封孔処理をより確実なものにする。なお、スペーサーの機能、配置、種類等は後述する。
【0024】
つぎに、拡散法は、高分子固体(例えば、塗布乾燥膜、粒子等)または高濃度の高分子水溶液を空気層をもって封止剤で基板間に積層後に、溶媒である水または低粘度水溶液を注入して、積層体内で水分子および添加剤を拡散させて目的組成の高分子水溶液2にする製法である。この製法の特長は、空気層の厚みを変えることにより濃度を連続的にかえてなる積層体を簡便にえられる点にある。例えば、左から右にスペーサー厚を変えることにより空気層の厚みを制御できる。当然、基板の凸凹でも濃度を変えることは可能である。具体的には、塗布、乾燥してえた高分子膜をスペーサーを介して封止、積層して、高分子固体をもつ積層体とした。特に、固体膜は完全に乾燥している必要はなく少々粘着性をもつ程度でもよい。その後、注射針を通して脱気と注水をして基板間で溶解均一化させる方法である。ここで、積層基板を加熱(例えば、80℃)して注水して加温状態で封孔することで使用時の温度(例えば、40℃)では内部が体積収縮した状態にすることもできる。また、内部を真空状態にしてから注水する方法も有用である。なお、高分子固体が水に溶解するときに水に溶存していた空気が遊離して微小気泡の発生をおこす時は、事前に水の脱気処理をしておくとよい。また、注入液は、注入できればよく水に限らず添加剤等をもつ水溶液でもよい。第2封止4の処理、封孔は、すでに説明した製法と同様に処理すればよい。この製法は、封止形成に加熱処理をいれることもできた。
【0025】
前記の製法は、溶媒の水が高分子固体に拡散して均一状態に溶解するまでに長時間を必要とする問題点が残った。そこで、目的濃度より高濃度の高分子水溶液を塗布し、スペーサーを介して封止、積層後、孔部から水または水溶液を隙間に注入、放置して水を拡散させる方法で解決できた。
【0026】
なお、本発明では、孔部を狭くとらえる必要はなく、基板自身の各角に孔を空けて空気抜けの脱気通路としてもよい。特に詳説するまでもなく、例えば、仮積層した積層体を真空槽に入れて孔から脱気し封孔してから常圧の大気圧にさらして加圧積層する製法、孔から吸引脱気して中空棒と同様な役割をもたせる製法等もあるが、基本的な考えは、既に詳説した製法と同様であり本発明に含まれる。
【0027】
本発明者は、水の蒸発の程度を直接観察するために、以下のような実験をした。5cm角で3mm厚のガラス基板にギャップ約0.8mmで外周封止、脱気した水を注入、封孔をして外周封止からの水の透過、蒸発状態をテスト・観察した。封止幅を約12mmとし、第1封止と第2封止をもつ封止幅は各約6mmとした。水は、注射針を2本さして注水と脱気をした。封孔は、全てサンライズメイセイ社のホトボンド#300を孔部におき注射針を除去し紫外線照射した。封止剤を変えて各種積層体を作成した。イソブチレン系樹脂のテイパ化工社のPIB−521からなるA積層体、サンライズメイセイ社のホトボンド#300からなるB積層体、テイパ化工社のペア・シール2HDからなるC積層体とし、本発明の構造であるPIB−521とホトボンド#300からなるD積層体、PIB−521とペア・シール2HDからなるE積層体、PIB−521と鉛市社のFINELEX−PLからなるF積層体、これら積層体を80℃の恒温槽内で1000時間放置して気泡の発生、成長状況を比較検討した。その結果は、A積層体は、120時間後には1mm程度の気泡が封止壁に沿って多数発生し、その後気泡も成長し400時間には大気泡を観察した。B積層体は、A積層体やC積層体より明らかに気泡の発生数、成長速度も遅いが400時間を越えると明らかに目立つ状態になり、また水との接触部が淡く白濁変化した。C積層体は、A積層体と近い傾向で気泡の発生をみた。これに比較して、本発明の構造をもつD積層体、E積層体、F積層体は、良好な結果を示した。D積層体は、驚くべきことに120時間後には0.1mmから0.3mm程度の微小気泡が封止壁にそって観察されたが、その後大きな変化はなく、720時間、1000時間後でも封止の壁に0.2mmから1mm程度の微小気泡が3mmから10mm程度の間隔で発生した程度であり、気泡が特に大きく成長することはなかた。これは、例えば、1m角の積層体で10mm間隔に1mm径の気泡が発生したとすると合計でも3.14平方センチメートル程度であり十分に窓枠内に隠れる程度であることがわかった。E積層体もD積層体より少し気泡の成長はみられたが良好であった。F積層体は、E積層体、D積層体よりも気泡の数、成長も多くなるが耐透水性は十分に認められた。このように本発明の積層体は、A積層体、C積層体と比較にならなかった。D積層体、E積層体、F積層体の第2封止は、1000時間後でも全く変化が観察されなかった。つぎに、水の代わりに実施例1で調整した加温で透明状態と白濁遮光状態を可逆変化する高分子水溶液を積層して同様な実験観察をした。その結果は、気泡の数、成長とも水と比較してより遅くなり良好であった。その全体の傾向と比較は、水と同様の傾向であった。実際の環境は、高温となる夏季では湿度がテスト条件より高い状態となるので水の蒸発はもう一回り小さくなり、本発明の構造が非常に有効であることが分かった。
【0028】
本発明者は、昨年の東京地区で真夏、正午〜2時、快晴、外気温32〜34℃、無風状態の条件で住宅、店舗、オフィスビル等の窓ガラス、窓枠フレームを表面温度計で温度を実態調査したところ、通常は60℃弱が多く、65℃を越える測定結果は非常にまれであった。よって、約20℃も高い温度で1000時間、それも乾燥空気条件(通常、夏季は高湿度)のもとで良好の結果をえたことは、1日に2時間高温になる日を1年で50日としても10年の耐久性をもつことになり、上記のより苛酷な条件での結果をあわせて考えると、本発明のように基板間に有機材料を配置する封止構造で透水性の課題を解決しえたことは非常に驚くべき成果である。また、本発明による高分子水溶液積層体は、液晶表示体のように情報伝達を目的とするわけでなく、主に建材に使用されるので1mm以下の微小気泡が多少発生しても透視性に影響はなく、実使用において全く問題ないといえる。
【0029】
つぎに、高分子水溶液2は、熱作用により調光変化する高分子水溶液である。温度変化で可逆的に曇点現象を示す水溶性高分子の水溶液または架橋型高分子のハイドロゲル、水を溶媒とするライオトロピック型の高分子液晶等がある。当然、各種の添加剤(例えば、相安定剤、温度シフト剤等)を添加することもできる。例えば、疎水基をもつ水溶性高分子のハイドロゲルの相分離を防ぎ均一可逆性をもたらす両親媒性分子(例えば、水酸基、エーテル基、メチル基、エチル基等をもつ水溶性低分子、オリゴマー等)、曇点現象を起こす温度をシフトさせる水溶性無機電解質(例えば、塩化ナトリウム等)等があり、さらに水溶性防腐剤、水溶性着色剤、水溶性紫外線吸収剤、溶媒を改質する水溶性有機溶媒等の低分子化合物がある。もうすこし説明すると、例えば、プロピレンオキサイドを高付加して得られる多糖誘導体(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルプルラン、ヒドロキシプロピルデキストラン等)がある。なかでもセルロース誘導体は、安定性が高く重要である。特記しない限り、セルロース誘導体であるヒドロキシプロピルセルロースを主体として記述するが、もちろん本発明はこれに限定されるものではない。このセルロース誘導体として付加された各種の官能基やその付加方法は、朝倉書店の大有機化学第19巻に詳細に開示されており、これらの方法と一般の付加反応を組み合わせることにより、水酸基、低級アルキル基、ハロゲン基等を付加せしめることによって親水性疎水性バランスを調製できる。さらに、可逆的に曇点現象を示す水溶性高分子として例えば、ポリビニルアルコール系のポリビニルアルコール部分酢化物、ポリビニルメチルエーテル等、ポリアクリルアミド誘導体(例えば、ポリN−イソプロピルアクリルアミド、ポリN−イソプロピルメタクリルアミド、ポリN−メチルN−エチルアクリルアミド等)、架橋型ポリアクリルアミド誘導体等がある。さらに、特殊な水溶液として無機系の水ガラス、特開平5−221620のアルミニウム成分を持つゲル等もある。これは、熱で発泡して調光、遮熱、断熱する無機系高分子水溶液をもつ積層体で防火ガラスに使用され本発明に含まれる。
【0030】
基板は、ガラスではソーダライムガラス、ホウ珪酸ガラス、熱線吸収ガラス、紫外線吸収ガラス等があり特に限定されることなく広く使用できる。また、強化ガラス、耐熱ガラス、型板ガラス、合わせガラス、網入りガラス、複層ガラス等の板ガラスも特に限定することなく使用できる。なお、高分子水溶液2、封止剤等を太陽光線の紫外線から保護するには紫外線吸収・カットガラスが重要であり、例えば、ブチラール合わせガラス、グリーンガラス(例えば、セントラル硝子社のグリーンラルSP、旭硝子社のサングリーン等)、紫外線をハロゲン化銅の微粒子散乱でカットする五鈴精工硝子社のITY等があり、酸化亜鉛、酸化チタン等の超微粒子を塗布した板ガラス、東燃社のポリシラザンベース無機型UVカット膜を塗布した板ガラス、干渉による選択散乱膜を蒸着した板ガラス、液状紫外線吸収剤を積層したガラス等もある。ただ、一般のソーダライムガラスで厚みが約5mm以上であると350nm以下の紫外線透過が急激に小さくなり耐候性の面で好ましい。この基板サイズは、特に限定されることなく使用でき、建築、車両等広く使用できる。また、本発明は、少なくとも一部が透明であればよく、片側がガラスでもう一方が非透明板でもよく、例えば、金属板(例えば、アルミ板、ステンレス板、チタン板等)、セラミックス板等を用いてもよい。これは、表示体、広告板、壁板等に利用できる。当然、説明するまでもなく本発明は、透明発熱体、発熱塗料、発熱線等の熱素子を付加したガラス基板にも使用できる。管を連続した一対の基板と考えて本発明にふくめる。この管を多数本ならべることで面を構成できる。管の断面形状は、円、四角、扁平、三角、六角等特に限定されることなく使用できる。管の封止は、比較的粘度を低くできる接着性イソブチレン系樹脂封止剤が管内に押し込みやすい。
【0031】
スペーサーは、一般の窓のように垂直状態で使用するとサイズ、基板厚にも依存するが、高分子水溶液2の自重により液垂れ現象が起こり上下の厚みが変動する問題点を解決する必要があった。当然、製造時に膜厚を制御する機能もある。スペーサーの配置場所、配置方法は、高分子水溶液2または/および封止部、等ピッチまたは/およびランダムでよく特に限定することなく使用できる。このスペーサーが存在しても十分な開口率はあり透視性には全く問題がなかった。例えば、網入りガラスを見れば容易にわかる。スペーサーの型には、例えば、ビーズ状、柱状、棒状、糸状、網状、細長い板状等広く使用でき、その材料もガラス、セラミックス、金属、樹脂等のように水に耐えるものであれば限定されることなく使用できる。当然、封止部に例えば、棒状、糸状、細長い板状を使用し、内部に例えば、ビーズ状、柱状、糸状、網状のスペーサーを使用するように工夫してもよい。なお、樹脂スペーサーは、適度の弾性をもつ特長を利用できる。また、スペーサーは、基板に接着剤で固着してもよく、さらに、印刷、滴下等で架橋硬化性樹脂、無機系接着剤等を配置する方法も有用である。なお、配置法としては、例えば、点状に接着剤(例えば、アクリル樹脂、シリコーン樹脂等)を周期的においてからビーズをまぶす方法、機械的に1ビーズを接着していく方法、高分子水溶液2の膜厚より樹脂ビーズ径を僅かに大きくして基板間で弾性変形固定させる方法、ガラス基板表面に微小な凸凹を設けてビーズをトラップする方法、高分子水溶液2の高分子液でスペーサーを仮固定して位置決めする方法等がある。また、高分子水溶液2に散布したスペーサーが、液膜厚の少しの変動とともにスペーサーが基板間にトラップされた結果、厚みが維持されることも確認した。
【0032】
さらに、これら細線を発熱線(例えば、タングステン線、発熱導電ペースト等)にするとスペーサー機能と熱素子機能を同時にもたすこともでき、そのピッチは、目的に応じて自由に選択できるが、面的に遮光するには3mmから100mm程度がよく、さらに好ましく5mmから50mm程度がよい。さらに非発熱体のスペーサーを同時に使用してもよく、部分的に発熱体スペーサーを配置してもよい。さらに、封止部から端子までは良電導体(例えば、タングステン表面に金メッキ、銀ペースト、銅線等)であると封止部が非加熱となりより好ましい。さらに、スペーサーを光学的に最適にするには、高分子水溶液2にスペーサーの屈折率をよりちかずけると透明時の透視快適性をより良くすることができる。また、線状、網状のスペーサーは、そのピッチにより光線の制御もできるので、例えば、低温時の透明状態をレースカーテンのようにピッチを0.2mmから10mm程度にしてシースルー状態にして使用してもよい。当然、模様を付加したスペーサーを用いて華麗な模様をもつ調光ガラスにすることもできる。なお、30cm角以下の小型サイズではスペーサーを必ずしも必要としないが、50cm角以上になると、スペーサーがあると積層体の膜厚の制御とともに膜厚の保持と耐久性のある高分子水溶液積層体をうることができた。特殊な方法として、型板ガラスの凸凹をスペーサーとして凹部に高分子水溶液2を設けることもできた。
【0033】
【実施例】
以下に実施例を示し、本発明をさらに説明する。なお、これらの実施例には主に多糖類誘導体のヒドロキシプロピルセルロースの高分子水溶液を用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0034】
実施例1
ヒドロキシプロピルセルロース(ヒドロキシルプロピル基:62.4%、2%水溶液粘度:8.5cps、重量平均分子量:約60000)100重量部、ポリオキシプロピレン2−エチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール(平均分子量400)20重量部、塩化ナトリウム6重量部および純水200重量部からなる高粘度の高分子水溶液を調製した。30cm角、3mm厚のソーダライムガラス基板の外周部に各辺から10mmの所に第1封止剤としてテイパ化工社のPIB−521(断面:直径3mmの円形)を全外周に置いた。各コーナーに空気抜けの凹部を設けた調製した高分子水溶液を山盛りになるように中央部に82g流し込み、その上に対向基板を積層して軽くPIB−521とも接触させて仮固定した。真空装置を用いて、この積層体を速やかにゴムで上下2層に区分けされた下層に置き、油回転真空ポンプで約1Torrに減圧真空にしてから、上層を常圧にしてゴム板を介して大気圧で加圧した結果、各コーナーの凹部も潰されて均一化し、第1封止からはみ出すことなく内側全体に高分子水溶液を積層できた。その後、取り出して最外周部の隙間にサンライズメイセイ社のホトボンド#300を注入し紫外線照射して第2封止とした。なお、発泡による点状の濃度むらを見たが室温放置で速やかに消え良好な高分子水溶液積層体をえた
【0035】
実施例2
実施例1と同様にして第1封止剤PIB−521を置き、その外側に第2封止剤のテイパ化工社のペア・シール2HDを置き、実施例1と同様にして加圧して高分子水溶液を積層した。その後、室温放置してペア・シール2HDを硬化させて第1封止と第2封止をもつ良好な高分子水溶液積層体をえた。
【0036】
実施例3
1m角、5mm厚のソーダライムガラス基板に実施例1で使用したPIB−521を同様に置き、これに沿わして0.7mm径のステンレスワイヤーを長さ6cmで10cmピッチで置き封止部スペーサーとした。実施例1で調整した高分子水溶液を約10cmピッチで81ヶ所に約11gを円形状におき、約0.7mm径のビーズを散布した。その後、真空状態にしてから対向基板を置き、ゴム板を介して大気圧で加圧して内側全体に高分子水溶液を展開して積層体しとた。装置から取り出して実施例1と同様に第2封止をした。この高分子水溶液積層体を垂直に置いて観察したところ、特に問題なく良好な状態を1ヶ月以上維持した。
【0037】
実施例4
実施例3の円形状の塗布の代わりに、基板の外周に幅15mmでマスクして、高分子水溶液を0.7mm厚でマスク塗布した。その後、実施例3と同様にして封止剤、スペーサー、対向基板を置き、積層処理して良好な高分子水溶液積層体をえた。
【0038】
実施例5
30cm角、3mm厚のソーダライムガラス基板の外周部に各辺から10mmの所に第1封止剤としてテイパ化工社のPIB−521(断面:直径3mmの円形)を全外周に置いた。実施例1で調整した高分子水溶液を山盛りに成るように中央部に約82g流し込み、その上に対向基板を積層してPIB−521と接触加圧して両基板をPIB−521で密着した。4角の各コーナーに注射針をさしてPIB−521を突き破り内部の空気層と外部をつなぐ通路とした。注射針に加工した注射筒をつなぎ、さらにホースを介して油回転真空ポンプへつないだ。次に、減圧真空にして積層体の内部の空気を吸引すると、速やかに中央部の高分子水溶液が基板全体に広がるとともにPIB−521も潰されて基板全体に広がり各コーナーのコックを締めた。つぎに、注射針を抜くとともにPIB−521をよせて封孔した。その後、最外周部の隙間に鉛市社のFINELEX−PLを注入し紫外線照射して第2封止とした。その結果、良好な高分子水溶液積層体をえた。
【0039】
実施例6
実施例1で使用したヒドロキシプロピルセルロース100重量部に純水70重量部からなる高粘度の高分子水溶液を調整した。これは、可視光線を選択散乱して呈色を示すライオトロピック型の高分子コレステリック液晶である。実施例4と同じ基板に実施例4と同様に高分子コレステリック液晶を置き、第1封止剤としてテイパ化工社のPIB521と接触加圧して両基板をPIB−521で密着した。4角の各コーナーに注射針をさしてPIB−521を突き破り内部の空気層と外部をつなぐ通路とした。その後、重石を置いて単純に加圧プレスして中央部の高分子コレステリック液晶が基板全体に広がるとともにPIB−521も潰されて基板全体に広がった。つぎに、注射針を抜くと同時にPIB−521を基板の隙間から細棒でおして封孔した。その後、実施例4と同様に第2封止した。その結果、第1封止からはみ出すことなく良好なコレステリック液晶である高分子水溶液積層体をえた。
【0040】
実施例7
実施例1の高分子水溶液を調整した。実施例1と同じ基板の外周に幅15mmでマスクして、高分子水溶液を0.55mm厚でマスク塗布してから直径0.55mmの樹脂スペーサーを散布、乾燥して固体膜をもつ基板とした。つぎに、各辺から10mmの所に第1封止剤としてテイパ化工社のPIB−521(幅:6mm、高さ:0.8mm)を置き、その外側に第2封止剤のテイパ化工社のペア・シール2HDを置いた。さらに、一つの対角コーナーに注射針を置いてから、対向基板を積層、加圧して空気層をもつ積層体とした。コーナーから減圧脱気すると共に別のコーナーから純水を注水して内部を満たしてから封孔して室温で放置した。その結果、水が個体膜に拡散して溶液となり良好な高分子水溶液積層体をえた。
【0041】
【発明の効果】
本発明の効果は、熱作用により調光変化する高分子水溶液積層体の封止構造を機能性、部品点数、構造を非常に簡潔にまとめた実用的なものである。窓枠へのはめ込み、枠との整合性を考慮して補助枠を使用することなく封止剤のみで基板間で封止しきる構造にできた。高分子水溶液からの水の蒸発による濃度変化によるむら発生と気泡発生を防止すためにイソブチレン系樹脂封止剤と基板接着性をもつ架橋反応型封止剤の組合を基板間で使用して解決した。この基板接着性により、従来のイソブチレン系樹脂封止剤のみでは不可能であった高温時の耐透水性の確保と垂直施工での封止破壊の防止を確立できた。さらに、必要におうじて保水層5を設ける構造も効果的であった。その結果、長期間、苛酷な条件でも高分子水溶液積層体を安定的に維持でき本目的を達成した。つぎに、高粘度の高分子水溶液を積層してなる積層体の簡便で確実な製法を発明した。具体的な製法として、真空積層法、孔部脱気法、拡散法の3種を開発した。その結果、建築物、車両、表示体、広告装置等の苛酷な環境場でも使用可能な大型サイズの積層体を容易に製造できるようになった。さらに、50cm以上の大型サイズの積層体には、スペーサーを配置することで、垂直施工でも高分子水溶液2の厚みを安定的に均一に維持することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の断面図である。
【図2】本発明の実施例の断面図である。
【図3】本発明の実施例の断面図である。
【図4】本発明の実施例の断面図である。
【符号の説明】
1 基板
2 高分子水溶液
3 第1封止のイソブチレン系樹脂封止剤
4 第2封止の基板接着する架橋反応型封止剤
5 保水層
6 チューブ

Claims (5)

  1. 少なくとも一部が透明で直視可能な基板間に熱作用により調光変化する高分子水溶液を積層し、その外周部を封止してなる高分子水溶液積層体であって、前記外周部の封止が、高分子水溶液に接するように前記外周部の基板間内で直接両基板に密着している、イソブチレン系樹脂封止剤からなる第1封止とおよび両基板を接着固定している架橋反応封止樹脂からなる第2封止とを含む少なくとも2段の封止を有することを特徴とする高分子水溶液積層体。
  2. 少なくとも一部が透明で直視可能な基板間に熱作用により調光変化する高分子水溶液を積層しその外周部を封止してなる積層体の製造方法であって、基板上に高分子水溶液を塗布または滴下し、この高分子溶液を取り囲むように、基板の外周部にイソブチレン系樹脂封止剤と架橋反応型封止樹脂とを隣接させて配置した後、この基板と対向基板とを重ね合わせ、前記高分子溶液がその外周部のイソブチレン系樹脂封止剤および架橋反応型封止樹脂とともに両基板間に封止されるように真空状態のもとで密着させて積層して、基板間に高分子水溶液層とその外周に接して隣接するイソブチレン系樹脂封止剤層および架橋反応型封止樹脂層とを含む積層体を形成し、次いでこの架橋反応型封止樹脂を架橋させて、前記イソブチレン系樹脂封止剤からなる第1封止と前記架橋反応封止樹脂からなる第2封止とを含む少なくとも2段の封止を有する高分子水溶液積層体とすることを特徴とする高分子水溶液積層体の製造方法。
  3. 少なくとも一部が透明で直視可能な基板間に熱作用により調光変化する高分子水溶液を積層しその外周部を封止してなる積層体の製造方法であって、基板上に高分子水溶液を塗布または滴下し、この高分子溶液を取り囲むように、基板の外周部にイソブチレン系樹脂封止剤を配置し、この基板と対向基板とを真空状態のもとで重ね合わせ、前記高分子溶液がその外周部のイソブチレン系樹脂封止剤とともに両基板間に封止されるように密着させて積層して、基板間に高分子水溶液層とその外周に接する前記イソブチレン系樹脂封止剤層とを含む積層体を形成し、次いで両基板間内で前記イソブチレン系樹脂封止剤層の外側にこれと接するように架橋反応型封止樹脂を配置した後、この架橋反応型封止樹脂を架橋させて、前記イソブチレン系樹脂封止剤からなる第1封止と前記架橋反応封止樹脂からなる第2封止とを含む少なくとも2段の封止を有する高分子水溶液積層体とすることを特徴とする高分子水溶液積層体の製造方法。
  4. 少なくとも一部が透明で直視可能な基板間に熱作用により調光変化する高分子水溶液を積層しその外周部を封止してなる積層体の製造方法であって、基板上に高分子水溶液を塗布または滴下し、この高分子溶液を取り囲むように、基板の外周部にイソブチレン系樹脂封止剤と架橋反応型封止樹脂とを隣接させて配置するとともにこれらのイソブチレン系樹脂封止剤層および架橋反応型封止樹脂層の少なくとも一部に空気抜き用の孔を設け、この基板と対向基板とを重ね合わせ、両基板間で加圧もしくは吸引して脱気しながら、前記高分子溶液がその外周部のイソブチレン系樹脂封止剤および架橋反応型封止樹脂とともに両基板間に封止されるように密着させて積層し、前記空気抜き用の孔を封孔して、基板間に高分子水溶液層とその外周に接して隣接するイソブチレン系樹脂封止剤層および架橋反応型封止樹脂層とを含む積層体を形成し、次いでこの架橋反応型封止樹脂を架橋させて、前記イソブチレン系樹脂封止剤からなる第1封止と前記架橋反応封止樹脂からなる第2封止とを含む少なくとも2段の封止を有する高分子水溶液積層体とすることを特徴とする高分子水溶液積層体の製造方法。
  5. 少なくとも一部が透明で直視可能な基板間に熱作用により調光変化する高分子水溶液を積層し、その外周部を封止してなる積層体の製造方法であって、基板上に高分子水溶液を塗布または滴下し、この高分子溶液を取り囲むように、基板の外周部に、イソブチレン系樹脂封止剤を配置するとともにこの基板と対向基板とを重ね合わせ、両基板間で加圧もしくは吸引して脱気しながら、前記高分子溶液がその外周部のイソブチレン系樹脂封止剤とともに両基板間に封止されるように密着させて積層し、前記空気抜き用の孔を封孔して、基板間に高分子水溶液層とその外周に接する前記イソブチレン系樹脂封止剤層とを含む積層体を形成し、次いで両基板間内で前記イソブチレン系樹脂封止剤層の 外側にこれと接するように架橋反応型封止樹脂を配置した後、この架橋反応型封止樹脂を架橋させて、前記イソブチレン系樹脂封止剤からなる第1封止と前記架橋反応封止樹脂からなる第2封止とを含む少なくとも2段の封止を有する高分子水溶液積層体とすることを特徴とする高分子水溶液積層体の製造方法。
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