JPH1085930A - アルミ鋳物の接合方法 - Google Patents

アルミ鋳物の接合方法

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JPH1085930A
JPH1085930A JP26794796A JP26794796A JPH1085930A JP H1085930 A JPH1085930 A JP H1085930A JP 26794796 A JP26794796 A JP 26794796A JP 26794796 A JP26794796 A JP 26794796A JP H1085930 A JPH1085930 A JP H1085930A
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casting
aluminum
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aluminum casting
zinc alloy
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JP26794796A
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Nobuaki Suzuki
延明 鈴木
Shigenori Yamada
茂則 山田
Masahiro Takahashi
昌博 高橋
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Suzuki Motor Corp
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02FCYLINDERS, PISTONS OR CASINGS, FOR COMBUSTION ENGINES; ARRANGEMENTS OF SEALINGS IN COMBUSTION ENGINES
    • F02F1/00Cylinders; Cylinder heads 
    • F02F1/02Cylinders; Cylinder heads  having cooling means
    • F02F1/10Cylinders; Cylinder heads  having cooling means for liquid cooling
    • F02F2001/104Cylinders; Cylinder heads  having cooling means for liquid cooling using an open deck, i.e. the water jacket is open at the block top face

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エネルギ効率及び製造効率に優れたアルミ鋳
物の接合方法を提供すること。 【解決手段】 アルミ材料により形成される第1のアル
ミ鋳物と、この第1のアルミ鋳物に接合される第2のア
ルミ鋳物とを備え、第1のアルミ鋳物の鋳造後の温間状
態で当該第1のアルミ鋳物に超音波振動を印加しながら
所定領域に亜鉛合金はんだ層を形成し、しかる後、所定
領域に亜鉛合金はんだ層を形成した第2のアルミ鋳物を
亜鉛合金はんだ層を介して第1のアルミ鋳物に接合す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミ鋳物の接合
方法にかかり、特にダイカスト鋳造により構成される複
数のアルミ鋳物相互の接合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、アルミ鋳物の接合方法として
は、以下のようなものがあった。例えば、自動車用のエ
ンジン等の水冷式内燃機関のシリンダブロックは、近年
アルミ化が進展している。ここで、シリンダブロックの
形式としては、いわゆるクローズドデッキ式のものとオ
ープンデッキ式のものがある。クローズドデッキ式と
は、シリンダの周囲部に冷却水通路が形成されていると
共に、シリンダ側とシリンダブロック側の部材が上端部
で一部分が相互に連結されているものである。一方、オ
ープンデッキ式とは、シリンダの周囲部全体に冷却水通
路が形成されており、シリンダブロックの上端面のシリ
ンダの周囲部全体が開放されて、冷却水通路がメガネ状
に形成されているものである。
【0003】また、クローズドデッキ式のものは構造上
の理由から一般的に低圧鋳造法により製造され、一方オ
ープンデッキ式のものはダイカスト鋳造法により製造さ
れている。ここで、オープンデッキ式のものは、シリン
ダブロックの上端部の全体が開放されているので、この
領域の強度が低い。このため、従来より、以下のような
改良が提案されている。
【0004】例えば、特開平1−100352号公報
(第1の従来例)では、冷却水通路の開口部に、所定形
状のピース部材を溶接固定する、という提案がなされて
いる。また、特開平1−147145号公報(第2の従
来例)では、第1の従来例と同様に所定のピース部材を
冷却水通路の開放部に溶接固定するものであるが、特
に、ピース部材をシリンダブロック本体より高融点のア
ルミ合金により構成するものである。また特開平2−1
05557号公報(第3の従来例)では、所定のプラグ
部材(ピース部材)をシリンダブロック本体より融点の
低い材質で構成し、これをシリンダブロック本体に対し
てアークまたはレーザーなどの熱源により加熱して溶着
するものである。
【0005】また、他の例としては、鋳造されたアルミ
製のシリンダブロック本体に超音波振動を印加しながら
所定領域に亜鉛合金はんだ層を形成し、この亜鉛合金は
んだ層を介して上記と同様のピース部材等をシリンダブ
ロック本体に接合するものが提案されている(第4の従
来例)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来例には以下のような不都合があった。即ち、低圧
鋳造法によるシリンダブロックの製造は、シリンダブロ
ックの如き複雑な形状のものに対しては、現在非常にコ
ストが高くつく。また、ダイカスト鋳造法でシリンダブ
ロック本体を製造する場合には、この製造法の特性上、
鋳物の内部にガスが微細空隙となって分散してトラップ
される。このため、通常の溶接方法(レーザー、アーク
溶接等)ではガス欠陥が顕著に出現して十分な機械的結
合強度を得ることができない、という不都合を生じてい
た。
【0007】また、シリンダブロックの材質より低融点
の金属材料を熱源の熱により融解させる第3の従来例で
も、以下のような不都合がある。即ち、鋳造後のシリン
ダブロックのアルミの地肌は強固な酸化被膜が形成され
ており、既存の溶接法等では強固に溶着させることはで
きない。これに対して、フラックス等を用いて表面処理
をした後溶着する場合でも、接合強度を十分に確保する
ことは困難である。逆にフラックスによるアルミ部材の
腐食等を誘発するという不都合を生じていた。
【0008】また、従来の溶接法等では、接合部のみな
らずその周囲の広い範囲に熱の影響が及び、アルミ部材
に熱変形や熱応力を生じさせる等の不都合を生じてい
た。これは、特に精密加工が要求されるエンジンの部品
については問題となる。
【0009】更に、鋳造したアルミ鋳物に亜鉛合金はん
だ層を介してピース部材を接合する第4の従来例におい
ては、図12に示すように、鋳造の際に形成されたセキ
を鋳造後に切断する。そして、超音波振動の印加による
亜鉛合金はんだ層の形成に際しては、アルミ鋳物が一旦
常温まで冷えた場合には、再びアルミ鋳物を予熱して所
定温度に昇温する必要があった。これは、アルミ鋳物の
所定領域に亜鉛合金はんだ層を適切に形成するためであ
る。従って、アルミ鋳物の予熱のために加熱エネルギが
必要となると共に、予熱行程も必要となるので、エネル
ギの観点及び製造時間の観点からも非効率である、とい
う不都合を生じていた。
【0010】
【発明の目的】本発明は、かかる従来例の有する不都合
を改善し、特にエネルギ効率及び製造効率に優れたアル
ミ鋳物の接合方法を提供することを、その目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、請求項1記載の発明では、アルミ材料により形
成される第1のアルミ鋳物と、この第1のアルミ鋳物に
接合される第2のアルミ鋳物とを備え、第1のアルミ鋳
物の鋳造後の温間状態で当該第1のアルミ鋳物に超音波
振動を印加しながら所定領域に亜鉛合金はんだ層を形成
し、しかる後、所定領域に亜鉛合金はんだ層を形成した
第2のアルミ鋳物を前記亜鉛合金はんだ層を介して第1
のアルミ鋳物に接合する、という手法を採っている。
【0012】以上より、第1のアルミ鋳物及び第2のア
ルミ鋳物が鋳造により構成される。第1のアルミ鋳物は
鋳造された後冷える前の温間状態で溶融した亜鉛合金は
んだ浴中に浸漬される。そして、超音波振動が印加され
第1のアルミ鋳物の所定領域に亜鉛合金はんだ層が形成
される。更に、第2のアルミ鋳物も第1のアルミ鋳物と
同様に所定領域に亜鉛合金はんだ層が形成され、第1の
アルミ鋳物に第2のアルミ鋳物が当該亜鉛合金はんだ層
を介して嵌合される。そして、一体となった後、更に超
音波振動が印加されて両者が強固に接合される。
【0013】また、請求項2記載の発明では、第1のア
ルミ鋳物の鋳造後に当該第1のアルミ鋳物を保温し、し
かる後、第2のアルミ鋳物を第1のアルミ鋳物に接合す
るという手段を採り、その他は請求項1記載の発明と同
様である。以上より、鋳造の後冷える前の第1のアルミ
鋳物を保温しておくことで、従来行われていた第1のア
ルミ鋳物に対する予熱のための加熱エネルギが不要とな
る。
【0014】また、請求項3記載の発明では、第2のア
ルミ鋳物を予熱すると共に、この第2のアルミ鋳物の所
定領域に超音波振動を印加しながら亜鉛合金はんだ層を
形成し、しかる後、第2のアルミ鋳物を亜鉛合金はんだ
層を介して第1のアルミ鋳物に嵌合し、一体となったア
ルミ鋳物に超音波振動を印加して接合するという手段を
採り、その他は請求項1または2記載の発明と同様であ
る。以上より、第1のアルミ鋳物の所定領域及び第2の
アルミ鋳物の所定領域に亜鉛合金はんだ層が形成され、
両者が接合された場合に高い接合強度を得ることができ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を、図
面に基づいて説明する。
【0016】〔第1の実施形態〕まず、図1ないし図7
に基づいて第1の実施形態について説明する。本実施形
態におけるアルミ鋳物の接合方法では、図1に示すよう
に、アルミ材料により形成される第1のアルミ鋳物と、
この第1のアルミ鋳物に接合される第2のアルミ鋳物と
を備え、第1のアルミ鋳物の鋳造後の温間状態で当該第
1のアルミ鋳物に超音波振動を印加しながら所定領域に
亜鉛合金はんだ層を形成し、しかる後、第2のアルミ鋳
物を亜鉛合金はんだ層を介して第1のアルミ鋳物に接合
する、という方法を採っている。
【0017】ここで、本発明のアルミ鋳物の接合方法に
用いられる製造ラインの設備レイアウトについて、図2
に基づいて説明する。先ず、溶融したアルミ(アルミ合
金)材料が保持炉に蓄えられている。そして、この保持
炉に隣接して配設されているダイカストマシーンの型に
アルミ材料が注がれるようになっている。また、ダイカ
ストマシーンの下流側にはセキ折断機が配設されてお
り、これにより、アルミ鋳物に形成されたオーバーフロ
ーなどが折断される。更に、セキ折断機の下流側にはア
ルミ鋳物に亜鉛合金はんだ層を形成するための溶融亜鉛
合金はんだ浴及び超音波機器類が備えられている。ま
た、溶融亜鉛合金はんだ浴に併設して第2のアルミ鋳物
を所定温度に予熱するための加熱炉が配設されている。
尚、ダイカストマシーン及びセキ折断機は第1のアルミ
鋳物用及び第2のアルミ鋳物用を2組並列して設けるよ
うにしてもよい。
【0018】溶融亜鉛合金はんだ浴等の下流には、第2
のアルミ鋳物を第1のアルミ鋳物に嵌合或いは仮止めす
るための機械或いは治具が配設されている。そして、一
体となった各アルミ鋳物が、更に下流側に配設されてい
る溶融亜鉛合金はんだ浴及び超音波機器類側に搬送さ
れ、最終的な接合作業が行われる。尚、最終的な接合作
業としては、溶融亜鉛合金はんだ浴を用いないで、超音
波接合装置のみで行うようにしてもよい。
【0019】以下これを詳述すると、図3ないし図7
は、本発明にかかるアルミ鋳物の接合方法を内燃機関に
使用されるシリンダブロックの製造に適用する場合を示
している。先ず、各図における符号3は第1のアルミ鋳
物としてのシリンダブロック本体を示し、符号5は第2
のアルミ鋳物としての接合部材をそれぞれ示す。また、
符号9は、接合部材5が嵌合される冷却水通路となって
いる。尚、図3ないし図7はドライライナ式のシリンダ
ブロックを示しているが、本発明はこれに限定されるも
のではなく、いわゆるハーフウェットライナ型及びウェ
ットライナ型のシリンダブロックにも適用することがで
きる。
【0020】先ず、第1のアルミ鋳物としてのシリンダ
ブロック本体3はアルミ合金によって形成され、また第
2のアルミ鋳物としての接合部材5もアルミ合金によっ
てそれぞれ個別に形成される。図3に示すように、本実
施形態では複数のシリンダが一列に並んだタイプのもの
である。このシリンダブロック本体3はダイカスト鋳造
品である。また、シリンダブロック本体3のシリンダラ
イナ(図示略)が嵌合される部分の周囲部全体には、所
定の冷却水通路9が形成されている。
【0021】冷却水通路9は、図3に示すように、接合
部材5を挿入する前にはシリンダヘッド(図示略)が装
着される側が開放され、各シリンダ領域の周囲を囲むよ
うにメガネ状に形成されており、全シリンダの冷却水通
路9が相互に連結されている。また、シリンダブロック
本体3には、鋳造行程で生じたビスケット3aやオーバ
ーフロー3bが形成されている。
【0022】次に、シリンダブロック本体3と接合部材
5との接合方法について図1に基づいて説明すると、ダ
イカスト鋳造された(図1のS1)シリンダブロック本
体3を用い、このシリンダブロック本体3の温度が完全
に下がる前の温間状態で接合作業を開始する。先ず、図
4に示すように、シリンダブロック本体3に形成された
ビスケット3aやオーバーフロー3bのセキが折断され
る(図1のS2)。
【0023】そして、シリンダブロック本体3の温度が
下がらないように、保温装置(例えばホットプレートな
ど)によって一定温度に保温しておく(図1のS3)。
このとき、鋳造時の蓄熱を利用するので、従来のように
一旦常温まで下がった後再び加熱する場合と比較して、
必要になるエネルギが少なくて済み、また、加熱のため
の作業時間も省略することができる。更には、予熱に起
因するブリスタや歪みも発生しない。ここでの温度は最
低でも250〔℃〕以上に維持しておく必要がある。
尚、鋳造のすぐ後に接合作業を続ける場合には、鋳造時
の蓄熱をそのまま利用できるので、特に保温装置等を設
ける必要はない。また、質量が小さく、熱容量が小さい
アルミ鋳物の場合にも、保温は不要である(図1中の点
線)。
【0024】そしてその後、温度が高い状態のまま、図
5に示すように、シリンダブロック本体3の一部分(シ
リンダヘッド装着面側)が溶融亜鉛合金はんだ浴15に
浸漬される(図1のS4)。溶融亜鉛合金はんだ浴15
内では、振動板17(図5参照)を通して超音波振動が
印加され(図1のS5)、冷却水通路9の近傍領域に亜
鉛合金はんだ層が形成される(図1のS6)。
【0025】ここで、超音波振動をシリンダブロック本
体3に印加するための装置について詳述すると、シリン
ダブロック本体3は、図5に示すように所定の振動板1
7に担持され、シリンダヘッド(図示略)が装着される
部分の近傍が溶融亜鉛合金はんだ浴15中に浸漬され
る。この溶融亜鉛合金はんだ浴15を保持しているの
は、ヒータ付はんだ槽19であり、溶融亜鉛合金はんだ
浴15の温度を所定値に維持している。また、振動板1
7には、所定の超音波機器が係合されており、超音波振
動が伝達されるようになっている。この超音波機器は、
上記した振動板17に超音波振動を付与するホーン23
と、このホーン23に振動を伝える振動子25と、当該
振動子25に発振信号を伝達する発振器27より構成さ
れている。
【0026】また、上記した亜鉛合金はんだ層の形成原
理を概説すると、まず、溶融亜鉛合金はんだ浴15中に
設置されている振動板17に超音波振動が印加されるこ
とによってキャビテーションが発生する。次に、この発
生したキャビテーションによってシリンダブロック本体
3の冷却水通路9の通路壁面の表面の酸化被膜が破壊さ
れて活性な金属面が現れる。そして、この活性金属面と
溶融亜鉛合金はんだ浴15中の亜鉛との間で合金反応が
生じ、これによって、適切な亜鉛合金はんだ層が形成さ
れる。
【0027】次に、第2のアルミ鋳物としての接合部材
5について説明する。接合部材5は、上記したシリンダ
ブロック本体3の冷却水通路9(図6参照)に嵌合され
るように構成されており、より具体的には、台形状の断
面を有するブロック型となっている。一方、接合部材5
の製造に際しては、先ず、ダイカスト鋳造法により冷却
水通路9の通路壁面に挿入できるような形状及び大きさ
で形成される(図1のS11)。そして、所定のセキが
折断される(図1のS12)。但し、製造法としてはダ
イカスト鋳造法には限定されず、例えば、展伸材から所
定形状を削り出して製造するようにしてもよい。そし
て、冷却水通路9に接合する側の面が機械加工される。
【0028】機械加工された後は、所定の温度に予熱さ
れる(図1のS13)。予熱装置としては、図6に示す
ように、多数の接合部材5を連続的に予熱できるよう
に、ベルトコンベア2とヒータ2aとからなる構造とな
っている。そして、予熱されている接合部材5が取り出
され、溶融亜鉛合金はんだ浴15中に浸漬され(図1の
S14)、超音波振動が印加される(図1のS15)。
ここで、接合部材5が溶融亜鉛合金はんだ浴15中に浸
漬されると、接合部材5の全表面に亜鉛合金はんだ層が
形成されるが(図1のS16)、製造工程上は特に問題
とならない。
【0029】次に、シリンダブロック本体3に接合部材
5を挿入して接合を行う行程について説明する。上記の
如く、互いに亜鉛合金はんだ層が形成されたシリンダブ
ロック本体3と接合部材5が用意され、図6に示すよう
に接合部材5がシリンダブロック本体3の上端部であっ
て冷却水通路9に嵌合或いは仮止めされる(図1のS2
1)。このとき、嵌合或いは仮止めに先だって、接合部
材5は予熱装置によって所定温度に予熱されている。
【0030】そして上記のように、一体となった接合部
材5とシリンダブロック本体3は、図7に示すように別
に設けられた超音波接合装置を用いて最終的に接合され
る。即ち、この超音波接合装置は、所定のベース部材3
5に担持されたシリンダブロック本体3の上方に配設さ
れ、接合部材5と直接接触するホーン37と、このホー
ン37に振動を伝達する振動子39と、この振動子39
を上下方向に移動させるエアシリンダ33からなる。ま
た、振動子39には発振信号を付与する発振器41が接
続されている。
【0031】そして、エアシリンダ33の作用により振
動子39及びホーン37が下降する。ホーン37はシリ
ンダブロック本体3に嵌合されている接合部材5と当接
する。その後、接合部材5にはホーン37を介して超音
波振動が印加される。このとき、エアシリンダ33は、
接合部材5をシリンダブロック本体3に対して常時所定
圧力で押圧しているので、超音波振動の印加と共に接合
部材5がシリンダブロック本体3の冷却水通路9へ挿入
されてゆく。
【0032】以上の行程により、シリンダブロック本体
3と接合部材5は一体となり、最後に所定の機械加工が
加えられてシリンダブロックが完成する。
【0033】以上は、シリンダブロック本体3と接合部
材5の接合に際して超音波振動を印加する場合を説明し
たが、本発明はこれに限定されるものではなく、超音波
振動を印加せず、接合部材5の近傍を亜鉛合金はんだ層
の融点より高い温度に加熱して押圧するだけでも同様の
効果を得ることができる。
【0034】また、当該第1の実施形態においては、第
1のアルミ鋳物としてのシリンダブロック本体3側のみ
鋳造による蓄熱を利用する場合を説明した。これは、特
にシリンダブロック本体3の方が接合部材5と比較して
重量が重くて熱容量が大きく、加熱のために必要となる
エネルギが大きいからである。即ち、熱容量の大きなア
ルミ鋳物が一旦常温まで冷えると、再度所定温度まで加
熱するのが困難であり、本発明を熱容量の大きなアルミ
鋳物に適用することが効果が大きいからである。
【0035】〔第2の実施形態〕次に、図8及び図9に
基づいて第2の実施形態について説明する。当該実施形
態は上記した第1の実施形態とほぼ同様の接合方法を採
用している。しかしながら、第2の実施形態では、接合
部材5が冷却水通路9に挿入されたシリンダブロック本
体3が保温装置で保温される(図8のS22)。そして
その後、図9に示すように、接合部材5の近傍領域が再
び溶融亜鉛合金はんだ浴15に浸漬される。そして、振
動板17を通して超音波振動が印加され(図8のS2
4)、接合部材5がシリンダブロック本体3に強固に接
合されるようになっている。このようにしても、シリン
ダブロック本体3の自重及び超音波振動によって両者が
適切に接合される。
【0036】〔第3の実施形態〕次に、図10に基づい
て、第3の実施形態について説明する。当該実施形態で
は、第2のアルミ鋳物としての接合部材5も鋳造時の蓄
熱を利用して亜鉛合金はんだ層を形成する。即ち、図1
0に示すように、第2のアルミ鋳物を鋳造した後、温間
状態でセキを折断する(図10のS12)。そして、保
温装置で保温して(図10のS13a)、接合部材5の
温度が下がらないようにする。そして、その他は第1の
実施形態と同様に超音波接合装置によって超音波振動が
印加されて(図10のS23)、接合部材5が接合され
る。
【0037】〔第4の実施形態〕次に、図11に基づい
て、第4の実施形態について説明する。当該実施形態で
は、上記第3の実施形態とほぼ同様であるが、最後の接
合工程において、超音波接合装置による超音波振動の印
加に代えて、溶融亜鉛合金はんだ浴15中での超音波振
動の印加がなされて接合部材5が接合される(図11の
S24)点が異なっている。
【0038】以上のように本発明のアルミ鋳物の接合方
法によれば、鋳造工程の後、アルミ鋳物の温間状態で、
超音波振動を印加しながら、アルミ鋳物の所定領域に亜
鉛合金はんだ層を形成することとした。このため、従来
行われていた予熱工程が不要となり製造上の時間効率が
向上する、という優れた効果を生じる。
【0039】また、鋳造直後のアルミ鋳物の蓄熱を利用
して亜鉛合金はんだ層を形成するので、予熱のための加
熱エネルギが不要となり、また最低限の保温用のエネル
ギだけで済むので、エネルギ効率も向上させることがで
きる、という優れた効果を生じる。
【0040】加えて、再加熱が不要となるので、一旦冷
却された後に再度予熱を行うことによって生じるブリス
ターやアルミ鋳物自体の歪み、そしてアルミ鋳物自体の
強度の低下も抑制することができる、という優れた効果
を生じる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すフローチャートであ
る。
【図2】図1に開示したアルミ鋳物の接合方法に使用さ
れる設備のレイアウトを示すブロック図である。
【図3】本発明にかかる第1のアルミ鋳物としてのシリ
ンダブロック本体を示す斜視図である。
【図4】図3に開示したシリンダブロック本体のオーバ
ーフロー等のセキを折断する場合を示す側面図である。
【図5】シリンダブロック本体に亜鉛合金はんだ層を形
成する場合を示す断面図である。
【図6】本発明にかかる第2のアルミ鋳物としての接合
部材を予熱する予熱装置及び接合部材がシリンダブロッ
ク本体3に嵌合される場合を説明する斜視図である。
【図7】シリンダブロック本体と接合部材とを接合する
超音波接合装置を示す一部切り欠いた側面図である。
【図8】本発明の第2の実施形態を示すフローチャート
である。
【図9】図8に開示したアルミ鋳物の接合方法に適用す
る溶融亜鉛合金はんだ浴と超音波機器を示す断面図であ
る。
【図10】本発明の第3の実施形態を示すフローチャー
トである。
【図11】本発明の第4の実施形態を示すフローチャー
トである。
【図12】従来のアルミ鋳物の接合方法を示すフローチ
ャートである。
【符号の説明】
3 第1のアルミ鋳物(シリンダブロック本体) 5 第2のアルミ鋳物(接合部材) 9 冷却水通路 15 溶融亜鉛合金はんだ浴 17 振動板

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミ材料により形成される第1のアル
    ミ鋳物と、このアルミ鋳物に接合される第2のアルミ鋳
    物とを備え、 前記第1のアルミ鋳物の鋳造後の温間状態で当該第1の
    アルミ鋳物に超音波振動を印加しながら所定領域に亜鉛
    合金はんだ層を形成し、しかる後、所定領域に亜鉛合金
    はんだ層を形成した前記第2のアルミ鋳物を前記亜鉛合
    金はんだ層を介して前記第1のアルミ鋳物に接合するこ
    とを特徴としたアルミ鋳物の接合方法。
  2. 【請求項2】 前記第1のアルミ鋳物の鋳造後に当該第
    1のアルミ鋳物を保温し、しかる後、第2のアルミ鋳物
    を接合することを特徴とした請求項1記載のアルミ鋳物
    の接合方法。
  3. 【請求項3】 前記第2のアルミ鋳物を予熱すると共
    に、この第2のアルミ鋳物の所定領域に超音波振動を印
    加しながら亜鉛合金はんだ層を形成し、しかる後、前記
    第2のアルミ鋳物を前記亜鉛合金はんだ層を介して第1
    のアルミ鋳物に嵌合し、一体となったアルミ鋳物に超音
    波振動を印加して接合することを特徴とした請求項1ま
    たは2記載のアルミ鋳物の接合方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1326658C (zh) * 2005-01-19 2007-07-18 哈尔滨工业大学 铝基复合材料超声波毛细焊接方法
CN103789574A (zh) * 2014-01-25 2014-05-14 宁波博威合金材料股份有限公司 一种低铜合金及其制备方法和用途

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