JP3109866B2 - 光学式情報記録担体用基板及びその製造方法 - Google Patents

光学式情報記録担体用基板及びその製造方法

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JP3109866B2 JP03224623A JP22462391A JP3109866B2 JP 3109866 B2 JP3109866 B2 JP 3109866B2 JP 03224623 A JP03224623 A JP 03224623A JP 22462391 A JP22462391 A JP 22462391A JP 3109866 B2 JP3109866 B2 JP 3109866B2
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    • Y10S430/00—Radiation imagery chemistry: process, composition, or product thereof
    • Y10S430/146—Laser beam

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、連続する溝によりマー
クが形成され、その溝が形成された表面にスピンコート
膜を有する光学式情報記録担体用基板と同基板の製造方
法に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来、例えばＣＤ等の光ディスクを構成
するための基板は、スタンパを用いて製作されている。
このような光ディスク用の基板では、その記録領域以外
の領域に、例えば記録内容あるいは製造番号等を識別す
るためのマークが形成される。このマークの形成方法と
して、例えば、光情報記録担体用基板を成形するための
スタンパの内周部にポンチやケガキにより物理的にマー
クを形成する方法、あるいは、実開昭６３−１８１１１
９号公報等により知られる様に超音波加工によってスタ
ンパにマークを施す方法等が知られている。このように
してマークが施されたスタンパを用い、射出成形法等に
より基板が成型される。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
従来技術によるマークの形成方法においては、特に物理
的にスタンパにマークを加工した場合、バリや削り屑等
が発生し、これが基板の記録又は再生領域を傷付ける原
因となる。その結果、そのような方法を用いて成型され
た基板を用いた光ディスクにおいては、その記録又は再
生信号にエラーが生じてしまう。
【０００４】さらに前記従来技術に記載されているよう
に、スタンパに物理的にマークを加工した場合、物理的
な力によって凹みが生じてしまっていた。その結果、そ
のようなスタンパを用いて成型された光ディスク用基板
を用い、その基板上にスピンコート膜を形成する際に、
膜厚不均一や彗星状の欠陥等が発生する。また、超音波
加工による場合、超音波工具を別に用意しなければなら
ず、製造コストが増大してしまうという問題点があっ
た。
【０００５】そこで本発明では、前記の従来技術におけ
る問題点に鑑み、第一にスタンパへのマーク形成によっ
て受ける光ディスクとしての特性値の影響の少ない光学
式情報記録担体用基板を提供することを目的とする。さ
らに第二に、基板上にスピンコート膜を形成する際に、
膜厚不均一や彗星状の欠陥を生じることなく、マークが
形成出来る光学式情報記録担体用基板の製造方法を提供
することをその目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】すなわち前記目的を達成
するため、本発明では、第一に、透光性基板上にトラッ
キング溝が形成された領域にマークが形成された光学式
情報記録担体用基板において、前記マークは、連続する
トラッキング溝の集合の部分的にトラッキング溝の幅が
相違した部分によって形成され、このトラッキング溝を
有する基板の表面にスピンコート膜が形成されているこ
とを特徴とする光学式情報記録担体用基板を提供する。
【０００７】第二に、透光性基板上にトラッキング溝が
形成された領域にマークが形成された光学式情報記録担
体用基板において、前記マークは、連続するトラッキン
グ溝の集合の部分的にトラッキング溝の位置が基板の径
方向に変位した部分によって形成され、このトラッキン
グ溝を有する基板の表面にスピンコート膜が形成されて
いることを特徴とする光学式情報記録担体用基板を提供
する。
【０００９】さらに、前記第一及び第二の光学式情報記
録担体用基板を製造する方法として、フォトレジストが
形成された原盤にレーザ光を照射して溝を形成する工程
と、該原盤を用いてトラッキング溝を有する光学式情報
記録担体用基板を成形する方法において、前記光学式情
報記録担体用原盤にトラッキング溝を形成するための溝
を形成する際、その溝を形成するレーザ光のパワーを部
分的に変化させ、あるいは、レーザ光の照射位置を部分
的に径方向に変位させることにより、連続するトラッキ
ング溝の集合の部分的にトラッキング溝の幅が相違した
部分または部分的にトラッキング溝の位置が基板の径方
向に変位した部分によってマークを形成し、さらに前記
トラッキング溝を有する基板の表面にスピンコーティン
グにより膜を形成することを特徴とする光学式情報記録
担体用基板の製造方法を提供する。
【００１１】
【作用】前記の第一及び第二の光学式情報記録担体用基
板では、透光性基板上に形成された連続的なトラッキン
グ溝の幅を部分的に変えたり、或はそのトラッキング溝
の位置を部分的に基板の径方向に変位させることによ
り、他の部分と視覚的に違った部分が形成できる。従っ
て、その集合により視認可能なマークを形成することが
できる。そして、前記のトラッキング溝は、その幅が部
分的に変わっていたり、或はトラックが一部変位してい
るが、その連続的な溝となっているため、光学式情報記
録担体への情報の記録或は再生に際し、マークを形成す
る部分を通してトラッキング溝に沿ったトラッキングが
可能である。
【００１２】また、トラッキング溝の変化した部分によ
りマークを形成する際、そのトラッキング溝の変化した
部分で記録層をスピンコートした際のコーティング剤の
レベリングの相違等に起因して、その層の膜厚が部分的
に変わってしまうと、その部分のみ光学式情報記録担体
の反射率が異なってしまう。そうすると、その部分で信
号の再生エラーを生じる。 これに対し、前記の光学式情
報記録担体用基板では、前記のトラッキング溝が連続的
な溝となっており、しかもトラッキング溝の幅が相違し
た部分または部分的にトラッキング溝の軌道が基板の径
方向に変位いる部分によりマークが形成されているた
め、透光性基板上にスピンコート膜を形成する際に、コ
ーティング剤の基板の放射方向の流れに部分的な違いが
生じ難い。そのため、膜厚が均一になると共に、彗星状
のコーティング膜の欠陥も生じない。
【００１３】さらに、前記の第一及び第二の光学式情報
記録担体用基板を製造する方法によれば、基板のトラッ
キング溝の断面形状を変化させるために、レーザ光を用
い、そのパワーを変調（高低を調整）あるいは、その方
向を変化させることによって原盤へマークを形成し、こ
の原盤から形成されるスタンパを用いて基板にマークを
形成することができる。従って、記録領域にピットやグ
ルーブを形成するために使用するレーザ光を利用して容
易にマークを形成することが可能である。その際、原盤
及び原盤から形成されるスタンパに物理的な力を与えな
いので、それから成形される基板の表面のスピンコート
膜に影響を与えるような凹凸が生じない。
【００１４】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照
しながら詳細に説明する。本発明による光学式情報記録
担体用基板の製造方法により、同基板を製造するための
原盤にマークを刻印する装置が図４に示されている。同
図において、例えばスピンドルモータ１２の上に、表面
を研磨してフォトレジストをスピナ法等で塗布したガラ
ス盤からなる原盤２０を乗せて、その表面にレーザ発生
器１８で発生させたＡｒレーザやＨｅ−Ｃｄレーザ等の
レーザスポットを照射して感光し、後にエッチング等に
よって溝又はピット列を形成する。
【００１５】なお、図４において、符号１１は前記スピ
ンドルモータ１２の回転を制御する制御器、符号１４は
前記レーザ発生器１８によって発生されるレーザ光をス
ポットに集束するための対物レンズ、そして、符号１５
はレーザ光を反射し、所定の速度で（例えば、スピンド
ルモータ１回転で１．６μｍ）移動しながら原盤の径方
向に送る送り機構である。また、符号１９はデータソー
ス源１６のデータを基にＣＤ信号発生器１７から発生す
る信号に従って変調を行う変調器である。本発明によれ
ば、前記の装置によって刻印される光学式情報記録担体
用原盤のマークは、図５に示す光学式情報記録担体用原
盤２０の情報記録領域（図では、斜線部で示す）である
と否とに拘らず、任意の領域、すなわち連続的なトラッ
キング溝が形成されている領域である限り、ディスク状
原盤の内周縁部あるいは外周縁部、さらには記録領域
等、任意の領域に形成される。
【００１６】このようにして得られた原盤から形成され
るスタンパを用い、射出成形等の手段で光学式情報記録
担体用基板が成形される。さらに、この基板の上にスピ
ンコート膜が形成される。一般に、この基板から光学的
な手段で情報の記録が可能な光学式情報記録担体を製造
する場合は、同基板の表面に色素剤等を塗布し、薄い記
録層を形成し、さらにこの上に反射層や保護層を形成す
る。また、このような基板から、コンパクトディスクの
ような製造された時点で既に光学的に読み取り可能な情
報が記録され、その後の記録が不能ないわゆるＲＯＭ型
の光学的情報記録媒体を製造することもできる。そのよ
うな光学式情報記録担体は、一般に前記基板の表面に反
射層と保護層を形成することにより製造される。
【００１７】図１（ａ）に、成形された基板の一部の拡
大図を示す。この図からも明かな様に、マークを構成す
る例えばアルファベット等の文字は複数の連続した溝２
１、２１…により、その外形（図示の例では、アルファ
ベット文字である「Ａ」の形）を、前記複数のトラッキ
ング溝２１、２１…を太くすることによって（すなわ
ち、太溝部分２１Ｄにより）形成している。なお、この
形成される太溝２１Ｄの溝の幅は、周囲の細溝２１Ｔに
対して、全体としてその文字の外形が人間の目で認識可
能な程度のものでなければならないことは言うまでもな
い。図１（ｂ）には、前記の太溝２１Ｄによって形成さ
れたアルファベット「Ａ」が示されている。なお、これ
とは反対に、外周部分を太溝２１Ｄで、そして、文字を
細溝２１Ｔで形成する例が図２（ａ）及び（ｂ）に示さ
れている。
【００１８】なお、トラッキング溝２１、２１…の一部
の幅を広くした場合には、基板の表面のトラッキング溝
は、成型時の転写性等の理由により、深くなる。図３
（ａ）及び（ｂ）には、複数の連続したトラッキング溝
２１、２１…の太さを変えずに文字を形成する方法とし
て、この文字の部分をディスク状原盤２０の径方向に変
位させる方法及び、その方法により得られた原盤から作
られるスタンパによって成型された基板が示されてい
る。
【００１９】変位させるトラッキング溝２１、２１…の
軌道としては、例えば、図３に示すように、原盤２０の
径方向の外側に変位させる軌道や内側に変位させる軌道
が一般的である。さらには、外側と内側に交互に波状に
変位させる軌道や、変位させるべき始点と終点のみを波
状に変位させる等の軌道が挙げられる。総体的にマーク
が明瞭となる変位軌道が最も望ましいが、製造工程の簡
素化の要請も併せて勘案することにより、変位軌道が適
宜決定される。
【００２１】既に述べたように、本発明によれば、光学
式記録情報担体上にマークを形成するためのトラッキン
グ溝２１、２１…は、マークを形成する部分を通して連
続性が維持され、トラッキングが可能である。そのた
め、記録領域であると否とに拘らず、マークを任意の部
分に形成できる。従って、例えば、記録担体上のマーク
を形成した領域に情報を記録し、記録した情報を再生す
ることができる。また、光学式情報記録担体の中で広い
面積を示す記録領域を利用して、そこに大きなマークを
施すこともできる。さらに、記録領域の外側に形成した
場合でも、そこにＡＴＩＰ情報等のトラッキングサーボ
情報を記録しておけば、光学ピックアップを記録領域外
に移動させて、そこでトラッキング制御をすることも可
能となる。
【００２２】
【発明の効果】以上の説明からも明らかな様に、本発明
による光情報記録担体用基板では、記録又は再生領域に
傷等が生じないために、マーク形成を原因とする記録又
は再生信号のエラーが生ずることなく、他の層を形成す
ることができる。また、マークを形成するためのトラッ
キング溝は、マークを形成する部分を通してトラッキン
グ可能な連続性が維持されており、それに沿って連続ト
ラッキングが可能であるため、マークを形成する領域が
制限されず、記録担体上の任意の位置にマークを形成す
ることができる。さらに、基板上にスピンコート膜を形
成する際に、膜厚の不均一や彗星状の欠陥等が生じ難く
なる。
【００２３】さらに、本発明による光情報記録担体用基
板の製造方法では、原盤及びスタンパ表面に傷を付けた
り、スピンコーティングに影響を与えるような凹凸を形
成することがないため、これから成形される基板にもそ
のような凹凸が形成されない。また、光学式情報記録担
体の記録又は再生領域にトラッキング溝を形成するため
のレーザ装置を用いて基板を形成するための原盤に簡単
にマークを形成することが可能であるため、別に加工装
置を用意する必要もなく、経済的に実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明による光学式情報記録担体用基板のマー
クの詳細構造を示す一部拡大図（ａ）と全体図（ｂ）で
ある。
【図２】本発明の他の実施例によるマークの詳細構造を
示す一部拡大図（ａ）と全体図（ｂ）である。
【図３】本発明の他の実施例によるマークの詳細構造を
示す一部拡大図（ａ）と全体図（ｂ）である。
【図４】本発明の光学式情報記録担体用基板を製造する
原盤にマークを刻印する装置の例を示す概略図である。
【図５】前記装置により、マークが形成される光学式情
報記録担体用基板を製造するための原盤を示す一部断面
斜視図である。
【符号の説明】２０ 光学式情報記録担体用原盤２１
トラッキング溝２１Ｄ 太溝２１Ｔ 細溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浜田 恵美子 東京都台東区上野６丁目16番20号 太陽 誘電株式会社内 (72)発明者 香川 恵一 東京都台東区上野６丁目16番20号 太陽 誘電株式会社内 (56)参考文献 特開 平２−179941（ＪＰ，Ａ) 特開 平１−4933（ＪＰ，Ａ)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 透光性基板上にトラッキング溝が形成さ
    れた領域にマークが形成された光学式情報記録担体用基
    板において、前記マークは、連続するトラッキング溝の
    集合の部分的にトラッキング溝の幅が相違した部分によ
    って形成され、このトラッキング溝を有する基板の表面
    にスピンコート膜が形成されていることを特徴とする光
    学式情報記録担体用基板。
  2. 【請求項２】 透光性基板上にトラッキング溝が形成さ
    れた領域にマークが形成された光学式情報記録担体用基
    板において、前記マークは、連続するトラッキング溝の
    集合の部分的にトラッキング溝の軌道が基板の径方向に
    変位した部分によって形成され、このトラッキング溝を
    有する基板の表面にスピンコート膜が形成されているこ
    とを特徴とする光学式情報記録担体用基板。
  3. 【請求項３】 フォトレジストが形成された原盤にレー
    ザ光を照射して溝を形成する工程と、該原盤を用いてト
    ラッキング溝を有する光学式情報記録担体用基板を成形
    する方法において、前記光学式情報記録担体用原盤にト
    ラッキング溝を形成するための溝を形成する際、その溝
    を形成するレーザ光のパワーを部分的に変化させ、ある
    いは、レーザ光の照射位置を部分的に径方向に変位させ
    ることにより、連続するトラッキング溝の集合の部分的
    にトラッキング溝の幅が相違した部分または部分的にト
    ラッキング溝の軌道が基板の径方向に変位した部分によ
    ってマークを形成し、さらに前記トラッキング溝を有す
    る基板の表面にスピンコーティングにより膜を形成する
    ことを特徴とする光学式情報記録担体用基板の製造方
    法。
JP03224623A 1990-11-17 1991-08-10 光学式情報記録担体用基板及びその製造方法 Expired - Lifetime JP3109866B2 (ja)

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