JPH1081647A - カルボン酸アルキルエステルの製造法 - Google Patents

カルボン酸アルキルエステルの製造法

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JPH1081647A
JPH1081647A JP9207313A JP20731397A JPH1081647A JP H1081647 A JPH1081647 A JP H1081647A JP 9207313 A JP9207313 A JP 9207313A JP 20731397 A JP20731397 A JP 20731397A JP H1081647 A JPH1081647 A JP H1081647A
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carboxylic acid
producing
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acid
esterification reaction
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JP9207313A
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Atsushi Niwa
淳 丹羽
Shinzo Imamura
伸三 今村
Nobuhiko Ito
信彦 伊藤
Akio Hasebe
昭雄 長谷部
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Soda Aromatic Co Ltd
Soda Koryo KK
Toray Industries Inc
Original Assignee
Soda Aromatic Co Ltd
Soda Koryo KK
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高純度のカルボン酸アルキルエステルを効率
よく製造する方法を提供する。 【解決手段】 カルボン酸と、アルコールとを、酸触媒
の存在下でエステル化反応させるカルボン酸アルキルエ
ステルの製造法において、酸触媒として固体酸触媒を用
い、エステル化反応の途中で、脱水工程を設けて反応系
内に生じた水を除き、その後改めてエステル化反応を再
開しエステル化反応を完結させることを特徴とするカル
ボン酸アルキルエステルの製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カルボン酸とアル
コールとからカルボン酸アルキルエステルを製造する方
法に関するものである。本発明では特にカルボン酸とし
てアルカン二酸を用い、アルカン二酸ジアルキルエステ
ルを製造する場合に好適であり、アルカン二酸ジアルキ
ルエステル類は医薬、農薬、香料、染料、液晶材料、高
分子材料などの中間体として好適に使用できる。
【0002】
【従来の技術】アルカン二酸ジアルキルエステルを酸触
媒の存在下製造する方法としては、アルカン二酸と1価
アルコールとを硫酸の存在下でエステル化する方法が知
られている(特開昭63−243060号公報)。ま
た、固体酸触媒を使用してエステルを製造する方法とし
ては、カルボン酸とアルコールとをイオン交換樹脂を触
媒としてエステル化する方法が知られている(特開昭6
3−297340号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開昭63−
243060号公報の製造法では、アルカン二酸ジアル
キルエステルの粗収率は約85〜95%と低く、その純
度も約90〜98%と低かった。また、生成したアルカ
ン二酸ジアルキルエステルの単離・精製には、アルカリ
による酸触媒の中和工程と、約13〜53Pa(0.1
〜0.4Torr)の高真空と117℃〜201℃の高
温条件を必要とする蒸溜工程を行わなければならず、経
済的に高純度のアルカン二酸ジアルキルエステルを高収
率で得ることはできなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
問題を解決するために鋭意検討した結果、エステル化反
応の途中で、脱水工程を設けて反応系内に生じた水を除
き、その後改めてエステル化反応を再開しエステル化反
応を完結させることによって、使用するアルコール量を
低減して、99%以上の高収率で99%以上の高純度の
アルカン二酸ジアルキルエステルを得ることができるこ
とを見出した。
【0005】また、酸触媒として固体酸触媒を使用する
ことによって、生成したアルカン二酸ジアルキルエステ
ルと酸触媒とが容易に分離できることを見出し、本発明
に想到した。
【0006】本発明は、カルボン酸と、1価アルコール
とを、酸触媒の存在下でエステル化反応させるカルボン
酸アルキルエステルの製造法において、エステル化反応
の途中で、反応液と酸触媒とが接触しない状態で脱水工
程を設けて反応系内に生じた水を除き、その後改めてエ
ステル化反応を再開しエステル化反応を完結させること
を特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明において、脱水工程は反応
液と酸触媒とが接触しない状態で設けることが好まし
い。反応液と酸触媒とが接触する状態で脱水工程を設け
ると、エステルの加水分解反応が起こり収率が低下する
恐れがある。
【0008】本発明において、エステル化反応の途中で
反応液と触媒とが接触しない状態にする方法について
は、特に限定はなく、中和、濾過などの方法が用いられ
る。
【0009】本発明において、エステル化反応の途中で
設ける脱水工程の回数については、特に限定されるもの
ではないが、作業効率の点から1〜3回が好ましい。脱
水工程の回数が4回以上では、作業効率が低下する傾向
がある。
【0010】本発明において、エステル化反応の途中
で、脱水工程を設ける時期については、エステル化反応
の途中で設ける脱水工程の回数が1回の場合、アルコー
ルの使用量を低減する点から、アルカン二酸のアルカン
二酸ジアルキルエステルへの転化率が85〜95%とな
った時点が好ましく、90〜94%となった時点がより
好ましい。
【0011】本発明において、脱水工程の脱水方法につ
いては、特に限定はなく、減圧溜去、分液、遠心分離、
モレキュラーシーブや硫酸マグネシウムなどの脱水剤と
の接触などの方法が用いられる。
【0012】本発明において、脱水工程の脱水の度合に
ついては、アルコールの使用量を低減する点から、再開
したエステル化反応の開始時点で反応混合液の水分率が
0.5%以下になるまで脱水することが好ましく、0.
1%以下にすることがより好ましい。
【0013】本発明で用いられる酸触媒は、好ましくは
固体酸触媒である。固体酸触媒としては、シリカゲル、
アルミナ、ゼオライト、ヘテロポリ酸、弱酸性イオン交
換樹脂、強酸性イオン交換樹脂が挙げられ、特に強酸性
イオン交換樹脂が好ましい。
【0014】本発明で好ましく用いられる強酸性イオン
交換樹脂は、ベンゼンスルホン酸型イオン交換樹脂が挙
げられる。このような強酸性イオン交換樹脂の具体的な
例として、三菱化学製商品名「ダイヤイオン」SKシリ
ーズ、同「ダイヤイオン」PKシリーズ、オルガノ製商
品名「アンバーライト」IR−120B、同「アンバー
リスト」15E、ダウケミカル製商品名「ダウエック
ス」50Wシリーズ、などが挙げられるが、これらに限
定されるものではない。これらのうちより好ましいもの
は、三菱化学製商品名「ダイヤイオン」PKシリーズで
あり、特に「ダイヤイオン」PK−220−Hがさらに
好ましい。また、これらの強酸性イオン交換樹脂を混合
して使用することもできる。
【0015】本発明で好ましく用いられる強酸性イオン
交換樹脂は、必要に応じ硫酸、塩酸、硝酸などの鉱酸類
で再生して用いられる。
【0016】本発明で好ましく用いられるカルボン酸は
アルカン二酸であり、一般式HOOC−X−COOH
(式中、Xは炭素数6から14の直鎖、分枝または環状
のアルキル鎖を表す。)で表されるアルカン二酸であ
る。このようなアルカン二酸としては、オクタン二酸、
ノナン二酸、デカン二酸、ウンデカン二酸、ドデカン二
酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン
二酸、ヘキサデカン二酸の直鎖アルカン二酸類;メチル
オクタン二酸類、エチルオクタン二酸類、メチルノナン
二酸類、エチルノナン二酸類、メチルデカン二酸類、エ
チルデカン二酸類、メチルウンデカン二酸類、エチルウ
ンデカン二酸類、メチルドデカン二酸類、エチルドデカ
ン二酸類、メチルトリデカン二酸類、エチルトリデカン
二酸類、メチルテトラデカン二酸類、エチルテトラデカ
ン二酸類、メチルペンタデカン二酸類などの分枝アルカ
ン二酸類;シクロブタン二酢酸類、シクロヘキサンジカ
ルボン酸類、シクロヘキサン二酢酸類、ビシクロヘキサ
ンジカルボン酸類などのシクロアルカンジカルボン酸類
が挙げられる。これらのうちより好ましいものは、デカ
ン二酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二
酸およびテトラデカン二酸である。
【0017】本発明で用いられる1価アルコールは、炭
素数1から4の直鎖または分枝の1価アルコールが好ま
しい。このような1価アルコールとしては、メタノー
ル、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノー
ル、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1
−プロパノール、2−メチル−2−プロパノールが挙げ
られる。これらのうちより好ましいものは、メタノー
ル、エタノールである。
【0018】本発明の反応温度は、通常50〜100℃
であるが、60〜80℃の範囲が好ましい。反応温度が
50℃未満では、反応が十分進行しないため収率が低下
する。また反応温度が100℃を超えると、酸触媒が失
活する恐れがある。
【0019】本発明の反応圧力は0.05〜0.5MP
a(0.5〜5気圧)の間で変動させることができる
が、0.1〜0.2MPa(1〜2気圧)の範囲が好ま
しい。
【0020】本発明の反応は、バッチ法、流通法のいず
れの方式でも実施することができる。
【0021】本発明の製造法をバッチ法で実施する場
合、アルカン二酸:1価アルコール:酸触媒の重量:重
量:体積比は、エステル化反応の途中で脱水工程を設け
る回数、その時期および最終的なアルカン二酸の収率に
より異なるが、エステル化反応の途中で脱水工程を設け
る回数が1回で、その時点のアルカン二酸ジアルキルエ
ステルへの転化率が93%であり、最終的なアルカン二
酸ジアルキルエステルの収率が99%に達する場合、第
一段目の反応においては、アルカン二酸:1価アルコー
ル:酸触媒の重量:重量:体積比は1:(0.8〜
4):(0.5〜10)[g/ml]の範囲が好まし
く、第二段目の反応においては、アルカン二酸:1価ア
ルコール:酸触媒の重量:重量:体積比は1:(0.8
〜2):(0.5〜10)[g/ml]の範囲が好まし
い。1価アルコールの量が上記の範囲より少ないと、ア
ルカン二酸ジアルキルエステルの収率が低くなり、上記
の範囲より多いとアルカン二酸ジアルキルエステルの精
製の際に大過剰の1価アルコールを除去しなければなら
ず、長い時間と大きな装置を必要とする。酸触媒の量が
上記の範囲より少ないと反応の進行が遅くアルカン二酸
ジアルキルエステルの収率が低下し、上記の範囲より多
いと単位触媒あたりのアルカン二酸ジアルキルエステル
の生成量が低下し効率が悪い。
【0022】さらに、第一段目の反応においては、アル
カン二酸:1価アルコール:酸触媒の重量:重量:体積
比は1:(1〜2):(2〜5)[g/ml]の範囲が
より好ましく、第二段目の反応においては、アルカン二
酸:1価アルコール:酸触媒の重量:重量:体積比は
1:(1〜1.5):(1〜3)[g/ml]の範囲が
好ましい。
【0023】本発明の製造法を流通法で実施する場合、
アルカン二酸:1価アルコールの重量比は、エステル化
反応の途中で脱水工程を設ける回数、その時期および最
終的なアルカン二酸の収率により異なるが、エステル化
反応の途中で脱水工程を設ける回数が1回で、その時点
のアルカン二酸ジアルキルエステルへの転化率が93%
であり、最終的なアルカン二酸ジアルキルエステルの収
率が99%に達する場合、第一段目の反応においては、
アルカン二酸:1価アルコールの重量比は1:(2〜
4)の範囲が好ましく、第二段目の反応においては、ア
ルカン二酸:1価アルコールの重量比は1:(0.8〜
2)の範囲が好ましい。またこの場合、反応液流通量を
示すSV値は、アルカン二酸と1価アルコールとの重量
比によって異なるが、第一段目の反応も第二段目の反応
もいずれもSV=0.3〜0.8/hの範囲が好まし
い。1価アルコールの量が上記の範囲より少ないと、ア
ルカン二酸ジアルキルエステルの収率が低くなるし、ア
ルカン二酸の溶解性が悪くなり流通法での実施が困難に
なる。また、上記の範囲より多いとアルカン二酸ジアル
キルエステルの精製の際に、大過剰の1価アルコールを
除去しなければならず長い時間と大きな装置を必要とす
る。SVの値が上記の範囲より大きくなると反応が十分
に進行せず収率が低下し、SVの値が上記の範囲より小
さいと単位時間当たりのアルカン二酸ジアルキルエステ
ルの生成量が少なくなり効率が悪くなる。
【0024】さらに、第一段目の反応においては、アル
カン二酸:1価アルコールの重量比は1:(3〜4)の
範囲がより好ましく、第二段目の反応においては、アル
カン二酸:1価アルコールの重量比は1:(1〜1.
2)の範囲がより好ましい。SV値は、第一段目の反応
も第二段目の反応もいずれもSV=0.4〜0.6/h
の範囲がより好ましい。
【0025】本発明の製造法をバッチ法で実施する場
合、エステル化反応終了後、濾過により固体酸触媒を分
離し、得られた濾液から未反応の1価アルコールおよび
生成した水を常圧もしくは減圧で溜去してアルカン二酸
ジアルキルエステルを単離することができる。
【0026】本発明の製造法を流通法で実施する場合、
固体酸触媒槽を流通させた後、反応液から未反応の1価
アルコールおよび生成した水を常圧もしくは減圧で溜去
してアルカン二酸ジアルキルエステルを単離することが
できる。
【0027】本発明により得られるアルカン二酸ジアル
キルエステルは、医薬、農薬、香料、染料、液晶材料、
高分子材料などの中間体として好適に使用できるが、典
型例として香料に用いられる大環状ラクトン化合物を得
る原料として好ましく用いられる。
【0028】
【実施例】次に、実施例および比較例を挙げて本発明を
さらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限
定されるものではない。 実施例1 市販のイオン交換樹脂「ダイヤイオン」PK−220
を、2N塩酸で酸性型に再生した。水冷冷却管の付いた
200mlの3頚フラスコに、ドデカン二酸10g、メ
タノール10g、再生型の「ダイヤイオン」PK−22
0を20ml入れ、メカニカルスターラで攪拌しながら
6時間環流(64℃)した。反応液をガスクロマトグラ
フィで分析したところドデカン二酸のドデカン二酸ジメ
チルエステルへの転化率は90.12%であった。反応
液を濾過して得られた濾液をロータリーエバポレータで
減圧濃縮して無色固体の残渣を11.10g得た。この
残渣の水分比は0.1%であった。以上のようにして得
られた残渣を、メタノール10g、再生型のPK−22
020mlとともに、水冷冷却管の付いた200mlの
3頚フラスコに入れ、メカニカルスターラで攪拌しなが
ら6時間環流(64℃)した。反応液をガスクロマトグ
ラフィで分析したところドデカン二酸のドデカン二酸ジ
メチルエステルへの転化率は99.23%であった。反
応液を濾過して得られた濾液をロータリーエバポレータ
で減圧濃縮した後、真空乾燥器で4時間乾燥し無色固体
の残渣を11.22g得た。この残渣をガスクロマトグ
ラフィで分析したところ、ドデカン二酸ジメチルエステ
ルの純度は99.19%であった。この純度から求めら
れるドデカン二酸ジメチルエステルの収率は99.20
%であった。
【0029】実施例2 直径12mm、長さ200mmの両端の開いたステンレ
ス管に実施例1と同様の方法で再生した「ダイヤイオ
ン」PK−220を17ml入れ、このステンレス管を
60℃の恒温槽内に設置した。ドデカン二酸10gをメ
タノール40gに溶解した溶液を、定量ポンプで上記の
ステンレス管に一時間あたり8.5ml通液した(SV
=0.5/h)。ステンレス管から流出する液を採取
し、この液をガスクロマトグラフィで分析したところド
デカン二酸のドデカン二酸ジメチルエステルへの転化率
は93.17%であった。この液をロータリーエバポレ
ータで減圧濃縮して無色固体の残渣を11.14g得
た。この残渣の水分比は0.1%であった。以上のよう
にして得られた残渣をメタノール10gに溶解し、定量
ポンプで上記のステンレス管に一時間あたり8.5ml
通液した(SV=0.5/h)。ステンレス管から流出
する液を採取し、この液をガスクロマトグラフィで分析
したところドデカン二酸のドデカン二酸ジメチルエステ
ルへの転化率は99.21%であった。この液をロータ
リーエバポレータで減圧濃縮した後、真空乾燥器で4時
間乾燥し無色固体の残渣を11.21g得た。この残渣
をガスクロマトグラフィで分析したところ、ドデカン二
酸ジメチルエステルの純度は99.25%であった。こ
の純度から求められるドデカン二酸ジメチルエステルの
収率は99.17%であった。
【0030】比較例1 水冷冷却管の付いた200mlの3頚フラスコに、ドデ
カン二酸10g、メタノール80g、再生型の「ダイヤ
イオン」PK−220を50ml入れ、メカニカルスタ
ーラで攪拌しながら6時間環流(64℃)した。反応液
をガスクロマトグラフィで分析したところドデカン二酸
のドデカン二酸ジメチルエステルへの転化率は99.1
7%であった。反応液を濾過して得られた濾液をロータ
リーエバポレータで減圧濃縮した後、真空乾燥器で4時
間乾燥し無色固体の残渣を11.21g得た。この残渣
をガスクロマトグラフィで分析したところ、ドデカン二
酸ジメチルエステルの純度は99.16%であった。こ
の純度から求められるドデカン二酸ジメチルエステルの
収率は99.08%であった。
【0031】比較例2 直径12mm、長さ200mmの両端の開いたステンレ
ス管に再生型の「ダイヤイオン」PK−220を17m
l入れ、このステンレス管を60℃の恒温槽内に設置し
た。ドデカン二酸10gをメタノール80gに溶解した
溶液を、定量ポンプで上記のステンレス管に一時間あた
り7ml通液した(SV=0.41/h)。ステンレス
管から流出する液を採取し、この液をガスクロマトグラ
フィで分析したところドデカン二酸のドデカン二酸ジメ
チルエステルへの転化率は99.11%であった。この
液をロータリーエバポレータで減圧濃縮した後、真空乾
燥器で4時間乾燥し無色固体の残渣を11.21g得
た。この残渣をガスクロマトグラフィで分析したとこ
ろ、ドデカン二酸ジメチルエステルの純度は99.07
%であった。この純度から求められるドデカン二酸ジメ
チルエステルの収率は98.99%であった。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、使用するアルコール量
を低減でき、しかも高純度のカルボン酸アルキルエステ
ルを高収率で製造でき、その具体例であるアルカン二酸
ジアルキルエステルは、医薬、農薬、香料、染料、液晶
材料、高分子材料などの中間体として好適に使用でき
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 信彦 千葉県野田市船形1573−4 曽田香料株式 会社野田支社内 (72)発明者 長谷部 昭雄 千葉県野田市船形1573−4 曽田香料株式 会社野田支社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルボン酸と、アルコールとを、酸触媒
    の存在下でエステル化反応させるカルボン酸アルキルエ
    ステルの製造法において、酸触媒として固体酸触媒を用
    い、エステル化反応の途中で、脱水工程を設けて反応系
    内に生じた水を除き、その後改めてエステル化反応を再
    開しエステル化反応を完結させることを特徴とするカル
    ボン酸アルキルエステルの製造法。
  2. 【請求項2】 カルボン酸と、アルコールとを、酸触媒
    の存在下でエステル化反応させるカルボン酸アルキルエ
    ステルの製造法において、カルボン酸としてアルカン二
    酸を用い、エステル化反応の途中で、脱水工程を設けて
    反応系内に生じた水を除き、その後改めてエステル化反
    応を再開しエステル化反応を完結させることを特徴とす
    るカルボン酸アルキルエステルの製造法。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載のカルボ
    ン酸アルキルエステルの製造法において、反応液と酸触
    媒とが接触しない状態で脱水工程を設けることを特徴と
    する製造法。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2に記載のカルボ
    ン酸アルキルエステルの製造法において、脱水工程を設
    ける回数が1回以上であることを特徴とする製造法。
  5. 【請求項5】 請求項1または請求項2に記載のカルボ
    ン酸アルキルエステルの製造法において、脱水工程で、
    再開したエステル化反応の開始時点での反応混合物の水
    分率が0.5%以下になるまで脱水することを特徴とす
    る製造法。
  6. 【請求項6】 請求項2に記載のカルボン酸アルキルエ
    ステルの製造法において、酸触媒が固体酸触媒であるこ
    とを特徴とする製造法。
  7. 【請求項7】 請求項1または請求項6に記載のカルボ
    ン酸アルキルエステルの製造法において、固体酸触媒が
    強酸性イオン交換樹脂であることを特徴とする製造法。
  8. 【請求項8】 請求項2に記載のカルボン酸アルキルエ
    ステルの製造法において、アルカン二酸が、一般式HO
    OC−X−COOH(式中、Xは炭素数6から14の直
    鎖、分枝または環状のアルキル鎖を表す。)で表される
    アルカン二酸であることを特徴とする製造法。
  9. 【請求項9】 請求項1または2に記載のカルボン酸ア
    ルキルエステルの製造法において、アルコールが1価ア
    ルコールであることを特徴とする製造法。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載のカルボン酸アルキル
    エステルの製造法において、1価アルコールが炭素数1
    から4の直鎖または分枝の1価アルコールであることを
    特徴とする製造法。
  11. 【請求項11】 請求項9に記載のカルボン酸アルキル
    エステルの製造法において、1価アルコールが水より沸
    点の低い1価アルコールであることを特徴とする製造
    法。
JP9207313A 1996-07-18 1997-07-16 カルボン酸アルキルエステルの製造法 Pending JPH1081647A (ja)

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JP20773696 1996-07-18
JP8-207736 1996-07-18
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JP2005255584A (ja) * 2004-03-10 2005-09-22 Kuraray Co Ltd ラクトン骨格含有(メタ)アクリル酸エステルの製造方法
JP2007204372A (ja) * 2006-01-31 2007-08-16 National Institute Of Advanced Industrial & Technology ニコチン酸エステル化合物の製造方法
JP2014162758A (ja) * 2013-02-26 2014-09-08 Toray Fine Chemicals Co Ltd 高純度酒石酸ジアルキルエステルの製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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