JPH1081592A - シリコン単結晶製造装置 - Google Patents

シリコン単結晶製造装置

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JPH1081592A
JPH1081592A JP24849896A JP24849896A JPH1081592A JP H1081592 A JPH1081592 A JP H1081592A JP 24849896 A JP24849896 A JP 24849896A JP 24849896 A JP24849896 A JP 24849896A JP H1081592 A JPH1081592 A JP H1081592A
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Kiyotaka Takano
清隆 高野
Hirotoshi Yamagishi
浩利 山岸
Makoto Kuramoto
誠 蔵本
Tsunehisa Machida
倫久 町田
Yutaka Shiraishi
裕 白石
Junichi Matsubara
順一 松原
Akihiro Iida
哲広 飯田
Nobumitsu Takase
伸光 高瀬
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大口径のシリコン単結晶を製造する場合にお
いて、ルツボ回転軸からチャンバー下部へ漏洩する熱量
を抑制することにより、ヒーターの発熱量を低減させる
ことができるシリコン単結晶製造装置を提供する。 【解決手段】 多結晶シリコンを充填するルツボと、該
ルツボを支持するルツボ回転軸とを備え、前記ルツボ内
の多結晶シリコンからCZ法によりシリコン単結晶を製
造するシリコン単結晶製造装置において、前記ルツボ回
転軸に、軸方向の熱伝導を抑制する低熱伝導部材が介在
配置されていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チョクラルスキー
法により、多結晶シリコンからシリコン単結晶を育成す
るシリコン単結晶製造装置、特に、大口径の単結晶シリ
コンを製造するシリコン単結晶製造装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】多結晶シリコン塊または粒状多結晶シリ
コンからシリコン単結晶を育成する方法として、チョク
ラルスキー法(以下、「CZ法」という。)がある。こ
のCZ法を利用したシリコン単結晶製造装置として、従
来から図3に示す装置が一般的に知られており、シリコ
ン単結晶は次のように製造される。多結晶シリコン塊あ
るいは粒状多結晶シリコンをチャンバー内に配した石英
ルツボ303内部に充填し、石英ルツボ303を所定の
速度で回転させる。次に、石英ルツボ303の周囲に設
けられたヒーター309により、カーボンまたはカーボ
ン繊維強化複合材からなるルツボ305を加熱し、石英
ルツボ内の温度をシリコンの融点(1412℃)以上に
保持する。これにより、石英ルツボ303内の多結晶シ
リコンは融解することになる。この融解した多結晶シリ
コン(シリコン融液)307に、チャンバー上部から引
上げワイヤー319によって吊り下げられた種結晶30
8を接触させ、熱的に平衡状態となるようにヒーター3
09のパワーを調節する。その後、パワーを若干低下さ
せた状態で、種結晶308を所定速度で回転させつつ引
上げワイヤー319により上昇させると、直径2〜3m
mの絞り部分の下端にシリコン単結晶321が育成され
る。このようなCZ法を利用した従来のシリコン単結晶
製造装置により工業的に量産されているシリコン単結晶
の最大直径は、約200mmである。
【0003】ここで、ルツボ回転軸315は、多結晶シ
リコンを充填した石英ルツボ303を支持するととも
に、ルツボを回転させる際の中心軸となるため、ルツボ
回転軸の素材としては、高強度性が要求される。また、
1000℃以上の高温下に晒されるため、高耐熱性も要
求される。このため、シリコン単結晶製造装置のルツボ
回転軸には、一般的に高強度性及び高耐熱性を有するカ
ーボンが素材として用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】カーボンは、高強度性
を有する点で優れており、ルツボ回転軸の素材として利
用されているが、同時に高熱伝導性を有するという性質
がある。このため、ルツボ内の熱量は、カーボン製のル
ツボ回転軸に伝達され、更にルツボ回転軸の軸方向に沿
って下部の金属シャフト316に伝達される。ここで、
金属製シャフトは水で冷却されており、このため、ヒー
ターから発熱した熱量は、この金属製シャフトから漏洩
されてしまう。尚、この熱損失は、ヒーターから発熱し
た全熱量の約10%であることが知られている。
【0005】直径約200mm程度の小口径のシリコン
単結晶を製造する場合、ルツボに充填する多結晶シリコ
ンは少量で済み、ルツボは大容量を必要としない。この
ため、ルツボを支持するルツボ回転軸も小径で済む。ま
た、多結晶シリコンを融解するために必要なヒーターの
発熱量も少量で済むことになる。従って、従来からのシ
リコン単結晶製造装置で、小口径のシリコン単結晶を製
造する場合、チャンバー下部から漏洩する熱量は、誤差
の範囲内となり、熱損失により、ルツボ内の温度がシリ
コンの融点以下に下がることは少ない。
【0006】一方、近年、直径12インチ以上の大口径
のシリコン単結晶の製造が試みられている。しかし、大
口径のシリコン単結晶を製造する場合、融解する多結晶
シリコンは大量となり、これに応じてルツボの容量も大
きくなるため、ルツボを支持し、かつ回転の中心軸とな
るルツボ回転軸は、これらの重量を支えるため、必然的
に大径にする必要がある。また、大量の多結晶シリコン
を融解するためには、ヒーターからの熱量が多量に必要
となってくる。このため、約10%の熱損失は、誤差の
範囲を超え、漏洩する熱量により、ルツボ内の温度をシ
リコンの融点以上に保持することができなくなる。ルツ
ボ内の温度がシリコンの融点以下に下がると、多結晶シ
リコンを融解することができず、従ってシリコン単結晶
を製造することができなくなるため、ヒーターの発熱量
を増大させ、ルツボ内の温度をシリコンの融点以上に保
持する必要がある。このため、従来のシリコン単結晶製
造装置で、大口径のシリコン単結晶を製造する場合、そ
の製造コストが増大することになる。このため、大口径
のシリコン単結晶の製造は、小口径のシリコン単結晶製
造と比較して、製造コストの面で実現が困難であるとい
う問題があった。
【0007】本発明は、このような問題点に鑑みてなさ
れたものであり、大口径のシリコン単結晶を製造する場
合において、ルツボ回転軸からチャンバー下部へ漏洩す
る熱量を抑制することにより、ヒーターの発熱量を低減
させることができるシリコン単結晶製造装置を提供する
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ため、請求項1に係る発明は、多結晶シリコンを充填す
るルツボと、該ルツボを支持するルツボ回転軸とを備
え、前記ルツボ内の多結晶シリコンからCZ法によりシ
リコン単結晶を製造するシリコン単結晶製造装置におい
て、前記ルツボ回転軸に、軸方向の熱伝導を抑制する低
熱伝導部材が介在配置されていることを特徴とするシリ
コン単結晶製造装置を提供する。
【0009】本発明は、ルツボ回転軸に低熱伝導部材を
介在配置したシリコン単結晶製造装置であり、低熱伝導
部材によって、ルツボ回転軸下部から漏洩する熱量を低
減するものである。
【0010】本発明では、ルツボ回転軸に軸方向の熱伝
導を抑制する低熱伝導部材を介在配置させている。この
ため、ヒーターからルツボに伝達される熱量の一部は、
ルツボからルツボ回転軸に伝達されてしまうが、ルツボ
に配置された低熱伝導部材が熱伝導を抑制する。このた
め、ルツボ回転軸の軸方向への熱伝導が減少し、その結
果、ルツボ回転軸の下部から漏洩する熱量は低減され
る。また、ルツボ回転軸には、ルツボから伝達される熱
量の他に、ヒーターから直接熱量が輻射伝熱により伝達
されてくる。この場合においても、ルツボ回転軸に介在
配置された低熱伝導部材により、ルツボ回転軸下部への
熱伝達を減少させることができ、ルツボ回転軸下部から
漏洩する熱量を低減することができる。このように、低
熱伝導部材をルツボ回転軸に介在配置させることによっ
て、ルツボ回転軸下部から漏洩する熱量を低減できるた
め、ルツボ内の多結晶シリコンに加わる熱量を維持し、
ルツボ内の温度をシリコンの融点以上に保持することが
できる。言い換えると、ルツボ回転軸に配置された低熱
伝導部材により、ルツボ回転軸下部から漏洩する熱量が
低減されるため、熱損失を考慮してヒーターの発熱量を
多量に必要とすることがなくなり、その結果、大口径の
シリコン単結晶を製造する場合でも、製造コストが減少
することになる。
【0011】ここで、「軸方向の熱伝導を抑制する」と
は、ルツボ回転軸上部と下部との間の熱伝達を減少させ
ること、または遮断することをいう。また、「介在配置
されている」とは、低熱伝導部材がルツボ回転軸を構成
する部材の間に配置されていることをいい、これによ
り、軸方向の熱伝達を抑制することができる。例えば、
低熱伝導部材をルツボ回転軸を構成する部材で鋏合わせ
て結合させるように構成することができる。また、低熱
伝導部材をルツボ回転軸の複数の箇所に配置させるよう
に構成してもよい。
【0012】ルツボ回転軸の材質は、特に限定されるも
のではないが、ルツボ回転軸がルツボを支持し回転中心
となるものであるため、高強度性を有する材質であるこ
とが好ましく、例えば、カーボン等を用いることができ
る。
【0013】低熱伝導部材は、熱伝導を減少させること
ができる材質のものであれば、特に限定されるものでは
ないが、ルツボを支持し回転中心となるルツボ回転軸の
一部を構成するため、低熱伝導性とともに高強度性を有
する材質であることが好ましい。例えば、ルツボ回転軸
の材質をカーボンとした場合には、カーボン繊維強化複
合材を用いることで本発明の効果を達成することができ
る。
【0014】請求項2に係る発明は、請求項1に記載の
シリコン単結晶製造装置において、前記ルツボ回転軸が
カーボンで形成され、前記低熱伝導部材が、カーボン繊
維強化複合材で形成されていることを特徴とするシリコ
ン単結晶製造装置を提供するものである。
【0015】本発明では、ルツボ回転軸をカーボンで構
成し、低熱伝導部材をカーボン繊維強化複合材で構成す
ることにより、ルツボ回転軸が高強度かつ低熱伝導性を
保持するものである。大口径のシリコン単結晶を製造す
る場合において、ルツボの容量が大きくなり、またルツ
ボ内に充填する多結晶シリコンも多量となる。このた
め、ルツボを支持し回転中心となるルツボ回転軸は、ル
ツボとルツボ内の多結晶シリコンの重量を支えるため、
大径、かつ高強度性を有することが必要である。更に、
ルツボ回転軸の高強度性を維持するためには、ルツボ回
転軸に介在配置する低熱伝導部材も高強度性を有するこ
とが必要である。
【0016】請求項3に係る発明は、前記ルツボ回転軸
が全てカーボン繊維強化複合材で形成されていることを
特徴とするシリコン単結晶製造装置を提供する。本発明
では、高強度性を有する部材として、カーボンをルツボ
回転軸の素材とし、高強度性かつ低熱伝導性を有する部
材として、カーボン繊維強化複合材を低熱伝導部材とし
て構成している。このため、大口径のシリコン単結晶を
製造する場合に、高強度性を保持しながら、ルツボ回転
軸下部から漏洩する熱量を低減することができ、その結
果、シリコン単結晶の製造コストを低減することができ
る。
【0017】請求項4に係る発明は、多結晶シリコンを
充填するルツボと、該ルツボを支持する中空のルツボ回
転軸とを備え、前記ルツボ内の多結晶シリコンからCZ
法によりシリコン単結晶を製造するシリコン単結晶製造
装置において、前記ルツボ回転軸に、軸方向の熱伝導を
抑制する環状低熱伝導部材が介在配置され、前記ルツボ
回転軸及び環状低熱伝導部材の中空部に断熱材が充填さ
れていることを特徴とするシリコン単結晶製造装置を提
供する。
【0018】本発明は、中空型のルツボ回転軸を有し、
ルツボ回転軸に環状低熱伝導部材を介在配置するととも
に、中空部に断熱材を充填したシリコン単結晶装置であ
り、環状低熱伝導部材及び断熱材によって、ルツボ軸下
部から漏洩する熱量を低減するものである。
【0019】ルツボ回転軸として使用する材料の性質及
び価格の面から、中空部を有さない一体型のルツボ回転
軸よりも、中空部を有する中空型のルツボ回転軸を使用
することが、高強度性の維持及び製造コストの低減を図
る上で優れている場合がある。例えば、カーボン繊維強
化複合材は、一般のカーボンと比較して、弾性度が高
く、かつ高額であることから、中空型ルツボ回転軸に使
用した方がより高強度性の維持及び製造コストの低減を
図ることができる。本発明では、このような中空型ルツ
ボ回転軸に軸方向の熱伝導を抑制する低熱伝導部材を介
在配置させている。このため、ヒーターからルツボに伝
達される熱量の一部は、ルツボからルツボ回転軸に伝達
されてしまうが、ルツボに配置された低熱伝導部材が熱
伝導を抑制する。このため、ルツボ回転軸の軸方向への
熱伝導が減少し、その結果、ルツボ回転軸の下部から漏
洩する熱量が低減される。また、ルツボ回転軸には、ル
ツボから伝達される熱量の他に、ヒーターから直接、輻
射伝熱により熱量が伝達されてくる。この場合において
も、ルツボ回転軸に介在配置された低熱伝導部材によ
り、ルツボ回転軸下部への熱伝達を減少させることがで
き、ルツボ回転軸下部から漏洩する熱量を低減すること
ができる。
【0020】また、本発明では、ルツボ回転軸及び環状
低熱伝導部材の中空部に断熱材が充填されている。ルツ
ボ回転軸は中空部を有するため、ルツボ下部及びルツボ
回転軸に囲まれた中空部内で輻射伝熱が発生することが
考えられる。しかし、ルツボ回転軸の中空部には断熱材
が充填されているため、輻射熱の発生が抑制され、ルツ
ボ下部及びルツボ回転軸から、ルツボ軸下部への熱伝達
を減少あるいは遮断させることができる。このように、
ルツボ回転軸に配置された環状低熱伝導部材と、ルツボ
回転軸及び環状低熱伝導部材の中空部に充填された断熱
材によって、ルツボ回転軸下部から漏洩する熱量が低減
されるため、熱損失を考慮してヒーターの発熱量を多量
に必要とすることがなくなり、その結果、大口径のシリ
コン単結晶を製造する場合でも、製造コストは減少する
ことになる。
【0021】ここで、「軸方向の熱伝導を抑制する」と
は、ルツボ回転軸上部と下部との間の熱伝達を減少させ
ること、または遮断することをいう。また、「介在配置
されている」とは、環状低熱伝導部材がルツボ回転軸を
構成する部材の間に配置されていることをいい、これに
より、軸方向の熱伝達を抑制することができる。例え
ば、環状低熱伝導部材をルツボ回転軸を構成する部材で
鋏合わせて結合させるように構成することができる。ま
た、環状低熱伝導部材をルツボ回転軸の複数の箇所に配
置させるように構成してもよい。
【0022】ルツボ回転軸の材質は、特に限定されるも
のではないが、ルツボ回転軸がルツボを支持し回転中心
となるものであるため、高強度性を有する材質であるこ
とが好ましく、例えば、カーボン等を用いることができ
る。
【0023】低熱伝導部材は、熱伝導を減少させること
ができる材質のものであれば、特に限定されるものでは
ないが、ルツボを支持し回転中心となるルツボ回転軸の
一部を構成するため、低熱伝導性とともに高強度性を有
する材質であることが好ましい。例えば、ルツボ回転軸
の材質をカーボンとした場合には、カーボン繊維強化複
合材を用いることで本発明の効果を達成することができ
る。
【0024】断熱材は、熱量の伝達を低減または遮断す
ることができるものであれば、その構成は特に限定され
るものではなく、例えば、断熱マット、耐熱性材料の繊
維からなる低熱伝導率不織布等を用いることができる。
【0025】請求項5にかかる発明は、請求項3に記載
されたシリコン単結晶製造装置において、前記ルツボ回
転軸がカーボンで形成され、前記環状低熱伝導部材が、
カーボン繊維強化複合材で形成されていることを特徴と
するシリコン単結晶製造装置を提供する。
【0026】本発明では、中空のルツボ回転軸を使用し
た場合に、ルツボ回転軸をカーボンで構成し、環状低熱
伝導部材をカーボン繊維強化複合材で構成することによ
り、ルツボ回転軸が高強度かつ低熱伝導性を有するもの
である。大口径のシリコン単結晶を製造する場合には、
請求項2に係る発明と同様に、ルツボ回転軸は、高強度
性を有すること、ルツボ回転軸に介在配置する環状低熱
伝導部材も高強度性を有することが必要である。本発明
では、高強度性を有する部材として、カーボンをルツボ
回転軸の素材とし、高強度性かつ低熱伝導性を有する部
材として、カーボン繊維強化複合材を環状低熱伝導部材
として構成しているため、大口径のシリコン単結晶を製
造する場合において、高強度性を保持しながら、ルツボ
回転軸下部から漏洩する熱量を低減することができ、そ
の結果、製造コストを減少させることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、図示例とともに本発明の好
ましい実施の形態について説明する。
【0028】本発明の第一の実施形態は、いわゆる一体
型のルツボ回転軸を有するシリコン単結晶製造装置であ
り、その概略構成を図1に示す。
【0029】チャンバー1内部には、多結晶シリコンを
充填するための石英ルツボ3が、カーボンまたはカーボ
ン繊維強化複合材からなるルツボ5に支持されている。
この石英ルツボ3は、大口径のシリコン単結晶を製造す
るため、少なくとも12インチ以上の口径を有してい
る。更に、石英ルツボ3を保持するカーボンまたはカー
ボン繊維強化複合材からなるルツボ5は、ルツボ回転軸
15に支持されている。ルツボ回転軸15は、水で冷却
された金属シャフト19上に設置されており、かつ金属
シャフト19によって回転可能に構成されている。従っ
て、石英ルツボ3は、ルツボ回転軸15を中心軸とし
て、回転することができる。また、ルツボ回転軸15
は、カーボンを素材として構成されており、軸方向の熱
伝導を抑制するための低熱伝導部材として、カーボン繊
維強化複合材17がカーボンに鋏合わせられるよう結合
されている。石英ルツボ3は、ヒーター9によって包囲
されており、ヒーター9からの発熱が、石英ルツボ3に
伝達されることになる。石英ルツボ3内の多結晶シリコ
ンの上部には、引上げワイヤー25により種結晶ホルダ
10が吊り下げられており、種結晶ホルダ10には、種
結晶8が保持されている。この種結晶8は、引上げワイ
ヤー25により、上昇及び下降が可能である。
【0030】次に、本実施形態のシリコン単結晶製造装
置を使用した場合のシリコン単結晶の製造方法について
説明する。
【0031】まず、多結晶シリコンを石英ルツボ3内に
充填した後、ヒーターを発熱させ、石英ルツボ3を加熱
することにより、石英ルツボ3内の多結晶シリコンをシ
リコンの融点(1412℃)以上に熱して融解する。次
に、種結晶8を引上げワイヤー25により下降し、融解
したシリコン融液中7に浸着させた後、熱的に平行とな
るようにヒーター9のパワーを調節する。その後、パワ
ーを若干低下させた状態で、種結晶8を所定速度で回転
させつつ、引上げワイヤー25により、所定の速度で種
結晶8の引上げを開始する。このとき、直径2〜3mm
の絞り部分の下端にシリコン単結晶6が育成される。
【0032】ここで、石英ルツボ3は、ヒーター9によ
り加熱されているが、石英ルツボ3内の熱量は、ルツボ
回転軸15に伝達される。石英ルツボ3から伝達された
熱量は、ルツボ回転軸15の上部から下部に軸方向に沿
って伝達されることになる。しかし、ルツボ回転軸15
の途中には、低熱伝導部材としてのカーボン繊維強化複
合材17が設けられているため、このカーボン繊維強化
複合材17より下部に伝達される熱量は、低減されるこ
とになる。このためチャンバー1の下部から漏洩する熱
量も減少することになり、石英ルツボ3内の温度がシリ
コンの融点以上に保持されることになる。従って、熱の
漏洩を考慮して、ヒーター9の発熱量を増大させる必要
はなくなる。
【0033】本発明の第二の実施形態は、中空部のある
ルツボ回転軸を有するシリコン単結晶製造装置であり、
石英ルツボ、ルツボ回転軸及びホットゾーンの概略構成
を図2に示す。
【0034】ルツボ回転軸29は、カーボンを素材とし
て構成されており、中空部33を有している。ルツボ回
転軸29には、軸方向の熱伝導を抑制するための環状低
熱伝導部材として、環状のカーボン繊維強化複合材31
がカーボンに鋏合わせられるよう結合されている。更に
ルツボ回転軸29及び環状のカーボン繊維強化複合材3
1の中空部には、断熱材として耐熱マット33が充填さ
れている。本実施形態においても、ルツボ回転軸29
は、水で冷却された金属シャフト19の上に設置されて
おり、金属シャフト19を回転することによって、石英
ルツボ3を回転させることができる。尚、本実施形態に
おいて、ルツボ回転軸29以外の部分の構造は、第一の
実施形態と同様である。
【0035】本実施形態のシリコン単結晶製造装置を使
用した場合のシリコン単結晶の製造についても、第一の
実施形態と同様に、石英ルツボ3内に充填した多結晶シ
リコンを融解し、種結晶8を接触後、上方に引き上げる
ことにより行われる。ここで、石英ルツボ3は、ヒータ
ー9により加熱されているが、石英ルツボ3内の熱量
は、ルツボ回転軸29に伝達される。石英ルツボ3から
伝達された熱量は、ルツボ回転軸29の軸方向に沿っ
て、下部に伝達されることになるが、ルツボ回転軸29
の途中には、環状低熱伝導部材としてのカーボン繊維強
化複合材31が設けられているため、このカーボン繊維
強化複合材31より下部に伝達される熱量は、低減され
ることになる。このためチャンバー下部から漏洩する熱
量は減少することになる。
【0036】また、ルツボ回転軸29の中空部には、断
熱材としての耐熱マット33が充填されているため、中
空部内に輻射熱が発生することはない。このため、石英
ルツボ3下部及びルツボ回転軸29から中空部を介して
チャンバー下部への熱量の漏洩を低減することができ
る。
【0037】このように本実施形態では、ルツボ回転軸
29に設けられた低熱伝導部材としてのカーボン繊維強
化複合材31とルツボ軸中空部に充填された断熱材とし
ての耐熱マットによって、チャンバー下部から漏洩する
熱量を低減し、石英ルツボ3内の温度がシリコンの融点
以上に保持することができる。従って、熱の漏洩を考慮
して、ヒーターの発熱量を増大させる必要はなくなる。
【0038】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明に係るシリ
コン単結晶製造装置は、ルツボ回転軸に、軸方向の熱伝
導を抑制する低熱伝導部材が介在配置されているため、
大口径のシリコン単結晶を製造する場合でも、ルツボ回
転軸からチャンバー下部へ漏洩する熱量を抑制させるこ
とができ、ヒーターの発熱量を増加させることなく、ル
ツボ内の温度をシリコンの融点以上に保持することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態におけるシリコン単結
晶製造装置の全体構成図である。
【図2】本発明の第二の実施形態におけるシリコン単結
晶製造装置に用いる石英ルツボ及びルツボ回転軸の概略
構成図である。
【図3】従来例としてのシリコン単結晶製造装置であ
る。
【符号の説明】
1:チャンバー 3:石英ルツボ 5:カーボン又はカーボン繊維強化複合材からなるルツ
ボ 6:シリコン単結晶 7:シリコン融液 8:種結晶 9:ヒーター 10:種結晶ホルダ 11:熱遮蔽板 13:電極 15:一体型ルツボ回転軸 17:カーボン繊維強化複合部材(低熱伝導部) 19:金属シャフト 21:観察窓 23:光学系 25:引上げワイヤー 29:中空型ルツボ回転軸 31:カーボン繊維強化複合部材(環状低熱伝導部) 33:中空部 301:チャンバー 303:石英ルツボ 305:カーボン又はカーボン繊維強化複合材からなる
ルツボ 307:シリコン融液 308:種結晶 309:ヒーター 317:種結晶ホルダ 311:熱遮蔽板 313:電極 315:ルツボ回転軸 316:金属シャフト 319:引上げワイヤー 321:シリコン単結晶 323:光学系
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 町田 倫久 東京都千代田区丸の内1−4−2 株式会 社スーパーシリコン研究所内 (72)発明者 白石 裕 東京都千代田区丸の内1−4−2 株式会 社スーパーシリコン研究所内 (72)発明者 松原 順一 東京都千代田区丸の内1−4−2 株式会 社スーパーシリコン研究所内 (72)発明者 飯田 哲広 東京都千代田区丸の内1−4−2 株式会 社スーパーシリコン研究所内 (72)発明者 高瀬 伸光 東京都千代田区丸の内1−4−2 株式会 社スーパーシリコン研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多結晶シリコンを充填するルツボと、該
    ルツボを支持するルツボ回転軸とを備え、前記ルツボ内
    の多結晶シリコンからCZ法によりシリコン単結晶を製
    造するシリコン単結晶製造装置において、 前記ルツボ回転軸に、軸方向の熱伝導を抑制する低熱伝
    導部材が介在配置されていることを特徴とするシリコン
    単結晶製造装置。
  2. 【請求項2】 前記ルツボ回転軸がカーボンで形成さ
    れ、前記低熱伝導部材が、カーボン繊維強化複合材で形
    成されていることを特徴とする請求項1に記載のシリコ
    ン単結晶製造装置。
  3. 【請求項3】 前記ルツボ回転軸が全てカーボン繊維強
    化複合材で形成されていることを特徴とする請求項1に
    記載のシリコン単結晶製造装置。
  4. 【請求項4】 多結晶シリコンを充填するルツボと、該
    ルツボを支持する中空のルツボ回転軸とを備え、前記ル
    ツボ内の多結晶シリコンからCZ法によりシリコン単結
    晶を製造するシリコン単結晶製造装置において、 前記ルツボ回転軸に、軸方向の熱伝導を抑制する環状低
    熱伝導部材が介在配置され、 前記ルツボ回転軸及び環状低熱伝導部材の中空部に断熱
    材が充填されていることを特徴とするシリコン単結晶製
    造装置。
  5. 【請求項5】 前記ルツボ回転軸がカーボンで形成さ
    れ、前記環状低熱伝導部材が、カーボン繊維強化複合材
    で形成されていることを特徴とする請求項3に記載のシ
    リコン単結晶製造装置。
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