JPH108221A - フラッシュ溶接性およびアプセット溶接性に優れた熱延 鋼板およびこの熱延鋼板を素材として製造した無方向性 電磁鋼板 - Google Patents
フラッシュ溶接性およびアプセット溶接性に優れた熱延 鋼板およびこの熱延鋼板を素材として製造した無方向性 電磁鋼板Info
- Publication number
- JPH108221A JPH108221A JP15456596A JP15456596A JPH108221A JP H108221 A JPH108221 A JP H108221A JP 15456596 A JP15456596 A JP 15456596A JP 15456596 A JP15456596 A JP 15456596A JP H108221 A JPH108221 A JP H108221A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- steel sheet
- inclusions
- weldability
- flash
- rolled steel
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01F—MAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
- H01F1/00—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
- H01F1/01—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
- H01F1/03—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
- H01F1/12—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials
- H01F1/14—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials metals or alloys
- H01F1/147—Alloys characterised by their composition
- H01F1/14766—Fe-Si based alloys
Landscapes
- Physics & Mathematics (AREA)
- Electromagnetism (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Dispersion Chemistry (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Power Engineering (AREA)
- Manufacturing Of Steel Electrode Plates (AREA)
Abstract
優れた熱延鋼板およびこの熱延鋼板を素材として製造す
る無方向性電磁鋼板を提供する。 【解決手段】 重量%で、Si:0.7%超3.5%以下、Al:0.1〜
1.0%、Mn:0.1〜0.8%を含有し、S:0.02%以下、C:0.005%
以下、N:0.005%以下、残部がFeからなる鋼板であって、
鋼板中に含まれる直径0.1〜1.0μmの介在物が4000個/mm
2以下または2000個/mm2以下で、直径1.0μm超の介在物
が、( 4.5-[Si(%)] )×100 個/mm2以下である熱延鋼板
およびこの熱延鋼板を素材として製造した無方向性電磁
鋼板。
Description
に優れた熱延鋼板およびこの熱延鋼板を素材として製造
した無方向性電磁鋼板に関する。
中小型変圧器等の広範囲な電気機器に使用されている。
いて仕上げ焼鈍などを施し、鋼板メーカーから出荷され
る時点で既に最終的な磁気特性を具備しているフルプロ
セス製品と、仕上げ焼鈍後の鋼板に対し、需要家で打ち
抜き・せん断などの加工を施した後、磁性焼鈍を行い、
加工歪みの除去と結晶粒の粗大化を図り、所定の磁気特
性を得るように配慮されたセミプロセス製品がある。
電気炉等で溶製された鋼スラブを熱間圧延し、次いで酸
洗した後、熱延板焼鈍を施し、あるいは熱延板焼鈍を施
すことなく、冷間圧延−焼鈍、あるいは中間焼鈍を挟ん
だ2回以上の冷間圧延、仕上げ焼鈍を施して製造され
る。また、必要に応じて、さらに、打ち抜き加工や剪断
加工後に磁性焼鈍が施される。
間圧延された鋼板は、通常、酸洗ラインの入側に設置さ
れた溶接機で接合されて、後続する各製造ラインに通板
され、所定の処理が施される。
鋼板の正常部と同様の処理が施される。従って、溶接部
強度が低い場合、製造ライン内、特に大きな圧延荷重と
張力が付与される冷間圧延ラインで、溶接部破断が発生
しやすい。溶接部破断が発生した場合、製造効率の大幅
な低下や、破断材による圧延ロール損傷などの設備損傷
による製造コストの大幅な増加を招く。したがって、溶
接部は、前記した製造ライン内で破断しない強度を有す
ることが必要である。
接方法が用いられるが、その中でフラッシュ溶接、アプ
セット溶接は、レーザ溶接などに比較して設備コスト、
ランニングコストが安い。しかし、これらの方法によ
り、Si、Mn、Al等の介在物を形成しやすい合金成分を含
有した鋼板を溶接すると、溶接界面に介在物が残留し、
それが起点となって割れが生じ、溶接部強度が低下しや
すい。
とから、酸洗ラインの入側における先行鋼板と後行鋼板
との接続に使用されることが多い。したがって、以下、
フラッシュ溶接による場合について説明する。
より被溶接材に溶接部を形成して接続する溶接方法であ
る。
突き合わせ端面を適切な速度で接近させ、局部的な接触
部を生じさせる。
流による抵抗発熱と、接触短絡部の溶融破断に伴い発生
するアークによって端面を局部的に集中加熱する。この
時、アークによって、端面の溶融金属が飛散する。この
溶融金属の飛散現象をフラッシングという。(フラッシ
ュ過程)
上昇させ、突き合わせ端面の全面にほぼ一様な溶融層を
形成させた時点で、急速に被溶接材を前進させ、溶接部
を加圧・変形して、被溶接材同志を接合する。(アプセ
ット過程) 前記したように、Si、Mn、Al等の介在物を形成しやすい
合金成分を含有した鋼板を溶接すると、溶接界面に介在
物が残留し、それが起点となって割れが生じ、溶接部強
度が低下しやすい。無方向性電磁鋼板は、電磁特性向上
のために添加されたSi、Mn、Al等の介在物を生成しやす
い合金成分を多く含んでいるので、無方向性電磁鋼板の
製造に用いる熱延鋼板をフラッシュ溶接により溶接する
場合、前記合金成分に起因する介在物の溶接界面への残
存を回避することが重要である。
としては、まず前記したアプセット過程において溶接界
面から介在物を完全に排出できるように溶接条件を最適
化し、それを厳密に管理、実施していくことが挙げられ
る。しかし、介在物を形成しやすい合金元素を多く含有
した鋼板の場合、適正な溶接条件範囲自体が存在しない
か、存在しても条件範囲は著しく狭くなっている。ま
た、たとえ適正な溶接条件範囲が存在するとしても、フ
ラッシュ電流の大きさやフラッシュ時間、アプセット電
流の大きさやアプセット時間、さらにはフラッシュ代や
アプセット代などの多数の要素が交絡した複雑な溶接条
件を厳密に管理し、安定した操業を行うことは、工業的
に極めて困難である。
に介在物中で、最も容易に生成する酸化物の生成を抑制
し、介在物の残存を回避する方法が提案されている。
還元性ガスを含むガスを燃焼させることにより、大気中
酸素を遮断する方法、特開昭56-50789号公報には、突き
合わせ溶接部分を気密化し、不活性ガスでシールドして
溶接する方法が提案されている。
部近傍に炭素重合体、有機化合物、有機珪素化合物や亜
鉛、亜鉛粉末含有物、カルシウム、マグネシウム合金や
その含有物などの保護ガス発生物質を、特開昭62-27558
1号公報にはグリースを、それぞれ溶接部近傍に塗布
し、溶接時の熱により保護ガスを発生させる方法、ま
た、特開昭63-203281号公報には、グリースの塗布方法
が提案されている。
れる技術には、以下に述べる問題点がある。
スの燃焼を利用するため、ガス燃焼設備設置とその運用
によるコスト増加や、火炎による周辺設備への熱的影響
の増大という問題があり、実用的ではない。特開昭56-5
0789号公報に提案の技術は、気密化に伴う設備改造やそ
の運用によるコスト増加、溶接機にこれら設備を取り付
けることにより微妙な調整を必要とする突き合わせ部周
辺の保守作業に支障がでるといった問題が生じる。
元素が多く含有されている場合、酸化物などの介在物が
溶接界面に残存していることがあり、溶接部強度につい
て必ずしも十分な信頼性を得ることができない。
号公報、特開昭63-203281号公報に提案の技術は、比較
的容易に適正な溶接条件範囲を広げることができるが、
溶接中の溶接部周辺を大気からシールドする効果は必ず
しも完全ではなく、また、Si、Mn、Alなど酸化性の強い
合金元素が多く含有されている場合、酸化物などの介在
物が溶接界面に残存していることがあり、溶接部強度に
ついて必ずしも十分な信頼性を得ることができない。
増えることになり、効率面の低下、設備コストの増加を
引き起こす。
リース等が溶接機などに付着、残存し、スパッタなどが
付着しやすくなる。スパッタが電極表面に付着した場
合、電極と鋼板の接触が局部的になり、ダイバーンなど
の溶接欠陥を発生する。また、鋼板通板中にスパッタが
鋼板上に落下すると、鋼板表面に傷を生じるため、グリ
ースなどを除去する煩雑な清掃を行わねばならない。以
上のような理由から、これらもその実施を極力避けたい
方法である。
等を大量に含有し、酸化物による介在物を生成しやすい
合金成分を含む無方向性電磁鋼板素材のような難溶接材
の場合、酸化性成分元素を多く含有しない軟鋼ストリッ
プなどを難溶接材間に挿入して溶接して交互通板するこ
とも行われている。
たものであり、グリース等の塗布、酸化性成分元素を多
く含有しない材料との交互通板などを行うことなく、製
造ライン内で溶接部破断を発生させない溶接部強度を得
ることができるフラッシュ溶接性およびアプセット溶接
性に優れた熱延鋼板およびこの熱延鋼板を素材として製
造する無方向性電磁鋼板を提供することを目的とする。
の、本発明の特徴とする構成は以下のとおりである。
下、Al:0.1〜1.0%、Mn:0.1〜0.8%を含有し、S:0.02%
以下、C:0.005%以下、N:0.005%以下、残部が実質的に
Feからなる鋼板であって、鋼板中に含まれる直径0.1〜
1.0μmの介在物が4000個/mm2以下、直径1.0μm超の介在
物が、( 4.5-[Si(%)] )×100 個/mm2以下であるフラッ
シュ溶接性およびアプセット溶接性に優れた熱延鋼板で
ある。
下、Al:0.1〜1.0%、Mn:0.1〜0.8%を含有し、S:0.02%
以下、C:0.005%以下、N:0.005%以下、残部が実質的に
Feからなる鋼板であって、鋼板中に含まれる直径0.1〜
1.0μmの介在物が2000個/mm2以下、直径1.0μm超の介在
物が、( 4.5-[Si(%)] )×100 個/mm2以下であるフラッ
シュ溶接性およびアプセット溶接性に優れた熱延鋼板で
ある。
の熱延鋼板をフラッシュ溶接またはアプセット溶接した
後、少なくとも1回の冷間圧延と焼鈍を施して製造した
無方向性電磁鋼板である。
等は、Si、Mn、Alなど酸化性の強い合金元素を多く含有
する熱延鋼板をフラッシュ溶接した場合、溶接時の酸化
物の生成を抑制しても、溶接界面に介在物が残存し、そ
のために溶接部強度が低下する場合がある点に着目し、
鋼板成分組成や鋼板中の介在物とフラッシュ溶接性の関
係について詳細に調査した。
組成により直接影響されるのではなく、鋼板中の介在物
により大きく影響を受けること、さらに、鋼板中の介在
物は、その大きさによってフラッシュ性に及ぼす影響が
異なっていることを見出した。
物の大きさと個数を適切な範囲にすることにより、良好
なフラッシュ溶接性とアプセット溶接性を得ることを可
能とした点に大きな特徴がある。
ず、表1に示す成分組成の板厚2.8〜3.0mm 、板幅1400mm
の熱延鋼板を突き合わせ、フラッシュ溶接を行った。な
お、表1の鋼板の成分組成の表示しない残部はFeおよび
不可避不純物である。このときの溶接条件は、フラッシ
ュ時間8.5秒、フラッシュ長さ12mm、アプセット代3.5mm
である。溶接部から排出されたフラッシュメタルは、バ
イトにより母材表面と同じ高さになるまで研削した。
により評価した。溶接部の機械的品質は、1400mm幅の溶
接部から50mm幅の試験片を25片取り出し、6Rポンチによ
る180度曲げ試験を行い、曲げ試験後、溶接部に発生し
た割れ長さを測定し、割れ長さが溶接部全体の長さに占
める割合を、割れ長さ率(%、割れ長さ(mm)/50 ×100)と
して求め、この値により評価した。表1に、割れ長さ率
の調査結果を併せて示す。
インでは、割れ長さ率が10%以下であれば、ライン内で
溶接部破断が発生することがなく、安定した通板が可能
である。
率が増加する傾向が認められるが、ほぼ同一成分組成の
鋼板であっても割れ長さ率にかなりのばらつきがある。
したがって、鋼板成分組成のみではフラッシュ溶接性の
良否を判断できないので、鋼板成分組成のみの限定では
フラッシュ溶接性の改善を行えないことがわかった。
介在物の観察結果と溶接性の調査結果から、以下のこと
がわかった。
超の介在物 フラッシュ溶接時において、これら介在物は、溶融金属
中ではその大半が溶融しているのに対し、溶融界面近傍
では溶融せず、逆に温度上昇により成長する。このよう
な介在物の成長は、溶融界面に近いほど著しくなってい
る。
行えば、比較的容易に排出される。しかし、溶融界面近
傍で成長した介在物は、アプセット時に排出されにく
く、溶接界面に残留して割れの起点となる。
在物はほぼ完全に溶融している。溶融界面近傍では、凝
集して大きくなるものも一部存在するが、溶接時におけ
る温度上昇により大半は溶融する。
行えば、比較的容易に排出される。しかし、溶融界面近
傍で溶融した介在物は、溶接終了後の急冷時に溶接界面
に微細に再生成し、フラットスポットを形成する。この
フラットスポットが溶接界面に広く存在すると、界面強
度は低下する。特に、き裂が発生した場合、その伝播を
容易にする。
定することにより、グリース等の塗布、酸化性成分元素
を多く含有しない材料との交互通板などを行うことな
く、製造ライン内で溶接部破断を発生させない溶接部強
度を得ることができるフラッシュ溶接性がより安定した
鋼板を得ることができるのではないかと考えた。
び大きさとフラッシュ溶接性の関係について引き続き調
査を実施した。
在物個数とフラッシュ溶接性の関係を示した図である。
介在物観察は、直径1.0μm超の介在物観察は光学顕微鏡
で、直径0.1〜1.0μmの介在物観察は走査型電子顕微鏡
で行った。なお、図中の鋼板の0.1〜1.0μmの介在物個
数は700〜1500個/mm2としている。
以下となる直径1.0μm超の介在物個数の上限はSi含有率
と相関があり、直径1.0μm超の介在物が( 4.5-[Si(%)]
)×100 個/mm2以下であれば、割れ長さ率がライン通板
時の許容範囲内の10%以下となることがわかる。
の介在物個数を( 4.5-[Si(%)] )×100 個/mm2以下に限
定する。
[Si(%)] )×100 個/mm2以下として、0.1〜1.0μmの介在
物の個数を変化させた場合について検討を行った。
分組成の鋼板A 、B を下記のようにして製造した。な
お、表2の鋼板の成分組成の表示しない残部はFeおよび
不可避不純物である。
階で生成する一次脱酸生成物と、凝固冷却時に溶解度の
低下により晶出する二次脱酸生成物とに分かれる。そこ
で、表2 の成分組成に溶製した鋼を、真空溶解炉を用
い、スラグの塩基度・組成の調整、脱ガス処理時間の調
整、さらに溶鋼凝固時の冷却速度の調整を行って、介在
物のサイズおよび個数を調整した鋳片を製造した。これ
らの鋳片を熱間圧延し、板厚2.0mm、板幅110mmの試料を
製造した。
シュ溶接を行い、溶接後、50mm幅のサンプルを切り出
し、前記した曲げ試験・評価法により機械的品質を評価
した。介在物観察については、直径1.0μm超の介在物観
察は光学顕微鏡で、直径0.1〜1.0μmの介在物観察は走
査型電子顕微鏡で行った。
在物個数を( 4.5-[Si(%)] )×100個/mm2以下にして、0.
1〜1.0μmの介在物の個数を変化させた場合の介在物個
数と割れ長さ率の関係を示したものである。また図3
は、同じく鋼板Bについて同様の関係を示したものであ
る。
1〜1.0μmの介在物の個数が4000個/mm2以下の範囲で割
れ長さ率が10%以下となっており、介在物個数が2000個/
mm2以下では割れ長さ率がさらに低位で安定して優れて
いる。
mの介在物の個数を4000個/mm2以下、より好ましい範囲
を2000個/mm2以下に限定する。
て述べる。 Si : 鋼板の固有抵抗を上げ、鉄損を少なくするのに有
効な成分であるので、0.7%以上とする。ただし、3.5%を
超えると溶接時に酸化物が生成しやすくなることや冷間
加工性が低下することなどから、上限を3.5%とする。
を阻害するので、その防止のため、および鋼板の固有抵
抗を上げ、鉄損を少なくするのに有効は成分であるの
で、0.1%以上とする。ただし、1.0%を超えると溶接時に
酸化物が生成しやすくなること、磁束密度が低下するこ
となどから、上限を1.0%とする。
くするのに有効な成分であり、かつ熱間圧延時の赤熱脆
性を防止するために0.1%以上必要である。ただし、過剰
な添加は、飽和磁束密度を低下させるので上限を0.8%と
する。
原因や磁気特性を低下させる原因となるMnSなどの硫化
物の生成を助長するので、極力低い方がよいが、製造コ
ストの面から0.02%以下とする。
の原因となるので0.005%以下とする。
の形成を助長し、鉄損を高めるため、0.005%以下とす
る。
直径1.0μm超の介在物の個数と、直径0.1〜1.0μmの介
在物の個数の両方を所定の範囲内に調整するものであれ
ば、どのような形態でもかまわない。
所定の成分範囲に溶製した溶鋼を、脱ガス処理などを施
し、造塊鋳造、連続鋳造あるいはストリップキャスタに
よって鋳造し、熱片状態での直送圧延あるいは鋼片再加
熱後に熱間加工を行って、熱延鋼板を製造するに際し
て、主に一次脱酸生成物である直径1.0μm超の介在物の
制御は、例えば、溶鋼脱ガス時間を長くするとか、また
はスラグ組成の調整によりスラグからの再酸化を防止す
ることなどにより行い、さらに、主に二次脱酸生成物で
ある直径0.1〜1.0μmの介在物の制御は、鋳造速度、鋳
造時の加熱、補助加熱、保熱、鋳片厚さ、冷却条件など
溶鋼の凝固冷却速度を調整することにより行うことがで
きる。
か、Sの少ない原料、副原料を用いて精錬することが望
ましい。
延の内、仕上げ熱延は必須であるが、分塊圧延、粗圧延
は鋳造後の鋼塊、鋼片、鋳造板などの厚さ寸法、リジン
グ抑制などにより適宜選択して行うことができる。
ッシュ溶接性、アプセット溶接性に優れるので、熱間圧
延された鋼板のまま、あるいはさらに酸洗等の脱スケー
ル等の処理を施した後、フラッシュ溶接やアプセット溶
接を施す熱延鋼板の用途に広く使用することができる。
により先行鋼板と後行鋼板を接続した後、酸洗ラインや
冷間圧延ライン等の各製造ラインを通板して処理を施し
ても、溶接部破断しないので、冷間圧延する各種鋼板の
素材として使用することができるが、特に無方向性電磁
鋼板の素材として使用することが好適である。
する。すなわち、前記の熱延鋼板を、酸洗ライン入側で
フラッシュ溶接またはアプセット溶接後、酸洗を施した
後、少なくとも1回の冷間圧延と焼鈍を施して製造す
る。冷間圧延前に熱延板焼鈍を施してよい。冷間圧延と
焼鈍は各1回であってもよいし、中間焼鈍を挟んだ二回
以上の冷間圧延と仕上げ焼鈍であってもよい。また、必
要に応じて、さらに打ち抜き加工やせん断加工後に磁性
焼鈍を行ってもよい。このようにして、無方向性電磁鋼
板として必要な特性を得られるプロセスを経て、所定の
フルプロセスまたはセミプロセスの無方向性電磁鋼板を
製造する。
板は、酸洗に後続する各製造ラインで溶接部破断がない
ので、破断に伴う製造効率の低下や圧延ロール損傷など
の設備損傷による製造コストの増加を招くことなく、所
要の磁気特性を有する無方向性電磁鋼板となる。
なわち、介在物の大きさと個数の調整は、スラグ組成の
調整により塩基度を変化させること、真空度・脱ガス時
間を変化させること、鋳造時の溶鋼の凝固冷却速度を変
えることにより行った。
た後、熱間圧延で板厚3.0mm、板幅1400mmの熱延鋼板と
し、フラッシュ溶接機で溶接を行った。溶接条件は、フ
ラッシュ時間8.5秒、フラッシュ長さ12mm、アプセット
代3.5mmである。溶接部から排出されたフラッシュメタ
ルは、バイトにより母材表面と同じ高さになるまで研削
した。
により評価した。溶接部の機械的品質は、1400mm幅の溶
接部から50mm幅の試験片を25片取り出し、6Rポンチによ
る180度曲げ試験を行い、曲げ試験後、溶接部に発生し
た割れ長さを測定し、割れ長さが溶接部全体の長さに占
める割合を、割れ長さ率(%、割れ長さ(mm)/50 ×100)と
して求め、この値により評価した。
3に示す。なお、表3の化学成分組成の表示しない残部は
Feおよび不可避不純物である。
以下であり、フラッシュ溶接性が非常に良好である。
の鋼板は、第2 発明の構成を満足しない発明例1 の鋼板
に比べて、割れ発生率がより低下しており、フラッシュ
溶接性により優れる。
0 μm 超の介在物の個数が本発明範囲を外れる比較例の
鋼板は、割れ発生率が10% を超えており、フラッシュ溶
接性に劣る。
についてのみを述べてきたが、フラッシュ過程のないア
プセット溶接においても同様の結果を得ることができ
る。
は、グリース等の塗布、酸化性成分元素を多く含有しな
い材料との交互通板などを行うことなく、良好なフラッ
シュ溶接性およびアプセット溶接性を示す。したがっ
て、フラッシュ溶接やアプセット溶接を行う熱延鋼板の
用途に広く使用することができる。また、フラッシュ溶
接やアプセット溶接で接続した熱延鋼板を、冷間圧延ラ
イン等の各製造ラインに通板して処理した場合、各製造
ライン内で溶接部破断がないので、破断に伴う製造効率
の低下や圧延ロール損傷などの設備損傷による製造コス
トの増加を招くことない。また、この熱延鋼板を素材と
して用いて製造された無方法性電磁鋼板は、前記した効
果に加えて、良好な所要の電磁特性を得ることができ
る。
と割れ長さ率の関係を示す図である。
割れ長さ率の関係を示す図である。
割れ長さ率の関係を示す図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 重量%で、Si : 0.7%超3.5%以下、Al:0.
1〜1.0%、Mn:0.1〜0.8%を含有し、S:0.02%以下、C:
0.005%以下、N:0.005%以下、残部が実質的にFeからな
る鋼板であって、鋼板中に含まれる直径0.1〜1.0μmの
介在物が4000個/mm2以下、直径1.0μm超の介在物が、(
4.5-[Si(%)] )×100 個/mm2以下であることを特徴とす
るフラッシュ溶接性およびアプセット溶接性に優れた熱
延鋼板。 - 【請求項2】 重量%で、Si : 0.7%超3.5%以下、Al:0.
1〜1.0%、Mn:0.1〜0.8%を含有し、S:0.02%以下、C:
0.005%以下、N:0.005%以下、残部が実質的にFeからな
る鋼板であって、鋼板中に含まれる直径0.1〜1.0μmの
介在物が2000個/mm2以下、直径1.0μm超の介在物が、(
4.5-[Si(%)] )×100 個/mm2以下であることを特徴とす
るフラッシュ溶接性およびアプセット溶接性に優れた熱
延鋼板。 - 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の熱延鋼板
をフラッシュ溶接またはアプセット溶接した後、少なく
とも1回の冷間圧延と焼鈍を施して製造した無方向性電
磁鋼板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15456596A JP3454020B2 (ja) | 1996-06-14 | 1996-06-14 | フラッシュ溶接性およびアプセット溶接性に優れた熱延鋼板およびこの熱延鋼板を素材として製造した無方向性電磁鋼板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15456596A JP3454020B2 (ja) | 1996-06-14 | 1996-06-14 | フラッシュ溶接性およびアプセット溶接性に優れた熱延鋼板およびこの熱延鋼板を素材として製造した無方向性電磁鋼板 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH108221A true JPH108221A (ja) | 1998-01-13 |
JP3454020B2 JP3454020B2 (ja) | 2003-10-06 |
Family
ID=15587026
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15456596A Expired - Fee Related JP3454020B2 (ja) | 1996-06-14 | 1996-06-14 | フラッシュ溶接性およびアプセット溶接性に優れた熱延鋼板およびこの熱延鋼板を素材として製造した無方向性電磁鋼板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3454020B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013112861A (ja) * | 2011-11-29 | 2013-06-10 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corp | 軸受用棒鋼 |
JP2013147689A (ja) * | 2012-01-18 | 2013-08-01 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corp | 浸炭軸受鋼鋼材 |
JP2013185250A (ja) * | 2012-03-12 | 2013-09-19 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corp | 高周波焼入れ用鋼材 |
WO2023149287A1 (ja) * | 2022-02-01 | 2023-08-10 | Jfeスチール株式会社 | 無方向性電磁鋼板用熱延鋼板の製造方法、無方向性電磁鋼板の製造方法、および無方向性電磁鋼板用熱延鋼板 |
-
1996
- 1996-06-14 JP JP15456596A patent/JP3454020B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013112861A (ja) * | 2011-11-29 | 2013-06-10 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corp | 軸受用棒鋼 |
JP2013147689A (ja) * | 2012-01-18 | 2013-08-01 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corp | 浸炭軸受鋼鋼材 |
JP2013185250A (ja) * | 2012-03-12 | 2013-09-19 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corp | 高周波焼入れ用鋼材 |
WO2023149287A1 (ja) * | 2022-02-01 | 2023-08-10 | Jfeスチール株式会社 | 無方向性電磁鋼板用熱延鋼板の製造方法、無方向性電磁鋼板の製造方法、および無方向性電磁鋼板用熱延鋼板 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3454020B2 (ja) | 2003-10-06 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4502947B2 (ja) | 溶接性に優れた鋼板 | |
JP6728455B1 (ja) | 溶接性および表面性状に優れる高耐食Ni−Cr−Mo鋼とその製造方法 | |
WO2008084838A1 (ja) | 溶接部耐食性および鋼板の靭性に優れた温水器用フェライト系ステンレス鋼板 | |
JP4702254B2 (ja) | レーザー切断用厚鋼板とその製造方法 | |
JP3951593B2 (ja) | Mag溶接用鋼ワイヤおよびそれを用いたmag溶接方法 | |
JP3454020B2 (ja) | フラッシュ溶接性およびアプセット溶接性に優れた熱延鋼板およびこの熱延鋼板を素材として製造した無方向性電磁鋼板 | |
JPS5915979B2 (ja) | 熱間圧延において圧延による疵発生の少ないステンレス合金 | |
JP2003225792A (ja) | 炭酸ガスシールドアーク溶接用ワイヤ | |
JP3767487B2 (ja) | 溶接性に優れた熱延鋼板および冷延鋼板 | |
JP3454019B2 (ja) | フラッシュ溶接性およびアプセット溶接性に優れた熱延鋼板およびこの熱延鋼板を素材として製造した無方向性電磁鋼板 | |
JP4389803B2 (ja) | レーザー切断用鋼板とその製造方法 | |
JP2007118069A (ja) | ガスシールドアーク溶接方法 | |
JP3861979B2 (ja) | 炭酸ガスシールドアーク溶接用鋼ワイヤ | |
JP2807366B2 (ja) | 均一かつ良好な磁気特性を有する方向性けい素鋼板の製造方法 | |
JP3554283B2 (ja) | 表面性状に優れたFe−Ni系合金およびその製造方法 | |
JP4197375B2 (ja) | エンドレス圧延性と成形性に優れた極低炭素鋼 | |
JP2882269B2 (ja) | 溶接性に優れた熱延鋼板およびその製造方法 | |
JP2864964B2 (ja) | メッキ性およびハンダ性に優れたFe−Ni系合金冷延板およびその製造方法 | |
JP3709794B2 (ja) | 高強度高靭性鋼板の製造方法 | |
JP3368411B2 (ja) | 方向性電磁鋼板用連続鋳造スラブ | |
JP3536306B2 (ja) | 鋼板疵の少ない磁気特性の優れた方向性珪素鋼板の製造方法 | |
JP3941369B2 (ja) | ガスシールドアーク溶接用鋼ワイヤ | |
JP4200527B2 (ja) | 無方向性電磁鋼板 | |
JP4254583B2 (ja) | 溶接部の耐歪時効特性に優れたCr含有合金 | |
JP2735899B2 (ja) | 磁気特性の均一な一方向性けい素鋼板の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080725 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090725 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100725 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100725 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110725 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110725 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120725 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120725 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130725 Year of fee payment: 10 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |