JPH1081489A - 車両搭載クレーンの制御装置 - Google Patents

車両搭載クレーンの制御装置

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JPH1081489A
JPH1081489A JP23495596A JP23495596A JPH1081489A JP H1081489 A JPH1081489 A JP H1081489A JP 23495596 A JP23495596 A JP 23495596A JP 23495596 A JP23495596 A JP 23495596A JP H1081489 A JPH1081489 A JP H1081489A
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valve
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昭至 永井
Hitoshi Horiuchi
均 堀内
Ryutaro Mizutani
龍太郎 水谷
Kazuya Sakagami
一也 坂上
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 負荷に関係なく正確にアクチュエータの速度
制御を行い、大きな慣性負荷を有するアクチュエータの
ハンチングを防止する。 【解決手段】 ポンプ31と手動切換弁34との間に第
1電磁比例切換弁50を介設し、この第1電磁比例切換
弁50とポンプ31との間には圧力補償弁49を介設す
る。こうして、圧力補償弁49によって第1電磁比例切
換弁50の前後の差圧を第1電磁比例切換弁50の開度
に拘わらず一定に制御して、負荷に関係なく正確にアク
チュエータの速度制御を行う。また、遠隔操作時に、慣
性負荷の大きな旋回モータ42には、戻り側に絞り構造
を有する第2電磁比例切換弁61で圧油を供給/排出す
る。こうして、旋回モータ42を遠隔操作する際に第2
電磁比例切換弁61でメータアウト回路を構成して、旋
回モータ42に生ずるハンチングを防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、油圧式の車両搭
載クレーンの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、油圧式クレーンの油圧回路として
特公平2−20845号公報に開示されているようなも
のがある。この油圧式クレーンの油圧回路は車両に搭載
されて、図5に示すように、通常は、オペーレータ10
1が、後に説明する手動切換弁を切り換えるレバー1を
操作することによって、クレーン2の旋回,伸縮,起伏あ
るいは巻き上げを行う。また、オペーレータ101の視
界不良箇所で荷の積み降ろしを行う場合には、玉掛者1
02が遠隔操作用の操作器103で電磁切換弁を切り換
え操作して、クレーン2の旋回,伸縮,起伏あるいは巻き
上げを行うものである。
【0003】上記油圧式クレーンの油圧回路における具
体的構成は、図4に示すようになっている。すなわち、
ポンプ4からの圧油をタンク5に導くメインライン6に
は、上記レバー1によって操作されると共に、中立時に
開放する一方、切り換え時に閉鎖するセンターバイパス
通路を有するクローズドセンター型手動切換弁(以下、
単に手動切換弁と言う)7〜12の上記センターバイパ
ス通路が直列に接続されている。そして、手動切換弁
7,8の負荷ポートにはアウトリガーシリンダ13,14
が接続されている。同様に、上記手動切換弁9の負荷ポ
ートには旋回モータ15が接続され、手動切換弁10の
負荷ポートにはブーム伸縮シリンダ16が接続され、手
動切換弁11の負荷ポートにはウインチモータ17が接
続され、手動切換弁12の負荷ポートにはブーム起伏シ
リンダ18が接続されている。
【0004】上記メインライン6における手動切換弁7
より上流側から分岐した第1分岐ライン20には、各手
動切換弁7〜12におけるポンプポートが並列に接続さ
れている。さらに、メインライン6における手動切換弁
7より上流側をタンク5に導くリリーフ弁22が介設さ
れた第2分岐ライン21には、各手動切換弁7〜12の
タンクポートが並列に接続されている。
【0005】また、上記手動切換弁7〜12から成る手
動切換弁集合体19の下流側のメインライン6と、上記
手動切換弁集合体19の下流側の第2分岐ライン21と
の間には、電磁切換弁集合体23を構成する電磁切換弁
24〜27が並列に接続されている。そして、電磁切換
弁24の負荷ポートには旋回モータ15が接続され、電
磁切換弁25の負荷ポートにはブーム伸縮シリンダ16
が接続され、電磁切換弁26の負荷ポートにはウインチ
モータ17が接続され、電磁切換弁27の負荷ポートに
はブーム起伏シリンダ18が接続されている。尚、上記
電磁切換弁24〜27は、図5に示す操作器103によ
って操作される。
【0006】また、上記電磁切換弁集合体23よりも下
流側のメインライン6には電磁比例式リリーフ弁28が
介設されている。この電磁比例式リリーフ弁28は遠隔
制御されて、メインライン6の圧力制御を行うことによ
ってアクチュエータ13〜18の速度制御を行うもので
ある。
【0007】上記構成を有する油圧式クレーンの油圧回
路は、次のように動作する。先ず、手動操作時には、上
記レバー1によって手動切換弁7,8を動作側に切り換
えて、アウトリガーシリンダ13,14を伸長させてア
ウトリガー3,3を張り出す。そして、レバー1によっ
て手動切換弁9〜12を順次動作位置に切り換えて、ク
レーン2の旋回,伸縮,起伏あるいは巻き上げ等を行う。
その際に、上記手動切換弁9〜12のうち動作位置に切
り換えられた手動切換弁によってメインライン6が閉鎖
されて電磁切換弁集合体23側には圧油が供給されな
い。さらに、各電磁切換弁24〜27は中立位置にある
ために、各電磁切換弁24〜27の出力はブロック状態
にあって、電磁切換弁24〜27によって各アクチュエ
ータ15〜18は駆動されない。
【0008】次に、全手動切換弁9〜12を図4に示す
ように中立位置にしたまま、操作器103の操作ボタン
(図示せず)を操作して、例えば電磁切換弁27を動作位
置に切り換えると、ブーム起伏シリンダ18が伸長可能
になる。ところが、電磁比例式リリーフ弁28は非通電
状態であるからリリーフセット圧は0となり、ポンプ4
からメインライン6に供給された圧油は全部タンク5に
戻されてメインライン6には圧が立たず、ブーム起伏シ
リンダ18は動作しない。そして、上記操作器103の
グリップ(図示せず)を握ることによって電磁比例式リリ
ーフ弁28への制御電流を上げてリリーフセット圧を上
げて行き、ブーム起伏シリンダ18の負荷圧力を越える
とブーム起伏シリンダ18が動作してクレーン2が起伏
する。その際に、上記グリップの握り力を変えることに
よって電磁比例式リリーフ弁28の制御電流が変わって
電磁比例式リリーフ弁28の2次圧力が変わり、クレー
ン2の起伏速度が変化する。こうして、上記電磁比例式
リリーフ弁28によりメインライン6の圧力を制御する
ことによって、クレーン2の旋回,伸縮,起伏あるいは巻
上げをの速度を制御するようにしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の油圧式クレーンの油圧回路には以下のような問題が
ある。すなわち、上記メインライン6における電磁切換
弁集合体23の下流側には電磁比例式リリーフ弁28を
介設して、メインライン6の圧力制御によってアクチュ
エータ13〜18の速度制御を行うようにしている。し
たがって、アクチュエータの駆動速度をある所定速度に
するための操作器103におけるグリップの握り角度
が、アクチュエータ15,16の負荷圧の大小によって
変動することになる。そのために、それらのアクチュエ
ータ15,16の速度制御が非常に難しいという問題が
ある。
【0010】また、上記ポンプ4の吐出量制御は、図示
しないエンジンの回転数制御によって行っているため
に、最小回転数でもポンプ4から例えば15(l/min)程
度の圧油が吐出される。一方、旋回モータ15あるいは
ブーム伸縮シリンダ16の負荷が軽く、2kg/cm2の油圧
でそれらが動くことがある。したがって、電磁切換弁2
4〜27で選択されたアクチュエータ15〜18の負荷
圧が電磁比例式リリーフ弁28の最低制御圧よりも低く
なる場合には、ポンプ4の吐出量の全部がそのアクチュ
エータに流れて、そのアクチュエータ15〜18の微速
制御ができなくなる。つまり、操作器103のグリップ
を引いていない場合には、アクチュエータ15〜18は
本来止まっていなければならないのに動いてしまうこと
になる。すなわち、微速制御やインチング制御ができな
いという問題がある。
【0011】また、上記旋回モータ15を、例えば、本
油圧式クレーンを搭載した車両を坂道に止めてクレーン
2のブームを坂道の上から下方向に移動させるように旋
回させた場合には、旋回モータ15は大きな慣性負荷を
駆動することになって、低速度制御領域においてハンチ
ングを生ずるという問題がある。
【0012】そこで、この発明の目的は、負荷の大小に
関係なく正確に総てのアクチュエータの速度制御がで
き、且つ、極微速制御ができ、且つ、大きな慣性負荷を
有するアクチュエータのハンチングを防止できる車両搭
載クレーンの制御装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に係る発明は、車両搭載クレーン用の各ア
クチュエータの夫々に対応する手動切換弁の総てが中立
位置にある場合に,各手動切換弁のセンターバイパス通
路を介してポンプからの圧油をタンクに戻すメインライ
ンを有すると共に,上記手動切換弁を動作位置に切り換
えた場合には上記ポンプからの圧油を対応するアクチュ
エータに供給する一方,当該アクチュエータからの戻り
油を上記タンクに戻すように配管された車両搭載クレー
ンの制御装置において、上記ポンプと手動切換弁との間
に介設されると共に,パイロット通路を有する第1電磁
比例切換弁と、上記ポンプと第1電磁比例切換弁との間
に介設されると共に,上記第1電磁比例切換弁の2次側
の圧力が上記パイロット通路を介してバネ室に導かれ
て,上記第1電磁比例切換弁の前後の差圧を一定に制御
するリリーフ機能付バイパス型圧力補償弁と、上記リリ
ーフ機能付バイパス型圧力補償弁のバネ室に接続された
最高圧調整用リリーフ弁と、少なくとも1つの上記手動
切換弁よりも上流側の上記メインラインから分岐した分
岐ラインと、上記分岐ラインに互いに,並列に接続され
て上記アクチュエータのうち少なくとも一部のアクチュ
エータの動作を切り換え制御する電磁切換弁とを備えた
ことを特徴としている。
【0014】上記構成によれば、リリーフ機能付バイパ
ス型圧力補償弁によって第1電磁比例切換弁の前後の差
圧がその第1電磁比例切換弁の開度に拘わらず一定にな
るように制御される。また、上記ポンプの吐出圧の最高
値が最高圧力調整用リリーフ弁によって設定される。し
たがって、遠隔操作でアクチュエータの中の一つを電磁
切換弁で選択して作動させ、上記第1電磁比例切換弁の
開度を遠隔制御すると、アクチュエータの負荷の大小に
拘わらず圧力補償された第1電磁比例切換弁によって設
定された流量の圧油がその選択されたアクチュエータに
供給される。したがって、負荷の大小に拘わらず、選択
されたアクチュエータの速度を正確に制御できる。
【0015】また、請求項2に係る発明は、請求項1に
係る発明の車両搭載クレーンの制御装置において、上記
アクチュエータのうち動作時に比較的大きな慣性力が働
くアクチュエータの動作を切り換え制御する上記電磁切
換弁は、供給側の通路よりも戻り側の通路の開度が小さ
くてメータアウト制御を行う第2電磁比例切換弁である
ことを特徴としている。
【0016】上記構成によれば、第2電磁比例切換弁
が、慣性力が働くアクチュエータに対してメータアウト
回路を構成することになる。したがって、慣性負荷の大
きな、例えば、旋回用油圧モータ等のアクチュエータを
低速駆動してもハンチングが生じない。
【0017】また、請求項3に係る発明は、請求項1あ
るいは請求項2に係る発明の車両搭載クレーンの制御装
置において、上記第1電磁比例切換弁は、ポンプポート
と高圧負荷ポートとが連通される手動ノーマル位置と、
上記手動ノーマル位置に隣接して,上記ポンプポートと
高圧負荷ポートとの間が閉鎖される第1遠隔操作位置
と、上記第1遠隔操作位置に隣接して,上記ポンプポー
トと高圧負荷ポートとが連通されると共に,電流値に応
じて上記ポンプポートと高圧負荷ポートとの間の開度が
大きくなる第2遠隔操作位置を有して、手動操作から遠
隔操作に切り換える場合には,必ず上記手動ノーマル位
置から上記第1遠隔操作位置を経て上記第2遠隔操作位
置に切り換わるようになっていることを特徴としてい
る。
【0018】上記構成によれば、手動操作時には、第1
電磁比例切換弁が手動ノーマル位置に切り換えられて、
高圧負荷ポートから上記メインラインに圧油が供給され
る。一方、遠隔操作時には、上記第1電磁比例切換弁が
第1遠隔操作位置を経由して第2遠隔操作位置に切り換
えられて、高圧負荷ポートから上記メインラインに電流
値に応じた流量の圧油が供給される。ここで、上記第1
遠隔操作位置においては、上記ポンプからの圧油はメイ
ンラインに供給されない。したがって、手動操作から遠
隔操作時に移行する際に各アクチュエータが一旦停止さ
れて、その後、上記ポンプの吐出量やアクチュエータの
負荷の大小には関係なく流量0から微速制御される。し
たがって、手動操作から遠隔操作に切り換えた際に、直
ちにアクチュエータが動くことがなく安全である。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、この発明を図示の実施の形
態により詳細に説明する。図1は、本実施の形態の車両
搭載クレーンの制御装置における油圧回路の概略図であ
る。また、図2は図1における圧油供給ブロックDの詳
細図であり、図3は図1における圧油供給方向切換ブロ
ックEの詳細図である。上記油圧回路は車両に搭載され
て、通常は、オペーレータが手動切換弁に直結して車両
の側面に配列されているレバーを操作することによっ
て、クレーンの旋回,伸縮,デリックあるいは巻き上げを
行う。また、オペーレータの視界不良箇所で荷の積み降
ろしを行う場合には、玉掛者が遠隔操作器で電磁切換弁
を切り換え操作して、クレーンの旋回,伸縮,デリックあ
るいは巻き上げを行うものである。
【0020】ポンプ31からの圧油は、メインライン3
2によってタンク33に導かれる。そして、このメイン
ライン32には、図3に示すように、上記レバーによっ
て操作されると共に、中立時に開放する一方、切り換え
時には閉鎖するセンターバイパス通路を有するクローズ
ドセンター型手動切換弁(以下、単に手動切換弁と言う)
34〜39の上記センターバイパス通路が直列に接続さ
れている。そして、手動切換弁34,35における負荷
ポートにはアウトリガーシリンダ40,41が接続され
ている。同様に、手動切換弁36の負荷ポートには旋回
モータ42が接続され、手動切換弁37の負荷ポートに
はブーム伸縮シリンダ43が接続され、手動切換弁38
の負荷ポートには巻上モータ44が接続され、手動切換
弁39の負荷ポートにはデリックシリンダ45が接続さ
れている。
【0021】上記メインライン32の手動切換弁34よ
り上流側から分岐して手動切換弁35におけるポンプポ
ートに至る第1分岐ライン46には、手動切換弁34に
おけるポンプポートが接続されている。一方、手動切換
弁35におけるタンクポートとタンク33とを接続する
タンクライン47には、手動切換弁34におけるタンク
ポートが接続されている。また、上記メインライン32
の手動切換弁35と手動切換弁36との間から分岐した
第2分岐ライン48およびタンクライン47の間には、
手動切換弁36〜39が並列に接続されている。
【0022】上記メインライン32におけるポンプ31
と手動切換弁34〜39との間には第1電磁比例切換弁
50を介設している。また、メインライン32における
第1電磁比例切換弁50より上流側とタンク33とをリ
リーフ機能付バイパス型圧力補償弁(以下、単に圧力補
償弁と言う)49で接続している。
【0023】上記第1電磁比例切換弁50は、図2にシ
ンボルを示すような構造を有している。図2において、
ソレノイド51が非励磁時の手動ノーマル位置aでは、
手動切換弁39のタンクポートに接続されるポートBと
戻りポートR、手動切換弁34のポンプポートに接続さ
れるポートAとポンプポートP、ポートAとパイロット
ポートPPが連通される。一方、手動切換弁34のポン
プポートに接続されるポートCが閉鎖される。また、中
立位置である第1遠隔操作位置bでは、ポートBと戻り
ポートR、ポートCとパイロットポートPPが連通され
る。一方、ポートAおよびポンプポートPが閉鎖され
る。また、オフセット位置である第2遠隔操作位置cで
は、ポートCとポンプポートP、ポートCとパイロット
ポートPPが連通される。一方、ポートBおよび戻りポ
ートRが閉鎖される。こうして、手動操作時における手
動ノーマル位置aから遠隔操作時における第2遠隔操作
位置cに切り換わる際には、必ず第1遠隔操作位置bを
経由して、ポンプ31からの圧油がブロックされるよう
になっている。
【0024】上記第1電磁比例切換弁50におけるパイ
ロットポートPPは、パイロットライン52によって圧
力補償弁49のバネ室に導かれている。また、このパイ
ロットライン52とタンク33とを接続する戻しライン
53には最高圧力調整用のリリーフ弁60が介設されて
おり、このリリーフ弁60のバネ力を調整することによ
って圧力補償弁49のパイロット圧が調整されてポンプ
31の吐出圧の最高値が調整される。
【0025】また、図3に示すように、上記第2分岐ラ
イン48とタンクライン47との間には、クローズドセ
ンタ型であって供給側の通路よりも戻り側の通路の開度
が小さい第2電磁比例切換弁61が接続され、この第2
電磁比例切換弁61における負荷ポートには旋回モータ
42が接続されている。また、上記第2分岐ライン48
とタンクライン47との間には、クローズドセンタ型の
電磁切換弁62〜64が並列に接続されている。そし
て、電磁切換弁62における負荷ポートにはブーム伸縮
シリンダ43が接続されている。同様に、電磁切換弁6
3には巻上モータ44が接続され、電磁切換弁64には
デリックシリンダ45が接続されている。
【0026】上記第1電磁比例切換弁50,第2電磁比
例切換弁61および電磁切換弁62〜64は、上記遠隔
操作器を操作することによって動作する。すなわち、玉
掛者が上記遠隔操作器を操作すると、図1に示すよう
に、この遠隔操作器のラジコン送信器65から、玉掛者
による操作内容を表す電波が送信される。そして、この
電波が車両に搭載されたラジコン受信器66によって受
信されて、受信された電波が表す操作内容が遠隔制御部
67によって解読される。その結果、玉掛者による操作
内容が第1電磁比例切換弁50あるいは電磁切換弁62
〜64の切り換え制御(オン/オフ制御)である場合に
は、電磁弁切換回路68によって制御対象の切換弁に切
り換え制御信号が出力される。一方、玉掛者による操作
内容が第1電磁比例切換弁50あるいは第2電磁比例切
換弁61の比例制御である場合には、比例弁用ドライバ
69によって、制御対象の比例切換弁に比例制御信号が
出力される。
【0027】尚、玉掛者による上記第1電磁比例切換弁
50の制御流量の設定は、上記遠隔操作器におけるグリ
ップの握りに設けられた引き金の引き量によって行われ
る。また、上記電磁弁切換回路68による第1電磁比例
切換弁50または電磁切換弁62〜64への切り換え制
御信号の出力、および、比例弁用ドライバ69による第
2電磁比例切換弁61への比例制御信号の出力は、オペ
ーレータによるボタン操作によっても可能になってい
る。
【0028】上記構成の車両搭載クレーンの制御装置は
次のように動作する。 (1) 手動操作 先ず、上記ボタン操作によって電磁弁切換回路68に対
して第1電磁比例切換弁50および電磁切換弁62〜6
4の切り換え指令がなされて、第1電磁比例切換弁50
が手動ノーマル位置a(図2参照)に切り換えられる一
方、電磁切換弁62〜64が中立位置に切り換えられ
る。また、比例弁用ドライバ69に対して第2電磁比例
切換弁61の比例制御指令がなされて、第2電磁比例切
換弁61が中立位置に切り換えられる。そうすると、第
1電磁比例切換弁50におけるポートAからはポンプ3
1からの圧油がメインライン32に供給される一方、各
手動切換弁34〜39をセンターバイパスした戻り油が
戻りポートRからタンク33に戻される。
【0029】その際に、上記第1電磁比例切換弁50は
ポートAとパイロットポートPPとが連通した構成を有
しており、メインライン32における第1電磁比例切換
弁50より下流側の圧油が圧力補償弁49のバネ室及び
リリーフ弁60に導かれている。したがって、圧力補償
弁49によって、第1電磁比例切換弁50の前後の差圧
が第1電磁比例切換弁50の開度に拘わらず一定になる
ように制御される。
【0030】上述の状態において、上記レバーによって
手動切換弁34,35を動作側に切り換えることによっ
て、第1分岐ライン46からの圧油がアウトリガーシリ
ンダ40,41に供給されてアウトリガー(図示せず)が
張り出す。そうした後、上記レバーによって手動切換弁
34,35を中立位置に戻す。以後、パイロット操作型
逆止弁71〜74の動作によって、上記アウトリガーは
張り出した状態に固定される。
【0031】そして、上記レバーによって手動切換弁3
6〜39の何れかを動作位置に切り換えることによっ
て、第2分岐ライン48からの圧油が上記切り換えられ
た手動切換弁36〜39に対応したアクチュエータ42
〜45に供給されて、クレーンの旋回,ブームの伸縮,ブ
ームのデリックまたは巻き上げ等が行われる。その間、
上記第2電磁比例切換弁61および電磁切換弁62〜6
4は中立位置にあるために各電磁切換弁61〜64の出
力はブロック状態にあり、各電磁切換弁61〜64によ
って各アクチュエータ42〜45は駆動されない。
【0032】(2) 遠隔操作 先ず、オペレータによって上記レバーが操作されて手動
切換弁36〜39が中立位置に戻される。そして、玉掛
者によって上記遠隔操作器が操作されて、第1電磁比例
切換弁50が中立位置である第1遠隔操作位置b(図2
参照)に切り換えられる。そうすると、第1電磁比例切
換弁50によってポンプ31からの圧油がブロックされ
てメインライン32に供給されない。一方、手動切換弁
34〜39をセンターバイパスした戻り油は戻りポート
Rからタンク33に戻される。ここで、上記第1電磁比
例切換弁50はポートCとパイロットポートPPとが連
通した構成を有しており、メインライン32における第
1電磁比例切換弁50の下流側の圧油が圧力補償弁49
のバネ室に導かれている。したがって、ポンプ31の吐
出圧がメインライン32の第1電磁比例切換弁50より
下流側の圧力とバネ力との和になるように制御される。
つまり、ベントアンロードされる。
【0033】このように、本実施の形態においては、手
動操作から遠隔操作に移行する場合に、必ず第1電磁比
例切換弁50が第1遠隔操作位置bに切り換えられて、
ポンプ31からメインライン32への圧油の供給が止め
られるようにしている。したがって、エンジンアイドリ
ング時においてポンプ31から15(l/min)程度の圧油
が吐出されている場合でも、総てのアクチュエータ42
〜45を一旦停止状態にできる。そのため、以後の操作
によって選択されたアクチュエータ(例えば、ブーム伸
縮シリンダ43)の負荷圧(例えば2kg/cm2)が電磁切換
弁(例えば、電磁切換弁62)の最低制御圧力よりも低い
場合に、遠隔操作器の上記グリップを握らないのに上記
選択されたアクチュエータが動いてしまうという従来の
如き問題がないのである。したがって、以後の操作によ
ってアクチュエータが選択された場合に、この選択され
たアクチュエータを、その負荷圧の大小とは関係なく流
量0(l/min)から微速制御ができることになる。すなわ
ち、選択されたアクチュエータが突然動き出すことがな
く安全なのである。
【0034】上述の状態において、玉掛者によって上記
遠隔操作器が操作されて、第2電磁比例切換弁61およ
び電磁切換弁62〜64のうち目的とするアクチュエー
タに対応する電磁切換弁が動作側に切り換えられること
によって、上記目的とするアクチュエータが駆動可能に
なる。そして、上記遠隔操作器におけるグリップの引き
金が徐々に引かれると、引き金の引き量に比例して第1
電磁比例切換弁50の位置が第1遠隔操作位置bから第
2遠隔操作位置cに切り換わる。そして、ポートCから
は、圧力補償弁49が第1電磁比例切換弁50の前後の
差圧を圧力補償しているから、ポートC側の負荷圧の大
小に関係なくポートCの開度に応じた流量の圧油がメイ
ンライン32に供給される。こうして、遠隔操作時にお
ける上記選択されたアクチュエータへの圧油の供給が、
流量0(l/min)から徐々に且つ安全に行われるのであ
る。したがって、ポンプ31の吐出量や上記選択された
アクチュエータの負荷圧の大小には関係なく、低い流量
での極微速制御が可能となる。また、負荷圧の大小に関
係なく上記引き金の引き量に応じた流量の圧油がアクチ
ュエータに供給されるので、アクチュエータの速度制御
を正確にでき、操作性が良くなる。
【0035】また、上記遠隔操作時における旋回モータ
42に対する圧油の供給/排出は、供給側の通路よりも
戻り側の通路の開度が小さい第2電磁比例切換弁61を
介して行われる。したがって、旋回モータ42を遠隔操
作する場合には、旋回モータ42の戻り油の流量が絞ら
れてメータアウト回路として機能する。したがって、本
制御装置を搭載した車両を坂道に止めてクレーンのブー
ムを坂道の上から下方向に旋回するように旋回モータ4
2を駆動させる場合のように、大きな慣性負荷を駆動す
る場合であっても、低速度制御領域において旋回モータ
42にハンチングが生じないのである。
【0036】上述のように、本実施の形態においては、
上記ポンプ31からの圧油をタンク33に導くメインラ
イン32におけるポンプ31と手動切換弁34との間に
は、高圧負荷ポートA,CとパイロットポートPPとが
連通された構造を有する第1電磁比例切換弁50を介設
している。また、メインライン31における第1電磁比
例切換弁50の上流側とタンク33とを、リリーフ機能
付バイパス型圧力補償弁49で接続している。そして、
第1電磁比例切換弁50におけるパイロットポートPP
からの圧油をパイロットライン52によって圧力補償弁
49のバネ室に供給し、このパイロットライン52とタ
ンク33とを接続する戻しライン53には最高圧力調整
用のリリーフ弁60を介設している。したがって、本実
施の形態によれば、遠隔操作時において、上記引き金の
引き量によって第1電磁比例切換弁50の開度を遠隔制
御した際に、選択されたアクチュエータの負荷の大小に
拘わらず、当該アクチュエータ速度を正確に制御できる
のである。また、上記最高圧力調整用のリリーフ弁60
とリリーフ機能付バイパス型圧力補償弁49とによっ
て、回路の最高圧力が規制される。
【0037】また、上記第1電磁比例切換弁50の構造
は、図2に示すように、手動ノーマル位置aと第2遠隔
操作位置cとの間に第1遠隔操作位置bを設けている。
そして、この第1遠隔操作位置bにおいて、ポンプ31
からの圧油をブロックする一方、手動切換弁34〜39
をセンターバイパスした戻り油をタンク33に戻すよう
にしている。その結果、上記選択されたアクチュエータ
は完全に停止される。したがって、上記ポンプ31の吐
出量,上記選択されたアクチュエータの負荷圧の大小お
よび電磁切換弁の最低制御圧力とは関係なく、遠隔操作
時に、上記選択されたアクチュエータを流量0(l/min)
から微速制御できる。すなわち、手動操作から遠隔操作
への切り換え時において上記選択されたアクチュエータ
が突然動き出すことがなく安全なのである。
【0038】また、上記旋回モータ42の如く低速度制
御領域において慣性力が働くアクチュエータへの遠隔操
作時における圧油の供給/排出は、供給側の通路よりも
戻り側の通路の開度が小さい第2電磁比例切換弁61を
介して行うようにしている。したがって、旋回モータ4
2を遠隔操作する場合には、第2電磁比例切換弁61に
よってメータアウト回路を構成できる。したがって、慣
性負荷の大きな旋回モータ42を低速度制御する場合に
生ずるハンチングを防止できる。
【0039】尚、上記実施の形態においては、遠隔操作
時に旋回モータ42の動作を切り換え制御する電磁切換
弁として第2電磁比例切換弁61を用いているが、ブー
ム伸縮シリンダ43や巻上モータ44やデリックシリン
ダ45等の他のアクチュエータの動作を切り換え制御す
る電磁切換弁を供給側の通路よりも戻り側の通路の開度
が小さい電磁比例切換弁としても一向に構わない。要
は、動作時に比較的大きな慣性力が働くアクチュエータ
の動作を、戻り側通路に絞りが形成された電磁比例切換
弁によって切り換え制御すればよいのである。
【0040】
【発明の効果】以上より明らかなように、請求項1に係
る発明の車両搭載クレーンの制御装置は、ポンプと手動
切換弁との間に第1電磁比例切換弁を介設し、この第1
電磁比例切換弁と上記ポンプ31との間にリリーフ機能
付バイパス型圧力補償弁を介設し、上記第1電磁比例切
換弁の2次側の圧力を上記第1電磁比例切換弁のパイロ
ット通路を介して上記リリーフ機能付バイパス型圧力補
償弁のバネ室に導いているので、上記リリーフ機能付バ
イパス型圧力補償弁の動作によって第1電磁比例切換弁
の前後の差圧が電磁比例切換弁の開度に拘わらず一定に
なるように制御できる。したがって、遠隔操作時におい
て、選択されたアクチュエータの負荷の大小に拘わらず
圧力補償された上記第1電磁比例切換弁によって設定さ
れた流量の圧油が上記選択されたアクチュエータに供給
されて、負荷の大小に拘わらず当該アクチュエータの速
度を正確に制御できる。
【0041】また、請求項2に係る発明の車両搭載クレ
ーンの制御装置は、遠隔操作時において、動作時に比較
的大きな慣性力が働くアクチュエータを駆動する際に
は、供給側の通路よりも戻り側の通路の開度が小さい第
2電磁比例切換弁を介して圧油を供給/排出するように
しているので、メータアウト回路を構成できる。したが
って、この発明によれば、慣性負荷の大きなアクチュエ
ータを低速駆動してもハンチングが生じない。
【0042】また、請求項3に係る発明の車両搭載クレ
ーンの制御装置における上記第1電磁比例切換弁は、手
動操作時における手動ノーマル位置と遠隔操作時におけ
る第2遠隔操作位置との間に設けられた第1遠隔操作位
置では、ポンプポートと高圧負荷ポートとの間を閉鎖す
るので、上記ポンプからの圧油はブロックされて上記メ
インラインに供給されない。したがって、手動操作から
遠隔操作に移行する際に各アクチュエータは一旦停止さ
れ、その後、上記ポンプの吐出量やアクチュエータの負
荷の大小には関係なく、上記選択されたアクチュエータ
を流量0から微速制御できる。すなわち、この発明によ
れば、選択されたアクチュエータが操作者の意志に反し
て突然動き出すことを防止できるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の車両搭載クレーンの制御装置におけ
る油圧回路の概略図である。
【図2】図1における圧油供給ブロックの詳細図であ
る。
【図3】図1における圧油供給方向切換ブロックの詳細
図である。
【図4】従来の油圧式クレーンの油圧回路における回路
図である。
【図5】図4に示す油圧式クレーンの油圧回路を用いた
作業の説明図である。
【符号の説明】
31…ポンプ、 32…メインライ
ン、33…タンク、 34〜39…
手動切換弁、40,41…アウトリガシリンダ、 42
…旋回モータ、43…ブーム伸縮シリンダ、 4
4…巻上モータ、45…デリックシリンダ、49…リリ
ーフ機能付バイパス型圧力補償弁、50…第1電磁比例
切換弁、 60…最高圧力調整用リリーフ弁、6
1…第2電磁比例切換弁、 62〜64…電磁切
換弁、67…遠隔制御部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水谷 龍太郎 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内 (72)発明者 坂上 一也 東京都新宿区西新宿2−6−1新宿住友ビ ル ダイキン工業株式会社東京支店内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両搭載クレーン用の各アクチュエータ
    (40〜45)の夫々に対応する手動切換弁(34〜39)
    の総てが中立位置にある場合に、各手動切換弁(34〜
    39)のセンターバイパス通路を介してポンプ(31)か
    らの圧油をタンク(33)に戻すメインライン(32)を有
    すると共に、上記手動切換弁(34〜39)を動作位置に
    切り換えた場合には上記ポンプ(31)からの圧油を対応
    するアクチュエータ(40〜45)に供給する一方、当該
    アクチュエータ(40〜45)からの戻り油を上記タンク
    (33)に戻すように配管された車両搭載クレーンの制御
    装置において、 上記ポンプ(31)と手動切換弁(34)との間に介設され
    ると共に、パイロット通路を有する第1電磁比例切換弁
    (50)と、 上記ポンプ(31)と第1電磁比例切換弁(50)との間に
    介設されると共に、上記第1電磁比例切換弁(50)の2
    次側の圧力が上記パイロット通路を介してバネ室に導か
    れて、上記第1電磁比例切換弁(50)の前後の差圧を一
    定に制御するリリーフ機能付バイパス型圧力補償弁(4
    9)と、 上記リリーフ機能付バイパス型圧力補償弁(49)のバネ
    室に接続された最高圧調整用リリーフ弁(60)と、 少なくとも1つの上記手動切換弁(34〜39)よりも上
    流側の上記メインライン(32)から分岐した分岐ライン
    (48)と、 上記分岐ライン(48)に,互いに並列に接続されて上記
    アクチュエータ(40〜45)のうち少なくとも一部のア
    クチュエータ(42〜45)の動作を切り換え制御する電
    磁切換弁(61〜64)を備えたことを特徴とする車両搭
    載クレーンの制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の車両搭載クレーンの制
    御装置において、 上記アクチュエータ(42〜45)のうち動作時に比較的
    大きな慣性力が働くアクチュエータ(42)の動作を切り
    換え制御する上記電磁切換弁(61)は、供給側の通路よ
    りも戻り側の通路の開度が小さくてメータアウト制御を
    行う第2電磁比例切換弁(61)であることを特徴とする
    車両搭載クレーンの制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1あるいは請求項2に記載の車両
    搭載クレーンの制御装置において、 上記第1電磁比例切換弁(50)は、 ポンプポート(P)と高圧負荷ポート(A,C)とが連通さ
    れる手動ノーマル位置(a)と、 上記手動ノーマル位置(a)に隣接して、上記ポンプポー
    ト(P)と高圧負荷ポート(A,C)との間が閉鎖される第
    1遠隔操作位置(b)と、 上記第1遠隔操作位置(b)に隣接して、上記ポンプポー
    ト(P)と高圧負荷ポート(A,C)とが連通されると共
    に、電流値に応じて上記ポンプポート(P)と高圧負荷ポ
    ート(A,C)との間の開度が大きくなる第2遠隔操作位
    置(c)を有して、 手動操作から遠隔操作に切り換える場合には、必ず上記
    手動ノーマル位置(a)から上記第1遠隔操作位置(b)を
    経て上記第2遠隔操作位置(c)に切り換わるようになっ
    ていることを特徴とする車両搭載クレーンの制御装置。
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