JPH1081254A - 作業車のステアリング操作構造 - Google Patents

作業車のステアリング操作構造

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JPH1081254A
JPH1081254A JP23937696A JP23937696A JPH1081254A JP H1081254 A JPH1081254 A JP H1081254A JP 23937696 A JP23937696 A JP 23937696A JP 23937696 A JP23937696 A JP 23937696A JP H1081254 A JPH1081254 A JP H1081254A
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steering
straight
rectilinear
state
operated
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JP23937696A
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English (en)
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Osamu Kime
修 木目
Masao Kono
正夫 河野
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Kubota Corp
Original Assignee
Kubota Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ステアリングハンドルの回転方向およびその
回動量に応じて左右のクローラ走行装置に速度差をもた
らすよう構成機体を旋回させる作業車において、機体旋
回後に直進状態に戻す場合、ハンドル操作に過不足を生
じることなく軽快かつ迅速にステアリングハンドルを直
進位置に戻すことができるようにする。 【解決手段】 ステアリングハンドル24が直進位置に
あることの検知して、あるいは、左右のクローラ走行装
置の速度が同一であることを検知して、直進表示ランプ
64を点灯作動させて機体の直進状態を報知する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ステアリングハン
ドルの回転方向およびその回動量に応じて左右のクロー
ラ走行装置に速度差をもたらして機体の操向を行うよう
構成した作業車のステアリング操作構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、上記ステアリング操作構造として
は、例えば特開平7−10030号公報で開示されてい
るように、左右のクローラ走行装置を独立に駆動する2
組の静油圧式の無段変速装置(HST)を単一のステア
リングハンドルに連係し、ステアリングハンドルを回動
した側の無段変速装置のみを減速方向に操作して、左右
のクローラ走行装置に速度差を与えるように構成したも
のが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記構成の作業機にお
いては、運転者が機体の走行進行具合を目視して直進状
態であるかどうかを判断しており、機体を旋回させて直
進状態に戻す場合、ステアリングハンドルの戻しに過不
足が生じて、直進状態が得られるのに多少の時間がかか
ることがあった。なお、ステアリングハンドルを中立復
帰付勢して、操作力を解除するとステアリングハンドル
が直進位置に自動的に戻るようにすることも考えられる
が、これによると、ステアリングハンドルの操作が重く
なるとともに、ハンドルを回動するほど操作抵抗が大き
くなってしまう不具合が生じるものであり、実用上には
問題があった。
【0004】本発明は、このような点に着目してなされ
たものであって、機体を旋回させて直進状態に戻す場
合、過不足を生じることなく軽快かつ迅速にステアリン
グハンドルを直進位置に戻すことができるようにするこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
〔請求項1に係る発明の構成、作用および効果〕
【0006】(構成) 請求項1に係る発明は、ステア
リングハンドルの回転方向およびその回動量に応じて左
右のクローラ走行装置に速度差をもたらすよう構成する
とともに、機体の直進状態を検知して報知する直進報知
手段を配備してあることを特徴とする。
【0007】(作用) 上記構成によると、ステアリン
グハンドルを左方あるいは右方に回転操作して機体旋回
を行った後、直進に戻す場合、直進報知手段が報知した
ところまでステアリングハンドルを回転操作することで
直ちに直進状態に戻すことができる。また直進走行中に
おいても直進報知がなされるので、ステアリングハンド
ルが誤操作されたような際にもこれを容易に確認するこ
とができ、機体が大きく操向されてしまう前に余裕をも
って修正操作が行える。
【0008】(効果) 従って、請求項1に係る発明に
よれば、機体旋回後に直進状態に復帰する場合におい
て、ハンドル操作量に過不足をもたらすことなく簡単迅
速にハンドル戻しを行って、次の操作や作業にかかるこ
とができ、操作性のみならず作業性をも向上することが
できるようになった。
【0009】〔請求項2に係る発明の構成、作用および
効果〕 (構成) 請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明
において、前記ステアリングハンドルの回転位置検出に
よって直進状態が検知されるように構成してあることを
特徴とする。
【0010】(作用) 上記構成によると、例えばステ
アリングハンドルの外周面の一か所に設けた突起や凹部
を接触スイッチなどの接触センサや、近接スイッチや光
センサなどの無接触センサで検知することで、ステアリ
ングハンドルが直進位置にあることを検知することがで
きる。
【0011】(効果) 従って、請求項2に係る発明に
よると、一個のセンサを使用して直進状態が検知でき、
請求項1に係る発明の上記効果をもたらすとともに、構
造簡単かつ安価に実施できる。
【0012】〔請求項3に係る発明の構成、作用および
効果〕 (構成) 請求項3に係る発明は、請求項1に係る発明
において、左右のクローラ走行装置の速度が同一である
ことの検出によって直進状態が検知されるように構成し
てあることを特徴とする。
【0013】(作用) 上記構成によると、左右のクロ
ーラ走行装置が共に同一速度にある場合、つまり実際に
直進状態にあることのみが正しく検知されることにな
る。
【0014】(効果) 従って、請求項3に係る発明に
よると、左右のクローラ走行装置の駆動系の作動誤差、
ステアリング操作系の製作誤差や組付け誤差あるいは経
時的に現れたガタ、などの影響を受けることなく確実に
直進状態を報知することができ、請求項1に係る発明の
上記効果をもたらすとともに、一層精度の高い直進戻し
および直進走行を行うことができる。
【0015】〔請求項4に係る発明の構成、作用および
効果〕 (構成) 請求項4に係る発明は、請求項1〜3のうち
のいづれか一つに係る発明において、前記直進報知手段
をステアリングハンドルの近傍に配備された直進報知ラ
ンプで構成してあることを特徴とする。
【0016】(作用・効果) 上記構成によると、運転
者の前方視界の中で直進報知ランプを作動させることが
できるので、視線を大きく動かす必要なく容易に直進確
認することができ、一層操作性が高いものとなる。な
お、直進報知ランプとブザー等の報知器を併用すれば、
更に直進確認が容易となる。
【0017】
【発明の実施の形態】図1に、本発明に係る作業車の一
例としての全稈投入型コンバインの全体側面が、また、
図2にその平面がそれぞれ示されている。このコンバイ
ンは、左右一対のクローラ走行装置2L,2Rを備えた
本機1にキャビン付きの操縦部3、エンジン4を収容し
た原動部5、軸流型の脱穀装置6、および、穀粒タンク
7を搭載するとともに、この本機1の前部に刈取り前処
理部8を昇降駆動自在に連結して構成されている。
【0018】刈取り前処理部8は、バリカン型の刈取り
装置9、刈取り穀稈を刈り幅中間に集めるオーガ10、
集めた穀稈を脱穀装置6に供給するフィードコンベア1
1、等を備えており、フィードコンベア11の基端Xを
中心にして油圧シリンダ12によって刈取り前処理部8
全体が上下に揺動駆動されるよう本機1に連結されてい
る。また、この刈取り前処理部8の前側上部には、植立
穀稈を後方に掻き込み起立させるよう回転駆動される掻
き込みリール13が付設されている。そして、前端に掻
き込みリール13を横水平に支架したリール支持アーム
14が、油圧シリンダ15により上下揺動自在、かつ、
油圧シリンダ16により伸縮自在に構成されており、こ
れら油圧シリンダ15,16によって掻き込みリール1
3の上下位置および前後位置を任意に調節できるよう構
成されている。
【0019】前記操縦部3には、運転座席17、その前
部に立設された操作塔18、運転座席17の左側に配備
された操作盤19が設けられ、これらがキャビン20に
よって覆われている。
【0020】キャビン20のフロントガラス20aは床
面から天井まで全面透視可能に構成されており、このフ
ロントガラス20aの下部前方の見通しを妨げないよう
に、前記操作塔18は両脚の間に入る程度に幅狭く構成
されている。また、操作塔18は、床面上の固定ベース
21に対して支点Yを中心に前後に揺動調節可能に支持
された、いわゆるチルトハンドル構造になっており、フ
ロントガラス20aに作用するワイパー22の駆動部2
3が固定ベース21に備えられている。そして、この操
作塔18の上面には、回転式のステアリングハンドル2
4が備えられるとともに、操作塔18の左側面の上下に
はハンドアクセルレバー25、走行停止用ペダル26、
このペダル26を踏み込み位置で固定する駐車ロックレ
バー27が備えられ、また、操作塔18の右側面には、
掻き込みリール13に対するリール操作レバー28、操
作塔18を任意のチルト角に固定するチルトレバー2
9、キースイッチ30が備えられている。また、操作盤
19には、走行用主変速を行う変速レバー31の他に、
副変速スイッチ32、脱穀装置6への動力を断続する脱
穀クラッチレバー33、刈取り前処理部7への動力を断
続する刈取りクラッチレバー34、各種の操作スイッチ
類、計器類、などが備えられている。
【0021】図3に、伝動系の概略が示されている。エ
ンジン4の出力は二系統に分岐され、一方の伝動系で脱
穀装置6と刈取り前処理部8が駆動され、他方の伝動系
で左右のクローラ走行装置2L,2Rが駆動される。
【0022】つまり、分岐されたエンジン出力の一部は
脱穀装置6に伝達され、そこで更に分岐されてフィード
コンベア11の基端軸11aに伝達されるとともに、基
端軸11aを経てカウンター軸35に伝達され、このカ
ウンター軸35からベルト無段変速式のリール変速機構
36を介して掻き込みリール13の駆動軸13aに動力
伝達されるとともに、カウンター軸35から分岐した動
力で刈取り装置9とオーガ10が駆動されるようになっ
ている。そして、前記リール変速機構36は、電動シリ
ンダなどのアクチュエータ37によって変速操作される
ようになっている。
【0023】左右のクローラ走行装置2L,2Rはそれ
ぞれ独立的に静油圧式無段変速機構(HST)で駆動さ
れるようになっている。各静油圧式無段変速機構は、エ
ンジン出力で駆動されるアキシャルプランジャ型の一対
の油圧ポンプPL,PRと、これにそれぞれ連通接続さ
れたアキシャルプランジャ型の油圧モータML,MRと
からなり、各油圧モータML,MRの出力が減速ケース
38L,38Rを介して各クローラ走行装置2L,2R
の駆動輪39L,39Rに伝達されるようになってい
る。そして、前記変速レバー31の前後揺動操作によっ
て各油圧ポンプPL,PRからの圧油吐出方向および圧
油吐出量を調節することで無段の前後進変速を行い、ま
た、前記ステアリングハンドル24を左右に回動操作す
ることで、両油圧ポンプPL,PRからの圧油吐出状態
に差異をつけて左右油圧モータML,MRに速度差に与
えて機体操向を行うようになっており、変速レバー31
およびステアリングハンドル24と油圧ポンプPL,P
Rに備えた斜板角変更用の変速操作軸(トラニオン軸)
40L,40Rとを連係する変速操作機構41が床面下
方に固定配備されている。
【0024】以下、前記変速操作機構41の構造を図9
〜図14に基づいて説明する。
【0025】変速操作機構41のケース42には、主変
速操作軸43が左右水平に支承され、この主変速操作軸
43の一端と変速レバー31の基部部材31aとが、操
作リンク機構44を介して連動連結され、変速レバー3
1の前後揺動に連動して主変速操作軸43が回転操作さ
れるようになっている。
【0026】主変速操作軸43と、これに並行にケース
に支架したガイド軸45に亘って、左右一対のスライド
部材46L,46Rが左右に平行スライド可能に外嵌装
着されるとともに、主変速操作軸43にスプライン外嵌
装着された左右一対の操作アーム47L,47Rが各ス
ライド部材46L,46Rの外側部位に位置させて配備
され、主変速操作軸43に外嵌装着した圧縮コイルバネ
48によって左右の操作アーム47L,47Rおよびス
ライド部材46L,46Rがそれぞれ中央側にスライド
付勢されている。そして、各スライド部材46L,46
Rがケース42に固定されたストッパ49に接当して、
その中央側へのスライド限界が規制されている。
【0027】各スライド部材46L,46Rの下部には
前後向きの支点Z1 ,Z2 周りに天秤状に回動自在に横
長のステアリングカム50L,50Rが連結され、この
ステアリングカム50L,50Rと前記操作アーム47
L,47Rとがロッド51で連動連結されている。ま
た、ケース42の前壁42aには、左右一対のステアリ
ングアーム52L,52Rがステアリング操作軸53
L,53Rを介して回動自在に取付けられるとともに、
各ステアリングアーム52L,52Rの遊端に備えたロ
ーラ54が、各ステアリングカム50L,50Rに形成
されたカム溝55に係入されている。そして、左右のス
テアリング操作軸53L,53Rがリンク機構56L,
56Rを介して前記油圧ポンプPL,PRの変速操作軸
40L,40Rにそれぞれ各別に連動連結されている。
【0028】また、左右のスライド部材46L,46R
の間には、前記主変速操作軸43とガイド軸45に亘っ
てスライド自在に外嵌されたシフト部材57が配備さ
れ、このシフト部材57の下部にラックギヤ58が固設
されるとともに、ケース2の上下壁に亘って支架した縦
回転軸59に、前記ラックギヤ58に咬合するピニオン
ギヤ60が備えられている。また、縦回転軸59と前記
ステアリングハンドル24から下方に延出されたハンド
ル軸61とがジョイント70を介して連結され、ステア
リングハンドル24の左右への回動操作に伴う縦回転軸
59の正または逆回動によってシフト部材57が左また
は右にシフトされ、これに伴ってスライド部材46L,
46Rの内の一方が圧縮コイルバネ48に抗して外方に
スライドされるようになっている。
【0029】次に、前記変速操作機構41の作動につい
て、図14および図15〜図19に基づいて説明する。
【0030】〔中立停止〕図14,図15は、ステアリ
ングハンドル24を直進位置に、また、変速レバー31
を中立位置Nに置いた状態が示されている。この状態で
は、操作アーム47L,47Rが共に前向き水平姿勢に
あり、左右のステアリングカム50L,50Rはそれぞ
れ水平にあり、両油圧ポンプPL,PRはそれぞれ中立
となる。この場合、ステアリングハンドル24を左右に
回動しても、両油圧ポンプPL,PRが操作されること
はない。例えば、図14,図15の状態でステアリング
ハンドル24を左方に回動すると、ラック・ピニオン作
動によってシフト部材57が図14中のa方向にシフト
され、左側の油圧ポンプPLに対応するスライド部材4
6Lと操作アーム47Lとが圧縮コイルバネ48に抗し
て外側にスライドされ、これに伴ってステアリングカム
50Lも同方向に水平シフトされる。この際、ステアリ
ングカム50Lが水平姿勢であるために、このステアリ
ングカム50Lのカム溝55にローラ54を介して係合
されたステアリングアーム52Lは、水平姿勢のカム溝
55内でローラ54が移動してその係合位置を変えるだ
けとなり、ステアリングアーム52Lが回動されること
はない。従って、変速レバー31を中立位置Nに置いた
状態では、ステアリングハンドル24を左右に回動して
も左右の油圧ポンプPL,PRはそれぞれ中立位置に維
持される。
【0031】〔直進前進〕ステアリングハンドル24が
直進位置にある状態で変速レバー31を中立位置から前
進側に操作すると、図16に示すように、左右のスライ
ド部材46L,46Rがストッパ49によって位置規制
された中立位置にある状態で、主変速操作軸43が図1
4中のf方向に回動され、左右の操作アーム47L,4
7Rが共に同方向に同量だけ揺動される。これによって
左右のステアリングカム50L,50Rが各支点Z1 ,
Z2 周りに同角度だけ回動され、これに係合されている
ステアリングアーム52L,52Rが揺動されてステア
リング操作軸53L,53Rが同量回動される。これに
よって両油圧ポンプPL,PRの変速操作軸40L,4
0Rが前進側に同量づつ操作され、左右のクローラ走行
装置2L,2Rが同速で正転駆動され、機体が直進前進
する。
【0032】なお、ステアリングハンドル24が直進位
置にあると、前記ハンドル軸61の下部に備えた山形の
突起62が操作塔18に取付けられたスイッチ63に接
触操作して、操作塔18の上面に備えた直進表示ランプ
(直進表示手段)64を点灯作動させるよう構成されて
おり、この直進表示ランプ64の点灯視認することで直
進状態にあることを容易に認識することができるように
なっている。
【0033】また、左右のステアリング操作軸53L,
53Rと油圧ポンプPL,PRの変速操作軸40L,4
0Rとを連動連結するリンク機構56L,56Rにおい
て、変速範囲調整と直進調整とを行うようになってい
る。つまり、図9に示すように、ステアリング操作軸5
3L,53Rに設けたアーム65L,65Rと連係ロッ
ド66L,66Rとがアーム長手方向に沿う長孔67
L,67Rを介して連係されており、この連係位置を調
整することで、ステアリング操作軸53L,53Rの回
動に対する変速操作軸40L,40Rの回動範囲の調
整、つまり変速範囲の調整が可能となっている。また、
図10に示すように、油圧ポンプPL,PRの変速操作
軸40L,40Rに連動連結される連係ロッド68L,
68Rにターンバックル69L,69Rがそれぞれ備え
られ、この連係ロッド68L,68Rを伸縮調整して、
直進操作状態における両油圧ポンプPL,PRの吐出油
量の差異を無くすことで直進性を確保することができる
ようになっているのである。
【0034】〔直進後進〕ステアリングハンドル24が
直進位置にある状態で変速レバー31を中立位置から後
進側に操作すると、図17に示すように、左右のスライ
ド部材46L,46Rがストッパ49によって位置規制
された中立位置にある状態で、主変速操作軸43が図1
4中のr方向に回動され、左右の操作アーム47L,4
7Rが共に同方向に同量だけ揺動される。これによって
左右のステアリングカム50L,50Rが支点Z1 ,Z
2 周りに同角度だけ回動され、これに係合されているス
テアリングアーム52L,52Rが揺動されてステアリ
ング操作軸53L,53Rが同量回動される。これによ
って両油圧ポンプPL,PRの変速操作軸40L,40
Rが逆転側に同量づつ操作され、左右のクローラ走行装
置2L,2Rが同速で逆転駆動され、機体が直進後進す
る。
【0035】〔前進旋回〕上記した直進前進からステア
リングハンドル24を、例えば左方に回動操作すると、
ラック・ピニオン作動によってシフト部材57が図14
中のa方向にシフトされ、左側の油圧ポンプPLに対応
するスライド部材46Lと操作アーム47Lとが圧縮コ
イルバネ48に抗して外側にスライドされる。これに伴
って図18に示すように、スライド部材46Lのスライ
ド変位に伴ってステアリングカム50Lがa方向に移動
されるが、この際、ステアリングカム50Lは傾斜姿勢
に回動されているので、傾斜したカム溝55にローラ5
4を介して係合されているステアリングアーム52Lは
相対的に水平姿勢側に回動される。つまり、左側の油圧
ポンプPLのみが中立側に操作され、左右クローラ走行
装置2L,2Rに速度差がもたらされて機体1が左方に
旋回してゆく。そして、ステアリングハンドル24を左
方に回動操作する程、左側の油圧ポンプPLの中立側へ
の操作量が多くなり、左右クローラ走行装置2L,2R
の速度差が大きくなって機体旋回力が次第に大きくなっ
てゆく。また、左側の油圧ポンプPLが完全に中立にま
で操作されると、左側のクローラ走行装置2Lを停止し
て右側のクローラ走行装置2Rのみを正転駆動しての旋
回、いわゆる信地旋回状態となる。そして、更にステア
リングハンドル24を左方に大きく回動操作すると、ス
テアリングアーム52Lのローラ54が支点Z2 を越え
て反対側に相対移動することになり、ステアリングアー
ム52Lは水平姿勢を越えて反対方向に回動され、左側
の油圧ポンプPLが逆転側に操作されることになる。つ
まり、左側のクローラ走行装置2Lを逆転して右側のク
ローラ走行装置2Rを正転駆動しての急旋回、いわゆる
超信地旋回状態がもたらされる。
【0036】〔後進旋回〕上記した直進後進からステア
リングハンドル24を例えば左方に回動操作すると、前
進旋回の場合と同様に、左側のクローラ走行装置2Lの
油圧ポンプPLのみが中立側に向けて方向に操作され、
大きい旋回操作が加えられると油圧ポンプPLが中立ま
で、あるいは中立を越えて正転側にまで操作され、信地
旋回状態や超信地旋回状態による左方旋回がもたらされ
るのである。
【0037】なお、油圧モータML,MRに内装された
斜板の角度が油圧式に大小2段に切り換え可能となって
おり、この切りり換えによってモータ容量を切り換えて
高低2段の副変速を行うことが可能となっている。そし
て、この副変速の切り換えは前記した副変速スイッチ3
2で電磁式の制御弁機構74を操作することによってい
る。
【0038】また、各減速ケース38L,38Rには、
内装バネで制動作動し、圧油供給によって制動解除する
ネガティーブブレーキ73がそれぞれ備えられている。
このネガティーブブレーキ73への圧油給排制御は前記
制御弁機構74を介して行われるものであり、通常は圧
油が供給されて制動解除されている。また、この制御弁
機構74には、ポンプ駆動系に設けたベルトテンション
式の走行クラッチ75を入り切り操作する油圧シリンダ
76にも接続されている。
【0039】図5に示すように、前記走行停止用ペダル
26にリンク機構77を介して連係した天秤揺動式の操
作アーム77aが、変速レバー31から延出された2本
の牽制ロッド78にストローク吸収用の長孔79を介し
て連動連結されており、走行停止用ペダル26を踏み込
み操作すると、変速位置にある変速レバー31が一方牽
制ロッド78の突き上げによって強制的に中立に復帰さ
せるように構成され、これによって機体が停止するよう
構成されている。
【0040】また、走行停止用ペダル26の踏み込みが
スイッチ80で検知されるようになっている。このスイ
ッチ80は前記制御弁機構74に接続されており、スイ
ッチ80によってペダル踏み込みが検知されると、走行
クラッチ75を操作する油圧シリンダ76に制御弁機構
74を介して圧油が供給され、両油圧ポンプPL,PR
の駆動が断たれるとともに、ネガティーブブレーキ73
から排油されて左右のクローラ操向装置2L,2Rに制
動がかけられる。そして、駐車ロックレバー27を操作
して走行停止用ペダル26を踏み込み位置に固定するこ
とで、左右クローラ走行装置2L,2Rを制動状態に保
持した駐車ブレーキ状態がもたらされるようになってい
る。
【0041】ここで、走行停止用ペダル26の支点Qは
固定ベース21側に位置固定状態で設けられている。つ
まり、操作塔18の左側壁面にチルト支点Yを中心とす
る円弧状の長孔81が形成され、この長孔81内に支点
Qが位置固定状態で臨設され、操作塔18が前後に角度
調節されても、支点Qが長孔81内を相対移動するだけ
であり、走行停止用ペダル26は操作塔18の左外側に
おいて位置および姿勢が変わることなく配備されてい
る。
【0042】また、図4および図14に示すように、変
速レバー31のグリップ31aには、中立復帰型の一対
のスイッチ操作部82,83が左右に並設されている。
一方のスイッチ操作部82は刈取り前処理部8を昇降す
る前記油圧シリンダ12に対する電磁制御弁(図示せ
ず)を操作するものであり、また、他方のスイッチ操作
部83は、掻き込みリール13を上下位置調節する油圧
シリンダ15に対する電磁制御弁(図示せず)を操作す
るものであり、変速レバー31を操作して機体走行速度
を加減しながら刈取り前処理部8をスイッチ操作部82
の操作によって昇降することができるとともに、スイッ
チ操作部83の操作によって掻き込みリール13の上下
位置調節も行うことができるのである。
【0043】前記リール操作レバー28は、中立復帰付
勢された十字操作型レバーに構成されて、上下および前
後方向の操作がその基部に設けたスイッチ機構86で検
知されるようになっている。ここで、リール操作レバー
28が上方に操作されている間、リール変速機構36の
アクチュエータ37がリール回転速度を増速する方向に
作動され、リール操作レバー28が下方に操作されてい
る間、アクチュエータ37が減速方向に作動されるよう
になっている。また、リール操作レバー28が後方に操
作されている間、前記支持アーム14を伸縮する油圧シ
リンダ16が電磁制御弁(図示せず)を介して短縮作動
して掻き込みリール13が後方に位置変更され、リール
操作レバー28が前方に操作されている間、前記支持ア
ーム14が油圧シリンダ16によって伸長作動されて、
掻き込みリール13が前方に位置変更されるようになっ
ている。
【0044】〔他の実施形態〕直進検知手段として、図
20に示すように、左右クローラ走行装置2L,2Rに
おける各減速ケース38L,38Rに内装した適当な回
転軸の回転速度を、電磁ピックアップ式の回転検出セン
サ88L,88Rで検出するよう構成し、両回転検出セ
ンサ88L,88Rで検出した速度が同一であると直進
報知ランプ64を点灯作動させるように構成することも
できる。なお、直進報知ランプ64の点灯作動開始時の
適当短時間だけ、ブザー等の報知器でも直進報知するよ
うにしておくと、運転者が直進報知ランプ64の点灯を
目視しにくいような場合でも、直進状態の確認を正しく
行うことができて便利である。また、直進表示手段とし
ては、ランプ類を利用する他に、メータの指針による表
示や、液晶表示器によるマークの表示や点滅、などを適
宜選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンバインの全体側面図
【図2】コンバインの全体平面図
【図3】伝動系の概略図
【図4】操縦部の正面図
【図5】操縦部の一部を示す側面図
【図6】操作塔の一部を切り欠いた後面図
【図7】操縦部の平面図
【図8】直進検出手段の一例を示す平面図
【図9】変速操作機構の正面図
【図10】変速操作構造の機体右側からの側面図
【図11】変速操作機構の縦断側面図
【図12】変速操作機構の縦断正面図
【図13】変速操作機構の一部を示す平面図
【図14】変速操作機構全体を機体前方から見た概略斜
視図
【図15】変速操作機構の中立停止状態を示す概略正面
【図16】変速操作機構の直進前進状態を示す概略正面
【図17】変速操作機構の直進後進状態を示す概略正面
【図18】変速操作機構の前進での左旋回状態を示す概
略正面図
【図19】変速操作機構の後進での左旋回状態を示す概
略正面図
【図20】直進検出手段の他の実施形態を備えた場合の
伝動系を示す概略図
【符号の説明】
2L,2R クローラ走行装置 24 ステアリングハンドル 64 直進表示手段(直進表示ランプ)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステアリングハンドルの回転方向および
    その回動量に応じて左右のクローラ走行装置に速度差を
    もたらすよう構成するとともに、機体の直進状態を検知
    して報知する直進報知手段を配備してある作業車のステ
    アリング操作構造。
  2. 【請求項2】 前記ステアリングハンドルの回転位置検
    出によって直進状態が検知されるように構成してある請
    求項1記載の作業車のステアリング操作構造。
  3. 【請求項3】 左右のクローラ走行装置の速度が同一で
    あることの検出によって直進状態が検知されるように構
    成してある請求項1記載の作業車のステアリング操作構
    造。
  4. 【請求項4】 前記直進報知手段をステアリングハンド
    ルの近傍に配備された直進報知ランプで構成してある請
    求項1〜3のうちのいづれか一つに記載の作業車のステ
    アリング操作構造。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102556143A (zh) * 2012-02-08 2012-07-11 三一重工股份有限公司 一种工程机械设备行走方向控制方法及装置

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