JPH1081813A - 耐衝撃性および成形性に優れた熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

耐衝撃性および成形性に優れた熱可塑性樹脂組成物

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JPH1081813A
JPH1081813A JP25532196A JP25532196A JPH1081813A JP H1081813 A JPH1081813 A JP H1081813A JP 25532196 A JP25532196 A JP 25532196A JP 25532196 A JP25532196 A JP 25532196A JP H1081813 A JPH1081813 A JP H1081813A
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JP
Japan
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weight
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rubbery polymer
latex
monomer
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Application number
JP25532196A
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English (en)
Inventor
Yasuaki Ii
康明 井伊
Yoshihiro Nakai
義博 中井
Takahiro Ikebe
孝浩 池辺
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐衝撃性および成形性に優れ、耐熱性の良好
な熱可塑性樹脂組成物の開発。 【解決手段】 (A)ポリアルキレンテレフタレートを
主体とするポリエステル樹脂15〜85重量部、(B)
特定のゴム物性を有するゴム状重合体の存在下にシアン
化ビニル系単量体および芳香族ビニル系単量体を必須成
分とする単量体混合物を重合して得られる特定のゴム粒
子径およびグラフト率を有するグラフト共重合体10〜
50重量部、および(C)シアン化ビニル系単量体およ
び芳香族ビニル系単量体を必須成分とする単量体混合物
を重合して得られる共重合体0〜50重量部を(A)+
(B)+(C)の合計量が100重量部となるように配
合すると共に、得られる樹脂組成物中のゴム状重合体の
含有量が5〜50重量%となるように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐衝撃性および成
形性に優れた熱可塑性樹脂組成物に関し、より詳しくは
ポリエステル樹脂とABS系樹脂とからなる耐衝撃性お
よび成形性に優れた熱可塑性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル樹脂は、その優れた成形
性、機械的性質、耐候性、電気絶縁性、耐薬品性を有す
るため、電気電子部品、自動車部品等の広範囲な分野で
使用されている。しかし、耐衝撃性、とりわけ、ノッチ
付きの耐衝撃性が低いため用途がかなり制限されてい
る。
【0003】そこでポリエステル樹脂の耐衝撃性改良を
目的とした樹脂組成物の研究が行なわれ、例えばポリエ
ステル樹脂にABS樹脂をブレンドする方法(特公昭5
1−25261号公報)や、さらに無機充填剤を添加す
る方法(特開昭50−3450号公報)、また、ポリエ
ステル樹脂とブレンドするABS樹脂とAS樹脂に官能
基を導入し物性の改良をはかる方法(特開昭54−23
656号公報、特開平1−163249号公報)等が提
案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の方法で
得られる樹脂組成物は、耐熱性、耐薬品性の点について
は改良されているが、耐衝撃性の改良が不十分であった
り、射出成形時の流動加工性に劣ったりして、未だにそ
の用途に制限を受けている。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
上述した如くの現状に鑑み、鋭意検討した結果、その改
良方法の一つとして、ABS系樹脂のゴム状重合体のト
ルエン可溶分の分子量に着目し、この分子量が樹脂組成
物の耐衝撃性に大きく影響していることを見いだし、本
発明に到った。
【0006】すなわち本発明は、(A)ポリアルキレン
テレフタレートを主体とするポリエステル樹脂15〜8
5重量部、(B)トルエン可溶分の重量平均分子量が1
00,000以上、ゲル含有率が40重量%以上、膨潤
度が15〜50倍であるゴム状重合体5〜80重量%の
存在下に、シアン化ビニル系単量体および芳香族ビニル
系単量体を必須成分とする単量体混合物20〜95重量
%(合計100重量%)を重合してなるグラフト共重合
体であり、該グラフト共重合体のゴム状重合体の平均粒
子径が150〜400nm、グラフト率が15〜100
重量%であるグラフト共重合体10〜50重量部、およ
び(C)シアン化ビニル系単量体15〜40重量%、芳
香族ビニル系単量体60〜85重量%およびこれらと共
重合可能な少なくとも1種の他のビニル系単量体0〜2
0重量%(合計100重量%)からなる単量体混合物を
重合してなる共重合体0〜50重量部からなる樹脂組成
物(ただし、(A)+(B)+(C)の合計量を100
重量部とする。)であり、かつ該樹脂組成物中のゴム状
重合体の含有量が5〜50重量%であることを特徴とす
る耐衝撃性および成形性に優れた熱可塑性樹脂組成物で
ある。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、さらに詳しく本発明を説明
する。
【0008】本発明において用いられるポリアルキレン
テレフタレートを主体とするポリエステル樹脂(A)
は、主として炭素数が8〜22である芳香族ジカルボン
酸成分と炭素数が2〜22のアルキレングリコールある
いはシクロアルキレングリコールを50重量%以上含む
アルコール成分とから構成されるものである。
【0009】なお、本発明において用いられるポリエス
テル樹脂(A)においては、所望により劣位量の脂肪族
ジカルボン酸、例えばアジピン酸やセバチン酸などを構
成成分として含んでもよく、また、ポリエチレングリコ
ール、ポリテトラメチレングリコール等のポリアルキレ
ングリコールを構成成分として含んでもよい。
【0010】本発明において用いられる特に好ましいポ
リエステル樹脂(A)としては、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリテトラメチレンテレフタレート等が挙げら
れる。これらのポリエステル樹脂は、1種でまたは2種
以上を混合して用いられる。
【0011】本発明において用いられるグラフト共重合
体(B)は、ゴム状重合体にビニル系の単量体混合物を
共重合せしめることにより得られるものである。
【0012】本発明において、グラフト共重合体(B)
を構成するゴム状重合体とは、脂肪族共役ジエン系単量
体単独、もしくは該脂肪族共役ジエン系単量体と、シア
ン化ビニル系単量体、芳香族ビニル系単量体および不飽
和カルボン酸エステル系単量体よりなる群から選ばれる
少なくとも1種の他の共重合可能な単量体との混合物を
重合して得られるものである。
【0013】本発明において、ゴム状重合体を得るのに
用いられる脂肪族共役ジエン系単量体の例としては、例
えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレン
等が挙げられ、耐衝撃性の面から1,3−ブタジエンの
使用が好ましい。また、脂肪族共役ジエン系単量体と共
重合可能な他の単量体の例としては、例えば、アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル系単
量体、スチレン、α−メチルスチレン、p−クロロスチ
レン、p−メチルスチレン等の芳香族ビニル系単量体、
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−
ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n
−ヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル
等の不飽和カルボン酸エステル等が挙げられる。
【0014】ゴム状重合体を得るのに使用される脂肪族
共役ジエン系単量体と共重合可能な他の単量体との使用
割合は、脂肪族共役ジエン系単量体30〜100重量部
に対し、共重合可能な他の単量体70〜0重量部(合計
100重量部)の範囲である。脂肪族共役ジエン系単量
体の使用量が30重量部未満の場合には、得られる樹脂
組成物の耐衝撃性が低下する。
【0015】このゴム状重合体は、チーグラー系の触媒
を用いて上記の単量体を溶液重合し、これを乳化剤と水
でホモジナイズドして乳化分散したものや、乳化重合に
より得られるものを用いてもよく、その製造方法には限
定されない。ゴム状重合体の分散粒子径やトルエン可溶
分の分子量、ゲル含有率、膨潤度の制御の容易さ、高性
能な耐熱ABS樹脂を製造するための自由度の大きさか
ら乳化重合が最適である。
【0016】本発明で用いられるゴム状重合体は、トル
エン可溶分の重量平均分子量が100,000以上であ
ることが必要であり、さらに好ましくは130,000
以上であることが必要である。これは、トルエン可溶分
の重量平均分子量が100,000未満では得られる樹
脂組成物の耐衝撃性が低下するようになるためである。
【0017】なお、本発明でいうゴム状重合体のトルエ
ン可溶分のポリスチレン換算の重量平均分子量とは、乾
燥したゴム状重合体0.5gをトルエン60mlに30
℃で48時間浸漬させた後、100メッシュの金網で不
溶分を除去し、トルエン溶液を乾固させた試料をテトラ
ヒドロフランに溶解し(試料濃度2.4mg/ml)、
GPC((株)島津製作所、LC−6A)のポリスチレ
ン換算により求められる値をいう。
【0018】ゴム状重合体におけるトルエン可溶分の分
子量を調節する方法としては、いかなる方法であっても
構わないが、例えば重合開始剤の種類および量、重合温
度、メルカプタン等の連鎖移動剤の種類および量等を目
的に応じて変更することにより達成できる。
【0019】また、本発明で用いられるゴム状重合体
は、ゲル含有率が40重量%以上、好ましくは60重量
%以上であり、さらにトルエンに対する膨潤度が15〜
50倍、好ましくは20〜40倍であることが必要であ
る。これは、ゴム状重合体のゲル含有率が40重量%未
満では得られる樹脂組成物の耐衝撃性が低下するように
なり、さらに膨潤度が15倍未満または50倍を越える
場合には得られる樹脂組成物の耐衝撃性が低下するよう
になるためである。
【0020】ゴム状重合体のゲル含有率および膨潤度の
調節は、公知の方法が利用でき、例えば、ジビニルベン
ゼン、メタクリル酸アリル、エチレングリコールジメタ
クリレート、ジアリルアジペート等の架橋性単量体の使
用、重合温度の調節、開始剤濃度の調節、重合転化率の
調節、メルカプタン類等の連鎖移動剤の種類および量等
によって行うことができる。
【0021】本発明におけるグラフト共重合体(B)
は、上記のゴム状重合体にビニル系単量体混合物を共重
合することにより得られるが、本発明においてはグラフ
ト共重合体中におけるゴム状重合体の重量平均粒子径
は、150〜400nmであることが好ましく、さらに
好ましくは200〜350nmの範囲である。これは、
グラフト共重合体における重量平均粒子径が150nm
未満では、得られる樹脂組成物の耐衝撃性、成形性(流
動性)が劣り、一方、400nmを越える場合には得ら
れる樹脂組成物の耐衝撃性が低下するようになるためで
ある。
【0022】なお、ゴム状重合体の分散粒子径の分布に
は特に制限はなく、分散粒子径の異なるゴム状重合体を
2種以上併用してもよい。
【0023】ゴム状重合体の粒子径の調節は、公知の方
法が使用でき、例えば、ゴム状重合体の重合中のアグロ
メーションによる肥大化、150nm未満の比較的小さ
なゴム状重合体を予め製造し、これに酸基を含有する共
重合体ラテックスや酸、塩を添加して肥大化する方法、
撹拌による剪断応力によって肥大化する方法等が利用で
きる。
【0024】本発明の樹脂組成物を構成するグラフト共
重合体(B)は公知のグラフト重合によって製造するこ
とが可能である。グラフト重合の方法としては、乳化重
合、懸濁重合、溶液重合、塊状重合、あるいはこれら2
種以上の組み合わせが使用できるが、ゴム状重合体が乳
化重合で容易に製造されることから、乳化重合が最適で
ある。例えば、乳化重合で得られた前記ゴム状重合体に
単量体混合物を添加し、公知の方法でグラフト重合され
る。
【0025】グラフト重合に使用される単量体混合物
は、シアン化ビニル系単量体および芳香族ビニル系単量
体を必須成分とし、必要に応じてこれらと共重合可能な
少なくとも1種の他のビニル系単量体とからなるからな
る単量体混合物である。
【0026】グラフト重合に用いられるシアン化ビニル
系単量体としては、例えばアクリロニトリル、メタクリ
ロニトリル、シアン化ビニリデン等が使用できるが、樹
脂の原料としてはアクリロニトリルが好適である。
【0027】シアン化ビニル系単量体の使用量は、グラ
フト重合される単量体混合物中、10〜60重量%の範
囲であることが好ましく、10重量%未満では得られる
樹脂組成物の耐衝撃性が低くなり、また、60重量%を
越える場合には成形性が低下するようになる。さらに好
ましくは15〜55重量%である。
【0028】また、グラフト重合に用いられる芳香族ビ
ニル系単量体としては、例えば、スチレン、α−メチル
スチレン、p−メチルスチレン等のビニルトルエン類、
p−クロルスチレン等のハロゲン化スチレン類、p−t
−ブチルスチレン、ジメチルスチレン、ビニルナフタレ
ン類等が使用でき、スチレンまたはα−メチルスチレン
の使用が好ましい。これら芳香族ビニル系単量体は、1
種でまたは2種以上を併用することができる。
【0029】芳香族ビニル系単量体の使用量は、グラフ
トされる単量体混合物中、40〜90重量%の範囲であ
ることが好ましく、40重量%未満では成形性が悪く、
また、90重量%を越えると得られる樹脂組成物の耐衝
撃性が低下するようになる。さらに好ましくは45〜8
5重量%である。
【0030】グラフト重合に用いられる共重合可能な他
のビニル系単量体としては、不飽和カルボン酸エステル
系単量体、不飽和ジカルボン酸無水物および不飽和ジカ
ルボン酸イミド化合物が挙げられ、これらは1種でまた
は2種以上を併用して使用することができる。
【0031】グラフト重合に用いることのできる不飽和
カルボン酸エステル系単量体としては、例えば、アクリ
ル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチ
ル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−ヘ
キシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等が
挙げられる。これらの不飽和カルボン酸エステル系単量
体は、1種でまたは2種以上を併用することができる。
【0032】また、グラフト重合に用いることのできる
不飽和ジカルボン酸無水物としては、無水マレイン酸、
無水イタコン酸、無水シトラコン酸等が使用でき、好ま
しくは無水マレイン酸である。
【0033】さらにグラフト重合に用いることのできる
不飽和ジカルボン酸のイミド化合物としては、マレイミ
ド、N−メチルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N
−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド
等が使用でき、好ましくはN−フェニルマレイミドであ
る。
【0034】これら他の共重合可能な単量体の使用量
は、グラフト重合に用いられる単量体混合物中、0〜2
0重量%の範囲であり、その使用量が20重量%を越え
ると得られる樹脂組成物の耐衝撃性が低下するようにな
る。さらに好ましくは0〜15重量%である。
【0035】なお、本発明においては、さらに必要に応
じてグリシジルメタクリレート、メタクリル酸、アクリ
ル酸、メタクリルアミド、2−ヒドロキシエチルメタク
リレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート
等の他の単量体を20重量%以下、好ましくは15重量
%以下の量を単量体混合物中に併用することも可能であ
る。
【0036】ゴム状重合体にグラフトさせる単量体混合
物の割合は、ゴム状重合体5〜80重量%に対して、単
量体混合物20〜95重量%、好ましくはゴム状重合体
10〜70重量%に対して単量体混合物30〜90重量
%(合計100重量%)の範囲である。ゴム状重合体が
5重量%未満では得られる樹脂組成物の耐衝撃性が低下
するようになる。また、80重量%を越える場合にはゴ
ム状重合体へのグラフト率が低下して、樹脂中のゴム状
重合体の分散が悪くなり、その結果耐衝撃性が低下する
ようになる。そのためゴム状重合体へのグラフト率は1
5〜100重量%の範囲であることが必要であり、グラ
フト率が15重量%未満の場合には得られる樹脂組成物
の耐衝撃性および外観が悪くなり、一方、グラフト率が
100重量%を越えると流動性が低下するようになる。
好ましくは20〜80重量%である。
【0037】ゴム状重合体に単量体混合物をグラフト重
合させる場合、単量体混合物を一度に加えても、また分
割添加や連続的に滴下してもよく、特にその添加方法に
は制限はない。また、この乳化グラフト重合に際して
は、通常公知の乳化剤、触媒および開始剤を使用するこ
とができ、その種類や添加量、添加方法については特に
限定されない。
【0038】このようにして得られたグラフト共重合体
は、通常のラテックスからのポリマー回収方法である酸
または塩による凝固、乾燥工程により粉末状の固体とし
て回収される。
【0039】本発明において用いられる共重合体(C)
は、シアン化ビニル系単量体15〜40重量%、芳香族
ビニル系単量体60〜85重量%およびこれらと共重合
可能な少なくとも1種の他のビニル系単量体0〜20重
量%(合計100重量%)からなる単量体混合物を重合
して得られる共重合体である。共重合体(C)を得るの
に用いられるシアン化ビニル系単量体、芳香族ビニル系
単量体および共重合可能な他のビニル系単量体として
は、上記のグラフト共重合体(B)を得るのに用いられ
たものが使用される。この共重合体(C)の製造方法と
しては、特に限定されず、乳化重合、懸濁重合、溶液重
合、塊状重合等の方法が使用できる。
【0040】本発明の樹脂組成物を構成するに当っての
ポリエステル樹脂(A)、グラフト共重合体(B)およ
び共重合体(C)の配合割合は、ポリエステル樹脂
(A)が15〜85重量部、グラフト共重合体(B)が
10〜50重量部および共重合体(C)が0〜50重量
部(合計100重量部)であり、かつ得られる樹脂組成
物中のゴム状重合体の含有量が5〜50重量%となる範
囲である。ポリエステル樹脂(A)の使用量が上記範囲
を外れる場合には得られる樹脂組成物の耐衝撃性や耐薬
品性の少なくとも一つが劣るようになり、また、グラフ
ト重合体(B)の使用量および樹脂組成物中のゴム状重
合体の含有率が上記の範囲を外れる場合には、得られる
樹脂組成物の耐衝撃性や耐熱性等の物性が低下するよう
になる。
【0041】以上の構成成分からなる樹脂組成物は、そ
のままでも使用することができるが、目的に応じて各種
の安定剤や可塑剤、さらには滑剤、金属石鹸、帯電防止
剤、染料、無機または有機の粒状、粉状または繊維状の
充填剤、発泡剤等を添加することができる。
【0042】これらの混合には、バンバリーミキサー、
押出機、加熱ロール等の装置が用いられ、また、さらに
得られた樹脂組成物は射出成形や押出成形、ブロー成形
等のような成形方法により有用な成形品を得ることがで
きる。
【0043】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明をさ
らに具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない
限り、以下の例に限定されるものではない。なお、以下
の例中の%および部数は明記しない限りは重量部基準と
する。また、以下の参考例、実施例および比較例中で
の、各種物性の測定は以下の方法により測定した。
【0044】(1)ゴム状重合体の重量平均粒子径 透過型電子顕微鏡を用いて、200〜300個のゴム状
重合体粒子のサイズをカウントし、重量平均粒子径を求
めた。
【0045】(2)トルエン可溶分の重量平均分子量 上記した方法で測定した。
【0046】(3)ゲル含有率、膨潤度 ゴム状重合体を乾燥させた後、その0.5g(W0 )を
トルエン60mlに30℃で48時間浸漬させた後、1
00メッシュ金網で濾別し、不溶分の重量(W1 )を測
定した後、乾燥後の重量(W2 )を求め、下式から算出
した。
【0047】
【数1】ゲル含有率(%)=(W2 /W0 )×100
【0048】
【数2】膨潤度(倍)=(W1 −W2 )/W2
【0049】(4)グラフト率 乾燥した粉末状のグラフト共重合体2.5gをアセトン
60mlに分散し、55℃で3時間加熱した後、不溶分
を遠心分離法で分離した。これを乾燥後秤量し、不溶分
重量%を測定した。
【0050】(5)アイゾット衝撃強度 ASTM D256に準拠し、試験片の厚み6.3mm
・ノッチ付きで23℃にて測定した。
【0051】(6)ショートショット圧力 樹脂の流動性の指標となる、厚さ3mmの100mm×
100mmの角板をシリンダー温度240℃で成形する
時の圧力を、成形可能な成形機の最大圧力(2,000
kgf/cm2 )に対する百分率で示した。
【0052】(7)熱変形温度 ASTM D648に準拠して測定した。
【0053】参考例1 (1)ゴム状重合体(a−1)ラテックスの製造 10リットルのステンレススチール製オートクレーブ
(以下、SUS製オートクレーブと略記する)に、 水 2200部 オレイン酸カリウム 37.5部 水酸化ナトリウム 0.1部 炭酸水素ナトリウム 7.5部 ナトリウムアルデヒド・スルホキシレート 3.0部 t−ドデシルメルカプタン 2.0部 ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキシド 3.0部 スチレン 150部 を仕込んで窒素置換し、1,3−ブタジエン1350部
を仕込んだ後、 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 0.07部 硫酸第一鉄七水塩 0.02部 水 50部 からなる水溶液を内温10℃で添加して、重合を開始し
た。18時間後未反応の1,3−ブタジエンを除去し、
重量平均粒子径が80nm、固形分が39.2%、重合
率が94%、トルエン可溶分の重量平均分子量が38
0,000、ゲル含有率が73%、そして膨潤度が39
倍であるゴム状重合体(a−1)ラテックスを得た。
【0054】(2)酸基含有共重合体(b−1)ラテッ
クスの製造 5リットルガラス製反応器に、 水 2400部 オレイン酸カリウム 24部 ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム 12部 ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート 3.6部 を仕込み60℃に昇温し、その時点から、 アクリル酸n−ブチル 1020部 メタクリル酸 180部 クメンハイドロパーオキシド 4.8部 からなる混合物を120分かけて連続的に滴下した後、
さらに2時間熟成を行い、転化率が98%で重量平均粒
子径が80nmのゴム肥大化用の酸基含有共重合体(b
−1)ラテックスを得た。
【0055】(3)ゴム状重合体(a−2)ラテックス
の製造 5リットルガラス製反応器に、上記のゴム状重合体(a
−1)ラテックス2990部(固形分として1200
部)も入れ、次いで、撹拌下で上記酸基含有共重合体
(b−1)ラテックス74部(固形分として24部)を
添加した後、さらに30分撹拌して、重量平均粒子径が
310nm、固形分が39.1%であるゴム状重合体
(a−2)ラテックスを得た。
【0056】(4)グラフト共重合体(B−1)の製造 5リットルガラス製反応器に、 水 1500部 上記のゴム状重合体(a−2)ラテックス 2500部 (ゴム状重合体として1000部) デキストローズ 6.0部 ピロリン酸ナトリウム 1.0部 硫酸第一鉄七水塩 0.1部 を仕込み、窒素置換した後60℃に昇温し、 アクリロニトリル 300部 スチレン 700部 t−ドデシルメルカプタン 12.0部 クメンハイドロパーオキシド 3.0部 からなる単量体混合物を200分かけて滴下し、その時
の内温を65℃になるようにコントロールした。滴下終
了後、クメンハイドロパーオキシド1.2部を添加し、
さらに70℃で1時間保持し、老化防止剤(アンテージ
W−400、川口化学工業(株)製)10部を添加後、
冷却した。このグラフト共重合体ラテックスを0.5%
硫酸水溶液で凝固し、洗浄、乾燥して粉末状のグラフト
共重合体(B−1)を得た。重合率は97%であり、グ
ラフト率は45%であった。
【0057】参考例2 (1)ゴム状重合体(a−3)ラテックスの製造 10リットルSUS製オートクレーブに、 水 2650部 水酸化ナトリウム 0.2部 高級脂肪酸ナトリウム 30.0部 デキストローズ 2.5部 無水硫酸ナトリウム 2.5部 t−ドデシルメルカプタン 3.0部 ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキシド 2.5部 を仕込み、窒素置換後、1,3−ブタジエン1875部
を仕込んだ後昇温し、内温40℃で、 ピロリン酸ナトリウム 2.0部 硫酸第一鉄七水塩 0.06部 水 50部 からなる水溶液を圧入し重合を開始した。1時間後に5
0℃に昇温し、その間反応器内温を50℃にコントロー
ルした。5時間後、内圧が3.5kg/cm2 (ゲージ
圧)になったところで未反応の1,3−ブタジエンを除
去し、重量平均粒子径が65nm、固形分が36.5
%、重合率が81%、トルエン可溶分の重量平均分子量
が225,000、ゲル含有率が83%、そして膨潤度
が40倍であるゴム状重合体(a−3)ラテックスを得
た。
【0058】(2)ゴム状重合体(a−4)ラテックス
の製造 5リットルガラス製反応器に、 上記のゴム状重合体(a−3)ラテックス 2740部 (ゴム状重合体として1000部) ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 3.0部 を仕込み、これに、5%リン酸水溶液200部を3分か
けて滴下し、滴下終了後、すぐに10%水酸化ナトリウ
ム水溶液120部を添加して、固形分が33.4%、重
量平均粒子径が250nmであるゴム状重合体(a−
4)ラテックスを得た。
【0059】(3)グラフト共重合体(B−2)の製造 参考例1(4)のグラフト共重合体(B−1)の製造に
おいて、使用するゴム状重合体(a−2)ラテックスを
上記のゴム状重合体(a−4)ラテックスに変更し、固
形分換算で水の量を調節した以外は、グラフト共重合体
(B−1)の製造と同様にして重合を行い、グラフト共
重合体(B−2)を得た。重合率は95%であり、グラ
フト率は43%であった。
【0060】参考例3 (1)ゴム状重合体(a−5)ラテックスの製造 参考例1(1)のゴム状重合体(a−1)ラテックスの
製造において、スチレン150部をアクリル酸n−ブチ
ル750部に、そして1,3−ブタジエンを1350部
から750部に変更した以外は、ゴム状重合体(a−
1)ラテックスの製造と同様にして14時間の重合を行
い、重量平均粒子径が70nm、固形分が39.1%、
トルエン可溶分の重量平均分子量が412,000、ゲ
ル含有率が79%、そして膨潤度が35倍であるゴム状
重合体(a−5)ラテックスを得た。
【0061】(2)ゴム状重合体(a−6)ラテックス
の製造 参考例1(3)のゴム状重合体(a−2)ラテックスの
製造において、使用するゴム状重合体(a−1)ラテッ
クスを上記のゴム状重合体(a−5)ラテックスに変更
した以外は、ゴム状重合体(a−2)ラテックスの製造
と同様にして重合を行い、固形分が38.9%、重量平
均粒子径が280nmであるゴム状重合体(a−6)ラ
テックスを得た。
【0062】(3)グラフト共重合体(B−3)の製造 参考例1(4)のグラフト共重合体(B−1)の製造に
おいて、使用するゴム状重合体(a−2)ラテックスを
ゴム状重合体(a−6)ラテックスに変更した以外は、
グラフト共重合体(B−1)の製造と同様にして重合を
行い、グラフト共重合体(B−3)を得た。重合率は9
8%であり、グラフト率は48%であった。
【0063】参考例4 (1)ゴム状重合体(a−7)ラテックスの製造 10リットルのSUS製オートクレーブに、 水 1600部 ロジン酸カリウム 24部 水酸化カリウム 2.0部 芒硝 5.0部 t−ドデシルメルカプタン 4.0部 過硫酸カリウム 5.0部 1,3−ブタジエン 2300部 を仕込み、50℃に昇温した。さらに重合転化率に応じ
て反応温度を上げ、最終的には温度70℃、重合時間7
5時間で未反応の1,3−ブタジエンを除去して、重量
平均粒子径が250nm、固形分が50.5%、重合率
が69%、トルエン可溶分の重量平均分子量が168,
000、ゲル含有率が75%、そして膨潤度が28倍で
あるゴム状重合体(a−7)ラテックスを得た。
【0064】(2)グラフト共重合体(B−4)の製造 参考例1(4)のグラフト共重合体(B−1)の製造に
おいて、使用するゴム状重合体(a−2)ラテックスを
上記のゴム状重合体(a−7)ラテックスに変更した以
外は、グラフト共重合体(B−1)の製造と同様にして
重合を行い、グラフト共重合体(B−4)を得た。重合
率は97%であり、グラフト率は44%であった。
【0065】参考例5 (1)ゴム状重合体(a−8)ラテックスの製造 参考例1(1)のゴム状重合体(a−1)ラテックスの
製造において、t−ドデシルメルカプタンの量を2.0
部から10.0部に変更した以外は、ゴム状重合体(a
−1)ラテックスと同様にして重合を行い、重量平均粒
子径が80nm、固形分が39.3%、重合率が96
%、トルエン可溶分の重量平均分子量が87,000、
ゲル含有率が70%、そして膨潤度が45倍であるゴム
状重合体(a−8)ラテックスを得た。
【0066】(2)ゴム状重合体(a−9)ラテックス
の製造 参考例1(3)のゴム状重合体(a−2)の製造におい
て、使用するゴム状重合体(a−1)ラテックスを上記
のゴム状重合体(a−8)に変更した以外は、ゴム状重
合体(a−2)ラテックスの製造と同様にして重合を行
い、重量平均粒子径が300nm、固形分が39.1%
であるゴム状重合体(a−9)ラテックスを得た。
【0067】(3)グラフト共重合体(B−5)の製造 参考例1(4)のグラフト共重合体(B−1)の製造に
おいて、使用するゴム状重合体(a−2)ラテックスを
上記のゴム状重合体(a−9)ラテックスに変更した以
外は、グラフト共重合体(B−1)の製造と同様にして
重合を行い、グラフト共重合体(B−5)を得た。重合
率は96%であり、グラフト率は43%であった。
【0068】参考例6 (1)ゴム状重合体(a−10)ラテックスの製造 参考例2(1)のゴム状重合体(a−3)ラテックスの
製造において、使用する1,3−ブタジエンの量を18
75部から1500部に変更し、重合を圧力が0.5k
g/cm2 (ゲージ圧)となるまで継続した以外は、ゴ
ム状重合体(a−3)ラテックスの製造と同様にして重
合を行い、重量平均粒子径が70nm、固形分が35.
6%、重合率が97%、トルエン可溶分の重量平均分子
量が205,000、ゲル含有率が93%、そして膨潤
度が13倍であるゴム状重合体(a−10)ラテックス
を得た。
【0069】(2)ゴム状重合体(a−11)ラテック
スの製造 参考例1(3)のゴム状重合体(a−2)ラテックスの
製造において、使用するゴム状重合体(a−1)ラテッ
クスを上記のゴム状重合体(a−10)に変更した以外
は、ゴム状重合体(a−1)ラテックスの製造と同様に
して重合を行い、固形分が35.1%、重量平均粒子径
280nmであるゴム状重合体(a−11)ラテックス
を得た。
【0070】(3)グラフト共重合体(B−6)の製造 参考例1(4)のグラフト共重合体(B−1)の製造に
おいて、使用するゴム状重合体(a−2)ラテックスを
上記のゴム状重合体(a−11)ラテックスに変更した
以外は、グラフト共重合体(B−1)の製造と同様にし
て重合を行い、グラフト共重合体(B−6)を得た。重
合率は95%であり、グラフト率は42%であった。
【0071】参考例7 (1)ゴム状重合体(a−12)ラテックスの製造 参考例2(2)のゴム状重合体(a−4)ラテックスの
製造において、使用する5%リン酸水溶液の量を200
部から80部に、そして10%水酸化ナトリウム水溶液
の量を120部から48部に変更した以外は、ゴム状重
合体(a−4)ラテックスの製造と同様にして重合を行
い、固形分が34.2%、重量平均粒子径が130nm
であるゴム状重合体(a−12)ラテックスを得た。
【0072】(2)グラフト共重合体(B−7)の製造 参考例1(4)のグラフト共重合体(B−1)の製造に
おいて、使用するゴム状重合体(a−2)ラテックスを
上記のゴム状重合体(a−12)ラテックスに変更した
以外は、グラフト共重合体(B−1)の製造と同様にし
て重合を行い、グラフト共重合体(B−7)を得た。重
合率は、90%であり、グラフト率は40%であった。
【0073】参考例8 (1)酸基含有共重合体(b−2)ラテックスの製造 参考例1(2)の酸基含有共重合体(b−1)ラテック
スの製造において、使用するアクリル酸n−ブチルの量
を1020部から900部に、そしてメタクリル酸の量
を180部から300部に変更した以外は、酸基含有共
重合体(b−1)ラテックスの製造と同様にして重合を
行い、重合率が97%で、重量平均粒子径が160nm
である酸基含有共重合体(b−2)ラテックスを得た。
【0074】(2)ゴム状重合体(a−13)ラテック
スの製造 参考例1(3)のゴム状重合体(a−2)の製造におい
て、酸基含有共重合体(b−1)ラテックスを上記の酸
基含有共重合体(b−2)ラテックスに変更した以外
は、ゴム状重合体(a−2)ラテックスの製造と同様に
して、重量平均粒子径が430nm、固形分が39.1
%であるゴム状重合体(a−13)ラテックスを得た。
【0075】(3)グラフト共重合体(B−8)の製造 参考例1(4)のグラフト共重合体(B−1)の製造に
おいて、使用するゴム状重合体(a−2)ラテックスを
上記のゴム状重合体(a−13)ラテックスに変更した
以外は、グラフト共重合体(B−1)の製造と同様にし
て重合を行い、グラフト共重合体(B−8)を得た。重
合率は95%であり、グラフト率は39%であった。
【0076】参考例9 (1)ゴム状重合体(a−14)ラテックスの製造 参考例1(1)のゴム状重合体(a−1)ラテックスの
製造において、t−ドデシルメルカプタンの量を2.0
部から6.0部に変更した以外は、ゴム状重合体(a−
1)ラテックスの製造と同様にして重合を行い、重量平
均粒子径が82nm、固形分が39.1%、重合率が9
4%、トルエン可溶分の重量平均分子量が215,00
0、ゲル含有率が55%、そして膨潤度が60倍である
ゴム状重合体(a−14)ラテックスを得た。
【0077】(2)ゴム状重合体(a−15)ラテック
スの製造 参考例1(3)のゴム状重合体(a−2)ラテックスの
製造において、使用するゴム状重合体(a−1)ラテッ
クスを上記のゴム状重合体(a−14)ラテックスに変
更した以外は、ゴム状重合体(a−2)ラテックスの製
造と同様にして重合を行い、重量平均粒子径が300n
mであり、固形分が39.0%であるゴム状重合体(a
−15)ラテックスを得た。
【0078】(3)グラフト共重合体(B−9)の製造 参考例1(4)のグラフト共重合体(B−1)の製造に
おいて、使用するゴム状重合体(a−2)ラテックスを
上記のゴム状重合体(a−15)ラテックスに変更した
以外は、グラフト共重合体(B−1)の製造と同様にし
て重合を行い、グラフト共重合体(B−9)を得た。重
合率は96%であり、グラフト率は46%であった。
【0079】参考例10 (1)共重合体(C−1)の製造 アクリロニトリル23部およびスチレン77部を用い
て、通常の懸濁重合により重合し、共重合体(C−1)
を得た。得られた共重合体(C−1)の還元粘度は0.
49dl/gであった。
【0080】参考例11 (1)共重合体(C−2)の製造 アクリロニトリル23部、スチレン76.7部およびグ
リシジルメタクリレート0.3部を用いて、通常の懸濁
重合により重合し、共重合体(C−2)を得た。得られ
た共重合体(C−2)の還元粘度は0.49dl/gで
あった。
【0081】実施例1〜8、比較例1〜9 (A)ポリエステル樹脂(タフペット(登録商標)PB
T、N−1010、三菱レイヨン(株)製)、上記参考
例で製造した(B)グラフト共重合体および(C)共重
合体を表1ならびに表2に示した樹脂配合比にてヘンシ
ェルミキサーで混合した後、二軸押出機で樹脂温度24
0℃で溶融混練、押出してペレットを製造した。次い
で、射出成形機により、シリンダー温度240℃、金型
温度60℃で試験片を成形し、各物性を測定した。得ら
れた結果を表1および表2に示した。
【0082】
【表1】
【0083】
【表2】
【0084】表1および表2に示す結果から明らかなよ
うに、本発明の樹脂組成物(実施例1〜8)は、耐衝撃
性、流動性および耐熱性にバランスが取れて優れてい
る。これに対し、本発明の要件を満たさない樹脂組成物
(比較例1〜9)は、いずれかの特性、特に耐衝撃性、
または流動性(成形性)のいずれかにおいて劣っている
ことが分かる。
【0085】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、耐衝撃
性、流動性(成形性)および耐熱性がバランスして優れ
ており、これらの物性が要求される用途、例えば電気電
子部品等の成形品を得るのに使用できる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリアルキレンテレフタレートを
    主体とするポリエステル樹脂15〜85重量部、 (B)トルエン可溶分の重量平均分子量が100,00
    0以上、ゲル含有率が40重量%以上、膨潤度が15〜
    50倍であるゴム状重合体5〜80重量%の存在下に、
    シアン化ビニル系単量体および芳香族ビニル系単量体を
    必須成分とする単量体混合物20〜95重量%(合計1
    00重量%)を重合してなるグラフト共重合体であり、
    該グラフト共重合体のゴム状重合体の平均粒子径が15
    0〜400nm、グラフト率が15〜100重量%であ
    るグラフト共重合体10〜50重量部、および(C)シ
    アン化ビニル系単量体15〜40重量%、芳香族ビニル
    系単量体60〜85重量%およびこれらと共重合可能な
    少なくとも1種の他のビニル系単量体0〜20重量%
    (合計100重量%)からなる単量体混合物を重合して
    なる共重合体0〜50重量部、からなる樹脂組成物(た
    だし、(A)+(B)+(C)の合計量を100重量部
    とする。)であり、かつ該樹脂組成物中のゴム状重合体
    の含有量が5〜50重量%であることを特徴とする耐衝
    撃性および成形性に優れた熱可塑性樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006083290A (ja) * 2004-09-16 2006-03-30 Umg Abs Ltd 熱可塑性樹脂組成物およびその成形品

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