JPH1084243A - 積層圧電振動子 - Google Patents
積層圧電振動子Info
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Abstract
が難しい。また、接着層が厚く、振動子の振動特性が劣
化する。 【解決手段】 中間電極8を圧電セラミックス板2、4
の間に挟まれた導電性薄膜により形成する。この導電性
薄膜は圧電セラミックス板2、4の外側にはみ出した外
延部を有する。中間電極8への電気的な接続は、この外
延部を端子12として用いることにより容易に行われ
る。圧電振動子の振動特性の劣化は、接着剤層を加圧に
より薄く形成することにより防止される。
Description
されてなる積層圧電振動子に関する。
層法と一体焼成積層法とがある(斉藤史郎ほか「積層形
低インピーダンス超音波プローブ」東芝レビューvol43,
No.12,pp.989-992,1988年)。このうち、一体焼成積層
法は、一般に、グリーンシート(圧電セラミック粉末に
バインダを加え、シート状に固めたもの)に内部電極ペ
ーストを塗布し積層して焼成によって作製する。外部電
極はその後に電極ペーストを塗布し焼成によって形成す
る。最後に分極を行う。一体焼成積層法には、このよう
に工程が複雑になるとともに、内部電極と外部リード線
との接続が困難という短所がある。これに対して、接着
積層法は、一般に、成形、焼成、電極形成、分極といっ
た工程が済んだ圧電体を重ね、貼り合わせるので工程も
比較的簡単で製作も容易であるが、圧電材の厚さが薄く
なるにつれて、接着層の厚さが振動モードに悪影響をお
よぼすとともに、一体焼成積層法と同様に内部電極と外
部リード線との接続が困難という短所がある。
においても、圧電材50、52間に挟まれる中間電極5
4は、図1に示すように、ほぼ圧電材50、52の形状
に合わせた形状であった。そのために、下記の問題があ
った。
クスでも高周波に使用する場合には、積層体の厚さが極
めて薄くなり、圧電振動子の端面に電極56を形成する
ことが困難であった。また、この場合、接続面積が極め
て小さくなり、リード線58との接続が困難であった。
うに、電極70を圧電振動子の端面から積層体の対向面
の表面まで回り込ませた場合には、工程がより複雑にな
り、さらに圧電振動子の面積が大きくなるという問題が
あった。
使用する一体焼成積層法が使用できない場合、即ち、複
合圧電材や高分子圧電材で積層体を構成する場合には、
接着積層法が使われることになるが、この場合、図1や
図2に示すような、リード線58を接続するための端面
での電極56や回り込み電極70の形成が極めて困難と
いう問題があった。
合圧電材、高分子圧電材などの場合でも、中間電極への
電気接続の端子が容易に形成され、また、圧電振動子の
振動特性の劣化を防止した圧電振動子を提供することを
目的とする。
は、一方の面と他方の面にそれぞれ電極が形成され、互
いに積層されて積層体を構成する少なくとも2つの圧電
材と、前記圧電材の間に挟まれた中間電極とを有し、前
記中間電極は導電性薄膜で構成され、前記積層面からは
み出した端子としての外延部を有することを特徴とす
る。
膜への電気的接続は、両圧電材の間からはみ出した外延
部において、圧電材に半田付けなどによる熱の影響を及
ぼすことなく容易に行われる。また中間電極は薄膜であ
るため、積層圧電振動子の振動特性に与える影響が少な
い。
電極としての導電性薄膜との間に接着剤を介在させて加
圧することにより前記積層体が形成されたことを特徴と
する。本発明によれば加圧により接着層が薄くかつ均一
に形成されるので圧電体間の振動的接合度が向上し、接
着層に起因する振動特性への悪影響を小さくすることが
できる。
を参照して説明する。図3は、本発明の積層圧電振動子
を有する超音波振動子の構造を示す模式図である。ここ
では圧電材として圧電セラミックス板2、4を用いてい
る。これらはそれぞれ圧電セラミックス粉末にバインダ
を加えて、ペースト状にした後、成形、焼結、分極とい
う工程を経て製造される。圧電セラミックス板2、4
は、セラミックス板6を分極させる工程で、その両面に
スパッタ法で数千オングストロームの厚さの電極(図示
せず)が形成されている。ここでセラミックス板6の材
質はPZTであり、その厚さは例えば170μmであ
る。圧電セラミックス板の表面の電極は、例えば、下地
金属はCr−Niで表面金属はAuである電極で構成さ
れる。
電極8が挟まれている。中間電極8は、これら両圧電セ
ラミックス板の表面の電極と電気的に接触する。中間電
極8は圧電セラミックス板2、4の外側にはみ出し部分
10を有しており、この部分を両圧電セラミックス板の
接合部分に電圧を印加するための端子12として機能さ
せる。ここで中間電極8は極めて薄い導電性材料、例え
ば、金箔(Au、厚さ4μm)を用いている。補強のた
め、金箔の外延部に例えば高分子樹脂膜を張り合わせて
もよい。また、図3において、金箔のはみ出し部分10
が垂れた側の圧電セラミックス板4の側面や背面負荷材
24の側面に絶縁性の膜を張り付け、これにはみ出し部
分10を接着すれば、金箔はこの絶縁性の膜に固定され
るので、これによってもはみ出し部分10の断線を防ぐ
ことができる。
と反対側の面には、外側電極14、16が接合される。
外側電極14,16は、導電性接着剤によって、各圧電
セラミックス板の電極と接続されている。それらは互い
に接続され、端子18が設けられている。端子12と端
子18との間に電圧パルスを印加すると、圧電セラミッ
クス板2、4を重ね合わせた圧電積層体は振動し、その
表面から超音波を放射する。以上、圧電セラミックス板
2、4と中間電極8は接着剤20を介して、圧電セラミ
ックス板2、4と外側電極14、16は導電性接着剤に
よって接続される。
に内蔵されるものであり、圧電積層体の圧電セラミック
ス板2側の表面には、音響整合層22が生体との音響的
マッチングをとるために貼り付けられている。また反対
に、圧電セラミックス板4側には、背面負荷材24が設
けられ、積層圧電体を支えるとともに生体とは反対側に
放射され診断の障害となりうる超音波を吸収する。
において露出しているので、音響整合層22、背面負荷
材24を取り付ける前であれば電極を後付けすることは
比較的容易である。これに対し、中間電極8は、もし本
発明の積層圧電振動子のような圧電セラミックス板2、
4からはみ出す外延部を有していなければ、圧電セラミ
ックス板2、4の境界の側端面にわずかに露出するのみ
であり、この部分に半田付けすることは容易でない。そ
のため半田付けに手間取りその熱が圧電セラミックス板
に伝導し、その分極が消失してしまうということがあっ
た。しかし、本積層圧電振動子は、中間電極8に外延部
を有し、これに電圧供給のための配線を半田付けするこ
とは極めて容易であり、その作業は迅速に行われるとと
もに、半田付けされる位置は圧電セラミックス板から離
れているので、熱が伝導して分極が消失することはな
い。
形成工程を示す模式図である。まず圧電セラミックス板
2、4の表面に設けられた電極30のうち中間電極対向
面に接着剤が塗布され接着剤層20が形成される。金箔
32は圧電セラミックス板2、4より広く、この金箔3
2を間において圧電セラミックス板2、4が重ね合わさ
れ、これら圧電セラミックス板2、4と金箔32とは互
いに接着剤層20により接着される。しかる後、この積
層体の上下面にその面内において一様な圧力を付加し、
接着剤層20の厚さをできるだけ均一に薄くのばす。こ
のとき積層体の温度は、接着剤の粘度が低くなるような
温度、例えば60℃程度に保つ。接着剤層20が十分に
伸ばされたら、温度を例えば80〜100℃程度に上
げ、接着剤を硬化させる。
電性のものを用いることもできるが、ここでは、より接
着強度の強い絶縁性のものを使用している。絶縁性の接
着剤を用いても、上記のように加圧することにより、圧
電セラミックス板の表面の微細な凹凸の凸部が金箔32
に接触し、電気的コンタクトが形成される。加圧圧力は
例えば27kgf/cm2 である。
クス板2、4の表面に接着剤にて貼り付けられるのであ
れば、これらを上記中間電極8となる金箔32の挟み込
み工程において、同時に加圧接着することもできる。
出した金箔32は、不必要な部分を切り取られ、中間電
極8とされる。また、超音波探触子では、微小幅を有す
る短冊状の圧電振動子がアレイ状に配列されるが、この
ような微細な圧電振動子は上述のように作られた矩形状
の積層体を一定の幅でスライスして作成される。
もよい。積層圧電振動子では、層数が多いほどインピー
ダンスを低くすることができる。すなわち、全体の厚み
を変えずにn層積層した場合、面積がn倍、1層当たり
の厚みが1/nとなるので、インピーダンスは1/n2
に低減する。振動子のサイズが小型化されるとインピー
ダンスが増加するが、上記積層圧電振動子によればその
インピーダンスを低減させることができ、電圧損失が少
なく感度の高い小型の超音波探触子を得ることができ
る。本発明によればその積層圧電振動子を、簡単な設備
で容易に作成することができる。このような積層圧電振
動子の用途は、超音波診断装置の探触子に限られない。
外に高分子圧電材や、微細な圧電セラミックス片をエポ
キシなどの高分子樹脂で板状に成形した複合圧電材を用
いることができる。特に、接着積層法によれば、圧電セ
ラミックス板と他の材質の圧電材とを積層することが容
易である。
ら様々なものを選択することができ、例えば、上記金箔
の他、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、白金等の金属
箔や、ポリイミド等の高分子薄膜の両面に金、銀、銅、
アルミニウム、ニッケル、白金等の金属薄膜を成膜した
ものや、導電性樹脂や、導電性フィラーを混入した樹脂
製の薄膜や、導電性繊維でできた布あるいは不織布を用
いることもできる。
電極が外延部を有するため、これへの電気的接続が容易
であるという効果がある。また、圧電セラミックスだけ
でなく複合圧電材、高分子圧電材などの圧電材料にも適
用できるという効果がある。さらに、圧電材に中間電極
が挟み込まれて積層され、加圧接着により接着剤層の厚
さが薄いので、振動特性が良好な積層圧電振動子が得ら
れるという効果がある。
る。
である。
を示す模式図な断面図である。
中間電極、14,16 外側電極、20 接着剤層、
22 音響整合層、24 背面負荷材、32金箔。
Claims (4)
- 【請求項1】 一方の面と他方の面にそれぞれ電極が形
成され、互いに積層されて積層体を構成する少なくとも
2つの圧電材と、 前記圧電材の間に挟まれた中間電極と、を有し、 前記中間電極は導電性薄膜で構成され、前記積層面から
はみ出した端子としての外延部を有することを特徴とす
る積層圧電振動子。 - 【請求項2】 請求項1記載の積層圧電振動子におい
て、 積層体の少なくとも1つの圧電材の中間電極に接する面
のみ電極が形成されていないことを特徴とする積層圧電
振動子。 - 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の積層圧電
振動子において、 圧電材と中間電極としての導電性薄膜との間に接着剤を
介在させて加圧することにより前記積層体が形成された
ことを特徴とする積層圧電振動子。 - 【請求項4】 請求項3記載の積層圧電振動子におい
て、 圧電材と中間電極との間に介在させる接着剤が導電性の
フィラーを含むことを特徴とする積層圧電振動子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23930096A JPH1084243A (ja) | 1996-09-10 | 1996-09-10 | 積層圧電振動子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23930096A JPH1084243A (ja) | 1996-09-10 | 1996-09-10 | 積層圧電振動子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1084243A true JPH1084243A (ja) | 1998-03-31 |
Family
ID=17042684
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23930096A Pending JPH1084243A (ja) | 1996-09-10 | 1996-09-10 | 積層圧電振動子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1084243A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010092907A1 (ja) * | 2009-02-12 | 2010-08-19 | コニカミノルタエムジー株式会社 | 超音波探触子、および超音波診断装置 |
-
1996
- 1996-09-10 JP JP23930096A patent/JPH1084243A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010092907A1 (ja) * | 2009-02-12 | 2010-08-19 | コニカミノルタエムジー株式会社 | 超音波探触子、および超音波診断装置 |
US8784319B2 (en) | 2009-02-12 | 2014-07-22 | Konica Minolta Medical & Graphic, Inc. | Ultrasonic probe and ultrasonic diagnostic device |
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