JPH1081067A - 感熱記録材料及び熱記録方法 - Google Patents

感熱記録材料及び熱記録方法

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JPH1081067A
JPH1081067A JP8237988A JP23798896A JPH1081067A JP H1081067 A JPH1081067 A JP H1081067A JP 8237988 A JP8237988 A JP 8237988A JP 23798896 A JP23798896 A JP 23798896A JP H1081067 A JPH1081067 A JP H1081067A
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JP
Japan
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heat
recording material
group
sensitive recording
heating
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JP8237988A
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English (en)
Inventor
Shintaro Washisu
信太郎 鷲巣
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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  • Heat Sensitive Colour Forming Recording (AREA)
  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 レーザー光の吸収効率がよく、地肌の着色の
程度が低い、品位のよい記録を可能とする感熱記録材料
を提供する。 【解決手段】 支持体上に、少なくとも有機銀塩、有機
銀塩の現像剤、レーザー光吸収色素、及び水溶性バイン
ダーを含有する感熱層を設けてなる感熱記録材料であっ
て、該レーザー光吸収色素として下記一般式(I)で表
されるシアニン化合物を含有する。有機銀塩は固体分散
状態又はマイクロカプセルに内包させて含有することが
できる。 一般式(I)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は感熱記録材料及びそ
れを用いた熱記録方法に関し、特にレーザー光を利用し
て記録する非接触の感熱記録材料及びそれを用いた低エ
ネルギーレーザーによっても高感度の記録をなし得る熱
記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】支持体上に感熱記録層(以下、感熱層と
いう)を設けた感熱記録材料の表面にサーマルヘッドを
密着走査させ、熱エネルギーを感熱層に直接又は保護層
を通して伝えることによって発色画像を記録する感熱記
録方式は広範囲に知られており、ファクシミリやプリン
ター等に適用されている。しかしながら、このような感
熱記録方法においては、サーマルヘッドを感熱記録材料
に密着させて走査させるために、サーマルヘッドが摩耗
したり、サーマルヘッド表面へ感熱記録材料の成分がカ
スとなって付着することにより記録画像が正しく得られ
ない場合が生じたり、サーマルヘッドが破壊されるとい
う欠点があった。また、このようなサーマルヘッドを用
いた感熱記録方式には、サーマルヘッドの構造上の特質
から、発熱素子の加熱冷却の高速制御や発熱素子密度を
大きくする上での限界があるために、高速記録、高密度
記録、高画質記録を達成するには限度があるという欠点
があった。
【0003】サーマルヘッドを用いる感熱記録方式の上
記の如き欠点を解決するために、レーザー光を用い、感
熱記録材料に対して非接触且つ高速且つ高密度で熱記録
を行うことが提案されている(例えば、特開昭50−2
3617号、特開昭54−121140号、特開昭57
−11090号、特開昭58−56890号、特開昭5
8−94494号、特開昭58−134791号、特開
昭58−145493号、特開昭59−89192号、
特開昭60−205182号、特開昭62−56195
号の各公報)。しかしながら、このようなレーザー光を
用いた記録方式においては、感熱層が一般に可視及び近
赤外領域の光を吸収しにくいために、レーザーの出力を
相当大きくしないと発色に必要な熱エネルギーが得られ
ず、小型で安価な装置をつくることが極めて困難である
という欠点があった。また、特公昭50−774号公報
にはインクを封入したマイクロカプセルを原紙に塗布
し、強力な光を照射してカプセル中のインクを噴出させ
て原紙に記録させる方法が提案されているが、感度が非
常に低く未だ実用されるに至っていない。
【0004】そこで、感熱層に効率良くレーザー光を吸
収させるための提案も多くされており、一般的には感熱
層の中にレーザー光の波長に合った光吸収物質を添加す
ることが行われている。この場合、添加する光吸収物質
が白色でないと記録材料の地肌が着色して、コントラス
トが低く、品位のない記録しか得られない。しかしなが
ら、一般に白色の光吸収物質は無機化合物に多いが、そ
の殆どのものは光吸収効率が低い。一方、レーザー光の
吸収に適した有機化合物は一般的に可視光領域の光をも
吸収するため着色していることが多く、また、色の濃い
もの程光吸収効率が高いため、それを光吸収物質として
感熱層に添加すると、感度を増加させることができる反
面、記録紙の地肌着色度を少なくすることが困難とな
る。従って、光吸収物質として、少量でも光エネルギー
を熱エネルギーに変換する効率(光熱変換効率)の優れ
た物質が必要とされてきた。
【0005】さらに、このような感熱記録材料は、安定
した保存状態を維持するため、低い熱エネルギーでは発
色しないように構成されている。従って、所望の発色状
態を得るためには、かなりの熱エネルギーが必要であ
る。この結果、発色までの熱エネルギーの閾値分だけダ
イナミックレンジが狭くなり、高階調の画像を得ること
が困難となる不都合がある。また、発色させるための装
置側の負担も相当に大きなものとなってしまう。一方、
所定の熱エネルギーが付与された感熱記録材料は、その
熱エネルギーに応じて発色し、画像が可視化される。こ
の場合、画像が記録された後の感熱記録材料は、常温保
存状態において画像濃度が経時的に高くなることが知ら
れている。従って、記録直後と所定時間経過後とでは、
画像濃度が異なってしまう不具合があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事実を
考慮してなされたものであり、レーザー光の吸収効率が
高い上に、地肌の着色が少なく、品位の良い記録が可能
である感熱記録材料を提供すること、及び、その感熱記
録材料を用いて記録後の画像の濃度を安定させることが
でき、また、画像等を記録するためのレーザビームのダ
イナミックレンジを充分に確保して高階調で且つ高精度
な画像等を得ることができ、しかも、前記レーザビーム
を発生する加熱ビーム発生手段に対する負担を軽減して
装置を簡易且つ廉価なものとすることのできる熱記録方
法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】感熱層中に、レーザービ
ームの吸収効率は高いが可視光領域の波長の光吸収が少
なく、且つ、吸収したレーザービームのエネルギーを熱
エネルギーへ変換する効率が高い光吸収物質を添加すれ
ば、感熱記録材料の熱記録の感度を向上させ、出力の低
いレーザーにより熱記録が可能となるのみならず、記録
材料の白色度も向上させることが可能であるが、本発明
者等はその光吸収物質として特定構造を有するシアニン
化合物が好適であること、さらに発色性物質として有機
銀塩を組み合わせることにより優れた感熱記録材料を得
ることを見出し、この感熱記録材料にレーザー光を用い
て記録を行ったところ、極めて良好な結果を得ることが
できるということを見出した。
【0008】即ち、本発明の感熱記録材料は、支持体上
に、少なくとも有機銀塩、有機銀塩の現像剤、レーザー
光吸収色素、及び水溶性バインダーを含有する感熱層を
設けてなる感熱記録材料であって、該レーザー光吸収色
素が後述の一般式(I)で表されるシアニン化合物であ
ることを特徴とする。上記発明においては、有機銀塩は
固体分散状態で含有することもでき、また、有機銀塩及
び有機銀塩の現像剤の少なくとも一方をマイクロカプセ
ル化して含有することもできる。また、上記発明の感熱
記録材料においては、前記有機銀塩の現像促進剤が含ま
れていることが好ましい。
【0009】本発明の感熱記録材料においては、その感
熱層が前記シアニン化合物を含有しており、このシアニ
ン化合物が照射されたレーザー光を吸収してそのエネル
ギーを熱エネルギーに変換するため、レーザー光の吸収
効率を上げ、発色成分である有機銀塩と有機銀塩の現像
剤との反応を促進させる。さらに、前記シアニン化合物
がマイクロカプセルの内部、外部及び壁内部の何れか1
箇所以上に含有している場合、前記シアニン化合物によ
りレーザー光のエネルギーが熱エネルギーに変換され、
これにより、前記マイクロカプセルが加熱されて物質透
過性となると共に内部の圧力が高まる結果、マイクロカ
プセル内外に存在していた有機銀塩と有機銀塩の現像剤
とがマイクロカプセル壁を透過接触して発色するもので
ある。
【0010】また、本発明者らは、前記感熱記録材料を
用いて熱記録を行う際に、予熱工程、熱記録後の加熱工
程、又は予熱並びに熱記録後の加熱工程を実施すること
により、記録感度の向上と共に記録後の画像濃度を安定
させ、階調性に優れた記録を行い得ることを見出した。
【0011】即ち、本発明の熱記録方法の一つは、付加
される熱エネルギーに応じた濃度で発色する前記本発明
の感熱記録材料に対して、記録情報に応じて変調された
レーザビームを照射し、該感熱記録材料を所定の発色温
度に画像様に加熱する第1の過程と、前記画像様に加熱
された感熱記録材料の全面を当該感熱記録材料の発色温
度未満の所定温度で均一に加熱する第2の過程とを含
む。本発明の熱記録方法の他の一つは、付加される熱エ
ネルギーに応じた濃度で発色する前記本発明の感熱記録
材料の全面を発色温度未満の所定温度に均一に予熱する
第1の過程と、前記予熱された感熱記録材料に対して、
記録情報に応じて変調されたレーザビームを照射し、該
感熱記録材料を所定の発色温度に画像様に加熱する第2
の過程とを含む。本発明の熱記録方法のさらに他の一つ
は、付加される熱エネルギーに応じた濃度で発色する前
記本発明の感熱記録材料の全面を発色温度未満の所定温
度に均一に予熱する第1の過程と、前記予熱された感熱
記録材料に対して、記録情報に応じて変調されたレーザ
ビームを照射し、当該感熱記録材料を所定の発色温度に
画像様に加熱する第2の過程と、前記加熱された感熱記
録材料の全面を当該感熱記録材料の発色温度未満の所定
温度で均一に加熱する第3の過程とを含む。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る感熱記録材料
についてさらに詳細に説明する。本発明の感熱記録材料
の感熱層に含有される有機銀塩は、光に対して安定な無
色ないし白色の銀塩であって、現像剤と共に加熱された
ときに、酸化還元反応により銀を生ずるものである。こ
のような有機銀塩は、イミノ基、メルカプト基又はカル
ボキシル基を有する有機化合物の銀塩であり、その具体
例としては、1)イミノ基を有する有機化合物の銀塩
(例えば、サッカリン銀、フタラジノン銀、ベンゾトリ
アゾール銀等)、2)メルカプト基又はチオン基有する
有機化合物の銀塩(例えば、3−(2−カルボニルエチ
ル)−4−オキシメチル−4−チアゾリン−2−チオン
の銀塩、3−メルカプト−4−フェニル−1,2,4−
トリアゾールの銀塩等)、3)カルボキシル基を有する
有機化合物の銀塩(例えば、ステアリン酸銀、ベヘン酸
銀等)などが挙げられる。これらの中でも、白色で光に
安定であること、耐湿性に優れていること、緩やかな現
像剤と組み合わせて使用できること、優れた色調剤が知
られていること、等の観点から、ベヘン酸銀が最も好ま
しい。
【0013】本発明の感熱記録材料においては、高濃度
の有機銀塩を使用して高濃度の画像を記録する観点か
ら、脱塩精製された有機銀塩を使用することが好まし
い。ここで、脱塩精製とは、例えば、有機酸にアルカリ
を添加して形成させた有機酸の塩に硝酸銀を添加して有
機銀塩を調製する場合に、該硝酸銀の添加によって副生
した硝酸塩を系外に除去することである。このような脱
塩精製は、有機銀塩は通さずに硝酸塩は透過させる半透
膜を用いた限外ろ過法、又は遠心分離法によって行うこ
とが好ましい。
【0014】本発明の感熱記録材料の記録層中に、露光
された際に潜像を形成させると共に、有機銀塩に対する
還元反応、即ち現像を迅速に行わせることのできる感光
性を有するハロゲン化銀を有機銀塩に隣接して含有させ
た場合には、本発明の感熱記録材料はレーザー光によっ
て記録を行う感光記録材料としての機能をも有するもの
となる。この場合のハロゲン化銀は、塩化銀、臭化銀、
塩臭化銀、沃化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀等の公知のハ
ロゲン化銀の中から、適宜選択して用いることができ
る。
【0015】ハロゲン化銀を有機銀塩に隣接して含有さ
せる場合には、有機銀塩の存在する系中に含有させる
が、ハロゲン化銀形成剤を加えて有機銀塩の一部をハロ
ゲン化銀に変化させることによって含有させることが好
ましい。前記ハロゲン化銀形成剤としては、CaB
2 、KBr、KCl、HBr等の無機ハロゲン化合
物、NH4 Br、NH4 Cl等のオニウムハライド類、
ハロゲン化炭素、N−ブロモコハク酸イミド等のN−ハ
ロゲン化物等のハロゲン供与性化合物が挙げられる。ハ
ロゲン化銀を併用する場合には、その含有量は有機銀塩
に対して1〜30モル%であることが好ましい。
【0016】次に有機銀塩の現像剤について説明する。
本発明の感熱記録材料に用いられる現像剤は、加熱した
ときに有機銀塩を還元して銀を生成する作用を有する還
元剤であり、現像温度において迅速に還元反応するこ
と、現像後の画像の色調に影響を与えないこと等の特性
を要求される。このような現像剤としては、例えば、ヒ
ドロキシクマロン又はヒドロキシクマラン類、スルホア
ミドフェノール類又はスルホアミドナフトール類、ヒド
ラドン類、ヒロオキサミン酸類、ビス−β−ナフトール
類、インダン−1,3−ジオン類、アミノフェノール類
又はアミノナフトール類、ピラゾリン−5−オン類、ヒ
ドロキシルアミン類、レダクトン類、ヒドラジン類、ハ
イドロキノン類、ビスフェノールA、ビスフェノールB
等のポリフェノール類、没食子酸、没食子酸エステル、
フェニレンジアミン類、ヒドロキシインダン類、1,4
−ジヒドロキシピリジン類、アミドオキシム類、ヒドロ
キシ置換脂肪族カルボン酸アリールヒドラジド類、N−
ヒドロキシ尿素類、ホスホンアミドフェノール類、ホス
ホンアミドアニリン類、α−シアノフェニル酢酸エステ
ル類、スルホンアミドアミリン類等が挙げられるが、こ
れらの中でも、下記式で表される各化合物、没食子酸オ
クチル、没食子酸プロピル、没食子酸エチル又は没食子
酸メチル等を使用することが好ましい。
【0017】
【化2】
【0018】本発明における有機銀塩を固体分散する方
法としては、例えば、有機銀塩とポリビニルアルコール
等の水溶性高分子化合物、及び必要に応じて色調剤、か
ぶり防止剤、分散剤、水等を組み合わせて、ボールミ
ル、サンドミル等により数ミクロン以下にまで分散す
る。一方、還元剤は、同様にして固体分散するか又はポ
リビニルアルコール等の水溶液に完全に溶解する。この
ようにして得られた各液をブレンドして固体分散塗液を
調整し、支持体上に塗布して記録材料を得る。
【0019】また、本発明においては、有機銀塩と現像
剤との常温における還元反応を防止して感熱記録材料の
シェルフライフを長くすると共に経時かぶりを軽減する
観点から、有機銀塩及び有機銀塩の現像剤の少なくとも
一方をマイクロカプセルに内包させることが好ましい。
有機銀塩及び有機銀塩の現像剤のいずれか一方のみをマ
イクロカプセル化する場合には、他方を固体分散させて
使用したり、ポリビニルアルコール等の水溶液に完全に
溶解したり、有機溶媒に溶解せしめて油相とした後これ
を水溶性高分子を含む水相と混合し乳化分散した分散物
の形で使用することができる。後者の場合には、感熱層
を透明にすることができる。また、有機銀塩及び有機銀
塩の現像剤の双方をマイクロカプセル化する場合には、
これらを別個のマイクロカプセル内に内包させてること
が好ましいが、水系の塗布液を得ることのみを目的とす
れば、同一のマイクロカプセルに内包させてもよい。
【0020】本発明に使用可能なマイクロカプセルは、
常温において内包されている物質を隔離すると共に、加
熱時には圧力や熱等で破壊されることがなく、マイクロ
カプセルの壁が物質透過性となる熱応答性マイクロカプ
セルである。このようなマイクロカプセルを製造する方
法としては、界面重合法、内部重合法、外部重合法等の
公知の製造方法を採用することができるが、特に、有機
銀塩又は有機銀塩の現像剤を有機溶剤に溶解又は分散せ
しめた芯物質に、カプセル壁材(高分子物質)を添加し
てなる油相成分を、水溶性高分子を溶解した水溶液中で
乳化した後、その油滴の周囲に前記カプセル壁材の重合
体からなる壁を形成させる界面重合法を採用することが
好ましい。
【0021】上記有機溶剤としては、酢酸エチル、酢酸
ブチル、酢酸イソアミル等のカルボン酸エステル、トル
エン、キシレン、リン酸エステル等の沸点が150℃以
下の非水溶媒を使用することが好ましい。前記カプセル
壁材を形成するリアクタントは油滴の内部及び/又は油
滴の外部に添加される。カプセル壁材の具体例として
は、ポリウレタン、ポリウレア、ポリアミド、ポリエス
テル、ポリカーボネート、尿素−ホルムアルデヒド樹
脂、ポリアミック酸、ポリスチレン、スチレンメタクリ
レート共重合体、スチレン−アクリレート共重合体等が
挙げられる。好ましいカプセル壁材はポリウレタン、ポ
リウレア、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネー
トであり、破損し難いカプセルが得られることから、ポ
リウレタン及びポリウレアが好ましい。これら高分子物
質は2種以上併用することもできる。
【0022】前記水溶性高分子の具体例としては、ゼラ
チン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等
が挙げられる。例えば、ポリウレア又はポリウレタンを
カプセル壁材として用いる場合には、(a)ジイソシア
ナート、トリイソシアナート、テトライソシアナート、
ポリイソシアナートプレポリマー等の多価イソシアナー
トと、(b)ジアミン、トリアミン、テトラアミン等の
ポリアミン、アミノ基を2個以上含むプレポリマー、ピ
ペラジン若しくはその誘導体、多価アルコール等あるい
は水とを、水系溶媒中で界面重合法によって反応させる
ことにより、容易にマイクロカプセル壁を形成させるこ
とができる。この場合のマイクロカプセルは、その壁が
緻密であるので好ましい。
【0023】また、ポリウレアとポリアミドからなる複
合壁又はポリウレタンとポリアミドからなる複合壁は、
例えば、ポリイソシアナートと酸クロライド又はポリア
ミンと多価アルコールを用い、反応液となる乳化媒体の
pHを調整した後、加温することにより調製することが
できる。これらのポリウレアとポリアミドとからなる複
合壁の製造方法の詳細については、特開昭58−669
48号公報に記載されている。ポリアミック酸からなる
カプセルは、例えばポリスチレン−無水マレイン酸共重
合体と多価アミンの界面反応から形成されるものであ
る。なお、本発明の感熱記録材料に用いられるマイクロ
カプセルの特に好ましい壁材として、以下のイソシアネ
ート系化合物を挙げることができる。
【0024】ここで用いられるイソシアネート系化合物
は、公知のイソシアネート単量体の(1)ウレタン変性
体、(2)アロファネート変性体、(3)イソシアヌレ
ート変性体、(4)ビュレット変性体、(5)カルボジ
イミド変性体、(6)ブロックドイソシアネート等の変
性体、及び、(7)ポリメリックMDI、即ち、4,
4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)の
直鎖状重合体、から選択される。変性体を形成するイソ
シアネート単量体としては、トリレンジイソシアネート
(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネ
ート(MDI)、キシリレンジイソシアネート(XD
I)、ナフチレンジイソシアネート(NDI)、パラフ
ェニレンジイソシアネート(PPDI)、テトラメチル
キシリレンジイソシアネート(TMXDI)、ヘキサメ
チレンジイソシアネート(HDI)、ジシクロヘキシル
メタンジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイ
ソシアネート(IPDI)、リジンジイソシアネート
(LDI)、イソプロピリデンビス(4−シクロヘキシ
ルイソシアネート)(IPC)、水添キシリレンジイソ
シアネート(水添XDI)、シクロヘキシルジイソシア
ネート(CHDI)、トリジンジイソシアネート(TO
DI)等が挙げられる。以下に、このイソシアネート単
量体の構造を示すが、本発明に用いられるイソシアネー
ト単量体はこれらに限定されるものではない。これら
は、例えば、「最新ポリウレタンの合成、配合と機能化
・用途展開」(技術情報協会、1989年刊)に詳細に
記載されている。
【0025】
【化3】
【0026】
【化4】
【0027】これらのイソシアネート単量体は、毒性等
の好ましくない物性の改質、反応速度の制御や配合比率
の改善等を向上させる目的で、前記した如き種々のイソ
シアネート変性体に変性されて用いられる。次に、変性
体について説明する。(1)ウレタン変性体とは、イソ
シアネート単量体(又は、ジイソシアネート)を不足量
のポリオールで変性したものである。(2)アロファネ
ート変性体は、ウレタン基にイソシアネート基が付加し
て生成される。(3)イソシアヌレート変性体は、イソ
シアヌレート環を分子内に有しており、耐熱性が向上す
る傾向がある。(4)ビュレット変性体は、ウレア結合
にイソシアネート基が付加した化合物であり、遊離のイ
ソシアネートを除去したものである。(5)カルボジイ
ミド変性体は、2モルのイソシアネート基から脱炭酸ガ
ス反応により、カルボジイミド結合が生成する。さら
に、イソシアネートが付加するとウレトンイミンが生成
した後、カルボジイミドとウレトンイミンが平衡的に共
存する。(6)ブロックドイソシアネートはイソシアネ
ート基の活性を一時マスクするために各種ブロック剤を
反応させて得られ、ブロック剤としては、フェノール、
キシレノール等のフェノール系ブロック剤、オキシム、
ラクタム、アルコール類等の活性水素化合物等が挙げら
れる。
【0028】本発明の感熱記録材料のカプセル壁材とし
て、具体的には、安全性、入手の容易性から、下記式
(a)〜(k)で表されるイソシアネート化合物が挙げ
られる。
【0029】
【化5】
【0030】
【化6】
【0031】カプセル壁材を形成するリアクタントは乳
化、分散後に加温することが好ましい。加温の条件とし
ては、30〜80℃で30分間〜4時間であることが好
ましく、30℃未満であると、反応に長時間を要し、ま
た、反応が不完全にしか進まず、80℃を超えると反応
の制御が困難となり、いずれも好ましくない。例えば、
イソシアネート化合物をカプセル壁材として用いる場合
には、有機銀塩を前記の如き有機溶剤中に分散させた分
散液に、さらに、イソシアネート化合物の少なくとも1
種を添加した油相成分を、ゼラチン等の水溶性バインダ
ーを含む水溶液中に添加した後、攪拌して、該油相成分
を水溶液中に分散させた分散液を得て、分散系全体を、
例えば、40〜90℃程度に加温してマイクロカプセル
の壁材を形成させることができる。
【0032】このとき、得られるマイクロカプセルの平
均粒径は0.1〜3.0μmであることが好ましく、
0.2〜1.2μmであることがより好ましい。粒径を
前記範囲に制御することにより、感熱層の透明性が向上
し、シャーカステンにて透過光で画像を視察しうる等の
利点を有することになる。
【0033】次に、本発明の感熱記録材料に用いられる
レーザー光吸収色素について説明する。本発明の感熱記
録材料においてレーザー光吸収色素として用いられる化
合物は下記一般式(I)で表されるシアニン化合物であ
る。
【0034】一般式(I)
【化7】
【0035】前記一般式(I)中、R1及びR2は、直鎖
又は分枝状のアルキレン基を表し、これらは各々更にハ
ロゲン原子、ヒドロキシル基、アルコキシ基、又はアリ
ール基で置換されていてもよい。X1及びX2は、CH=
CH、S、O、Se、NR3、又はC(R42を表す。
3及びR4は、アルキル基を表し、これらは更に置換基
を有してもよい。Y1及びY2は、スルホナート基又はカ
ルボキシラート基を表す。Z1及びZ2は、芳香環を完成
するための原子群を表し、これらは各々更に置換基を有
してもよい。L1は、メチン基が共役二重結合によって
5個又は7個連結されて生じる3価の基を表し、これら
は更に置換基を有してもよい。r及びsは、各々0又は
1を表す。M1は、対カチオンを表す。
【0036】次に、本発明においてレーザー光吸収色素
として用いられる一般式(I)で表されるシアニン化合
物について詳述する。R1及びR2は、各々置換基を有し
てもよい直鎖又は分枝状のC1〜C8のアルキレン基が好
ましく、前記置換基としては、−OH、C1〜C4のアル
コキシ基、−F、−Cl、−CN、C1〜C5のカルボン
アミド基、C1〜C5のカルバモイル基、C2〜C6のアル
コキシカルボニル基、C1〜C7のアシロキシ基、C1
7のアシル基、C1〜C4のアルカンスルホニル基、C1
〜C4のアルキルチオ基が好ましい。X1及びX2は、C
H=CH、S、O、Se、NR3、又はC(R42を表
す。R3及びR4は、各々置換基を有してもよい直鎖又は
分枝状のC1〜C8のアルキル基が好ましく、前記置換基
としては、−OH、C1〜C4のアルコキシ基、−F、−
Cl、−CN、C1〜C5のカルボンアミド基、C1〜C5
のカルバモイル基、C2〜C6のアルコキシカルボニル
基、C1〜C7のアシロキシ基、C1〜C7のアシル基、C
1〜C4のアルカンスルホニル基、C1〜C4のアルキルチ
オ基が好ましい。より好ましくはメチル基、エチル基、
プロピル基、イソプロピル基、ブチル基(分枝状のもの
を含む)、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル
基、3−スルホプロピル基、4−スルホブチル基、3−
スルホブチル基である。特に好ましくはメチル基、エチ
ル基、プロピル基、3−スルホプロピル基、4−スルホ
ブチル基である。Y1及びY2は、−COO- 又は−SO
3 - である。Z1及びZ2で完成するベンゼン環上の置換
基の好ましいものは、ハロゲン原子(特にF、Cl)、
1〜C6のアルキル基(メチル基、エチル基、トリフル
オロメチル基などC1〜C2のものが特に好ましい)であ
る。また、2つの置換基が結合して芳香環、複素環、脂
肪族環を形成してもよく、好ましくはベンゼン環を形成
することである。L1で表されるメチン基の好ましいも
のは下記一般式(II)及び一般式(III)で表されるもの
である。
【0037】一般式(II)
【化8】
【0038】一般式(III)
【化9】
【0039】一般式(II)及び一般式(III) において、
1、A3、A4、及びA6は、水素原子、アルキル基、ア
ラルキル基、アルコキシル基、又はハロゲン原子を表
す。但し、A1とA3、A4とA6が一つになってエチレン
基、プロピレン基等を形成してもよい。好ましくはメチ
ル基、ベンジル基、−Clであるか、又はA1とA3、A
4とA6が一つになってエチレン基、プロピレン基を形成
する。A2及びA5は、水素原子、ハロゲン原子、アルキ
ル基、アラルキル基、アルコキシル基、置換アミノ基、
アリール基、アルキルチオ基、又はアリールチオ基を表
す。好ましくは水素原子、−Cl、メチル基、ベンジル
基、ジフェニルアミノ基、ジ(4−メトキシフェニル)
アミノ基、4−エトキシカルボニル基、ピペラジノ基、
モルホリノ基、フェニルチオ基又は4−メトキシフェニ
ルチオ基である。
【0040】M1は、正の1価若しくは2価の有機又は
無機のイオンが好ましい。M1で表されるイオンとして
好ましいものは、プロトン、アルカリ金属イオン、アル
カリ土類金属イオン、アンモニウムイオン(例えばアン
モニウムイオン、メチルアンモニウムイオン、ピペリジ
ニウムイオン、トリエチルアンモニウムイオン、N,N
−ジメチルアンモニウムイオン、1,4−ジアザビシク
ロ〔2.2.2〕オクタン−1−イウムイオン、テトラ
ブチルアンモニウムイオン、トリメチルベンジルアンモ
ニウムイオンなど)、インモニウムイオン(例えばピリ
ジニウムイオン、1−メチルピリジニウムイオン、1,
3−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセニウムイオ
ンなど)である。特に好ましいものは、プロトン、ナト
リウムイオン、カリウムイオン、トリエチルアンモニウ
ムイオン等の三級アンモニウムイオンである。
【0041】以下に本発明における一般式(I)で表さ
れるシアニン化合物の具体例(1)〜(41)を示す
が、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
【0042】
【化10】
【0043】
【化11】
【0044】
【化12】
【0045】
【化13】
【0046】
【化14】
【0047】
【化15】
【0048】
【化16】
【0049】本発明における一般式(I)で表されるシ
アニン化合物は親水性媒質中において、所謂J−会合体
を形成し易く、有機溶媒中で測定された吸収極大波長よ
りも数十nm〜数百nm長波長に、会合体に由来する吸
収帯を示し得る。なお、一般式(I)で表されるシアニ
ン化合物は、900〜1250nm程度の波長に吸収ピ
ークを示す。この様な性質を利用することにより、本発
明の感熱記録材料は、従来の赤外線吸収色素を用いた場
合よりも長波長のレーザー光線に対する感度を高めると
同時に、可視部の光吸収を少なくすることができる。
【0050】以下に本発明における一般式(I)で表さ
れるシアニン化合物の合成例を挙げるが、本発明の範囲
はこれらに何ら限定されるものではない。
【0051】合成例1 式(8)で表されるシアニン化
合物の合成 4−(6−クロロ−4−メチル−1−キノリニオ)ブタ
ンスルホナート0.19gと1,5−ジフェニル−3,
ベンジル−1,5−ジアザ−1,3−ペンタジエン塩酸
塩0.1gを(メタノール−アセトニトリル2:3容量
比)の混合溶媒に溶解し、室温にて攪拌した。その混合
溶液に対してトリエチルアミン1.7ml、無水酢酸
0.8mlを順次滴下し、室温にて10分間攪拌した。
その後反応混合物を50℃に昇温し1時間攪拌した。反
応混合物に対して酢酸カリウム0.15gのメタノール
溶液を加え、室温まで冷却した、生成した固形物を濾取
しメタノールで洗浄した。収量0.12g、収率26.
1%、λmax =822nm(MeOH)、1028nm
(H2O)、融点250℃以上
【0052】本発明における一般式(I)で表されるシ
アニン化合物の合成は、エフ・エム・ハーマー(F. M. H
amer) 著「ザ・シアニンダイズ・アンド・リレーテッド
・コンパウンズ(The Cyanine Dyes and Related Compou
nds)」(インターサイエンス・パブリッシャーズ(Inter
science Publishers) ,N.Y.,1964年)55頁
以降;ニコライ・チュチュルコフ、ユルゲン・ファビア
ン、アキム・メールホルン、フリッツ・ディエツ、アリ
ア・タジール(Nikolai Tyutyulkov, Juregen Fabian, A
chim Mehlhorn, Fritz Dietz, Alia Tadjer)共著「ポリ
メチン・ダイズ(Polumethine Dyes)」(セント・クリメ
ント・オーリズキ・ユニバーシティ・プレス(St. Klime
nt Ohridski University Press) ,ソフィア(Sophia),
1992年)23頁〜38頁;リサーチ・ディスクロー
ジャ誌(Reserch Disclosure),152巻48頁(197
6年)等を参考にすれば当業者には容易に合成すること
ができる。
【0053】一般式(I)で表されるシアニン化合物
は、ゼラチン又はポリビニルアルコールから選ばれる少
なくとも1種の水溶性高分子と共存した状態で塗布、乾
燥することにより、J会合体の形成が促進されレーザー
光の吸収効率が向上し好ましい。レーザー光吸収色素と
水溶性高分子の比率は、吸収色素1重量部に対して、水
溶性高分子1〜200重量部が好ましく、特に5〜10
0重量部が好ましい。
【0054】ここで使用されるゼラチンとしては、通常
の酸処理ゼラチン、アルカリ処理ゼラチン等何れも使用
することが可能であるが、アミノ基含有量が1%以上、
特に好ましくは3%以上であるものがJ会合体の安定性
の観点から好ましい。また、ここで使用されるポリビニ
ルアルコールとしては、完全ケン化、部分ケン化ポリビ
ニルアルコールの他に、各種の変性ポリビニルアルコー
ルを使用することができる。J会合体形成の観点から、
ポリビニルアルコールのケン化度が90%以上、特に9
8%以上が好ましい。更に重合度は500以上、特に1
500以上であるものが好ましい。
【0055】本発明で使用する一般式(I)で表される
シアニン化合物は、感熱記録材料の地肌の白色度を高め
ると共にレーザー光の吸収効率を高める機能を有してお
り、含有させる部位としては感熱記録層のいずれに含ま
れていてもよく、レーザー光吸収色素の発色成分の少な
くとも一方がマイクロカプセル化されている場合には、
例えば、マイクロカプセルの芯物質に含有させても、マ
イクロカプセル外部に含有させても、或いはマイクロカ
プセル壁中に含有せしめてもよく、さらに、同時に2以
上の箇所に前記シアニン化合物を含有せしめてもよい。
【0056】本発明で使用する水溶性バインダーは、感
熱層に含有される現像剤やマイクロカプセルを結着する
と共に、感熱層を支持体に接着させる作用を有するもの
である。このような水溶性バインダーとしては、ゼラチ
ン及び/又はゼラチン誘導体(例えば、フタル化ゼラチ
ン等)、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カ
ルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロ
ース等の水溶性ポリマー、アラビヤゴム、ポリビニルピ
ロリドン、カゼイン、スチレン−ブタジエンラテック
ス、アクリロニトリル−ブタジエンラテックス、ポリ酢
酸ビニル、ポリアクリル酸エステル、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体等の各種エマルジョン等が挙げられる。バ
インダーの使用量は、固形分に換算して0.5〜5g/
2 であることが好ましい。
【0057】なお、本発明においては、加熱時に有機銀
塩と現像剤との還元反応を促進し、画像の色調を整えて
迅速に現像を行わせる観点から、現像促進剤(色調剤)
を感熱層に含有させることが好ましい。この現像促進剤
は生ずる画像を濃色像、特に黒色像としたい時に好んで
用いられる。使用量は、有機銀塩1モル当り約0.00
01モル〜約2モル、好ましくは約0.0005モル〜
約1モルの範囲である。有効な現像促進剤は使用する有
機銀塩及び現像剤によって変動するが、最も一般的な現
像促進剤としては、少なくとも2つのヘテロ原子を含む
複素環式有機化合物であって、その複素環中に少なくと
も1個の窒素原子が存在するものである。
【0058】これらは、例えば、米国特許第3,08
0,254号明細書に記載されている。このような現像
促進剤の具体例としては、例えば、フタラゾン(フタラ
ジノン)、無水フタル類、2−アセチルフタラジノン、
2−フタリルフタラジノン、その他、特開昭50−67
132号公報に記載されているような置換フタラジノン
が挙げられ、これらは本発明に好ましく使用される。他
の有効な現像促進剤の例としては、特開昭46−607
7号公報に記載されているような、ピラゾリン−5−オ
ン類、環状イミド類、キナゾリノンが挙げられる。これ
らの具体例としては、例えば、フタルイミド、N−ヒド
ロキシフタルイミド、N−カリウムフタルイミド、フタ
ルイミド銀が挙げられる。又はフタラジノン類も現像促
進剤として有効である。
【0059】他の有効な現像促進剤としては、特開昭4
9−5019号公報、同49−5020号公報に記載さ
れているようなメルカプト化合物が挙げられる。他に、
特開昭50−2542号公報に記載されているようなオ
キサジンジオン類、同50−67641号公報に記載さ
れているようなフタラジンジオン類、同58−1142
17号公報に記載されているようなウラシル類、米国特
許第3,782,941号明細書に記載されているよう
なN−ヒドロキシナフタルイミド類、西独特許出願公告
公報第2,140,406号明細書、同第2,141,
063号明細書及び同第2,220,597号明細書に
記載されているような、置換フタルイミド類、西独特許
出願公開公報第2,220,618号明細書に記載され
ているような、フタラジノン誘導体も同様に使用でき
る。
【0060】本発明の感熱記録材料においては、さら
に、熱かぶり防止や画像形成後のバックグラウンドの安
定化の観点から、以下の方策を取ることが好ましい。先
ず第1に、水銀化合物が熱カブリ防止や画像形成後のバ
ックグラウンドの安定化に対して著効を示すことは周知
であるが、環境汚染の観点から、これらを使用すること
は好ましくないので、本発明においては、特開昭49−
10724号、同48−2842号、同48−8194
号の各公報に記載されているような、N−ハロゲノコハ
ク酸イミド、N−ハロゲノアセトアミド、N−ハロゲノ
オキサゾリノン、N−ハロゲノベンゾトリアゾール、及
びN−ハロゲノベンズイミダゾールのようなN−ハロゲ
ノ化合物を用いることが好ましい。
【0061】また、米国特許第3,645,739号明
細書、特開昭49−125016号、同49−1307
20号、同50−57619号、同50−39264号
の各公報等に記載されている高級脂肪酸;テトラハロゲ
ノフタル酸又はその無水物、ベンゼンスルホン酸、p−
トルエンスルホン酸等のアリールスルホン酸塩;ベンゼ
ンスルフィン酸やp−トルエンスルフィン酸等のアリー
ルスルフィン酸又はその塩類;ミリスチン酸リチウム、
ステアリン酸リチウム、ベヘン酸リチウム、パルミチン
酸リチウム、ラウリン酸リチウム等の高級脂肪酸リチウ
ム塩等を、酸安定剤として用いることができる。
【0062】他の酸安定剤としては、サリチル酸、p−
ヒドロキシ安息香酸、テトラブロム安息香酸、テトラク
ロル安息香酸、p−アセトアミド安息香酸、p−t−ブ
チル安息香酸等のアルキル置換安息香酸、フタル酸、イ
ソフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ジクエ
ン酸、5’、5’−メチレンビスサリチル酸、クエン
酸、酒石酸、シュウ酸、ホウ酸、リン酸、ピロリン酸等
も有効である。これらの酸安定剤は、熱かぶりを防止す
るだけでなく、画像形成後の白光にさらした時のバック
グラウンドの光変色を防止したり、シェルフライフを改
良する効果もある。
【0063】その他の熱かぶり防止及び光変色防止に有
効な化合物としては、ベンゾトリアゾール及びその誘導
体、テトラゾール及びその誘導体、チオウラシル類、1
−フェニル−5−メルカプトテトラゾールのようなメル
カプト化合物、特開昭47−318号公報に示されるア
ゾールチオエーテル類又はブロックされたアゾールチオ
ン類、米国特許第3,700,457号明細書に示され
るテトラゾリルチオ化合物、同3,707,377号明
細書及び4,108,455号明細書に示される感光性
ハロゲノ有機酸化剤、同3,874,946号明細書に
示される2,4−ビス(トリブロモメチル)−s−トリ
アジン、ポリブロモアルキルスルホニル化合物のような
ポリブロム化有機化合物、同4,546,075号明細
書に示されるトリハロメチルテトラゾール誘導体、トリ
ハロメチルベンズイミダゾール及びそのベンゾオキサゾ
ール対応物、又はベンゾチアゾール対応物、特開昭59
−57234号公報に開示されたRa −CX2 −R
b (Xはハロゲン:Ra 及びR b は、アシル基、オキシ
カルボニル基、オキシスルホニル基、アルキルスルホニ
ル基、アリルスルホニル基、アラルキルスルホニル基、
カルボキシル基、スルホ基、スルファモイル基等の基を
表す)で表される化合物、米国特許第4,465,76
1号明細書に示される有機ハロゲン化合物、同4,45
2,885号明細書に示される2−トリハロメチルオキ
サゾール誘導体、同4,756,999号明細書に示さ
れるトリハロメチル基をもつヘテロサイクリック化合
物、ヨーロッパ特許第622,666号明細書に開示さ
れている下記式で示される化合物が有効である。
【0064】
【化17】
【0065】前記式中の、R5、R6、R7は、それぞれ
独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコ
キシ基、チオアルキル基、過ハロゲン化アルキル基、又
はシクロアルキル基を表す。
【0066】以上の熱かぶり光変色防止剤を熱応答性カ
プセルと併用すると本発明の効果が特に顕著である。ま
た、マイクロカプセルの壁材を形成させるためのレーザ
ー光加熱時にマイクロカプセル壁を膨潤させるために、
増感剤を乳化分散又は固体分散状態で添加して熱感度を
増大させることもできる。増感剤は、カプセル壁材とし
て用いるポリマーの可塑剤と言われるものの中から、融
点が50℃以上、好ましくは150℃以下で常温では固
体であるものを選択して用いることができる。例えば、
カプセル壁材がポリウレア、ポリウレタンから成る場合
には、ヒドロキシ化合物、カルバミン酸エステル化合
物、芳香族アルコキシ化合物、有機スルホンアミド化合
物、脂肪族アミド化合物、アリールアミド化合物等が好
適に用いられる。
【0067】さらに、本発明では、発色助剤を用いるこ
とも可能である。本発明で用いることのできる発色助剤
とは、レーザー加熱記録時の発色濃度を高くする、又は
最低発色温度を低くする物質であり、カプセル壁の軟化
点を低下せしめる作用等により、有機銀塩と現像剤とが
反応し易い状況を作るためのものである。発色助剤とし
ては、フェノール化合物、アルコール性化合物、アミド
化合物、スルホンアミド化合物等があり、具体例として
は、p−tert−オクチルフェノール、p−ベンジル
オキシフェノール、p−オキシ安息香酸フェニル、カル
バニル酸ベンジル、カルバニル酸フェネチル、ハイドロ
キノンジヒドロキシエチルエーテル、キシリレンジオー
ル、N−ヒドロキシエチルーメタンスルホン酸アミド、
N−フェニルーメタンスルホン酸アミド等の化合物を挙
げることができる。これらは、芯物質中に含有させても
よいし、乳化分散物としてマイクロカプセル外に添加し
てもよい。
【0068】本発明で使用する支持体は透明であっても
不透明であっても良い。不透明な支持体としては、紙、
合成紙、紙に高分子フィルムをラミネートしたもの、ア
ルミ蒸着ベース、高分子フィルムに白色顔料をコートし
たもの等が挙げられる。この場合には、感熱層側からレ
ーザー光が照射されて効率良く感熱層に吸収されるよう
にするために、レーザー光の反射性が高い支持体を使用
するのが好ましい。
【0069】一方、透明な支持体としては、照射するレ
ーザー光を吸収せず、レーザー光照射時の発熱に対して
変形しない寸法安定性を有する支持体を使用することが
好ましい。この場合には、該透明支持体を通してレーザ
ー光を照射し、記録することもできる。支持体の厚みと
しては、10〜200μmのものが用いられる。このよ
うな透明な支持体としては、例えば、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリエチレンナフタレートやポリブチレン
テレフタレート等のポリエステルフィルム、三酢酸セル
ロースフィルム等のセルロース誘導体フィルム、ポリス
チレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレ
ンフィルム等のポリオレフィンフィルム、ポリイミドフ
ィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデン
フィルム、ポリアクリル酸共重合体フィルム、ポリカー
ボネートフィルム等が挙げられ、これらを単独或いは貼
り合わせて用いることができる。透明支持体として使用
し得るフィルム類は、ヘイズ(くもり度)が3%以下の
ものが好ましい。本発明に用いる支持体としては、ポリ
エステルフィルムに耐熱処理、帯電防止処理を施したも
のが特に好ましい。
【0070】フィルムの製造方法は、上記の目的を達す
ることができる条件で行えばよく、特に制限はない。具
体的には、加熱溶融して押出し、冷却、固化、延伸、熱
固定させてフィルムを製造する方法等が挙げられる。ま
た、支持体には、本発明の目的を妨げない範囲で無機微
粒子、酸化防止剤、帯電防止剤、色素等を配合すること
ができる。
【0071】ここで使用し得る無機微粒子としては、I
A族、IIA族、IVA族、VIA族、VII A族、VIII族、I
B族、IIB族、III B族、IVB族、各元素の酸化物、水
酸化物、硫化物、窒素化物、ハロゲン化物、炭酸塩、酢
酸塩、燐酸塩、亜燐酸塩、有機カルボン酸塩、珪酸塩、
チタン酸塩、硼酸塩及びそれらの含水化合物、それらを
中心とする複合化合物、天然鉱物粒子等が挙げられる。
具体的には、弗化リチウム、硼砂(硼酸ナトリウム含水
塩)等のIA族元素化合物、炭酸マグネシウム、燐酸マ
グネシウム、酸化マグネシウム(マグネシア)、塩化マ
グネシウム、酢酸マグネシウム、弗化マグネシウム、チ
タン酸マグネシウム、珪酸マグネシウム、珪酸マグネシ
ウム含水塩(タルク)、炭酸カルシウム、燐酸カルシウ
ム、亜燐酸カルシウム、硫酸カルシウム(石膏)、酢酸
カルシウム、テレフタル酸カルシウム、水酸化カルシウ
ム、珪酸カルシウム、弗化カルシウム、チタン酸カルシ
ウム、チタン酸ストロンチウム、炭酸バリウム、燐酸バ
リウム、硫酸バリウム、亜燐酸バリウム等のIIA族元素
化合物、二酸化チタン(チタニア)、一酸化チタン、窒
化チタン、二酸化ジルコニウム(ジルコニア)、一酸化
ジルコニウム等IVA族元素化合物、二酸化モリブデン、
三酸化モリブデン、硫化モリブデン等のVIA族元素化合
物、塩化マンガン、酢酸マンガン等のVII A族元素化合
物、塩化コバルト、酢酸コバルト等のVIII族元素化合
物、沃化第一銅等のIB族元素化合物、酸化亜鉛、酢酸
亜鉛等のIIB族元素化合物、酸化アルミニウム(アルミ
ナ)、酸化アルミニウム、弗化アルミニウム、アルミノ
シリケート(珪酸アルミナ、カオリン、カオリンナイ
ト)等のIII B族元素化合物、酸化珪素(シリカ、シリ
カゲル)、石墨、カーボン、グラファイト、ガラス等の
IVB族元素化合物、カーナル石、カイナイト、雲母(マ
イカ、キンウンモ)、バイロース鉱等の天然鉱物の粒子
が挙げられる。これらの中でも、ハンドリング性の観点
から、シリカ、タルク、チタニア、アルミナ、炭酸カル
シウム、酸化カルシウム、塩化カルシウム等及びこれら
の混合物等が好ましい。また、有機微粒子としては、架
橋ポリスチレン、架橋ポリメチルメタクリレート等の微
粒子が挙げられる。酸化防止剤、帯電防止剤、色素等
は、樹脂用添加剤として公知のものを目的に応じて配合
することができる。
【0072】本発明において、高分子フィルム又はこれ
をラミネートした紙を支持体として用いる場合、或い
は、透明な支持体を使用する場合には、支持体と感熱層
の接着性を高めるために、これらの間に下塗層を設ける
ことが好ましい。
【0073】下塗層の素材としては、ゼラチンや合成高
分子ラテックス、ニトロセルロース、アクリル酸エステ
ル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、スチレン/ブタジエ
ンゴム、水性ポリエステル等が用いられる。下塗層の塗
布量は、0.1〜2.0g/m2 であることが好まし
く、特に0.2〜1.0g/m2 が好ましい。下塗層
は、感熱層がその上に塗布された時に、感熱層中に含ま
れる水により膨潤して感熱層の画質を悪化させることが
あるので、硬膜剤を用いて硬化させることが望ましい。
【0074】硬膜剤としては、例えば特開平2−141
279号公報に記載されているものが挙げられる。これ
らの硬膜剤の添加量は、下塗層の重量に対して0.20
重量%から3.0重量%となる範囲で、塗布方法や希望
の硬化度に合わせて適切な添加量を選ぶことができる。
用いる硬膜剤によっては、必要ならば、さらに苛性ソー
ダを加えて液のpHをアルカリ側にする事も、或いはク
エン酸等により液のpHを酸性側にする事もできる。ま
た、塗布時に発生する泡を消すために消泡剤を添加する
事も、或いは、液のレベリングを良くして塗布筋の発生
を防止するために活性剤を添加することも可能である。
【0075】さらに、下塗層を塗布する前には、支持体
の表面を公知の方法により活性化処理する事が望まし
い。活性化処理の方法としては、酸によるエッチング処
理、ガスバーナーによる火焔処理、或いはコロナ放電処
理、グロー放電処理等が用いられるが、コストの面或い
は簡便さの点から、米国特許第2,715,075号明
細書、同第2,846,727号明細書、同第3,54
9,406号明細書、同第3,590,107号明細書
等に記載されたコロナ放電処理が最も好んで用いられ
る。
【0076】本発明においては、感熱層をスティッキン
グや溶剤等から保護するために、感熱層上に顔料を含有
する保護層を設けることが好ましい。このような顔料と
しては、例えば、雲母、タルク、炭酸カルシウム、酸化
亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、カオリン、タ
ルク、ロウ石、合成珪酸塩、非晶質シリカ、尿素ホルマ
リン樹脂粉末等が挙げられるが、これらの中でも特に炭
酸カルシウム、水酸化アルミニウム、カオリン、シリ
カ、雲母及びタルクが好ましい。本発明における保護層
は、顔料を保持すると共に透明性を良好とする観点か
ら、バインダーとして完全齢化ポリビニルアルコール、
カルボキシ変性ポリビニルアルコール、シリカ変性ポリ
ビニルアルコール等を含有するものであることが好まし
い。
【0077】本発明における保護層用塗布液(保護層液
という)は、上記バインダーの溶液に顔料を混合して得
られるが、目的に応じて、ステアリン酸亜鉛、ステアリ
ン酸カルシウム、パラフィンワックス、ポリエチレンワ
ックス等の滑剤及び分散剤、蛍光増白剤、架橋剤、スル
ホコハク酸系のアルカリ金属塩及びフッ素含有界面活性
剤、並びにポリオキシエチレン界面活性剤等の各種助剤
をさらに添加してもよい。
【0078】本発明の感熱記録材料は、例えば、一般式
RCOOAgで表される有機銀塩固体分散液又は有機銀
塩を内包するマイクロカプセル液を調製し、さらに、有
機銀塩の現像剤、レーザー光吸収色素及びその他の添加
物を添加して感熱層用塗布液を調製し、また、前記のよ
うな保護層用塗布液を調整し、支持体上に、バー塗布、
ブレード塗布、エアナイフ塗布、グラビア塗布、ロール
コーティング塗布、スプレー塗布、ディップ塗布等の塗
布法により塗布乾燥して、固形分重量で2.5〜25g
/m2 の感熱層、固形分重量で0.2〜7g/m2 の保
護層を設けることによって製造される。
【0079】有機銀塩及び現像剤の塗布量は、感熱層中
のAg成分として0.5〜3.0g/m2 とすることが
好ましく、特に0.8〜2.0g/m2 とすることが好
ましい。また、感熱層の厚みが1〜20μmとなるよう
に塗布されることが望ましい。本発明に用いる塗布液に
は、本発明の特性を損なわない限り、顔料分散剤、増粘
剤、流動変性剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、着色剤、ワ
ックス、及び硬膜剤等を必要に応じて適宜配合すること
ができる。
【0080】さらに、必要に応じて感熱記録材料の支持
体の発色層とは反対の面にバックコート層を設けてもよ
い。バックコート層は感熱記録材料のバックコート層と
して公知の物であればいずれのものでも使用することが
できる。本発明で用いられるレーザー光は、近赤外領域
にその波長を持つものが使用される。その具体例として
は、ヘリウム−ネオンレーザー、アルゴンレーザー、炭
酸ガスレーザー、YAGレーザー及び半導体レーザー等
が挙げられる。
【0081】次に、本発明の熱記録方法について説明す
る。前記本発明の感熱記録材料を用いるとレーザー光の
吸収効率が高く、地肌の着色が少ないため、低エネルギ
ーのレーザー光においても優れた画像を形成し得るが、
以下に述べる熱記録方法を適用することによって、さら
に、安定した濃度の画像を形成することができる。本発
明の熱記録方法は、付加される熱エネルギーに応じた濃
度で発色する前記本発明の感熱記録材料に対して、加熱
ビーム発生手段からのレーザビームを記録情報に応じて
変調して照射させ可視画像を記録した後、発色温度未満
の温度で再度感熱記録材料の全面を均一に加熱する方法
であり、これにより、発色反応が促進されて安定した濃
度の画像等を得ることができる。(以下、このレーザビ
ームによる可視画像等の記録後の加熱をポストヒートと
称する。)
【0082】なお、ポストヒート温度は、感熱記録材料
の発色特性に応じて40〜275℃の間に設定し、ま
た、予熱時間はスループットの関係から30秒以下に設
定することが望ましい。さらに望ましくは、発色成分の
共融点、又は発色成分がマイクロカプセル化されている
場合にはマイクロカプセル壁材のガラス転移温度である
温度等から、70〜150℃程度の間に設定するのがよ
く、例えば、発色温度が120℃の材料を用いた場合、
100〜110℃の温度条件で約0.5〜25秒程度加
熱することが好ましい。
【0083】また、前記レーザビームによる可視画像等
の記録(画像様加熱)に先立って、当該感熱記録材料の
全面を発色温度未満の温度で均一に予熱した後、前記の
熱記録方法を実施すれば、記録時におけるレーザビーム
のダイナミックレンジを充分に確保することができ、こ
れによって高階調画像等を容易に得ることができる。
(以下、このレーザビームによる可視画像等の記録に先
立つ予熱をプレヒートと称する。)
【0084】このプレヒートの条件としては、ポストヒ
ート温度はプレヒート温度と同様(40〜275℃、好
ましくは70〜150℃)又はそれ以下でよく、また、
加熱時間も同様に30秒以下、好ましくは10秒以下が
よい。具体的には、例えば、発色温度が120℃の材料
を用いた場合、100〜110℃の温度条件で約0.0
5〜2.5秒程度加熱することが好ましく、さらに好ま
しい加熱時間は0.1秒前後である。プレヒートの温度
が発色温度に達していなくても10秒を超える長時間の
加熱は発色成分に影響を与えることになり、好ましくな
い。また、プレヒート、レーザービームによる可視画像
記録に引続きポストヒートを行うときには、ポストヒー
トの加熱温度はプレヒートの温度と同様か低いことが好
ましく、ポストヒートの加熱時間はプレヒートよりも長
い時間であることが好ましい。プレヒートの効果を具体
的に述べれば、例えば、発色温度が120℃の材料を用
いて、110℃の温度に0.1秒保持するプレヒートを
行った場合、レーザービームによる発色に40mJ/m
2 のエネルギーを必要とした感熱記録材料にに対し
て、4mJ/mm2 のエネルギーのレーザービームによ
っても記録を行うことができることが確認された。
【0085】このような、プレヒート、ポストヒート処
理を付加して熱記録を行うためには、熱記録装置として
前記の方法に適応する加熱手段を備えて構成されるもの
を用いることが好ましい。以下、プレヒート、ポストヒ
ートを付加した熱記録方法について、例を挙げて経時的
に説明する。前記感熱記録材料は、ヒートローラ間に挟
持された状態で走査搬送しながらプレヒート(予熱)処
理される。このプレヒートはヒートローラの発熱により
発色直前の温度(以下、温度T1 と称する)まで予熱さ
れる。
【0086】次に、レーザダイオードにより、前記感熱
記録材料に記録される画像の階調に応じて変調されたレ
ーザビームが出力され、前記感熱記録材料の感熱層に
は、レーザビームによって所定の熱エネルギーが付与さ
れ、階調画像が記録される。ここで、前記感熱記録材料
は、ヒートローラより付与された熱エネルギーによって
予熱されているため、前記レーザダイオードは熱記録装
置が設置された場所の室温から発色温度(以下、温度T
2 と称する)までの広い範囲で制御する必要はなく、こ
の場合、レーザダイオードを温度T1 から温度T2 の範
囲で制御することで、加熱当初において発色し、高階調
の画像が形成される。また、レーザダイオードは、高出
力を要求されないため、熱記録装置全体の構成も簡素化
され、且つ、廉価なものとなる。
【0087】次いで、階調画像の記録された前記感熱記
録材料は、ヒートローラ間に挟持された状態で搬送され
ることで、再び加熱され、ポストヒート処理が施され
る。即ち、前記感熱記録材料は、発色直前の温度T
1 (プレヒート温度と同じ)まで加熱される。この場
合、レーザビームによって既に発色を開始している前記
感熱記録材料は、再び温度T1 まで加熱されることによ
り発色反応が促進され、その濃度は所望の値まで上昇す
る。このため、例えば、所望の濃度を得るためには、前
記感熱記録材料をポストヒートによる熱エネルギーを考
慮した所定温度までレーザビームによって加熱し、所望
の濃度が得られるように制御を行えばよい。以上のよう
に、レーザビームによって画像を記録した後、再び発色
直前の温度まで前記感熱記録材料を加熱するポストヒー
ト処理を行うことにより、発色反応を短時間で完了する
ことができ、しかも、その後の経時変化のない長期的に
安定した濃度の画像を得ることができる。
【0088】さらに、前記感熱記録材料の感熱層に含ま
れるバインダー成分若しくはマイクロカプセルの壁材と
して紫外線硬化性のものを選択し、且つ、ポストヒート
加熱部よりも下流側に紫外線ランプを配設し、上記のポ
ストヒート処理を行った後、紫外線定着を行うことによ
り、一層確実に画像の濃度を安定化させることができ
る。すなわち、レーザビームによって発色に必要な可視
画像の形成が終了した後、ポストヒート加熱部によって
前記感熱記録材料の加熱を行い、さらに、前記感熱記録
材料に紫外線ランプからの紫外線を照射すれば、発色成
分含有感熱層が硬化してその後の反応が抑制され、さら
に経時変化が生じることのない長期的に安定した濃度の
画像を得ることができる。
【0089】これらプレヒート、ポストヒート処理のた
めの加熱手段としては、前記のように一対のヒートロー
ラを用いることが一般的であるが、走査方向に対して複
数のヒートローラを配列した場合、前記感熱記録材料の
記録後の加熱温度を安定的に且つ高精度に設定すること
ができる。即ち、複数のヒートローラを用いることによ
り、熱容量が小さいヒートローラを用いた場合の加熱温
度むらを防止し得る。また、ヒートローラの後段に加熱
光源を設け、ヒートローラによる加熱後、加熱光源によ
って前記感熱記録材料をさらに加熱することによっても
加熱温度むらを防止し得る。さらにヒートローラでの加
熱に先立って加熱光源で輻射加熱を行うことによっても
同様の効果を得ることができる。また、前段の記録後加
熱手段で加熱に必要なエネルギーの大部分を与えるよう
にすることで、後段の手段の負担を小さくすることがで
き、さらに高精度な記録後加熱が可能となる。なお、予
熱手段の場合も同様に構成することができる。
【0090】加熱手段としては、ヒートローラの他、加
熱光源による輻射加熱、薄肉ベルトを介してのヒータに
よる加熱、赤外線ヒータより放射される赤外線を吸収さ
せる加熱、温風ヒータによる温風加熱等を適用すること
ができる。これらの加熱手段による加熱時間の制御は、
加熱手段のサイズ及び前記感熱記録材料の走行速度を調
整することによって行うことができる。この熱記録方法
に用いられる熱記録装置には特に制限はなく、所望の加
熱処理工程を実施しうる公知の記録装置を用いることが
できるが、例えば、特開平6−198925号公報に記
載の熱記録装置等を好適に使用することができる。
【0091】ここで、前記感熱記録材料は、予熱温度又
は記録後加熱温度を高くするに従って発色濃度が高くな
る特性を有している。従って、ポストヒートの加熱温度
・加熱時間、さらには、所望により行われるプレヒート
の加熱温度・加熱時間を制御し、これらの条件及び前記
感熱記録材料に付与される熱エネルギーを勘案してレー
ザビームの出力を制御し、所望の濃度、階調を有する画
像を効率よく形成するように調製することができる。
【0092】
【実施例】以下に、実施例を示し本発明を具体的に説明
するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるもので
はない。文中で特に断りのない限り「%」は「重量%」
を、「部」は「重量部」を意味する。
【0093】(実施例1)ベヘン酸銀の調製 ベヘン酸25.59gを水480gに添加し、90℃に
加温した後、水45gにNaOH3.0gを溶解した水
溶液を添加し、よく攪拌した後、50℃に冷却した。次
いで、得られた溶液に、水75gにAgNO3 12.9
gを添加した水溶液を5分間かけて滴下した後、30分
間攪拌を続行して反応を行わせた。得られた反応液をろ
布でろ過し、水800mlを加えて攪拌し洗浄した後、
再度ろ過した。このような水洗操作を3回繰り返した
後、得られた固形分を50℃の送風乾燥機で3日間乾燥
し、ベヘン酸銀乾燥固体を得た。 ベヘン酸銀/フタラゾン共分散液の調製 調製済のベヘン酸銀乾燥固体から21.1gを秤取し、
これにフタラゾン3.26g、15%ポリビニルアルコ
ール水溶液(商品名:PVA205、クラレ(株)製)
52.8g及びイオン交換水103gを加えて、ペイン
トシェーカにて3時間分散して平均粒径が0.6μm以
下のベヘン酸/フタラゾン共分散液を得た。現像剤水溶液の調製 22%ポリビニルアルコール(商品名:PVA203、
クラレ(株)製)50.0gに没食子酸メチル4.5
g、イオン交換水35.0gを加え、60℃で1時間攪
拌して、現像剤水溶液を調製した。感熱層塗布液の調製 前記ベヘン酸銀/フタラゾン共分散液8.0g、前記現
像剤水溶液4.0g、3%ベンゾトリアゾールのメタノ
ール溶液1.9g、及び前記式(32)で表されるシア
ニン化合物(吸収波長のピーク:約1055nm)0.
12gを攪拌混合し、感熱層塗布液を得た。保護層用塗布液の調製 水32g及びカルボキシ変成ポリビニルアルコール(商
品名:PVA−KL−318、クラレ(株)製)10%
の水溶液32gと、エポキシ変成ポリアミド(品名:F
L−71、東邦化学社製)30%の分散液8gとを混合
した液に、ポリオキシエチレン(界面活性剤)2%水溶
液5g、ステアリン酸亜鉛20%の分散液(商品名:ハ
イドリンZ、中京油脂(株)製)4gを添加して保護層
用塗布液を得た。
【0094】感熱記録材料の作製 下塗り層を設けた透明ポリエチレンテレフタレート支持
体(130μm/厚)上に、前記感熱層塗布液をワイア
ーバーを用いて乾燥膜厚10g/m2 となるように塗布
し、50℃で20分間乾燥した。次いで、この塗膜上
に、さらに、固形分が2.0g/m2 となるように保護
層用塗布液を塗布・乾燥して感熱記録材料を得た。上記
のようにして作製した感熱記録材料の感熱層側から、波
長1064nmのYAGレーザー光を画像様に照射して
黒色の記録画像を得た。レーザーの出力は、感熱層の表
面で、1ミリ秒間で40mJ/mm2 のエネルギーとな
るように調整した。得られた記録画像の発色部分の透過
濃度をマクベス濃度計を用いて測定したところ2.58
であった。
【0095】(実施例2)ベヘン酸銀を内包するカプセル液の調製 調製済のベヘン酸銀乾燥固体から27gを秤取し、これ
にポリビニルブチラール1.10g、酢酸イソアミル1
10gを加え、ペイントシェーカーにて3時間分散し、
さらに、モーターミルにかけて分散し、平均粒径0.4
μmのベヘン酸銀分散液を得た。得られた分散液10g
にカプセル壁材としてタケネートD−110N(商品
名、武田薬品社製:前記式(a)の構造を有するイソシ
アネート化合物)6gを添加したものを油相成分とし
た。これを、10%ポリビニルアルコール(商品名:P
VA217E、クラレ(株)製)水溶液32gと、水8
0gを混合した溶液(水相)に添加し、ホモジナイザー
(日本精機製、エースホモジナイザー)を用いて8,0
00rpmでさらに10分間微細乳化した。得られた微
細乳化分散液を、攪拌しながら65℃に加熱し、3時間
保持してカプセル化反応を行わせた。ここで、カプセル
壁材のベヘン酸銀に対する固形分重量比は約2.7であ
った。得られた液はベヘン酸銀を内包する平均粒径が
0.8μmのマイクロカプセル液である。塗布液の調製 前記ベヘン酸銀を内包するカプセル液15gに水4g、
3%ベンゾトリアゾールのメタノール溶液0.6g、前
記現像剤水溶液2.8g及び前記式(32)で表される
シアニン化合物0.4gを混合して、塗布液を得た。
【0096】感熱記録材料の作製 実施例1と同様にして、前記塗布液を乾燥膜厚で20g
/m2 となるように塗設・乾燥し、次いで、この塗膜上
に保護層を乾燥膜厚で2.0g/m2 となるように塗設
・乾燥し、感熱記録材料を得た。上記のようにして作製
した感熱記録材料の感熱層側から、波長1064nmの
YAGレーザー光を画像様に照射して黒色の記録画像を
得た。レーザーの出力は、感熱層の表面で、1ミリ秒間
で40mJ/mm2 のエネルギーとなるように調整し
た。得られた記録画像の発色部分の透過濃度をマクベス
濃度計を用いて測定したところ2.50であった。ま
た、実施例2の感熱記録材料は、40℃、90%RHに
1日間保存した後、及び60℃、30%RHに1日間保
存した後のいずれにおいても地肌カブリを観察したとこ
ろ、実施例1のものより優れていることが確認された。
【0097】(実施例3)実施例1において使用した前
記式(32)で表されるシアニン化合物の代わりに前記
式(25)で表されるシアニン化合物(吸収波長のピー
ク:約1100nm)を用いた外は実施例1と全く同様
にして感熱記録材料を作製した。得られた感熱記録材料
に、波長1064nmのYAGレーザー光を感熱層側か
ら画像様に照射して黒色の記録画像を得た。レーザー光
の出力は、感熱記録材料の感熱層の表面において1ミリ
秒間で40mJ/mm2 のエネルギーとなるように調整
した。得られた黒色の記録画像の透過濃度をマクベス濃
度計によって測定したところ2.51であった。
【0098】(実施例4)実施例1において使用した前
記式(32)で表されるシアニン化合物の代わりに前記
式(31)で表されるシアニン化合物(吸収波長のピー
ク:約980nm)を用いた外は実施例1と全く同様に
して感熱記録材料を作製した。得られた感熱記録材料
に、波長985nmの半導体レーザー光を感熱層側から
画像様に照射して黒色の記録画像を得た。レーザー光の
出力は、感熱記録材料の感熱層の表面において1ミリ秒
間で40mJ/mm2 のエネルギーとなるように調整し
た。得られた黒色の記録画像の透過濃度をマクベス濃度
計によって測定したところ2.54であった。
【0099】(実施例5)実施例1において使用した前
記式(32)で表されるシアニン化合物の代わりに前記
式(8)で表されるシアニン化合物(吸収波長のピー
ク:約1010nm)を用いた外は実施例1と全く同様
にして感熱記録材料を作製した。得られた感熱記録材料
に、波長985nmの半導体レーザー光を感熱層側から
画像様に照射して黒色の記録画像を得た。レーザー光の
出力は、感熱記録材料の感熱層の表面において1ミリ秒
間で40mJ/mm2 のエネルギーとなるように調整し
た。得られた黒色の記録画像の透過濃度をマクベス濃度
計によって測定したところ2.58であった。
【0100】(実施例6)実施例1において作成した感
熱記録材料に、実施例1におけるのと同様にして、波長
1064nmのYAGレーザー光を感熱層側から画像様
に照射した。その後、この感熱記録材料を106℃に加
熱し、2.0秒間その温度に保持して黒色の記録画像を
得た。得られた黒色の記録画像の透過濃度をマクベス濃
度計によって測定したところ3.25であった。
【0101】(実施例7)実施例1において作成した感
熱記録材料を110℃の温度に加熱し、0.1秒間保持
した後、実施例1におけるのと同様にして、波長106
4nmのYAGレーザー光を感熱層側から画像様に照射
した。レーザー光の出力は、感熱記録材料の感熱層の表
面において1ミリ秒間で4mJ/mm2 のエネルギーと
なるように調整した。得られた黒色の記録画像の透過濃
度をマクベス濃度計によって測定したところ2.84で
あった。
【0102】(実施例8)実施例1において作成した感
熱記録材料を110℃の温度に加熱し、0.1秒間保持
した後、実施例1におけるのと同様にして、波長106
4nmのYAGレーザー光を感熱層側から画像様に照射
した。その後、この感熱記録材料を106℃に加熱し、
2.0秒間その温度に保持して黒色の記録画像を得た。
レーザー光の出力は、感熱記録材料の感熱層の表面にお
いて1ミリ秒間で4mJ/mm2 のエネルギーとなるよ
うに調整した。得られた黒色の記録画像の透過濃度をマ
クベス濃度計によって測定したところ3.30であっ
た。
【0103】(比較例1)実施例1で使用した前記式
(32)で表されるシアニン化合物を用いない外は実施
例1と全く同様にして感熱記録材料を作製し、画像を記
録したところ、全く画像を記録することができなかっ
た。
【0104】(比較例2)実施例1で使用した前記式
(32)で表されるシアニン化合物の代わりにレーザー
光吸収色素としてカーボンブラック分散液を用い、また
レーザー光としてYAGレーザー光の代わりに半導体レ
ーザー光を用いた外は実施例1と全く同様にして感熱記
録材料を作製し、画像を記録し、その透過濃度を測定し
たところ、得られた記録画像の発色部分の透過濃度は
1.24(マクベス濃度計)であった。また、目視によ
り地肌部の着色が大きいことが観察された。
【0105】(比較例3)実施例5で使用した前記式
(8)で表されるシアニン化合物の代わりに下記式で表
されるレーザー光吸収色素を用いた外は実施例5と全く
同様にして感熱記録材料を作製し、画像を記録した。画
像の透過濃度を測定したところ、得られた記録画像の発
色部分の透過濃度は0.80(マクベス濃度計)であっ
た。また、目視により地肌部の着色が大きいことが観察
された。
【0106】
【化18】
【0107】(比較例4)実施例5で使用した前記式
(8)で表されるシアニン化合物の代わりに下記式で表
されるレーザー光吸収色素を用いた外は実施例5と全く
同様にして感熱記録材料を作製し、画像を記録し、その
透過濃度を測定したところ、得られた記録画像の発色部
分の透過濃度は1.57(マクベス濃度計)であった。
また、目視により地肌部の着色がやや目立つことが観察
された。
【0108】
【化19】
【0109】なお、実施例1〜8、比較例1〜4におい
て得られた記録画像の発色部分の透過濃度(マクベス濃
度計による)、地肌の着色及び感熱記録材料を40℃、
90%RHにて3日間保存した場合のカブリ変化及び濃
度変化を下記の基準に従って評価した結果を表1に示し
た。
【0110】(評価基準)画像記録感度 ◎(極めて高感度):記録画像の透過濃度3.0以上 〇(高感度) :透過濃度2.0以上3.0未満 △〜×(低感度) :透過濃度2.0未満地肌の着色 〇:目視にて観察し、着色少なく実用上問題のないレベ
ル △:目視にて観察し、着色がやや目立つ ×:目視にて観察し、着色が大きい生保存性(カブリ変化量) 感熱記録材料について、記録前に40℃90%RHにて
3日間保存した後、画像記録を行い、保存試験を行わな
かった感熱記録材料を同じ条件にて画像記録したものと
のカブリ濃度変化を測定した。変化量が±0.02以下
であるものを許容レベルと評価した。画像記録後保存性 感熱記録材料について、画像記録を行った後、40℃9
0%RHにて3日間保存し、保存前後の地肌の濃度変化
を測定した。変化量が±0.05以下であるものを許容
レベルと評価した。
【0111】
【表1】
【0112】表1を見ると、実施例1〜8により得られ
た画像はいずれも、比較例2〜4より得られた画像より
も透過濃度が濃い、換言すれば、発色性のよい記録画像
が得られ、且つ地肌の着色の程度も比較例2〜4より薄
く良好であることがわかる。即ち、実施例ではコントラ
ストの高い記録画像が得られることがわかる。また、用
いたレーザー光吸収色素のみが異なる実施例5と比較例
3〜4との比較から、上記効果はレーザー光吸収色素と
して前記シアニン化合物を用いたことに起因するもので
あることがわかる。さらに、実施例1と実施例6〜8と
の比較から、レーザーによる画像記録の前後にポストヒ
ート処理及び/又はプレヒート処理を行う本発明の熱記
録方法を適用すると、同じ感熱記録材料を用いても、よ
り高感度の画像記録、より低いエネルギーのレーザー使
用による良好な画像記録を行えることがわかる。
【0113】
【発明の効果】本発明の感熱記録材料は、レーザー光の
吸収効率が高い上に地肌の着色が少なく品位の良い記録
を可能にするという効果を奏する。また、有機銀塩及び
有機銀塩の現像剤の少なくとも一方をマイクロカプセル
化すると、経時かぶりをさらに軽減することができる。
また、本発明の熱記録方法によれば、前記本発明の感熱
記録材料を用いて記録後の画像の濃度を安定させること
ができ、また、画像等を記録するためのレーザビームの
ダイナミックレンジを充分に確保して高階調で且つ高精
度な画像等を得ることができ、しかも、前記レーザビー
ムを発生する加熱ビーム発生手段に対する負担を軽減し
て装置を簡易且つ廉価なものとすることができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、少なくとも有機銀塩、有機
    銀塩の現像剤、レーザー光吸収色素、及び水溶性バイン
    ダーを含有する感熱層を設けた感熱記録材料であって、
    該レーザー光吸収色素が下記一般式(I)で表されるシ
    アニン化合物であることを特徴とする感熱記録材料。 一般式(I) 【化1】 (一般式(I)中、R1及びR2は、直鎖又は分枝状のア
    ルキレン基を表し、これらは各々更にハロゲン原子、ヒ
    ドロキシル基、アルコキシ基、又はアリール基で置換さ
    れていてもよい。X1及びX2は、CH=CH、S、O、
    Se、NR3、又はC(R42を表す。R3及びR4は、
    アルキル基を表し、これらは更に置換基を有してもよ
    い。Y1及びY2は、スルホナート基又はカルボキシラー
    ト基を表す。Z1及びZ2は、芳香環を完成するための原
    子群を表し、これらは各々更に置換基を有してもよい。
    1は、メチン基が共役二重結合によって5個又は7個
    連結されて生じる3価の基を表し、これらは更に置換基
    を有してもよい。r及びsは、各々0又は1を表す。M
    1は、対カチオンを表す。)
  2. 【請求項2】 前記有機銀塩が固体分散状態で含有され
    ている請求項1に記載の感熱記録材料。
  3. 【請求項3】 前記有機銀塩及び前記有機銀塩の現像剤
    の少なくとも一方がマイクロカプセル化されている請求
    項1に記載の感熱記録材料。
  4. 【請求項4】 前記有機銀塩の現像促進剤が含まれてい
    る請求項1に記載の感熱記録材料。
  5. 【請求項5】 付加される熱エネルギーに応じた濃度で
    発色する請求項1から4のいずれかに記載の感熱記録材
    料に対して、記録情報に応じて変調されたレーザビーム
    を照射し、該感熱記録材料を所定の発色温度に画像様に
    加熱する第1の過程と、前記画像様に加熱された感熱記
    録材料の全面を該感熱記録材料の発色温度未満の所定温
    度で均一に加熱する第2の過程と、を含むことを特徴と
    する熱記録方法。
  6. 【請求項6】 付加される熱エネルギーに応じた濃度で
    発色する請求項1から4のいずれかに記載の感熱記録材
    料の全面を発色温度未満の所定温度に均一に予熱する第
    1の過程と、前記予熱された感熱記録材料に対して、記
    録情報に応じて変調されたレーザビームを照射し、当該
    感熱記録材料を所定の発色温度に画像様に加熱する第2
    の過程と、を含むことを特徴とする熱記録方法。
  7. 【請求項7】 付加される熱エネルギーに応じた濃度で
    発色する請求項1から4のいずれかに記載の感熱記録材
    料の全面を発色温度未満の所定温度に均一に予熱する第
    1の過程と、前記予熱された感熱記録材料に対して、記
    録情報に応じて変調されたレーザビームを照射し、当該
    感熱記録材料を所定の発色温度に画像様に加熱する第2
    の過程と、前記画像様に加熱された感熱記録材料の全面
    を当該感熱記録材料の発色温度未満の所定温度で均一に
    加熱する第3の過程と、を含むことを特徴とする熱記録
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024070694A1 (ja) * 2022-09-26 2024-04-04 富士フイルム株式会社 組成物、膜、光学フィルタ、固体撮像素子、画像表示装置、赤外線センサ、カメラモジュールおよび化合物

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