JPH1083567A - 光記録媒体およびその製造方法 - Google Patents

光記録媒体およびその製造方法

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JPH1083567A
JPH1083567A JP8235207A JP23520796A JPH1083567A JP H1083567 A JPH1083567 A JP H1083567A JP 8235207 A JP8235207 A JP 8235207A JP 23520796 A JP23520796 A JP 23520796A JP H1083567 A JPH1083567 A JP H1083567A
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light
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Kazunori Ishii
和慶 石井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 信号マーク転写の工程の所要時間が大幅に短
縮され、小規模な生産設備で大量生産が可能な、生産効
率が高く、低コストで製造できる光記録媒体および該光
記録媒体の製造方法の提供。 【解決手段】 光の照射により光学特性が変化する材料
からなり、光学特性を部分的に変化させることにより、
情報信号マーク、トラッキング用ガイド、トラッキング
用マーク、アドレス信号マーク、同期信号マーク等の信
号マークが、予め形状変化をともなわずに形成された複
数の記録層と、各記録層の間に設けられた透明材料から
なるスペーサ層とを積層して備え、複数の記録層に形成
された信号マークを、同一の方向から光を照射すること
により再生可能とした光記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、情報信号が記録さ
れた複数の記録層を備え、前記複数の記録層に同一の方
向から光を照射することによって情報信号の再生が可能
な光記録媒体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、同一の方向から再生用の光を
照射することによって信号の再生が可能な2つの記録層
を備えたことにより記録容量を増大させた光記録媒体と
して、たとえばDVD(ディジタルビデオディスク)等
の再生専用の光ディスクが知られている。このような従
来の光ディスクの製造方法について説明する。光ディス
クの製造工程は大きく2つの工程に分けられる。1つは
図9に示すスタンパー製造の工程、もう1つは図10に
示すディスク複製の工程である。
【0003】図9に示すスタンパー製造の工程において
はまず(a)に示すように原盤40が作成される。原盤
40には通常ガラスの円盤が使用され、その表面が研磨
加工、洗浄される。次に(b)に示すように原盤40の
表面に均一な厚さでフォトレジスト膜41が塗布され
る。
【0004】フォトレジスト膜41が塗布された原盤4
0は(c)に示すようにカッティング装置によって情報
信号の記録が行われる。情報信号の記録は原盤40を回
転駆動しながら、記録されるべき情報信号で変調された
レーザ光44を収束してフォトレジスト膜41に照射し
露光することによって行われる。レーザ光44の照射位
置を半径方向に徐々に移動させることによって、原盤4
0にはらせん状に情報信号、アドレス信号、同期用信号
の記録トラックが形成される。また必要に応じてトラッ
キング用の溝、またはトラッキング用の信号も同様にし
て記録される。
【0005】露光された原盤40は(d)に示す現像処
理が行われる。これによりフォトレジスト膜41の露光
部分のみが除去される。現像された原盤40は表面を導
体化処理した後、(e)に示すようにニッケル等の金属
からなる厚い電鋳膜42が析出形成される。
【0006】形成された電鋳膜42を剥離すると、
(f)に示すようにその表面に情報信号等に対応したら
せん状の凹凸の列やトラッキング用の溝が形成されたス
タンパー43が完成する。
【0007】以上説明した方法によって第1の記録層に
対応した第1のスタンパー43a、および第2の記録層
に対応した第2のスタンパー43bが作成される。
【0008】次に上記の工程によって得られた第1のス
タンパー43a、および第2のスタンパー43bを用い
て情報信号が記録された光ディスクの大量複製が行われ
る。次にこの工程について図10を用いて説明する。
【0009】まず第1のスタンパー43aが(a)に示
すように射出成形機の金型45に取り付けられる。金型
45内に高温で溶融した透明樹脂材料たとえばPC(ポ
リカーボネート)やPMMA(ポリメチルメタクリレー
ト)が注入され基板46が成形される。基板46は冷却
された後に中心孔を打ち抜いて形成され、射出成形機か
ら取り出される。基板46の表面には、(b)に示すよ
うに第1のスタンパー43aの表面に形成された凹凸が
反転したピット47やトラッキング用の溝が転写形成さ
れている。
【0010】取り出された基板46の表面には(c)に
示すように真空蒸着、スパッタ成膜等の方法で金属材料
からなる半透明反射膜を形成し、第1の記録層48とす
る。
【0011】次に(d)に示すように第1の記録層48
の上に未硬化状態の紫外線硬化樹脂材料からなるUV硬
化層49を塗布によって形成する。このUV硬化層49
の厚さは通常10〜100μm程度である。さらに
(e)に示すようにその上から第2のスタンパー43b
を押しつけた状態で基板46側より紫外線を照射し、紫
外線硬化樹脂材料を硬化させる。その後、第2のスタン
パー43bを剥離すると、UV硬化層49の表面には、
(f)に示すように第2のスタンパー43bの表面に形
成された凹凸が反転したピット50やトラッキング用の
溝が転写形成されている(通常このような転写方法を2
P法と称する)。
【0012】次に(g)に示すように、UV硬化層49
の表面に真空蒸着、スパッタ成膜等の方法で金属材料か
らなる反射膜を形成し、第2の記録層51とする。
【0013】さらに(h)に示すように、第2の記録層
51の上に樹脂材料からなる保護膜52が塗布形成さ
れ、光ディスク53が完成する。
【0014】ここで第1の記録層48、および第2の記
録層51に形成されるピット47,50の長さは通常
0.4〜2μm程度であり、またトラッキング用の溝の
幅は通常0.4〜1μm程度である。
【0015】このようにして製造された光ディスク53
は図11に示す再生装置によって、情報信号の再生が行
われる。ここで60は光ディスク53を回転駆動するス
ピンドルモーター、61は光ヘッド、62は情報信号の
再生回路、63はサーボ回路である。光ヘッド61はレ
ーザ光源64、ビームスプリッタ65、対物レンズ6
6、ディテクタ67、および対物レンズを駆動するアク
チュエータ68より構成される。光ディスク53に記録
された情報信号を再生する場合には、光ディスク53を
スピンドルモーター60によって回転駆動した状態でレ
ーザ光源64を点灯させ、レーザ光をビームスプリッタ
65、対物レンズ66を通して光ディスク53の基板4
6側から第1の記録層48、または第2の記録層51に
微小な光スポットに収束して照射する。レーザ光を第2
の記録層51に照射する場合には、第1の記録層48は
透過させる。光ディスク53の記録層で反射された光は
ビームスプリッタ65で反射し、ディテクタ67に入射
する。ティテクタ67は入射光量を電気信号に変換し、
情報信号の再生回路62およびサーボ回路63に出力す
る。光ディスク53からの反射光量は光ディスク53に
形成されたピットによって変化する。これにより再生回
路62は情報信号を再生し出力するのである。またピッ
トとして記録されている光ディスク上の位置を示すアド
レス信号や情報信号記録再生の際に用いる同期用の信号
も同様にして再生される。
【0016】同時にサーボ回路63はディテクタ67の
出力信号から光スポット位置のトラック(ピット列)の
中心から半径方向への変位、および光ディスク53の表
面に垂直な方向への焦点の変位を検出し、この検出信号
に基づいてアクチュエータ68に駆動信号を出力し、こ
れにより対物レンズ66を駆動して常に光スポットがト
ラックを正確に追従するように制御するのである。光デ
ィスク53には情報信号に対応したピットとともにこの
ようなトラッキング制御に用いるための溝やピットを形
成しておく場合もある。
【0017】上記の従来技術は再生専用の光ディスクを
例にとって説明したがこれ以外に、情報信号の追記が可
能な光ディスクや情報信号の書き換えが可能な光ディス
クについても、トラッキング用の溝、トラッキング用ピ
ット、あるいはアドレス信号や信号記録再生の際に用い
る同期用の信号等を予めピットとして記録するために上
記のような製造方法が用いられている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来技術には、
以下に列記するような種々の問題があった。
【0019】[1]上記したように同一の方向から再生
用の光を照射することによって信号の再生が可能な2つ
の記録層を備えた従来の光ディスクは、射出成形法、お
よび2P法によってトラッキング用の溝や情報信号のピ
ット等を形成していた。したがってそれぞれの工程のみ
でも所要時間は1枚の基板につき10〜20秒と長いた
め生産能力が低く、大量生産には不向きであり、もし大
量生産を必要とする場合には、多数の成形装置を備える
必要があることから多額の設備投資が生じ、製造コスト
が低くできないという問題があった。特に基板を3つ以
上とすると、このような問題はより重大であった。
【0020】[2]また記録層の形成には、真空蒸着や
スパッタ成膜等の真空成膜法を用いるため、1つの記録
層当たり数秒以上の時間が必要となるばかりか、成膜の
工程は少数づつのバッチ処理となり、一層生産効率が悪
化するという問題があった。 [3]また射出成形法および2P法では、樹脂材料の流
動性等による転写能力の限界からトラッキング用の溝を
さらに狭く、また情報信号のピットをさらに小さく形成
することは困難であり、情報信号の記録密度(トラック
密度および線記録密度)を増大させることができないと
いう問題があった。
【0021】[4]また2P法によって形成されるUV
硬化層の厚みを一定かつ均一にするには、第2のスタン
パーと基板の間隔を一定かつ均一に保持しなければなら
ない。しかし射出成形によって製造される基板のそり、
うねり等の変形や、厚さのばらつき、むらはある限度以
下にすることはできず、このため一定かつ均一な厚さの
UV硬化層を形成するのは困難で、厚さのばらつき、む
らが発生しやすい。ところがUV硬化層の厚さのばらつ
き、むらが発生した場合、光学的な収差によって再生用
の光スポットの品位(大きさ、形状)が低下するので、
情報信号の記録密度を増大させることができないという
問題がある。特に3つ以上の記録層を2P法によって積
層して形成する場合、UV硬化層の厚さのばらつき、む
らが累積してますます増大するためこのような問題はよ
り重大である。
【0022】[5]また射出成形法および2P法で使用
するスタンパーは、繰り返し使用することによって劣化
するため、定期的に交換を必要とし、光ディスクを大量
生産する場合にはスタンパーを多数作成しなければなら
ないという問題があった。
【0023】したがって、本発明の目的は、上記のよう
な諸問題を解決し、信号マーク転写の工程の所要時間が
大幅に短縮され、小規模な生産設備で大量生産が可能
な、生産効率が高く、低コストで製造できる光記録媒体
および該光記録媒体の製造方法を提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明による光記録媒体
は、光の照射により光学特性が変化する材料からなり、
前記光学特性を部分的に変化させることによって、情報
信号マーク、トラッキング用ガイド、トラッキング用マ
ーク、アドレス信号マーク、同期信号マーク等の信号マ
ークが、予め形状変化をともなわずに形成された複数の
記録層と、前記各記録層の間に設けられた透明材料から
なるスペーサ層とを積層して備え、前記複数の記録層に
形成された前記信号マークを、同一の方向から光を照射
することによって再生可能としたことを特徴とする。
【0025】また本発明による光記録媒体は、光の照射
により光学特性が変化する材料から、なり前記光学特性
を部分的に変化させることによって、情報信号マーク、
トラッキング用ガイド、トラッキング用マーク、アドレ
ス信号マーク、同期信号マーク等の信号マークが、予め
形状変化をともなわずに形成された記録層を表面に設け
た複数の透明な基板が貼り合わされ、前記複数の基板の
表面に設けられた各記録層に形成された前記信号マーク
を、同一の方向から光を照射することによって再生可能
としたことを特徴とする。
【0026】また本発明による光記録媒体の製造方法
は、透明な基板上に光の照射により光学特性が変化する
材料からなる記録層を設ける第1の工程、および前記記
録層に光を照射し、部分的に前記光学特性を変化させる
ことによって、情報信号マーク、トラッキング用ガイ
ド、トラッキング用マーク、アドレス信号マーク、同期
信号マーク等の信号マークを形状変化をともなわずに形
成する第2の工程からなり、前記第1の工程および前記
第2の工程を交互に繰り返すことにより複数の記録層を
積層形成することを特徴とする。
【0027】また本発明による光記録媒体の製造方法
は、複数の透明な基板上に光の照射により光学特性が変
化する材料からなる記録層を設ける工程、前記複数の基
板の各記録層に光を照射し、部分的に前記光学特性を変
化させることによって、情報信号マーク、トラッキング
用ガイド、トラッキング用マーク、アドレス信号マー
ク、同期信号マーク等の信号マークを形状変化をともな
わずに形成する工程、および前記複数の基板を貼り合わ
せる工程からなることを特徴とする。
【0028】また本発明は上記の光記録媒体の製造方法
において、前記信号マークのパターンが光学特性の変化
によって形成されたマスクに光を照射し、前記パターン
の像を前記記録層上に投影し、前記信号マークを前記記
録層に転写形成することを特徴とする。
【0029】また本発明は上記の光記録媒体の製造方法
において、前記基板は長尺であって、前記基板を搬送す
る過程で前記基板上に前記記録層が形成され、その後に
前記基板を所定の形状に切断することを特徴とする。
【0030】これにより本発明は、従来の光記録媒体お
よびその製造方法における種々の問題点を解消すること
ができる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて実施例によ
り本発明の詳細を説明するが、本発明がこれらのみに限
定されるものではない。
【0032】
【実施例】
[実施例1]以下図面とともに本発明による光記録媒体
およびその製造方法の第1の実施例について説明する。
【0033】図1(a)には本発明による光記録媒体の
製造工程の概略を、(b)、および(c)には各工程に
おける光記録媒体の上面図、および側断面図を示す。こ
こで1は光記録媒体の基板であり透明な樹脂、たとえば
ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリスルフ
ォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリカーボネー
ト、ポリエステル等の長尺のシートからなる。シートの
幅はたとえば80〜140mm、厚さは0.01〜0.
8mmとする。基板1は送出シリンダー10に巻き付け
られており、送出シリンダー10の回転にともなって順
次送出され、以下搬送の過程で、第1工程(第1の記録
層形成)、第2工程(信号マーク転写)、第3工程(ス
ペーサ層形成)、第4工程(第2の記録層形成)、第5
工程(信号マーク転写)、第6工程(保護膜形成)、第
7工程(切断)を経て連続的に光記録媒体である光ディ
スク8が製造される。切断後の基板1の余剰部分は巻き
取りシリンダー11に巻き取られる。以下各工程につい
て説明する。
【0034】(第1工程:第1の記録層形成)送出シリ
ンダー10から送出される基板1の表面には、まずフォ
トクロミック色素材料からなる第1の記録層2が塗布形
成される。ここで用いるフォトクロミック色素材料は第
1の波長の光の照射によって前記第1の波長とは異なる
第2の波長の光における光学特性(たとえば透過率、反
射率、吸収率等)が変化する性質を持っており、このよ
うな材料の一例としてはジアリールエテン系、スピロピ
ラン系、フルギド系等の有機色素材料が知られている。
ここで使用されるフォトクロミック色素材料は、波長が
500nmよりも短い光を照射すると、光のエネルギー
によって色素の分子が異性化反応を起こし、波長500
〜800nmの範囲内の特定の波長、たとえば680n
m付近における吸収率が増大する。また反応後の状態が
安定であり、波長500〜800nmの光を照射しても
光学的な変化は生じない材料を使用する。
【0035】フォトクロミック色素材料は溶剤に溶解さ
せてロールコート、ブレードコート、グラビアコート等
の既知の方法を用いて塗布された後に、溶剤を揮発させ
ることによって厚さ1μm以下の皮膜として形成され
る。塗布の速度はたとえば1m/s程度である。必要に
応じて樹脂材料からなるバインダー中にフォトクロミッ
ク色素材料を含有させて塗布形成してもよい。
【0036】(第2工程:信号マーク転写)次の工程で
は、500nm以下の特定の波長の光を、情報信号マー
ク、トラッキング用ガイド、トラッキング用マーク、ア
ドレス信号マーク、同期信号マーク等の信号マークが光
の透過率の変化によって形成されたパターンを有するマ
スクに照射し、パターンの像を第1の記録層上に投影す
ることによって第1の記録層が露光され、その結果第1
の記録層には信号マークのパターン6が転写形成され
る。
【0037】この転写の工程について図2により詳しく
説明する。ここで12は光源である高圧水銀ランプ、1
3はコンデンサレンズ、14はマスク、18は縮小投影
レンズ、19はステージである。
【0038】さらにマスク14の構造の一例を図3に示
す。(a)、(b)は全体図、(c)、(d)は拡大図
である。マスク13はガラス基板15、および信号マー
クのパターン17が形成されたCr等の金属膜16から
なる。拡大図(c)、(d)に示されるように、金属膜
16を既知のパターンニング技術を用いて部分的に除去
することによって情報信号マーク、トラッキング用ガイ
ド、トラッキング用マーク、アドレス信号マーク、同期
信号マーク等の信号マーク17a、17b、17c等
が、らせん状に多数配列して形成されており、これらは
信号マークのパターン17を構成している。
【0039】転写の工程においてはまず基板1が第1の
記録層2を上にしてステージ19の上面に密着させて固
定される。ここでステージ19の上面は高い平面度で加
工されている。基板1を真空吸着等の方法を用いてステ
ージ19に密着するように固定してもよい。
【0040】次に高圧水銀ランプ12が発生する特定の
波長の光、たとえばg線(波長436nm)またはh線
(波長405nm)またはi線(波長365nm)がコ
ンデンサレンズ13を通してマスク14上の信号マーク
のパターン17の全面に均一に照射される。ここで、パ
ターン17の金属膜の除去部分、すなわち情報信号マー
ク、トラッキング用ガイド、トラッキング用マーク、ア
ドレス信号マーク、同期信号マーク等の信号マーク17
a、17b、17c等の部分は光が透過し、その他の部
分は光が遮断される。したがって透過光によりパターン
17の像は縮小投影レンズ18を通して第1の記録層2
上に縮小して投影されるのである。ここでマスク14上
の信号マークのパターン17と第1の記録層2に投影さ
れたパターン17の像の大きさの比は、5:1から2:
1程度とされる。第1の記録層2に投影されたパターン
17の像の中で光の照射部分すなわち信号マークの部分
は、第1の記録層2を構成するフォトクロミック色素材
料が反応し、その結果波長680nm付近における吸収
率が増大する。一方光が照射されない部分の吸収率は変
化しない。その結果第1の記録層には部分的な吸収率の
変化によって信号マークのパターン6が転写形成され
る。転写が完了すると基板1は図中矢印Aで示す方向に
所定量移送され、固定された後、再び同様にして信号マ
ークのパターン6が転写形成される。このように基板の
移送と信号マークの転写を繰り返すことによって、第1
の記録層2には所定間隔で信号マークのパターン6が次
々と形成される。
【0041】図4には信号マーク転写後の光記録媒体の
状態を拡大して示す。(a)は上面図、(b)は側断面
図である。第1の記録層2には信号マーク6a、6b、
6c等が一括して転写形成され、これらは信号マークの
パターン6を構成している。このような信号マーク6
a、6b、6c等は、光が照射された結果、第1の記録
層2を構成するフォトクロミック色素材料が反応し波長
680nm付近における吸収率が増大して形成されたも
のであって、第1の記録層2の形状変化は伴わない。
【0042】(第3工程:スペーサ層形成)次に第1の
記録層2上にスペーサ層3を形成する。スペーサ層3は
たとえばポリカーボネート等の透明な樹脂材料からな
り、その厚さは10〜100μmである。このようなス
ペーサ層3は、樹脂材料を溶剤に溶解させて塗布した後
に溶剤を揮発させて一定かつ均一の厚さで形成するか、
または押し出し成形により製造された樹脂材料からなる
一定かつ均一な厚さのシートを、接着剤等を使用して貼
り合わせても良い。
【0043】(第4工程:第2の記録層形成)さらにス
ペーサ層3の上にはフォトクロミック色素材料からなる
第2の記録層4が塗布形成される。ここで用いるフォト
クロミック色素材料は前記第1の記録層2に使用される
材料と同一であってもよいが、波長500nm以下の光
の照射により吸収率の変化が生じる波長が第1の記録層
とは異なり、たとえば、波長630nm付近における吸
収率が増大するような材料を用いることもできる。
【0044】(第5工程:信号マーク転写)次の工程で
は前記第2工程と同様にして、第2の記録層4に信号マ
ークを転写形成する。500nm以下の特定の波長の光
を、情報信号マーク、トラッキング用ガイド、トラッキ
ング用マーク、アドレス信号マーク、同期信号マーク等
の信号マークが光の透過率の変化によって形成されたパ
ターンを有するマスクに照射し、パターンの像を第2の
記録層4上に投影することによって第2の記録層4が露
光され、その結果第2の記録層4には信号マークのパタ
ーン7が転写形成される。基板1の移送と信号マークの
転写を繰り返すことによって、第2の記録層4には所定
間隔で信号マークのパターン7が次々と形成される。
【0045】ここで第1の記録層2に形成された信号マ
ークのパターン6と、第2の記録層4に形成される信号
マークのパターン7とは高精度で重ね合わされる必要が
ある。このために第1の記録層2、または第1の基板1
等に信号マークのパターンと共に、位置決め用のマーク
を形成しておき、これらのマークを検出して信号マーク
のパターン7の転写位置の調整を行ってから信号マーク
の転写を行うようにしてもよい。
【0046】(第6工程:保護膜形成)次の工程では第
2の記録層4上に樹脂材料等からなる保護膜5が塗布形
成される。保護膜は樹脂材料を溶剤に溶解させて塗布し
た後に溶剤を揮発させて形成することができる。記録層
の耐食性が十分に高い場合には、特に保護膜5を形成す
る必要はない。
【0047】図5には保護膜形成後の光記録媒体の状態
を拡大して示す。(a)は上面図、(b)は側断面図で
ある。第2の記録層4には信号マーク7a、7b、7c
等が一括して転写形成され、これらは信号マークのパタ
ーン7を構成している。このような信号マーク7a、7
b、7c等は、光が照射された結果、第2の記録層4を
構成するフォトクロミック色素材料が反応し波長680
nm付近における吸収率が増大して形成されたものであ
って、第2の記録層4の形状変化は伴わない。
【0048】(第7工程:切断)次の工程では基板が所
定の形状に切断され光記録媒体である光ディスク8が完
成する。ここで光ディスク8の直径はたとえば50〜1
20mmであり、同時に光ディスク8の中心には、再生
装置に位置決めして装着するための装着部9が形成され
る。装着部は図示のような中心孔の切断形成による以外
に、ハブ等の装着部材の取り付けによって形成してもよ
い。光ディスク8における中心孔等の装着部9は、転写
形成された信号マークのパターン6、および7との間の
相対的な位置精度が要求される。そのために前記第2工
程または第4工程で、信号マークとともに切断のための
位置決め用マークを転写形成しておき、切断の工程では
この位置決め用マークを光学的に検出することによって
基板1が切断装置に位置決めされ、高い位置精度で中心
孔等の切断形成が行われるようにすればよい。
【0049】または前記第2工程、または第5工程で、
信号マークの転写が行われる位置に固定された状態にお
いて、装着部9の形成を先に行うようにしてもよい。
【0050】以上が本発明による光記録媒体の製造方法
の第1の実施例の概略である。なお上記の例では、同一
の方向から再生用の光を照射することによって信号の再
生が可能な2つの記録層を備えた光記録媒体を例にとっ
て説明したが、3つ以上の記録層を備えた光記録媒体の
場合であっても、記録層形成の工程と信号マーク転写の
工程を交互に繰り返すことによって、上記の実施例と同
様にして製造することができる。
【0051】また後述するように、光記録媒体に光を照
射し、その反射光によって信号の再生を行う場合には必
要に応じて各記録層上には半透明反射膜を形成してもよ
い。半透明反射膜は、たとえば比較的反射率が高い色素
材料等を塗布形成すればよい。なお各記録層自体の反射
率が十分に高い場合や、透過光によって信号の再生を行
う場合には、特に半透明反射膜を形成する必要はない。
【0052】ここで本実施例による光記録媒体の製造方
法の第2工程および第5工程(信号マーク転写)におい
て、高圧水銀ランプが発生する特定の波長の光の強度
が、光記録媒体の記録層上で500mW/cm2 、記録
層を構成するフォトクロミック色素材料の異性化反応に
必要なエネルギーを200mJ/cm2 とすると、光の
照射時間は1回の転写工程につき0.4秒となる。また
光源としてパルス点灯するエキシマレーザを使用する場
合には、1パルス当たりの光エネルギー密度が5mJ/
cm2 、パルス周波数が500Hzとすると1回の転写
工程は0.08秒となる。さらに複数のパターンが形成
されたマスクを用いて同時に複数の光記録媒体への転写
を行うことにより、さらに生産能力を増すことも可能で
ある。
【0053】また本実施例においては、光をマスク上の
パターンの全面に均一に照射し、パターンを一括して記
録層に転写形成するものとしたが、光をマスク上のパタ
ーンに部分的に照射しながら、パターンの全面にわたっ
てスキャンすることによってパターン全体を記録層に転
写してもよい。しかしながら所要時間を短縮するために
は、パターン全体を一括して転写するのが望ましい。
【0054】また、本実施例の第2工程および第5工程
(信号マーク転写)において、マスクは基板との間に十
分な間隔を置いて保持され、マスクに形成されたパター
ンの像を記録層上に縮小して投影し、記録層にマスクに
形成された情報信号マーク、トラッキング用ガイド、ト
ラッキング用マーク、アドレス信号マーク、同期信号マ
ーク等の信号マークを縮小して転写するものとしたが、
縮小せずにパターンの等倍の像を記録層上に投影し、パ
ターンと同じ大きさで転写するようにしてもよい。
【0055】さらにはマスクと基板とを密着させ、マス
クに形成されたパターンの等倍の像を記録層上に投影
し、マスクに形成されたパターンと同一の大きさの信号
マークを転写するようにしてもよい。
【0056】さらにはマスクを微小な間隔を置いて基板
に近接させ、マスクに形成されたパターンの略等倍の像
を記録層上に投影し、マスクに形成されたパターンと略
同一の大きさの信号マークを転写するようにしてもよ
い。
【0057】ただし、マスクのパターンを縮小して投影
する場合には大面積を一度に露光することは困難である
が、高い解像度が得られるために、小型で大容量の光記
録媒体を製造するのに適しているのに対して、マスクの
パターンを等倍で転写する場合には大面積を一度に露光
することが可能であり、比較的大型の光記録媒体を製造
したり、またマスクに複数のパターンを形成しておき、
これらのパターンを同時に記録層に投影し、露光するこ
とによって一度に複数の光記録媒体への転写を行う場合
などに適している。
【0058】またマスクと基板とを密着させず、間隔を
置いて保持するようにした場合には、繰り返し使用によ
ってもマスクが劣化することがなく、半永久的に使用可
能であるという点で望ましい。
【0059】また本実施例においては高圧水銀ランプを
光源として使用したが、これ以外にもKrFエキシマレ
ーザ(波長248nm)やArFエキシマレーザ(波長
193nm)を光源として使用してもよい。一般には光
源の波長が短いほど転写の解像度は向上し、波長が36
5nmの光を使用すれば長さおよび幅が0.3μmの信
号マークが、波長が248nmの光を使用すれば長さお
よび幅が0.2μmの信号マークが転写により形成可能
である。
【0060】なお本発明において第1〜第7の各工程の
順序は上記の実施例に限られるものではない。たとえば
第7工程(切断)は第6工程(保護膜形成)よりも前に
行うようにしてもよい。しかしながら、長尺の基板を搬
送する過程で各工程における処理を連続的に行うことに
よって生産効率を高めるためには、切断の工程は後段で
ある方が望ましい。特に連続的に記録層を塗布形成し、
製造効率を高めるためには、切断の工程は第1工程(第
1の記録層形成)、および第4工程(第2の記録層形
成)よりも後とすることが望ましい。
【0061】このようにして製造された光ディスクは、
従来装置と同様に基板側より光を照射し、記録層からの
反射光を検出することによって再生される。ここで光デ
ィスクの第1の記録層に形成されたフォトクロミック色
素材料の反応部分、すなわち情報信号マーク、トラッキ
ング用ガイド、トラッキング用マーク、アドレス信号マ
ーク、同期信号マーク等の信号マークの部分は特定の波
長、たとえば680nm付近における吸収率が増大して
いる。したがって第1の記録層に波長680nmの光を
光スポットに収束して照射すれば、第1の記録層からの
反射光量は、形成された信号マークによって変化する。
これによって第1の記録層に記録された情報信号が再生
され、またトラッキング制御が行われる。
【0062】同様にして第2の記録層に形成された信号
マークも、光を基板側より第2の記録層に光スポットに
収束して照射することによって再生される。ここで第2
の記録層が、第1の記録層と同じく、信号マークの部分
で波長680nm付近における吸収率が増大する材料を
用いて構成されている場合には、波長680nmの光を
照射すれば、第2の記録層からの反射光量は、形成され
た信号マークによって変化するので、これによって第2
の記録層に記録された情報信号が再生される。
【0063】また第2の記録層が、第1の記録層とは異
なり、信号マークの部分で波長630nm付近における
吸収率が増大するような材料を用いて構成されている場
合には、波長630nmの光を照射して情報信号を再生
すればよい。このように各記録層の信号マークを、異な
る波長における光学特性の変化によって形成し、各記録
層に対応した波長の光を使用して再生するようにした場
合には、ある記録層から再生される信号に、他の記録層
からの信号が混入するクロストーク現象を防止する効果
が高い。
【0064】また第1の記録層と第2の記録層の間隔が
大きい方が、記録層間のクロストークは小さくなるが、
また逆に間隔が大きすぎると、光学的な収差により両記
録層において高品位(大きさ、形状)の再生用の光スポ
ットを得るのが困難となる。したがって第1の記録層と
第2の記録層の間に設けられるスペーシング層の厚さは
10〜100μmとするのが望ましい。
【0065】またここで各記録層を構成するフォトクロ
ミック材料は波長500〜800nmの光を照射しても
光学的な変化は生じないから、再生動作によって信号マ
ークが消去されることはない。
【0066】また本実施例では記録層からの反射光によ
って信号再生を行うものとしたが、記録層を透過する光
によって信号再生を行うようにすることも可能である。
【0067】また本実施例は再生専用の光記録媒体およ
びその製造方法を例にとって説明したが、本発明はこれ
に限られるものではなく、情報信号の追記や書き換えが
可能であり、同一の方向から光を照射することによって
信号の記録および再生が可能な2つ以上の記録層を備え
た光記録媒体についても適用できる。再生専用の光記録
媒体においては、情報信号マークを含む信号マークが上
記の製造方法によって予め形成されるが、情報信号の追
記や書き換えが可能な光記録媒体においては、トラッキ
ング用ガイド、トラッキング用マーク、アドレス信号マ
ーク、同期信号マーク等の信号マークのうち必要なもの
のみが上記の製造方法によって予め形成されていればよ
く、情報信号は他の記録装置によって記録が可能であ
る。
【0068】[実施例2]以下図面とともに本発明によ
る光記録媒体およびその製造方法の第2の実施例につい
て説明する。
【0069】図6(a)には本発明による光記録媒体の
製造工程の概略を、(b)、および(c)には各工程に
おける光記録媒体の上面図、および側断面図を示す。こ
こで21は第1の基板、23は第2の基板であり各々透
明な樹脂、たとえばポリエチレンテレフタレート、ポリ
イミド、ポリスルフォン、ポリフェニレンサルファイ
ド、ポリカーボネート、ポリエステル等の長尺のシート
からなる。シートは押し出し成形によって製造され、幅
はたとえば80〜140mm、厚さは0.01〜0.8
mmで一定かつ均一である。第1の基板21は第1の送
出シリンダー30に巻き付けられており、第1の送出シ
リンダー30の回転にともなって順次送出され、以下搬
送の過程で、第1工程(第1の記録層形成)、第2工程
(信号マーク転写)を経る。また第2の基板23は第2
の送出シリンダー31に巻き付けられており、第2の送
出シリンダー31の回転にともなって順次送出され、以
下搬送の過程で、第3工程(第2の記録層形成)、第4
工程(信号マーク転写)を経る。その後、第5工程(貼
合わせ)によって第1の基板21と第2の基板23とが
貼合わされ、第6工程(保護膜形成)、第7工程(切
断)を経て連続的に光記録媒体である光ディスク28が
製造される。切断後の第1の基板21および第2の基板
23の余剰部分は巻き取りシリンダー32に巻き取られ
る。以下各工程について説明する。
【0070】(第1工程:第1の記録層形成)第1の送
出シリンダー30から送出される第1の基板21の表面
には、まずフォトクロミック色素材料からなる第1の記
録層22が塗布形成される。ここで用いるフォトクロミ
ック色素材料は第1の波長の光の照射によって前記第1
の波長とは異なる第2の波長の光における光学特性(た
とえば透過率、反射率、吸収率等)が変化する性質を持
っており、このような材料の一例としてはジアリールエ
テン系、スピロピラン系、フルギド系等の有機色素材料
が知られている。ここで使用されるフォトクロミック色
素材料は、波長が500nmよりも短い光を照射する
と、光のエネルギーによって色素の分子が異性化反応を
起こし、波長500〜800nmの範囲内の特定の波
長、たとえば680nm付近における吸収率が増大す
る。また反応後の状態が安定であり、波長500〜80
0nmの光を照射しても光学的な変化は生じない材料を
使用する。
【0071】フォトクロミック色素材料は溶剤に溶解さ
せてロールコート、ブレードコート、グラビアコート等
の既知の方法を用いて塗布された後に、溶剤を揮発させ
ることによって厚さ1μm以下の皮膜として形成され
る。塗布の速度はたとえば1m/s程度である。必要に
応じて樹脂材料からなるバインダー中にフォトクロミッ
ク色素材料を含有させて塗布形成してもよい。
【0072】(第2工程:信号マーク転写)次の工程で
は500nm以下の特定の波長の光を、情報信号マー
ク、トラッキング用ガイド、トラッキング用マーク、ア
ドレス信号マーク、同期信号マーク等の信号マークが光
の透過率の変化によって形成されたパターンを有するマ
スクに照射し、パターンの像を第1の記録層22上に投
影することによって第1の記録層22が露光され、その
結果第1の記録層22には信号マークのパターン26が
転写形成される。
【0073】この転写の工程は、図2を用いて説明した
前記第1の実施例と同様である。またここで使用される
マスクの構造も前記第1の実施例と同様であり、図3に
示した通りである。
【0074】転写の工程においてはまず第1の基板21
が第1の記録層22を上にしてステージ19の上面に密
着させて固定される。ここでステージ19の上面は高い
平面度で加工されている。第1の基板21を真空吸着等
の方法を用いてステージ19に密着するように固定して
もよい。
【0075】次に高圧水銀ランプ12が発生する特定の
波長の光、たとえばg線(波長436nm)またはh線
(波長405nm)またはi線(波長365nm)がコ
ンデンサレンズ13を通してマスク14上の信号マーク
のパターン17の全面に均一に照射される。ここで、パ
ターン17の金属膜の除去部分、すなわち情報信号マー
ク、トラッキング用ガイド、トラッキング用マーク、ア
ドレス信号マーク、同期信号マーク等の信号マーク17
a、17b、17c等の部分は光が透過し、その他の部
分は光が遮断される。したがって透過光によりパターン
17の像は縮小投影レンズ18を通して第1の記録層2
2上に縮小して投影されるのである。ここでマスク14
上の信号マークのパターン17と第1の記録層22に投
影されたパターン17の像の大きさの比は、5:1から
2:1程度とされる。第1の記録層22に投影されたパ
ターン17の像の中で光の照射部分すなわち信号マーク
の部分は、第1の記録層22を構成するフォトクロミッ
ク色素材料が反応し、その結果波長680nm付近にお
ける吸収率が増大する。一方光が照射されない部分の吸
収率は変化しない。その結果第1の記録層22には部分
的な吸収率の変化によって信号マークのパターン26が
転写形成される。転写が完了すると第1の基板21は図
中矢印Aで示す方向に所定量移送され、固定された後、
再び同様にして信号マークのパターン26が転写形成さ
れる。このように基板の移送と信号マークの転写を繰り
返すことによって、記録層22には所定間隔で信号マー
クのパターン26が次々と形成される。
【0076】図7には転写後の光記録媒体の状態を拡大
して示す。(a)は上面図、(b)は側断面図である。
第1の記録層22には信号マーク26a、26b、26
c等が一括して転写形成され、これらは信号マークのパ
ターン26を構成している。このような信号マーク26
a、26b、26c等は、光が照射された結果、第1の
記録層22を構成するフォトクロミック色素材料が反応
し波長680nm付近における吸収率が増大して形成さ
れたものであって、第1の記録層22の形状変化は伴わ
ない。
【0077】(第3工程:第2の記録層形成)次に第2
の送出シリンダー31から送出される第2の基板23の
表面には、前記第1工程と同様にしてフォトクロミック
色素材料からなる第2の記録層24が塗布形成される。
ここで用いるフォトクロミック色素材料は前記第1の記
録層22に使用される材料と同一であってもよいが、波
長500nm以下の光の照射により吸収率の変化が生じ
る波長が第1の記録層22とは異なり、たとえば波長6
30nm付近における吸収率が増大するような材料を用
いることもできる。
【0078】(第4工程:信号マーク転写)次の工程で
は前記第2工程と同様にして、第2の記録層24に信号
マークを転写形成する。500nm以下の特定の波長の
光を、情報信号マーク、トラッキング用ガイド、トラッ
キング用マーク、アドレス信号マーク、同期信号マーク
等の信号マークが光の透過率の変化によって形成された
パターンを有するマスクに照射し、パターンの像を第2
の記録層24上に投影することによって第2の記録層2
4が露光され、その結果第2の記録層24には信号マー
クのパターン27が転写形成される。第2の基板23の
移送と信号マークの転写を繰り返すことによって、第2
の記録層24には所定間隔で信号マークのパターン27
が次々と形成される。
【0079】(第5工程:貼合わせ)次に、前記第2工
程、および第4工程で信号マークの転写が行われた第1
の基板21、および第2の基板23を貼り合わせる。こ
の場合一方の基板、たとえば第1の基板21の表面(記
録層が形成された面)と、他方の基板、たとえば第2の
基板23の裏面(記録層が形成されない面)とが接着剤
等を用いて貼り合わされる。
【0080】また貼合わせの際には第1の記録層22に
形成された信号マークのパターン26と、第2の記録層
24に形成された信号マークのパターン27とが高精度
で重ね合わされる必要がある。このために第1の記録層
22と第2の記録層24(または第1の基板21と第2
の基板23)に信号マークのパターンと共に、位置決め
用のマークを形成しておき、これらのマークを検出し、
第1の基板21と第2の基板23の位置の調整を行って
から貼合わせを行うようにしてもよい。
【0081】(第6工程:保護膜形成)次の工程では第
2の記録層24上に樹脂材料等からなる保護膜25が塗
布形成される。保護膜25は樹脂材料を溶剤に溶解させ
て塗布した後に溶剤を揮発させて形成することができ
る。記録層の耐食性が十分に高い場合には、特に保護膜
25を形成する必要はない。
【0082】図8には保護膜形成後の光記録媒体の状態
を拡大して示す。(a)は上面図、(b)は側断面図で
ある。第2の記録層24には信号マーク27a、27
b、27c等が一括して転写形成され、これらは信号マ
ークのパターン27を構成している。このような信号マ
ーク27a、27b、27c等は、光が照射された結
果、第2の記録層24を構成するフォトクロミック色素
材料が反応し波長680nm付近における吸収率が増大
して形成されたものであって、第2の記録層24の形状
変化は伴わない。
【0083】(第7工程:切断)次の工程では貼り合わ
された基板が所定の形状に切断され、光記録媒体である
光ディスク28が完成する。ここで光ディスク28の直
径はたとえば50〜120mmであり、同時に光ディス
ク28の中心には、再生装置に位置決めして装着するた
めの装着部29が形成される。装着部29は図示のよう
な中心孔の切断形成による以外に、ハブ等の装着部材の
取り付けによって形成してもよい。光ディスク28にお
ける中心孔等の装着部29は、転写形成された信号マー
クのパターン26、および27との間の相対的な位置精
度が要求される。そのために前記第2工程または第4工
程で、信号マークとともに切断のための位置決め用マー
クを転写形成しておき、切断の工程ではこの位置決め用
マークを光学的に検出することによって基板が切断装置
に位置決めされ、高い位置精度で中心孔等の切断形成が
行われるようにすればよい。
【0084】または前記第2工程、または第4工程で、
信号マークの転写が行われる位置に固定された状態にお
いて、装着部29の形成を先に行うようにしてもよい。
【0085】また第5工程において、貼合わせのために
第1の基板と第2の基板の位置調整を行った状態におい
て装着部29の形成を先に行うようにしてもよい。
【0086】以上が本発明による光記録媒体の製造方法
の第2の実施例の概略である。なお上記の例では、同一
の方向から再生用の光を照射することによって、信号の
再生が可能な2つの記録層を備えた光記録媒体を例にと
って説明したが、3つ以上の記録層を備えた光記録媒体
の場合であっても、記録層が形成された3つ以上の基板
を貼り合わせることによって、上記の実施例と同様にし
て製造することができる。
【0087】また後述するように、光記録媒体に光を照
射し、その反射光によって信号の再生を行う場合には必
要に応じて各記録層上には半透明反射膜を形成してもよ
い。半透明反射膜は、たとえば比較的反射率が高い色素
材料等を塗布形成すればよい。なお各記録層自体の反射
率が十分に高い場合や、透過光によって信号の再生を行
う場合には、特に半透明反射膜を形成する必要はない。
【0088】ここで本実施例による光記録媒体の製造方
法の第2工程および第4工程(信号マーク転写)におい
て、高圧水銀ランプが発生する特定の波長の光の強度
が、光記録媒体の記録層上で500mW/cm2 、記録
層を構成するフォトクロミック色素材料の異性化反応に
必要なエネルギーを200mJ/cm2 とすると、光の
照射時間は1回の転写工程につき0.4秒となる。また
光源としてパルス点灯するエキシマレーザを使用する場
合には、1パルス当たりの光エネルギー密度が5mJ/
cm2 、パルス周波数が500Hzとすると1回の転写
工程は0.08秒となる。さらに複数のパターンが形成
されたマスクを用いて同時に複数の光記録媒体への転写
を行うことにより、さらに生産能力を増すことも可能で
ある。
【0089】また本実施例においては、光をマスク上の
パターンの全面に均一に照射し、パターンを一括して記
録層に転写形成するものとしたが、光をマスク上のパタ
ーンに部分的に照射しながら、パターンの全面にわたっ
てスキャンすることによってパターン全体を記録層に転
写してもよい。しかしながら所要時間を短縮するために
は、パターン全体を一括して転写するのが望ましい。
【0090】また、本実施例の第2工程および第4工程
(信号マーク転写)において、マスクは基板との間に十
分な間隔を置いて保持され、マスクに形成されたパター
ンの像を記録層上に縮小して投影し、記録層にマスクに
形成された情報信号マーク、トラッキング用ガイド、ト
ラッキング用マーク、アドレス信号マーク、同期信号マ
ーク等の信号マークを縮小して転写するものとしたが、
縮小せずにパターンの等倍の像を記録層上に投影し、パ
ターンと同じ大きさで転写するようにしてもよい。
【0091】さらにはマスクと基板とを密着させ、マス
クに形成されたパターンの等倍の像を記録層上に投影
し、マスクに形成されたパターンと同一の大きさの信号
マークを転写するようにしてもよい。
【0092】さらにはマスクを微小な間隔を置いて基板
に近接させ、マスクに形成されたパターンの略等倍の像
を記録層上に投影し、マスクに形成されたパターンと略
同一の大きさの信号マークを転写するようにしてもよ
い。
【0093】ただし、マスクのパターンを縮小して投影
する場合には大面積を一度に露光することは困難である
が、高い解像度が得られるために、小型で大容量の光記
録媒体を製造するのに適しているのに対して、マスクの
パターンを等倍で転写する場合には大面積を一度に露光
することが可能であり、比較的大型の光記録媒体を製造
したり、またマスクに複数のパターンを形成しておき、
これらのパターンを同時に記録層に投影し、露光するこ
とによって一度に複数の光記録媒体への転写を行う場合
などに適している。
【0094】またマスクと基板とを密着させず、間隔を
置いて保持するようにした場合には、繰り返し使用によ
ってもマスクが劣化することがなく、半永久的に使用可
能であるという点で望ましい。
【0095】また本実施例においては高圧水銀ランプを
光源として使用したが、これ以外にもKrFエキシマレ
ーザ(波長248nm)やArFエキシマレーザ(波長
193nm)を光源として使用してもよい。一般には光
源の波長が短いほど転写の解像度は向上し、波長が36
5nmの光を使用すれば長さおよび幅が0.3μmの信
号マークが、波長が248nmの光を使用すれば長さお
よび幅が0.2μmの信号マークが転写により形成可能
である。
【0096】なお本発明において第1〜第7の各工程の
順序は上記の実施例に限られるものではない。たとえば
第7工程(切断)は第6工程(保護膜形成)の前、また
は第5工程(貼合わせ)の前に行うようにしてもよい。
しかしながら、長尺の基板を搬送する過程で各工程にお
ける処理を連続的に行うことによって生産効率を高める
ためには、切断の工程は後段である方が望ましい。特に
連続的に記録層を塗布形成し、製造効率を高めるために
は、切断の工程は第1工程(第1の記録層形成)、およ
び第3工程(第2の記録層形成)よりも後とすることが
望ましい。
【0097】このようにして製造された光ディスクは、
従来と同様の再生装置を使用して基板側より光を照射
し、記録層からの反射光を検出することによって再生さ
れる。ここで光ディスクの第1の記録層に形成されたフ
ォトクロミック色素材料の反応部分、すなわち情報信号
マーク、トラッキング用ガイド、トラッキング用マー
ク、アドレス信号マーク、同期信号マーク等の信号マー
クの部分は特定の波長、たとえば680nm付近におけ
る吸収率が増大している。したがって第1の記録層に波
長680nmの光を光スポットに収束して照射すれば、
第1の記録層からの反射光量は、形成された信号マーク
によって変化する。これによって第1の記録層に記録さ
れた情報信号が再生され、またトラッキング制御が行わ
れる。
【0098】同様にして、第2の記録層に形成された信
号マークも、光を基板側より第2の記録層に光スポット
に収束して照射することによって再生される。ここで、
第2の記録層が、第1の記録層と同じく、信号マークの
部分で波長680nm付近における吸収率が増大する材
料を用いて構成されている場合には、波長680nmの
光を照射すれば、第2の記録層からの反射光量は、形成
された信号マークによって変化するので、これによって
第2の記録層に記録された情報信号が再生される。
【0099】また第2の記録層が、第1の記録層とは異
なり、信号マークの部分で波長630nm付近における
吸収率が増大するような材料を用いて構成されている場
合には、波長630nmの光を照射して情報信号を再生
すればよい。このように各記録層の信号マークを、異な
る波長における光学特性の変化によって形成し、各記録
層に対応した波長の光を使用して再生するようにした場
合には、ある記録層から再生される信号に、他の記録層
からの信号が混入するクロストーク現象を防止する効果
が高い。
【0100】また第1の記録層と第2の記録層の間隔が
大きい方が、記録層間のクロストークは小さくなるが、
また逆に間隔が大きすぎると、光学的な収差により両記
録層において高品位(大きさ、形状)の再生用の光スポ
ットを得るのが困難となる。したがって第1の基板の上
に貼り合わされ、第2の記録層が形成された第2の基板
の厚さは10〜100μmとするのが望ましい。
【0101】またここで各記録層を構成するフォトクロ
ミック材料は波長500〜800nmの光を照射しても
光学的な変化は生じないから、再生動作によって信号マ
ークが消去されることはない。
【0102】また本実施例では記録層からの反射光によ
って信号再生を行うものとしたが、記録層を透過する光
によって信号再生を行うようにすることも可能である。
【0103】また本実施例は再生専用の光記録媒体およ
びその製造方法を例にとって説明したが、本発明はこれ
に限られるものではなく、情報信号の追記や書き換えが
可能であり、同一の方向から光を照射することによって
信号の記録および再生が可能な2つ以上の記録層を備え
た光記録媒体についても適用できる。再生専用の光記録
媒体においては、情報信号マークを含む信号マークが上
記の製造方法によって予め形成されるが、情報信号の追
記や書き換えが可能な光記録媒体においては、トラッキ
ング用ガイド、トラッキング用マーク、アドレス信号マ
ーク、同期信号マーク等の信号マークのうち必要なもの
のみが上記の製造方法によって予め形成されていればよ
く、情報信号は他の記録装置によって記録が可能であ
る。
【0104】
【発明の効果】上記のように本発明によって、以下に列
挙する顕著な効果が奏される。
【0105】[1]本発明による光記録媒体は、光の照
射により光学特性が変化する材料からなり、前記光学特
性を部分的に変化させることによって、情報信号マー
ク、トラッキング用ガイド、トラッキング用マーク、ア
ドレス信号マーク、同期信号マーク等の信号マークが、
予め形状変化をともなわずに形成された複数の記録層
と、前記各記録層の間に設けられた透明材料からなるス
ペーサ層とを積層して備え、前記複数の記録層に形成さ
れた前記信号マークを、同一の方向から光を照射するこ
とによって再生可能としたことを特徴とする。
【0106】また本発明による光記録媒体は、光の照射
により光学特性が変化する材料から、なり前記光学特性
を部分的に変化させることによって、情報信号マーク、
トラッキング用ガイド、トラッキング用マーク、アドレ
ス信号マーク、同期信号マーク等の信号マークが、予め
形状変化をともなわずに形成された記録層を表面に設け
た複数の透明な基板が貼り合わされ、前記複数の基板の
表面に設けられた各記録層に形成された前記信号マーク
を、同一の方向から光を照射することによって再生可能
としたことを特徴とする。
【0107】また本発明による光記録媒体の製造方法
は、透明な基板上に光の照射により光学特性が変化する
材料からなる記録層を設ける第1の工程、および前記記
録層に光を照射し、部分的に前記光学特性を変化させる
ことによって、情報信号マーク、トラッキング用ガイ
ド、トラッキング用マーク、アドレス信号マーク、同期
信号マーク等の信号マークを形状変化をともなわずに形
成する第2の工程からなり、前記第1の工程および前記
第2の工程を交互に繰り返すことにより複数の記録層を
積層形成することを特徴とする。
【0108】また本発明による光記録媒体の製造方法
は、複数の透明な基板上に光の照射により光学特性が変
化する材料からなる記録層を設ける工程、前記複数の基
板の各記録層に光を照射し、部分的に前記光学特性を変
化させることによって、情報信号マーク、トラッキング
用ガイド、トラッキング用マーク、アドレス信号マー
ク、同期信号マーク等の信号マークを形状変化をともな
わずに形成する工程、および前記複数の基板を貼り合わ
せる工程からなることを特徴とする。
【0109】また本発明は上記の光記録媒体の製造方法
において、前記信号マークのパターンが光学特性の変化
によって形成されたマスクに光を照射し、前記パターン
の像を前記記録層上に投影し、前記信号マークを前記記
録層に転写形成することを特徴とする。
【0110】これにより本発明によれば、従来の光記録
媒体の製造方法である射出成形法、および2P法に比較
して、信号マーク転写の工程の所要時間が大幅に短縮さ
れる。したがって小規模な生産設備で大量生産が可能で
あり、製造コストを低減することができる。特に記録層
を3つ以上とする場合であっても生産効率が高く、低コ
ストで製造できる。
【0111】[2]また本発明は上記の光記録媒体の製
造方法において、前記基板は長尺であって、前記基板を
搬送する過程で前記基板上に前記記録層が塗布形成さ
れ、その後に前記基板を所定の形状に切断することを特
徴とする。したがって真空成膜に比較して記録層形成が
高速で可能であり、また少なくとも記録層の形成の工程
を含む各工程において、連続的な処理を行うことがで
き、従来の光記録媒体の製造方法に比較して生産効率が
高く、製造コストの低減が可能である。
【0112】[3]また本発明による光記録媒体は、光
の照射により光学特性が変化する材料からなる記録層に
光を照射し、部分的に前記光学特性を変化させることに
よって、情報信号マーク、トラッキング用ガイド、トラ
ッキング用マーク、アドレス信号マーク、同期信号マー
ク等の信号マークを形状変化をともなわずに形成するこ
とによって製造されるから、従来の光記録媒体の製造方
法である射出成形法や2P法のような樹脂材料の流動性
による転写能力の限界がなく、より小さい信号マークが
形成可能であり、情報信号の記録密度を増大させること
ができる。特に信号マークの転写に、KrFエキシマレ
ーザ(波長248nm)やArFエキシマレーザ(波長
193nm)等の波長の短い光源を使用すれば、転写の
解像度がより向上するので、情報信号の記録密度をさら
に増大させることができる。
【0113】[4]また本発明による光記録媒体は、複
数の記録層の間にはスペーシング層、または透明な基板
が設けられる。ここで塗布形成によれば、スペーシング
層は厚さを精密に制御し、一定かつ均一とすることが可
能で、また押し出し成形によれば透明な基板の厚さも一
定かつ均一とすることが容易である。
【0114】したがって、従来の光記録媒体におけるU
V硬化層の厚さのばらつき、むらの発生のような問題点
の発生はなく、再生用の光スポットの品位(大きさ、形
状)が低下することもないから、記録密度を増大させる
ことができる。また特に記録層を3つ以上形成すること
も容易であるから記録容量を増大することが可能であ
る。
【0115】[5]また本発明による光記録媒体の製造
方法において、またマスクと基板とを密着させず、間隔
を置いて保持し信号マークの転写を行うようにした場合
には、繰り返し使用によってもマスクが劣化することが
なく、半永久的に使用可能である。
【0116】[6]また本発明による光記録媒体の各記
録層の信号マークを、異なる波長における光学特性の変
化によって形成し、各記録層に対応した波長の光を使用
して再生するようにした場合には、ある記録層から再生
される信号に、他の記録層からの信号が混入するクロス
トーク現象を防止する効果が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における光記録媒体の製造工
程の説明図。
【図2】本発明の実施例1、および実施例2における信
号マーク転写工程の説明図。
【図3】本発明による光記録媒体の製造に使用されるマ
スクの構造を示す図。
【図4】本発明の実施例1における光記録媒体の第1の
記録層への信号マーク転写後の状態を示す図。
【図5】本発明の実施例1における保護膜形成後の光記
録媒体の状態を示す図。
【図6】本発明の実施例2における光記録媒体の製造工
程の説明図。
【図7】本発明の実施例2における光記録媒体の第1の
記録層への信号マーク転写後の状態を示す図。
【図8】本発明の実施例2における保護膜形成後の光記
録媒体の状態を示す図。
【図9】従来の光記録媒体の製造におけるスタンパー製
造工程の説明図。
【図10】従来の光記録媒体の製造における光記録媒体
の複製工程の説明図。
【図11】光記録媒体の再生装置の概略構成の説明図。
【符号の説明】
1 基板 2,22 第1の記録層 3 スペーシング層 4,24 第2の記録層 5,25 保護膜 6,7,26,27 信号マークのパターン 8,28 光ディスク 9,29 装着部 10 送出シリンダー 12 高圧水銀ランプ 13 コンデンサレンズ 14 マスク 15 ガラス基板 16 金属膜 17 信号マークのパターン 18 縮小投影レンズ 19 ステージ 21 第1の基板 23 第2の基板

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光記録媒体において、光の照射により光
    学特性が変化する材料からなり、前記光学特性を部分的
    に変化させることによって、情報信号マーク、トラッキ
    ング用ガイド、トラッキング用マーク、アドレス信号マ
    ーク、同期信号マーク等の信号マークが、予め形状変化
    をともなわずに形成された複数の記録層と、該記録層の
    間に設けられた透明材料からなるスペーサ層とを積層し
    て備え、前記複数の記録層に形成された前記信号マーク
    を、同一の方向から光を照射することによって再生可能
    としたことを特徴とする光記録媒体。
  2. 【請求項2】 光記録媒体において、光の照射により光
    学特性が変化する材料からなり、前記光学特性を部分的
    に変化させることによって、情報信号マーク、トラッキ
    ング用ガイド、トラッキング用マーク、アドレス信号マ
    ーク、同期信号マーク等の信号マークが、予め形状変化
    をともなわずに形成された記録層を表面に設けた複数の
    透明な基板が貼り合わされ、前記複数の基板の表面に設
    けられた各記録層に形成された前記信号マークを、同一
    の方向から光を照射することによって再生可能としたこ
    とを特徴とする光記録媒体。
  3. 【請求項3】 光記録媒体の製造方法において、透明な
    基板上に光の照射により光学特性が変化する材料からな
    る記録層を設ける第1の工程、および前記記録層に光を
    照射し、部分的に前記光学特性を変化させることによっ
    て、情報信号マーク、トラッキング用ガイド、トラッキ
    ング用マーク、アドレス信号マーク、同期信号マーク等
    の信号マークを形状変化をともなわずに形成する第2の
    工程からなり、前記第1の工程および前記第2の工程を
    交互に繰り返すことにより複数の記録層を積層形成する
    ことを特徴とする光記録媒体の製造方法。
  4. 【請求項4】 光記録媒体の製造方法において、複数の
    透明な基板上に光の照射により光学特性が変化する材料
    からなる記録層を設ける工程、前記複数の基板の各記録
    層に光を照射し、部分的に前記光学特性を変化させるこ
    とによって、情報信号マーク、トラッキング用ガイド、
    トラッキング用マーク、アドレス信号マーク、同期信号
    マーク等の信号マークを形状変化をともなわずに形成す
    る工程、および前記複数の基板を貼り合わせる工程から
    なることを特徴とする光記録媒体の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記信号マークのパターンが光学特性の
    変化によって形成されたマスクに光を照射し、前記信号
    マークのパターンの像を記録層上に投影し、前記信号マ
    ークを前記記録層に転写形成することを特徴とする請求
    項3または4記載の光記録媒体の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記基板が長尺であって、該基板を搬送
    する過程で該基板上に記録層が形成され、その後に前記
    基板を所定の形状に切断することを特徴とする請求項3
    ないし5のいずれかに記載の光記録媒体の製造方法。
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