JPH0236745Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、左右走行装置夫々に各別の前後進切
換え自在な油圧無段変速装置を設けると共に、そ
れら油圧無段変速装置に対する左右一対の操作レ
バーを設けた作業車に関する。

〔従来技術〕

左右の走行装置を夫々、別々の油圧無段変速装
置で駆動して、一方の走行装置を正転させ、他方
の走行装置を逆転させて機体の急旋回をはかれる
技術としては実願昭58−148015号がある。

〔考案が解決しようとする問題点〕

走行装置を油圧無段変速装置で駆動するもので
は、操作レバーの中立位置への復帰がわかりにく
く、前記油圧無段変速装置の操作レバーが確実に
中立位置に戻つていないとエンジン始動時に発進
又は旋回する危険がある。

そこで、エンジン始動時の安全をはかる手段と
して、前記従来のものは、油圧無段変速装置の操
作レバーの位置をスイツチで検出して、前記操作
レバーが中立位置にある時のみセルモーターへの
作動を許容してエンジンの始動をはかれるように
してある。

ところが、このように、操作レバーの位置を検
出して、エンジン始動時の安全をはかるもので
は、２本の操作レバーに対して夫々レバーの位置
検出用のスイツチを必要とし、スイツチの数、配
線、スイツチ取付用部材が多くなつてコストが高
くつくとともに、各スイツチ系の組付調整が必要
で組付作業性が悪いものであつた。

本考案は、ブレーキと油圧無段変速装置の操作
レバーとを関連づけて、エンジン始動時の安全を
はかることを目的とする。

〔問題を解決するための手段〕

前記左右走行装置を同時に制動させるブレーキ
ペダルの踏み込み操作に伴つて、前記変速操作状
態にある左右一対の操作レバーを中立位置に押し
戻す押し戻し機構を設けると共に、前記ブレーキ
ペダルの踏み込み操作に伴つてそのブレーキペダ
ルを含むブレーキ操作機構の一部に接当するセフ
テイースイツチを設け、このセフテイースイツチ
をエンジン始動用セルモーターの作動回路に組込
んで、前記ブレーキペダルの踏み込み操作に伴つ
て前記エンジン始動用セルモーターの作動を許容
するように構成したことである。

〔作用〕

ブレーキペダルを踏み込むと、たとえ、油圧無
段変速装置の操作レバーが中立位置以外に入つて
いたとしても、押し戻し機構によつて中立位置に
押し戻され、且つ、ブレーキペダルの踏み込みに
よつてセルモーターへの通電が可能となる。

〔考案の効果〕

油圧無段変速装置の操作レバーを積極的に中立
位置に押し戻す機構を設けたから、操作レバーの
位置を検出して、作業者が操作レバーを中立位置
に押し戻す場合のように、操作レバーの位置を検
出する為のスイツチが不要となる。

そして、操作レバーを中立位置に押し戻す、押
し戻し機構操作用のブレーキペダルの踏み込み操
作に伴つて、セルモーターへの通電が可能となし
てあるから、エンジン始動時に、ブレーキペダル
の操作忘れがなく安全である。

このように、ブレーキに関連づけて設けたか
ら、ブレーキペダル踏み込み忘れを防止するセフ
テイースイツチを１つ設けておくだけで良いの
で、部品点数が少く安価になるとともに、組付調
整も簡単となり組付作業性の向上が図れる。

〔実施例〕

左右一対のクローラ走行装置１を備えた機体フ
レーム２に、搭乗運転部３、自動脱穀装置４、脱
穀粒貯留用タンク５を設けると共に、植立穀稈を
掻き込む回転リール６、掻き込まれた穀稈を刈取
る刈刃７、刈取られた穀稈を機体左右中央に寄せ
る回転オーガ８、及び、機体左右中央に寄せられ
た穀稈を脱穀装置４に供給搬送するコンベア９等
諸装置を備えた刈取部１０を、機体フレーム２の
前端に、油圧シリンダ１１により昇降操作自在に
取付け、もつて所謂直流型のコンバインを構成し
てある。

前記クローラ走行装置１の駆動構造を構成する
に、原動機１８によつて駆動される正逆転切換操
作自在な可変容量型の１対の油圧供給ポンプ１２
ａ，１２ｂに左右各別に接続された一対の油圧モ
ーター１３ａ，１３ｂを、機体フレーム２の前端
下部に取付けた左右一対のミツシヨンケース１
４，１４に、それに内装のギアー減速機構１５，
１５に連動させる状態で左右各別に取付けると共
に、各ミツシヨンケース１４，１４から機体外側
方向きに突設した出力軸１６，１６の端部に、各
クローラ走行装置１の駆動スプロケツト１ａ，１
ｂを取付け、もつて、圧油供給ポンプ１２ａ，１
２ｂと油圧モーター１３ａ，１３ｂからなる油圧
無段変速装置Ａ，Ａの両圧油供給ポンプ１２ａ，
１２ｂに対する吐出容量変更及び正逆切換操作、
並びに、ギヤー減速機構１５，１５に付設のブレ
ーキ１７，１７操作により、機体の走行操作を行
なうように構成してある。

ポンプ１２ａ，１２ｂの斜板角を変更するアー
ム１２a′，１２b′は、ロツド１８ａ，１８ｂを介
して横軸１９まわりで夫々単独操作可能な操作レ
バー２０，２０に連結されている。

前記ギヤー減速機構１５，１５に付設のブレー
キ１７，１７は、一つのブレーキペダル２１によ
つて、同時に制動可能なように長さ調節自在なロ
ツド２２，２２を介して連結されている。前記左
右一対の操作レバー２０，２０を、前記ブレーキ
ペダル２１の踏み込み操作に伴つて、以下に述べ
る押し戻し機構Ｂを介して中立位置に復帰操作す
べく構成してある。

すなわち、前記左右一対の操作レバー２０，２
０の下部に、横軸２３まわりで回動自在な背面視
Ｔ字形の左右一対の回動アーム２４ａ，２４ｂを
前記左右一対の操作レバー２０，２０の下端部を
前後から挾むように側面視Ｖの字状に配設し、こ
れら回動アーム２４ａ，２４ｂのボスの端部に
180度の位相をもつて付設したアーム２５ａ，２
５ｂと、前記ブレーキペダル２１のボス部に付設
した２本のアーム２６ａ，２６ｂに対して、夫々
引つ張りスプリング２７，２７、長さ調節自在な
ロツド２８，２８を介して連動連結し、前記ブレ
ーキペダル２１の踏み込み操作に伴つて、ロツド
２８，２８、スプリング２７，２７を介して左右
一対のＴ字形回動アーム２４ａ，２４ｂを互いに
近接する方向に回動操作して左右一対の操作レバ
ー２０，２０を中立位置に復帰操作すべく構成し
てある。

そして、前記ブレーキペダル２１の支持アーム
に横方向に突出する板体２１ａを付設し、前記ブ
レーキペダル２１を踏み込んで制動をかけた時、
前記板体２１ａによりセフテイースイツチＳを
ON作動すべく構成してある。

前記セフテイースイツチＳは、第５図に示す如
く、エンジンのキースイツチＫからセルモーター
SMへの電源回路に介装したリレー接点R₁を操作
するリレーＲと連結されている。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る作業車の実施例を示し、第
１図は要部を示す側面図、第２図は同背面図、第
３図はコンバイン全体を示す側面図、第４図は走
行装置の駆動系を示す概略図、第５図はエンジン
の始動回路図である。 １……走行装置、２０……操作レバー、２１…
…ブレーキペダル、Ａ……油圧無段変速装置、Ｂ
……押し戻し機構、Ｋ……キースイツチ、SM…
…セルモーター、Ｓ……セフテイースイツチ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 左右走行装置１，１夫々に各別の前後進切換え
   自在な油圧無段変速装置Ａ，Ａを設けると共に、
   それら油圧無段変速装置Ａ，Ａに対する左右一対
   の操作レバー２０，２０を設けた作業車におい
   て、前記左右走行装置１，１を同時に制動させる
   ブレーキペダル２１の踏み込み操作に伴つて、前
   記変速操作状態にある左右一対の操作レバー２
   ０，２０を中立位置に押し戻す押し戻し機構Ｂを
   設けると共に、前記ブレーキペダル２１の踏み込
   み操作に伴つてそのブレーキペダル２１を含むブ
   レーキ操作機構の一部に接当するセフテイースイ
   ツチＳを設け、このセフテイースイツチＳをエン
   ジン始動用セルモーターSMの作動回路に組込ん
   で、前記ブレーキペダル２１の踏み込み操作に伴
   つて前記エンジン始動用セルモーターSMの作動
   を許容するように構成してあることを特徴とする
   作業車。