JP2000185948A - 機能性材料積層体およびその製造方法 - Google Patents

機能性材料積層体およびその製造方法

Info

Publication number
JP2000185948A
JP2000185948A JP10364517A JP36451798A JP2000185948A JP 2000185948 A JP2000185948 A JP 2000185948A JP 10364517 A JP10364517 A JP 10364517A JP 36451798 A JP36451798 A JP 36451798A JP 2000185948 A JP2000185948 A JP 2000185948A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
functional material
laminate
reduced
seconds
pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10364517A
Other languages
English (en)
Inventor
Toru Yoshida
融 吉田
Hidetoshi Kuromatsu
秀寿 黒松
Kenji Kurimoto
健二 栗本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP10364517A priority Critical patent/JP2000185948A/ja
Publication of JP2000185948A publication Critical patent/JP2000185948A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Joining Of Glass To Other Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高粘調液体やゲルのような可塑性の機能性材
料を容易に且つ気泡なく基体間に充填し、耐候性、耐熱
性に優れた機能性材料積層体およびその製造方法を提供
する。 【解決手段】 少なくとも一方の一部又は全部を透明と
なした基体2、3間に液状或いは湿潤なゲル状の機能性
材料4を封入した機能性材料積層体1であって、基体3
上に機能性材料を塗布し、これを10Torr以下の減
圧雰囲気下に0.1秒以上120秒以下の間、維持して
から、基体2、3間に機能性材料4を封入することで、
機能性材料4の溶存空気量を、常温、常圧の大気下で平
衡状態にある場合よりも低減した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、調光ガラスや防音
ガラスのように、2枚の透明板間に液状或いは湿潤なゲ
ル状の調光材料や防音材料等の機能性材料を積層してな
る機能性材料積層体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】2枚の透明板間に液状あるいは湿潤なゲ
ル状の機能性材料(以下、単に機能性材料と称する)を
積層しその周辺部分を封止材により封止してなる機能性
材料積層体(以下、単に積層体と称する)として、例え
ば特開平6−255016号公報に記載されているよう
に、平行配置した2枚のガラス板間に、機能性材料とし
て温度上昇により、透明状態から白濁状態に状態変化す
るサーモトロピックな高分子水溶液を積層した、サーモ
トロピック調光ガラスが提案されている。また、このサ
ーモトロピック調光ガラスは、液晶等を用いた調光ガラ
スよりも耐久性、遮光性に優れ、しかも安価であること
から脚光を浴びている。また、このような調光ガラスと
して、透明板間の隙間を一様に設定するため、要求隙間
と同じ直径の球状や綿状のスペーサを透明板間に配置さ
せたものも提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このようなサ
ーモトロピックな機能性材料は、液晶と比較して粘度の
高い液状やゲル状の物質なので、液晶のように真空注入
法などにより透明板間に充填することができず、気泡な
く効率的に充填する技術は、まだ確立されていないのが
実状である。また、このようなサーモトロピックな機能
性材料を、例えば調光ガラスとして窓に設置し日射
(熱)に曝された場合、徐々に変質、黄変着色し、透明
時の透視性が悪くなったり、白濁時には黄変むらが生じ
見苦しくなってくることも現状では解決されていない。
さらに、調光ガラスとして温度の上がりやすい場所に施
工され、例えば夏季を中心としてガラス表面温度が80
℃以上に達するような場合には、数ヶ月以内に機能性材
料充填部分に新たな気泡が発生してしまうことも問題と
なっている。
【0004】本発明の目的は、高粘調液体やゲルのよう
な可塑性の機能性材料を容易に且つ気泡なく基体間に充
填し、耐候性、耐熱性に優れた機能性材料積層体および
その製造方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段及びその作用】請求項1に
係る機能性材料積層体は、少なくとも一方の一部又は全
部を透明となした基体間に液状或いは湿潤なゲル状の機
能性材料を封入した機能性材料積層体であって、前記機
能性材料の溶存空気量が、常温、常圧の大気下で平衡状
態にある場合よりも低減されているものである。このよ
うに、機能性材料の溶存空気量を、常温、常圧の大気下
で平衡状態にある場合よりも低減すると、日射あるいは
80℃以上の高温に長期間曝された場合における、機能
性材料の変質、黄変着色が抑制されるとともに、新たな
気泡の発生が抑制できる。機能性材料の変質、黄変着色
の原因については厳密には解明されていないが、機能性
材料の変質は、溶存空気中の酸素によるものと考えられ
るので、溶存空気量を低減することで、溶存空気中の酸
素量が低減されて、変質、黄変着色が防止できると推定
している。また、高温時に発生する気泡は、溶解度が低
下して溶けきれなくなった空気であると考えられ、溶存
空気量の低減により、新たに発生する気泡が抑制される
と推定している。
【0006】請求項2に係る機能性材料積層体は、少な
くとも一方の一部又は全部を透明となした基体間に液状
或いは湿潤なゲル状の機能性材料を封入した機能性材料
積層体であって、前記機能性材料の溶存酸素量が、常
温、常圧の大気下で平衡状態にある場合よりも低減され
ているものである。前記請求項1では溶存空気量を低減
したが、機能性材料の変質、黄変着色のみを防止するだ
けであれば、溶存空気量を低減しなくても、請求項2記
載のように溶存酸素量を低減すれば、その目的を達成で
きる。
【0007】溶存酸素量の低減は、請求項3記載のよう
に、前記機能性材料の溶存空気量を、常温、常圧の大気
下で平衡状態にある場合よりも低減することにより行っ
てもよいし、請求項4記載のように、前記機能性材料の
溶存空気中における酸素濃度を、常温、常圧の大気下で
平衡状態にある場合よりも低減してもよい。溶存空気量
を低減する場合には、請求項1と同様に、機能性材料の
変質、黄変着色を防止できるとともに、高温時における
気泡の発生を防止できる。溶存空気中における酸素濃度
を低減する場合には、溶存空気を窒素等で置換するだけ
でもよいが、溶存空気を窒素等で置換し、更に溶存空気
量を低減すると、溶存酸素量をより一層効果的低減し
て、機能性材料の変質、黄変着色をより効果的に防止で
きるとともに、高温時における気泡の発生を防止できる
ので好ましい。
【0008】請求項5記載のように、機能性材料とし
て、温度変化により白濁状態と透明状態とに可逆的に状
態変化するサーモトロピック材料を用いれば、好適なサ
ーモトロピック調光ガラスが得られる。このようなサー
モトロピック材料において、請求項6記載のようにセル
ロース誘導体を主たる構成成分としてなる材料を使用す
ることは、耐候性を始めとする耐久性、及び透明と白濁
の繰り返しの安定性等が優れ好ましい。更に、請求項7
記載のように、非イオン性界面活性剤を加えることによ
り、白濁状態の安定性を著しく向上でき、均一な白濁状
態を長期間維持しうる。又、必要に応じて無機電解質を
加えることにより、透明状態と白濁状態に状態変化する
温度を制御することが可能となり好ましい。これにより
無添加で概ね50〜60℃で状態変化する温度を低温側
に任意に設定することが可能となる。
【0009】請求項8に係る機能性材料積層体の製造方
法は、少なくとも一方の一部又は全部を透明となした基
体上に、液状或いは湿潤なゲル状の機能性材料を塗布
し、これを10Torr以下の減圧雰囲気下に0.1秒
以上120秒以下の間、維持してから、基体間に機能性
材料を封入するものである。この製造方法においては、
機能性材料を塗布した基体を10Torr以下の減圧雰
囲気下に0.1秒以上120秒以下の間維持するので、
機能性材料に溶存している空気が外部に排出されて溶存
空気量が少なくなり、溶存酸素による機能性材料の変
質、黄変着色が抑制されるとともに、溶存空気による気
泡の発生が抑制される。減圧値が10Torrを超える
場合や減圧状態の維持時間が0.1秒未満の場合、機能
性材料の溶存空気を十分に排出できない。また、120
秒を超えて減圧状態を維持すると、本発明で用いる液状
或いは湿潤なゲル状の機能性材料を構成する成分、例え
ば水が蒸発してしまい、機能性材料の成分比や粘度等が
変化したり、機能性材料積層体の一部が白化するなどの
外観不良が発生し、機能性材料積層体の品質が低下する
ので、減圧値を10Torr以下に設定し、減圧雰囲気
下に0.1秒以上120秒以下の間維持することが好ま
しい。
【0010】また、請求項9記載のように、減圧開始後
60秒以内に5Torr以下の減圧雰囲気下まで減圧せ
しめ、該5Torr以下の減圧状態を0.1秒以上90
秒以下の間、維持することがより好ましい。この場合、
減圧値が請求項8記載の製造方法よりも低くなるので、
その分機能性材料の溶存空気量を低減して、機能性材料
の変質、黄変着色を一層効果的に抑制できるとともに、
高温時における気泡の発生を一層効果的に防止できる。
また、前述のように機能性材料を構成する成分が蒸発す
ることによる、機能性材料積層体の品質低下を防止する
ため、減圧状態の維持時間は90秒以下とすることが好
ましい。
【0011】更に、請求項10記載のように、減圧開始
後60秒以内に2Torr以下の減圧雰囲気下まで減圧
せしめ、該2Torr以下の減圧状態を0.1秒以上6
0秒以下の間、維持することは、溶存空気の除去をより
効果的に実施できることから最も好ましい製造方法であ
る。
【0012】請求項11記載のように、前記機能性材料
として溶存空気を予め窒素置換したものを用いることが
好ましい。この場合には、機能性材料の溶存空気中の酸
素濃度を低減して、機能性材料の変質、黄変着色を一層
効果的に防止できる。窒素置換の具体的な方法として
は、機能性材料を構成する成分を混合撹拌する際に窒素
気流下で撹拌したり、機能性材料を構成する成分を混合
撹拌する際に脱気真空下で行い、常圧に戻す際に窒素を
流入させたり、機能性材料を作製する際の溶媒をあらか
じめ窒素置換してから各成分を混合する、といった方法
が考えられるが、これらに何ら制限されるものではな
い。
【0013】また、請求項12記載のように、機能性材
料積層体の製造工程に、機能性材料の溶存空気を窒素置
換する工程を設けても、請求項11と同様に、機能性材
料の変質、黄変着色を一層効果的に防止できる。この場
合における窒素置換の具体的な方法としては、大気下で
作製した機能性材料を窒素バブリングしたり、大気下で
作製した機能性材料を一旦減圧脱気し、常圧に戻す際に
窒素を流入する、といった方法が考えられるが、これら
に何ら制限されるものではない。また、機能性材料を基
体に塗布する前工程として、機能性材料の溶存空気を窒
素置換する工程を設けてもよいし、機能性材料を塗布し
た基体を減圧雰囲気中に一定時間保持して脱気し、次に
窒素雰囲気中にて常圧に戻して窒素置換した後、請求項
8〜10のいずれかに記載の減圧値で設定時間、減圧雰
囲気下に維持してから、基体間に機能性材料を封入する
いった方法も考えられる。
【0014】本発明の機能性材料積層体、および本発明
の製造方法に従って得られた機能性材料積層体は機能性
材料の選択により、種々の機能が付与でき、それに伴っ
て様々な用途に使用可能である。特に、機能性材料とし
てサーモトロピック材料を使用した機能性材料積層体を
調光ガラスとして用いる場合には、一般住宅やビル等に
おける、垂直面の窓、天窓、ルーバー窓、引き違い窓、
はめ殺し窓、出窓、外開き窓、横滑り窓、両開き窓、上
下スライド窓、コーナー窓、テラスドア、腰パネルド
ア、高所内倒しドア、パティオドア、サンルーム、温室
ガラス、カーポートやバスストップの雨よけ天井材、更
には、大型施設のアーケード、トップライト、自動車の
サンルーフ、リアウィンドウ、建物の外壁材や蓄熱壁等
に使用できる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について図
面を参照しながら説明する。図1に示すように、機能性
材料積層体1は、基本的には少なくとも一方の一部又は
全部を透明となした基体2、3間に、可塑性を示す第1
シーリング材5、及び第2シーリング材6を機能性材料
を取り囲むように基体2、3の周縁部間に積層状に設
け、基体2、3と第1シーリング材5からなる気密空間
内に、液状あるいは湿潤なゲル状の機能性材料4を封入
したものである。
【0016】この機能性材料積層体1が日射あるいは高
温に曝される場所において使用される場合、機能性材料
4が変質、変色したり、あるいは機能性材料4の部分に
徐々に気泡が発生する場合がある。本発明の機能性材料
積層体1では、機能性材料4に溶存する空気や酸素を低
減させることで、機能性材料4の変質や変色、気泡の発
生を防止するように構成されている。これら溶存空気量
や溶存酸素量の低減は、後述する製造方法により実施し
た。
【0017】この機能性材料積層体1を調光ガラスとし
て用いる場合には、機能性材料4として、温度変化によ
り白濁状態と透明状態とに状態変化するサーモトロピッ
ク材料を用いることになる。一般的にこのような性状を
示すサーモトロピック機能性材料としては、曇点現象を
示す非イオン性界面活性剤や非イオン性水溶性高分子の
等方性水溶液がある。このようなサーモトロピック材料
の具体的な材料としては、ポリビニルアルコール部分酢
化物、ポリビニルメチルエーテル、メチルセルロース、
ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、エチ
レンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体、ヒドロ
キシプロピル基を有する多糖類誘導体(例えばヒドロキ
シプロピルセルロース、ヒドロキシプロピル・メチルセ
ルロース等)、ポリビニルメチルオキサゾリディノン、
ポリN−置換アクリルアミド誘導体(例えばポリN−イ
ソプロピルアクリルアミド、ポリN−エトキシエチルア
クリルアミド等)、ポリN,N−ジ置換アクリルアミド
誘導体(例えばポリN−メチル−N−エチルアクリルア
ミド等)、あるいはこれらの共重合体などの水溶性高分
子の水溶液や、アルコール等を溶媒とした高分子溶液が
あげられる。これらの例示物質の中でも、太陽光を充分
に遮光するという点では、疎水−親水バランスがよいヒ
ドロキシプロピル基をもつ多糖類誘導体が好適であり、
構造的に安定性のあるセルロースを主鎖にもつセルロー
ス誘導体、即ち、ヒドロキシプロピルセルロースが好ま
しいが、本発明はこれに限定されるものではない。ま
た、これらの溶液に酸化防止剤、凍結防止剤、安定剤等
の添加剤を加えることも本発明の範疇である。
【0018】ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロ
ース誘導体の水溶液等を単体で使用すると、白濁状態で
長時間放置すると、時間経過に伴って不均一な相分離状
態となることがある。不均一な相分離とは、白濁状態を
示すために凝集したヒドロキシプロピルセルロース等の
凝集物が時間経過に伴って更に凝集し沈降するため、溶
媒である水と2相に分離する状態を示す。しかしなが
ら、これに特開平6−255016号公報に記載されて
いるような、界面活性剤、特に非イオン性界面活性剤を
加えることにより、均一な相分離状態を長時間維持でき
る。
【0019】ここで使用される非イオン性界面活性剤
は、オリゴマー領域の約3000以下の分子量、より好
ましくは約1000以下の分子量のものが使用しやす
く、イオン性基は親水性基が非常に大きいので、バラン
スをとるため、疎水基は高級アルキル基がよい。具体例
としては、ポリオキシプロピレン2−エチル−2−ヒド
ロキシメチル−1,3−プロパンジオール(ポリオキシ
プロピレントリメチロールプロパンエーテル)やポリプ
ロピレングリコール、ジエチレングリコールモノブチル
エーテル、ポリオキシプロピレングリセリン、ラウリル
硫酸ナトリウム等が例示でき、その他にも同様の作用を
有する物質であれば使用することができる。
【0020】また、上記のようなサーモトロピック材料
の状態変化する温度を制御するため、必要に応じて塩化
ナトリウム等の無機電解質を加えることにより、状態変
化する温度を低温側に任意にシフトさせることができ
る。このようなサーモトロピック材料は、耐候性や安定
性に優れ、比較的に安価であるため好適である。また、
これらの水溶性高分子の一部を架橋し、水等の溶媒に膨
潤させたゲルをサーモトロピック材料として用いても良
い。例えば、米国特許5377042号に記載されてい
るような、前述の高分子溶液を一部架橋したゲル、例え
ばヒドロキシエチルメタクリレート−ヒドロキシエチル
アクリレート共重合体の部分架橋物と水からなるゲル状
のサーモトロピック材料は好ましい例の一つである。但
し、温度変化により白濁状態と透明状態とに状態変化す
る液状あるいは湿潤なゲル状のサーモトロピック材料で
あれば、前記以外の種々の材料を使用してもかまわな
い。
【0021】また、機能性材料4として、液状あるいは
湿潤なゲル状の材料であれば、光の変化に応じて光透過
率が変化するフォトクロミック材料や、電圧変化に応じ
て光透過率が変化するエレクトロクロミック材料などの
様々な調光材料を用いることが可能である。さらに、機
能性材料4として、光透過率が変化するもの以外の機能
を有する材料を積層することも可能である。例えば、α
−ゲル等の衝撃吸収ゲルを機能材料4として積層すれ
ば、機能性材料積層体1を遮音ガラスとして用いること
が可能となる。さらに、機能性材料4としては前記の高
分子溶液あるいはゲル以外にも、水などの溶媒を含んだ
液体や、これらの液体を吸収しているゲルや固体を使用
することができる。
【0022】基体2、3としては、通常は平板状の無機
ガラスやポリカーボネート等の有機ガラス等を使用す
る。熱線反射ガラス、低放射ガラス、合わせガラス、強
化ガラス、倍強度ガラス、UVカットガラス、網入りガ
ラス、型板ガラス、すりガラス等が任意に採用できる。
基体2、3は、調光ガラスとして使用するときには、通
常は透明に構成することになるが、基体2、3の一部は
不透明に構成してもよいし、建築物の外壁等として使用
する場合には、少なくとも一方を不透明なガラス板や金
属板等で構成してもよい。
【0023】2枚の基体2、3は同種のものを使用して
も良いし、異種のものを使用してもよい。また、模様等
を深く掘った型板ガラスや、曲げガラス、ガラス瓶のよ
うなガラス成形体、或いは少なくとも一方をガラスブロ
ックのようなブロック状に構成したガラスを採用するこ
とも可能である。機能性材料に隣接するシーリング材と
しては少なくとも1つのシーリング材を用いれば良い
が、1 種類以上のシーリング材を隣接させて幾層にもわ
たって使用することも本発明の範疇である。図1では2
種類のシーリング材5、6を併用した例を示している。
シーリング材の種類としては、ポリイソブチレン、ブチ
ルゴム、イソプレン等の熱可塑性シーリング材、酢酸
型、オキシム型、アミノキシ型等のシリコーン系シーリ
ング材、感光性のアクリル系接着材、エポキシ樹脂、ポ
リサルファイド系シーラント等が挙げられるがこれらに
何ら制限されるものではない。
【0024】基体2、3の間隔、すなわち機能性材料4
の厚みの規定方法については、機能性材料積層体1を作
製する際に基体3に貼り付ける第1シーリング材5の位
置と機能性材料4の使用量によって規定する方法、機能
性材料積層体を基体2、3の機械的圧縮により作製する
際の圧縮強度を適切な値に調整して規定する方法、スペ
ーサを用いて規定する方法等、種々の方法があるが何ら
これらに制限されるものではない。図2にはスペーサと
してガラスビーズからなるスペーサ7を用いた例を示
す。スペーサ7は、機能性材料4、シーリング材5、6
の少なくとも一部分に、基体2、3の間隔を規定するた
めに設ける。このときスペーサ7は図2に示したよう
に、機能性材料4、シーリング材5、6のすべての部分
に設けても良いし、必要に応じていくつかの部分のみに
設けても構わない。即ち、機能性材料積層体1の面積、
機能性材料4の面積、第1シーリング材5の面積、第2
シーリング材6の面積を考慮して、必要最小限設定すれ
ばよい。また、スペーサ7は球状、線状、網目状等が例
示できるが、これに限定されるものではない。
【0025】次に、この機能性材料積層体1を製造する
方法について説明する。この製造方法は、基本的には、
図3に示すように、機能性材料積層体1を構成する基体
2、3の少なくとも一方の基体3上に機能性材料4を塗
布するとともに、所望の基体2、3間隔よりも大きな間
隙をあけて基体2、3間を閉鎖的にシール可能なシーリ
ング材5、6を基体2上に付着させるセット工程と、図
4に示すように、対向基体2、3を重ね合わせて基体
2、3間に機能性材料4及びシーリング材5、6を介装
させ、基体2、3間にシーリング材5、6で取り囲まれ
た閉鎖空間12を有する仮積層体1’を作製する仮積層
工程と、図5に示すように、仮積層体1’を減圧雰囲気
下に保持し、閉鎖空間12を略真空状態に維持する減圧
工程と、減圧雰囲気下において、図6に示すように、仮
積層体1’の閉鎖空間12が略真空状態のまま気密状に
なるよう、シーリング材5、6を変形させつつ密着せし
め、機能性材料4を気密状の閉鎖空間12に充満させる
密着工程とを備えている。
【0026】<セット工程>セット工程では、図3に示
すように、基体3に対して要求量の機能性材料4を点状
に塗布するとともに、基体3にシーリング材5、6を付
着させる。このとき、機能性材料4は、製作した機能性
材料積層体1における機能性材料4の層厚が一様になる
ように均等に塗布することが好ましい。機能性材料4を
図3のように塗布する場合には、不要部分にマスキング
を施して塗布してもよいが、ディスペンサーにより定量
的に塗布しても良い。このとき複数の塗布ヘッドを有す
るディスペンサーを使用して塗布すれば、定量的、か
つ、迅速に塗布することができる。これにより、大面積
の基体2、3に機能性材料4の塗布を行う場合に、塗布
時間を要して機能性材料4の表面が乾燥してしまうよう
な不具合が抑制できる。
【0027】塗布する機能性材料4は、機能性材料4の
変質、黄変着色を防止するため、溶存空気を窒素置換
し、溶存空気中の酸素濃度を低減したものを用いること
が好ましい。窒素置換の具体的な方法としては、機能性
材料4を構成する成分を混合撹拌する際に窒素気流下で
撹拌したり、機能性材料4を構成する成分を混合撹拌す
る際に脱気真空下で行い、常圧に戻す際に窒素を流入さ
せたり、機能性材料4を作製する際の溶媒をあらかじめ
窒素置換してから各成分を混合する、といった方法が考
えられるが、これらに何ら制限されるものではない。ま
た、セット工程の前工程として、機能性材料4の溶存空
気を窒素置換する工程を設け、大気下で作製した機能性
材料4を窒素バブリングしたり、大気下で作製した機能
性材料を一旦減圧脱気し、常圧に戻す際に窒素を流入す
る、といった方法により溶存空気を窒素置換してもよ
い。更に、後述のように機能性材料積層体1の作製過程
で窒素置換することも可能である。
【0028】第1シーリング材5としては、ポリイソブ
チレン系熱可塑性シーリング材を用いたが、その付着方
法としては、加温装置を併設した押し出し機や塗布機を
使用して行うことができる。これはダブルシールの複層
ガラスの1次シールを塗布するための装置が概ねそのま
ま使用できる。また、予めテープ状、紐状等に加工さ
れ、剥離テープ状に配置されたものは、ハンドリング性
も良く、簡単に基体に付着させることができる。第2シ
ーリング材6として1液型シリコーン系シーリング材を
用いたが、その付着方法としては、機能性材料4を塗布
するときと同様のディスペンサーを使用すれば定量的に
精度よく塗布することができる。また、シーラントカー
トリッジに入ったものを使用する場合には、市販のコー
キングガンがそのまま使用できる。更には、注射器等に
移し換えて塗布してもよい。
【0029】<仮積層工程>次に、仮積層工程では、図
4に示すように、基体2、3を重ね合わせて仮積層体
1’を作製する。この仮積層体1’においては、上側の
基体2がシーリング材5、6により支持されて、基体
2、3間にシーリング材5、6で取り囲まれた閉鎖空間
12が形成される。また、閉鎖空間12はシーリング材
5、6により取り囲まれてはいるが、シーリング材5、
6と基体2、3とはまだ十分に密着した状態ではないの
で、外気は多少出入りできる状態になっている。
【0030】<減圧工程>次に、減圧工程では、図6に
示すような、可とう性を有する膜体11で仕切られた、
隣接する2つの減圧槽9、10を有する減圧装置8を用
い、仮積層体1’を下側の減圧槽10内にセットして両
減圧槽9、10を減圧し、機能性材料4が存在する閉鎖
空間12を略真空状態にする。減圧装置8としては、汎
用の太陽電池パネル作製用のラミネータを採用でき、具
体的にはspire社(米)製のもの等が例示できる。
【0031】減圧時における両減圧槽9、10の減圧値
は小さいほど閉鎖空間12の真空度が高くなって密着し
た後の気泡が減少し、機能性材料4が完全に充填されや
すくなる。このとき仮積層体1’を設置した状態で、減
圧値10Torr以下の減圧雰囲気下まで減圧し、0.
1秒以上120秒以下の間、維持するとになる。より好
ましくは減圧開始後60秒以内に5Torr以下の減圧
雰囲気下まで減圧し、この5Torr以下の減圧状態を
0.1秒以上90秒以下の間、維持するのが好ましい。
さらに好ましくは、減圧開始後60秒以内に2Torr
以下の減圧雰囲気下まで減圧し、この2Torr以下の
減圧状態を0.1秒以上60秒以下の間、維持するのが
好ましい。
【0032】減圧値が10Torrを超えて真空度が悪
い場合や、維持する時間が0.1秒より短いと、機能性
材料4に予め存在する気泡や、塗布時に混入した気泡が
充分除去できない。また、減圧した状態を必要以上に長
い時間維持すると、蒸気圧が低くなるため、機能性材料
4の溶媒が蒸発して組成が変動したり、その表面に白い
皮膜が張り、外観不良の要因となったり、気泡除去の妨
げになったりして、所望の良好な積層板が得られなくな
る。
【0033】尚、この減圧装置8を用いて、機能性材料
4の溶存空気を窒素置換することも可能である。具体的
には、減圧槽10内に仮積層体1’をセットした状態
で、減圧槽9、10を減圧し、仮積層体1’の閉鎖空間
12を減圧雰囲気中に一定時間保持して機能性材料4中
の溶存空気を脱気し、次に減圧槽10内に窒素ガスを供
給して減圧槽10を常圧に戻すことで、機能性材料4の
溶存空気を窒素置換した後、前述と同様に、両減圧槽
9、10を減圧し、機能性材料4が存在する閉鎖空間1
2を略真空状態してもよい。
【0034】<密着工程>密着工程では、図6、図7に
示すように、閉鎖空間12が気密状になるように、上側
の減圧槽9の減圧を開放し、常圧あるいは加圧して膜体
11で基体2を圧縮し、シーリング材5、6を基体2に
隙間なく密着させることになる。図7に示す状態から、
膜体11によりさらに基体2を押圧して、シーリング材
5、6を変形させつつ、機能性材料4を閉鎖空間12内
に充満させる。つまり、減圧装置8を用いると、閉鎖空
間12を略真空状態に維持する減圧工程と、基体2、3
に対してシーリング材材5、6を変形させつつ気密状に
密着せしめながら、機能性材料4を閉鎖空間12に充満
させる密着工程とを、減圧装置8内にて連続的に行える
ので、両工程を容易に且つ効率的に行うことが可能であ
る。
【0035】密着工程において、減圧槽9の減圧状態を
開放してからの経過時間は、概ね120秒以下程度行え
ばよい。本実施例においては、可とう性を有する膜体1
1で、仮積層体1’を密着させるが、このとき機能性材
料4は一瞬で閉鎖空間12内に充満されるわけではな
く、徐々に展開し、閉鎖空間12内への充満が概ね完了
することとなる。また、密着工程後の積層体1は、基体
2、3とシーリング材5、6を介して気密状に閉鎖空間
12が形成されているので、上下の平行がとれた油圧プ
レス等の押圧装置で圧縮し、物理的に機能性材料4の閉
鎖空間12への充満を補助しても構わない。また、閉鎖
空間12内の機能性材料4の未展開部分は、略真空状態
になっているので、減圧装置8から取り出して放置する
だけでも、大気圧により基体2、3が圧縮され、機能性
材料4を充満することができる。
【0036】尚、本実施例では、2枚の基体2、3間に
機能性材料4を積層した機能性材料積層体1、及びその
製造方法について説明したが、機能性材料積層体1に対
して更に1乃至複数枚の基体を同種又は異種の機能性材
料を介在させた状態で積層し、3枚以上の基体を有する
機能性材料積層体を構成することも可能である。また、
この場合には、機能性材料を充填しない空気層を基体間
に形成して、断熱性や遮音性を高めることも可能であ
る。
【0037】
【実施例】次に、具体例の一例について説明する。 (比較例1)機能性材料として使用するサーモトロピッ
ク材料を、次のように調製した。すなわち、セルロース
誘導体としてヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達
(株)製HPC−L、以下HPC)、非イオン性界面活
性剤としてポリオキシプロピレントリメチロールプロパ
ンエーテル(三洋化成工業(株)製サンニックストリオ
ールTP−400)、無機電解質および水として3%塩
化ナトリウム水溶液をそれぞれ、5:1:9の重量比で
混合し、大気下で撹拌してサーモトロピック材料を得
た。基体として300×300mmのJIS規格品フロ
ート板ガラスの3mm厚を使用した。シールは2段封止
とするため第1シーリング材として熱可塑性のブチルゴ
ムテープ((株)ピーエムジー製ナフトサームブチルテ
ープ芯なし1700)、更にその外側の第2シーリング
材としてシリコーン系シーリング材(信越化学工業
(株)製KE420)を使用した。なお、スペーサとし
て、点状に塗布したサーモトロピック材料上と第1シー
リング材上に500μm のガラスビーズを配置した。そ
して、一方の基体上に第1及び第2シーリング材を付着
させるとともに、図3に示すように、サーモトロピック
材料を点状に塗布してから、他方の基体を重ね合わせ
て、図4に示すような仮積層体を製作し、これを減圧工
程で減圧開始後30秒をかけて30Torrまで減圧
し、その30Torrの減圧状態を30秒維持した後、
大気圧にて密着させ、図1に示すような機能性材料積層
体を得た。
【0038】(比較例2)減圧工程で減圧開始後100
秒かけて5Torrまで減圧し、その5Torrの減圧
状態を130秒維持した以外は比較例1と同様にして図
1に示すような機能性材料積層体を得た。
【0039】(実施例1)減圧工程で減圧開始後30秒
かけて5Torrまで減圧し、その5Torrの減圧状
態を10秒維持した以外は比較例1と同様にして図1に
示すような機能性材料積層体を得た。 (実施例2)減圧工程で減圧開始後30秒かけて1To
rrまで減圧し、その1Torrの減圧状態を10秒維
持した以外は比較例1と同様にして図1に示すような機
能性材料積層体を得た。
【0040】(実施例3)サーモトロピック材料を窒素
気流下で混合撹拌したものを用いた以外は、実施例1と
同様にして図1に示すような機能性材料積層体を得た。 (実施例4)比較例1記載の方法で調製したサーモトロ
ピック材料を一旦10Torrまで減圧し、次に窒素ガ
スを導入しながら常圧に戻してから使用した以外は実施
例1と同様にして図1に示すような機能性材料積層体を
得た。以上、比較例と実施例に示した減圧条件および窒
素置換についてまとめたものを表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】また、比較例と実施例に示した方法で得た
機能性材料積層体の製造直後に色差計にて色差ΔEを測
定した結果および外観評価結果、80℃のオーブンに1
00時間放置し、十分室温まで温度が下がった後、色差
計にて色差ΔEを測定した結果および外観評価結果(8
0℃耐熱試験)についての結果を表2に示す。
【0043】
【表2】
【0044】実施例1〜4は、比較例1と比較して減圧
値を低く設定することにより、製造直後における気泡の
発生が防止されるとともに、高熱に曝された場合におい
ても気泡の発生が防止され、しかも黄変等の変質着色も
防止されることから、良好な製品が得られることが判
る。また、実施例1、2は、比較例2と比較して、減圧
維持時間を短く設定することにより、製造直後の白化が
防止され、良好な外観の製品が得られることが判る。更
に、実施例1においても、80℃耐熱試験後の色差が
0.7なので十分に使用に耐え得るものであるが、実施
例2のように減圧値を下げたり、実施例3、4のように
窒素置換することで、80℃耐熱試験後の色差を一層低
減した高品位な製品を製作できることが判る。
【0045】
【発明の効果】請求項1に係る機能性材料積層体によれ
ば、機能性材料の溶存空気量を、常温、常圧の大気下で
平衡状態にある場合よりも低減しているので、日射ある
いは80℃以上の高温に長期間曝された場合における、
機能性材料の変質、黄変着色を抑制できるとともに、新
たな気泡の発生を抑制できる。請求項2〜4のいずれか
1項記載の機能性材料積層体によれば、機能性材料の溶
存酸素量を、常温、常圧の大気下で平衡状態にある場合
よりも低減しているので、機能性材料の変質、黄変着色
を防止できる。また、溶存空気を窒素等で置換し、更に
溶存空気量を低減すると、溶存酸素量をより一層効果的
低減して、機能性材料の変質、黄変着色をより効果的に
防止できるとともに、高温時における気泡の発生を防止
できる。
【0046】請求項5記載のように、機能性材料とし
て、温度変化により白濁状態と透明状態とに可逆的に状
態変化するサーモトロピック材料を用いれば、好適なサ
ーモトロピック調光ガラスが得られる。このようなサー
モトロピック材料において、請求項6記載のようにセル
ロース誘導体を主たる構成成分としてなる材料を使用す
ることは、耐候性を始めとする耐久性、及び透明と白濁
の繰り返しの安定性等が優れ好ましい。更に、請求項7
記載のように、非イオン性界面活性剤を加えることによ
り、白濁状態の安定性を著しく向上でき、均一な白濁状
態を長期間維持しうる。又、必要に応じて無機電解質を
加えることにより、透明状態と白濁状態に状態変化する
温度を制御することが可能となり好ましい。
【0047】請求項8に係る機能性材料積層体の製造方
法によれば、基体に塗布した機能性材料を10Torr
以下の減圧雰囲気下に0.1秒以上120秒以下の間、
維持してから、基体間に機能性材料を封入するので、機
能性材料に溶存している空気が外部に排出されて溶存空
気量が少なくなり、溶存酸素による機能性材料の変質、
黄変着色を抑制できるとともに、溶存空気による気泡の
発生を抑制できる。また、減圧値及び減圧状態を適正に
設定することで、機能性材料の溶存空気を十分に排出し
つつ、白化等による外観不良を防止できる。特に、請求
項9記載のように、減圧開始後60秒以内に5Torr
以下の減圧雰囲気下まで減圧せしめ、該5Torr以下
の減圧状態を0.1秒以上90秒以下の間、維持した
り、請求項10記載のように、減圧開始後60秒以内に
2Torr以下の減圧雰囲気下まで減圧せしめ、該2T
orr以下の減圧状態を0.1秒以上60秒以下の間、
維持すると、溶存空気の除去をより効果的に実施でき、
高品位な機能性材料積層体を製作できる。
【0048】請求項11記載のように、機能性材料とし
て溶存空気を予め窒素置換したものを用いると、機能性
材料の溶存空気中の酸素濃度を低減して、機能性材料の
変質、黄変着色を一層効果的に防止できる。また、請求
項12記載のように、機能性材料積層体の製造工程に、
機能性材料の溶存空気を窒素置換する工程を設けても、
請求項11と同様に、機能性材料の変質、黄変着色を一
層効果的に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の機能性材料積層体の要部断面図
【図2】 他の機能性材料積層体の要部断面図
【図3】 機能性材料を塗布した基体の要部平面図
【図4】 仮積層体の要部縦断面図
【図5】 減圧工程の説明図
【図6】 密着工程の説明図
【図7】 密着工程における仮積層体付近の要部断面図
【符号の説明】
1 機能性材料積層体 1’ 仮積層体 2 基体 3 基体 4 機能性材料 5 第1シーリン
グ材 6 第2シーリング材 7 スペーサ 8 減圧装置 9 減圧槽 10 減圧槽 11 膜体 12 閉鎖空間

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一方の一部又は全部を透明と
    なした基体間に液状或いは湿潤なゲル状の機能性材料を
    封入した機能性材料積層体であって、 前記機能性材料の溶存空気量が、常温、常圧の大気下で
    平衡状態にある場合よりも低減されている、 ことを特徴とする機能性材料積層体。
  2. 【請求項2】 少なくとも一方の一部又は全部を透明と
    なした基体間に液状或いは湿潤なゲル状の機能性材料を
    封入した機能性材料積層体であって、 前記機能性材料の溶存酸素量が、常温、常圧の大気下で
    平衡状態にある場合よりも低減されている、 ことを特徴とする機能性材料積層体。
  3. 【請求項3】 前記機能性材料の溶存空気量が、常温、
    常圧の大気下で平衡状態にある場合よりも低減されてい
    る請求項2記載の機能性材料積層体。
  4. 【請求項4】 前記機能性材料の溶存空気中における酸
    素濃度が、常温、常圧の大気下で平衡状態にある場合よ
    りも低減されている請求項2又は3記載の機能性材料積
    層体。
  5. 【請求項5】 前記機能性材料が、温度変化により透明
    状態と白濁状態とに可逆的に状態変化するサーモトロピ
    ック材料である請求項1〜4のいずれか1項記載の機能
    性材料積層体。
  6. 【請求項6】 前記サーモトロピック材料が、セルロー
    ス誘導体を主たる構成成分としてなる請求項5記載の機
    能性材料積層体。
  7. 【請求項7】 前記サーモトロピック材料が、前記セル
    ロース誘導体に加え、非イオン性界面活性剤、及び必要
    に応じて無機電解質を加えてなる請求項6記載の機能性
    材料積層体。
  8. 【請求項8】 少なくとも一方の一部又は全部を透明と
    なした基体上に、液状或いは湿潤なゲル状の機能性材料
    を塗布し、これを10Torr以下の減圧雰囲気下に
    0.1秒以上120秒以下の間、維持してから、基体間
    に機能性材料を封入することを特徴とする機能性材料積
    層体の製造方法。
  9. 【請求項9】 減圧開始後60秒以内に5Torr以下
    の減圧雰囲気下まで減圧せしめ、該5Torr以下の減
    圧状態を0.1秒以上90秒以下の間、維持する請求項
    8記載の機能性材料積層体の製造方法。
  10. 【請求項10】 減圧開始後60秒以内に2Torr以
    下の減圧雰囲気下まで減圧せしめ、該2Torr以下の
    減圧状態を0.1秒以上60秒以下の間、維持する請求
    項8記載の機能性材料積層体の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記機能性材料として溶存空気を予め
    窒素置換したものを用いた請求項8〜10のいずれか1
    項記載の機能性材料積層体の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記機能性材料の溶存空気を窒素置換
    する工程を含む請求項8〜11のいずれか1項記載の機
    能性材料積層体の製造方法。
JP10364517A 1998-12-22 1998-12-22 機能性材料積層体およびその製造方法 Pending JP2000185948A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10364517A JP2000185948A (ja) 1998-12-22 1998-12-22 機能性材料積層体およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10364517A JP2000185948A (ja) 1998-12-22 1998-12-22 機能性材料積層体およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000185948A true JP2000185948A (ja) 2000-07-04

Family

ID=18482015

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10364517A Pending JP2000185948A (ja) 1998-12-22 1998-12-22 機能性材料積層体およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000185948A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5875020B1 (ja) 複層ガラスの製造方法および複層ガラス
KR100310727B1 (ko) 자율-응답적층제,그제조방법및이를사용한창
US5270084A (en) Insulating glass unit
BE1008795A3 (fr) Vitrage et procede de fabrication d'un tel vitrage.
EP2274166B1 (en) Fire resistant glazings
EP2966047A1 (en) Multiple pane glass and method for producing multiple pane glass
JPH10287449A (ja) 高分子水溶液積層体およびその製法
JP2003140197A (ja) エレクトロクロミック調光素子
JP2000185948A (ja) 機能性材料積層体およびその製造方法
JP2001125151A (ja) 機能性材料積層体及びその製造方法
WO1998056727A1 (fr) Laminat comprenant un materiau fonctionnel et procede de fabrication
JP2000017956A (ja) 機能性材料積層体及びその製造方法
JPH09124348A (ja) 複合管パネルおよびそれを使用した窓
JP2001030391A (ja) 機能性材料積層体及びその製造方法
JP2000185947A (ja) 機能性材料積層体及びその製造方法
JPH10175269A (ja) 高分子水溶液積層体およびその製法
JP2000203894A (ja) 調光ガラスの製造方法及び調光ガラス
JP3763635B2 (ja) 高分子水溶液積層体およびその製法
JP2000185360A (ja) 機能性材料積層体及びその製造方法
JP2001121629A (ja) 機能性材料積層体およびその製造方法
KR100516029B1 (ko) 광 조절 구조물용의 자외선 경화형 광 조절 필름과 그의제조방법
JP2001075132A (ja) 機能性材料積層体
JP2002040492A (ja) サーモクロミック調光体の製造装置および製造方法
JP2001038841A (ja) 機能性材料積層体及びその製造方法
KR100348816B1 (ko) 광 조절 매체와 광 조절 매체를 갖는 샌드위치 구조물 및그의 제조방법