JPH1083954A - 露光装置 - Google Patents

露光装置

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JPH1083954A
JPH1083954A JP8260345A JP26034596A JPH1083954A JP H1083954 A JPH1083954 A JP H1083954A JP 8260345 A JP8260345 A JP 8260345A JP 26034596 A JP26034596 A JP 26034596A JP H1083954 A JPH1083954 A JP H1083954A
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JP
Japan
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rotation
mirror
fixed mirror
temperature
amount
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Application number
JP8260345A
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English (en)
Inventor
Takashi Masuyuki
崇 舛行
Hirotaka Tateno
博貴 立野
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Publication date
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    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70691Handling of masks or workpieces
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/708Construction of apparatus, e.g. environment aspects, hygiene aspects or materials
    • G03F7/70858Environment aspects, e.g. pressure of beam-path gas, temperature
    • G03F7/70883Environment aspects, e.g. pressure of beam-path gas, temperature of optical system
    • G03F7/70891Temperature

Abstract

(57)【要約】 【課題】 固定鏡等の材質、形状の工夫、温度安定化に
よらずに、固定鏡の回転誤差に起因する重ねあわせ精度
の劣化を抑制する。 【解決手段】 干渉計システム50では移動鏡34及び
固定鏡36の相対位置関係から基板ステージ16の2次
元座標位置と回転量とを計測する。温度センサ40は固
定鏡36又は取付け部材38の温度を計測し、主制御装
置24ではこの温度センサ40の出力に基づいて予め定
めた基準に従って固定鏡36の回転量を予測する。この
ため、固定鏡36等の熱変形に起因して固定鏡36の回
転誤差が生じていた場合に、装置24によりこの回転量
が予測され、これに応じて干渉計システム50の計測結
果を補正したり、リセットしたりすることが可能にな
り、結果的に、固定鏡等の材質、形状の工夫、温度安定
化によらず、固定鏡の回転に起因する重ね合わせ誤差を
低減することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、露光装置に係り、
更に詳しくは、半導体集積回路,液晶ディスプレイ等の
微細回路パターン等のフォトリソグラフィ工程で使用さ
れる露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体素子又は液晶表示素子等をフォト
リソグラフィ工程で製造する際に、フォトマスク又はレ
チクル等(以下、「レチクル」と総称する)のパターン
像を投影光学系を介して感光材が塗布されたウエハ又は
ガラスプレート等の基板(以下、「ウエハ」と総称す
る)上の各ショット領域に投影する投影露光装置が使用
されている。この種の投影露光装置として近年は、ウエ
ハを2次元的に移動自在なステージ上に載置し、このス
テージによりウエハを歩進(ステッピング)させて、レ
チクルのパターン像をウエハ上の各ショット領域に順次
露光する動作を繰り返す、所謂ステップ・アンド・リピ
ート方式の露光装置、特に、縮小投影型の露光装置(ス
テッパー)が比較的多く用いられている。
【0003】例えば、半導体素子はウエハ上に多数層の
回路パターンを重ねて露光することにより形成される。
そして、2層目以降の回路パターンをウエハ上に投影露
光する際には、ウエハ上の既に形成された回路パターン
とレチクルのパターン像との位置合わせ、即ちウエハと
レチクルとの位置合わせ(アライメント)を精確に行う
必要がある。このアライメントのためにウエハ上には既
存の回路パターンと共に位置検出用のマーク(アライメ
ントマーク)が形成されており、このマークをアライメ
ントセンサにより位置検出することで回路パターンの位
置を正確に認識することができる。
【0004】ウエハが載置されるステージ(以下、「ウ
エハステージ」と称する)の位置は、レーザ干渉計を用
いて精密に計測され、アライメント時のステージの位置
を正確に計測すると共に、ウエハ上の各ショット領域を
正しく露光位置に合わせるようにステージの位置を合わ
せ込んで、重ね合わせ露光が行われる。一般にレーザ干
渉計は、ウエハへの露光位置の中心を交点とする直交す
る2軸の計測システムにより構成される。このように、
露光位置と干渉計計測軸が同一直線上であると、ウエハ
ステージが微小回転しても、その回転誤差はレーザ干渉
計によるステージ座標計測値には影響せず、正確な位置
計測及び位置決めが可能である。
【0005】ところで、現在使用されているアライメン
トセンサの方式としては、露光波長以外の光束でウエハ
上のマークの位置を検出する方式が一般的であり、ウエ
ハマーク検出光学系(アライメントセンサ)の一部とし
て投影光学系を使用する方式(以下「TTL方式」と称
する)や、専用の位置検出光学系を使用する方式(以下
「オフ・アクシス(off-Axis)方式」と称する)があ
る。これらの方式では、レチクルとウエハとを直接位置
合わせするのではなく、投影露光装置内(一般にはウエ
ハステージ上)に設けた基準マークを介して間接的に位
置合わせを行う。
【0006】一例として、オフ・アクシス方式について
具体的に説明する。先ず、重ね合わせ露光に先立ってレ
チクル上の位置合わせマークのウエハステージ上への投
影像の位置に上記基準マークを位置合わせし、その時の
ウエハステージの位置を計測する。続いて、基準マーク
をウエハマーク検出光学系の下に移動し、ウエハマーク
検出光学系(アライメントセンサ)の検出基準に対して
位置合わせをし、この時にもウエハステージの位置を計
測する。これら2つのステージ位置の差をベースライン
量と呼び、上記のシーケンスをベースライン計測と呼
ぶ。
【0007】ウエハへの重ね合わせ露光時には、ウエハ
上のアライメントマークをウエハマーク検出光学系に対
して位置合わせし、ウエハステージを、そのときのウエ
ハステージの位置からベースライン量だけずれた位置に
移動して露光を行うことで、ウエハ上の既存の回路パタ
ーンとレチクルパターンの像とを重ね合わせることがで
きる。
【0008】しかしながら、露光装置の構成によっては
アライメントセンサによるマークの検出位置と露光位置
とが大きく(例えば数十ミリ)離れる場合もある。この
乖離の方向が、アライメントセンサの計測方向と一致し
ていれば特に問題はないが、計測方向と直交する方向に
乖離している場合には、マーク位置計測時にステージの
微小回転に伴う計測誤差が生じてしまう恐れがある。
【0009】このためこのような構成の装置のレーザ干
渉計システムは、直交する2次元のステージ座標を計測
するのみでなく、ステージの回転量も計測できるよう、
3軸以上の計測システムを有する構成となっている。そ
して、このうち2軸は互いに平行な計測軸であり、この
2軸の計測値の差からステージの回転を計測できる。
【0010】アライメント時のステージ回転が計測でき
れば、ステージ回転があっても、アライメント計測値に
そのステージ回転量を補正することで、誤差のない正確
な位置計測が可能となる。
【0011】また、ウエハの搭載されるステージは一般
に極めて高精度なものではあるが、上記2次元の移動に
伴って、僅かながらではあるがその回転量も変化(一般
に「ヨーイング」と呼ばれる)する。これに対して、前
述のレチクルを固定のままとすると回転したウエハステ
ージ上のウエハに対してレチクルの投影像は回転したも
のとなってしまい位置ずれが生じてしまう。これを防止
するために、上述のレーザ干渉計で計測されたウエハス
テージの回転量に基づいてレチクル(レチクルの載置さ
れるレチクルステージ)を回転補正し、常に正確な位置
合わせを行っている装置もある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記の如き従来の装置
においては、ステージの位置または回転量の計測は、可
動なるステージ上に具備される反射鏡(一般に「移動
鏡」と呼ばれる)と、装置内のステージ以外の部分に具
備される反射鏡(一般に「固定鏡」と呼ばれる)との相
対位置、または相対回転量の変化として計測される。従
って、もしこれらの反射鏡の位置が、例えば熱膨張等に
よってズレてしまうと、重ね合わせ結果も大きくズレて
しまい、即ち生産される半導体集積回路が不良品となる
恐れがある。
【0013】一般に露光装置では、露光動作の開始に伴
って、ウエハステージが高速で移動(ステッピング)を
繰り返し、ウエハに対して高いエネルギ(露光光)が照
射されるので、これらのエネルギによって装置本体の温
度は上昇していく傾向にあり、移動鏡や固定鏡の温度、
またはその取付け部材(保持部材)の温度も上昇するこ
ととなる。
【0014】このため、それらの部分の熱変形により、
上記重ね合わせズレが生じる恐れがあった。特に、固定
鏡の回転変動は、前述したウエハステージの回転測定に
も大きく影響を与え、結果的にレチクル上のパターンと
ウエハ上のパターンとの重ね合わせ精度が劣化するとい
う不都合があった。
【0015】これに対する対策として、従来は固定鏡の
保持部材の材質を熱膨張係数の低いものとするか、固定
鏡保持部材の形状を変形しにくい(特に回転方向)設計
を行ったり、固定鏡付近の温度を一定に保つ等の方法に
より回転誤差を低減させる工夫がなされていた。
【0016】しかしながら、上記のような手法は、従来
の露光装置の要求精度は満たすことができたが、現在若
しくは今後必要となってくる精度に関しては、満たすこ
とが困難となってきた。すなわち、更に熱膨張係数の低
い材料で、変形しにくい形状で、温度も安定させるとい
う方法は、既に限界が見えており、材質、形状、温度安
定化によらない別の方法を開発することが急務となって
きた。
【0017】本発明は、かかる事情の下になされたもの
で、請求項1ないし6に記載の発明の目的は、固定鏡の
材質、形状の工夫、温度安定化によらずに、固定鏡の回
転誤差に起因するマスクのパターンと感光基板との重ね
あわせ精度の劣化を抑制ないしは防止することができる
露光装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、マスク(R)に形成されたパターン(PA)の像を
感光基板(W)上に転写する露光装置であって、前記感
光基板(W)を保持して2次元移動及び回転が可能な基
板ステージ(16)と;前記基板ステージ(16)に設
けられた移動鏡(34)と前記基板ステージ外の装置固
定部に設けられた固定鏡(36)とを含み、前記移動鏡
(34)及び固定鏡(36)の相対位置関係から前記基
板ステージ(16)の2次元座標位置と回転量とを計測
するレーザ干渉計システム(50)と;前記固定鏡又は
その取付け部材の温度を計測する1又は2以上の温度セ
ンサ(40)と;前記温度センサ(40)の出力に基づ
いて予め定めた基準に従って前記固定鏡の回転量を予測
する予測手段(24)とを有する。
【0019】ここで、温度センサ(40)の出力に基づ
いて予め定めた基準に従って予測される固定鏡(36)
の回転とは、固定鏡(36)そのものの回転のみを意味
するのではなく、結果的に固定鏡(36)が回転したの
と同様に、レーザ干渉計システム(50)により基板ス
テージ(16)が回転したと計測されるような固定鏡
(36)、あるいはその取付け部材の変形による計測部
位の位置変動を含む広い概念をいい、回転量とは上記の
レーザ干渉計システムにより計測される見かけ上の基板
ステージの回転量(現実の基板ステージの回転量を含ま
ない)をいう。
【0020】本請求項1に記載の発明によれば、レーザ
干渉計システムでは移動鏡及び固定鏡の相対位置関係か
ら基板ステージの2次元座標位置と回転量とを計測す
る。一方、1又は2以上の温度センサは固定鏡又はその
取付け部材の温度を計測し、予測手段ではこの温度セン
サの出力に基づいて予め定めた基準に従って固定鏡の回
転量を予測する。このため、固定鏡あるいはその取付け
部材の熱変形に起因して固定鏡の回転誤差が生じていた
場合に、予測手段によりこの回転量が予測され、この回
転量に応じてレーザ干渉計システムの計測結果を補正し
たり、レーザ干渉計システムをリセットしたりすること
が可能になり、これにより、固定鏡の材質、形状の工
夫、温度安定化によらず、固定鏡の回転に起因する基板
ステージの位置計測(回転を含む)の誤差、及びこれに
起因する重ね合わせ誤差を低減することができる。
【0021】ここで、予測手段により予測された回転量
は、例えばその大きさが許容範囲を超えている場合には
いわゆるベースライン計測をやり直したり、干渉計シス
テムをリセットする基準として用いたりすることができ
るが、この他、例えば請求項2に記載の発明の如く、予
測手段(24)の予測結果に基づいてレーザ干渉計シス
テム(50)による計測結果を補正する補正手段(2
4)を更に設けてもよい。このようにした場合には、固
定鏡の回転誤差が生じ、これによりレーザ干渉計システ
ムの計測誤差が生じていても、この計測誤差が補正手段
により補正されるので、結果的にレーザ干渉計システム
は計測誤差(固定鏡の回転誤差による)が生じていない
ような計測を行なうことができるようになる。これによ
り、固定鏡の回転誤差に起因するマスクのパターンと感
光基板との重ねあわせ精度の劣化を未然に防ぎ、安定し
て高い重ねあわせ精度を得ることができる。
【0022】あるいは、請求項3に記載の発明の如く、
予測手段の予測結果とレーザ干渉計システムによる計測
結果とに基づいて、少なくともマスクと感光基板との相
対回転を補正する第2の補正手段(22、24)を更に
設けても良い。このようにする場合には、第2の補正手
段では予測手段の予測結果とレーザ干渉計システムによ
る計測結果とに基づいて、より具体的にはレーザ干渉計
システムによる計測結果から予測手段の予測結果を減じ
ることにより、真の基板ステージの回転を算出し、この
算出結果に基づいてマスクと感光基板との相対回転を補
正する。この場合も、固定鏡の回転誤差に起因するマス
クのパターンと感光基板との重ねあわせ精度の劣化を未
然に防ぎ、安定して高い重ねあわせ精度を得ることがで
きる。
【0023】また、上記の予測手段による固定鏡の回転
量を予測する基準は、この目的を実現できる基準であれ
ば、どのような基準でも良い。例えば、請求項4に記載
の発明の如く、予測手段による固定鏡の回転量を予測す
る基準は、有限要素法シミュレーションに基づいて予め
求めた温度と回転誤差量との関係を示すデータであって
も良く、請求項5に記載の発明の如く、実際に温度セン
サとレーザ干渉計システムを用いて温度変化と固定鏡の
回転量の変化とを計測した計測結果に基づいて得られた
温度と回転誤差量との関係を示すデータであっても良
い。
【0024】この他、請求項6に記載の発明の如く、予
測手段による固定鏡の回転量を予測する基準は、温度セ
ンサを用いてテスト露光時に固定鏡の温度変化を計測し
た結果と、その露光結果とに基づいて定めた温度と回転
誤差量との関係を示すデータであっても良い。
【0025】これら請求項4ないし6に記載の発明によ
れば、固定鏡の回転誤差が温度測定の結果よりある程度
正確に予測可能となるため、固定鏡取付け部材等の材
質、形状、温度変化に対する許容値が大きくなり、設計
する自由度が大きくなり、結果的にコストダウンを図る
ことが可能になる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図1
ないし図4に基づいて説明する。
【0027】図1には、一実施形態に係る投影露光装置
10の概略構成が示されている。この投影露光装置10
は、ステップ・アンド・リピート方式の縮小投影型露光
装置(いわゆるステッパー)である。
【0028】この投影露光装置10は、マスクとしての
レチクルRを露光用照明光で照明する照明系12、レチ
クルRを保持するレチクルステージ14、レチクルRに
形成されたパターン(原版)PAの像を感光基板として
のウエハW上に投影する投影光学系PL、ウエハWを保
持して基準平面内を2次元移動するとともに所定角度範
囲内で回転可能な基板ステージとしてのウエハステージ
16、ウエハWに形成された位置検出用マークとしての
アライメントマーク(ウエハマーク)を検出するオフ・
アクシス方式のアライメント顕微鏡18、ウエハステー
ジ16の位置及び回転を計測するレーザ干渉計システム
50、ウエハステージ16を駆動する駆動系22、装置
全体を統括的に制御するミニコンピュータ(又はマイク
ロコンピュータ)から成る主制御装置24等を備えてい
る。
【0029】照明系12は、光源(水銀ランプ又はエキ
シマレーザ等)、シャッタ、ブラインド、インプットレ
ンズ、フライアイレンズ、リレーレンズ、メインコンデ
ンサレンズ(いずれも図示せず)等を含んで構成されて
いる。
【0030】この照明系12は、光源からの露光用の照
明光によってレチクルRの下面(パターン形成面)のパ
ターンPAを均一な照度分布で照明する。ここで、露光
用照明光は、単色光(又は準単色光)であり、その波長
(露光波長)は例えば水銀輝線(i線)の365nmで
あり、KrFエキシマーレーザの248nm等である。
【0031】レチクルステージ14上にはレチクルRが
真空吸着等によって固定されており、このレチクルステ
ージ14は、不図示の駆動系によってX方向(図1にお
ける紙面左右方向)、Y方向(図1における紙面直交方
向)及びθ方向(XY面内の回転方向)に微小駆動可能
とされている。
【0032】前記投影光学系PLは、その光軸AXがレ
チクルステージ14の移動面に直交するZ軸方向とさ
れ、ここでは両側テレセントリックで、所定の縮小倍率
β(βは例えば1/5)を有するものが使用されてい
る。このため、後述するようにレチクルRのパターンと
ウエハW上のショット領域との位置合わせ(アライメン
ト)が行われた状態で、照明光によりレチクルRが均一
な照度で照明されると、パターン形成面のパターンが投
影光学系PLにより縮小倍率βで縮小されて、フォトレ
ジストが塗布されたウエハW上に投影され、ウエハW上
の各ショット領域(例えば各LSIチップの領域)にパ
ターンの縮小像が形成される。
【0033】ウエハWはウエハホルダ15を介してウエ
ハステージ16上に固定されている。ウエハステージ1
6は、実際には、ベース30上をY方向(図1の紙面直
交方向)に移動するYステージ、このYステージ上をX
方向(図1の紙面左右方向)に移動するXステージ及び
このXステージ上に搭載され、前記ウエハホルダ15と
一体的にZ軸回りに微小角度範囲内で回転可能なθステ
ージ等から構成されているが、図1では、これらが代表
してウエハステージ16として図示されている。
【0034】また、このウエハステージ16上には、そ
の表面がウエハWの表面と同じ高さになるように基準板
FPが固定されている。この基準板FPの表面には、後
述するベースライン計測等に用いられる基準マークを含
む各種の基準マークが形成されている。
【0035】前記アライメント顕微鏡18は、投影光学
系PLのY軸方向の一側面(図1ににおける紙面手前側
の面)に固定されており、本実施形態では画像処理方式
のものが用いられている。このアライメント顕微鏡18
は、ハロゲンランプ等のブロードバンドな照明光を発す
る光源、対物レンズ、指標板、CCD等の撮像素子及び
信号処理回路、演算回路等(いずれも図示省略)を含ん
で構成されている。このアライメント顕微鏡18を構成
する光源から発せられた照明光がアライメント顕微鏡1
8内部の対物レンズを通過した後ウエハW(又は基準板
FP)上に照射され、そのウエハW表面の不図示のウエ
ハマーク領域からの反射光がアライメント顕微鏡18内
部に戻り、対物レンズ、指標板を順次透過してCCD等
の撮像面上にウエハマークの像、及び指標板上の指標の
像が結像される。これらの像の光電変換信号が信号処理
回路により処理され、演算回路によってウエハマークと
指標との相対位置が算出される。
【0036】次に、レーザ干渉計システム50について
説明する。このレーザ干渉計システム50は、ウエハス
テージ16の上面に固定された移動鏡34、投影光学系
PLの側面に固定された固定鏡36及びこれらの移動鏡
34、固定鏡36に測長ビーム(レーザビーム)をそれ
ぞれ投射して、それぞれの反射光を受光することによ
り、ウエハステージ16の位置及び回転を移動鏡34と
固定鏡36との相対的な位置関係として計測するレーザ
干渉計20とから構成されている。本実施形態では、実
際には、X軸にほぼ直交する反射面を有するX移動鏡3
4Xと、Y軸にほぼ直交する反射面を有するY移動鏡3
4Yとが設けられ、また、固定鏡もX軸にほぼ直交する
反射面を有する2つのX固定鏡36X1 、36X2 と、
Y軸にほぼ直交する反射面を有するY固定鏡36Yとが
設けられ、これらに対応してレーザ干渉計もX軸方向位
置計測用のものが2つ、Y軸方向位置計測用のものが1
つ設けられているが、図1では、これらが移動鏡34、
固定鏡36、レーザ干渉計20として代表的に示されて
いる(図2(A)参照)。
【0037】ここで、図2(A)に基づいて、上記レー
ザ干渉計システム50を構成する移動鏡、固定鏡、レー
ザ干渉計の構成及び配置等について説明する。
【0038】図2(A)には、固定鏡及びその周辺部の
概略平面図が拡大して示されている。図2(A)におい
て、ウエハステージ16のX軸方向の一端(図2(A)
における左端)には、X移動鏡34XがY軸方向に延設
され、Y軸方向の一端(図2(A)における上端)には
Y移動鏡34YがX軸方向に延設されている。
【0039】また、投影光学系PLのX軸方向の一側面
には、X軸にほぼ直交する反射面を有する2つのX固定
鏡36X1 、36X2 が固定鏡取付け部材としての固定
鏡保持部材38Xを介して取り付けられ、投影光学系P
LのY軸方向の一側面には、Y軸にほぼ直交する反射面
を有するY固定鏡36Yが固定鏡取付け部材としての固
定鏡保持部材38Yを介して取り付けられている。
【0040】X固定鏡36X1 、36X2 、X移動鏡3
4Xに対向してX軸方向位置計測用の2つのレーザ干渉
計20X1 、20X2 が設けられ、Y固定鏡36Y、Y
移動鏡34Yに対向してY軸方向位置計測用のレーザ干
渉計20Yが設けられている。以下の説明において、X
軸方向位置計測用の2つのレーザ干渉計20X1 、20
2 の計測軸をそれぞれX1 軸、X2 軸と呼び、Y軸方
向位置計測用のレーザ干渉計20Yの計測軸をY軸(ウ
エハステージの移動軸であるY軸と一致)と呼ぶものと
する。
【0041】X軸方向位置計測用の一方のレーザ干渉計
20X1 は、固定鏡36X1 、移動鏡34Xに対してX
軸に平行な方向の測長ビームBrX1 、BmX1 をそれ
ぞれ投射して、それぞれの反射光を受光して固定鏡36
1 と移動鏡36YとのX1軸方向の相対位置を計測す
る。また、X軸方向位置計測用の他方のレーザ干渉計2
0X2 は、固定鏡36X2 、移動鏡34Xに対してX軸
に平行な方向の測長ビームBrX2 、BmX2 をそれぞ
れ投射して、それぞれの反射光を受光して固定鏡36X
2 と移動鏡34XとのX2 軸方向の相対位置を計測す
る。
【0042】ここで、X2 軸のビームは、露光位置(投
影光学系PLの中心C1 、すなわちウエハステージ座標
系の原点)と同軸上にはなく、露光位置C1 からY方向
にDだけ離れて設置された後述するアライメント顕微鏡
18の中心(検出位置)C2と同軸にある。これは、後
述するようにアライメント計測時にアッベ誤差が生じな
いようにしたものである。一方、X2 軸のビームは、露
光位置(投影光学系PLの中心C1 、すなわちウエハス
テージ座標系の原点)と同軸にあるので、レーザ干渉計
20X1 の計測値によりウエハステージ16のX座標位
置を計測することができる。
【0043】また、これらのレーザ干渉計20X1 、2
0Y2 の計測軸であるX1 軸とX2軸は、前述の如く、
距離Dだけ離れて、かつ平行に設定されているので、2
つのレーザ干渉計20X1 、20Y2 の計測値の差をD
で割った値によりウエハステージ16の回転角(回転
量)を計測することができる。
【0044】Y軸方向位置計測用のレーザ干渉計20Y
は、固定鏡36Y、移動鏡34Yに対して測長ビームB
rY、BmYをそれぞれ投射して、それぞれの反射光を
受光して固定鏡36Yと移動鏡34YとのY軸方向の相
対位置を計測する。
【0045】すなわち、固定鏡36X1 、36X2 、3
6Yとウエハステージ16上の移動鏡34X、34Yと
の相対位置関係が、Y軸の干渉計ビーム(BmYとBr
Y)と、X1 軸の干渉計ビーム(BmX1 とBrX1
とX2 軸の干渉計ビーム(BmX2 とBrX2 )とによ
って計測される。
【0046】前記レーザ干渉計20(20X1 、20X
2 、20Y)の計測値が主制御装置24に供給されてお
り、主制御装置24ではレーザ干渉計20の計測値に基
づいて前述したようにしてウエハステージ16の位置及
び回転量を固定鏡と移動鏡の相対位置関係として計測す
る。また、主制御装置24では、ウエハステージ16の
位置決めの際等には、レーザ干渉計20の計測値をモニ
タしつつ駆動系22を介してウエハステージ16、すな
わちウエハWを位置決めする。
【0047】前記アライメント顕微鏡18は、上述の如
く、その中心(検出位置)C2 が、投影光学系PLの露
光位置(中心)C1 に対して、Y方向にDだけ離れて設
置されている。このアライメント顕微鏡18は、X方
向、Y方向の両方向についてウエハW上のマークの位置
計測を行うためのものである。図2(A)からも明らか
なように、このアライメント顕微鏡の計測位置は、X2
軸、Y軸上にあり、いずれの方向についてもウエハステ
ージの回転の影響により計測誤差(アッベ誤差)が生じ
難いようになっている。
【0048】更に本実施形態では、図1ないし図2に示
されるように、固定鏡保持部材38X上面の固定鏡36
1 、36X2 のそれぞれの近傍に温度センサ40a、
40bが設けられている(但し、図1においては、これ
らの温度センサ40a、40bが代表的に温度センサ4
0として示されている)。これらの温度センサ40a、
40bによって固定鏡保持部材38Xの少なくとも2点
の温度を検出できるようになっており、これらの温度セ
ンサ40a、40bの計測値が主制御装置24に供給さ
れるようになっている。
【0049】前記主制御装置24は、CPU、ROM、
RAM、I/Oインタフェース等を含むマイクロコンピ
ュータ(又はミニコンピュータ)から成り、装置全体を
統括的に制御するものであるが、本実施形態の特徴とし
て、この主制御装置24は、次に述べるように、上記の
温度センサ40a、40bの計測値を用い、予めRAM
内に記憶された温度と回転誤差量との関係を示すデータ
に基づいて、固定鏡保持部材38Xの熱変形に起因する
固定鏡の回転誤差量を演算し、補正する機能をも備えて
いる。
【0050】ここで、上記主制御装置24による回転誤
差量の演算及びその補正機能について、図2(A)、
(B)、図3、図4に基づいて詳述する。
【0051】まず、最初に固定鏡の回転誤差の生ずる理
由、回転誤差の意義及びそれに起因する不都合について
説明する。
【0052】図2(A)に示されるように、通常の状態
(イニシャル状態)では固定鏡36X1 と固定鏡36X
2 は固定鏡保持部材38Xによって平行に保持されてい
る。
【0053】しかしながら、ウエハWの露光を行った場
合、露光光によりウエハW及びウエハホルダ15の温度
が上昇し、その近くにある固定鏡36X1 、36X2
そのウエハW及びホルダ15の熱を対流もしくは不図示
の空調機からの空気の流れにより受けてしまう。また、
ウエハ交換、露光等の際に、ウエハステージ16が位置
を変えることにより、ウエハステージ16の回りの空気
の流れが変わり、これによっても固定鏡36X1 、36
2 及び固定鏡保持部材38Xの温度が変動する。
【0054】固定鏡36X1 、36X2 は固定鏡保持部
材38Xによって投影光学系PLに固定されているが、
この投影光学系PLは十分に大きい質量を持ち、通常温
調がなされていることから、固定鏡38X及び固定鏡保
持部材38Xの雰囲気温度が変動しても、投影光学系P
Lに温度変化は殆ど生じないため、固定鏡保持部材38
Xの投影光学系PL寄りの部分(根元)とこれから離れ
た部分(先端)に温度差ができ、固定鏡保持部材38X
内に温度勾配が生じる。
【0055】本実施形態のように、いずれかの固定鏡
(ここでは、固定鏡36X2 )がオフ・アクシス方式の
アライメント顕微鏡18の検出中心と同軸上に設置され
ている場合、必然的に固定鏡保持部材38Xの形状が投
影光学系PLとの接合部に関して非対称形となるため、
この固定鏡保持部材38Xが熱変形し、前述した温度勾
配が生じた場合には、図2(B)に示されるように、当
該固定鏡保持部材38Xの上記温度勾配に起因する非対
称変形が生じ、このため固定鏡36X1 と36X2 にX
方向の位置誤差Δdが生じる。この位置誤差Δdが生じ
ると、ウエハステージ16が回転していないにもかかわ
らず、固定鏡保持部材38Xの熱変形に起因する上記回
転誤差Δd、すなわちリファレンスビームBrX1 、B
rX2 との計測誤差Δdにより、Xレーザ干渉計X1
2 の計測結果には、あたかもウエハステージ16が回
転したように計測されてしまうので、この意味で上記計
測誤差Δdを固定鏡の回転誤差(あるいは回転誤差量)
と呼ぶのである。従って、この回転誤差が生じた状態の
レーザ干渉計システム50の計測結果を基に、露光若し
くは種々の計測を行った場合、回転誤差によるショット
回転ずれ、若しくは計測オフセット(回転誤差による)
が発生する。換言すれば、ウエハステージ16の位置あ
るいは回転量の検出には、固定鏡36X1 、36X2
36Yの位置及び回転が基準として使用されている。そ
のため、固定鏡36X1 、36X2 、36Yが環境変化
等の要因により温度変化し、熱変形してしまうと、露光
時のステージ位置の決定に関する誤差、ステージ回転量
補正に関する誤差及びレチクルの回転補正に関する誤差
などのさまざまな誤差要因を生じせしめ、投影像の重ね
合わせ精度を劣化させてしまう。
【0056】この様な不都合を改善すべく、本実施形態
では、予め、例えば固定鏡36X1、36X2 及び固定
鏡保持部材38Xの設計段階での構造解析の際に、固定
鏡36X1 、36X2 及び固定鏡保持部材38Xの温度
変動をパラメータとして、有限要素法シミュレーション
により固定鏡保持部材38Xの変形を計算し、固定鏡の
回転誤差量を各部(例えば固定鏡36X1 、36X2
それぞれの近傍部分)の温度変化量(若しくは2点間の
温度差等)と対応させたグラフ(図3参照)を求め、そ
の関係式を予め計算し、その関係式が主制御装置24の
RAM内に記憶されている。図3において、●は温度セ
ンサ40aが設置された固定鏡保持部材38Xの固定鏡
36X1 近傍部分の変形量を示し、■は固定鏡保持部材
38Xの固定鏡36X2 近傍部分の変形量を示す。ま
た、△は参考までに示したもので、仮に固定鏡保持部材
38Xの固定鏡36X1 近傍と固定鏡36X2 近傍部分
の温度変化量(基準温度からの変化量)が同一であった
場合の固定鏡回転誤差を示す。
【0057】なお、上記の固定鏡保持部材38Xの変形
を求めるための有限要素法シミュレーションについて
は、汎用プログラムが使用されるので、ここでは詳細な
説明は省略する。また、温度と回転誤差量(変形量)と
の関係を求める式は、1次もしくはそれ以上の最少二乗
近似式等により求めることができる。なお、上記の有限
要素法の代わりに差分法を用いることもできる。
【0058】RAM内に記憶する上記温度変化による回
転誤差予測式は、上記有限要素法シミュレーションを用
いる場合の他に、実際に固定鏡36X1 、36X2 及び
保持部材38Xの雰囲気温度を何等かの方法で変化させ
たときの干渉計20X1 、20X2 の計測結果の差を計
測し、その時の温度と回転誤差(干渉計による回転量計
測値)の関係式(近似式)を求め、この関係式をRAM
内に記憶しても良い。
【0059】あるいは、図4に示されるように、実際の
ウエハWの露光結果(テスト露光)と前記固定鏡36X
1 、36X2 および固定鏡保持部材38Xの温度変化に
基づいて前記同様の関係式を求め、この式をRAM内に
記憶しておいても良い。
【0060】そして、実際の露光及び計測(例えば後述
するベースライン計測時等)に固定鏡保持部材38Xに
設置した温度センサ40a、40bの計測結果を用い、
RAM内の温度と回転誤差量との関係式に従って回転誤
差量を求め、干渉計20X1、20X2 の計測値を補正
する。
【0061】次に、上述のようにして構成された露光装
置10の露光時の動作について説明する。前提として不
図示のレチクル顕微鏡を用いて行われるレチクルRの投
影光学系PLに対する位置合わせ(レチクルアライメン
ト)は終了しているものとする。
【0062】まず、重ね合わせ露光に先立って、ウエハ
W上の位置検出マークを検出するアライメント顕微鏡1
8の位置(検出中心)C2 と投影光学系PLの中心C1
(通常は、レチクルパターンの中心であるレチクルセン
タに一致)との位置関係を計測するベースライン計測が
行われる。具体的には、次の通りである。
【0063】 ウエハステージ16上に設けられた基
準板FPを、投影光学系PLを介したレチクルアライメ
ントマーク(図示省略)の投影像位置へ移動する。この
移動は、主制御装置24により駆動系22を介して行わ
れる。前述の如く、基準板FPの表面はウエハWの表面
とほぼ同じ高さ(光軸方向)となっており、その表面に
は基準マーク(不図示)が形成されている。このとき、
例えば、不図示のレチクル顕微鏡により投影光学系PL
を介してレチクルアライメントマークと基準マークの相
対位置が検出される。
【0064】また、このときのウエハステージ16の位
置は、ウエハステージ16上に設けられた移動鏡34を
介してレーザ干渉計20により計測され、この計測結果
は主制御装置24に送られる。主制御装置24はレーザ
干渉計20の計測結果とレチクル顕微鏡から出力される
相対位置との和を、レチクル位置としてRAMに記憶す
る。
【0065】 次に、主制御装置24は駆動系22を
介してウエハステージ16を駆動し、基準板FPをアラ
イメント顕微鏡18の検出基準位置近傍に移動させる。
そして、アライメント顕微鏡18に内蔵された指標板上
の指標の中心(検出中心)C2と基準板FP上の基準マ
ークとの相対位置関係を検出する。この相対位置関係検
出値と、このときのレーザ干渉計20の出力値(ウエハ
ステージ16の位置)は、主制御装置24に送られ、当
該主制御装置24ではその和をアライメント顕微鏡18
の位置とし、さらに、上記レチクル位置とアライメント
顕微鏡位置との差を「ベースライン計測値」としてRA
Mに記憶する。なお、このベースライン計測時には、露
光が行われていないので、固定鏡保持部材は図2(A)
の通常状態にあり、従って固定鏡の回転誤差量Δdは零
である。
【0066】本実施形態の投影露光装置10では、以上
のベースライン計測シーケンスの後に、ウエハWへの重
ね合わせ露光を開始する。すなわち、ウエハW上の不図
示のウエハアライメントマークを、アライメント顕微鏡
18により位置検出する。そして、主制御装置24では
このときのウエハアライメントマークと前述のアライメ
ント顕微鏡18内の指標マーク中心との相対位置関係
と、ウエハステージ16の位置(レーザ干渉計20の出
力値)との和を、マーク位置として認識する。
【0067】続いて、主制御装置24ではこのマーク位
置からベースライン量とウエハアライメントマークの設
計座標の和だけウエハW(即ちウエハステージ16)
を、レーザ干渉計20の計測値に基づいて移動する。
【0068】これにより、レチクルR上のパターンの投
影像と、ウエハW上の既存のパターンとは正確に位置合
わせされるので、この状態で露光を行いウエハWにレチ
クルR上のパターンを投影転写する。
【0069】このようにして、ウエハW上の各ショット
領域を順次レチクルパターンの像の投影位置に移動させ
つつ、露光(投影転写)を繰り返しおこなうことによ
り、ステップ・アンド・リピート方式の露光が行われ
る。
【0070】そして、このような露光動作の継続中も前
述した温度センサ40a、40bの計測値に基づく固定
鏡36X1 、36X2 の回転量計測を続行し、計測され
る固定鏡回転誤差量の分だけレーザ干渉計の計測値を補
正する、あるいは計測された固定鏡回転誤差量に基づい
て、主制御装置24はレチクルRを保持するレチクルス
テージ14を駆動して固定鏡回転誤差を補正してパター
ン投影像をより正確にウエハW上に重ね合わせるように
する。前者の計測された固定鏡回転誤差量の分だけレー
ザ干渉計の計測値を補正する手法によれば、実際にウエ
ハステージ16が所望の回転状態にある場合に、レチク
ルRの不用意な回転を防止する効果がある。また、後者
の計測された固定鏡回転誤差量に基づいてレチクルRを
保持するレチクルステージ14を駆動する手法では、固
定鏡回転誤差によりウエハステージ16に回転誤差が生
じたように計測され、これに追随すべくレチクルステー
ジ14が回転された場合に、これを元に戻す効果があ
る。
【0071】なお、実際にウエハステージ16に回転が
生じた場合には、レーザ干渉計20X1 、20X2 の計
測値に基づいて見かけ上のウエハステージ16の回転量
を計測し、これから温度センサ40a、40bの計測値
に基づいて演算されるΔd/Dを減ずることにより、真
のウエハステージ16の回転量を求めることができるの
で、この回転量に基づいてウエハステージ16の回転分
だけレチクルRも回転することにより、パターン投影像
をより正確にウエハW上に重ね合わせるようにすること
が望ましい。
【0072】なお、上記ステップ・アンド・リピート方
式の露光動作は、ウエハW上の各ショット領域内のアラ
イメントマークを逐次検出してそのショットに重ね合わ
せ露光を行ういわゆるダイ・バイ・ダイ方式で行っても
よく、露光に先立って複数のショット内の各アライメン
トマークを検出し、それらの検出値を統計処理して露光
ショットの配列を決め、その配列に基づいて全ショット
の露光を行ういわゆるEGA(エンハンスト・グローバ
ル・アライメント)方式で行っても良い。
【0073】これまでの説明から明らかなように、本実
施形態では、主制御装置24の機能によって、予測手段
及び補正手段が実現され、主制御装置24と駆動系22
又はレチクルステージ14の不図示の駆動系とによって
第2の補正手段が構成される。
【0074】以上説明したように本実施形態の露光装置
10によると、主制御装置24では、固定鏡保持部材3
8Xに設けられた2つの温度センサ40a、40bの計
測値に基づいて固定鏡保持部材38Xの熱変形に起因す
る固定鏡36X1 、36X2の回転誤差を算出すること
ができるので、露光時の露光ショット回転誤差、および
アライメントマーク計測時の計測誤差を低減できるだけ
でなく、ベースライン計測時と実際の露光時にアライメ
ント顕微鏡18によりアライメントマークを計測する時
点とでそれぞれの計測時の温度をモニターすることによ
り、固定鏡36及び固定鏡保持部材38の温度差による
固定鏡回転誤差に起因して発生する重ね合わせ露光時の
位置ずれオフセットを補正することが可能となる。従っ
て、本実施形態の投影露光装置10によると、露光結果
に対する露光ショット焼付時の回転誤差、露光ショット
位置の計測誤差、ベースラインドリフト等が低減され
る。
【0075】また、固定鏡回転誤差が温度測定の結果よ
り予測可能となるため、固定鏡保持部材等の材質、形
状、温度変化に対する許容値が大きくなり、設計する自
由度が大きくなり、結果的にコストダウンにつながる。
【0076】なお、固定鏡が許容量以上回転した場合に
は、ベースライン計測をやり直すようにしても良く、こ
のようにしても固定鏡36X1 、36X2 の回転変動に
殆ど影響されず、高い重ね合わせ精度を、極めて安定的
に得ることができる。
【0077】また、上記実施形態では、固定鏡の回転誤
差計測を行なうX軸方向について比較的短い2つの固定
鏡36X1 、36X2 が設けられ、純粋な意味で固定鏡
の回転を検出するのではなく、固定鏡保持部材38Xの
熱変形に起因するX1 軸の計測ビーム(レファレンスビ
ーム)、X2 軸の計測ビーム(レファレンスビーム)に
よりそれぞれの軸に関する固定鏡反射面の位置の変化の
差を検出する場合について説明したが、本発明がこれに
限定されることはなく、例えばX軸方向の計測用として
比較的長い固定鏡を用い、この固定鏡に2軸のレーザビ
ームを投射するようにすれば、上記実施形態と同様にし
てこの固定鏡の反射面のそれぞれのビームの照射点の位
置変化を算出することにより、この位置変化の差(上記
Δdに相当)を距離Dで除すことにより、固定鏡そのも
のの純粋な意味での回転誤差を検出することができるよ
うになる。
【0078】さらに上記実施形態では、温度センサを2
つ設ける場合を例示したが、これに限らず、1つあるい
は3つ以上温度センサを設けても良い。温度センサを1
つだけ設ける場合には、例えば代表的な点として図2に
示される温度センサの中間点当たりに設け、この点の温
度をパラメータとして固定鏡保持部材の熱変形による固
定鏡反射面のそれぞれのレーザビームの照射位置の位置
変動を予めシミュレーション等により求めて置くことが
望ましい。また、3つ以上温度センサを設ける場合に
は、例えばY軸方向に所定間隔を隔ててセンサを配置す
るとともに、これらの点の温度変動と固定鏡保持部材の
熱変形による固定鏡反射面のそれぞれのレーザビームの
照射位置の位置変動の関係を予めシミュレーション等に
より求めて置くことが望ましい。温度センサの数は、多
ければ多いほど固定鏡の回転誤差をより高精度に算出す
ることが可能であるが、温度センサの数に応じて部品点
数の増加とコストアップを招くのでこれらの兼ね合いを
考えて温度センサの個数を定めることが望ましい。
【0079】また、上記実施形態では、主制御装置のR
AM内に、有限要素法シミュレーション、実際の計測、
あるいはテスト露光により求めた温度と回転誤差量の関
係式を記憶する場合について説明したが、本発明がこれ
に限定されることはなく、予め求めた温度と回転誤差量
との関係を示すデータであれば、固定鏡の回転量を予測
する基準として用いることができ、例えば、温度と回転
誤差量の関係を示すテーブル形式のデータをRAM内に
記憶しておいても勿論良い。
【0080】なお、上記実施形態では、固定鏡は投影光
学系PLに固定するものとしたが、固定鏡の設置場所は
これに限らず、移動鏡の設けられるステージ(可動部)
以外の部分であれば、どのような場所に設置しても構わ
ない。このような場合も上記実施形態例と同等の効果を
得ることができる。
【0081】また、上記実施形態では本発明が投影露光
装置に適用された場合について説明したが、本発明の適
用範囲がこれに限定されるものではなく、X線プロキシ
ミティー露光装置や電子線露光装置に対しても好適に適
用可能である。
【0082】また、温度の計測結果に基づいて基準参照
面の計測方向の変位を推測し、この推測結果に基づいて
基準参照面と被計測物体面との相対位置の計測結果を補
正するという技術的思想は、露光装置のウエハステージ
の回転誤差の補正のみならず、その他の装置にも適用が
可能である。
【0083】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1ないし6
に記載の発明によれば、固定鏡及びその取付け部材の材
質、形状の工夫、温度安定化によらずに、固定鏡の回転
誤差に起因するマスクのパターンと感光基板との重ねあ
わせ精度の劣化を抑制ないしは防止することができると
いう従来にない優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態に係る露光装置の構成を概略的に示
す図である。
【図2】図1の主制御装置による回転誤差量の演算及び
その補正機能について説明するための図であって、
(A)は通常状態の固定鏡及びその周辺部の概略平面
図、(B)は回転誤差が生じた状態の固定鏡及びその周
辺部の概略平面図である。
【図3】固定鏡の回転誤差量を各部の温度変化量(若し
くは2点間の温度差等)と対応させたグラフの一例を示
す図である。
【図4】実際のウエハWの露光結果(テスト露光)と固
定鏡36及び固定鏡保持部材の温度変化との関係の一例
を示す図である。
【符号の説明】
10 露光装置 16 ウエハステージ 18 アライメント顕微鏡 22 駆動系 24 主制御装置 34 移動鏡 36 固定鏡 38 固定鏡保持部材 50 レーザ干渉計システム PL 投影光学系 W ウエハ R レチクル
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/30 525R 525W

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マスクに形成されたパターンの像を感光
    基板上に転写する露光装置であって、 前記感光基板を保持して2次元移動及び回転が可能な基
    板ステージと;前記基板ステージに設けられた移動鏡と
    前記基板ステージ外の装置固定部に設けられた固定鏡と
    を含み、前記移動鏡及び固定鏡の相対位置関係から前記
    基板ステージの2次元座標位置と回転量とを計測するレ
    ーザ干渉計システムと;前記固定鏡又はその取付け部材
    の温度を計測する1又は2以上の温度センサと;前記温
    度センサの出力に基づいて予め定めた基準に従って前記
    固定鏡の回転量を予測する予測手段とを有する露光装
    置。
  2. 【請求項2】 前記予測手段の予測結果に基づいて前記
    レーザ干渉計システムによる計測結果を補正する補正手
    段を更に有することを特徴とする請求項1に記載の露光
    装置。
  3. 【請求項3】 前記予測手段の予測結果と前記レーザ干
    渉計システムによる計測結果とに基づいて、少なくとも
    前記マスクと感光基板との相対回転を補正する第2の補
    正手段を更に有することを特徴とする請求項1に記載の
    露光装置。
  4. 【請求項4】 前記予測手段による前記固定鏡の回転量
    を予測する基準は、有限要素法シミュレーションに基づ
    いて予め求めた温度と回転誤差量との関係を示すデータ
    であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一
    項に記載の露光装置。
  5. 【請求項5】 前記予測手段による前記固定鏡の回転量
    を予測する基準は、実際に前記温度センサと前記レーザ
    干渉計システムを用いて温度変化と前記固定鏡の回転量
    の変化とを計測した計測結果に基づいて得られた温度と
    回転誤差量との関係を示すデータであることを特徴とす
    る請求項1ないし3のいずれか一項に記載の露光装置。
  6. 【請求項6】 前記予測手段による前記固定鏡の回転量
    を予測する基準は、前記温度センサを用いてテスト露光
    時に固定鏡の温度変化を計測した結果と、その露光結果
    とに基づいて定めた温度と回転誤差量との関係を示すデ
    ータであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれ
    か一項に記載の露光装置。
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